本発明の実施形態の一例について、図1~図18を参照して説明する。
[A.肌状態サポートサーバの利用形態]
図1を参照して、肌状態サポートサーバ10の構成および本発明を構成する系に対する位置付けを説明する。肌状態サポートサーバ10は、CPU、メモリ、各種インターフェース回路等を備えたコンピュータシステムにより構成される。肌状態サポートサーバ10は、メモリに保持された画像表示用のプログラムをCPUで実行することによって、複数のユーザU(図1ではUa,Ub,Ucを例示)の肌状態を改善又は維持するための処理(画像表示処理)を実行する機能を実現する。
肌状態サポートサーバ10は、インターネット等の通信ネットワーク1を介して、複数のユーザUの通信端末(ユーザ端末)30(図1では30a,30b,30cを例示)との間でデータ通信を行うことにより、ユーザUの肌状態の改善又は維持をサポートする。肌状態サポートサーバ10及びユーザ端末30により、本発明の「情報出力システム」が構成される。
通信ネットワーク1には、担当者T(図1ではTa,Tbを例示)の通信端末50(図1では50a,50bを例示)も接続されている。担当者Tは、通信端末50を介して、ユーザUの肌の特徴や趣味嗜好、生活スタイル等を考慮した適切な肌ケア法等の情報を含むデータを、肌状態サポートサーバ10及びユーザ端末30に送信することにより、ユーザUの肌状態の改善に対するアドバイスを行う。なお、担当者Tの通信端末50とユーザUのユーザ端末30とは必ずしも一対一である必要はなく、肌状態サポートサーバ10、担当者Tの通信端末50、通信ネットワーク1を合わせた系全体によってユーザUの肌状態の改善に対するアドバイスがユーザUのユーザ端末30に提供されればよい。例えば、ユーザUの1又は複数のユーザ端末30に対して、複数の担当者Tによってそれぞれの通信端末50を介してアドバイスを提供する方法でも良い。
さらに、肌状態サポートサーバ10は、複数のユーザUのユーザ端末30から送信される各ユーザの固有データを解析して、汎用的に活用可能な2次データを生成する機能を有し、この2次データを通信ネットワーク1を介して他のシステム60に提供するサービスも行うことができる。
[B.肌状態サポートサーバ、及びユーザ端末の構成]
図2を参照して、肌状態サポートサーバ10およびユーザ端末30の構成について説明する。肌状態サポートサーバ10は、メモリに保持された画像表示用のプログラムをCPUで実行することにより、肌状態認識部11、施策グループ選択部12、施策情報送信部13、指定負担基準認識部14、施策抽出部15、及び2次データ生成部19として機能する。これらの構成による処理については後述する。また、肌状態サポートサーバ10は、ユーザUの画像表示処理に使用する各種データを保持するサポートDB(データベース)20を備えている。このサポートDB20はたとえばRAM上に展開され、後述する主観および客観データの更新によって書き換え可能である。
次に、本実施形態のユーザ端末30は、表示器31、タッチパネル32、カメラ33、マイク34、CPU35、及びメモリ36等を備えている。表示器31が、本発明の「出力部」に相当する。タッチパネル32が、本発明の「入力部」に相当する。これに代えてまたは加えて、カメラ33で撮像したユーザUの画像又はマイク34から入力されたユーザUの音声に基づいてユーザの指定を認識することにより、カメラ33又はマイク34を本発明の「入力部」として機能させてもよい。
本実施形態においては、ユーザ端末30は例えばスマートフォンであるため、カメラ33やマイク34等を備えているが、ユーザ端末と有線無線にかかわらずやり取りできる構成であれば、外付けでの構成であったり、専門的な撮像装置を用いても良い。CPU35は、メモリ36に保持された画像表示用のアプリケーション35a(以下、肌サポートアプリ35aという)のプログラムを実行することにより、ユーザUが肌サポートアプリ35aを介して肌状態サポートサーバ10によるサポートを享受可能な状態とする。肌サポートアプリ35aを実行したCPU35が、本発明の「第1情報出力制御部」「第2情報出力制御部」に相当する。
また、ユーザUは、肌の細胞を取得するための角質採取テープ37(図1では37a、37b、37cを例示)を別途有している。この角質採取テープ37は、予め担当者TによりユーザUに提供されたものであってもよいし、ユーザUが市販の角質採取テープ37を購入してもよい。
なお、以下の説明では、説明の便宜のため、肌状態の改善又は維持のサポート処理の対象のユーザをユーザUaと表し、「ユーザUa」と異なるユーザを「他のユーザUb、Uc」と表す。
[C.肌状態サポートサーバによる一連の処理]
次に、図3を参照して、肌状態サポートサーバによる一連の処理について説明する。肌状態サポートサーバ10は、「1.ゴール設定」、「2.スケジュール決定」、「3.モニタリング」、「4.スケジュール修正」、[5.ゴール判定]及び「6.2次データ生成」の各工程の処理を、図4,5に示したフローチャートに従って実行する。また、ユーザ端末30は、各工程における肌状態サポートサーバ10による処理に応じて、図6,7に示したフローチャートによる処理を実行する。以下では、各工程における肌状態サポートサーバ10及びユーザ端末30のCPU35の処理について、図4~7に示したフローチャートを参照しつつ説明する。
ユーザUaは、図6のSTEP50で、肌サポートアプリ35aのプログラムをユーザ端末30にダウンロードして肌サポートアプリ35aを起動する。そして、ユーザUaは肌サポートアプリ35aへの登録申請を行う。
肌状態サポートサーバ10は、図4のSTEP10で、ユーザUaからの登録申請を受け付けたときに、「ユーザUaからの登録申請を受け付けた」と認識し、STEP11に処理を進める。そしてSTEP11以降の画像表示処理を開始する。
[D.ゴール設定工程]
図3に示した「1.ゴール設定」の工程は、肌状態認識部11及び施策グループ選択部12により実行される。施策グループ選択部12は、図4のSTEP11でユーザ端末30にユーザUaの現状の肌、体、心の各状態、及びユーザUaが要望する肌状態を把握するための情報入力を促す初期情報要求データを送信する。
この初期情報要求データを受信したユーザ端末30では、肌サポートアプリ35aが、図6のSTEP51で、ユーザUaに対して、現状の肌、体、心の各状態、及びユーザUaが要望する肌状態の入力を促す画面を表示器31に表示する。それに対してユーザ端末30は、ユーザUaが入力した情報を含む初期ユーザ情報データを、肌状態サポートサーバ10に送信する。
肌状態認識部11は、図4のSTEP11において、初期ユーザ情報データを受信して、初期ユーザ情報データから認識したユーザUaの肌、心、体の各状態と、ユーザUaが要望する肌状態とに基づいて、肌状態の目標スコア(ゴール)を設定する。
ここで、初期ユーザ情報データには、肌状態、体状態、及び心状態についての主観データ及び客観データが含まれている。詳細な定義は後述するが、主観データはユーザの主観によって判定される項目、客観データは検査結果や画像解析、事実情報に基づいたデータである。肌状態の主観データは、現状の肌状態に対するユーザUaの満足度を、例えば10段階で示したデータである。肌状態の客観データは、ユーザUaの肌画像データである。なお、肌状態の客観データには、初期ユーザ情報データに含まれる肌状態の客観データに加え、角質採取テープ37により採取されたユーザUaの角層細胞の解析データが含まれてもよい。角層細胞の解析データは、具体的には例えば保水能力と皮脂適格性に関するデータである。この場合、角層細胞の解析を、例えばユーザ端末30に接続された測定機器45により行うことで、或は、角質採取テープ37の画像データをユーザ端末30から肌状態サポートサーバ10に送信し、肌状態サポートサーバ10側で角質採取テープ37の画像を分析して保水能力と皮脂適格性などを測定してもよい。
ユーザUaの満足度は肌サポートアプリ35aにおけるアンケート入力によって取得される。また、肌画像データは、ユーザ端末30のカメラ33又は接続端子40に接続され
た外部カメラによってユーザUaがユーザUaの顔を撮像することによって取得した画像データである。
また、肌サポートアプリ35aは、ユーザUaに対して、角質採取テープ37の使用方法を表示器31に表示し、角質採取テープ37の使用と別途の郵送とを促す。肌サポートアプリ35aは、ユーザUaに対して、角質採取テープ37の使用と肌画像の撮像を促し、撮像された画像が肌状態サポートサーバ10に送信されるようにしてもよい。
肌状態認識部11は、図8に示したように、肌状態の初期値を、例えば、主観のスコアを3、肌画像のスコアを3、保水能力のスコアを2、皮脂適格性のスコアを1に割り当てて、合計した値を肌状態のスコアとする。なお、スコアは正の整数ではなく、小数で表現されていてもよいし、負の数で表されてもよい。なお、肌画像のスコア、保水能力のスコア及び皮脂適格性のスコアの合計値を、以下適宜「客観スコア」という。なお、客観スコアは、客観データに基づいて定められる肌状態のスコア(数値)であればよく、例えば、角層水分量計により計測されたユーザの肌の水分量、皮脂量計により計測されたユーザの肌の皮脂量またはこれらに基づいて定められる値であってもよい。客観スコアは、肌画像のスコア、保水能力のスコア及び皮脂適格性のスコアの平均値、最大値または最小値等であってもよい。
角層細胞の解析による保水能力スコア及び皮脂適格性のスコアの認識を第1認識方法と呼ぶ。第1認識方法は、これに代えてまたは加えて、角層水分量計によりユーザの肌の水分量を計測する方法及び皮脂量計によりユーザの肌の皮脂量を計測する方法のうち少なくとも1つを含む。また、第1の認識方法によるユーザの肌の認識を定期的に行うため、肌状態認識部11は、定期的にユーザ端末30に角質採取テープ37等の使用を促すメッセージを送信したりすることにより、ユーザに行動を促す。
このときの「定期的」というのは厳密に時間的に等間隔である必要はなく、肌状態に影響が出ない範囲で等間隔であればよい。例えば、3ヶ月ごとに第1の認識方法を実施する場合において、1月1日に初回を実施した場合、ちょうど3か月後の4月1日のみならず、例えばその1週間前の3月24日前後にユーザ端末30にメッセージを送信してもよいし、例えばその1週間後の4月8日前後にユーザ端末30にメッセージを送信してもよい。また、長期的にサービスを提供するときなどは、例えば細かい改善を調べたい時は1ヶ月ごとに第1の認識方法を設定し、肌状態に対する季節変化の影響を調べるために3か月ごとに第1の認識方法を設定するなど、認識のタイミングは変更可能である。
アンケート入力による肌状態の主観データに基づいた主観スコアの認識及びユーザUaの肌画像データに基づく肌画像スコアの認識のそれぞれを第2認識方法と呼ぶ。第2認識方法は、アンケート入力による肌状態の主観データに基づいて主観スコアの認識及びユーザUaの肌画像データに基づく肌画像スコアの認識の一方によってユーザUaの肌状態を認識してもよいし、これらと異なる方法を含んでもよい。また、第2認識方法は、第1の認識方法よりも頻繁に行われる。これは角質採取テープ37の使用・郵送が手間的にも煩雑かつ値段的にも高価なってしまうためである。また、角質採取テープ37の使用が頻繁であると、ユーザUaの肌へ悪影響が及ぶおそれもある。
例えば3か月間ごとに第1の認識方法が実施され、第2の認識方法は毎日実施される。また、第1の認識方法の実施と第2の認識方法の実施のタイミングが重なる時は、できれば同じタイミングで実施されると精度の良いデータが取れるため好ましい。ただし第1の認識方法の実施時に第2の認識方法が実施されなくても本発明の実施は可能であるし、効果も得られる。
なお、主観スコアは、主観データに基づいて定められるスコアであればよい。
体状態の主観データと客観データは、図9に示したように分けられている。詳細な定義は後述するが、肌の主観データおよび客観データと同様に、体状態の主観データはユーザUaの主観によって判定される項目、客観データは検査結果や画像解析、事実情報に基づいたデータである。体状態の主観データは、ユーザUaが肌サポートアプリ35aを通じてアンケートを入力することによって取得される。体状態の客観データは、ユーザUaがユーザ端末30のカメラ33を用いて撮像されたユーザUaの舌・唇の画像データ、ユーザ端末30の接続端子40に接続された測定機器45により測定されたユーザUaの血圧、不整脈、尿中成分、血中成分等の測定データと、肌サポートアプリ35aにおけるアンケート入力により取得された頭痛又は肩こり等の体調不良の回数、疲労度判定等のデータである。なお、将来の肌ケア以外のサービスへの展開に備えて、種々の病気の発生情報などについても初
期ユーザ情報データに含めてもよい。
心状態の主観データと客観データは、図10に示したように分けられている。詳細な定義は後述するが、肌の主観データおよび客観データと同様に、心状態の主観データはユーザUaの主観によって判定される項目、心状態の客観データは検査結果や画像解析、事実情報に基づいたデータである。主観データは、肌サポートアプリ35aにおけるアンケート入力によって取得される。客観データは、肌サポートアプリ35aにおけるアンケート入力(一日の笑った頻度等)と、測定機器による測定(脈拍モニタリングからの心理状態推定等)とにより取得される。なお、将来の肌ケア以外のサービスの展開に備えて、種々の精神疾患の発生情報についても初期ユーザ情報データに含めてもよい。
肌状態認識部11は、認識したユーザUaの肌、体、心の状態の主観データ及び客観データを、サポートDB20に記憶する。
肌状態認識部11は、このようにして初期ユーザ情報データから認識したユーザUaの肌状態、体状態、及び心状態の主観データと客観データに基づいて、図8の右側の三角形で示したように、肌状態を1~9、体状態を1~6、心状態を1~6の各スコアで表した3軸の初期値を設定する。なお、肌状態のスコアと同様に、体状態又は心状態の主観データ及び客観データから体状態又は心状態の主観スコア及び客観スコアが算出され、それらに基づいて体状態のスコア及び心状態のスコアとして扱われてもよい。
さらに、施策グループ選択部12は、初期ユーザ情報データに含まれる「施策のカテゴリー,希望,頻度」「現在行っている施策」及び「なりたい肌とスコア」を取得する。「施策のカテゴリー,希望,頻度」「現在行っている施策」及び「なりたい肌とスコア」は、肌サポートアプリ35aにより、ユーザUaが入力したものである。施策グループ選択部12は、これらに加え、「なりたい体とスコア」「なりたい心とスコア」を取得してもよい。
ここで、「なりたい肌とスコア」において、「なりたい肌」とは、乾燥感改善、ごわつき改善、敏感肌改善、ニキビ改善、しぼみ感改善、シミ改善、シワ改善、たるみ改善、くすみ改善、くま改善、顔色改善、及びハリ改善等から選択された肌状態の改善対象である。また、「スコア」とは、各対象の肌状態に対するユーザUaの満足度であって、肌サポートアプリにおいて1~10の10段階でユーザが選択したスコアである。
サポートDB20は、各改善対象に関連付けられた肌状態の主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を記憶している。例えば、図11Cに示されるように、「乾燥感改善」には、肌状態の主観状態「乾燥感改善」と、肌状態の客観状態の基準「保水能力と皮脂適格性との差を最小化」とが関連付けられている。
例えば、「なりたい肌」が「乾燥感改善」であり、現状の肌状態の乾燥感の満足度のスコアが3であるときに、ユーザUaの選択に応じて、「乾燥感改善」と関連付けられたユーザUaの肌状態の主観状態「乾燥感改善」についての満足度5が主観的な目標スコアとして設定される。
また、施策グループ選択部12は、「乾燥感改善」に関連付けられた肌状態の客観的な改善対象を設定する。例えば、施策グループ選択部12は、ユーザUaの選択に応じて、「乾燥感改善」に関連付けられた基準「保水能力と皮脂適格性との差を最小化」に基づいて、ユーザUaの肌状態のうち、保水能力よりも低い皮脂適格性の値2を客観的な目標スコアとして設定する。
これらの、ユーザUaの選択に応じた目標スコアの設定処理については後述する。
また、「施策のカテゴリー、希望、頻度」において、カテゴリーとしては「食生活、自
宅での行動、運動、化粧品の使い方」等、希望としては「難易度、時間制約、肌ケアを行うシーン」等、頻度としては「1日当たりのアドバイスを受ける回数」等が選択される。
「現在行っている施策」は、ユーザUaがすでに行っている施策であり、「湯船につかる」等の内容及び頻度又は程度などにより表される。
[E.スケジュール決定工程]
図3に示した「2.スケジュール決定」の工程は、施策グループ選択部12及び施策情報送信部13により実行される。施策グループ選択部12は、図4のSTEP12で、ゴール(主観的な目標スコア及び客観的な目標スコア)を達成するための施策グループを選択する。この選択は、上述した各改善対象に関連付けられた、肌状態の主観状態の改善傾向と肌状態の客観状態の改善傾向と適した周辺環境とを考慮して行われる。施策グループ選択部12は、あらかじめ登録された地域またはGPSセンサ等によって検出された位置情報と、端末の時計機能から取得した日時とに基づいて、スケジュール期間におけるユーザUaの周辺環境の温度、湿度等を予測する。
例えば、施策グループ選択部12は、カテゴリーの希望が「自宅での行動、食生活、運動」であり、梅雨の時期のように湿度が平均50%と予測される季節であり、主観的な目標スコアが「乾燥感」の満足度5以上、客観的な目標スコアが皮脂適格性2以上である場合、主観状態の改善傾向が「乾燥感改善」を含み、客観状態の改善傾向が「皮脂適格性向上」を含み、カテゴリーに「自宅での行動、食生活、運動」のいずれかであり、適した周辺環境が湿度50%と矛盾しない施策を選択する。
ここで、主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向は、予め担当者T等の専門家によって定められたものであってもよいし、サポートDB20に記憶された他のユーザUb、Ucが実施した施策と他のユーザUb、Ucの肌状態の時系列的変化に基づいて推定される主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向であってもよいし、実施した施策とユーザUaの肌状態の時系列的変化がサポートDB20に保存されている場合には、当該情報に基づいて推定される主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向であってもよい。
例えば、サポートDB20には、他のユーザUb、Ucのそれぞれが実施した施策と、その施策を実施した前後の他のユーザUb、Ucそれぞれの肌状態の主観データの時系列的変化及び他のユーザUb、Ucそれぞれの肌状態の客観データの時系列的変化の一方又は両方とが記憶される。
また、例えば、サポートDB20には、他のユーザUb、Ucのそれぞれが実施した施策「湯船につかる」と、その施策を実施した前後における、他のユーザUb、Ucそれぞれの肌状態の主観状態の時系列的変化としての「乾燥感についての満足度」が記憶されているとする。
このとき、施策グループ選択部12は、各他のユーザUb、Ucごとに、施策「湯船につかる」について、例えば、湯船につかる前日と、湯船につかった日の肌状態の主観データ(乾燥感についての満足度)の変化量を算出する。そして、施策グループ選択部12は、各他のユーザUb、Ucごとの乾燥感についての満足度の変化量の平均値の変化量の平均値をとる。施策グループ選択部12は、例えば、「乾燥感についての満足度」の変化量の平均値が所定値以上である場合に、施策「湯船につかる」の主観状態の改善傾向を「乾燥感改善」と認識する。客観状態の改善傾向についても、主観状態の改善傾向と同様に認識できる。
施策グループ選択部12は、ユーザUaの年齢及び肌状態に基づいて、同年代、同様の
肌状態等、処理対象とする他のユーザUb、Ucの範囲を絞ってもよい。
また、施策グループ選択部12は、サポートDBに実施した施策とユーザUaの肌状態の時系列的変化が保存されている場合には、上記と同様にして算出した当該情報に基づいて推定される主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を認識してもよい。
施策グループ選択部12は、ユーザUaの第1回目のスケジュール決定工程においては、他のユーザUb、Ucの肌状態の主観データ、客観データから上記主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を認識し、ユーザUaの第2回目のスケジュール決定工程においてはユーザUaの肌状態の主観データ、客観データから主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を認識してもよい。
施策グループ選択部12は、肌状態のみならず、心状態、体状態についても同様に主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を認識し、当該心状態、体状態の主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を加味して施策を選択してもよい。
施策グループ選択部12は、「現在行っている施策」と同内容及び同頻度または同程度の施策を施策グループから除外してもよい。ユーザが既に行っている施策は、提案するまでもないと考えられるからである。
図11Aの例では、施策グループ選択部12は、「湯船につかる」「ビタミンC摂取」「野菜摂取」「1万歩以上歩く」を含むように複数の施策の組合せである施策グループを選択する。
施策情報送信部13は、施策グループの中から、ユーザUaの「施策のカテゴリー、希望、頻度」及び入力に応じて施策の優先度を評価し、当該優先度に従って初期の施策を決定する。
施策の優先度の評価及び優先度に従った初期の施策の決定処理については後述する。
図12には、初期の施策として「湯船につかる」「野菜摂取」「1万歩以上歩く」が選択されたスケジュールの例を示している。施策情報送信部13は、このようにして決定したスケジュールの内容を示すスケジュールデータをユーザ端末30に送信する。
施策情報送信部13は、併せて、ユーザUaの指定を基に、一定期間の各工程の実施の計画を作成する。図11Bには、START時にゴール設定とスケジュール決定を行い、毎日モニタリングをし、1週間ごとにスケジュール修正を行い、1か月後に進捗グラフを作成し、3か月目にゴール判定と新たなゴール設定を行うという一連のイベントの計画が示されている。施策情報送信部13は、ユーザUaの指定に加えてまたは代えて、あらかじめ定められた、一定期間の各工程の実施の計画を用いてもよい。
ユーザ端末30において、図6のSTEP52で、肌状態サポートサーバ10からスケジュールデータを受信すると、肌サポートアプリ35aは、図12に示したようなスケジュールの実行表及び図11Bに示したような作業内容の計画を表示可能にして、ユーザUaによる各施策の実施を促す。図12のスケジュールの実行表においては、各施策(「湯船につかる」、「野菜摂取」、「1万歩以上歩く」)の内容が表示される。
[F.モニタリング工程]
図3に示した「3.モニタリング」の工程は、ユーザUaが肌サポートアプリ35a上で設定した期間ごとに(図11Bでは毎日)、肌状態認識部11及び施策情報送信部13により実行される。肌サポートアプリ35aの利用を開始したユーザUaは、ユーザ端末30により、日々の肌、体、心の各状態と、スケジュールにより指示された施策の実施状況と、スケジュールにより指示された施策以外のユーザUaの自主的な行動(施策外行動)の実施状況とを入力する。施策の実施状況には、「湯船につかる」、「野菜摂取」、「1万歩以上歩く」をそれぞれ実施したかどうかを示す情報のほか、「30分」「湯船につかる」、「300g」「野菜を摂取」、「1万5千歩」「歩く」など、時間、量などで表される施策の実行の度合いが含まれる。
肌サポートアプリ35aは、図6のSTEP53で、ユーザUaにより肌、体、心の状態が入力されるとSTEP60に処理を進め、上述した初期ユーザ情報データと同様に、ユーザUaの肌、体、心の状態についての主観データと客観データを含む現状ユーザ情報データを肌状態サポートサーバ10に送信してSTEP54に処理を進める。なお、肌サポートアプリ35aは、図6のSTEP53で、ユーザUaにより肌、体、心の状態が入力されない場合、そのままSTEP54に処理を進める。ここで送信されるデータには、角質採取テープ37によって採取された角層細胞に関するデータは含まれない。
また、肌サポートアプリ35aは、図6のSTEP54で、ユーザUaによりスケジュールの実行状況(各施策の実行状況)が入力されたときにSTEP61に処理を進め、スケジュールの実行状況を示す実行状況データを肌状態サポートサーバ10に送信して図7のSTEP55に処理を進める。なお、肌サポートアプリ35aは、図6のSTEP54で、ユーザUaによりスケジュールの実行状況(各施策の実行状況)が入力されない時は、そのままSTEP55に処理を進める。
さらに、肌サポートアプリ35aは、図7のSTEP55で、ユーザUaにより施策外行動の実施状況が入力されたときにSTEP62に処理を進め、実施された施策外行動の内容を示す施策外行動実施データを肌状態サポートサーバ10に送信してSTEP56に処理を進める。なお、肌サポートアプリ35aは、図7のSTEP55で、ユーザUaにより施策外行動の実施状況が入力されないときには、そのままSTEP56に処理を進める。
図4のSTEP13~図5のSTEP16、及び図4のSTEP20~STEP22は、施策情報送信部13による処理である。肌状態認識部11は、STEP13でユーザ端末30から現状ユーザ情報データを受信したときにSTEP20に処理を進め、現状ユーザ情報データをサポートDB20に蓄積してSTEP14に処理を進める。なお、肌状態認識部11は、STEP13でユーザ端末30から現状ユーザ情報データを受信しないときは、STEP14にそのまま処理を進める。
また、施策情報送信部13は、STEP14でユーザ端末30から実行状況データを受信したときにSTEP21に処理を進め、実行状況データをサポートDB20に蓄積してSTEP15に処理を進める。一方で、STEP14でユーザ端末30から実行状況データを受信していないと判定された場合は、そのままSTEP15に処理を進める。
さらに、施策情報送信部13は、STEP15でユーザ端末30から施策外行動実施データを受信したときにSTEP22に処理を進め、施策外行動実施データをサポートDB20に蓄積して図5のSTEP16に処理を進める。一方で、施策情報送信部13は、STEP15でユーザ端末30から施策外行動実施データを受信しない時は、そのまま図5のSTEP16に処理を進める。
図5に移って、STEP16で、施策情報送信部13は、サポートDB20に蓄積されたユーザUaの初期ユーザ情報データ、現状ユーザ情報データ、実行状況データ、及び施策外行動実施データ等に基づいて、スケジュールの進捗状況を示す進捗表データを作成し、この進捗表データをユーザ端末30に送信する。
ここで、スケジュールの進捗表は、例えば図12に示したように、上から順に、肌状態(ここでは乾燥肌)のスコア、体状態のスコア、心状態のスコア、施策(湯船につかる、野菜摂取、1万歩以上歩く)の実施状況、暮らし情報(野菜摂取量、水分摂取量)、及び暮らし特殊事例が、1日単位で表示する構成となっている。
また、スケジュール進捗表には、施策の実行度合い(「30分」湯船につかる、「300g」野菜摂取、「1万5千歩」歩く)が含まれている。
ユーザ端末30において、肌サポートアプリ35aは、図7のSTEP56で、肌状態サポートサーバ10から送信された進捗表データを受信したときにSTEP63に処理を進め、進捗表データをメモリ36に保持する。肌サポートアプリ35aは、メモリ36に格納された進捗表データを用いて、図12に示した進捗表をユーザ端末30の表示器31に表示する。
また、肌サポートアプリ35aは、進捗表データの他に、通信を介して認識した、肌状態サポートサーバ10のサポートDB20に蓄積されたユーザUaの初期ユーザ情報データ、現状ユーザ情報データ、実行状況データ、施策外行動実施データ等を用いて、ユーザUaの肌、体、心の各状態の推移や変化を示す情報を、ユーザ端末30の表示器31に表示する。
例えば、肌サポートアプリ35aは、図13に示したように、スケジュールによる施策以外のユーザUaの行動(洗顔法の変更、マッサージを受けた等)、及びユーザの体調(生理、睡眠不足等)と、ユーザUaの肌状態の変化の関係を日単位の時系列グラフで、表示器31に表示する。
また、肌サポートアプリ35aは、図14に示したように、一カ月単位で、ユーザUaの角質状態を含む肌状態、心理状態、肌ケアの満足度、及び化粧品の使い方の評価値の変化を対比したレーダーチャートを表示器31に表示する。
ユーザUaは、肌サポートアプリ35aによるこれらの表示を視認して、自身の肌、体、心の各状態の変化を確認することにより、肌の改善度と共に、体と心の状態の変化も把握することができるため、肌、体、及び心の状態をバランス良く改善しながら、目標とする肌状態のゴールへの到達することができる。
また、肌サポートアプリ35aは、STEP63の後、STEP64に進み、図19に示されるスコア表示処理を実行する。スコア表示処理の詳細については後述する。
[G.スケジュール修正]
図3に示した「4.スケジュール修正」の工程は、ユーザUaが肌サポートアプリ35a上で設定した期間ごとに(図11Bでは1週間ごとに)、施策情報送信部13により実行される。図5のSTEP17~STEP20、及びSTEP30~STEP33が、施策情報送信部13による処理である。
施策情報送信部13は、STEP17で、サポートDB20に蓄積されたユーザUaの初期ユーザ情報データ、現状ユーザ情報データ、及び実行状況データ等に基づいて、ユーザUa肌状態の目標達成度、スケジュールに組み込まれた各施策の実行度、及び各施策の効果を評価する。
施策情報送信部13は、図15Aに示した施策の評価基準を用いて、肌状態と体又は心の状態との相関関係を抽出し、この相関関係に基づいて、スケジュールに組み込まれた各施策の継続、施策グループからの除外、施策の中止、別の施策への変更を判断する。
図15Aの評価基準では、判定項目として、実施の有無、肌への影響、体への影響、心への影響という四項目が使用され、実施率が所定実施率を超え、肌に良い影響があり、且つ、体と心に悪い影響がない施策については、A評価となって継続と判断される。なお、図15Aでは、実施率が所定の実施率を超えた施策を「実施」として表記し、実施率が所定の実施率以下であった施策を「不実施」として表記している。図12及び図15Bでも同様である。
施策の影響のタイミングと影響が継続する期間が施策ごとに定められている場合、施策
情報送信部13は、施策の影響のタイミングと施策の影響が継続する期間に基づいて、各施策の影響を判定してもよい。
例えば、「湯船につかる」という施策の肌への影響、体への影響、心への影響は、翌日に影響が出、1日だけ継続すると定められていた場合、施策情報送信部13は、例えば12月15日の「湯船につかる」という施策の影響は、12月16日の各状態に反映されていると判断する。
また、「野菜摂取」という施策の肌への影響、体への影響、心への影響は、1週間後に影響が出、3日だけ継続すると定められていた場合、施策情報送信部13は、例えば12月15日の「野菜摂取」という施策の影響は、12月22日~12月24日の各状態に反映されていると判断する。
それに対して、実施され、肌に良い影響があるが、体と心のいずれかに悪い影響がある施策については、B評価となって中止或は別施策への変更と判断される。また、実施率が所定の実施率以下となった施策はユーザUaにとって負荷が大きかったと考えられるため、C評価となって中止或は別施策(例えば、ユーザUaの負荷が軽減する施策又は別の施策)への変更と判断される。
施策情報送信部13は、各施策を1日だけ実施することで肌、体、心への良いまたは悪い影響があるかの評価を行ってもよいし、数日や数週間などの一定期間において各施策を実施することで、肌、体、心への良いまたは悪い影響があるかの評価を行ってもよい。一定期間で評価を行う場合、施策情報送信部13は、例えば、一定割合でいずれかの状態に悪影響が出た場合にB評価とし、実施割合が一定以下である場合にC評価とし、それ以外の場合A評価としてもよい。これに代えて、施策情報送信部13は、例えば、一定期間におけるいずれかの状態の満足度の平均値が所定以下となった場合にB評価としてもよい。また、1日におけるいずれかの状態の満足度が所定以下となり、かつ、一定期間におけるいずれかの状態の満足度の平均値が所定以下となった場合にC評価とし、1日の評価におけるいずれかの状態の満足度が所定以下となり、または、一定期間におけるいずれかの状態の満足度の平均値が所定以下となった場合にB評価とし、1日におけるいずれかの状態の満足度が所定値を超え、かつ、一定期間におけるいずれかの状態の満足度の平均値が所定値を超えた場合にA評価とするなど、1日の評価と一定期間の評価とを組み合わせて用いてもよい。
また、施策情報送信部13は、図8に示した肌状態のスコアの向上度が所定の向上度以下である場合に、当該肌状態のスコアの向上度が所定の向上度以下である施策を施策グループから除外してもよい。施策情報送信部13は、体状態又は心状態のスコアの向上度が所定の向上度以下である場合に、体状態又は心状態のスコアの向上度が所定の向上度以下である施策を施策グループから除外してもよい。
図15Bは、図15Aに示した評価基準を、本実施形態における施策(湯船につかる、野菜摂取、1万歩以上歩く)に適用した例を示している。図15Bにより、施策情報送信部13は、「湯船につかる」についてはA評価として、次のスケジュールでの継続を決定し、「野菜摂取」についてはB評価として、施策グループからの除外、次のスケジュールでの中止或は他の施策への変更を決定し、「1万歩以上歩く」についてはC評価として、施策グループからの除外、次のスケジュールでの中止或は他の施策への変更を決定している。
施策情報送信部13は、複数の施策が行われた影響については、それらの施策の組合せごとに判断する。例えば、施策情報送信部13は、「湯船につかる」「野菜摂取」の組合せが、B評価又はC評価であった場合、「湯船につかる」若しくは「野菜摂取」の単独の施策のみとするか、又はこれらのいずれかの施策と別な施策との組み合わせとするように変更してもよい。
施策情報送信部13はこのような評価処理を行って、スケジュール修正(主として施策グループの他の施策への変更による修正)の要否を判断し、スケジュール修正が必要と判断したときには、STEP30に処理を進めてスケジュールを修正する。そして、修正したスケジュールのデータであるスケジュール修正データをユーザ端末30送信して、ST
EP19に処理を進める。一方、スケジュールの修正が不要であると判断したときには、施策情報送信部13は、図5のSTEP18から図5のSTEP19に処理を進め、この場合はスケジュールは修正されない。
次に、施策情報送信部13は、STEP19で、初期ユーザ情報データ、現状ユーザ情報データ、及び施策外行動実施データ等に基づいて、ユーザUaが行った各施策外行動(スケジュールに組み込まれている施策以外に、ユーザが行った行動)を評価する。
施策情報送信部13は、図16Aに示した施策外行動の評価基準を用いて、施策外行動の推奨の有無又は禁止の提案を判断する。図16Aの評価基準では、判定項目として、肌、体、心の各状態への影響が使用される。
そして、「肌、体、心のいずれかに良い影響があり、且ついずれについても悪い影響が無い」場合は、D評価となって実施が推奨される。それに対して、「肌、体、心のいずれかに悪い影響がある」場合は、E評価となって禁止が提案される。また、「肌、体、心のいずれにも影響が無い」場合には、F評価となって実施が推奨されない。
図16Bは、図16Aに示した評価基準を、本実施形態における施策外行動(マッサージを受けた、チョコレートを大量に摂取した)に適用した例を示している。図16Bにより、施策情報送信部13は、「マッサージを受ける」についてはD評価として、次のスケジュールでの実施の推奨を決定している。また、「チョコレートの大量摂取」についてはE評価として、次のスケジュールでの止めるための施策(例えば、和菓子を摂取する代替案)の提案を決定している。
施策情報送信部13は、スケジュールに組み込まれた施策の中止或は変更、又は施策外行動について、実施の推奨或は禁止の提案を決定したときには、STEP20からSTEP31に処理を進める。そして、推奨を決定したときはSTEP31からSTEP33に処理を進め、施策外行動の実施を推奨する施策外行動推奨データをユーザ端末30に送信して、図4のSTEP13に処理を進める。
一方、施策情報送信部13は、禁止の提案を決定したときには、STEP31からSTEP32に処理を進め、施策外行動の禁止を提案する施策外行動禁止データをユーザ端末30に送信して、図4のSTEP13に処理を進める。
また、施策情報送信部13は、推奨又は禁止を提案する施策外行動がない場合には、STEP20から図4のSTEP13に処理を進める。なお、禁止を提案する施策外行動に代替行動がある場合には、禁止の提案に代えて代替行動への変更を提案する施策外行動禁止データをユーザ端末30に送信するようにしてもよい。
ユーザ端末30において、肌サポートアプリ35aは、図7のSTEP57で、肌状態サポートサーバ10からスケジュール修正データを受信すると、STEP65に処理を進め、スケジュール修正データに基づいてスケジュールを修正する。そして、肌サポートアプリ35aは、メモリ36に保持されたスケジュールデータを更新して、処理をSTEP58に進める。
また、肌サポートアプリ35aは、図7のSTEP58で、肌状態サポートサーバ10から施策外行動推奨データ又は施策外行動禁止データを受信すると、STEP66に処理を進め、受信したデータに応じて、施策外行動を推奨又は禁止の提案を報知する画面をユーザ端末30の表示器31に表示する。なお、この報知は、例えば図12に示した進捗表に報知メッセージを表示して行ってもよい。また、推奨する施策外行動を、新たな施策としてスケジュールを修正してもよい。
[H.ゴール判定工程]
図3に示した「5.ゴール判定」の工程は、ユーザUaが肌サポートアプリ35a上で設定した期間ごとに(図11BにおいてはSTARTから3か月後)、肌状態認識部11、施策グループ選択部12及び施策情報送信部13により実行される。
肌サポートアプリ35aは、角質採取テープ37の使用と、角質採取テープ37の郵送を促すメッセージをユーザ端末30の表示器31に表示する。
肌状態認識部11は、郵送された角質採取テープ37から得られた情報に基づいて、肌状態の客観値(保水能力、皮脂適格性など)を認識する。
また、肌サポートアプリ35aは、アンケートの回答、肌等の撮像の使用を促すメッセージをユーザ端末30の表示器31に表示し、得られた情報を送信する。
肌状態認識部11は、肌サポートアプリ35aから得られた情報に基づいて、肌の乾燥感の主観値(主観スコア)と、肌状態の客観値(肌の画像スコア)を認識する。
施策グループ選択部12及び施策情報送信部13は、肌の乾燥感の主観値と、肌状態の客観値とに基づいて、肌状態のサポート開始時と3カ月後における評価値を比較して、ゴール達成度を判定する。
図17の例では、乾燥感の主観値のスコアが3カ月で3から5に増加しているので達成(○)と判定し、客観値についても、肌の画像スコアが3カ月で3から4に増大し、保水能力が2に維持され、皮脂適格性が1から2に増大しているので達成(○)と判定されている。そして、主観値と客観値が共にゴールを達成しているので、トータルとしてもゴールを達成したと判定している。
肌状態認識部11及び施策グループ選択部12は、ゴールを達成した場合には新たなゴールを設定するため、図3に示した「1.ゴール設定」の工程を再度実行する。肌状態認識部11及び施策グループ選択部12は、ゴール未達の場合は、「2.スケジュール決定」工程を実施してもよいし、ユーザの希望または進捗に応じて「1.ゴール設定」の工程を再度実行してもよい。
[I.2次データ生成]
図3に示した「6.2次データ生成」の工程は、2次データ生成部19により実行される。2次データ生成部19は、複数のユーザUから送信される初期ユーザ情報データ、角層細胞解析データ、現状ユーザ情報データ、実行状況データ、施策外行動実施データ等の各種データ(以下、ユーザ個別データという)を、ユーザごとにサポートDB20に順次蓄積する。
そして、2次データ生成部19は、サポートDB20に蓄積されたユーザ個別データを分析して、例えば図18に示したように、各ユーザの特性(性別、年齢、居住地、嗜好、ライフスタイル等)、サポートの改善対象(乾燥感、ごわつき、敏感、ニキビ、しぼみ感等)、スケジュールにより提案された施策(湯船につかる、野菜摂取、1万歩以上歩く等)、及び施策の実施による肌、体、心の各状態の変化等を関連付けた2次データを生成する。
また、2次データ生成部19は、施策外行動についても図18と同様に、各ユーザの特性と施策外行動の実施による肌、体、心の各状態の影響とを関連付けた2次データを生成する。
このようにして生成された2次データは、同様の特性を有するユーザについて、体及び心に良い影響を与えつつ肌状態の改善を図るために有効な施策を選択する際に、有効に活用することができる。例えば、上述した図3の「2.スケジュール決定」の工程において、施策グループ選択部12は、2次データを参照して、ユーザUaの特性に適合した施策を選択することができる。
また、上述した図3の「4.スケジュール修正」の工程において、施策情報送信部13は、ユーザUaの肌、体、心の各状態の推移に応じてスケジュールを変更する際に、2次データを参照して、より有効な施策或は施策外行動を組み込んだスケジュールに変更することができる。
さらに、2次データは、肌状態のサポートを行う上で有効に利用できると共に、ある特性を有するユーザ(例えば、東京に住む30代のアウトドア志向の女性等)をターゲットとしたマーケティング等の目的にも利用することができる。そのため、2次データを図1に示した他のシステム60等に提供してもよい。
[J.目標スコアの設定処理]
図19~図21を参照して、図4のSTEP11の一連の処理の中で実行される目標スコアの設定処理を説明する。目標スコアの設定処理は、指定負担基準認識部14により実行される処理である。なお、目標スコアの設定処理は、図3の「1.ゴール設定」の際に実行されるに限られず、例えば、図3の「4.スケジュール修正」の際に実行されてもよいし、図3の「5.ゴール判定」の後の「1.ゴール設定」で実行されてもよい。
目標スコアの設定処理の説明の前に、図6のSTEP53で入力されるデータについて補足する。
図6のSTEP53の一連の処理の中で、肌サポートアプリ35aは、アンケートの一環として、図19に示される画面P1を表示器31に出力する。画面P1は、ユーザUaの主観的な感覚と客観データとのいずれを重要視して思考するかを推測するための基礎情報を入力させる画面である。
画面P1には、バーP11と、アイコンP12と、主観割合表示P13と、考え方についての質問のリストP14と、入力完了ボタンP15とが含まれている。
バーP11の両端には、「客観データ」「主観的感覚」との文字が表示されている。また、バーP11上にはアイコンP12が表示されている。アイコンP12は、ユーザUaの操作により、左右に移動可能となっている。
また、アイコンP12の情報には、主観割合表示P13が表示されている。主観割合表示P13は、主観的な感覚を重視する割合を0から100までの数字で表した表示であり、バーP11上のアイコンP12の位置が「主観的感覚」に近くなるほど大きくなり、バーP11上のアイコンP12の位置が「客観データ」に近くなるほど小さくなるように、主観割合表示P13の数字が変化する。
考え方についての質問のリストP14には、質問と、回答の入力欄とが含まれている。回答の入力欄には、「客観データ」よりも「主観的な感覚」を重視することを示す主観選択及び「主観的な感覚」よりも「客観データ」を重視することを示す客観選択のどちらかが入力される。例えば、「健康診断の値が悪くても実感が伴わなければ気にしない」という質問に対し、「はい」という回答は、「客観データ」よりも「主観的な感覚」を重視することを示す主観選択である。一方、「健康診断の値が悪くても実感が伴わなければ気にしない」という質問に対し、「いいえ」という答えは、「主観的な感覚」よりも「客観データ」を重視することを示す客観選択である。
肌サポートアプリ35aは、タッチパネル32を介して入力完了ボタンP15の押圧操作を検知すると、入力された情報をメモリ36に記憶するとともに、図20に示される画面P2を表示器31に出力する。
画面P2は、ユーザUaが許容する負担のレベルとユーザUaの肌状態の目標スコアと施策を実行する期間とを決定するための基礎情報を入力させるための画面である。
画面P2には、負担を縦軸とし、期間を横軸とする2次元座標系と、原点から第1象限に延びる三つの矢印R1~R3とが含まれている。
矢印R1は、負担が比較的大きいけれども、短期間でユーザUaの肌状態を比較的大きく向上させるコースを示している。
矢印R3は、負担が比較的少なく、長期間でユーザUaの肌状態を比較的小さく向上させるコースを示している。
矢印R2は、その負担が、矢印R1の負担よりも小さく、矢印R3の負担よりも大きく、その期間が、矢印R1の期間よりも長く、矢印R3の期間よりも短く、ユーザUaの肌状態の向上度が矢印R1よりも小さく矢印R3よりも大きいコースを示している。
肌サポートアプリ35aは、矢印R1~R3のいずれかの押圧操作をタッチパネル32を介して検知すると、選択された矢印に対応するユーザUaが許容する負担のレベルと施策を実行する期間とを認識し、メモリ36に記憶する。
肌サポートアプリ35aは、メモリ36に記憶された情報を、STEP60の一連の処理の中で肌状態サポートサーバ10に送信する。
肌状態サポートサーバ10は、これらの情報を受信した状態で、図21の処理を実行する。
図21のSTEP71において、指定負担基準認識部14は、図19のバーP11、アイコンP12及び主観割合表示P13に対して入力された、ユーザUaが指定した主観的感覚を重視する割合を示す数値を認識する。例えば、図19では、主観的感覚を重視する割合としての50(%)を認識する。
図21のSTEP72において、指定負担基準認識部14は、図19の質問のリストP14に入力された主観選択の個数と客観選択の個数とを認識する。例えば、図19の質問率では、いずれも「はい」が客観データよりも主観的感覚を重視する主観選択であり、「いいえ」が「主観的な感覚」よりも「客観データ」を重視することを示す客観選択である。図19では、「はい」が4個で、「いいえ」が1個であるので、指定負担基準認識部14は、主観選択が4個であり、客観選択が1個であると認識する。
図21のSTEP73において、指定負担基準認識部14は、主観的な感覚を重視する割合、主観選択及び客観選択の個数に基づいてユーザの主観的な感覚を重視する割合を認識する。
例えば、指定負担基準認識部14は、図21のSTEP71で認識された主観的な感覚を重視する割合から、ユーザは、主観も客観もどちらも同じように重視していると認識してもよい。
また、指定負担基準認識部14は、図21のSTEP72で認識された主観選択及び客観選択の個数から、主観選択の個数と客観選択の個数との比を算出し、ユーザの主観的な感覚を重視する割合を認識してもよい。例えば、指定負担基準認識部14は、主観選択が4個であり、客観選択が1個であれば、ユーザUaが主観的な感覚を客観データよりも4倍重視している(主観的な感覚を重視する割合が80%である)と認識してもよい。
また、指定負担基準認識部14は、これらの平均から、ユーザの主観的な感覚を重視する割合を認識してもよい。例えば、指定負担基準認識部14は、図21のSTEP71で認識された主観的な感覚を重視する割合が50%であり、図21のSTEP72で認識された主観選択及び客観選択の個数から、主観的な感覚を重視する割合が80%であると認識した場合、これらの平均値の65%をユーザUaが主観的な感覚を重視する割合であると認識してもよい
図21のSTEP74において、指定負担基準認識部14は、サポートDB20にユーザの主観的な感覚を重視する割合を記憶する。
図21のSTEP75において、指定負担基準認識部14は、ユーザUaが許容する負担のレベルとユーザUaの肌状態の目標スコアと施策を実行する期間を認識し、サポートDB20に記憶する。このうち、ユーザUaの肌状態の目標スコアについては、指定負担基準認識部14は、ユーザUaが許容する負担のレベルと、各施策の効果と、ユーザの主観的な感覚を重視する割合に基づいて、ユーザUaの肌状態の主観的な目標スコアと、客観的な目標スコアとを決定する。指定負担基準認識部14は、ユーザUaの肌状態の主観的な目標スコアと、客観的な目標スコアとの合計値を、ユーザUaの肌状態の目標スコアとして認識する。
[K.第1実施形態の施策の決定処理]
図22~図24を参照して、図4のSTEP12の一連の処理の中で行われる施策の決定処理について説明する。施策の決定処理は、施策抽出部15が実行する処理である。
図22のSTEP81において、施策抽出部15は、施策グループに含まれる施策の中から、一の施策を認識する。これに代えて、施策抽出部15は、全ての施策のうちから一の施策を認識してもよいし、全ての施策又は施策グループに含まれる施策のうち、ユーザによって入力された情報に合致する一の施策を認識してもよい。
例えば、図23に示される施策が施策グループに含まれる施策であるとすると、施策抽出部15は、ID「S1」の「抗酸化作用果物を食べる」を認識する。図23に示されるデータは、サポートDB20に記憶されているデータである。図23に示されるデータが、本発明の「施策情報」に相当する。
図22のSTEP82において、施策抽出部15は、当該一の施策の負担を評価する。例えば、図23に示されるように、各施策に対し、負担が「時間的負担」「金銭的負担」「心理的負担」「客観的難易度」に分けてスコアリングされている。施策抽出部15は、これらの各スコアの合算値を一の施策の負担として認識する。例えば、施策抽出部15は、ID「S1」の「抗酸化作用果物を食べる」の負担を5と認識する。ユーザUaが入力したアンケート又はユーザUaの属性により各スコアの係数が定められている場合、施策抽出部15は、各スコアと各係数とをかけ合わせ、その後に夫々を合算した値を一の施策の負担として認識してもよい。
なお、「時間的負担」とは、一の施策を実行するのにかかる時間の長短を示す。「金銭的負担」とは、一の施策を実行するのにかかる金銭の大小を示す。「心理的負担」は、ユーザUaがその施策を実行するに当たって感じる心理的抵抗の大小を示す。「客観的難易度」は、その施策の技術的な難度を示す。「時間的負担」「金銭的負担」「客観的難易度」「心理的負担」はあらかじめ定められた値であってもよいし、ユーザUa、Ub、Ucを含む多数のユーザからのアンケートによって定められてもよいし、ユーザUaにより入力されたアンケートに基づいて定められてもよいし、又はユーザUaの過去の行動の履歴に基づいて定められてもよい。いずれの数値も、数値が大きいほど負担が重いことを示し、数値が小さいほど負担が軽いことを意味する。
図22のSTEP83において、施策抽出部15は、サポートDB20に記憶されたユーザUaの主観的な感覚を重視する割合に基づいて、ユーザUaの主観的な感覚を重視する割合を認識する。これに代えてまたは加えて、施策抽出部15は、ユーザUaの年齢、設別等の属性からユーザUaの主観的な感覚を重視する割合を認識してもよい。ユーザUaの主観的な感覚を重視する割合が本発明の「前記ユーザの属性からまたは嗜好から定まる割合」に相当する。
図22のSTEP84において、施策抽出部15は、当該一の施策の効果の高さを認識する。
ユーザUaの主観的な感覚を重視する割合が50%である場合、施策抽出部15は、図23に示される当該一の施策の客観的効果の数値の50%と、主観的効果の数値の50%とを合算した値を当該一の施策の効果として認識する。以下の説明においては、ユーザUaの主観的な感覚を重視する割合が50%であるとして説明する。
ユーザUaの主観的な感覚を重視する割合が80%である場合、施策抽出部15は、図23に示される当該一の施策の客観的効果の数値の20%と、主観的効果の数値の80%とを合算した値を当該一の施策の効果として認識する。
なお、図23の客観的効果と主観的効果とは、例えば、同一の施策を実施した他のユーザUb、Ucに対する客観的効果と主観的効果とであってもよい。
施策の効果とは、施策の実行がどの程度だけ肌状態の向上に資するかを示す数値を意味する。施策の効果の数値が大きいほど、施策の実行が肌状態の向上に資する程度が大きくなり、施策の効果の数値が小さいほど、施策の実行が肌状態の向上に資する程度が小さくなる。たとえば、施策の客観的効果の数値が大きいほど、施策の実行が肌状態の客観的スコアが上昇しやすくなり、施策の主観的効果の数値が大きいほど、施策の実行が肌状態の主観的スコアが上昇しやすくなる。
たとえば、施策の効果(客観的効果及び主観的効果)は、施策の実行前の肌状態のスコア(客観スコア及び主観スコア)と、施策の実行後の肌状態のスコア(客観スコア及び主観スコア)との差分の平均値、最小値、最大値、最頻値、最新の値または中央値等で表されてもよい。
この場合、施策の効果は、必ずしも正になるとは限られず、ゼロまたは負になることもある。この場合において施策の効果が負とは、施策の実行により、肌状態がむしろ悪化することを意味する。
また、施策の効果(客観的効果及び主観的効果)は、施策の実行後の肌状態のスコア(客観スコア及び主観スコア)の平均値、最小値、最大値、最頻値、最新の値または中央値等で表されてもよい。
この場合、(施策の実行前の肌状態のスコア及び)施策の実行後の肌状態のスコアは、ユーザUaの過去の肌状態のスコアであることが好ましいが、これに代えて又は加えて他のユーザUb、Uc等の過去の肌状態のスコアであってもよいし、システム設計者によりあらかじめ定められた値であってもよいし、所定の計算式を用いて導かれた値であってもよい。
図22のSTEP85において、施策抽出部15は、当該一の施策の負担の合計値及び効果の高さから当該一の施策を分類する。なお、施策抽出部15は、施策の効果が所定値以下である(たとえばゼロまたは負)施策など、施策を実行することにより、ユーザUaの肌状態がほとんど良化しないまたは悪化すると見込まれる施策を除外してもよい。
ただし、施策の効果はユーザUaの年齢、季節、環境等によっても変わる可能性がある。すなわち、施策の実行により、以前ユーザUaの肌状態がたまたま悪化したとしても、次回以降はユーザUaの肌状態が改善することもあるので、すべての施策を推薦対象としてもよい。
例えば、施策抽出部15は、図24に示されるように、施策の効果を縦軸とし、施策の負担を横軸とする2次元座標系上において、当該2次元座標系上を複数の領域Z1~Z9に分割し、当該一の施策がいずれの領域に含まれるかで、当該一の施策を分類する。
図24では、各施策は以下のとおりに分類される。なお、以下では、X1=6.5、X2=8.5、Y1=5.5、Y2=2.5としている。
Z1:負担がX1未満、かつ、効果がY1以上の領域
Z2:負担がX1以上X2未満、かつ、効果がY1以上の領域
Z3:負担がX2以上、かつ、効果がY1以上の領域
Z4:負担がX1未満、かつ、効果がY2以上Y1未満の領域
Z5:負担がX1以上X2未満、かつ、効果がY2以上Y1未満の領域
Z6:負担がX2以上、かつ、効果がY2以上Y1未満の領域
Z7:負担がX1未満、かつ、効果がY2未満の領域
Z8:負担がX1以上X2未満、かつ、効果がY2未満の領域
Z9:負担がX2以上、かつ、効果がY2未満の領域。
例えば、施策抽出部15は、「ユーザUaの主観的な感覚を重視する割合が50%」から、ID「S1」の「抗酸化作用果物を食べる」の効果を6×50%+2×50%=4と認識する。ID「S1」の「抗酸化作用果物を食べる」の負担は、前述した通り5である。
従って、施策抽出部15は、ID「S1」の「抗酸化作用果物を食べる」を、「負担がX1未満、かつ、効果がY2以上Y1未満の領域Z4」に分類する。
図22のSTEP86において、施策抽出部15は、施策グループに含まれる全ての施策に対してSTEP81~STEP85の処理を実行したか否かを判定する。
当該判定結果が否定的である場合(図22のSTEP86でNO)、施策抽出部15は、図22のSTEP81に戻り、未処理の施策に対してSTEP81~STEP85の処理を実行する。
当該判定結果が肯定的である場合(図22のSTEP86でYES)、STEP87において、施策抽出部15は、サポートDBに記憶された負担レベルを認識する。
図22のSTEP88において、施策抽出部15は、負担レベルと分類と効果とに基づいて各施策に優先度を付与する。
例えば、負担レベルが、図20の矢印R1に対応する負担レベル(大)である場合、施策抽出部15は、負担が小さい施策よりも効果が高い施策が優先されるように、各施策に優先度を付与する。また、負担レベルが、図20の矢印R2に対応する負担レベル(中)である場合、施策抽出部15は、負担が過剰に大きくならない範囲で効果の高い施策が優先されるように各施策に優先度を付与する。負担レベルが、図20の矢印R3に対応する負担レベル(小)である場合、施策抽出部15は、負担が小さい施策が優先されるように各施策に優先度を付与する。矢印R1~R3に対応する負担レベルは、前記施策の負担値の合計又は平均の上限値を示すものであってもよい。
矢印R1~R3に対応する負担レベルは、サポートDB20に記憶されている。矢印R1~R3に対応する負担レベルが、本発明の「負担基準」に相当し、ユーザUaにより指定された矢印R1~R3に対応する負担レベルが、本発明の「指定負担基準」に相当する。
さらに具体的には、施策抽出部15は、図20の矢印R1に対応する負担レベル(大)である場合、領域Z1に含まれる施策→領域Z2に含まれる施策→領域Z3に含まれる施策→領域Z4に含まれる施策→領域Z5に含まれる施策→領域Z6に含まれる施策→領域Z7に含まれる施策→領域Z8に含まれる施策→領域Z9に含まれる施策の順で優先度を付与する。施策抽出部15は、一の領域に複数の施策が含まれる場合、効果が大きい順、効果が同一である場合、負担が小さい順で、優先度を付与する。
また、施策抽出部15は、図20の矢印R2に対応する負担レベル(中)である場合、領域Z1に含まれる施策→領域Z2に含まれる施策→領域Z4に含まれる施策→領域Z5に含まれる施策→領域Z7に含まれる施策→領域Z8→領域Z3に含まれる施策→領域Z6に含まれる施策→領域Z9に含まれる施策に含まれる施策の順で優先度を付与する。施策抽出部15は、一の領域に複数の施策が含まれる場合、効果が大きい順、効果が同一である場合、負担が小さい順で、優先度を付与する。
また、施策抽出部15は、図20の矢印R3に対応する負担レベル(小)である場合、領域Z1に含まれる施策→領域Z4に含まれる施策→領域Z7に含まれる施策→領域Z2に含まれる施策→領域Z5に含まれる施策→領域Z7に含まれる施策→領域Z3に含まれる施策→領域Z6に含まれる施策→領域Z9に含まれる施策の順で優先度を付与する。施策抽出部15は、一の領域に複数の施策が含まれる場合、効果が大きい順、効果が同一である場合、負担が小さい順で、優先度を付与する。
これに代えて、施策抽出部15は、図20の矢印R1に対応する負担レベル(大)である場合、効果の高い順に施策を選択してもよい。また、図20の矢印R3に対応する負担レベル(小)である場合、負担が小さい順に施策を選択してもよい。
図22のSTEP89において、施策抽出部15は、優先度に基づいて推薦する施策を選択する。例えば、施策抽出部15は、4つの施策を選ぶ場合、かつ、図20の矢印R1に対応する負担レベル(大)である場合、S6,S8、S1、S2の施策を選択する。また、施策抽出部15は、4つの施策を選ぶ場合、かつ、図20の矢印R2に対応する負担レベル(中)である場合、S6、S1、S2、S4の施策を選択する。また、施策抽出部15は、4つの施策を選ぶ場合、かつ、図20の矢印R3に対応する負担レベル(小)である場合、S6、S1、S2、S3の施策を選択する。
施策抽出部15は、4つの施策を選ぶのに限らず、通信を介してユーザ端末30より受信したユーザにより指定された数となるまで施策を選択してもよいし、あらかじめ定められた数となるまで施策を選択してもよいし、矢印R1~R3に紐づけられた数となるまで施策を選択してもよいし、負担の合計が所定値を超えない範囲で施策を選択してもよい。また、施策抽出部15は、時間的負担、金銭的負担、心理的負担、客観的難易度の選択された施策すべての合計が所定値を超えない範囲で施策を選択してもよい。
施策抽出部15は、選択した施策をサポートDB20に記憶する。
[K.第2実施形態の施策の決定処理]
図25~図27を参照して、第2実施形態の施策の決定処理について説明する。
本実施形態では、図26に示されるように、施策が「抗酸化作用果物を食べる」「走る」等の施策の種別と、「1種類の果物(を食べる)」「週1度1km(走る)」等の施策の実行の度合いとに分類されている場合の処理について説明する。
図25のSTEP91~STEP98は、図22のSTEP81~STEP88と同様の処理である。そのためSTEP91~STEP98の説明を割愛する。これらの処理の結果、図27に示されるように、施策ID「I-1」~「I-3」「J-1」~「J-3」が領域Z1~Z9に分類される。優先度の付与は、第1実施形態と同様に付与される。
図25のSTEP99において、施策抽出部15は、施策種別ごとに一つまで推薦する施策を選択し、サポートDB20に記憶する。
例えば、施策抽出部15は、2つの施策を選ぶ場合、かつ、図20の矢印R1に対応する負担レベル(大)である場合、I-2,J-3の施策を選択する。また、施策抽出部15は、2つの施策を選ぶ場合、かつ、図20の矢印R2に対応する負担レベル(中)である場合、I-2、J-2の施策を選択する。また、施策抽出部15は、4つの施策を選ぶ場合、かつ、図20の矢印R3に対応する負担レベル(小)である場合、I-2、J-2の施策を選択する。
[L.第3実施形態の施策の決定処理]
図28~図29を参照して、第3実施形態の施策の決定処理を説明する。
第3実施形態の施策の決定処理は、負担の小さい順、負担が同じ場合には効果の大きい順に所定数までの施策を選択する処理である。説明を簡易にするため、図29では、負担としての心理的負担のみ記載しているが、合計値等により負担の大小が決定できるのであれば、複数の種類の負担で表されていてもよい。
図28のSTEP101において、施策抽出部15は、負担検索値を認識する。具体的には、施策抽出部15は、心理的負担の最小値「1」を負担検索値として認識する。
図28のSTEP102において、施策抽出部15は、負担検索値と同一の負担の各施策と各効果とを認識する。図29を例として説明すると、施策抽出部15は、負担検索値「1」と同一の負担の施策であるID「S9」~「S12」とその効果とを認識する。例えば、ユーザUaの主観的な感覚を重視する割合が50%である場合、施策抽出部15は、ID「S9」と、その効果6×50%+2×50%=「4」を認識する。以下、認識された施策群を施策候補群という。
図28のSTEP103において、施策抽出部15は、施策候補群に含まれる施策の効果のうち最大の効果を効果検索値として認識する。図29を例として説明すると、施策抽出部15は、効果の最大値「4」を効果検索値として認識する。
図28のSTEP104において、施策抽出部15は、効果検索値と同一の効果の施策を施策候補として認識する。図29を例として説明すると、施策抽出部15は、効果検索値「4」と同一の効果のID「S9」「S12」の施策を施策候補として認識する。
図28のSTEP106において、施策抽出部15は、施策候補の総数が、負担レベルに応じた施策の数の上限値以上かどうかを判定する。
施策抽出部15は、図20の矢印R1に対応する負担レベル(大)である場合、比較的大きい値(例えば5個)を施策の数の上限値として認識する。施策抽出部15は、図20の矢印R3に対応する負担レベル(小)である場合、比較的小さい値(例えば1個)を施策の数の上限値として認識する。施策抽出部15は、図20の矢印R2に対応する負担レベル(中)である場合、矢印R1の施策の数の上限値よりも小さく、矢印R3の施策の数の上限値よりも大きい値(例えば3個)を施策の数の上限値として認識する。
施策抽出部15は、施策候補の総数が、上記のようにして認識した施策の数の上限値以上か否かを判定する。
当該判定結果が肯定的である場合(図28のSTEP106でYES)、施策抽出部15は、図28のSTEP107に進み、認識された施策候補をサポートDB20に記憶する。施策候補の総数が施策の数の上限値を超えている場合には、施策抽出部15は、ユーザUaの嗜好又はユーザUaの属性等に基づいて施策の数が上限値以内になるように絞ってもよいし、後にユーザ端末30で施策候補の総数が施策の数の上限値を超えている旨を表示し、ユーザUaに施策の選択を求めてもよい。
当該判定結果が否定的である場合(図28のSTEP106でNO)、施策抽出部15は、図28のSTEP108に進み、施策候補群にSTEP104で未認識の施策があるか否かを判定する。
当該判定結果が肯定的である場合(図28のSTEP108でYES)、施策抽出部15は、図28のSTEP109に進み、効果検索値を1減少させたあと、図28のSTEP104に進む。
当該判定結果が否定的である場合(図28のSTEP108でNO)、施策抽出部15は、図28のSTEP110に進み、負担検索値を1増加させたあと、図28のSTEP102に進む。
[M.第4実施形態の施策の決定処理]
図30~図31を参照して、第4実施形態の施策の決定処理を説明する。
本実施形態では、図31に示されるように、施策が「抗酸化作用果物を食べる」「走る」等の施策の種別と、「1種類の果物(を食べる)」「週1度1km(走る)」等の施策の実行の度合いとに分類されている場合の処理について説明する。
図30のSTEP111~STEP114は、それぞれ、図28のSTEP101~STEP104の夫々の処理と同様の処理である。そのためSTEP111~STEP114の説明を割愛する。
図30のSTEP115において、施策抽出部15は、図30のSTEP114で認識された施策候補と同一の種別の施策を除外する。ここで、「施策を除外する」とは、以後の施策の決定処理のSTEP114において、その施策を施策候補として認識しないことを意味する。
例えば、図31において施策ID「K-3」が認識された場合には、同一種別の施策ID「K-1」「K-2」が除外される。この結果、同一種別の中で負担が少なく、効果が高い施策が1つだけ選択されるので、同一種別の施策が複数施策候補として選択されることが回避される。
図30のSTEP115~STEP120は、それぞれ、図28のSTEP105~STEP110の夫々の処理と同様の処理である。そのためSTEP115~STEP120の説明を割愛する。
[N.スコア表示処理]
図32~図33を参照して、図7のSTEP64のスコア表示処理の詳細を説明する。スコア表示処理は、肌サポートアプリ35aにより実行される。
図32のSTEP121で、肌サポートアプリ35aは、通信を介して認識した、肌状態サポートサーバ10のサポートDB20に蓄積されたユーザUaの初期ユーザ情報データ、現状ユーザ情報データに基づいて、所定の期間のユーザUaの肌状態の客観スコアを認識し、メモリ36に記憶する。ここで、「所定の期間」とは、肌状態と施策の実行の度合いとの関係が示される程度の期間であることが好ましく、例えば実行時点から前の、1週間、10日間、1カ月間又は3カ月間である。
図32のSTEP122で、肌サポートアプリ35aは、ユーザUaの客観スコアの更新があるか否かを判定する。例えば、肌サポートアプリ35aは、本スコア表示処理の実行日に新たに認識されたユーザUaの客観スコアがあるか否かを判定する。客観スコアが、本発明の「第1肌スコア」に相当する。
当該判定結果が否定的である場合(図32のSTEP122でNO)、肌サポートアプリ35aは、図32のSTEP123aに進み、ユーザUaの前回の客観スコアに基づいて、前回の客観スコアの認識時点から現時点までのユーザUaの客観スコアを推定し、メモリ36に記憶する。
図33Aは、前回の客観スコアの認識時点から次回の客観スコアの認識時点以前である現時点d1までの客観スコアの推移である。例えば、肌サポートアプリ35aは、図33Aに一点鎖線で示されるように、前回の客観スコアの認識時点から現時点d1までのユーザUaの客観スコアが、ユーザUaの前回の客観スコアe1と同一であると仮定する。これは、特に客観スコアを認識する初回から2回目までの間は、ユーザの将来の客観スコアを推測することが困難だからである。3回目以降は前回までの客観度スコアの改善度に基づいて推測値を用いることも可能である。また、これに代えて、肌サポートアプリ35aは、ユーザUaの前回の客観スコアに加え、ユーザUaの前々回以前の客観スコアの時系列の遷移、季節、ユーザUaが実行している施策等に基づいて、前回の客観スコアの認識時点から現時点までのユーザUaの客観スコアを推定してもよい。なお、図33A及び図33Bのグラフは、いずれも肌スコアを縦軸とし、期間を横軸としたグラフである。
当該判定結果が肯定的である場合(図32のSTEP122でYES)、肌サポートアプリ35aは、図32のSTEP123bに進み、ユーザUaの前回の客観スコアとユーザUaの最新の客観スコアとに基づいて、前回の客観スコアの認識時点から現時点までのユーザUaの客観スコアを推定し、メモリ36に記憶する。
図33Bは、前回の客観スコアの認識時点から現時点である今回の客観スコアの認識時点d2までの客観スコアの推移である。例えば、肌サポートアプリ35aは、図33Bに一点鎖線で示されるように、前回の客観スコアの認識時点から現時点である今回の客観スコアの認識時点d2までのユーザUaの客観スコアが、線形で遷移したと推定する。線形の傾きについては、前回の客観スコア(e1)と今回の客観スコア(e2)から一次関数を算出してその傾きを使用したり、入力された主観スコアの値も考慮して近似直線を作成してその傾きを使用したり、といった方法が考えられる。
図32のSTEP123a又は図32のSTEP123bの後、肌サポートアプリ35aは、図32のSTEP124に進み、通信を介して認識した、肌状態サポートサーバ10のサポートDB20に蓄積されたユーザUaの初期ユーザ情報データ、現状ユーザ情報データに基づいて、所定の期間のユーザUaの主観スコアを認識し、メモリ36に記憶する。主観スコアが、本発明の「第2肌スコア」に相当する。
図32のSTEP125において、肌サポートアプリ35aは、客観スコア及び主観スコアに基づいて、肌状態のスコアを認識する。この処理に限られないが、肌サポートアプリ35aは、図22のSTEP84の効果の認識と同様に、ユーザの主観的な感覚を重視する割合に基づいて、肌状態のスコアを評価してもよい。
図32のSTEP126において、肌サポートアプリ35aは、通信を介して認識した、肌状態サポートサーバ10のサポートDB20に蓄積されたユーザUaの肌状態の目標スコアを認識し、メモリ36に記憶する。
図32のSTEP127において、肌サポートアプリ35aは、認識された肌状態のスコアの遷移を示すグラフと肌状態の目標スコアを示す表示G1、G2を表示器31に出力させる。図32のSTEP123aの推定処理がされた場合には、例えば、図33Aの実線のグラフが表示器31に出力される。図32のSTEP123bの推定処理がされた場合には、例えば、図33Bの実線のグラフが表示器31に出力される。なお、肌状態のスコアの遷移を示すグラフが、本発明の「肌状態の時系列の遷移を示す表示」に相当する。肌状態の目標スコアを示す表示G1、G2が、本発明の「肌状態の目標スコアを示す表示」に相当する。
(その他の実施形態)
本実施形態では、肌サポートアプリ35aが肌状態を「指定状態」として処理を行う例を説明したが、これに限られず、肌サポートアプリ35aが心状態又は体状態を「指定状態」として処理を行ってもよい。
肌状態サポートサーバ10の一部または全部の処理をユーザ端末30が実行してもよい。また、ユーザ端末30の出力、入力以外の一部または全部の処理を肌状態サポートサーバ10が実行してもよい。
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。