JP7052693B2 - 車両シート構造 - Google Patents

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Description

本明細書では、乗員が着座するシートクッションと、乗員の上体を背後から支えるシートバックと、を有する車両シート構造を開示する。
車両に搭載されるシートについては、従来から、種々のランバーサポート機能が提案されている。ランバーサポートとは、乗員の着座姿勢の安定化と着座疲労の軽減化を図るために、乗員の腰部(ランバー)を保持して運転姿勢を適正化するものである。かかるランバーサポートでは、着座した乗員の脊椎が適切な逆S字カーブを描くように、腰部を適度な圧力で支持することが求められる。
特許文献1-4には、こうしたランバーサポート機能を有した車両シート構造が開示されている。具体的には、特許文献1には、シートバックに設けられた空気袋に注入する空気量を調整することで、腰部を支持する圧力を調整する技術が開示されている。また、特許文献2には、シートバックの下部の傾斜をモータで可変することで腰部の支持圧力を調整する技術が開示されている。特許文献3,4には、シートバック内に設けられた板の撓み量を変更することで、腰部の支持圧力を調整する技術が開示されている。
特開2009-172145号公報 特開2005-313696号公報 特開2000-062506号公報 特開2007-013763号公報
ところで、適切なランバーサポートのためには、着座者の上体背部の各部を支持する力および支持位置を着座者の体格に合わせて変更する必要がある。特許文献1-4では、支持圧力を調整するためには、空気注入用のポンプや、シートバックの下部または板の位置を変更するモータ等が必要であり、その構造が複雑かつ大型になりやすかった。また、着座者の体格に応じて支持する位置および圧力を変更するためには、着座者自身が上述したポンプやモータ等を駆動操作するという作業があり、煩雑であった。
そこで、本明細書では、簡易な構造でありながら、着座者の上体背部を当該着座者の体格に合わせて適切に支持できる車両シート構造を開示する。
本明細書で開示する車両シート構造は、乗員が着座するシートクッションと、乗員の上体を背後から支えるシートバックと、を有する車両シート構造であって、前記シートバックは、乗員の上体背部が当接するシートバックパッドと、前記シートバックパッドの背後かつ前記シートバックの左右両側において、略上下方向に延びる一対の縦部材と、前記一対の縦部材の間に架け渡され、上下方向に間隔を開けて複数設けられる架け渡しワイヤであって、前記シートバックパッドを背後から支える複数の架け渡しワイヤと、を備え、前記縦部材は、その高さ方向中間に設定される中間高さ範囲におけるねじれ剛性が、当該中間高さ範囲の上下方向両側におけるねじれ剛性よりも高く、前記縦部材のうち、前記縦部材の図心よりも、車両前方かつ幅方向内側、または、車両後方かつ幅方向外側に、前記架け渡しワイヤを取り付けられるワイヤ取付部が設けられている、ことを特徴とする。
かかる構成とした場合、着座者がその上体をシートバックに預けると、架け渡しワイヤが後ろ向きの力を受ける。そして、この架け渡しワイヤにかかった力が縦部材にも伝達され、縦部材は、架け渡しワイヤの張力を緩める方向にねじれる。ただし、着座者の腰椎に対応する中間高さ範囲は、ねじれ剛性が高いため、殆どねじれず、着座者の腰部を高い支持力で支持し続けることができる。また、中間高さ範囲の上下方向両側では、縦部材のねじれ剛性が低いため、着座者の上体背部からの力を受けて容易にねじれ、張力が緩和される。ただし、この縦部材のねじれ量、架け渡しワイヤの張力緩和量は、一定ではなく、着座者の体格(上体背部の凹凸の分布)に応じて異なってくる。結果として、上記構成によれば、着座者の体格に応じたシートバックの支持力分布を容易に得られる。
また、前記縦部材本体は、前記中間高さ範囲より下方におけるねじれ剛性が、前記中間高さ範囲より上方におけるねじれ剛性よりも高くてもよい。
かかる構成とすれば、肩甲骨などの大きな凸がある高さ範囲における縦部材のねじれが、より生じやすくなるため、肩甲骨の局所当たりを緩和し、個人の姿勢差をより確実に吸収できる。
また、前記縦部材は、横断面が略コ字状の縦部材本体と、前記中間高さ範囲において、前記縦部材本体を補強する補強部材と、を有してもよい。
かかる構成とすることで、中間高さ範囲における縦部材のねじれ剛性を確実に高めることができる。
この場合、補強部材は、前記縦部材本体との間に閉断面を形成するように前記縦部材本体に接合されるパッチ部材と、前記閉断面内に収容または充填される芯材と、を有してもよい。
かかる構成とすることで、中間高さ範囲における縦部材自体のサイズを大幅に変えることなく、中間高さ範囲におけるねじれ剛性を高めることができる。
本明細書で開示する車両シート構造によれば、簡易な構造でありながら、着座者の上体背部を当該着座者の体格に合わせて適切に支持できる。
車両シート構造を前方からみた斜視図である。 車両シート構造を後方からみた斜視図である。 シートバックの概略正面図である。 シートバックの概略側面図である。 第一高さ範囲における縦部材の断面図である。 第二高さ範囲における縦部材の断面図である。 第三高さ範囲における縦部材の断面図である。 乗員の着座に伴う第三高さ範囲の架け渡しワイヤの変化を示すイメージ図である。 縦部材のねじり変形の様子を示すイメージ図である。
以下、図面を参照して車両用シート10の構成について説明する。図1および図2は、車両用シート10の概略構成を模式的に示す斜視図である。図1は、前方左方から見下ろした状態で車両用シート10を示す図であり、図2は、後方左方から見上げた状態で車両用シート10を示す図である。また、図3は、車両用シート10の概略的な正面図であり、図4は、車両用シート10の概略的な側面図である。図1~図4では、適宜、一部の部品が省略されている。また、以下の図面において、UP、FR、LHは、それぞれ、車両用シート10に着座する乗員(以下「着座者」という)からみての上方、前方、左方を示している。
この車両用シート10は、乗用車などの自動車に適用されるシートであって、一人の乗員が着座することを想定した一人用シートである。車両用シート10は、車体に直接搭載されるメインフレーム12と、メインフレーム12に支持されるシートクッション14およびシートバック16を有する。なお、図1、図2において、シートクッション14は、クッションパッドを省略した状態で示されている。シートクッション14は、着座者の臀部および大腿を下方から支持し、シートバック16は着座者の上体を後方から支える。
メインフレーム12は、シートクッション14を支持するシートクッション支持フレーム18と、シートバック16を支持するシートバック支持フレーム20を有する。シートクッション支持フレーム18は、車両の前後方向に延びる一対のシートトラック22と、シートクッション14の四隅下方に設けられたシート脚24と、を有する。シートトラック22は、フロアに固定されたロアレール26と、ロアレール26に対してスライド可能なアッパーレール28を含む。シート脚24は、このアッパーレール28と後述するサイドプレート30とを連結する。そして、これにより、車両用シート10は、フロア上に車両の前後方向にスライド可能に搭載される。
シートクッション支持フレーム18は、さらに、シートクッション14の左右に配置された一対のサイドプレート30と、一対のサイドプレート30の間に架け渡される二つの連結バー32と、を含む。サイドプレート30は、概略板形状の部材であり、板厚の方向が左右方向となり、かつ、長尺方向が前後方向となるよう配置されている。二本の連結バー32のうちの一つは、一対のサイドプレート30の前端部同士を連結している。また、二本の連結バー32の他の一つは、一対のサイドプレート30の後端部同士を連結している。
シートクッション14は、シートクッション支持フレーム18で支持されるクッションパン34と、クッションパン34上に取り付けられるクッションパッド(不図示)を含む。クッションパン34は、前方および左右側方をシートクッション支持フレーム18に囲まれるように、シートクッション支持フレーム18の内側に配置されている。クッションパッドは、このクッションパン34の上に取り付けられている。なお、このクッションパンおよびクッションパッドを、シートクッション支持フレーム18に対して移動可能としてもよい。
メインフレーム12の一部であるシートバック支持フレーム20は、正面視において倒立したU字形状を有する。このシートバック支持フレーム20の下端部は、左右方向に沿って延びる軸線周りに回動可能に、シートクッション支持フレーム18の後端部に結合されている。そして、シートクッション支持フレーム18に対してシートバック支持フレーム20を回動させることで、シートバック16の傾きを調節することができる。
シートバック16は、シートバック支持フレーム20に吊り下げ支持されるシートバックフレーム38と、シートバックフレーム38に取り付けられるシートバックパッド40と、を含む。シートバックフレーム38は、車両用シート10の左右両側を略上下方向に沿って延びる一対の縦部材42と、左右の縦部材42をつなぐ略左右方向に沿って配置された二本の横部材44U,44Lを含む。2本の横部材44U,44Lのうち上側に位置する横部材を上側横部材44Uと記し、下側に位置する横部材を下側横部材44Lと記す。上側横部材44Uは、縦部材42の上下方向の中央よりやや上の位置で二本の縦部材42に接続し、下側横部材44Lは、2本の縦部材42の下端で、これらに接続している。上側横部材44Uの左右の端部には、後方に向けて突出するばね受けブラケット46が固定されている。ばね受けブラケット46の後端には、板ばねである戻しばね48の後端がそれぞれ固定され、さらに戻しばね48の前端は、シートバック支持フレーム20に固定されている。下側横部材44Lの中央部にも同様に、板ばねである戻しばね48の後端が固定され、さらに戻しばね48の前端は、シートバック支持フレーム20に固定されている。板ばねである戻しばね48は、板厚方向が略左右方向となるように配置されている。これらの戻しばね48がたわむことにより、シートバック支持フレーム20に対するシートバックフレーム38の左右の移動が許容される。また、戻しばね48の弾性力により、シートバックフレーム38は、車両用シート10の幅の中央の中立位置に戻される。
シートバックフレーム38は、複数の吊り下げワイヤ50A,50B,50Cを介してシートバック支持フレーム20に吊り下げ支持されている。より具体的に説明すると、シートバックパッド40の背面には略円板状の中継ディスク52が取り付けられている。この中継ディスク52は、左右2本ずつの吊り下げワイヤ50A,50Bによりシートバック支持フレーム20から吊り下げ支持されている。また、シートバックフレーム38は、左右それぞれ2本の吊り下げワイヤ50Cにより中継ディスク52から吊り下げられている。
吊り下げワイヤ50Aは、無端状であり、シートバック支持フレーム20上の点と中継ディスク52を巡るように架け渡されている。また、吊り下げワイヤ50Bは、両端が、シートバック支持フレーム20に設けられた肩部ブラケット54上の点に結合され、中間部が中継ディスク52に掛けられている。肩部ブラケット54は、シートバック支持フレーム20から前方および後方に延びており、前端部および後端部に吊り下げワイヤ50Bの両端が結合されている。
それぞれ対をなす左右の吊り下げワイヤ50Aおよび吊り下げワイヤ50Bにより中継ディスク52の左右方向の位置が規定される。より具体的には、1対の吊り下げワイヤ50Aにより中継ディスク52の上下方向の位置が規定され、1対の吊り下げワイヤ50Bにより中継ディスク52の前後方向の位置が規定される。1対の吊り下げワイヤ50Cは、一端がシートバックフレーム38の上側横部材44Uに、他端が下側横部材44Lに結合され、中間部が中継ディスク52に掛けられている。これらのワイヤ50A,50B,50Cで吊り下げ支持されたシートバック16は、中継ディスク52を中心にして前後に延びる軸線周りに振り子のように回動可能となっている。
シートバックフレーム38の左右の縦部材42の間には、複数本の架け渡しワイヤ56が左右方向に架け渡されている。架け渡しワイヤ56は、上下方向に間隔を開けて複数、設けられている。この架け渡しワイヤ56は、シートバックパッド40を後方から支え、着座者からの荷重を受ける。
ここで、上述した通り、シートバックフレーム38は、一対の縦部材42を有している。本例では、この縦部材42のねじり剛性を、高さ位置によって異ならせている。具体的に説明すると、縦部材42は、下側から順に、第一高さ範囲58、第二高さ範囲60、および、第三高さ範囲62に大別される。第二高さ範囲60は、縦部材42の高さ方向中間に設定される中間高さ範囲であって、着座者の腰部に対応する高さ範囲である。また、第一高さ範囲58は、着座者の腰部より下方であって仙骨等に対応する高さ範囲であり、第三高さ範囲62は、着座者の腰部より上方であって胸椎や肩甲骨等に対応する高さ範囲である。
本例では、この縦部材42のうち、第二高さ範囲60のねじり剛性を、第一および第三高さ範囲58,62のねじり剛性より高くしている。さらに、第一高さ範囲58のねじり剛性を、第三高さ範囲62のねじり剛性より高くしている。そして、ねじり剛性の違いを実現するために、縦部材42の構成を高さ範囲によって異ならせている。
これについて、図5~図7を参照して説明する。図5は、図3の高さAでの(すなわち第一高さ範囲58での)端面図である。また、図6は、図3の高さBでの(すなわち第二高さ範囲60での)端面図であり、図7は、図3の高さCでの(すなわち第三高さ範囲62での)端面図である。本例において、縦部材42は、縦部材本体64と、第二高さ範囲60にのみ設けられる補強部材66と、を有している。縦部材本体64は、金属材料からなり、上下方向に延びる部材である。縦部材本体64は、図4に示すように、側方視では、逆S字状に緩やかに湾曲している。この縦部材本体64は、幅方向外側に開口した略コ字状であり、前後方向に延びる中間部68と、一端が中間部68前端に連結された前側部70と、一端が中間部68後端に連結された後側部72と、を有している。
ここで、第一高さ範囲58における縦部材本体64の断面幅(幅方向寸法W×前後方向寸法L)は、第三高さ範囲62における縦部材本体64の断面幅よりも大きくなっている。これは、第一高さ範囲58における縦部材本体64のねじり剛性を、第三高さ範囲62における縦部材本体64のねじり剛性よりも大きくするためである。
また、第二高さ範囲60には、縦部材本体64を補強する補強部材66が設けられている。本例において補強部材66は、パッチ部材74と芯材76と、を含む。パッチ部材74は、縦部材本体64との間に閉断面を形成するように当該縦部材本体64に接合される部材である。より具体的には、パッチ部材74は、金属材料からなり、略コ字状の開口を塞ぐ略平板部材である。芯材76は、閉断面内に収容または充填されるもので、例えば、棒材や発泡体などが該当する。なお、この第二高さ範囲60の構成は、一例であり、第一、第三高さ範囲58,62よりも高いねじり剛性を有するのであれば、他の形態でもよい。例えば、補強部材66は、パッチ部材74のみでもよく、芯材76はなくてもよい。また、補強部材66を設ける構造に替えて、または、加えて、縦部材本体64の板厚の増加、縦部材本体64の材質の変更、縦部材本体64の断面幅の増加等の構造を採用してもよい。
架け渡しワイヤ56は、縦部材本体64の前側部70に取り付けられている。架け渡しワイヤ56の取り付け形態は、当該架け渡しワイヤ56が受ける荷重を、前側部70に伝達できるのであれば、特に限定されない。したがって、架け渡しワイヤ56は、図5、図6に示すように、両端が前側部70に固着された有端ワイヤでもよいし、図7に示すように、前側部70に固着された軸78に引っ掛けられるループ状(無端状)のワイヤであってもよい。
以上のように、本例では、縦部材42のねじり剛性を、高さ範囲によって異ならせているが、その理由について説明する。一般に、着座者の着座姿勢の安定化と着座疲労の軽減化を図るためには、立位時に人の脊椎が描く逆S字カーブを着座時にも保つとともに、着座時のストレスが集中する腰椎を適度な圧力で支持することが必要とされる。こうしたS字カーブを維持するように腰椎を支持することは、ランバーサポートと呼ばれている。従来から、このランバーサポートを実現するために、シートバック16に、着座者の背中に局所的な圧力を付加する空気袋や板材等を設けておくことが提案されている。こうした従来技術では、空気袋に注入する空気量を調整したり、モータで板材の撓み量を調整したりして、腰椎の支持力を調整している。また、従来技術の中には、上述した板材の位置等をモータ等で変更できるものもある。
しかし、こうした従来技術では、空気を注入するポンプや、板材を動かすためのモータ等が必要であり、車両用シート10が大型かつ複雑になりやすかった。また、適切なランバーサポートを得るためには、車両用シート10に着座する乗員の体格に合わせて、腰椎を支持する位置および力を変更する必要がある。従来技術では、腰椎を支持する位置および力の大きさを調整するために、乗員の指示操作が必要であり、適切なランバーサポートを得るまでの手順が煩雑であった。
本例では、車両用シート10に着座した乗員の体格に合わせて架け渡しワイヤ56の張力が自動的に変更されるため、腰部の支持圧力を簡易かつ適切に設定できる。具体的に、この支持圧力調整の原理について図8、図9を参照して説明する。図8は、乗員の着座に伴う第三高さ範囲62の架け渡しワイヤ56の変化を示すイメージ図である。また、図9は、縦部材42のねじり変形の様子を示すイメージ図である。
図8に示すように、車両用シート10に乗員が着座し、着座者が背中をシートバック16にもたれると、架け渡しワイヤ56は、その幅方向中間部が車両後方に引っ張られる。これに伴い、架け渡しワイヤ56の端部(縦部材42への取り付け箇所)は、車両後方かつ車幅方向内側に引っ張られる。この引っ張りの力は、縦部材本体64にも伝達され、縦部材本体64は、図9に示すように、ワイヤ取付部80が幅方向内側かつ車両後方に近づくような、ねじれが発生する。このねじれ量は、架け渡しワイヤ56の引っ張り力が同じであれば、縦部材本体64のねじり剛性が低いほど大きくなる。また、このねじれ量は、縦部材本体64のねじれ剛性が同じであれば、架け渡しワイヤ56の引っ張り力が大きいほど、大きくなる。そして、縦部材本体64のねじれ量が大きいほど、架け渡しワイヤ56の張力は低下し、着座者の支持力が低下する。
なお、本例では、縦部材本体64の前側部70にワイヤ取付部80を設けているが、ワイヤ取付部80は、他の箇所に設けられてもよい。ただし、ワイヤ取付部80は、縦部材本体64が架け渡しワイヤ56に引っ張られて、ねじれた際に、幅方向内側かつ車両後方に移動する位置に設けられることが望ましい。すなわち、縦部材本体64のねじれは、当該縦部材42の図心付近を中心として生じる。ワイヤ取付部80は、この図心(ねじれの中心Pc)よりも、車両前方かつ幅方向内側、あるいは、車両後方かつ幅方向外側(図9における網掛け領域)に位置することが望ましい。かかる位置にワイヤ取付部80を設ければ、ワイヤ取付部80は、縦部材本体64のねじれ変形に伴い、車両後方かつ幅方向内側に進むため、架け渡しワイヤ56の張力が効果的に低下する。
ところで、本例では、上述したように、腰椎に対応する第二高さ範囲60におけるねじり剛性は、第一、第三高さ範囲58,62におけるねじり剛性よりも高くなっている。そのため、第二高さ範囲60では、上述した縦部材本体64のねじれが殆ど発生せず、架け渡しワイヤ56の張力を高く維持でき、ひいては、腰椎を支持する力を高く保てる。一方、第一、第三高さ範囲58,62では、第二高さ範囲60に比べてねじれ量が大きくなるため、これら第一、第三高さ範囲58,62における架け渡しワイヤ56の支持力が低下する。そして、これにより、仙骨および胸椎は、腰椎に比べて、背後に沈み込みやすくなり、着座者の脊椎を、立位時と同じ逆S字カーブに保ちやすくなる。
また、着座者の上体背部は、当然ながら、平坦ではなく、凹凸がある。例えば、肩甲骨付近は、腰椎付近よりも、後方に突出している。シートバック16の背後への沈み込み量は、こうした着座者の上体背部の凹凸に応じて変化することが望ましい。着座者の上体背部のうち後方への突出量が大きい高さ位置では、架け渡しワイヤ56を車両後方に引っ張る力が大きくなるため、縦部材本体64のねじれ量も大きくなる。結果として、着座者が特別な指示操作をしなくても、着座者がその上体背部をシートバック16にもたれさせるだけで、着座者の体格に応じて、シートバック16の背後への沈み込み量がその高さごとに変化する。別の言い方をすれば、本例では、シートバック16の支持力分布が、着座者の体格に応じて、自動的に調整される。そして、これにより、着座者の体格に応じた適切なランバーサポートが得られる。
なお、通常、人の上体背部で最も後方に突出するのは、肩甲骨付近であるが、本例では、この肩甲骨に対応する第三高さ範囲62におけるねじり剛性を低くしている。これにより、シートバック16は、肩甲骨付近で、より沈み込みやすくなり、着座者の体格により対応しやすくなっている。
以上の説明から明らかな通り、本例では、一対の縦部材42と、当該一対の縦部材42の間に架け渡されるとともにシートバック16を支持する複数架け渡しワイヤ56を設け、縦部材42の第二高さ範囲60におけるねじり剛性を、第一、第三高さ範囲58,62におけるねじり剛性より高くしている。これにより、腰椎付近の支持力を、胸椎や仙骨付近の支持力より大きく保つことができ、着座者の脊椎を立位時と同じ逆S字形状に保ちやすくなる。また、こうしたシートバック16の支持力は、着座者の体格に応じて変化するため、着座者の体格に応じた適切なランバーサポートが得られる。さらに、本例では、ポンプやモータが不要であるため、ランバーサポートの構成を簡易化でき、ひいては、車両用シートを小型かつ軽量にできる。
なお、これまで説明した構成は一例であり、縦部材42の第二高さ範囲60(中間高さ範囲)におけるねじり剛性が、その上下方向両側におけるねじり剛性より高いのであれば、その他の構成は、適宜、変更されてもよい。例えば、本例では、縦部材42のねじれ剛性を、主に3段階に分けているが、腰椎に対応する高さ範囲のねじり剛性が最も高くなるのであれば、ねじり剛性は、より多段階に異なっていてもよい。
また、本例では、縦部材本体64を、幅方向外側に開口した略コ字状としているが、縦部材本体64の形状は、適宜、変更されてもよい。したがって、縦部材本体64は、その断面形状が幅方向内側に開口した略コ字状であってもよいし、略L字状でもよい。ただし、縦部材本体64は、ねじれが生じやすいように、薄板または薄板を屈曲又は湾曲してなる板金部材であることが望ましい。
また、本例では、より適切なランバーサポートを得るために、縦部材42を、側方視で、略逆S字状に湾曲させているが、縦部材42は、ストレート形状であってもよい。また、本例では、縦部材42の第一高さ範囲58におけるねじれ剛性を、第二高さ範囲60におけるねじれ剛性よりも高くしているが、両者は、ほぼ同じとしてもよい。また、本例では、シートバックフレーム38は、シートバック支持フレーム20に対して移動可能に保持されているが、シートバックフレーム38は、シートバック支持フレーム20に対して位置不変であってもよい。
10 車両用シート、12 メインフレーム、14 シートクッション、16 シートバック、18 シートクッション支持フレーム、20 シートバック支持フレーム、22 シートトラック、24 シート脚、26 ロアレール、28 アッパーレール、30 サイドプレート、32 連結バー、34 クッションパン、38 シートバックフレーム、40 シートバックパッド、42 縦部材、44L 下側横部材、44U 上側横部材、46 ばね受けブラケット、48 戻しばね、50A~50C 吊り下げワイヤ、52 中継ディスク、54 肩部ブラケット、56 架け渡しワイヤ、58 第一高さ範囲、60 第二高さ範囲、62 第三高さ範囲、64 縦部材本体、66 補強部材、68 中間部、70 前側部、72 後側部、74 パッチ部材、76 芯材、80 ワイヤ取付部。

Claims (1)

  1. 乗員が着座するシートクッションと、乗員の上体を背後から支えるシートバックと、を有する車両シート構造であって、
    前記シートバックは、
    乗員の上体背部が当接するシートバックパッドと、
    前記シートバックパッドの背後かつ前記シートバックの左右両側において、略上下方向に延びる一対の縦部材と、
    前記一対の縦部材の間に架け渡され、上下方向に間隔を開けて複数設けられる架け渡しワイヤであって、前記シートバックパッドを背後から支える複数の架け渡しワイヤと、
    を備え、前記縦部材は、その高さ方向中間に設定される中間高さ範囲におけるねじれ剛性が、当該中間高さ範囲の上下方向両側におけるねじれ剛性よりも高く、
    前記縦部材のうち、前記縦部材の図心よりも、車両前方かつ幅方向内側、または、車両後方かつ幅方向外側に、前記架け渡しワイヤを取り付けられるワイヤ取付部が設けられている、
    ことを特徴とする車両シート構造。
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