JP7050855B2 - 焼き菓子の製造方法 - Google Patents
焼き菓子の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7050855B2 JP7050855B2 JP2020093713A JP2020093713A JP7050855B2 JP 7050855 B2 JP7050855 B2 JP 7050855B2 JP 2020093713 A JP2020093713 A JP 2020093713A JP 2020093713 A JP2020093713 A JP 2020093713A JP 7050855 B2 JP7050855 B2 JP 7050855B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil
- mixed
- fat
- baked confectionery
- raw material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Description
分散工程では、焼き菓子の原料のうち、油脂以外の原料のうち少なくとも一部の原料(以下、「分散原料」という)を油脂に分散させる。分散工程では、分散原料が油脂に分散した分散物(以下、「油脂分散物」という)を得る。
分散工程において、分散原料を油脂に分散させる方法は、特に限定されず、製造する焼き菓子の種類、用途等に適するように、分散原料を油脂中に十分に分散させることができればよい。油脂の種類、分散原料の種類、油脂と分散原料との重量比等に応じて、当技術分野で従来公知の方法を適宜採用すればよい。例えば、ハンドホイッパー等の従来公知の撹拌機を用いて、分散原料を油脂に分散させればよい。撹拌機を用いる分散方法において、油脂と分散原料とを同時に撹拌機に導入してもよいし、それぞれを順々に撹拌機に導入してもよい。また、撹拌機を用いる分散方法において、油脂と分散原料との全量を一度に機器に導入してもよいし、少量を連続的に機器に導入してもよい。
分散原料は、原料のうち油脂以外の原料であればよい。分散工程において予め分散原料を油脂に分散させることにより、分散原料を含む全ての原料を一度に混合する方法に比べて、後述する混合工程において得られる混合生地中に、分散原料を均一に分散することができる。そのため、焼成工程において得られる焼き菓子中に、分散原料を均一に分散させることができる。分散原料としては、例えば、無機塩が挙げられる。また、本発明の一態様に係る製造方法は、特に、他の原料と混合したときに分散しにくい分散原料を含む焼き菓子の製造に効果的である。当該分散しにくい分散原料は、他の原料と混合したときに分散しにくい無機塩であってもよく、当該分散しにくい無機塩は、例えば、マグネシウム等のミネラルを含む成分が挙げられる。さらに、当該成分としては、例えば、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム等のマグネシウム化合物が挙げられる。中でも、味及びpHへの影響が小さい観点から、炭酸マグネシウムであることが好ましい。マグネシウムは、生体に不足しがちな栄養素の一つである。そのため、喫食者は、マグネシウムを含む焼き菓子を喫食することにより、手軽にマグネシウムを摂取することができる。また、マグネシウムは、カルシウムと同時に摂取することで、カルシウムの吸収を促進する効果を有する。カルシウムは、例えばアイスクリーム等の乳製品に多く含まれている。そのため、焼き菓子と、焼き菓子と好適な相性を有する乳製品と同時に摂取することにより、当該乳製品に含まれるカルシウムの吸収を促進することができる。
油脂は、分散原料を油脂に分散させる観点から、分散工程を実施する温度において液体状の油脂であることが好ましい。油脂は、食用油脂であればよく、植物油脂であっても、動物油脂であっても、植物油脂及び動物油脂の少なくとも一方を加工した加工油脂であってもよい。植物油脂としては、例えば、大豆油、ナタネ油、コーン油、サラダ油、ゴマ油、米油、紅花油、パーム油、パーム核油、錦実油、ひまわり油、エゴマ油、亜麻仁油、オリーブ油、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、アボカドオイル、ヘーゼルナッツオイル、ウォルナッツオイル、グレープシードオイル、マスタードオイル等が挙げられる。動物油脂としては、例えば、魚油、ラード、牛脂等が挙げられる。加工油脂は、植物油脂及び動物油脂の少なくとも一方を、例えば、水素添加、エステル交換、乳化、及び分別等の加工した油脂である。分散工程で用いる油脂は、1種類の油脂を用いてもよいし、2種類以上の油脂を組み合わせて用いてもよい。
混合工程では、少なくとも一部の原料(分散原料)が分散している油脂(油脂分散物)と焼き菓子の他の原料(以下、「混合原料」という)の少なくとも一部とを混合し混合生地を得る。混合工程では、油脂分散物と混合原料の少なくとも一部とを混合し、分散原料が均一に分散した混合生地を得る。
混合工程において、油脂分散物と混合原料とを混合する方法としては、当技術分野で従来公知の方法を適宜採用すればよい。例えば、撹拌機を用いて、油脂分散物と、混合原料とを混合すればよい。混合工程では、全ての混合原料を予め混合してから油脂分散物と混合してもよいし、全ての混合原料と油脂分散物とを一度に混合してもよく、混合原料を複数回に分けて油脂分散物と混合してもよい。また、分散工程を行なった容器であって油脂分散物が入っている容器に対して、混合原料を添加してもよく、混合工程を行なうための容器であって混合原料が予め入っている容器に油脂分散物を加えてもよい。
混合原料は、油脂分散物以外の焼き菓子の原料である。混合原料は、食品として許容される原料であれば、特に限定されない。混合原料は、小麦粉、澱粉、砂糖、風味料、着色料、及び水からなる群より選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましい。
焼成工程では、混合生地を焼成して、焼き菓子を得る。
<焼き菓子の作製>
各実施例、比較例、及び参考例のコーンカップを以下のように作製した。
表1に示す配合率で、混合油脂(植物油脂に乳化剤が混合されたもの)及び炭酸マグネシウムを、ハンドホイッパーを使用し混合して、炭酸マグネシウムを混合油脂に分散させて、油脂分散物を得た。次いで、小麦粉(澱粉も混合した。以下、「小麦粉等」という。)、砂糖、その他の原料(風味原料等)、並びに水を混合した後、得られた油脂分散物を加えて撹拌機で6.5分間混合し、混合生地を得た。円錐状のコーンカップ1個分の容積が18mlである成形用金型に、コーンカップ1個分につき混合生地を6.5g注入した。混合生地を注入した成形用金型を180℃に加熱し、120秒間混合生地を焼成して、実施例1のコーンカップを得た。実施例1のコーンカップは10万個以上作製した。なお、焼成するまでの一連の工程(分散工程及び混合工程)は常温で行なった。
表1に示す配合率で、混合油脂及び炭酸マグネシウムを、ホイッパー(泡だて器)を使用し混合して、炭酸マグネシウムを混合油脂に分散させて、油脂分散物を得た。砂糖、実施例1と同じ種類のその他の原料(風味原料等)を、ホイッパー(泡だて器)で0.5分間混合して、粉体混合物を得た。粉体混合物に小麦粉等、得られた油脂分散物、及び水を混合した後、ホイッパー(泡だて器)で3分間混合し、混合生地を得た。円錐状のコーンカップ1個分の容積が18mlである成形用金型に、コーンカップ1個分につき混合生地を6.5g注入した。混合生地を注入した成形用金型を190℃に加熱し、90秒間混合生地を焼成して、実施例2のコーンカップを得た。なお、焼成するまでの一連の工程は常温で行なった。
表1に示す配合率にして混合生地を得た以外は実施例2と同様にして、実施例3のコーンカップを作製した。
表1に示す配合率で、常温において、砂糖、実施例1と同じ種類のその他の原料(風味原料等)、炭酸マグネシウム、水を撹拌機で混合した。次いで、小麦粉等を加え、混合した。最後に混合油脂を加えて、混合して、混合生地を得た。円錐状のコーンカップ1個分の容積が18mlである成形用金型に、コーンカップ1個分につき混合生地を6.5g注入した。混合生地を注入した成形用金型を180℃に加熱し、120秒間混合生地を焼成して、比較例1のコーンカップを得た。比較例1のコーンカップは10万個以上作製した。なお、焼成するまでの一連の工程(分散工程及び混合工程)は常温で行なった。
表1に示す配合率で、砂糖、炭酸マグネシウム、実施例1と同じ種類のその他の原料(風味原料等)を、ホイッパー(泡だて器)で0.5分間混合して、粉体混合物を得た。小麦粉等、混合油脂及び水を混合した後、得られた粉体混合物を加えてホイッパー(泡だて器)で3分間混合し、混合生地を得た。円錐状のコーンカップ1個分の容積が18mlである成形用金型に、コーンカップ1個分につき混合生地を6.5g注入した。混合生地を注入した成形用金型を190℃に加熱し、90秒間混合生地を焼成して、比較例2のコーンカップを得た。なお、焼成するまでの一連の工程は常温で行なった。
表1に示す配合率にして混合生地を得た以外は比較例2と同様にして、比較例3のコーンカップを作製した。
参考例1において、表1に示す配合量にした以外は比較例1と同様にして、炭酸マグネシウムが含まれていない基準コーンカップを作製した。参考例1のコーンカップは10万個以上作製した。
実施例1及び比較例1のそれぞれについて、製造した個数に対する、形状が成型用金型の形状と一致せず製品として使用できない個数の割合(以下、「ロス率」という。)を算出した。参考例1でも同様の割合(以下、本評価において「基準値」という。)を算出した。
〇:ロス率が基準値以下。
×:ロス率が基準値を上回る。
実施例1及び比較例1において作製したコーンカップのうち、形状が成形用金型の形状と一致したコーンカップの重量を測定し、平均値を算出した。基準値は、当初想定されていた重量基準の中心値とした。また、基準値から+0.09gを上限、-0.20gを下限とした範囲を適性範囲とした。具体的には、基準値は2.40gとして、適正範囲は2.20g~2.49gとした。
適正:重量が適正範囲内である。
重い:重量が適正範囲よりも大きい。
軽い:重量が適正範囲よりも小さい。
実施例1及び比較例1における、形状が成形用金型の形状と一致したコーンカップの強度を、FUDOH RHEO METER RT-3010D-CWを用いて測定した。円錐状のコーンカップを台の上に置き、上からプランジャーを降下させて測定した。測定条件は、感度は10kg、測定プランジャー速度は5cm/分であった。プランジャーはSUS φ20mm円形を用いた。記録された最大強度を測定値とした。
適正:コーンカップを資材として使用する際に表面剥離が発生しうる強度よりも高い強度(1.3kg・f以上)である。
低い:コーンカップを資材として使用する際に表面剥離が発生しうる強度(1.3kg・f未満)である。
実施例1及び比較例1における、成形性の安定性、重量、及び強度の結果から、製品品質の安定性を評価した。
○:成形性の安定性、重量、強度を総合的に評価して製品の品質として適している。
×:成形性の安定性、重量、強度を総合評価して製品の品質として適していない。
実施例1及び比較例1の評価結果を表2に示す。
また、実施例2、3及び比較例2、3における、コーン開口部側に成形不良が生じているものを除いたコーンカップの重量を測定した。重量は、コーン開口部側に成形不良が生じているものを除いたコーンカップ30個の重量の平均値とした。加えて、混合生地の配合量が同じである実施例及び比較例について、コーンカップの重量の差を算出した。
実施例2、3及び比較例2、3の結果を表3に示す。
Claims (2)
- 焼き菓子の製造方法であって、
前記焼き菓子の原料のうち、油脂以外の原料のうち炭酸マグネシウムを前記油脂に分散させる分散工程と、
炭酸マグネシウムが分散している前記油脂と、前記焼き菓子の他の原料の少なくとも一部とを混合し、混合生地を得る混合工程と、
前記混合生地を焼成して、前記焼き菓子を得る焼成工程と、
を含み、
前記分散工程において、前記油脂に対する炭酸マグネシウムの量が50重量%以下である、焼き菓子の製造方法。 - 前記焼成工程において、成形用金型に供給された前記混合生地を焼成することで得られる前記焼き菓子が成形焼き菓子である、請求項1に記載の焼き菓子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020093713A JP7050855B2 (ja) | 2020-05-28 | 2020-05-28 | 焼き菓子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020093713A JP7050855B2 (ja) | 2020-05-28 | 2020-05-28 | 焼き菓子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021185811A JP2021185811A (ja) | 2021-12-13 |
JP7050855B2 true JP7050855B2 (ja) | 2022-04-08 |
Family
ID=78849894
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020093713A Active JP7050855B2 (ja) | 2020-05-28 | 2020-05-28 | 焼き菓子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7050855B2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001218550A (ja) | 1999-12-01 | 2001-08-14 | Ajinomoto Co Inc | 食用油脂代替物 |
JP5655138B2 (ja) | 2010-06-22 | 2015-01-14 | ゼットティーイー コーポレイション | S1ハンドオーバ方法、s1ハンドオーバのデータ伝送方法及び移動通信システム |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6356249A (ja) * | 1986-08-26 | 1988-03-10 | Nippon Oil & Fats Co Ltd | 練込用離型油 |
JPH0292229A (ja) * | 1988-09-26 | 1990-04-03 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | ケーキ類の製造方法 |
-
2020
- 2020-05-28 JP JP2020093713A patent/JP7050855B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001218550A (ja) | 1999-12-01 | 2001-08-14 | Ajinomoto Co Inc | 食用油脂代替物 |
JP5655138B2 (ja) | 2010-06-22 | 2015-01-14 | ゼットティーイー コーポレイション | S1ハンドオーバ方法、s1ハンドオーバのデータ伝送方法及び移動通信システム |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
調理科学,1993年,Vol. 26, No. 2,pp. 191-195 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021185811A (ja) | 2021-12-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN109007193B (zh) | 一种烘焙巧克力酱及其制作方法 | |
RU2385563C1 (ru) | Способ приготовления мучного кондитерского изделия вида кексов и мучное кондитерское изделие на его основе | |
JP6746203B2 (ja) | ベーカリー用可塑性油中水型乳化油脂組成物 | |
RU2535731C1 (ru) | Пряники с облепиховым шротом | |
CN115666268A (zh) | 提升饮食品所具有的风味的持久性的方法 | |
JP7050855B2 (ja) | 焼き菓子の製造方法 | |
JP2017148068A (ja) | 冷感が付与された食品 | |
RU2689715C1 (ru) | Способ приготовления диетического заварного полуфабриката | |
JP7007051B2 (ja) | タルト用油脂組成物 | |
JP2003199536A (ja) | 起泡組成物の製造方法および焼成菓子の製造方法 | |
AU2017423797B2 (en) | Rotary molded food product and methods of making | |
JP2017018018A (ja) | 可塑性油脂組成物及び該可塑性油脂組成物を使用してなる練りパイ生地 | |
JP7451045B2 (ja) | 巻きパンの製造方法 | |
JP4930244B2 (ja) | ビンガム流動組成物 | |
RU2548197C1 (ru) | Состав для производства пряников функционального назначения | |
JP7090408B2 (ja) | 食用油脂および該食用油脂を含む食品 | |
JP2007228874A (ja) | 加水調理食品用原料およびその製造法 | |
JP6321994B2 (ja) | 調味済みパンの製造方法およびその方法により製造した調味済みパン | |
JP7294853B2 (ja) | 焼菓子の製造方法 | |
JP5496808B2 (ja) | 焼き菓子用生地及びその製造方法 | |
JP6845075B2 (ja) | ベーカリー用小片状油脂組成物 | |
TW202200019A (zh) | 餅乾用之可塑性油脂組成物 | |
JP2023127277A (ja) | ベイキング用油脂組成物、ベーカリー生地、ベーカリー食品、及びフィリングの存在感向上方法 | |
JP6335764B2 (ja) | トースト用油脂食品 | |
JP2004073120A (ja) | ベーカリー食品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200610 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210817 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20211005 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220322 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220329 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7050855 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |