JP7052276B2 - 化粧シートおよび化粧材 - Google Patents

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Description

本発明は、外装材用化粧シート及び該化粧シートを用いた外装化粧材に関する。
従来から、窓枠、扉、門扉、手すり、柵などの外装建材、壁材、床材、天井材などの内装建材、箪笥、机、戸棚などの家具類の表面化粧材として、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂シートの表面に絵柄を印刷し、エンボス加工等を施し、さらに、その上に耐候性のよいプラスチックのフィルムを積層した外装材用化粧シートがよく用いられてきた(例えば特許文献1、2参照)。これら、熱可塑性樹脂を基材シートとした化粧シートは加工適性に優れ、熱成形性、エンボス加工性等が良好である。また、透明性、耐候性、耐熱性にも優れるため、上述の外装建材、内装建材として有用である。
上記の外装材用化粧シートは、通常、ラッピング加工などによって被着体への貼付がなされるが、特許文献2の発明は、それまでのラッピング加工した外装用化粧材における次のような問題点を解決したものである。
すなわち、ラッピング加工した外装用化粧材は、屋外暴露により、化粧シート及び被着基材の寸法収縮の繰り返しや劣化が発生する結果、当初、密接して貼着したはずの化粧シートの端部端面が相互に離れて、継ぎ目から被着基材が露出して外装用化粧材の美的効果を損ね、また、露出した被着基材がアルミニウムや鉄などの金属の場合には、被着基材が腐食されて強度低下を来たして外装用化粧材としての寿命が低下する。そして、一旦、化粧シートの端部が剥がれ、腐食・錆等が生じると、更に化粧シートが剥がれ、劣化が促進されてしまう。
特許文献2に記載される発明は、このような問題点を解決するために、被着基材の周囲に化粧シートを囲繞し貼着するに際して、化粧シートは余剰部を有しており、化粧シートの端部の継ぎ目が該余剰部で重複して貼着されている外装用化粧材とするものである。
特公昭58-14312号公報 特開平6-297615号公報
しかし、このような余剰部を有した化粧シートでラッピング加工され、端部の継ぎ目が重複して貼着された外装用化粧材であっても、なお、夏季の降雨後に外装材用化粧シート内に残った水分の直射日光への曝露が長期にわたり繰り返されることによって、化粧シートの表面に膨れが発生して外観不良となることがあり、このような膨れは、意匠性を損ね、とりわけ重複部の剥がれの原因にもなって化粧シートの耐久性を著しく低下させるものであった。
本発明は、このような状況下になされたものであり、降雨後、特に夏季の降雨後に外装材用化粧シート内に残った水分の直射日光への曝露の繰り返しで生ずる膨れの発生による外観不良を抑制できる外装材用化粧シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、樹脂基材シートと表面保護層を有する化粧シートにおいて、該表面保護層として透湿度が一定値以下のアクリル樹脂フィルムを用いることで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下に記すものである。
[1]樹脂基材シートと、樹脂基材シートの表面に透明アクリル樹脂フィルムからなる表面保護層を有する化粧シートであって、前記アクリル樹脂フィルムのJIS Z0208:1976カップ法に準拠して測定した透湿度が180g/m・24時間以下である外装材用化粧シート。
[2]上記[1]に記載の外装材用化粧シートと被着基材とを接着剤層を介して貼着してなる外装用化粧材。
本発明によれば、とりわけ夏季の降雨後に外装材用化粧シート内に残った水分の直射日光への曝露の繰り返しで生ずる膨れの発生による外観不良を抑制できる外装材用化粧シートを提供することができる。
本発明の外装材用化粧シートの断面を示す概念図である。 本発明の外装化粧材の断面を示す概念図である。
本発明の化粧シートは、樹脂基材シートと、その表面に透明アクリル樹脂フィルムからなる表面保護層を有する外装材用化粧シートであって、好ましくは、該樹脂基材シートの表面側に絵柄層を有する化粧シートである(図1参照)。
また、当該化粧シートは接着剤層を介して、硬質の被着基材に貼着された外装化粧材として好適に用いられる(図2参照)。
外装材用化粧シートは、上記したように、夏季の降雨後に外装材用化粧シート内に残った水分の直射日光への曝露の繰り返しで生ずる膨れの発生による外観不良等を引き起こす場合がある。
本発明者は、このような膨れを生じさせる気泡の発生原因について検討し、外装材用化粧シートの樹脂基材シートとアクリル樹脂表面保護層はいずれも何らかの透湿性を有するので、夏季の降雨中、降雨後、これらプラスチックシートやフィルム中に水分が透水し、その後、残存した水分が、直射日光への曝露で加温され、両シート(フィルム)の界面で気化、両シート(フィルム)を剥離する膨れを起していると推察した。
樹脂基材シートは、内側なので水分が入りにくく、また、樹脂基材シートに多用されるポリ塩化ビニルやポリオレフィンは、表面保護層に用いることが多いアクリル樹脂よりも吸湿性が低い。しかし、表面保護層にアクリル樹脂フィルムを用いる場合、外層でかつ吸湿性が高いので水が入りやすく、溜まった水分が樹脂基材シートと表面保護層の界面で蒸発して気泡膨れを生じさせることが考えられた。
そこで、本発明者は、膨れの発生を抑制するための方法として、表面保護層にアクリル樹脂フィルムの透湿度を低くして水分がより入りにくく保持されにくくすることとした。具体的には、アクリル樹脂フィルムのJIS Z0208:1976カップ法に準拠して測定した透湿度を180g/m・24時間以下とすることにより、60℃温水の恒温槽に2週間浸漬する促進試験において化粧シートの膨れ気泡の発生を抑制できることを確認した。すなわち、夏季の降雨後に外装材用化粧シート内に残った水分の直射日光への曝露の繰り返しで生ずる膨れの発生を抑制した外装材用化粧シートができたと考えられる。
以下、本発明の化粧シートの各構成要素を、図1及び図2を参照しつつ、詳細に説明する。但し、本発明は以下の形態のみに限定されるものではない。
本発明に用いられる樹脂基材シートの樹脂としては、加工適性、熱成形性、透明性、耐候性等が良好な熱可塑性樹脂であれば、特に制限されないが、コストも低い汎用樹脂であり、透湿性も低い、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリオレフィン等が好ましく用いられる。中でもそれらのメリットを高く有する点でポリ塩化ビニル樹脂が特に好ましい。
また、塩化ビニル系樹脂として、塩化ビニルモノマーを共重合して得られる共重合体も用いることができる。
塩化ビニルモノマーと共重合可能なモノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルアクリレートやブチルアクリレート等のアクリル酸エステル類;メチルメタクリレートやエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;ブチルマレートやジエチルマレート等のマレイン酸エステル類;ジブチルフマレートやジエチルフマレート等のフマル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル及びビニルオクチルエーテル等のビニルエーテル類;アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のシアン化ビニル類;エチレン、プロピレン、ブチレン、スチレン等のオレフィン類;イソプレン、ブタジエン等のジエン類;塩化ビニリデン、臭化ビニル等の塩化ビニル以外のハロゲン化ビニリデン、ハロゲン化ビニル類;ジアリルフタレート等のフタル酸アリル類、等が挙げられる。これらのモノマーは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、塩化ビニル系樹脂として、塩化ビニルモノマーを下記重合体にグラフトしたグラフト共重合体も用いることができる。
塩化ビニルモノマーがグラフトされる重合体として、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル-一酸化炭素共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-エチルアクリレート-一酸化炭素共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体、エチレン-プロピレン共重合体等が挙げられる。
塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、500~4000が好ましく、700~3900がより好ましく、1000~3800が更に好ましい。平均重合度が上記範囲内であると、優れた機械的強度が得られ、かつ優れた成形性が得られる。なお、平均重合度は、JIS K6721に準拠して測定される平均重合度である。
樹脂基材シートとして塩化ビニル系樹脂を用いる場合には、加工性を向上させるために可塑剤を添加することが好ましい。可塑剤としては、塩化ビニル系樹脂と相溶性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、フタル酸ジウンデシル(DUP)等のフタル酸系可塑剤;アジピン酸ジブチル等のアジピン酸系可塑剤;リン酸トリブチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリフェニル等のリン酸系可塑剤;トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリオクチル等のトリメリット酸系可塑剤;アジピン酸系ポリエステルなど公知の各種ポリエステル系可塑剤;アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリオクチルシトレート等のクエン酸エステル類;等が挙げられる。これらの可塑剤は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
可塑剤の含有量としては、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、23~50質量部であることが好ましい。可塑剤の含有量を23質量部以上とすることで、塩化ビニル系樹脂を柔軟にすることができ、必要な加工適性を保持することができる。一方、50質量部以下であると可塑剤がブリードアウトすることがなく好ましい。以上の観点から、可塑剤の含有量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、25~35質量部であることがさらに好ましい。
本発明に用いる樹脂基材シートの樹脂として、塩化ビニル系樹脂の他、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテンなどのオレフィン系樹脂、ポリカーボネート等、透湿度が比較的低く、加工適性も良好な熱可塑性樹脂も好ましく用いることができる。
樹脂基材シートの透湿度は、80g/m・24時間以下が好ましく、40g/m・24時間以下であることがさらに好ましい。
樹脂基材シートの厚みとしては、80~180μmであることが好ましい。80μm以上であると、通常、この種の化粧材に使用される木目導管溝、布目テクスチュア、砂目、梨地、ヘアライン、花崗岩板表面の劈開面、皮シボ等の各種の凹凸模様で使用される範囲において、版深が深いエンボス加工においても裏面への影響が小さい点で有利であり、180μm以下であるとラッピング加工等の曲げ加工性の点で有利である。以上の観点から、塩化ビニル系樹脂基材シートの厚みは、90~160μmの範囲であることがより好ましく、100~140μmの範囲であることがさらに好ましい。
本発明の化粧シート10は、樹脂基材シート11の表面側にさらに表面保護層13を有する。表面保護層は、樹脂基材シートを保護するとともに、後述する絵柄層12を保護する役割を果たすものである。
本発明の化粧シートに用いられる表面保護層としては、意匠性の観点から透明性の高いものが好ましく、耐候性、耐久性が高く、かつ樹脂基材シートや絵柄層との接着性が高いことから、アクリル樹脂フィルムを用いる。
アクリル樹脂フィルムを構成するアクリル樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル-メタクリル酸ブチル共重合体、メタクリル酸ブチル-メタクリル酸メチル共重合体などが挙げられる。また、アクリル樹脂の脆さや割れやすさを改良して、加工性、耐候性を向上させたアクリル樹脂マトリックスに架橋ゴムコアとグラフトポリマーシェルからなる粒子を分散させたものも好ましく用いられる。以下、かかる形態のアクリル樹脂を「アクリル樹脂系コアシェルポリマー」とも呼称する。
本発明の化粧シートの表面保護層に用いられるアクリル樹脂フィルムは、JIS Z0208:1976カップ法に準拠して測定した透湿度が180g/m・24時間以下である。該透湿度が180g/m・24時間以下であると、化粧シートの膨れ気泡の発生を抑制することができる。そして、該アクリル樹脂フィルムの透湿度は150g/m・24時間以下であることが好ましく、120g/m・24時間以下であることがさらに好ましい。
表面保護層内の残存水分量が多くなることによる膨れ気泡の発生を抑制し得るという点からは、表面保護層のアクリル樹脂フィルムの透湿度に下限はないが、残存水分が表面保護層からある程度抜けやすいことも膨れ気泡の発生の抑制に寄与する点から、その透湿度は70g/m・24時間以上であることが好ましく、90g/m・24時間以上であることがさらに好ましい。
表面保護層の厚みとしては、20~100μmの範囲が好ましい。20μm以上であると、樹脂基材シート及び絵柄層の保護が十分可能であり、また樹脂基材シートとして塩化ビニル系樹脂を用いた場合の可塑剤のブリードアウトも十分に防止し得る。一方、表面保護層の厚みが100μm以下であると、化粧シートのラッピング加工等の曲げ加工性を妨げることがない。
以上の観点から、表面保護層の厚みは、30~80μmの範囲がより好ましく、40~70μmの範囲がさらに好ましい。
本発明の化粧シート10は、樹脂基材シート11と表面保護層13の間に絵柄層12を有することができる。絵柄層は当該化粧シートに意匠性を付与するためのものである。絵柄層は、例えば、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される。模様としては、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、皮絞(シボ)模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、文字、図形等がある。これらの模様は通常のグラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、フレキソ印刷、インキジェット印刷等の各種印刷法によって形成される。
また、全面にわたり単一色で形成する着色層(ベタ層)を設けてもよく、上記絵柄層と組み合わせてもよい。
これら絵柄層の厚みは、通常1~5μmの範囲である。
本発明の化粧シート10を、樹脂基材シート11側で接着剤層14を介して被着基材15に貼着してなる化粧材20も本発明の範囲内である。
接着剤層を構成する接着剤としては、樹脂基材シートと、被着基材とを接着し得るものであれば特に限定されないが、接着性の観点から、溶剤系接着剤が好ましく、具体的には、フェノール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、熱可塑性、2液硬化型、あるいは湿気硬化型のウレタン樹脂、エポキシ樹脂、溶剤系の酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂等のエマルションなどが挙げられる。
また、残留溶剤が残りにくい材料が好ましく、1液硬化型であっても、2液硬化型であってもよい。
前記被着基材15としては、平板、曲面板、手摺や窓枠に用いられる各種断面形状の柱状体など、各種形状のものが用途に応じて用いられる。
被着基材が樹脂製の場合、該被着基材を構成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート-イソフタレート共重合体、ポリアリレート等のポリエステル樹脂;エチレン-ビニルアルコール共重合体;ポリメチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリイミド樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリアミド樹脂;ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)樹脂;AS(アクリロニトリル-スチレン共重合体);セルロース系樹脂;ポリアミド系樹脂などが挙げられ、硬質なものが好ましい。被着基材としては、これらの樹脂からなる単層でもよいし、これらの樹脂の中から選んだ2種以上の互いに異なる樹脂層からなる2層以上の積層体でもよい。
また、被着基材が金属製の場合、用いられる金属としては、鉄あるいは鉄合金、アルミニウムあるいはアルミニウム合金、銅、真鍮、チタニウム等が用いられる。被着基材が木製の場合、用いられる木材としては、杉、檜、樫、松、ラワン、チーク等の各種樹種からなる単板、合板、パーチクルボード、繊維版、集成材などが用いられる。被着基材が窯業系無機材の場合は、セメント系材料、珪酸カルシウム、陶磁器、硝子、各種セラミックスなどが挙げられる。
本発明の化粧シート及び化粧材は、例えば、以下のような方法で製造される。
例えば、図1に示す化粧シートであれば、まず、樹脂基材シート11に印刷法等によって、絵柄層12を形成する。次いで、樹脂基材シートの絵柄層側に、表面保護層13を熱ラミネートするとともに、エンボス加工を行うことで、図1に示す化粧シートを製造することができる。
また、図2に示す化粧材であれば、化粧シート10の裏面に溶剤系接着剤を塗布して接着剤層14を形成し、その後に被着基材15を貼着する方法である。
本発明の化粧シートは、ラッピング加工などの熱接着加工用シートとして有用である。ここで、熱接着加工とは、加熱しながら接着させる態様、常温で接着させた後に加熱加工する態様、加熱しながら、接着と加工を同時に行う態様などを含むものである。
また、ラッピング加工において、化粧シートは余剰部を有しており、化粧シートの端部の継ぎ目が該余剰部で重複して貼着されることが好ましい。
本発明の化粧シートの具体的な用途としては、加熱して後加工する外装建材、内装建材、家具類の表面化粧材として有用である。より詳細には、窓枠、扉、門扉、手すり、柵などの外装建材、壁材、床材、天井材などの内装建材、箪笥、机、戸棚などの家具類の表面化粧材として極めて有用である。
以下本発明について実施例を挙げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(評価手法)
1.透湿度の測定
JIS Z0208:1976カップ法に準拠して測定した。
2.温水膨れ試験
10cm×2.5cmの化粧シートの試験片4枚を60℃温水の恒温槽に2週間浸漬した後、取り出して十分に乾燥させてから試験片の外観を観察し、以下の評価基準(平均的な試験片の片側表面における膨れ気泡の数)により、温水膨れ度を評価した。
温水膨れ度1:膨れ気泡の数が0個
温水膨れ度2:膨れ気泡の数が1~10個
温水膨れ度3:膨れ気泡の数が11~20個
温水膨れ度4:膨れ気泡の数が20~40個
温水膨れ度5:膨れ気泡の数が40個以上
実施例1
ポリ塩化ビニル樹脂100質量部に対して、可塑剤としてポリエステル系可塑剤(アジピン酸系ポリエステル)を30質量部加えた樹脂組成物を押出し成形し、塩化ビニル系樹脂基材シートを得た(厚み;120μm、透湿度:40g/m・24時間)。
次いで、この樹脂基材シートの表面に木目柄の絵柄層を印刷し、その上にアクリル樹脂系コアシェルポリマー1を熱ラミネートして透明アクリル樹脂フィルムからなる表面保護層(厚み:50μm)を形成し、化粧シートを得た。使用したアクリル樹脂フィルムの透湿度および得られた化粧シートの温水膨れ度を上記方法により測定した。結果を第1表に示す。
次いで、当該化粧シートの裏面に溶剤系接着剤を塗布し、接着剤層を形成した(厚み:50μm)。該接着剤層上に、被着基材として、硬質の塩化ビニル系樹脂板を接着し、化粧材を得た。
実施例2
アクリル樹脂フィルムを構成するアクリル樹脂として、アクリル樹脂系コアシェルポリマー2を用いて表面保護層(厚み:50μm)を形成したこと以外は実施例1と同様にして、化粧シート及び化粧材を得た。アクリル樹脂フィルムの透湿度および化粧シートの温水膨れ度を上記方法により測定した結果を第1表に示す。
実施例3
アクリル樹脂フィルムを構成するアクリル樹脂として、アクリル樹脂系コアシェルポリマー3を用いて表面保護層(厚み:50μm)を形成したこと以外は実施例1と同様にして、化粧シート及び化粧材を得た。アクリル樹脂フィルムの透湿度および化粧シートの温水膨れ度を上記方法により測定した結果を第1表に示す。
比較例1
アクリル樹脂フィルムを構成するアクリル樹脂として、アクリル樹脂系コアシェルポリマー4を用いて表面保護層(厚み:50μm)を形成したこと以外は実施例1と同様にして、化粧シート及び化粧材を得た。アクリル樹脂フィルムの透湿度および化粧シートの温水膨れ度を上記方法により測定した結果を第1表に示す。
Figure 0007052276000001
第1表に示すように、透湿度が180g/m・24時間以下であるアクリル樹脂フィルムを用いた実施例1~3の化粧シートは、温水膨れ気泡の発生が少なく、良好な外観であった。一方、透湿度が180g/m・24時間超であるアクリル樹脂フィルムを用いた比較例1の化粧シートは、温水膨れ気泡の発生が多く、外観が不良であった。
本発明の化粧シート及び化粧材は、加工適性に優れ、熱成形性、エンボス加工性等が良好であり、透明性、耐候性、耐熱性にも優れる。したがって、窓枠、扉、門扉、手すり、柵などの外装建材として、極めて有用である。
10 化粧シート
11 樹脂基材シート
12 絵柄層
13 表面保護層
14 接着剤層
15 被着基材
20 外装化粧材

Claims (6)

  1. 樹脂基材シートと、樹脂基材シートの表面に透明アクリル樹脂フィルムからなる表面保護層を有する化粧シートであって、
    前記アクリル樹脂フィルムのJIS Z0208:1976カップ法に準拠して測定した透湿度が180g/m・24時間以下であり、
    前記表面保護層のアクリル樹脂フィルムが、アクリル樹脂マトリックスに架橋ゴムコアとグラフトポリマーシェルからなる粒子を分散させたものである外装材用化粧シート。
  2. 前記樹脂基材シートが、可塑剤含有塩化ビニル系樹脂基材シートである請求項1に記載の外装材用化粧シート。
  3. 前記樹脂基材シートの厚みが80~180μmであり、前記アクリル樹脂フィルムの厚みが20~100μmである請求項1又は2に記載の外装材用化粧シート。
  4. 請求項1~のいずれか1項に記載の外装材用化粧シートと被着基材とを接着剤層を介して貼着してなる外装用化粧材。
  5. 前記外装材用化粧シートの前記樹脂基材シート側と、前記被着基材とを前記接着剤を介して貼着してなる、請求項4に記載の外装用化粧材。
  6. 請求項4又は5に記載の外装用化粧材である窓枠。
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