JP7052563B2 - 圧縮機 - Google Patents

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本発明は、冷媒を圧縮、吐出する圧縮機に関する。とりわけ本発明は、サイクルに高低差圧の大きいCO冷媒を使用し、内部オイル強制潤滑を行ない、例えば車載用圧縮機のような、貯油室を圧縮機内部に有し、かつ主軸が水平方向である横置きの圧縮機において有効である。
例えば特許文献1に記載された冷媒圧縮機は、定置型CO給湯機用のスクロール型圧縮機であり、縦置き構造となっている(図13参照)。また、主軸の軸受にはすべり軸受を採用しており、その信頼性確保として、潤滑用オイルを圧縮機内部で強制的に循環させ、軸受部に供給する構造を取っている。
そのため、特許文献1の圧縮機は、圧縮・吐出された冷媒からオイルを分離するオイル分離機構、およびそれを貯留する高圧貯油室を備えており、その構造としては、圧縮機本体とは別体のタンク構造を取っており、配管により本体と冷媒通路、およびオイル通路が接続されている。
特許文献1では、圧縮機構部にスクロール型を採用しており、渦巻き状の歯を有する固定スクロール部材と旋回スクロール部材が互いに噛み合い、旋回スクロール部材の旋回運動によって冷媒が圧縮される方式を取っている。前記固定スクロール部材、旋回スクロール部材は、特に冷媒がCOのような、圧力差の大きい冷媒である場合は、強度信頼性、および摺動の信頼性面より、鋳鉄材を用いることが多い。しかしながら、鋳鉄材はカーボンの介在する微小な空孔が多数あるため、COのような分子量の小さい冷媒においては、部材が大気に露出している場合は、大気へのスローリークの原因となり、使用中に冷媒不足運転に陥る可能性がある。そのため、特許文献1ではハウジング内に収納し、固定をする構造を取っている。
また、特許文献1は、圧縮された冷媒は中心付近にある吐出ポートより吐出される。その際、吐出ポートの出口には吐出弁が設置されており、冷媒の圧縮室内への逆流を防止している。吐出弁が設置されている部位は固定スクロール部材の吐出側端面からは凹んだ形状をしており、それを覆うようにリヤプレートによりふたがされ、吐出弁収納室が形成されている。
上記の構成によれば、リヤプレートの外側はほぼ吸入圧の雰囲気であり、吐出弁収納室は高圧の雰囲気ではあるものの、その断面積は小さいため、高圧による発生荷重も小さく、従って圧縮機構部へ作用するトータル荷重も小さくて済むため、固定スクロールの基板、渦巻き状の歯の変形も小さくて済む。
一方、例えば特許文献2に記載された冷媒圧縮機は、フロン冷媒を使用した、内部オイル循環構造を有する車載用スクロール型圧縮機である(図12(a)、(b)参照)。一般的に車載用圧縮機は横置きであり、小型・軽量が要求される。したがって、特許文献2にあるように、オイル分離機構、高圧貯油室は圧縮機本体に内蔵されており、吐出弁のある、圧縮機構部のリヤ側に配置されることが多い。また、車載用の場合は吐出脈動が大きいと熱交換器等を通じ車体に振動が伝播し、異音が問題となる場合が多く、通常、吐出脈動を軽減するために高圧側マフラ室を設置する。これも同様に圧縮機構部リヤ側に配置されることが多く、従って、高圧側マフラ室、オイル分離部、高圧貯油室は、特許文献2に記載されているように、圧縮機構部リヤ側にそれぞれ区画形成されている。その場合、一般的には、固定スクロール部材の吐出弁のある側の端面に上記高圧側マフラ室、オイル分離部、高圧貯油室を形成する、リヤハウジングをたとえばガスケットを挟持して固定スクロール部材と締結固定して高圧側と低圧側をシールしている場合が多い。
なお、本明細書において、「リヤ」とは、圧縮機のうち、圧縮機構部に対して電動機部とは反対側の部位をいう。
特許第6225626号公報 特許第4117848号公報
特許文献2の構成では図12(a)を見てもわかるように、固定スクロール部材がハウジングを兼ねており、大気に露出する構造としている。しかし、前述のように、例えばCO冷媒を使用する場合は、特許文献1のように圧縮機構部をハウジング内に内蔵して固定することが必要である。そのため特許文献1の場合、圧縮機構部は主軸受を支持する主軸受部材、固定スクロール部材がハウジング内部に固定されている。一方、リヤハウジングは、前記高圧側マフラ室、オイル分離部、高圧貯油室を備え、ハウジングに締結固定されている。その場合、主に車載用圧縮機においては、ハウジングとの締結部にはガスケットを挟持して大気とのシールを行なうのが一般的である。
また、固定スクロール部材とリヤハウジングにて内部に前記高圧側マフラ室、高圧貯油室を形成する場合、両者間の当接部で高圧側空間(即ち、高圧側マフラ室、高圧貯油室)から低圧側空間(即ち、ハウジング内部)への洩れを防止することが必要であり、例えばガスケットを挟持してボルトにより締結固定してシールする場合が多い。その場合、リヤハウジングは固定スクロール部材を介して間接的にハウジングに締結固定をされていることになる。
一方、リヤハウジングは前述のごとく、大気とのシールのため、ハウジングと直接締結固定されているため、リヤハウジングは2系統でハウジングと締結固定されていることになる。
ところでリヤハウジングの締結固定に関わる部品にはそれぞれ加工バラツキが有り、組立誤差が必ず生じる。特に、上記の構成においてはガスケットを2枚使用することになるが、その場合、ガスケットは一般的には締結時の軸力により塑性変形させて使用するため、組立誤差はより大きなものとなる。すなわち、組み合わせた時に片方のガスケットは密着した状態で締結できるが、もう片方のガスケットは隙間が空いた状態で締結することになり、所定のボルト軸力を発生できず、シール性が低下することになる。また、軸力を上げてシール性を確保したとしても、固定スクロール部材に歪が発生するため、圧縮室内の洩れが増加して性能効率が低下したり、渦巻き部に応力が集中し運転時に破損するおそれがある。
また、特にCOを冷媒とする場合は、前述のごとく固定スクロール部材は強度確保のため鋳鉄を材料に用いることが多く、主軸受部材も鋼材を使用することが多い。一方、ハウジングやリヤハウジングは軽量化のため、アルミニウム合金を材料に用いることが多い。このため、運転時に冷媒の圧縮により高温となった場合、熱膨張差が生じ、前述の部品の加工バラツキに加え、組立寸法誤差をさらに増大させている。
続いて、特許文献2における、高圧貯油室の形成上の問題点について説明する。図12(b)(II-II断面)を見てもわかるように、圧縮機構部リヤ側には吐出弁が配置されているため、前記高圧側マフラ室と、高圧貯油室の区画は吐出弁の配置を回避して行なう必要があり、そのため、高圧側貯油室は容積を大きく取れない場合がある。
貯油容積が十分取れないと、油面が変動した時に貯油オイルが無くなり、ホットガスがバイパスし性能が低下したり、特に、すべり軸受の場合、オイル供給できなくなると摺動部の油膜が確保出来なくなり、軸受部の異常摩耗や焼き付きを生じる場合がある。
本発明は、上記の問題点を鑑み、冷媒洩れを抑制しつつ、必要な高圧貯油容積を確保することにより、信頼性が高く性能面で優れる圧縮機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、冷媒を吸入、圧縮して吐出する圧縮機であって、
冷媒を圧縮する圧縮機構部(1)と、
圧縮機構部(1)を収納し固定するハウジング(2)と、
冷媒を圧縮する駆動力を駆動源より圧縮機構部(1)に伝達する主軸(3)と、
圧縮機構部(1)から冷媒が吐き出される吐出側の端面に設置された吐出弁(801)と、
吐出弁(801)を収納する吐出弁収納室(601)と、
吐出弁収納室から吐き出された冷媒からオイルを分離するオイル分離部(901、902)と、
圧縮機構部(1)の吐出側の端面に隣接し、オイル分離部(901、902)で分離したオイルを貯める高圧貯油室(702、1402)と、
ハウジング(2)に締結固定され、オイル分離部(901、902)および高圧貯油室(702、1402)を形成するリヤハウジング(7、14)と、
圧縮機構部(1)の吐出側の端面に締結固定され、吐出弁収納室(601)と高圧貯油室(702、1402)とを区画形成し、吐出弁収納室(601)からオイル分離部(901、902)へ冷媒を流通させる連通穴(602)を有するリヤプレート(6)と、を備え、
リヤプレート(6)とリヤハウジング(7、14)との間には、軸方向に隙間(δR)を設けている構成とした。
本構成により、リヤプレート(6)とリヤハウジング(7、14)間には、軸方向に隙間(δR)が設けられているため、加工寸法誤差や運転時の熱膨張差により組立寸法誤差が発生したとしても、その隙間(δR)により吸収出来るため、2か所のガスケットシールの締結固定部はいずれも所定のボルト軸力で組付けることが出来るため、シール機能を損なうことは無い。また、固定スクロール部材の歪が発生することが無いため、圧縮室内部の洩れが増加することは無く、性能効率の低下を防止出来る。
また後述するが、Oリング(111)で高圧マフラ室(701)のシールを行ない、Oリング(112)で高圧貯油室(702)のシールを行なった。図5(b)は、Oリング(111)、Oリング(112)の取り回し例である。図5(b)に示すように、リヤプレート(6)が連通穴(602)以外の大半の領域で平面であるため、Oリングを自由に取回すことが出来、高圧貯油室(702、1402)を広く取ることが可能である。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
(a)は第1の実施形態に係る圧縮機の断面図であり、(b)はその圧縮機の一部を拡大した断面図である。 固定スクロール部材4を示し、(a)は渦巻き状の歯部404の側から視た図であり、(b)はその反対側から視たリヤ側の図である。 ガスケット10の形状を示す図である。 従来技術のガスケット20の形状を示す図である。 (a)はリヤプレート6の形状を示す図であり、(b)はOリング111とOリング112の取り回し例である。 第1の実施形態に係る圧縮機のリヤハウジング7の形状を示す図である。 第3の実施形態に係る圧縮機のリヤハウジング14の形状を示す図である。 (a)は図4に示した従来技術のガスケット20を適用した圧縮機の断面図であり、(b)は図3に示したガスケット10を適用した圧縮機の断面図である。 連通穴絞り率と減衰の関係の算出例である。 第2の実施形態に係る圧縮機の断面図である。 第4の実施形態に係る圧縮機の断面図である。 (a)は特許文献2に記載された冷媒圧縮機であり、(b)は(a)のII―II線断面図である。 特許文献1に記載された冷媒圧縮機である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1~図3、図5、図6、図8、図9を参照して第1の実施の形態の説明をする。
本実施形態は、冷媒を図示しない冷凍サイクルより吸入し、圧縮、吐出を行なう圧縮機である。圧縮機構部1、および電動機部16がハウジング2内に収納されている。圧縮機構部1は、主軸受部材としての主軸受ハウジング15を有し、その前面肩部1501がハウジング2の内部に設けられた肩部202と当接し、そこにボルトにより締結されることで固定されている。また、電動機部16は、焼嵌め等によりハウジング2の内部に固定されている。
本実施形態の圧縮機においては、外部冷凍サイクルから冷媒を吸入する吸入口は、ハウジング2において、電動機部16の圧縮機構部1とは反対側の位置に開口しており、吸入冷媒はまずハウジング2内に吸入された後、圧縮機構部1の吸入口101より、圧縮機構部1内部に吸入される。よって、ハウジング2の内部はほぼ吸入圧力、すなわち低圧、低温雰囲気となっている。従って、電動機部16、インバータ21を冷却することが出来るため、電動駆動部に対し効率向上、信頼性向上を図ることが出来る。
圧縮機構部1、電動機部16は主軸3により回転可能に係合され、電動機部16にて発生する駆動力を主軸3を通じて圧縮機構部1に伝達している。主軸3は軸が水平方向に延在しており、横置き構造を取っている。主軸3は偏芯部301を有し、旋回スクロール部材5に係合しており、旋回スクロール部材5は自転防止機構13(本実施形態においてはオルダムリング)により自転を阻止されつつ、主軸の駆動力により旋回運動を行なっている。また、主軸に作用するラジアル荷重の支持はすべり軸受により行っており、旋回スクロール部材5には旋回スクロール軸受501、主軸受ハウジング15に主軸受け1502、副軸受部材19に副軸受1901を有しており、それぞれ主軸受等に設けられた潤滑油の経路を通じて内部強制潤滑されている。
圧縮機構部には固定スクロール部材4を有し、固定スクロール部材4と旋回スクロール部材5にはそれぞれ渦巻き状の歯部404、504が立設している。渦巻き状の歯部404、504は互いに噛み合い、複数の三日月状の圧縮室を形成する。そして、旋回スクロール部材5の旋回運動によりハウジング2内部の低圧空間201より圧縮機構部1に吸入通路101を通じて冷媒が吸入され、吸入された冷媒を取り込んだ三日月状の圧縮室が、容積を減少させながら中心部へ移動することにより、圧縮、吐出を行なう。冷媒を圧縮する際、圧縮室の内圧が上昇し、旋回スクロール部材5にはスラスト荷重が作用する。旋回スクロール部材5と主軸受ハウジング15との間にはプレート部材17、18が配置されており、スラスト荷重を支持しつつ摺動している。
固定スクロール部材4の基板部には、圧縮した冷媒を吐出する吐出穴401が形成され、吐出穴401には、冷媒の逆流を阻止する吐出弁801およびストッパ802が渦巻き状の歯部404とは反対面のリヤ側面に固定ボルト803により固定されている。
固定スクロール部材4のリヤ側面の後方には外気との気密を保つためのリヤハウジング7が配置されており、図示しないボルトによって、シール部材であるガスケット22を介してハウジング2と締結固定されている。リヤハウジング7は吐出された冷媒の吐出脈動を軽減するための高圧マフラ室701、吐出された冷媒から潤滑オイルを分離するオイル分離部901、および、オイル分離部901により分離された潤滑オイルを貯留する高圧貯油室702を有する。
次に、本実施形態の圧縮機の構成を詳細に説明する。固定スクロール部材4のリヤ側面にはガスケット10を挟持して、リヤプレート6が固定ボルト12により固定されている。リヤプレート6には吐出弁801、ストッパ802、固定ボルト12を回避した凹み部を設けており、吐出弁収納室601が形成されている。また、吐出弁収納室601へ吐出された冷媒を高圧マフラ室701へ流通させるための連通穴602を吐出弁収納室601の背面に設けている。また、高圧貯油室702から軸受摺動部へ潤滑オイルを供給するための穴603、通路604を設けている。
また、図3に示すように、ガスケット10は吐出弁収納室601とほぼ同形状の内周穴1002を有し、その回りにシール性能を確保するためのビード部1003を有している。また、ボルトを貫通させるためのボルト穴1007、高圧貯油室702から軸受摺動部へ潤滑オイルを供給するための通路1005と、そのシールのためのビード部1006を設けている。
図1及び図5(b)に示すように、リヤプレート6とリヤハウジング7との間にはOリング111、Oリング112が挟持されており、Oリング111は高圧マフラ室701のシールを、Oリング112は高圧貯油室702のシールを行なっている。
図5はリヤプレート6を示し、(a)は圧縮機構部から視た図、(b)はリヤハウジング7側から視た図を示す。また、図6はリヤハウジング7を示す。図5(b)から明らかのように、Oリング111とOリング112はリヤプレート6の広範囲に亘りシールをしているため、運転時にはほぼ吐出圧Pdに等しい高圧がOリング111、112内に作用しており、作用荷重の合計も大きい。その荷重は固定スクロール部材4のリヤ側面に作用するため、運転時は固定スクロール部材4の基板面403、歯先面402が旋回スクロール部材5側へ変形する。初期組付け時にあらかじめ旋回スクロール部材5の基板面503、歯先面502と固定スクロール部材4の基板面403、歯先面402との間には隙間が設けられて組付けられているが、変形が大きいと接触し、かしり、凝着や、歯先面402、502に樹脂製のチップシールを装着している場合は、摺動発熱により溶損の可能性がある。
図2は固定スクロール部材4を示し、(a)は渦巻き状の歯部404の側から視た図であり、(b)はその反対側から視たリヤ側の図である。図2(a)の図の2点鎖線Aは、旋回スクロールの渦巻き状の歯部504の旋回範囲を示し、すなわち、圧縮室を形成する作動室の範囲Aを示す。図2(b)には、作動室の範囲Aをリヤ側の図に投影させて示す。また、2点鎖線Bは、従来の特許文献1を踏襲した場合のガスケットの範囲を示す。図から明らかなように、従来の特許文献1を踏襲したガスケットの範囲Bでは作動室の範囲Aよりも小さく、リヤプレートに作用する荷重は中心付近に集中することとなり、図8(a)に示すように、固定スクロール部材4の基板面403、歯先面402の変形量は大きくなる。それに対し、本実施形態のガスケット10の形状を図3に示す。図3より明らかなように、ガスケット10の外径1001はほぼ固定スクロール部材4、またはリヤプレート6の外径と同等であり、当然作動室の範囲Aよりも大きい。従って、図8(b)に示すようにリヤプレート6に作用した荷重は分散して固定スクロール部材4に作用するため、基板面403、歯先面402の変形量を従来技術に比べ小さくすることが出来る。
また、本実施形態においては、リヤプレート6と圧縮機構部1の吐出側の端面との当接部において、単品状態では当接面はフラットもしくは少なくとも一方の面がわずかに中凹形状であることが望ましい。本構成により、中央付近で固定ボルト12で締結固定された場合においても、最外周まで確実に当接させることが出来、その状態でボルトの軸力により弾性変形すれば、全面を確実に密着させることが可能であり、荷重の分散をより確実に行なうことが出来る。
固定ボルト12であるが、従来技術の特許文献1では吐出弁収納室601の圧力に対抗するため、ボルト本数、サイズ、長さをある程度大きくする必要があった。その場合、固定スクロール部材4の基板部は厚くする必要があり、体格、重量への影響が大きかった。しかし、本実施形態においては、高圧マフラ室701、高圧貯油室702の圧力により固定スクロール部材4とリヤプレート6とは押付けられているため、固定ボルト12の軸力は、ガスケット10のビードを締め付けるのに必要な最低限の軸力でよく、ボルトサイズ、本数を小さくできるため、体格、重量増加を抑制することが出来る。
また、ガスケット10には高圧貯油室702から軸受摺動部へ潤滑オイルを供給するための通路1005と、そのシールのためのビード部1006を設けている。よって、オイル通路の形成のために新たに部材を追加する必要がなく、部品点数削減が可能である。
リヤプレート6とリヤハウジング7との相対する端面の間には、各部品の加工寸法バラツキの積み上げに伴なう組付寸法誤差が生じ、その距離が変動する。さらに、圧縮機構部1の主軸受ハウジング15と固定スクロール部材4は強度面より鋳鉄を使用しており、ハウジング2、リヤハウジング7には重量増加の抑制を目的としてアルミニウム合金を使用しているため、運転時に高温となった状態では熱膨張差が大きくなり、距離の変動が増加する。従って、リヤプレート6とリヤハウジング7との相対する端面の間には、あらかじめ距離の変動を吸収するための、微小な隙間δRを設けてある。
しかしながら、前述のごとく高圧マフラ室701、高圧貯油室702のシールにはOリング111、Oリング112を使用しているため、組立寸法誤差に伴ない隙間δRが変動しても、Oリングの使用上許容されている圧縮率の範囲内であれば、シールすることが可能である。一般的にはOリングの推奨圧縮率は8~30%であることが知られており、その範囲に収まる隙間変動の設定にしておけば良い。例えば、Oリングの線径がφ3.5の場合は、隙間の変動幅は0.3程度以内に抑えることが望ましい。その場合干渉に対する余裕を見込んで、隙間の中央値は0.2程度に設定されることが望ましい。
一方、上記のごとくリヤプレート6とリヤハウジング7との相対する端面の間に隙間δRを設けることにより、ハウジング2とリヤハウジング7とのボルト締結は確実に密着した状態で行なうことが出来るため、シール部材に所定の面圧を発生させることが出来、外気への冷媒洩れを確実に防止することが出来る。
続いて、リヤプレート6の吐出弁収納室601に開口している連通穴602について図5を用いて説明する。図5(a)に示すように、リヤプレート6の連通穴602の位置は、吐出弁収納室601の中心S1に対し、高圧貯油室702がある側とは反対側の領域αに配置されている。詳細には、主軸3の中心AXと高圧貯油室702の中心S2とを結ぶ線VLに直交し、且つ、吐出弁収納室601の中心S1を含む面L1に対し、高圧貯油室702がある側とは反対側の領域αに、リヤプレート6の連通穴602は配置されている。図5(a)では、その領域αに破線のハッチングを付して示している。
また、連通穴602の径D1は、吐出弁収納室601の長さのうち、主軸3の中心AXと高圧貯油室702の中心S2とを結ぶ線VLの方向の長さD2に対し、1/2以下の大きさとしている。本構成のリヤプレート6を、リヤハウジング7側から視た図を図5(b)に示す。連通穴602は図5(b)から明らかのように、リヤプレート6の中心線よりも上側に開口している。連通穴602は高圧マフラ室701に開口(高圧マフラ室701が無い場合はオイル分離部901に開口)している必要があるため、Oリング111とOリング112との境界は連通穴602よりも高圧貯油室702側に取り回す必要があるが、本実施形態においては、その境界をリヤハウジング7のほぼ中心線付近に取回すことが出来、概ね半分の領域を高圧貯油室702としており、従来技術よりも広く高圧貯油室702を確保出来ている。
また、前述の本実施形態において、Oリング111とOリング112は別体であるが、一体構造で、円に橋渡しのあるθ形状でも良い。本形態では、部品点数を削減出来るとともに、図6のリヤハウジング7において、中央の橋渡し部に2本のOリングが取り回されているが、1本に出来るため、橋渡しの幅を低減出来、その分、高圧貯油室702または高圧マフラ室701の容積拡大が可能であり、より顕著な効果が得られる。
ところで、特に車載用圧縮機においては、吐出脈動が異音の原因となる場合が多く、吐出脈動を低減することが望ましい。吐出脈動低減の手法としては、マフラ容積を大きく取ることが有効であるが、体格・重量面から限界がある。その場合、さらに吐出通路に絞りを設けることが吐出脈動の低減には有効である。
一般的に、絞りによる減衰効果としては、以下の式1が知られている。
TL=10log[ 1+1/4*(m-1/m)*sin(k*L) ] ・・・(式1)
・TL;減衰量(dB)
・m;絞り率(=S/S
・k=2πf/ c
・L;マフラ長さ
・S;マフラ断面積
・S;絞り穴断面積
・f;周波数(Hz)
・c;音速
上記の式1を用いて、本実施形態における減衰量の算出例を図9に示す。
図9から、m>4の範囲で減衰量が絞り率に対し線形に近くなり、減衰効果が顕著に現われてくることがわかる。よって、本実施形態である、連通穴602の断面積を吐出弁収納室601の投影面積の1/4以下に設定することは、吐出脈動を低減する上で有効である。なお、吐出弁収納室601の投影面積とは、吐出弁収納室601を主軸3の回転軸に垂直な仮想平面に投影したときの面積をいう。
さらに、本実施形態における、吐出弁801、ストッパ802、固定ボルト803の配置について図2(b)を用いて説明する。吐出穴401は固定スクロール部材4のほぼ中心位置に配置されており、吐出弁801、ストッパ802は固定ボルト803により固定されている。その際、固定ボルト803は、吐出穴401に対し、高圧貯油室702から遠ざかる位置に配置されている。それによって、吐出弁801、ストッパ802は高圧貯油室702から遠ざかる位置に配置されるため、吐出弁収納室601の配置も高圧貯油室702から遠ざかる位置となり、高圧貯油室702をより大きく確保することが出来る。
以上説明した本実施形態の圧縮機は、次の作用効果を奏するものである。
(1)本実施形態では、図1に示すように、リヤプレート6とリヤハウジング7、14間には、軸方向に隙間δRが設けられている。そのため、加工寸法誤差や運転時の熱膨張差により組立寸法誤差が発生したとしても、その隙間δRにより吸収出来る。したがって、2か所のガスケットシールの締結固定部はいずれも所定のボルト軸力で組付けることが出来るため、シール機能を損なうことは無い。また、固定スクロール部材4の歪が発生することが無いため、圧縮室内部の洩れが増加することは無く、性能効率の低下を防止出来る。
(2)本実施形態では、Oリング111で高圧マフラ室701のシールを行ない、Oリング112で高圧貯油室702のシールを行なった。図5(b)は、Oリング111、Oリング112の取り回し例である。図5(b)に示すように、リヤプレート6が連通穴602以外の大半の領域で平面であるため、Oリングを自由に取回すことが出来、高圧貯油室702、1402を広く取ることが可能である。
ところで、固定スクロール部材とリヤプレートとのシールは、特許文献1に記載された圧縮機においては、ガスケットを使用している。ここで、特許文献1に記載されている従来技術のガスケット使用した場合の問題点について説明する。従来技術のガスケットの形状例を図4に示す。ガスケット20の内周2002は吐出弁収納室に対し、やや大きい径となっている。なお、シール性能は全周に亘り凸形状を連続させたビード部2003を締結ボルトの近傍に設けることで確保している。また、固定スクロール部材への負荷荷重をなるべく軽減する、またはボルトの必要軸力をなるべく低減する観点より、高圧の負荷する面積をなるべく小さくするため、ビード部2003はなるべく内周2002に近接して設けるのが一般的である。さらに、ガスケット20のビード部2003の面圧をなるべく高めるため、外周2001は、ボルト締結部2007、オイル通路部2004を除きビード部2003の設計に必要な最小限の幅に設定するのが一般的である。
上記設計思想に基づくガスケットを本実施形態に採用した場合の圧縮機の断面図を図8(a)に示す。リヤハウジング7の高圧マフラ室701、高圧貯油室702の内部の圧力はほぼ吐出圧と等しいPdとなっており、その圧力Pdは図8(a)の短い矢印が示すように、リヤプレート6の固定スクロール部材4とは反対側の面にほぼ均等に作用している。
一方、ガスケット20は特許文献1の設計思想を踏襲した場合、図8(a)に示す通り、径方向には吐出弁収納室601の近傍の狭い範囲にのみ挟持されて、それより外周側は、固定スクロール部材4とリヤプレート6との間には、ガスケット20の板厚分の空間δGが空いている。従って、リヤプレートに作用している圧力Pdは空間δGのある部分では支えることが出来ないため、ガスケット20よりも外周に作用する圧力Pdをその面積で乗じた荷重は、ガスケット20に集中して作用することとなり、その集中荷重Fは大きくなる。
一般に材料力学では外周が固定された円板に荷重が作用する場合、同じ荷重であっても、円板全体に分散して作用するよりも、中心付近に集中して作用する方が円板の変形量は大きくなる。それは固定スクロール部材4の場合でも同様であり、図8(a)の荷重の負荷状態では、固定スクロール部材4の基板面403や渦巻き状の歯の歯先部分402の変形量が大きくなる。変形量が大きいと、旋回スクロール部材5と接触し、かしりや凝着が発生する。または、渦巻き状の歯先面402、502に例えば樹脂製のチップシールを装着している場合は、歯先面402、502と基板面403、503との摺動発熱により、溶損する場合がある。不具合を防止するためには変形を見越して歯先面402、502と基板面403、503との隙間をあらかじめ大きく設定しておく必要があるが、その場合、変形量の少ない運転条件において圧縮室の洩れが増加し性能が低下することになる。
そこで本実施形態では上記課題を解決するため、図8(a)において、さらに固定スクロール部材4とリヤプレート6との間の外周側にあった空間δGを無くし、圧力Pdの作用を分散させ、集中荷重Fの発生を防止することにより、固定スクロール部材の変形を抑制することを目的とする。そのために、図3に示すようにガスケット10の外径1001を拡大し、固定スクロール部材4とリヤプレート6との間に挟持する構成とした。その範囲は、外径を少なくとも一部の領域において、圧縮機構部1の圧縮室を形成する作動室を投影した外周Aよりも大きくした。この構成により、図8(b)に示すように、ガスケット10が固定スクロール部材4とリヤプレート6の間に外周まで挟持されているため、空間δGが無くなり、圧力Pdが分散して作用するため、固定スクロール部材4の変形が抑制出来る。
(3)本実施形態では、リヤプレート6と圧縮機構部1の吐出側の端面との当接部において、単品状態では少なくとも一方の面がフラットもしくはわずかに中凹形状とした。本構成により、中心付近で締結固定した際においても弾性変形により中心付近~外周まで確実に密着状態にさせることが出来る。
(4)本実施形態では、ガスケットは図3のごとく、オイル戻し通路の一部1005を有している。これにより、あらたにオイル通路を形成する部材を追加する必要がなく、部品点数削減が可能である。
(5)本実施形態では、圧縮機のハウジング2内の低圧側空間201の圧力はほぼ吸入圧に近いことを特徴とする。この場合、発明の効果がより顕著となる。
(6)本実施形態では、リヤプレート6の連通穴602は、吐出弁収納室601の中心S1に対し、高圧貯油室702、1402がある側とは反対側の領域αに配置されていることを特徴とする。この構成により、リヤプレート6の連通穴602と、高圧貯油室702、1402との距離が遠くなるので、高圧貯油室の容積を大きく確保することが出来る。
(7)本実施形態では、リヤプレート6の連通穴602の径は、主軸3の中心AXと高圧貯油室702、1402の中心S2とを結ぶ線VLの方向における吐出弁収納室601の長さD2の1/2以下の大きさとすることを特徴とする。本構成により、高圧貯油室の容積702、1402を大きく確保することが出来るとともに、吐出弁収納室601と高圧マフラ室701で形成される二段マフラによる、吐出脈動の減衰効果をより高めることが出来る。
(8)本実施形態では、吐出弁801の固定ボルト803を、吐出穴401に対し、高圧貯油室702、1402から遠ざかる位置に配置することを特徴とする。この構成により、高圧貯油室の容積をより大きく確保することが出来る。
(9)本実施形態では、リヤプレート6の連通穴602の断面積は、吐出弁収納室601の投影面積の 1/4以下の大きさとすることを特徴とする。この構成により、高圧貯油室の容積を大きく確保することが出来るとともに、吐出弁収納室601と高圧マフラ室701で形成される二段マフラによる、吐出脈動の減衰効果をより高めることが出来る。
(10)本実施形態では、リヤプレート6は、高圧貯油室702、1402を形成するリヤハウジング7、14との間に、Oリング112を平面状に挟持して、高圧貯油室702、1402と低圧側空間201との間のシールを形成していることを特徴とする。この構成により、圧縮機構部1の寸法公差積み上げと、ハウジング2の寸法公差積み上げの誤差をOリング112の圧縮率の変化により吸収できるため、シール性能に優れた構造とすることが出来る。
(11)本実施形態では、圧縮機構部1は主軸3が水平方向となるように配置されており、高圧貯油室702、1402が下方に配置されており、リヤプレート6の連通穴602は、吐出弁収納室601の中心S1に対し、上方に配置されていることを特徴とする。この構成により、発明の効果がより顕著となる。
(12)本実施形態では、圧縮機構部1の吐出側の端面と高圧貯油室702、1402に隣接し、リヤプレート6とリヤハウジング7、14により区画形成された高圧マフラ室701、1401を有し、吐出弁収納室601がリヤプレート6の連通穴602により高圧マフラ室701、1401と連通しており、高圧マフラ室701、1401は、導入穴703によりオイル分離部901、902と連通していることを特徴とする。この構成により、吐出脈動の低減効果をより高めることが出来る。
(13)本実施形態では、リヤプレート6は、高圧マフラ室701、1401を形成するリヤハウジング7、14との間に、Oリング111を平面状に挟持して、高圧マフラ室701、1401と低圧側空間201との間のシールを形成していることを特徴とする。この構成により、圧縮機構部1の寸法公差積み上げと、ハウジング2の寸法公差積み上げの誤差をOリング111の圧縮率の変化により吸収できるため、シール性能に優れた構造とすることが出来る。
(14)本実施形態では、Oリング111、112は一体的にθ形状としてもよく、その場合、高圧マフラ室701、1401と低圧側空間201、高圧貯油室702、1402と低圧側空間201とのシールを兼ねていることを特徴とする。本構成により、部品点数を削減できるとともに、中央橋渡し部のOリング溝を2本→1本に低減できるため、高圧貯油室702、1402をより大きく設定することができる。
(15)本実施形態では、圧縮機構部1は、渦巻き状の歯を有する固定スクロール部材4と旋回スクロール部材5を噛み合わせてなるスクロール型であり、リヤプレート6、ガスケット10の外径は少なくとも一部の領域において、圧縮室を形成する渦巻き状の歯を投影した領域よりも大きいことを特徴とする。この構成により、発明の効果をより顕著に発揮することができる。
(16)本実施形態では、使用する冷媒の主成分は二酸化炭素であることを特徴とする。この構成により、二酸化炭素はフロン冷媒に比べ分子の大きさが小さく、かつ、圧縮時の差圧が大きいため、発明の効果がより顕著となる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について、図10を用いて説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態に対し、固定スクロール部材4とリヤプレート6とのシール部材に、ガスケット10ではなく、Oリング113を使用していることで相違している。この場合、Oリングシール部以外は固定スクロール部材4とリヤプレート6とは、作動室を投影した外周Aの部分はもちろんのこと、それより外周の範囲も含め大半が密着状態となっているため、リヤプレート6に作用する荷重を分散して固定スクロール部材4に作用させることが出来るため、固定スクロール部材4の基板面403、歯先面402の変形を抑制することに関し、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態においても第1の実施形態と同様、リヤプレート6と前記圧縮機構部1の前記吐出側の端面との当接部において、単品状態では当接面はフラットもしくは少なくとも一方の面がわずかに中凹形状であることが望ましい。本構成により、中央付近で固定ボルト12で締結固定された場合においても、最外周まで確実に当接させることが出来、その状態でボルトの軸力により弾性変形すれば、全面を確実に密着させることが可能であり、荷重の分散をより確実に行なうことが出来る。
以上説明した第2の実施形態の圧縮機は、第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。それに関し補足すると、第2の実施形態では、図10のごとく、第1の実施形態で説明したガスケット10の代わりにOリング113でのシールとし、固定スクロール部材4とリヤプレート6をOリング113のシール部外周から、少なくとも一部の領域において圧縮機構部1の圧縮室を形成する作動室を投影した外周(A)より大きい領域に亘り空間なく圧縮機構部1と直接当接しており、高圧貯油室702の圧力に基づく荷重をリヤプレート6を介して圧縮機構部1に作用させることができるため、固定スクロール部材4の基板面403、歯先面402の変形を抑制することに関し、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
(第3の実施形態)
続いて、第3の実施形態について、図6、図7を用いて説明する。第1の実施形態においては、オイル分離機構9のオイル分離筒704は図6のごとく、高圧マフラ室701と高圧貯油室を結ぶ線に対し沿った方向に配置されているが、第3の実施形態では、図7のごとく斜めに配置されている。その場合、図6、図7より明らかなように、オイル分離筒1404を第1の実施形態のオイル分離筒704よりも長く取ることが出来る。一般的にオイル分離筒1404を長く取れば、よりオイル分離効率を向上させることが出来る。また、逆に同じオイル分離効率を確保しつつ、オイル戻し穴1408を高くすることが出来るため、高圧貯油室1402の容積をより大きく取ることが可能である。
なお、図6および図7において、符号703、1403は、高圧マフラ室701、1401からオイル分離筒704、1404へ冷媒を導入する導入穴703、1404である。符号705、1405は、高圧貯油室702のシールを行なうOリング112が嵌め込まれる溝705、1405である。符号707、1407は、高圧マフラ室701のシールを行うOリング111が嵌め込まれる溝707、1407である。符号706、1406はリヤハウジング7、14とハウジング2とを結合するための図示しない通しボルトが挿通する孔706、1406である。
以上説明した第3の実施形態の圧縮機は、第1の実施形態等と同様の作用効果を奏する。さらに、第3の実施形態の圧縮機は、次の作用効果を奏するものである。
第3の実施形態では、オイル分離部901、902は、吐出冷媒から遠心力によりオイルを分離するオイル分離筒1404を有するとともに、オイル分離筒1404と高圧貯油室1402がオイル戻し穴1408により連通しており、オイル分離筒1404の軸線TLが主軸3の中心AXと高圧貯油室1402の中心S2とを結ぶ線VLの方向に対し、傾けて設置されていることを特徴とする。この構成により、オイル分離効率を確保しつつ、高圧貯油室1402の容積をより大きく確保することが出来る。
(第4の実施形態)
続いて、第4の実施形態について、図11を用いて説明する。第4の実施形態は、第1の実施形態に対し、高圧貯油室702のOリングシールを、リヤプレート6とリヤハウジング7の間のOリング112による平面シールではなく、リヤプレート6とハウジング2の間のOリング114による円筒シールで行なっている点で相違している。第1の実施形態にて前述のごとく、リヤプレート6とリヤハウジング7との隙間δRは、組立寸法積み上げの誤差により変動するため、Oリング111、112の圧縮率も変動する。その場合、寸法積み上げバラツキが大きいと、圧縮率の許容範囲との余裕度が減少し、最悪冷媒が洩れた場合、ハウジング2内の吸入側雰囲気に洩れてしまい、性能低下の原因となる。それに対し第4の実施形態においては円筒シールであるため前記組立寸法積み上げ誤差には影響を受けないため、安定してシール性能を発揮することが出来、吸入側への洩れが防止出来、性能低下のリスクを低減出来る。
なお、本実施形態においては、Oリング112の代わりにOリング114を設置したが、Oリング111の代わりにOリング114を設置しても良い。また、より信頼性を向上させるために、Oリング111、112、114の全てを設置しても良い。
以上説明した第4の実施形態の圧縮機は、第1の実施形態等と同様の作用効果を奏する。さらに、第4の実施形態の圧縮機は、次の作用効果を奏するものである。
第4の実施形態では、リヤプレート6は、ハウジング2との間にOリング114を円筒状に挟持して、高圧貯油室702、1402と低圧側空間201との間のシールを形成していることを特徴とする。この構成により、圧縮機構部1の寸法公差積み上げと、ハウジング2の寸法公差積み上げの誤差が大きい場合においても、Oリング114の圧縮率は一定であるため、よりシール性能に優れた構造とすることが出来る。
(その他の実施形態)
上記第1~第4の実施形態においては、圧縮機構部1をスクロール型圧縮機としたが、圧縮室にシリンダを有する、ローリングピストン型、スイング型、もしくはスライディングベーン型でも適用が可能である。その場合、リヤプレート6、ガスケット10の外径は少なくとも一部の領域において、圧縮室を形成するシリンダ内径を投影した領域よりも大きいことを特徴とする。この構成により、スクロール型の場合と同様、発明の効果をより顕著に発揮することができる。
上記第1~第4の実施形態においては、吐出弁収納室601をリヤプレート6側に凹み部を設けて形成したが、固定スクロール部材4側に凹み部を設けて形成してもよい。
上記第1~第4の実施形態においては、主軸3が水平方向である横置き構造に適用したが、縦置き構造に適用することも可能である。
このように、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、冷媒を吸入、圧縮して吐出する圧縮機は、圧縮機構部、ハウジング、主軸、吐出弁、吐出弁収納室、オイル分離部、高圧貯油室、リヤハウジングおよびリヤプレートを備える。圧縮機構部は、冷媒を圧縮する。ハウジングは、圧縮機構部を収納し固定する。主軸は、冷媒を圧縮する駆動力を駆動源より圧縮機構部に伝達する。吐出弁は、圧縮機構部から冷媒が吐き出される吐出側の端面に設置される。吐出弁収納室は、吐出弁を収納する。オイル分離部は、吐出弁収納室から吐き出された冷媒からオイルを分離する。高圧貯油室は、圧縮機構部の吐出側の端面に隣接し、オイル分離部で分離したオイルを貯める。リヤハウジングは、ハウジングに締結固定され、オイル分離部および高圧貯油室を形成する。リヤプレートは、圧縮機構部の吐出側の端面に締結固定され、吐出弁収納室と高圧貯油室とを区画形成し、吐出弁収納室からオイル分離部へ冷媒を流通させる連通穴を有する。そして、リヤプレートとリヤハウジングとの間には、軸方向に隙間が設けられている。
第2の観点によれば、リヤプレートは圧縮機構部の吐出側の端面にガスケットを介して圧縮機構部に締結固定され、吐出弁収納室と低圧側空間との間のシールを形成している。リヤプレートおよびガスケットの外径は少なくとも一部の領域において、圧縮機構部の圧縮室を形成する作動室を投影した外周よりも大きく、高圧貯油室の圧力に基づく荷重をリヤプレートとガスケットを介して圧縮機構部に作用させている。
この構成により、ガスケットが固定スクロール部材とリヤプレートの間に外周まで挟持されているため、空間が無くなり、圧力が分散して作用するため、固定スクロール部材の変形が抑制出来る。
第3の観点によれば、リヤプレートは圧縮機構部の吐出側の端面との間にOリングを挟持して圧縮機構部に締結固定され、吐出弁収納室と低圧側空間との間のシールを形成している。リヤプレートは少なくとも一部の領域において、Oリングのシール部外周から、圧縮機構部の圧縮室を形成する作動室を投影した外周より大きい領域に亘り空間なく圧縮機構部と当接しており、高圧貯油室の圧力に基づく荷重をリヤプレートを介して圧縮機構部に作用させている。
この構成により、ガスケットの外径を拡大した場合と同様、外周まで固定スクロール部材とリヤプレートを密着させることができるため、同様の効果が得られる。
第4の観点によれば、リヤプレートと圧縮機構部の吐出側の端面との当接部において、単品状態では少なくとも一方の面がフラットもしくはわずかに中凹形状である。本構成により、中心付近で締結固定した際においても弾性変形により中心付近~外周まで確実に密着状態にさせることが出来る。
第5の観点によれば、ガスケットは高圧貯油室から摺動部へのオイル供給通路の一部を有している。これにより、あらたにオイル通路を形成する部材を追加する必要がなく、部品点数削減が可能である。
第6の観点によれば、ハウジングの内部の低圧空間(201)の圧力は、吸入圧に近い圧力となっている。この場合、発明の効果がより顕著となる。
第7の観点によれば、リヤプレートの連通穴は、吐出弁収納室の中心に対し、高圧貯油室がある側とは反対側の領域に配置されている。この構成により、リヤプレートの連通穴と、高圧貯油室との距離が遠くなるので、高圧貯油室の容積を大きく確保することが出来る。
第8の観点によれば、リヤプレートの連通穴の径は、主軸の中心と高圧貯油室の中心とを結ぶ方向における吐出弁収納室の長さの1/2以下の大きさとされている。本構成により、高圧貯油室の容積を大きく確保することが出来るとともに、吐出弁収納室と高圧マフラ室で形成される二段マフラによる、吐出脈動の減衰効果をより高めることが出来る。
第9の観点によれば、吐出弁の固定ボルトは、吐出穴に対し、高圧貯油室から遠ざかる位置に配置されている。この構成により、高圧貯油室の容積をより大きく確保することが出来る。
第10の観点によれば、オイル分離部は、吐出冷媒から遠心力によりオイルを分離するオイル分離筒を有するとともに、オイル分離筒と高圧貯油室がオイル戻し穴により連通している。オイル分離筒の軸線が主軸の中心と高圧貯油室の中心とを結ぶ線の方向に対し、傾けて設置されている。この構成により、オイル分離効率を確保しつつ、高圧貯油室の容積をより大きく確保することが出来る。
第11の観点によれば、リヤプレートの連通穴の断面積は、吐出弁収納室の投影面積の1/4以下の大きさとされている。この構成により、高圧貯油室の容積を大きく確保することが出来るとともに、吐出弁収納室と高圧マフラ室で形成される二段マフラによる、吐出脈動の減衰効果をより高めることが出来る。
第12の観点によれば、リヤプレートは、高圧貯油室を形成するリヤハウジングとの間に、Oリングを平面状に挟持して、高圧貯油室と低圧側空間との間のシールを形成している。この構成により、圧縮機構部の寸法公差積み上げと、ハウジングの寸法公差積み上げの誤差をOリングの圧縮率の変化により吸収できるため、シール性能に優れた構造とすることが出来る。
第13の観点によれば、圧縮機構部は主軸が水平方向となるように配置されており、高圧貯油室が下方に配置されており、リヤプレートの連通穴は、吐出弁収納室の中心に対し、上方に配置されている。この構成により、発明の効果がより顕著となる。
第14の観点によれば、圧縮機構部の吐出側の端面と高圧貯油室に隣接し、リヤプレートとリヤハウジングにより区画形成された高圧マフラ室を有し、吐出弁収納室がリヤプレートの連通穴により高圧マフラ室と連通しており、高圧マフラ室は、導入穴によりオイル分離部と連通している。この構成により、吐出脈動の低減効果をより高めることが出来る。
第15の観点によれば、リヤプレートは、高圧マフラ室を形成するリヤハウジングとの間に、Oリングを平面状に挟持して、高圧マフラ室と低圧側空間との間のシールを形成している。この構成により、圧縮機構部の寸法公差積み上げと、ハウジングの寸法公差積み上げの誤差をOリングの圧縮率の変化により吸収できるため、シール性能に優れた構造とすることが出来る。
第16の観点によれば、Oリングは一体的にθ形状であり、高圧マフラ室と低圧側空間、高圧貯油室と低圧側空間とのシールを兼ねている。本構成により、部品点数を削減できるとともに、中央橋渡し部のOリング溝を2本→1本に低減できるため、高圧貯油室をより大きく設定することができる。
第17の観点によれば、リヤプレートは、ハウジングとの間にOリングを円筒状に挟持して、高圧貯油室と高圧マフラ室の少なくとも一方と、低圧側空間との間のシールを形成している。この構成により、圧縮機構部の寸法公差積み上げと、ハウジングの寸法公差積み上げの誤差が大きい場合においても、Oリングの圧縮率は一定であるため、よりシール性能に優れた構造とすることが出来る。
第18の観点によれば、圧縮機構部は、渦巻き状の歯部を有する固定スクロール部材と旋回スクロール部材を噛み合わせてなるスクロール型であり、リヤプレート、ガスケットの外径は少なくとも一部の領域において、圧縮室を形成する渦巻き状の歯を投影した領域よりも大きい。この構成により、発明の効果をより顕著に発揮することができる。
第19の観点によれば、圧縮機構部は、ローリングピストン型またはスイング型またはスライディングベーン型であり、リヤプレート、ガスケットの外径は少なくとも一部の領域において、圧縮室を形成するシリンダ内径を投影した領域よりも大きい。この構成により、スクロール型の場合と同様、発明の効果をより顕著に発揮することができる。
第20の観点によれば、使用する冷媒の主成分は二酸化炭素である。この構成により、二酸化炭素はフロン冷媒に比べ分子の大きさが小さく、かつ、圧縮時の差圧が大きいため、発明の効果がより顕著となる。
1 圧縮機構部
2 ハウジング
3 主軸
6 リヤプレート
7、14 リヤハウジング
601 吐出弁収納室
602 連通穴
801 吐出弁
901、902 オイル分離部
702、1402 高圧貯油室

Claims (20)

  1. 冷媒を吸入、圧縮して吐出する圧縮機であって、
    冷媒を圧縮する圧縮機構部(1)と、
    前記圧縮機構部(1)を収納し固定するハウジング(2)と、
    冷媒を圧縮する駆動力を駆動源より前記圧縮機構部(1)に伝達する主軸(3)と、
    前記圧縮機構部(1)から冷媒が吐き出される吐出側の端面に設置された吐出弁(801)と、
    前記吐出弁(801)を収納する吐出弁収納室(601)と、
    前記吐出弁収納室から吐き出された冷媒からオイルを分離するオイル分離部(901、902)と、
    前記圧縮機構部(1)の前記吐出側の端面に隣接し、前記オイル分離部(901、902)で分離したオイルを貯める高圧貯油室(702、1402)と、
    前記ハウジング(2)に締結固定され、前記オイル分離部(901、902)および前記高圧貯油室(702、1402)を形成するリヤハウジング(7、14)と、
    前記圧縮機構部(1)の前記吐出側の端面に締結固定され、前記吐出弁収納室(601)と前記高圧貯油室(702、1402)とを区画形成し、前記吐出弁収納室(601)から前記オイル分離部(901、902)へ冷媒を流通させる連通穴(602)を有するリヤプレート(6)と、を備え、
    前記リヤプレート(6)と前記リヤハウジング(7、14)との間には、軸方向に隙間(δR)が設けられている圧縮機。
  2. 前記リヤプレート(6)は前記圧縮機構部(1)の前記吐出側の端面にガスケット(10)を介して前記圧縮機構部(1)に締結固定され、前記吐出弁収納室(601)と低圧側空間(201)との間のシールを形成しており、
    前記リヤプレート(6)および前記ガスケット(10)の外径は少なくとも一部の領域において、前記圧縮機構部(1)の圧縮室を形成する作動室を投影した外周(A)よりも大きく、前記高圧貯油室(702、1402)の圧力に基づく荷重を前記リヤプレート(6)と前記ガスケット(10)を介して前記圧縮機構部(1)に作用させている、請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記リヤプレート(6)は前記圧縮機構部(1)の前記吐出側の端面との間にOリング(113)を挟持して前記圧縮機構部(1)に締結固定され、前記吐出弁収納室(601)と低圧側空間(201)との間のシールを形成しており、
    前記リヤプレート(6)は少なくとも一部の領域において、Oリング(113)のシール部外周から、前記圧縮機構部(1)の圧縮室を形成する作動室を投影した外周(A)より大きい領域に亘り空間なく前記圧縮機構部(1)と当接しており、前記高圧貯油室(702、1402)の圧力に基づく荷重を前記リヤプレート(6)を介して前記圧縮機構部(1)に作用させている、請求項1に記載の圧縮機。
  4. 前記リヤプレート(6)と前記圧縮機構部(1)の前記吐出側の端面との当接部において、単品状態では少なくとも一方の面がフラットもしくはわずかに中凹形状である、請求項2または3に記載の圧縮機。
  5. 前記ガスケット(10)は前記高圧貯油室(702、1402)から摺動部へのオイル供給通路の一部(1005)を有している、請求項2に記載の圧縮機。
  6. 前記ハウジング(2)の内部の低圧空間(201)の圧力は、吸入圧に近い圧力となっている、請求項1乃至5のいずれか1つに記載の圧縮機。
  7. 前記リヤプレート(6)の前記連通穴(602)は、前記吐出弁収納室(601)の中心(S1)に対し、前記高圧貯油室(702、1402)がある側とは反対側の領域(α)に配置されている、請求項1乃至6のいずれか1つに記載の圧縮機。
  8. 前記リヤプレート(6)の前記連通穴(602)の径(D1)は、前記主軸(3)の中心(AX)と前記高圧貯油室(702、1402)の中心(S2)とを結ぶ線(VL)の方向における前記吐出弁収納室(601)の長さ(D2)の1/2以下の大きさとされている、請求項7に記載の圧縮機。
  9. 前記吐出弁(801)の固定ボルト(803)は、吐出穴(401)に対し、前記高圧貯油室(702、1402)から遠ざかる位置に配置されている、請求項7または8に記載の圧縮機。
  10. 前記オイル分離部(902)は、吐出冷媒から遠心力によりオイルを分離するオイル分離筒(1404)を有するとともに、前記オイル分離筒(1404)と前記高圧貯油室(1402)がオイル戻し穴(1408)により連通しており、
    前記オイル分離筒(1404)の軸線(TL)が前記主軸(3)の中心(AX)と前記高圧貯油室(1402)の中心(S2)とを結ぶ線(VL)の方向に対し、傾けて設置されている、請求項7乃至9のいずれか1つに記載の圧縮機。
  11. 前記リヤプレート(6)の前記連通穴(602)の断面積は、前記吐出弁収納室(601)の投影面積の 1/4以下の大きさとされている、請求項7乃至10のいずれか1つに記載の圧縮機。
  12. 前記リヤプレート(6)は、前記高圧貯油室(702、1402)を形成する前記リヤハウジング(7、14)との間に、Oリング(112)を平面状に挟持して、前記高圧貯油室(702、1402)と低圧側空間(201)との間のシールを形成している、請求項1乃至11のいずれか1つに記載の圧縮機。
  13. 前記圧縮機構部(1)は前記主軸(3)が水平方向となるように配置されており、前記高圧貯油室(702、1402)が下方に配置されており、前記リヤプレート(6)の前記連通穴(602)は、前記吐出弁収納室(601)の中心(S1)に対し、上方に配置されている、請求項1乃至12のいずれか1つに記載の圧縮機。
  14. 前記圧縮機構部(1)の前記吐出側の端面と前記高圧貯油室(702、1402)に隣接し、前記リヤプレート(6)と前記リヤハウジング(7、14)により区画形成された高圧マフラ室(701、1401)を有し、前記吐出弁収納室(601)が前記リヤプレート(6)の前記連通穴(602)により高圧マフラ室(701、1401)と連通しており、高圧マフラ室(701、1401)は、導入穴(703、1403)により前記オイル分離部(901、902)と連通している、請求項1乃至13のいずれか1つに記載の圧縮機。
  15. 前記リヤプレート(6)は、高圧マフラ室(701、1401)を形成する前記リヤハウジング(7、14)との間に、Oリング(111)を平面状に挟持して、高圧マフラ室(701、1401)と低圧側空間(201)との間のシールを形成している、請求項1乃至14のいずれか1つに記載の圧縮機。
  16. 前記Oリング(111、112)は一体的にθ形状であり、高圧マフラ室(701、1401)と低圧側空間(201)、前記高圧貯油室(702、1402)と低圧側空間(201)とのシールを兼ねている、請求項12または15に記載の圧縮機。
  17. 前記リヤプレート(6)は、前記ハウジング(2)との間にOリング(114)を円筒状に挟持して、前記高圧貯油室(702、1402)と前記高圧マフラ室(701、1401)の少なくとも一方と、前記低圧側空間(201)との間のシールを形成している、請求項15に記載の圧縮機。
  18. 前記圧縮機構部(1)は、渦巻き状の歯部を有する固定スクロール部材(4)と旋回スクロール部材(5)を噛み合わせてなるスクロール型であり、前記リヤプレート(6)、前記ガスケット(10)の外径は少なくとも一部の領域において、圧縮室を形成する渦巻き状の歯を投影した領域よりも大きい、請求項に記載の圧縮機。
  19. 前記圧縮機構部(1)は、ローリングピストン型またはスイング型またはスライディングベーン型であり、前記リヤプレート(6)、前記ガスケット(10)の外径は少なくとも一部の領域において、圧縮室を形成するシリンダ内径を投影した領域よりも大きい、請求項に記載の圧縮機。
  20. 使用する冷媒の主成分は二酸化炭素である、請求項1乃至19のいずれか1つに記載の圧縮機。
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