本発明の実施形態の一例について、図1~図27を参照して説明する。
[A.肌サポートサーバの利用形態]
図1を参照して、肌サポートサーバ10の構成および本発明を構成する系に対する位置付けを説明する。肌サポートサーバ10は、CPU、メモリ、各種インターフェース回路等を備えたコンピュータシステムにより構成される。肌サポートサーバ10は、メモリに保持された画像表示用のプログラムをCPUで実行することによって、複数のユーザU(図1ではUa,Ub,Ucを例示)の肌状態を改善又は維持するための処理(画像表示処理)を実行する機能を実現する。
肌サポートサーバ10は、インターネット等の通信ネットワーク1を介して、複数のユーザUの通信端末(ユーザ端末)30(図1では30a,30b,30cを例示)との間でデータ通信を行うことにより、ユーザUの肌状態の改善又は維持をサポートする。肌サポートサーバ10と、ユーザ端末30とにより構成されるシステムが、本発明の「情報出力システム」の一例に相当する。
通信ネットワーク1には、担当者T(図1ではTa,Tbを例示)の通信端末50(図1では50a,50bを例示)も接続されている。担当者Tは、通信端末50を介して、ユーザUの肌の特徴や趣味嗜好、生活スタイル等を考慮した適切な肌ケア法等の情報を含むデータを、肌サポートサーバ10及びユーザ端末30に送信することにより、ユーザUの肌状態の改善に対するアドバイスを行う。なお、担当者Tの通信端末50とユーザUのユーザ端末30とは必ずしも一対一である必要はなく、肌サポートサーバ10、担当者Tの通信端末50、通信ネットワーク1を合わせた系全体によってユーザUの肌状態の改善に対するアドバイスがユーザUのユーザ端末30に提供されればよい。例えば、ユーザUの1又は複数のユーザ端末30に対して、複数の担当者Tによってそれぞれの通信端末50を介してアドバイスを提供する方法でも良い。
さらに、肌サポートサーバ10は、複数のユーザUのユーザ端末30から送信される各ユーザの固有データを解析して、汎用的に活用可能な2次データを生成する機能を有し、この2次データを通信ネットワーク1を介して他のシステム60に提供するサービスも行うことができる。
[B.肌サポートサーバ、及びユーザ端末の構成]
図2を参照して、肌サポートサーバ10およびユーザ端末30の構成について説明する。肌サポートサーバ10は、メモリに保持された情報出力プログラムをCPUで実行することにより、肌状態認識部11、施策グループ選択部12、施策情報送信部13、及び2次データ生成部19、レベル認識部21、施策認識部22、施策送信部23として機能する。これらの構成による処理については後述する。また、肌サポートサーバ10は、ユーザUの画像表示処理に使用する各種データを保持するサポートDB(データベース)20を備えている。このサポートDB20はたとえばRAM上に展開され、後述する主観および客観データの更新によって
書き換え可能である。
次に、本実施形態のユーザ端末30は、表示器31、タッチパネル32、カメラ33、マイク34、CPU35、及びメモリ36等を備えている。表示器31が、本発明の「出力部」に相当する。
なお、一の装置が情報を「認識する」とは、一の装置が他の装置から当該情報を受信すること、一の装置が当該一の装置に接続された記憶媒体に記憶された情報を読み取ること、一の装置が当該一の装置に接続されたセンサから出力された信号に基づいて情報を取得すること、一の装置が、受信した情報又は記憶媒体に記憶された情報又はセンサから取得した情報に基づいて、所定の演算処理(計算処理又は検索処理など)を実行することにより当該情報を導出すること、一の装置が他の装置による演算処理結果としての当該情報を当該他の装置から受信すること、一の装置が当該受信信号にしたがって内部記憶装置又は外部記憶装置から当該情報を読み取ること等、当該情報を取得するためのあらゆる演算処理が実行されることを意味する。
本実施形態においては、ユーザ端末30は例えばスマートフォンであるため、カメラ33やマイク34等を備えているが、ユーザ端末と有線無線にかかわらずやり取りできる構成であれば、外付けでの構成であったり、専門的な撮像装置を用いても良い。CPU35は、メモリ36に保持された画像表示用のアプリケーション35a(以下、肌サポートアプリ35aという)のプログラムを実行することにより、ユーザUが肌サポートアプリ35aを介して肌サポートサーバ10によるサポートを享受可能な状態とする。アプリケーション35aを実行したCPU35が本発明の「出力制御部」として機能する。
また、ユーザUは、肌の細胞を取得するための角質採取テープ37(図1では37a、37b、37cを例示)を別途有している。この角質採取テープ37は、予め担当者TによりユーザUに提供されたものであってもよいし、ユーザUが市販の角質採取テープ37を購入してもよい。
なお、以下の説明では、説明の便宜のため、肌状態の改善又は維持のサポート処理の対象のユーザをユーザUaと表し、「ユーザUa」と異なるユーザを「他のユーザUb、Uc」と表す。
[C.肌サポートサーバによる一連の処理]
次に、図3を参照して、肌サポートサーバによる一連の処理について説明する。肌サポートサーバ10は、「1.ゴール設定」、「2.スケジュール決定」、「3.モニタリング」、「4.スケジュール修正」、[5.ゴール判定]及び「6.2次データ生成」の各工程の処理を、図4,5に示したフローチャートに従って実行する。また、ユーザ端末30は、各工程における肌サポートサーバ10による処理に応じて、図6,7に示したフローチャートによる処理を実行する。以下では、各工程における肌サポートサーバ10及びユーザ端末30のCPU35の処理について、図4~7に示したフローチャート
を参照しつつ説明する。
ユーザUaは、図6のSTEP50で、肌サポートアプリ35aのプログラムをユーザ端末30にダウンロードして肌サポートアプリ35aを起動する。そして、ユーザUaは肌サポートアプリ35aへの登録申請を行う。
肌サポートサーバ10は、図4のSTEP10で、ユーザUaからの登録申請を受け付けたときに、「ユーザUaからの登録申請を受け付けた」と認識し、STEP11に処理を進める。そしてSTEP11以降の画像表示処理を開始する。
[D.ゴール設定工程]
図3に示した「1.ゴール設定」の工程は、肌状態認識部11及び施策グループ選択部12により実行される。施策グループ選択部12は、図4のSTEP11でユーザ端末30にユーザUaの現状の肌、体、心の各状態、及びユーザUaが要望する肌状態を把握するための情報入力を促す初期情報要求データを送信する。
この初期情報要求データを受信したユーザ端末30では、肌サポートアプリ35aが、図6のSTEP51で、ユーザUaに対して、現状の肌、体、心の各状態、及びユーザUaが要望する肌状態の入力を促す画面を表示器31に表示する。それに対してユーザ端末30は、ユーザUaが入力した情報を含む初期ユーザ情報データを、肌サポートサーバ10に送信する。
肌サポートアプリ35aは、図6のSTEP100で、負担レベル受付処理を実行する。負担レベル受付処理の詳細については後述する。
肌状態認識部11は、図4のSTEP11において、初期ユーザ情報データを受信して、初期ユーザ情報データから認識したユーザUaの肌、心、体の各状態と、ユーザUaが要望する肌状態とに基づいて、肌状態の目標スコア(ゴール)を設定する。
ここで、初期ユーザ情報データには、肌状態、体状態、及び心状態についての主観データ及び客観データが含まれている。詳細な定義は後述するが、主観データはユーザの主観によって判定される項目、客観データは検査結果や画像解析、事実情報に基づいたデータである。肌状態の主観データは、現状の肌状態に対するユーザUaの満足度を、例えば1
0段階で示したデータである。肌状態の客観データは、ユーザUaの肌画像データである。なお、肌状態の客観データには、初期ユーザ情報データに含まれる肌状態の客観データに加え、角質採取テープ37により採取されたユーザUaの角層細胞の解析データが含まれても良い。角層細胞の解析データは、具体的には例えば保水能力と皮脂適格性に関するデータである。この場合、角層細胞の解析を、例えばユーザ端末30に接続された測定機器45により行うことで、或は、角質採取テープ37の画像データをユーザ端末30から肌サポートサーバ10に送信し、肌サポートサーバ10側で角質採取テープ37の画像を分析して保水能力と皮脂適格性などを測定してもよい。
ユーザUaの満足度は肌サポートアプリ35aにおけるアンケート入力によって取得される。また、肌画像データは、ユーザ端末30のカメラ33又は接続端子40に接続された外部カメラによってユーザUaがユーザUaの顔を撮像することによって取得した画像データである。
また、肌サポートアプリ35aは、ユーザUaに対して、角質採取テープ37の使用方法を表示器31に表示し、角質採取テープ37の使用と別途の郵送とを促す。肌サポートアプリ35aは、ユーザUaに対して、角質採取テープ37の使用と肌画像の撮像を促し、撮像された画像が肌サポートサーバ10に送信されるようにしてもよい。
肌状態認識部11は、図8に示したように、肌状態の初期値を、主観のスコアをたとえば3、肌画像のスコアを3、保水能力のスコアを2、皮脂適格性のスコアを1に割り当てて、合計した値を肌状態のスコアとする。なお、スコアは正の整数ではなく、小数で表現されていてもよいし、負の数で表されてもよい。
角層細胞の解析による保水能力スコア及び皮脂適格性のスコアの認識を第1認識方法と呼ぶ。第1認識方法は、これに代えてまたは加えて、角層水分量計によりユーザの肌の水分量を計測する方法及び皮脂量計によりユーザの肌の皮脂量を計測する方法のうち少なくとも1つを含む。また、第1の認識方法によるユーザの肌の認識を定期的に行うため、肌状態認識部11は、定期的にユーザ端末30に角質採取テープ37等の使用を促すメッセージを送信したりすることにより、ユーザに行動を促す。このときの「定期的」というのは厳密に時間的に等間隔である必要はなく、肌状態に影響が出ない範囲で等間隔であれば良い。例えば、3ヶ月ごとに第1の認識方法を実施する場合において、1月1日に初回を実施した場合、ちょうど3か月後の4月1日のみならず、例えばその1週間前の3月24日前後にユーザ端末30にメッセージを送信してもよいし、例えばその1週間後の4月8日前後にユーザ端末30にメッセージを送信してもよい。また、長期的にサービスを提供するときなどは、例えば細かい改善を調べたい時は1ヶ月ごとに第1の認識方法を設定し、肌状態に対する季節変化の影響を調べるために3か月ごとに第1の認識方法を設定するなど、認識のタイミングは変更可能である。
アンケート入力による肌状態の主観データに基づいて主観スコアの認識及びユーザUaの肌画像データに基づく肌画像スコアの認識のそれぞれを第2認識方法と呼ぶ。第2認識方法は、アンケート入力による肌状態の主観データに基づいて主観スコアの認識及びユーザUaの肌画像データに基づく肌画像スコアの認識の一方によってユーザUaの肌状態を認識してもよいし、これらと異なる方法を含んでもよい。また、第2認識方法は、第1の認識方法よりも頻繁に行われる。これは角質採取テープ37の使用・郵送が手間的にも煩雑かつ値段的にも高価になってしまうためである。また、角質採取テープ37の使用が頻繁であると、ユーザUaの肌へ悪影響が及ぶおそれもある。
例えば3か月間ごとに第1の認識方法が実施され、第2の認識方法は毎日実施にされる。また、第1の認識方法の実施と第2の認識方法の実施のタイミングが重なる時は、できれば同じタイミングで実施されると精度の良いデータが取れるために好ましい。ただし第1の認識方法の実施時に第2の認識方法が実施されなくても本発明の実施は可能であるし、効果も得られる。
なお、主観スコアは、主観データに基づいて認識されたスコアであればよい。
体状態の主観データと客観データは、図9に示したように分けられている。詳細な定義は後述するが、肌の主観データおよび客観データと同様に、主観データはユーザUaの主観によって判定される項目、客観データは検査結果や画像解析、事実情報に基づいたデータである。体状態の主観データは、ユーザUaが肌サポートアプリ35aを通じてアンケートを入力することによって取得される。客観データは、ユーザUaがユーザ端末30のカメラ33を用いて撮像されたユーザUaの舌・唇の画像データ、ユーザ端末30の接続端子40に接続された測定機器45により測定されたユーザUaの血圧、不整脈、尿中成分、血中成分等の測定データと、肌サポートアプリ35aにおけるアンケート入力により取得された頭痛又は肩こり等の体調不良の回数、疲労度判定等のデータである。なお、将来の肌ケア以外のサービスへの展開に備えて、種々の病気の発生情報などについても初
期ユーザ情報データに含めてもよい。
心状態の主観データと客観データは、図10に示したように分けられている。、詳細な定義は後述するが、肌の主観データおよび客観データと同様に、主観データはユーザUaの主観によって判定される項目、客観データは検査結果や画像解析、事実情報に基づいたデータである。主観データは、肌サポートアプリ35aにおけるアンケート入力によって取得される。客観データは、肌サポートアプリ35aにおけるアンケート入力(一日の笑った頻度等)と、測定機器による測定(脈拍モニタリングからの心理状態推定等)とにより取得される。なお、将来の肌ケア以外のサービスの展開に備えて、種々の精神疾患の発生情報についても初期ユーザ情報データに含めてもよい。
肌状態認識部11は、認識したユーザUaの肌、体、心の状態の主観データ及び客観データを、サポートDB20に記憶する。
肌状態認識部11は、このようにして初期ユーザ情報データから認識したユーザUaの肌状態、体状態、及び心状態の主観データと客観データに基づいて、図8の右側の三角形で示したように、肌状態を1~9、体状態を1~6、心状態を1~6の各スコアで表した3軸の初期値を設定する。なお、肌状態のスコアと同様に、体状態又は心状態の主観データ及び客観データから体状態又は心状態の主観スコア及び客観スコアが算出され、それらに基づいて体状態のスコア及び心状態のスコアとして扱われてもよい。
さらに、施策グループ選択部12は、初期ユーザ情報データに含まれる「なりたい肌スコア」「施策のカテゴリ、希望、頻度」「アレルギー情報」及び「現在行っている施策」を取得する。「なりたい肌スコア」「施策のカテゴリ,希望,頻度」「アレルギー情報」及び「現在行っている施策」は、肌サポートアプリ35aにより、ユーザUaが入力したものである。
ここで、「なりたい肌スコア」において、「なりたい肌」とは、乾燥感改善、ごわつき改善、敏感肌改善、ニキビ改善、しぼみ感改善、シミ改善、シワ改善、たるみ改善、くすみ改善、くま改善、顔色改善、及びハリ改善の中から選択された肌状態の改善対象である。また、「スコア」とは、各対象の肌状態に対するユーザUaの満足度であって、肌サポートアプリにおいて1~10の10段階でユーザが選択したスコアである。
サポートDB20は、各改善対象に関連付けられた肌状態の主観状態の改善傾向及び客
観状態の改善傾向を記憶している。例えば、図11Cに示されるように、「乾燥感改善」には、肌状態の主観状態「乾燥感改善」と、肌状態の客観状態の基準「保水能力と皮脂適格性との差を最小化」とが関連付けられている。
例えば、「なりたい肌」が「乾燥感改善」であり、現状の肌状態の乾燥感の満足度のスコアが3であるときに、ユーザUaの選択に応じて、「乾燥感改善」と関連付けられたユーザUaの肌状態の主観状態「乾燥感改善」についての満足度5が主観的な目標スコアとして設定される。
また、施策グループ選択部12は、「乾燥感改善」に関連付けられた肌状態の客観的な改善対象を設定する。例えば、施策グループ選択部12は、「乾燥感改善」に関連付けられた基準「保水能力と皮脂適格性との差を最小化」に基づいて、ユーザUaの肌状態のうち、保水能力よりも低い皮脂適格性の値2を客観的な目標スコアとして設定する。
また、「施策のカテゴリ、希望、頻度」において、カテゴリとしては「食生活、自宅での行動、運動、化粧品の使い方、飲食、肌ケア、行動」等、希望としては「難易度、金額制約、時間制約、やりたくない施策、肌ケアを行うシーン、施策のカテゴリに関する嗜好」等、頻度としては「1日当たりのアドバイスを受ける回数」等が選択される。
「アレルギー情報」は、ユーザUaがアレルギー疾患の場合のアレルギー物質に関する情報が含まれる。
「現在行っている施策」は、ユーザUaがすでに行っている施策であり、「湯船につかる」等の内容及び頻度又は程度などにより表される。
また、初期ユーザ情報データには、ユーザUaの性別、年齢、住んでいる地域、職業、性格等のユーザの属性を示す情報が含まれている。
[E.スケジュール決定工程]
図3に示した「2.スケジュール決定」の工程は、施策グループ選択部12及び施策情報送信部13により実行される。施策グループ選択部12は、図4のSTEP12で、ゴール(主観的な目標スコア及び客観的な目標スコア)を達成するための施策グループを選択する。この選択は、上述した各改善対象に関連付けられた、肌状態の主観状態の改善傾向と肌状態の客観状態の改善傾向と適した周辺環境とを考慮して行われる。施策グループ選択部12は、あらかじめ登録された地域またはGPSセンサ等によって検出された位置情報と、端末の時計機能から取得した日時とに基づいて、スケジュール期間におけるユーザUaの周辺環境の温度、湿度等を予測する。
例えば、施策グループ選択部12は、カテゴリの希望が「自宅での行動、食生活、運動」であり、梅雨の時期のように湿度が平均50%と予測される季節であり、主観的な目標スコアが「乾燥感」の満足度5以上、客観的な目標スコアが皮脂適格性2以上である場合、主観状態の改善傾向が「乾燥感改善」を含み、客観状態の改善傾向が「皮脂適格性向上」を含み、カテゴリに「自宅での行動、食生活、運動」のいずれかであり、適した周辺環境が湿度50%と矛盾しない施策を選択する。
ここで、主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向は、予め担当者T等の専門家によって定められたものであってもよいし、サポートDB20に記憶された他のユーザUb、Ucが実施した施策と他のユーザUb、Ucの肌状態の時系列的変化に基づいて推定される主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向であってもよいし、実施した施策とユーザUaの肌状態の時系列的変化がサポートDB20に保存されている場合には、当該情報に
基づいて推定される主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向であってもよい。
例えば、サポートDB20には、他のユーザUb、Ucのそれぞれが実施した施策と、その施策を実施した前後の他のユーザUb、Ucそれぞれごとの肌状態の主観データの時系列的変化及び他のユーザUb、Ucそれぞれごとの肌状態の客観データの時系列的変化の一方又は両方とが記憶される。
また、例えば、サポートDB20には、他のユーザUb、Ucのそれぞれが実施した施策「湯船につかる」と、その施策を実施した前後における、他のユーザUb、Ucそれぞれの肌状態の主観状態の時系列的変化としての「乾燥感についての満足度」が記憶されているとする。
このとき、施策グループ選択部12は、各他のユーザUb、Ucごとに、施策「湯船につかる」について、例えば、湯船につかる前日と、湯船につかった日の肌状態の主観データ(乾燥感についての満足度)の変化量を算出する。そして、施策グループ選択部12は、各他のユーザUb、Ucごとの乾燥感についての満足度の変化量の平均値をとる。施策グループ選択部12は、例えば、「乾燥感についての満足度」の変化量の平均値が所定値以上である場合に、施策「湯船につかる」の主観状態の改善傾向を「乾燥感改善」と認識する。客観状態の改善傾向についても、主観状態の改善傾向と同様に認識できる。
施策グループ選択部12は、ユーザUaの年齢及び肌状態に基づいて、同年代、同様の肌状態等、処理対象とする他のユーザUb、Ucの範囲を絞ってもよい。
また、施策グループ選択部12は、サポートDBに実施した施策とユーザUaの肌状態の時系列的変化が保存されている場合には、上記と同様にして算出した当該情報に基づいて推定される主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を認識してもよい。
施策グループ選択部12は、ユーザUaの第1回目のスケジュール決定工程においては、他のユーザUb、Ucの肌状態の主観データ、客観データから上記主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を認識し、ユーザUaの第2回目のスケジュール決定工程においてはユーザUaの肌状態の主観データ、客観データから主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を認識してもよい。
施策グループ選択部12は、肌状態のみならず、心状態、体状態についても同様に主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を認識し、当該心状態、体状態の主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を加味して施策を選択してもよい。
施策グループ選択部12は、「現在行っている施策」と同内容及び同頻度または同程度の施策を施策グループから除外してもよい。ユーザが既に行っている施策は、提案するまでもないと考えられるからである。
図11Aの例では、施策グループ選択部12は、「湯船につかる」「ビタミンC摂取」「野菜摂取」「1万歩以上歩く」を含むように複数の施策の組合せである施策グループを選択する。
施策情報送信部13は、施策グループの中から、ユーザUaの「施策のカテゴリ、希望、頻度」に応じて施策の優先度を評価し、当該優先度に従って初期の施策を決定する。図12には、初期の施策として「湯船につかる」「野菜摂取」「1万歩以上歩く」が選択されたスケジュールの例を示している。施策情報送信部13は、このようにして決定したスケジュールの内容を示すスケジュールデータをユーザ端末30に送信する。
施策情報送信部13は、併せて、ユーザUaの指定を基に、一定期間の各工程の実施の計画を作成する。図11Bには、START時にゴール設定とスケジュール決定を行い、毎日モニタリングをし、1週間ごとにスケジュール修正を行い、1か月後に進捗グラフを作成し、3か月目にゴール判定と新たなゴール設定を行うという一連のイベントの計画が示されている。施策情報送信部13は、ユーザUaの指定に加えてまたは代えて、あらかじめ定められた、一定期間の各工程の実施の計画を用いてもよい。
ユーザ端末30において、図6のSTEP52で、肌サポートサーバ10からスケジュールデータを受信すると、肌サポートアプリ35aは、図12に示したようなスケジュールの実行表及び図11Bに示したような作業内容の計画を表示可能にして、ユーザUaによる各施策の実施を促す。図12のスケジュールの実行表においては、各施策(「湯船につかる」、「野菜摂取」、「1万歩以上歩く」)の内容が表示される。
[F.モニタリング工程]
図3に示した「3.モニタリング」の工程は、ユーザUaが肌サポートアプリ35a上で設定した期間ごとに(図11Bでは毎日)、肌状態認識部11及び施策情報送信部13により実行される。肌サポートアプリ35aの利用を開始したユーザUaは、ユーザ端末30により、日々の肌、体、心の各状態と、スケジュールにより指示された施策の実施状況と、スケジュールにより指示された施策以外のユーザUaの自主的な行動(施策外行動)の実施状況とを入力する。施策の実施状況には、「湯船につかる」、「野菜摂取」、「1万歩以上歩く」をそれぞれ実施したかどうかを示す情報のほか、「30分」および「湯船につかる」、「300g」および「野菜を摂取」、「1万5千歩」および「歩く」など、時間、量などで表される施策の実行の度合いが含まれる。
肌サポートアプリ35aは、図6のSTEP53で、ユーザUaにより肌、体、心の状態が入力されるとSTEP60に処理を進め、上述した初期ユーザ情報データと同様に、ユーザUaの肌、体、心の状態についての主観データと客観データを含む現状ユーザ情報データを肌サポートサーバ10に送信してSTEP54に処理を進める。なお、肌サポートアプリ35aは、図6のSTEP53で、ユーザUaにより肌、体、心の状態が入力されない場合、そのままSTEP54に処理を進める。ここで送信されるデータには、角質採取テープ37によって採取された角層細胞に関するデータは含まれない。
肌サポートアプリ35aは、図6のSTEP110で、実行レベル受付処理を実行する。実行レベル受付処理の詳細については後述する。
また、肌サポートアプリ35aは、図6のSTEP54で、ユーザUaによりスケジュールの実行状況(各施策の実行状況)が入力されたときにSTEP61に処理を進め、スケジュールの実行状況を示す実行状況データを肌サポートサーバ10に送信して図7のSTEP55に処理を進める。なお、肌サポートアプリ35aは、図6のSTEP54で、ユーザUaによりスケジュールの実行状況(各施策の実行状況)が入力されない時は、そのままSTEP55に処理を進める。
さらに、肌サポートアプリ35aは、図7のSTEP55で、ユーザUaにより施策外行動の実施状況が入力されたときにSTEP62に処理を進め、実施された施策外行動の内容を示す施策外行動実施データを肌サポートサーバ10に送信してSTEP56に処理を進める。なお、肌サポートアプリ35aは、図7のSTEP55で、ユーザUaにより施策外行動の実施状況が入力されないときには、そのままSTEP56に処理を進める。
図4のSTEP13~図5のSTEP16、及び図4のSTEP20~STEP22は
、施策情報送信部13による処理である。肌状態認識部11は、STEP13でユーザ端末30から現状ユーザ情報データを受信したときにSTEP20に処理を進め、現状ユーザ情報データをサポートDB20に蓄積してSTEP14に処理を進める。なお、肌状態認識部11は、STEP13でユーザ端末30から現状ユーザ情報データを受信しないときは、STEP14にそのまま処理を進める。
また、施策情報送信部13は、STEP14でユーザ端末30から実行状況データを受信したときにSTEP21に処理を進め、実行状況データをサポートDB20に蓄積してSTEP15に処理を進める。一方で、STEP14でユーザ端末30から実行状況データを受信していないと判定された場合は、そのままSTEP15に処理を進める。
さらに、施策情報送信部13は、STEP15でユーザ端末30から施策外行動実施データを受信したときにSTEP22に処理を進め、施策外行動実施データをサポートDB20に蓄積して図5のSTEP16に処理を進める。一方で、施策情報送信部13は、STEP15でユーザ端末30から施策外行動実施データを受信しない時は、そのまま図5のSTEP16に処理を進める。
図5に移って、STEP16で、施策情報送信部13は、サポートDB20に蓄積されたユーザUaの初期ユーザ情報データ、現状ユーザ情報データ、実行状況データ、及び施策外行動実施データ等に基づいて、スケジュールの進捗状況を示す進捗表データを作成し、この進捗表データをユーザ端末30に送信する。
ここで、スケジュールの進捗表は、例えば図12に示したように、上から順に、肌状態(ここでは乾燥肌)のスコア、体状態のスコア、心状態のスコア、施策(湯船につかる、野菜摂取、1万歩以上歩く)の実施状況、暮らし情報(野菜摂取量、水分摂取量)、及び暮らし特殊事例が、1日単位で表示する構成となっている。
また、スケジュール進捗表には、施策の実行度合い(「30分」湯船につかる、「300g」野菜摂取、「1万5千歩」歩く)が含まれている。
ユーザ端末30において、肌サポートアプリ35aは、図7のSTEP56で、肌サポートサーバ10から送信された進捗表データを受信したときにSTEP63に処理を進め、進捗表データをメモリ36に保持する。肌サポートアプリ35aは、メモリ36に格納された進捗表データを用いて、図12に示した進捗表をユーザ端末30の表示器31に表示する。
また、肌サポートアプリ35aは、進捗表データの他に、通信を介して認識した、肌サポートサーバ10のサポートDB20に蓄積されたユーザUaの初期ユーザ情報データ、現状ユーザ情報データ、実行状況データ、施策外行動実施データ等を用いて、ユーザUaの肌、体、心の各状態の推移や変化を示す情報を、ユーザ端末30の表示器31に表示する。
例えば、肌サポートアプリ35aは、図13に示したように、スケジュールによる施策以外のユーザUaの行動(洗顔法の変更、マッサージを受けた等)、及びユーザの体調(生理、睡眠不足等)と、ユーザUaの肌状態の変化の関係を日単位の時系列グラフで、表示器31に表示する。
また、肌サポートアプリ35aは、図14に示したように、一カ月単位で、ユーザUaの角質状態を含む肌状態、心理状態、肌ケアの満足度、及び化粧品の使い方の評価値の変化を対比したレーダーチャートを表示器31に表示する。
ユーザUaは、肌サポートアプリ35aによるこれらの表示を視認して、自身の肌、体、心の各状態の変化を確認することにより、肌の改善度と共に、体と心の状態の変化も把握することができるため、肌、体、及び心の状態をバランス良く改善しながら、目標とする肌状態のゴールへの到達することができる。
[G.スケジュール修正]
図3に示した「4.スケジュール修正」の工程は、ユーザUaが肌サポートアプリ35a上で設定した期間ごとに(図11Bでは1週間ごとに)、施策情報送信部13により実行される。図5のSTEP17~STEP20、及びSTEP30~STEP33が、施策情報送信部13による処理である。
施策情報送信部13は、STEP17で、サポートDB20に蓄積されたユーザUaの初期ユーザ情報データ、現状ユーザ情報データ、及び実行状況データ等に基づいて、ユーザUa肌状態の目標達成度、スケジュールに組み込まれた各施策の実行度、及び各施策の効果を評価する。各施策の効果とは、各施策の実行の前後におけるユーザUaのゴールに関連した、肌状態、体状態又は心状態のうち少なくとも1つの状態(指定状態)のスコアの変化により求められる。例えば、ある施策を実行したときに、指定状態のスコアが2から3に上昇した場合には、効果+1として求められうる。
施策情報送信部13は、図15Aに示した施策の評価基準を用いて、肌状態と体又は心の状態との相関関係を抽出し、この相関関係に基づいて、スケジュールに組み込まれた各施策の継続、施策グループからの除外、施策の中止、別の施策への変更を判断する。
図15Aの評価基準では、判定項目として、実施の有無、肌への影響、体への影響、心への影響という四項目が使用され、実施率が所定実施率を超え、肌に良い影響があり、且つ、体と心に悪い影響がない施策については、A評価となって継続と判断される。なお、図15Aでは、実施率が所定の実施率を超えた施策を「実施」として表記し、実施率が所定の実施率以下であった施策を「不実施」として表記している。図12及び図15Bでも同様である。
施策の影響のタイミングと影響が継続する期間が施策ごとに定められている場合、施策情報送信部13は、施策の影響のタイミングと施策の影響が継続する期間に基づいて、各施策の影響を判定してもよい。
例えば、「湯船につかる」という施策の肌への影響、体への影響、心への影響は、翌日に影響が出、1日だけ継続すると定められていた場合、施策情報送信部13は、例えば12月15日の「湯船につかる」という施策の影響は、12月16日の各状態に反映されていると判断する。
また、「野菜摂取」という施策の肌への影響、体への影響、心への影響は、1週間後に影響が出、3日だけ継続すると定められていた場合、施策情報送信部13は、例えば12月15日の「野菜摂取」という施策の影響は、12月22日~12月24日の各状態に反映されていると判断する。
それに対して、実施され、肌に良い影響があるが、体と心のいずれかに悪い影響がある施策については、B評価となって中止或は別施策への変更と判断される。また、実施率が所定の実施率以下となった施策はユーザUaにとって負荷が大きかったと考えられるため、C評価となって中止或は別施策(例えば、ユーザUaの負荷が軽減する施策又は別の施策)への変更と判断される。
施策情報送信部13は、各施策を1日だけ実施することで肌、体、心への良いまたは悪い影響があるかの評価を行っても良いし、数日や数週間などの一定期間において各施策を実施することで、肌、体、心への良いまたは悪い影響があるかの評価を行ってもよい。一定期間で評価を行う場合、施策情報送信部13は、例えば、一定割合でいずれかの状態に悪影響が出た場合にB評価とし、実施割合が一定以下である場合にC評価とし、それ以外の場合A評価としてもよい。これに代えて、施策情報送信部13は、例えば、一定期間におけるいずれかの状態の満足度の平均値が所定以下となった場合にB評価としてもよい。また、1日におけるいずれかの状態の満足度が所定以下となり、かつ、一定期間におけるいずれかの状態の満足度の平均値が所定以下となった場合にC評価とし、1日の評価におけるいずれかの状態の満足度が所定以下となり、または、一定期間におけるいずれかの状態の満足度の平均値が所定以下となった場合にB評価とし、1日におけるいずれかの状態の満足度が所定値を超え、かつ、一定期間におけるいずれかの状態の満足度の平均値が所定値を超えた場合にA評価とするなど、1日の評価と一定期間の評価とを組み合わせて用いてもよい。
また、施策情報送信部13は、図8に示した肌状態のスコアの向上度が所定の向上度以下である場合に、当該肌状態のスコアの向上度が所定の向上度以下である施策を施策グループから除外してもよい。施策情報送信部13は、体状態又は心状態のスコアの向上度が所定の向上度以下である場合に、体状態又は心状態のスコアの向上度が所定の向上度以下である施策を施策グループから除外してもよい。
図15Bは、図15Aに示した評価基準を、本実施形態における施策(湯船につかる、野菜摂取、1万歩以上歩く)に適用した例を示している。図15Bにより、施策情報送信部13は、「湯船につかる」についてはA評価として、次のスケジュールでの継続を決定し、「野菜摂取」についてはB評価として、施策グループからの除外、次のスケジュールでの中止或は他の施策への変更を決定し、「1万歩以上歩く」についてはC評価として、施策グループからの除外、次のスケジュールでの中止或は他の施策への変更を決定している。
施策情報送信部13は、複数の施策が行われた影響については、それらの施策の組合せごとに判断する。例えば、施策情報送信部13は、「湯船につかる」「野菜摂取」の組合せが、B評価又はC評価であった場合、「湯船につかる」若しくは「野菜摂取」の単独の施策のみとするか、又はこれらのいずれかの施策と別な施策との組み合わせとするように変更してもよい。
施策情報送信部13はこのような評価処理を行って、スケジュール修正(主として施策グループの他の施策への変更による修正)の要否を判断し、スケジュール修正が必要と判断したときには、STEP200およびSTEP30に処理を進めてスケジュールを修正する。STEP200における実行レベルに応じた施策の認識処理の詳細については後述する。
そして、修正したスケジュールのデータであるスケジュール修正データをユーザ端末30送信して、STEP19に処理を進める。一方、スケジュールの修正が不要であると判断したときには、施策情報送信部13は、図5のSTEP18から図5のSTEP19に処理を進め、この場合、スケジュールは修正されない。
次に、施策情報送信部13は、STEP19で、初期ユーザ情報データ、現状ユーザ情報データ、及び施策外行動実施データ等に基づいて、ユーザUaが行った各施策外行動(スケジュールに組み込まれている施策以外に、ユーザが行った行動)を評価する。
施策情報送信部13は、図16Aに示した施策外行動の評価基準を用いて、施策外行動の推奨の有無又は禁止の提案を判断する。図16Aの評価基準では、判定項目として、肌、体、心の各状態への影響が使用される。
そして、「肌、体、心のいずれかに良い影響があり、且ついずれについても悪い影響が無い」場合は、D評価となって実施が推奨される。それに対して、「肌、体、心のいずれかに悪い影響がある」場合は、E評価となって禁止が提案される。また、「肌、体、心のいずれにも影響が無い」場合には、F評価となって実施が推奨されない。
図16Bは、図16Aに示した評価基準を、本実施形態における施策外行動(マッサージを受けた、チョコレートを大量に摂取した)に適用した例を示している。図16Bにより、施策情報送信部13は、「マッサージを受ける」についてはD評価として、次のスケジュールでの実施の推奨を決定している。また、「チョコレートの大量摂取」についてはE評価として、次のスケジュールでの止めるための施策(例えば、和菓子を摂取する代替案)の提案を決定している。
施策情報送信部13は、スケジュールに組み込まれた施策の中止或は変更、又は施策外行動について、実施の推奨或は禁止の提案を決定したときには、STEP20からSTEP31に処理を進める。そして、推奨を決定したときはSTEP31からSTEP33に処理を進め、施策外行動の実施を推奨する施策外行動推奨データをユーザ端末30に送信して、図4のSTEP13に処理を進める。
一方、施策情報送信部13は、禁止の提案を決定したときには、STEP31からSTEP32に処理を進め、施策外行動の禁止を提案する施策外行動禁止データをユーザ端末30に送信して、図4のSTEP13に処理を進める。
また、施策情報送信部13は、推奨又は禁止を提案する施策外行動がない場合には、STEP20から図4のSTEP13に処理を進める。なお、禁止を提案する施策外行動に代替行動がある場合には、禁止の提案に代えて代替行動への変更を提案する施策外行動禁止データをユーザ端末30に送信するようにしてもよい。
ユーザ端末30において、肌サポートアプリ35aは、図7のSTEP57で、肌サポートサーバ10からスケジュール修正データを受信すると、STEP65に処理を進め、スケジュール修正データに基づいてスケジュールを修正する。そして、肌サポートアプリ35aは、メモリ36に保持されたスケジュールデータを更新して、処理をSTEP58に進める。
肌サポートアプリ35aは、STEP120において、施策出力処理を実行する。施策出力処理の詳細については後述する。
また、肌サポートアプリ35aは、図7のSTEP58で、肌サポートサーバ10から施策外行動推奨データ又は施策外行動禁止データを受信すると、STEP66に処理を進め、受信したデータに応じて、施策外行動を推奨又は禁止の提案を報知する画面をユーザ端末30の表示器31に表示する。なお、この報知は、例えば図12に示した進捗表に報知メッセージを表示して行ってもよい。また、推奨する施策外行動を、新たな施策としてスケジュールを修正してもよい。
[H.ゴール判定工程]
図3に示した「5.ゴール判定」の工程は、ユーザUaが肌サポートアプリ35a上で設定した期間ごとに(図11BにおいてはSTARTから3か月後)、肌状態認識部11、施策グループ選択部12及び施策情報送信部13により実行される。
肌サポートアプリ35aは、角質採取テープ37の使用と、角質採取テープ37の郵送を促すメッセージをユーザ端末30の表示器31に表示する。
肌状態認識部11は、郵送された角質採取テープ37から得られた情報に基づいて、肌状態の客観値(保水能力、皮脂適格性など)を認識する。客観値は、水分量が0-100μS等、肌の物理状態を示す値そのままであってもよいし、それぞれの物理状態を大小に応じて1~10のいずれかに割り当てるなどして正規化した値であってもよい。
また、肌サポートアプリ35aは、アンケートの回答、肌等の撮像の使用を促すメッセージをユーザ端末30の表示器31に表示し、得られた情報を送信する。
肌状態認識部11は、肌サポートアプリ35aから得られた情報に基づいて、肌の乾燥感の主観値(主観スコア)と、肌状態の客観値(肌の画像スコア)を認識する。
施策グループ選択部12及び施策情報送信部13は、肌の乾燥感の主観値と、肌状態の客観値とに基づいて、肌状態のサポート開始時と3カ月後における評価値を比較して、ゴール達成度を判定する。
図17の例では、乾燥感の主観値のスコアが3カ月で3から5に増加しているので達成(○)と判定し、客観値についても、肌の画像スコアが3カ月で3から4に増大し、保水能力が2に維持され、皮脂適格性が1から2に増大しているので達成(○)と判定されている。そして、主観値と客観値が共にゴールを達成しているので、トータルとしてもゴールを達成したと判定している。
肌状態認識部11及び施策グループ選択部12は、ゴールを達成した場合には新たなゴールを設定するため、図3に示した「1.ゴール設定」の工程を再度実行する。肌状態認識部11及び施策グループ選択部12は、ゴール未達の場合は、「2.スケジュール決定」工程を実施してもよいし、ユーザの希望または進捗に応じて「1.ゴール設定」の工程を再度実行してもよい。
[I.2次データ生成]
図3に示した「6.2次データ生成」の工程は、2次データ生成部19により実行される。2次データ生成部19は、複数のユーザUから送信される初期ユーザ情報データ、角層細胞解析データ、現状ユーザ情報データ、実行状況データ、施策外行動実施データ等の各種データ(以下、ユーザ個別データという)を、ユーザごとにサポートDB20に順次蓄積する。
そして、2次データ生成部19は、サポートDB20に蓄積されたユーザ個別データを分析して、例えば図18に示したように、各ユーザの特性(性別、年齢、居住地、嗜好、ライフスタイル等)、サポートの改善対象(乾燥感、ごわつき、敏感、ニキビ、しぼみ感等)、スケジュールにより提案された施策(湯船につかる、野菜摂取、1万歩以上歩く等)、及び施策の実施による肌、体、心の各状態の変化等を関連付けた2次データを生成する。
また、2次データ生成部19は、施策外行動についても図18と同様に、各ユーザの特性と施策外行動の実施による肌、体、心の各状態の影響とを関連付けた2次データを生成する。
このようにして生成された2次データは、同様の特性を有するユーザについて、体及び心に良い影響を与えつつ肌状態の改善を図るために有効な施策を選択する際に、有効に活用することができる。例えば、上述した図3の「2.スケジュール決定」の工程において、施策グループ選択部12は、2次データを参照して、ユーザUaの特性に適合した施策を選択することができる。
また、上述した図3の「4.スケジュール修正」の工程において、施策情報送信部13は、ユーザUaの肌、体、心の各状態の推移に応じてスケジュールを変更する際に、2次データを参照して、より有効な施策或は施策外行動を組み込んだスケジュールに変更することができる。
さらに、2次データは、肌状態のサポートを行う上で有効に利用できると共に、ある特性を有するユーザ(例えば、東京に住む30代のアウトドア志向の女性等)をターゲットとしたマーケティング等の目的にも利用することができる。そのため、2次データを図1に示した他のシステム60等に提供してもよい。
[J.負担レベル受付処理]
次に、図19Aおよび図20を参照して、図6のSTEP100の負担レベル受付処理の詳細について説明する。
図19AのSTEP102において、肌サポートアプリ35aは、図20に示されるような負担レベル入力画面P1を表示器31に出力する。
負担レベル入力画面P1は、ユーザUaが許容する負担のレベルとユーザUaの肌状態の目標スコアと施策を実行する期間とを決定するための基礎情報を入力させるための画面である。
負担レベル入力画面P1には、負担を縦軸とし、期間を横軸とする2次元座標系と、原点から第1象限に延びる三つの矢印R1~R3とが含まれている。
矢印R1は、比較的大きな負担を許容できるレベル(以下、「第1負担レベルR1」と適宜いう。)を示している。
矢印R3は、許容できる負担が比較的小さいレベル(以下、「第3負担レベルR3」と適宜いう。)を示している。
矢印R2は、許容できる負担が、第1負担レベルR1よりも小さく、第3負担レベルR3よりも大きいレベル(以下、「第2負担レベルR2」と適宜いう。)を示している。
肌サポートアプリ35aは、矢印R1~R3のいずれかの押圧操作をタッチパネル32を介して検知すると、図19AのSTEP104において選択された矢印に対応するユーザUaが許容する負担のレベルを認識し、メモリ36に記憶する。
図19AのSTEP106において、肌サポートアプリ35aは、メモリ36に記憶されたユーザUaが許容する負担のレベルを肌サポートサーバ10に送信する。
肌サポートサーバ10は、サポートDB20に受信した負担のレベルを記憶する。また、肌サポートサーバ10は、図4/STEP11の目標レベルの設定において、この負担レベルに示される負担の範囲内での施策で達成可能な目標レベルを設定してもよい。
肌サポートサーバ10は、図4/STEP12の施策を含むスケジュールの決定の際に、この負担レベルに示される負担の範囲内での施策を含むスケジュールを決定してもよい。
肌サポートサーバ10は、図5/STEP30スケジュールの修正の際に、この負担レベルに示される負担の範囲内での施策を含むようにスケジュールを修正してもよい。
[K.実行レベル受付処理]
次に、図19Bを参照して、図6のSTEP110の実行レベル受付処理の詳細を説明する。
図19BのSTEP112において、肌サポートアプリ35aは、図21に示される実行レベル入力画面P2を表示器31に出力する。
実行レベル入力画面P2には、図21に示されるように、各行動の表示P21、P22と、各行動の実行状況の入力ボックスP211~P214、P221~P224と、送信ボタンP23とが含まれている。
各行動の表示P21、P22は、ケア製品の使用、野菜摂取という指定状態に関連する行動の種別の表示である。ここで、指定状態とは、肌状態、体状態および心状態の少なくとも1つを含む状態であるが、以下の説明においては、肌状態が指定状態であるとして説明する。これに代えてまたは加えて、実行レベル入力画面P2には、行動のカテゴリの表示が含まれていてもよいし、これらの表示が省略されてもよい。
各行動の実行状況の入力ボックスP211~P214、P221~P224は、各行動の実行状況のレベルに対応する文言に関連付けられた入力ボックスである。各施策の実行状況のレベルに対応する文言は、例えば、ケア製品の使用に関しては、「ケア製品を使用しない」「洗顔料で顔を1日1回以上洗う」「1日1回スキンケア製品を使う」「スキンケア製品を朝晩使う」といった、ケア製品の使用の実行状況のレベルを複数の段階で表した文言である。
これに加えてまたは代えて、ケア製品にかける1日当たりの金額、1日当たりに使用するケア製品の量、1日当たりでケア製品を使用する回数、VAS(Visual Analog Scale)法によるケア製品を使用する主観的な頻度等のように、行動の実行の度合いの高低を示す数字入力欄または選択欄などの入力フォーム(例えばスライドバーまたはオンオフボタンなど)が設けられていてもよい。
図19BのSTEP114において、肌サポートアプリ35aは、タッチパネル32を介して送信ボタンP23の押圧操作を検知すると、その時点で入力されている各行動の種別と各行動の実行状況のレベルに対応する文言とを認識する。これに代えて、肌サポートアプリ35aは、実行状況のレベルを認識してもよい。
図19BのSTEP116において、肌サポートアプリ35aは、例えば不図示のタイマを参照し、または、外部のNTP(Network Time Protocol)サーバ等と通信することにより、データの入力日としての処理時の日付を認識する。
図19BのSTEP116において、肌サポートアプリ35aは、入力されたデータと入力日とを肌サポートサーバ10に送信する。ここで、入力されたデータには、各行動の種別と各行動の実行状況のレベルに対応する文言とが含まれている。
[L.実行レベルに応じた施策の認識処理]
次に、図19Cを参照しながら、図5のSTEP200の実行レベルに応じた施策の認識処理の詳細を説明する。
図19CのSTEP202において、レベル認識部21は、受信したデータに基づいて、各行動の実行レベルを認識する。
例えば、受信したデータに各行動の実行状況のレベルに対応する文言が含まれている場合、レベル認識部21は、例えばサポートDB20に記憶されている、図22に示されている行動のカテゴリと、行動の種別と、行動の各レベルに対応した文言とを関連付けたテーブルを用いて、受信した各行動の実行状況のレベルに対応する文言に対応する各行動の種別ごとに行動のレベルを認識する。
例えば、行動の種別が「ケア製品」であり、かつ、各行動の実行状況のレベルに対応する文言が「洗顔料を使って1日1回顔を洗う」である場合、レベル認識部21は、行動の種別「ケア製品」について行動のレベル「1」を認識する。
なお、行動のカテゴリは、本発明では「肌ケア」「飲食」「運動」「生活」の4つのカテゴリに区分される。「肌ケア」は指定状態である肌状態の維持または向上を目的とした手入れである。「飲食」は、食物を食べることおよび飲物を飲むことの一方または両方である。「運動」は、歩行、走行、水泳等の意識的に体を動かすことである。「生活」とは、「肌ケア」「飲食」「運動」のいずれにも該当しない行動のうち、規則的にまたは不規則的に行われる習慣的な行動である。
レベル認識部21は、例えば、受信した数字に基づいてそれぞれの行動の種別の実行レベルを認識してもよいし、ユーザによりテキストまたは音声等で入力されたデータに基づいて、テキスト解析または音声解析等を行うことにより、それぞれの行動の種別の実行レベルを認識してもよい。
文言で行動レベルを認識する場合、必ずしもすべてのレベルに対応する文言が規定されている必要はない。例えば、行動の種別が「ケア製品」であり、かつ、各行動の実行状況のレベルに対応する文言が「ケア製品を使用しない」である場合、レベル認識部21は、行動の種別「ケア製品」に該当する文言がなければ、行動の種別「ケア製品」について0を行動のレベルとして認識してもよい。
レベル認識部21は、例えば、図23Aに示される各行動の種別と実行状況のレベルとを含むテーブルをメモリに記憶する。
図19CのSTEP204において、レベル認識部21は、認識された各行動のレベルに基づいて、各行動のカテゴリごとの実行レベルを認識する。
レベル認識部21は、以下の規則(1)(2)に従って各行動のカテゴリを認識する。
(1)ユーザUaの行動のレベルが上限のレベルの行動の種別を除外する。
ここで、上限の行動のレベルの例は、図22に示されるレベル3である。各行動のレベルは3までであり、4以上は規定されていない。
(2)各カテゴリに含まれる行動のうち、ユーザUaの実行状況のレベルが最も高い行動のレベルを各行動のカテゴリのレベルとする。
例えば、レベル認識部21は、規則(1)に従い、図23Aに示されるユーザUaの行動の種別「喫煙」のレベルが上限の3となっているので、行動の種別を除外する。
そして、レベル認識部21は、規則(2)に従い、各カテゴリ「肌ケア」「飲食」「運動」「生活」について、各カテゴリのうちユーザUaの実行状況のレベルが最も高い行動の種別「ケア製品」「野菜摂取」「歩く」「睡眠」を認識する。レベル認識部21は、これらの行動の種別「ケア製品」「野菜摂取」「歩く」「睡眠」の行動のレベル「1」「2」「1」「0」を、それぞれ対応する行動のカテゴリ「肌ケア」「飲食」「運動」「生活」のレベルとして認識する。
レベル認識部21は、図23Bに示されるようなテーブルをメモリに記憶する。
図19CのSTEP300において、施策認識部22は、施策認識処理を実行する。
[L.施策認識処理]
図24Aおよび図24Bを参照しながら、図19CのSTEP300の施策認識処理の詳細を説明する。
図24AのSTEP302において、施策認識部22は、図19CのSTEP204で認識されたカテゴリのレベルのうち、最も低いレベルのカテゴリを認識する。例えば、施策認識部22は、メモリに記憶された図23Bに示されるようなテーブルを参照して、テーブルに含まれるカテゴリのレベルのうち、最も低いレベルである「0」のカテゴリ「生活」を認識する。施策認識部22は、複数のカテゴリを最も低いレベルのカテゴリとして認識してもよい。
図24AのSTEP304において、施策認識部22は、当該カテゴリのレベルを1つ上げる施策を認識する。
より具体的には、施策認識部22は、最も低いレベルのカテゴリ「生活」のレベルを0から1に上げる行動を認識する。最も低いレベルのカテゴリ「生活」のレベルを0から1に上げる行動は、例えば、カテゴリ「生活」に含まれる行動の種別「睡眠」のレベル「1」の行動である。施策認識部22は、図22に示されるテーブルを参照して、施策としての「1日5時間以上睡眠」を認識する。
図24AのSTEP306において、施策認識部22は、図24AのSTEP304において認識された施策を、その優先順位を1として候補リストに追加し、メモリに記憶する。例えば、施策認識部22は、行動の種別「睡眠」のレベル「1」のフィールドF1を、その優先順位を「1」としてメモリに記憶された候補リストL1に追加する。施策認識部22は、図23Cに示される各行動のレベルごとの負担を示すテーブルを参照して、候補リストL1の負担の欄を更新する。なお、図23Cに示されるような各行動のレベルごとの負担を示すテーブルは、あらかじめサポートDB20に記憶されている。各行動のレベルごとの負担は、例えば複数のユーザUに、アンケート等によって行動の負担を5段階で評価させることにより算出されてもよいし、複数のユーザUの行動履歴に基づいて、実行がされにくい行動について負担を大きく評価することにより、算出されてもよいし、管理者等によってあらかじめ定められてもよい。負担は、本実施形態では、大きな数値であるほど、重い負担であることを示す値で示される。
図24AのSTEP308において、施策認識部22は、図19CのSTEP204で認識されたカテゴリのレベルのうち、次に低いレベルのカテゴリを認識する。例えば、施策認識部22は、メモリに記憶された図23Bに示されるようなテーブルを参照して、テーブルに含まれるカテゴリのレベルのうち、次に低いレベルである「1」のカテゴリ「肌ケア」「運動」を認識する。このように、施策認識部22は、複数のカテゴリを次に低いレベルのカテゴリとして認識してもよい。
図24AのSTEP310において、施策認識部22は、当該レベルのカテゴリのレベルを1つ上げる行動を施策として認識する。
より具体的には、施策認識部22は、当該レベルのカテゴリ「肌ケア」「運動」のレベルを1から2に上げる行動を認識する。カテゴリ「肌ケア」のレベルを1から2に上げる行動は、例えば、カテゴリ「肌ケア」に含まれる行動の種別「ケア製品」のレベル「2」の行動である。カテゴリ「運動」のレベルを1から2に上げる行動は、例えば、カテゴリ「運動」に含まれる行動の種別「歩く」のレベル「2」の行動である。
施策認識部22は、図22に示されるテーブルを参照して、施策としての「スキンケア製品を1日1回使う」「1日8,000歩以上歩く」を認識する。
図24AのSTEP312において、施策認識部22は、図24AのSTEP310において認識された施策を、その優先順位を2として候補リストに追加し、メモリに記憶する。例えば、施策認識部22は、施策としての行動の種別「ケア製品」のレベル「2」のフィールドF2および行動の種別「歩く」のレベル「2」のフィールドF3を、その優先順位を「2」としてメモリに記憶された候補リストL1に追加する。
図24AのSTEP314において、施策認識部22は、最高のレベルでない行動の種別を認識する。例えば、施策認識部22は、メモリに記憶された図23Bに示されるようなテーブルを参照して、行動のレベルが最高のレベル「3」でない行動の種別「野菜摂取」「水分摂取」「定期的なジム」を認識する。このように、施策認識部22は、複数の行動の種別を認識してもよい。
図24AのSTEP316において、施策認識部22は、当該レベルを1つ上げる行動を施策として認識する。
より具体的には、施策認識部22は、行動の種別「野菜摂取」「水分摂取」「定期的なジム」のレベルを1上げる行動を認識する。施策認識部22は、図22に示されるテーブルを参照して、施策としての「野菜摂取」のレベル「3」の行動「1日野菜を350g以上又は30品目以上食べる」を認識する。施策認識部22は、図22に示されるテーブルを参照して、施策としての「水分摂取」のレベル「2」の行動「水分1日1.0L以上摂取する」を認識する。施策認識部22は、図22に示されるテーブルを参照して、「定期的なジム」のレベル「1」がないので、施策としての「定期的なジム」のレベル「2」の行動「週に1回以上ジムに行く」を認識する。
図24AのSTEP318において、施策認識部22は、図24AのSTEP316において認識された施策を、その優先順位を3として候補リストに追加し、メモリに記憶する。例えば、施策認識部22は、「野菜摂取」のレベル「3」のフィールドF4、「水分摂取」のレベル「2」のフィールドF5および「定期的なジム」のレベル「2」のフィールドF6を、その優先順位を「3」としてメモリに記憶された候補リストL1に追加する。
図24AのSTEP320において、施策認識部22は、図19CのSTEP204で認識されたカテゴリのレベルのうち、最も低いレベルのカテゴリを認識する。例えば、施策認識部22は、メモリに記憶された図23Bに示されるようなテーブルを参照して、テ
ーブルに含まれるカテゴリのレベルのうち、最も低いレベルである「0」のカテゴリ「生活」を認識する。施策認識部22は、複数のカテゴリを最も低いレベルのカテゴリとして認識してもよい。
図24AのSTEP322において、施策認識部22は、当該カテゴリのレベルを2つ上げる施策を認識する。
より具体的には、施策認識部22は、最も低いレベルのカテゴリ「生活」のレベルを0から2に上げる行動を認識する。最も低いレベルのカテゴリ「生活」のレベルを0から2に上げる行動は、例えば、カテゴリ「生活」に含まれる行動の種別「睡眠」のレベル「2」の行動である。施策認識部22は、図22に示されるテーブルを参照して、施策としての「1日6時間以上睡眠」を認識する。
図24AのSTEP324において、施策認識部22は、図24AのSTEP322において認識された施策を、その優先順位を4として候補リストに追加し、メモリに記憶する。例えば、施策認識部22は、行動の種別「睡眠」のレベル「2」のフィールドF7を、その優先順位を「4」としてメモリに記憶された候補リストL1に追加する。
図24BのSTEP326において、施策認識部22は、図23Dに示されるようなテーブルを参照することにより、ユーザUaのアレルギーを認識する。図23Dに示されるようなテーブルは、例えば、STEP11で初期ユーザ情報データが受信された際にユーザごとに作成されうる。施策認識部22は、例えば、アレルギー「スキンケア製品」(または物質名)を認識する。
図24BのSTEP328において、施策認識部22は、候補リストL1内におけるアレルギーに関する施策の補正値を第1補正値(例えば100)とする。補正値は大きな値であるほどその施策が選択されにくくなる値である。例えば、「ケア製品」のレベル「2」「スキンケア製品を1日1回使う」には、アレルギー「スキンケア製品」が含まれているので、図25Aに示されるように、施策認識部22は、候補リストL1内における「ケア製品」のレベル「2」の補正値を第1補正値とする。これに代えてまたは加えて、施策認識部22は、レベルごとではなく、施策の種別ごとにアレルギーを認識してもよい。これに代えてまたは加えて、施策認識部22は、不図示の対応表を参照して、アレルギーに関する補正値を更新してもよい。施策認識部22は、アレルギーに関する施策を候補リストから除外してもよい。なお、アレルギーに関する施策が、本発明の「ユーザが実行できない施策」に該当する。また、例えば、ユーザの年齢等のユーザの属性に基づいて、飲酒の本発明の「ユーザが実行できない施策」が認識されてもよい。
図24BのSTEP330において、施策認識部22は、図23Dに示されるようなテーブルを参照することにより、ユーザUaの嫌いな行動のカテゴリを認識する。施策認識部22は、例えば、ユーザUaの嫌いな行動のカテゴリ「運動」を認識する。これに加えてまたは変えて、施策認識部22は、ユーザUaの嫌いな行動の種別を認識してもよい。なお、ユーザUaの嫌いな行動のカテゴリまたは行動の種別は、初期ユーザ情報データに含まれる情報に基づいて認識されてもよいし、図4のSTEP21およびSTEP22で受信されたユーザUaの行動の履歴に基づいて認識されてもよい。
図24BのSTEP332において、施策認識部22は、候補リストL1内における嫌いな行動のカテゴリの補正値を第1補正値よりも小さな第2補正値(例えば5)とする。例えば、施策認識部22は、カテゴリ「運動」似対応する行動の種別「歩く」「定期的なジム」の補正値を第2補正値とする。施策認識部22は、嫌いな行動の種別の補正値を第2補正値としてもよいし、第2補正値とは異なる第1補正値よりも小さな補正値を設定して
もよい。施策認識部22は、ユーザUaが嫌いな行動にかかる施策を候補リストL1から除外してもよい。ユーザUaが嫌いな行動にかかる施策が、本発明の「ユーザの嗜好に反する施策」に相当する。
図24BのSTEP334において、施策認識部22は、図23Dに示されるようなテーブルを参照することにより、ユーザUaの好きな行動のカテゴリを認識する。施策認識部22は、例えば、ユーザUaの好きな行動のカテゴリ「食事」を認識する。これに加えてまたは変えて、施策認識部22は、ユーザUaの好きな行動の種別を認識してもよい。なお、ユーザUaの好きな行動のカテゴリまたは行動の種別は、初期ユーザ情報データに含まれる情報に基づいて認識されてもよいし、図4のSTEP21およびSTEP22で受信されたユーザUaの行動の履歴に基づいて認識されてもよい。ユーザUaが好きな行動にかかる施策が、本発明の「ユーザの嗜好に合致する施策」に相当する。
図24BのSTEP336において、施策認識部22は、候補リストL1内における好きな行動のカテゴリの補正値を第2補正値よりも小さな第3補正値(例えば1)とする。例えば、施策認識部22は、カテゴリ「食事」に対応する行動の種別「野菜摂取」「水分摂取」の補正値を第3補正値とする。施策認識部22は、好きな行動の種別の補正値を第3補正値としてもよいし、第3補正値とは異なる第2補正値よりも小さな値を設定してもよい。また、施策認識部22は、アレルギーに関する行動でも、好きな行動でも嫌いな行動でもない行動の補正値を、第2補正値よりも小さく、第3補正値よりも大きい第4補正値(例えば3)として候補リストL1を更新する。
図24BのSTEP338において、施策認識部22は、図25Aに含まれる各施策ごとにレベルに応じた負担、優先順位、補正値の合計値を算出し、候補リストL1を更新する。
図24BのSTEP340において、施策認識部22は、図19AのSTEP104で選択され、サポートDB20に記憶された負担レベルが第1負担レベルR1かどうか否かを判定する。
当該判定結果が肯定的である場合(図24BのSTEP340でYES)、図24BのSTEP342において、施策認識部22は、図25Aの候補リストL1に含まれる施策を合計値の小さい順に並び替えることにより、図25Bに示される候補リストL2を作成する。候補リストL2では、合計値の昇順で各フィールドF1,F5,F3,F4,F7,F4,F2が並べられている。
当該判定結果が否定的である場合(図24BのSTEP340でNO)、図24BのSTEP344において、施策認識部22は、負担レベルが第2負担レベルR2かどうか否かを判定する。
当該判定結果が肯定的である場合(図24BのSTEP342でYES)、施策認識部22は、図24BのSTEP346において図25Aの候補リストL1に含まれる施策を負担が所定値(例えば3)以下の施策を合計値の小さい順に並び替え、図24BのSTEP348において図25Aの候補リストL1に含まれる施策を負担が所定値(例えば3)より大きいの施策を合計値の小さい順に並び替えることにより、新たな候補リストを作成する。この新たな候補リストについては図25A~図25Bと順番が異なる以外同様のリストとなるため、図示を省略する。
当該判定結果が否定的である場合(図24BのSTEP344でNO)、図24BのSTEP350において、施策認識部22は、負担が小さい順、負担が同一の施策については合計値が小さい順に施策を並び替えることにより、新たな候補リストを作成する。この新たな候補リストについては図25A~図25Bと順番が異なる以外同様のリストとなるため、図示を省略する。
なお、施策認識部22は、上記ステップに代えてまたは加えて、行動の各種別のレベル(例えば、図23Aでは「0」~「3」)のうち、最も低いレベル(例えば図23Aでは「0」)の行動の種別(例えば図23Aでは「定期的なジム」「睡眠」)を認識し、当該種別のレベルを向上させるための施策(例えば、図22では、「週に1回以上ジムに行く」「1日5時間以上睡眠」)を認識してもよい。
[M.実行レベルに応じた施策の認識処理]
再び図19Cを参照して、実行レベルに応じた施策の認識処理の続きの処理を説明する。
図19CのSTEPSTEP206において、施策送信部23は、図25BのSTEP342、STEP348またはSTEP350で作成された新たな候補リストを含む情報をユーザ端末30aに送信する。
[N.施策出力処理]
図19Dを参照して、施策出力処理を説明する。
図19DのSTEP122において、肌サポートアプリ35aは、行動の実行状況を示す画面P3を表示器31に出力する。
施策の実行状況を示す画面P3は、図26に示されるように、グラフP31と、ボタンP32とを含む。グラフP31は、カテゴリごとに当該カテゴリに含まれる各行動の実行状況のレベルと当該カテゴリのレベルとを示すグラフとなっている。例えば、当該グラフP31には、各行動「野菜摂取」「水分摂取」のレベルを示すグラフと、飲食カテゴリのレベルを示すグラフが飲食カテゴリに分類されて含まれている。
なお、図26に示されるグラフP31に示される行動の実行状況のレベルが、本発明の「前記ユーザの行動の実行状況のレベル」に相当する。また、本実施形態では、カテゴリのレベルは、当該カテゴリに含まれる行動のレベルと同一であるから、図26に示されるグラフP31に示されるカテゴリのレベルも、本発明の「前記ユーザの行動の実行状況のレベル」に相当する。また、図26に示されるグラフP31に示されるカテゴリのレベルは、本発明の「カテゴリのレベル」に相当する。
肌サポートアプリ35aは、ボタンP32の押圧操作をタッチパネル32を介して検知すると、図19DのSTEP124において、受信した候補リストを含む候補リスト画面P4を表示器31に出力する。この候補リストは、例えば、図7のSTEP57において、スケジュール修正データとともに受信されうる。
候補リスト画面P4は、図27に示されるように、各施策の選択ボックスP411~P416と各行動の実行状況のレベルおよびカテゴリのレベルとを示す表示P421~P426と決定ボタンP47とを含む。図27では、各施策を「作戦」として表している。
各施策の選択ボックスP411~P416は、候補リストの上位であるほど、選択されやすくなるように配置される。例えば、上位の施策の選択ボックスほど、施策を示す文字が大きくなり、施策を示す文字が太字や目立つ色など強調された態様で表示されたり、画面上部または画面中央に表示されたりすることが好ましい。また、下位の施策の選択ボッ
クスほど、施策を示す文字が小さくなり、施策を示す文字が細字や目立たない色など強調されていない態様で表示されたり、画面下部または画面の端部付近に表示されたりすることが好ましい。また、肌サポートアプリ35aは、候補リストの合計値が所定の値以上である施策を表示しなかったり、合計値が大きくなるほどランダムに合計値が小さい施策よりも低頻度で表示されるようにしてもよい。
各行動の実行状況のレベルおよびカテゴリのレベルとを示す表示P421~P426は、推薦された施策に関連付けられた行動の現在のレベルと、施策実行時の行動のレベルと、当該行動のカテゴリの現在のレベルと、施策実行時の行動のカテゴリのレベルとを含む。例えば、施策「1日5時間以上睡眠」に対応する表示P421は、行動「睡眠」の現在のレベル「0」と施策実行時の行動「睡眠」のレベル「1」と、当該行動のカテゴリ「生活」の現在のレベル「0」と、施策実行時の行動のカテゴリ「生活」のレベル「1」とを含む。表示P421~P426は、推薦された施策に関連付けられた行動の現在のレベルと、施策実行時の行動のレベルと、当該行動のカテゴリの現在のレベルと、施策実行時の行動のカテゴリのレベルとの一部のみを含んでもよいし、他の情報を含んでもよい。また、表示P421~P426は、グラフまたは図形等で表示されてもよいし、表示が省略されてもよい。
なお、ユーザUaの睡眠時間が1日5時間未満である場合(より正確には、肌サポートサーバ10が、ユーザUaの睡眠時間が1日5時間以上であると認識できなかった場合)の施策「1日5時間以上睡眠」が、本発明の「行動の実行度合いを増加させた施策」に相当する。また、例えば、ユーザUaの喫煙本数が1日16本以上であるときの行動「喫煙」の「1日15本以内」という施策が、本発明の「行動の実行度合いを減少させた施策」に相当する。なお、施策認識部22は、上述したように、図22のようなテーブルを参照して、行動の実行の度合いを増加または減少させた施策を認識することに代えてまたは加えて、現在のユーザUaの行動の実行の度合いをそれぞれの行動の種別から定まる所定の度合いだけ増加または減少させた施策を認識してもよい。また、施策認識部22は、ユーザUaの行動履歴に基づいて、ユーザUaおよび目標達成の観点から適切な行動の実行の度合いを認識し、当該行動の実行の度合いの施策を行動の実行の度合いを増加または減少させた施策として認識してもよい。
図19DのSTEP125において、肌サポートアプリ35aは、タッチパネル32を介して検知されたユーザUaの押圧操作に応じて、選択された(選択ボックスにチェックがつけられた)施策を認識する。
図19DのSTEP126において、肌サポートアプリ35aは、タッチパネル32を介して決定ボタンP47の押圧操作を検知すると、選択された施策を肌サポートサーバ10に送信する。肌サポートサーバ10は、受信した施策をスケジュールに反映させるように修正し、サポートDB20に記憶する。
(変形態様)
ユーザ端末30が、肌サポートサーバ10の一部または全部の処理を実行してもよい。この場合、演算処理に必要なデータがユーザ端末30に記憶されてもよいし、ユーザ端末30が適当なサーバから適宜演算処理に必要なデータをダウンロードしてもよい。
また、レベル認識部21は、歩数計、睡眠の深さセンサ、目覚めの時刻センサなどの生活情報収集装置等からユーザUaの行動を示すデータを収集してもよい。
生活情報収集装置は、例えば、スマートフォンのようにユーザUaにより携帯される装置であってもよいし、スマートウォッチのようにユーザUaに装着される装置であってもよい。これらの装置から、インターネットなどのネットワークを介して肌サポートサーバ10にユーザUaの識別情報とともに各データが送信されてもよいし、これらの装置からUSB接続などでユーザUaのユーザ端末30aにデータが送信され、ユーザ端末30aでユーザUaの識別情報ともに各データが肌サポートサーバ10に送信されてもよい。ユーザ端末30aに測定用のアプリケーションがインストールがされることでこれらのデータが収集されてもよい。
また、本発明者らの検討によれば、肌の細胞の撮像画像である肌細胞画像データ、肌の撮像画像である肌画像データ、舌の撮像画像である舌画像データから、ユーザの飲酒などの習慣的な行動の少なくとも1つに関する項目の値を高精度に推定できることが分かった。
これを利用して、肌サポートサーバ10は、ユーザUaの肌細胞画像データ、肌画像データ、舌画像データのうち少なくとも1つを認識する画像データ認識部を備え、レベル認識部21は、入力フォームに入力された各情報に加えてまたは代えて、ユーザUaの肌細胞画像データ、肌画像データ及び舌画像データのうち少なくとも1つに基づいて、ユーザUaの行動の実行状況のレベルを行動の種別ごとに認識してもよい。
より具体的には、レベル認識部21は、あらかじめ収集された複数の人の肌細胞画像データ及び肌細胞データの少なくとも一方と、複数の人それぞれの行動の実行状況のレベルとを教師データとして、機械学習により、線形推測式又は畳込みニューラルネットワークなどのモデルを構築する。
ここで、肌細胞画像データは、例えば、角質採取テープによって採取された細胞を拡大して撮像した画像データであってもよいし、角質染色液又はメラニン染色液などの薬剤による処理後の細胞を撮像した画像データであってもよい。
例えば、肌サポートサーバ10に設けられた撮像部が肌細胞を撮像してもよいし、スマートフォン等のカメラが撮像した肌細胞の画像データを肌サポートサーバ10がスマートフォン等から受信してもよい。
また、肌画像データは、スマートフォンなどで人の顔又は腕の肌を撮像した画像であってもよい。例えば、肌サポートサーバ10に設けられた撮像部が肌を撮像してもよいし、スマートフォン等のカメラが撮像した肌の画像データを肌サポートサーバ10がスマートフォン等から受信してもよい。
また、肌画像データは、スマートフォンなどで人の顔又は腕の舌を撮像した画像であってもよい。例えば、肌サポートサーバ10に設けられた撮像部が舌を撮像してもよいし、スマートフォン等のカメラが撮像した舌の画像データを肌サポートサーバ10がスマートフォン等から受信してもよい。
複数の人それぞれの行動の実行状況のレベルは、例えば、当該複数の人からのヒアリングされたものであってもよい。歩数計、睡眠の深さセンサ、目覚めの時刻センサなどの生活情報収集装置等から複数の人それぞれの行動の実行状況のレベルを示すデータが収集されてもよい。
また、肌サポートサーバ10に設けられた画像データ認識部は、ユーザUaの角質採取テープ37aで採取された細胞の撮像画像である肌細胞画像データ、ユーザUaの肌の撮像画像である肌画像データ及びユーザUaの舌の撮像画像である舌画像データを認識する。
画像データ認識部は、肌サポートサーバ10に設けられた撮像部が撮像した、ユーザUaの角質採取テープ37aで採取されたユーザUaの肌細胞の画像データを取得してもよい。これに加えてまたは代えて、画像データ認識部は、ユーザ端末30aのカメラ33aが撮像した、ユーザUaの角質採取テープ37aで採取されたユーザUaの肌細胞の画像データをユーザ端末30aから受信してもよい。
また、画像データ認識部は、肌サポートサーバ10に設けられた撮像部が撮像したユーザUaの肌の画像データを取得してもよい。これに代えてまたは加えて、画像データ認識部は、ユーザ端末30aのカメラ33aが撮像した肌の画像データをユーザ端末30aから受信してもよい。
また、画像データ認識部は、肌サポートサーバ10に設けられた撮像部が撮像したユーザUaの舌の画像データを取得してもよい。これに代えてまたは加えて、画像データ認識部は、ユーザ端末30aのカメラ33aが撮像した舌の画像データをユーザ端末30aから受信してもよい。
レベル認識部21は、上述したようにして構築したモデルに、ユーザUaの肌細胞画像データ、肌画像データ及び舌画像データのうち少なくとも1つを入力し、出力された値を取得する。そして、レベル認識部21は、当該取得した値に基づいて行動の実行状況のレベルを行動の種別ごとに認識してもよい。