第1の実施の形態
<画像形成装置の構成>
第1の実施の形態における画像形成装置1について説明する。図1は、第1の実施の形態の画像形成装置1を示す図である。画像形成装置1は、電子写真法を用いてカラー画像を形成するプリンタ(すなわちカラー電子写真プリンタ)である。
画像形成装置1は、媒体としての用紙Pを供給する媒体供給部7Aと、媒体供給部7Aから供給された用紙Pにトナー像(現像剤像)を形成する画像形成部5と、用紙Pにトナー像を定着する定着装置9と、トナー像が定着した用紙Pを排出する媒体排出部7Bとを有する。
媒体供給部7Aは、積層状態の用紙Pを収容するトレイ70と、トレイ70に収容された用紙Pを繰り出すピックアップローラ71と、繰り出された用紙Pを一枚ずつ分離して搬送路に送り出すフィードローラ72および分離片73と、搬送路に送り出された用紙Pを画像形成部5まで搬送する2組の搬送ローラ対74,75とを有する。
画像形成部5は、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)のトナー像を形成する4つのプロセスユニット10K,10Y,10M,10Cと、トナー像を用紙の表面にクーロン力により転写する転写ユニット8とを備える。
プロセスユニット10K,10Y,10M,10Cは、用紙Pの搬送方向の上流側から下流側にかけて(図中右から左に)順に配設されている。プロセスユニット10K,10Y,10M,10Cの感光体ドラム11(後述)に対向するように、露光装置としての印刷ヘッド13K,13Y,13M,13Cが配置されている。
プロセスユニット10K,10Y,10M,10Cは、特に区別する必要がない場合には、プロセスユニット(画像形成ユニット)10と称する。同様に、印刷ヘッド13K,13Y,13M,13Cは、特に区別する必要がない場合には、印刷ヘッド13と称する。
図2は、プロセスユニット10の内部構造を示す断面図である。図3は、プロセスユニット10の外観を示す斜視図である。プロセスユニット10は、像担持体としての感光体ドラム11を有する。感光体ドラム11は、表面に感光層を備える円筒状の部材であり、駆動モータ219(図14)により一方向(矢印dで示す)に回転する。
感光体ドラム11の周囲には、感光体ドラム11の回転方向に沿って、帯電部材としての帯電ローラ12と、露光装置としての印刷ヘッド13と、現像部14と、クリーニング部18とが配置されている。
帯電ローラ12は、感光体ドラム11に接触するように配置され、感光体ドラム11に追従して回転する。帯電ローラ12は、帯電電圧電源208(図14)から帯電電圧を印加され、感光体ドラム11の表面を一様に帯電させる。
印刷ヘッド13は、例えば、LED(発光ダイオード)および駆動回路が実装された基板と、レンズアレイとを有し、LEDの出射光が感光体ドラム11の表面に集光する位置に配置されている。印刷ヘッド13が感光体ドラム11の表面を露光することにより、感光体ドラム11の露光部分の電荷が減衰し、静電潜像が形成される。
現像部14は、現像剤として非磁性一成分トナーを用い、静電潜像を現像する部分である。現像部14は、感光体ドラム11に当接するように配置された現像剤担持体としての現像ローラ15と、現像ローラ15に当接または対向するように配置された供給部材としての供給ローラ16と、現像ローラ15に押し当てられた現像ブレード17とを有する。
現像ローラ15は、現像電圧電源209(図14)から、感光体ドラム11の帯電極性と同極性(例えば負極性)の現像電圧を印加され、トナーを感光体ドラム11の露光部分に付着させる。供給ローラ16は、供給電圧電源210(図14)から供給電圧を印加され、現像ローラ15にトナーを供給する。現像ブレード17は、現像ローラ15の表面のトナー層の厚さを規制する。クリーニング部18は、例えばクリーニングブレードを有し、感光体ドラム11の表面の残存トナーを除去する。
ここでは、感光体ドラム11と、帯電ローラ12と、現像部14と、クリーニング部18とが、画像形成ユニットとしてのプロセスユニット10を構成している。プロセスユニット10は、後述するトナーカートリッジ3も含む。プロセスユニット10は、画像形成装置1の本体に着脱可能に取り付けられている。なお、このような構成に限らず、例えば、現像部14を画像形成装置1の本体に固定してもよく、あるいは、現像部14のみで着脱可能なカートリッジを構成してもよい。
図1に戻り、転写ユニット8は、用紙Pを搬送する転写ベルト82と、転写ベルト82を介して各プロセスユニット10の感光体ドラム11に対向する4つの転写ローラ81と、転写ベルト82を駆動する駆動ローラ83と、転写ベルト82に張力を付与するテンションローラ84とを有する。
各転写ローラ81には、転写電圧電源211(図14)から、トナーの帯電極性とは逆極性の電圧を印加される。これにより、各感光体ドラム11に形成された各色のトナー像が用紙Pに転写される。駆動ローラ83は、ベルトモータ220(図14)によって回転し、転写ベルト82を図中矢印Bで示す方向に走行させる。
定着装置9は、例えば、定着ローラ91と、この定着ローラ91に押圧される加圧ローラ92とを有する。定着ローラ91は、熱源としてヒータ221(図14)を内蔵し、また、定着モータ223(図14)によって回転する。定着ローラ91および加圧ローラ92は、用紙Pに転写されたトナー像に熱と圧力を加え、用紙Pに定着する。
媒体排出部7Bは、定着装置9を通過した用紙Pを搬送する2組の排出ローラ対77,78を有し、定着が完了した用紙Pを排出する。排出ローラ対77,78は、上述した定着モータ223(図14)からの回転伝達によって回転する。画像形成装置1の上部カバーには、媒体排出部7Bによって排出された用紙Pを積載するスタッカ部79が設けられている。
図1において、用紙Pがプロセスユニット10K,10Y,10M,10Cを通過する際の移動方向をY方向とし、感光体ドラム11の回転軸の方向をX方向とする。X方向は、用紙Pの幅方向と同じである。Y方向については、用紙Pがプロセスユニット10K,10Y,10M,10Cを通過する際の移動方向を+Y方向とし、その反対方向を-Y方向とする。X方向とY方向の両方に直交する方向を、Z方向とする。ここでは、Z方向は鉛直方向とする。
<プロセスユニットの構成>
次に、プロセスユニット10の具体的な構成について説明する。図2に示すように、プロセスユニット10は、ユニット本体2と、このユニット本体2に着脱可能に装着されたトナーカートリッジ3とを有する。ユニット本体2は、上述した感光体ドラム11、帯電ローラ12、現像部14およびクリーニング部18を収容する本体フレーム20を有する。
現像剤収容体としてのトナーカートリッジ3は、収容部としてのアウタケース30と、アウタケース30の内側に配置された開閉部材としてのシャッタ40とを有する。アウタケース30は、未使用のトナー(図2に符号Tで示す)を収容するトナー収容室301と、廃トナーを収容する廃トナー収容室302とを有する。
アウタケース30は、その底部に、トナーを排出する(すなわち現像部14に供給する)排出部としてのトナー供給口36を有する。シャッタ40は、アウタケース30の内側に回転可能に設けられた略円筒状の部材であり、上方に開放部分を有する。シャッタ40は、トナー供給口36と略同形状の開口部46を有する。また、アウタケース30には、トナーを撹拌する可動部としての撹拌バー39が設けられている。
図3は、プロセスユニット10の外観を示す斜視図である。ユニット本体2の本体フレーム20は、X方向に長い筐体であり、+X方向の端部にサイドフレーム21を有し、-X方向の端部にサイドフレーム22を有する。
トナーカートリッジ3のアウタケース30は、X方向に長い容器であり、+X方向の端部に側板31を有し、-X方向の端部に側板32を有する。側板32には、サイドカバー33が取り付けられている。
図4(A)および(B)は、シャッタ40がトナー供給口36を閉鎖している状態と開放している状態をそれぞれ示すプロセスユニット10の断面図である。シャッタ40は、アウタケース30の内側で、X方向の回転軸Cを中心として回転可能に支持されている。
図4(A)に示すように、シャッタ40の開口部46がトナー供給口36とずれた位置にあるときには、トナー供給口36が閉鎖される。一方、図4(B)に示すように、シャッタ40の開口部46がトナー供給口36と重なり合った位置にあるときには、トナー供給口36が開放される。これにより、トナーがトナー供給口36(および開口部46)から排出され、ユニット本体2のトナー受入口20aを通って現像部14に供給される。
図5(A)は、トナーカートリッジ3を示す斜視図である。図5(B)は、トナーカートリッジ3を、操作レバー50を取り外して示す斜視図である。図5(B)に示すように、シャッタ40は、アウタケース30の側板31から+X方向に突出している。シャッタ40の突出部分には、シャッタ40を回転させるための操作レバー50が取り付けられている。すなわち、図5(A)に示すように、シャッタ40は、アウタケース30および操作レバー50によって覆われている。
操作レバー50は、シャッタ40の外周に取り付けられた略円筒状の部材であり、シャッタ40の回転軸Cと同軸の回転軸を中心として回転可能である。なお、アウタケース30の底部34は、操作レバー50の一部(図7に示すロック部58を含む部分)を覆うように延在している。
操作レバー50の外周には、径方向外側に突出するカバー部51が形成されている。カバー部51は、操作レバー50の回転軸Cを中心とする扇形に形成されている。また、カバー部51の周方向の一端には、ユーザが指を掛けるグリップ部52が形成されている。
カバー部51の+X方向の端面には、挿通孔55および検知窓56が形成されている。挿通孔55は、後述する解除レバー26が挿入される穴である。検知窓56は、ユーザが後述する規制部材65を視認するための穴である。
また、操作レバー50には、ユニット本体2に設けられたリブ24(図6)を通過させる溝53と、リブ24に係合する円弧状の係合片54とが形成されている。
図6は、ユニット本体2の本体フレーム20の一部を示す斜視図である。本体フレーム20には、トナーカートリッジ3を装着するカートリッジ装着部23が形成されている。カートリッジ装着部23は、トナーカートリッジ3の底部(すなわちアウタケース30の底部)に沿った凹形状部を有する。
カートリッジ装着部23には、トナーカートリッジ3のトナー供給口36から排出されたトナーを受けるトナー受入口20aが形成されている。カートリッジ装着部23の+X方向の端部には、上述した操作レバー50の溝53および係合片54(図5(A))に係合するリブ24が形成されている。また、カートリッジ装着部23の底部には、凸部であるロック解除部25が形成されている。
画像形成装置1(図1)の本体には、移動部材としての解除レバー26が配置されている。解除レバー26は、操作レバー50が後述する開位置(図11(A))にあるときに、操作レバー50の挿通孔55に対向するように配置されている。解除レバー26は、アクチュエータとしてのソレノイド27の先端に取り付けられている。
図7は、トナーカートリッジ3の操作レバー50を含む部分を示す断面図である。操作レバー50は、後述するように解除レバー26が動作するまでは、シャッタ40と共に回転する。図7に示す状態は、アウタケース30のトナー供給口36がシャッタ40によって閉鎖された状態(図4(A)および図5(A)、(B))に対応する。
操作レバー50は、カートリッジ装着部23に対向する部分(図7における下部)に、片持ち梁部57を有する。片持ち梁部57は、矢印R1で示す操作レバー50の回転方向に延在し、その先端にロック部58を有する。
ロック部58は、アウタケース30の底部34に形成されたロック溝35に係合している。ロック部58がロック溝35の端縁38に当接することにより、操作レバー50の矢印R1で示す方向の回転がロックされる。すなわち、操作レバー50は、シャッタ40がトナー供給口36を閉鎖する位置(閉位置)でロックされる。
ロック部58は、カートリッジ装着部23のロック解除部25(図6)に当接する当接面58aを有する。当接面58aがロック解除部25に当接すると、片持ち梁部57が操作レバー50の内周側に撓み、ロック部58がロック溝35から抜け出る。これにより、操作レバー50のロックが解除される。すなわち、操作レバー50は、R1方向に回転可能となる。
操作レバー50がR1方向に回転すると、(後述するように解除レバー26が動作していない限り)シャッタ40がR1方向に回転し、トナー供給口36を開放する位置(開位置)に到達する。これにより、現像部14へのトナー供給が可能になる。
操作レバー50のロック部58と略反対側(図中上側)には、上述したカバー部51が形成されている。カバー部51は、周方向に相対する一対の壁部51a,51bと、壁部51a,51bの径方向外側の端部を連結する円弧状の壁部51cとを有する。このカバー部51の内側に、以下で説明する回転伝達機構が配置されている。
<回転伝達機構の構成>
次に、操作レバー50の回転をシャッタ40に伝達する回転伝達機構について説明する。図8(A)は、シャッタ40および回転伝達機構を示す斜視図である。図8(B)は、図8(A)に矢印8Bで示した方向から見た図である。
以下の説明では、操作レバー50の回転軸C(すなわちシャッタ40の回転軸)を中心とする周方向を、単に周方向と称する。また、シャッタ40を閉位置から開位置に回転させる際の操作レバー50の回転方向を、R1方向(第1方向)とし、シャッタ40を開位置から閉位置に回転させる際の操作レバー50の回転方向を、R2方向(第2方向)とする。また、操作レバー50の回転軸Cを中心とする径方向を、単に径方向(矢印Dで示す)と称する。
図8(A)および(B)に示すように、シャッタ40の外周面には、操作レバー50からの力を受ける第1受け部41および第2受け部42が形成されている。第1受け部41と第2受け部42とは、周方向およびX方向(軸方向)において、互いにずれた位置に配置されている。
より具体的には、第1受け部41は、第2受け部42に対してR1方向に距離をあけて配置されている。第2受け部42は、シャッタ40の+X方向の端部に配置され、第1受け部41は、第2受け部42から-X方向に距離をあけて配置されている。また、第2受け部42のX方向の長さは、第1受け部41のX方向の長さよりも長い。
これら第1受け部41および第2受け部42の両方に当接可能に、係合部材(移動体)60が配置されている。係合部材60は、操作レバー50のカバー部51(図7)によって支持され、シャッタ40の外周面に当接している。
係合部材60は、操作レバー50に対して、X方向に相対移動可能に、且つ、周方向および径方向には相対移動不能に取り付けられている。また、係合部材60の-X方向に隣接して、係合部材60を+X方向に付勢する第1付勢部材としての第1バネ63が設けられている。
図9(A)は、係合部材60の形状を示す模式図である。係合部材60は、-X方向を向く第1面60aと、+X方向を向く第2面60bとを有する略平板状の部材である。第1面60aには、上述した第1バネ63が当接する。
係合部材60の径方向内側(図中下側)には、第1面60aから-X方向に突出する第1作用部61と、第2面60bから+X方向に突出する第2作用部62とが形成されている。また、第1作用部61に対してR1方向に隣接して、第1面60aよりも+X方向に窪んだ退避部(窪み部)60dが形成されている。第1作用部61は、退避部60dから-X方向に突出する部分も含む。
第1作用部61は、係合部材60の周方向中心に対してR2方向に位置し、第2作用部62は、係合部材60の周方向中心に対してR1方向に位置する。また、第2作用部62のX方向の長さは、第1作用部61のX方向の長さよりも長い。
係合部材60の第1作用部61のR1方向には、上述した第1受け部41(破線で示す)が位置し、第2作用部62のR2方向には、上述した第2受け部42(破線で示す)が位置する。
第1作用部61は、第1受け部41にR1方向に当接しているか、所定の隙間を開けて対向している。同様に、第2作用部62は、第2受け部42にR2方向に当接しているか、所定の隙間を開けて対向している。
そのため、係合部材60がR1方向に移動すると、第1作用部61が第1受け部41に当接し、シャッタ40にR1方向の力が加わる。また、係合部材60がR2方向に移動すると、第2作用部62が第2受け部42に当接し、シャッタ40にR2方向の力が加わる。
また、係合部材60の径方向外側の端部(図中上端部)には、支持板60cが形成されている。支持板60cの周方向の長さは、係合部材60の他の部分よりも長い。
図9(B)は、係合部材60の支持構造の一例を示す模式図である。操作レバー50のカバー部51(図7)の内側には、係合部材60をX方向に案内するガイド溝51eを有するガイド板51dが設けられている。ガイド溝51eの幅は、支持板60cの周方向長さよりも狭い。係合部材60は、ガイド板51d上に支持板60cを当接させた状態で、ガイド溝51eに沿ってX方向に案内される。なお、ガイド板51dおよびガイド溝51eは、図9(B)以外の図では省略されている。
図8(A)に戻り、係合部材60の+X方向には、規制部材65が配置されている。規制部材65は、操作レバー50のカバー部51(図7)によって支持され、シャッタ40の外周面との間には一定の隙間をあけている。
規制部材65は、操作レバー50に対して径方向に相対移動可能に、且つ、周方向およびX方向には相対移動不能に取り付けられている。また、規制部材65のシャッタ40と反対側には、規制部材65を径方向内側(すなわち回転軸Cに向かう方向)に付勢する第2付勢部材としての第2バネ67が設けられている。
規制部材65は、係合部材60の第2作用部62の+X方向の端面62aに当接している。すなわち、規制部材65は、係合部材60が第1バネ63の付勢力によって+X方向に移動することを規制している。
図9(C)は、規制部材65の形状と支持構造の一例を示す模式図である。規制部材65は、シャッタ40の外周面に対向する第1面65aと、その反対側の第2面65bと、-X方向を向く第3面65cと、その反対側の傾斜面66を有する。
第2面65bは、上述した第2バネ67に取り付けられている。第3面65cは、係合部材60に当接する。傾斜面66は、-X方向に進むほどシャッタ40の外周面に近づくように傾斜している。この傾斜面66には、後述するように解除レバー26が当接する。
操作レバー50のカバー部51(図7)の内側には、規制部材65を径方向に案内する一対のガイド板51fが配置されている。一対のガイド板51fは、規制部材65の周方向両側に配置され、両者の間にはガイド溝51gが形成されている。規制部材65は、ガイド溝51gに沿って径方向に案内される。なお、ガイド板51fおよびガイド溝51gは、図9(C)以外の図では省略されている。
規制部材65は、図8(B)に示した状態では、係合部材60の第2作用部62の+X側の端面62aに当接しているが、径方向外側(図中上方)に移動すると、係合部材60の第2作用部62の+X側の端面62aに当接しない状態となる。すなわち、係合部材60の+X方向の移動規制が解除される(後述する図12,13)。
係合部材60の+X方向の移動規制が解除されると、係合部材60が+X方向に移動して第2作用部62が規制部材65とシャッタ40との隙間に侵入する。そのため、規制部材65は第2作用部62の径方向外側(図中上方)の端面62b上で保持される。上述した検知窓56(図5(A)、(B))は、この端面62b上の規制部材65に対向している。
図10(A)および(B)は、シャッタ40および操作レバー50のYZ面に平行な面における断面図である。図10(A)は-X方向から見た断面図であり、図10(B)は+X方向から見た断面図である。
図10(A)に示すように、シャッタ40において係合部材60に対応する位置には、穴部44が形成されている。穴部44は、シャッタ40の円筒状の壁部を貫通している。この穴部44には、ストッパ43が径方向に移動可能に設けられている。シャッタ40の内周側には、ストッパ43を径方向外側に付勢する第3付勢部材としての第3バネ45が配置されている。
図10(A)に示した状態では、係合部材60が穴部44を塞いでいるため、ストッパ43は係合部材60の底面に当接している。一方、係合部材60が穴部44上から+X方向に移動すると、ストッパ43が穴部44から突出する(後述する図12,図13)。突出したストッパ43は、係合部材60の-X側に位置し、係合部材60の-X方向への移動を規制する。
これら係合部材60、第1バネ63、規制部材65、第2バネ67、ストッパ43および第3バネ45は、回転伝達機構を構成する。また、第1バネ63、規制部材65、第2バネ67、ストッパ43および第3バネ45は、解除部を構成する。
図11(A)および(B)は、解除レバー26の作用を示す斜視図である。図11(A)に示す解除レバー26とこれを駆動するソレノイド27は、画像形成装置(図1)の本体に設けられている。
解除レバー26は、操作レバー50が開位置(シャッタ40がトナー供給口36を開放する位置)にあるときに、操作レバー50の挿通孔55に対向する。図11(B)に示すように、ソレノイド27が作動して解除レバー26が突出すると、解除レバー26が操作レバー50の挿通孔55に挿入される。
図12および図13は、解除レバー26が動作したときの回転伝達機構の動作を示す斜視図である。図13は、図12に矢印13で示した方向から見た図である。ソレノイド27(図11(B))によって挿通孔55から挿入された解除レバー26は、規制部材65の傾斜面66に当接し、第2バネ67の付勢力に抗して規制部材65を押し上げる。
規制部材65が解除レバー26によって押し上げられると、規制部材65による係合部材60の+X方向への移動規制が解除される。そのため、係合部材60は、第1バネ63の付勢力によって+X方向に移動し、係合部材60の第1作用部61のX方向位置とシャッタ40の第1受け部41のX方向位置とが互いにずれた状態となる。
また、係合部材60の+X方向の移動により、係合部材60の第2作用部62が規制部材65とシャッタ40との隙間に侵入する。その結果、規制部材65は、係合部材60の第2作用部62の上側の端面62bに載った状態となる。そのため、解除レバー26が元の位置に戻っても、規制部材65は元の位置に戻らない。
また、係合部材60の+X方向の移動により、穴部44の上方が開放されるため、第3バネ45の付勢力によりストッパ43が穴部44から突出する。突出したストッパ43は、係合部材60の-X方向の移動を規制する。
このように、係合部材60の第1作用部61のX方向位置と、シャッタ40の第1受け部41のX方向位置とが互いにずれるため、ユーザが操作レバー50をR1方向に回転させ、これにより係合部材60がR1方向に移動しても、シャッタ40に回転が伝達されない。従って、ユーザが操作レバー50をR1方向に回転させても、シャッタ40は回転せず、操作レバー50が空転する。
一方、第2受け部42は第1受け部41よりもX方向に長く、第2作用部62は第1作用部61よりもX方向に長いため、係合部材60が+X方向に移動した状態でも、係合部材60の第2作用部62のX方向位置と、シャッタ40の第2受け部42のX方向位置とは、重なり合っている。
そのため、ユーザが操作レバー50をR2方向に回転させ、これにより係合部材60がR2方向に移動すると、第2作用部62と第2受け部42との当接により、シャッタ40に回転が伝達される。従って、ユーザが操作レバー50をR2方向に回転させると、シャッタ40がR2方向に回転する。
すなわち、ユーザが操作レバー50をR2方向に回転させるとシャッタ40はR2方向に回転するが、ユーザが操作レバー50をR1方向に回転させてもシャッタ40は回転しない状態となる。
なお、図8(A)および(B)に示したように、第1作用部61が第1受け部41にR1方向に対向し、第2作用部62が第2受け部42にR2方向に対向するときの係合部材60の位置を、第1位置と称する。この状態では、ユーザが操作レバー50をR1方向に回転させるとシャッタ40はR1方向に回転し、操作レバー50をR2方向に回転させるとシャッタ40はR2方向に回転する。
これに対し、図12および図13に示したように、第1作用部61が第1受け部41にR1方向に対向せず、第2作用部62が第2受け部42にR2方向に対向するときの係合部材60の位置を、第2位置と称する。この状態では、ユーザが操作レバー50をR2方向に回転させるとシャッタ40はR2方向に回転するが、操作レバー50をR1方向に回転させてもシャッタ40は回転しない。
このように、係合部材60を第1位置と第2位置との間で移動させることにより、操作レバー50からシャッタ40への回転伝達状態を2通りに切り替えることができる。
また、規制部材65は、係合部材60の第1位置から第2位置への移動を規制する規制位置(図8(A)、(B))と、当該規制を解除する解除位置(図12,13)との間で移動可能である。また、ストッパ43は、係合部材60を第2位置で係止する係止位置(図12,13)と、当該係止位置から退避した退避位置(図10(A)、(B))との間で移動可能である。
<画像形成装置の制御系>
次に、画像形成装置1の制御系について説明する。図14は、画像形成装置1の制御系を示すブロック図である。画像形成装置1は、制御部200と、I/F(インタフェース)制御部201と、受信メモリ202と、画像データ編集メモリ203と、操作パネル204と、トナーセンサ205と、センサ群206と、電源制御部207と、ヘッド制御部212と、駆動制御部213と、ベルト駆動制御部214と、定着制御部215と、定着駆動制御部216と、給紙搬送制御部217と、レバー解除制御部218とを備える。
制御部200は、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポート、タイマ等を有して構成されている。制御部200は、上位装置からI/F制御部201を介して印刷データおよび制御コマンドを受信し、画像形成装置1の動作を制御する。
受信メモリ202は、上位装置からI/F制御部201を介して入力された印刷データを一時的に記憶する。画像データ編集メモリ203は、受信メモリ202に記憶した印刷データを受け取ると共に、その印刷データを編集処理することによって形成された画像データ、すなわちイメージデータを記録する。
操作パネル204は、画像形成装置1の状態を表示するための表示部(例えばLED)および操作者が指示を入力するための操作部(例えばスイッチ)を備える。センサ群206は、画像形成装置1の動作状態を監視するための各種センサ、例えば用紙位置センサ、温湿度センサ、および濃度センサ等を含む。
現像剤検出部(残量検出部)としてのトナーセンサ205は、現像部14内のトナー残量を検出するセンサである。トナーセンサ205は、一例としては光学センサであるが、トナー残量を検出できればどのような方式であってもよい。
電源制御部207は、帯電ローラ12に帯電電圧を印加する帯電電圧電源208、現像ローラ15に現像電圧を印加する現像電圧電源209、供給ローラ16に供給電圧を印加する供給電圧電源210、および転写ローラ81に転写電圧を印加する転写電圧電源211を制御する。ヘッド制御部212は、画像データ編集メモリ203に記録されたイメージデータを印刷ヘッド13に送り、印刷ヘッド13を発光制御する。
駆動制御部213は、各プロセスユニット10の感光体ドラム11を回転させる駆動モータ219を制御する。なお、帯電ローラ12は感光体ドラム11の回転に追従して回転し、現像ローラ15および供給ローラ16は感光体ドラム11からの回転伝達により回転する。ベルト駆動制御部214は、転写ベルト82を駆動するためのベルトモータ220を制御する。
定着制御部215は、温度調節回路を有し、定着装置9のサーミスタ222の出力信号に基づき、ヒータ221に電流を供給する。定着駆動制御部216は、定着装置9の定着ローラ91(図1)を回転させる定着モータ223を制御する。
給紙搬送制御部217は、ピックアップローラ71、フィードローラ72および搬送ローラ対74,75をそれぞれ回転させる給紙搬送モータ224および電磁クラッチ225を制御する。
レバー解除制御部218は、ソレノイド27に駆動信号を送信する。ソレノイド27が解除レバー26を動作させることにより、操作レバー50からシャッタ40への回転伝達状態が切り替えられる。
<画像形成装置の動作>
次に、画像形成装置1の動作について、図1および図14を参照して説明する。画像形成装置1による画像形成動作は、各プロセスユニット10のユニット本体2に、上述したようにトナーカートリッジ3を装着した状態で行われる。
なお、トナーカートリッジ3では、図8(A)および(B)に示したように、係合部材60は、第1作用部61が第1受け部41にR1方向に対向し、第2作用部62が第2受け部42にR2方向に対向する位置(第1位置)にある。言い換えると、係合部材60の第1作用部61のX方向位置と、シャッタ40の第1受け部41のX方向位置とは重なり合っている。
トナーカートリッジ3をカートリッジ装着部23に装着すると、操作レバー50のロック部58(図7)がカートリッジ装着部23のロック解除部25(図6)に当接して、ロック溝35から抜け出る。これにより、操作レバー50の回転が可能になる。また、カートリッジ装着部23のリブ24(図6)は、溝53(図5(A))から操作レバー50の内側に侵入する。
ユーザが操作レバー50をR1方向に回転させると、シャッタ40がR1方向に回転し、トナー供給口36を開放する。また、操作レバー50の係合片54(図5(A))がリブ24に係合し、トナーカートリッジ3が取り外し不能にロックされる。これにより、画像形成装置1は、画像形成が可能な状態となる。
画像形成装置1の制御部200は、上位装置からI/F制御部201を介して印刷コマンドと印刷データを受信すると、画像形成動作を開始する。制御部200は、受信メモリ202に印刷データを一時的に記録し、記録した印刷データを編集処理してイメージデータを生成し、画像データ編集メモリ203に記録する。
制御部200は、給紙搬送制御部217により給紙搬送モータ224および電磁クラッチ225を駆動し、ピックアップローラ71およびフィードローラ72を回転させる。ピックアップローラ71は、トレイ70に収容された用紙Pを繰り出し、フィードローラ72は繰り出された用紙Pを搬送路に送り出す。また、搬送ローラ対74,75が回転し、搬送路に送り出された用紙Pを画像形成部5に搬送する。
制御部200は、ベルト駆動制御部214によりベルトモータ220を駆動し、駆動ローラ83を回転させて転写ベルト82を走行させる。転写ベルト82は、用紙Pを吸着保持して搬送する。用紙Pは、プロセスユニット10K,10Y,10M,10Cの順に通過する。
制御部200は、各プロセスユニット10において、各色のトナー像の形成を行う。すなわち、制御部200は、電源制御部207により、各プロセスユニット10の帯電ローラ12、現像ローラ15および供給ローラ16に、帯電電圧、現像電圧および供給電圧をそれぞれ印加する。
制御部200は、また、駆動制御部213により駆動モータ219を回転させ、感光体ドラム11を回転させる。感光体ドラム11の回転に伴って、帯電ローラ12、現像ローラ15および供給ローラ16も回転する。帯電ローラ12は、その帯電電圧により、感光体ドラム11の表面を一様に帯電させる。
制御部200は、さらに、各色のイメージデータに基づき、ヘッド制御部212を発光制御する。ヘッド制御部212は、印刷ヘッド13により感光体ドラム11の表面を露光し、静電潜像を形成する。
感光体ドラム11の表面に形成された静電潜像は、現像ローラ15に付着したトナーによって現像され、感光体ドラム11の表面にトナー像が形成される。感光体ドラム11の回転によりトナー像が転写ベルト82の表面に接近すると、電源制御部207が転写ローラ81に転写電圧を印加する。これにより、感光体ドラム11に形成されたトナー像が、転写ベルト82上の用紙Pに転写される。
このように、各プロセスユニット10K,10Y,10M,10Cで形成された各色のトナー像が用紙Pに順次転写され、重ね合わされる。各色のトナー像が転写された用紙Pは、転写ベルト82によってさらに搬送され、定着装置9に到達する。
定着装置9では、定着制御部215によってヒータ221が加熱され、定着モータ223によって定着ローラ91が回転している。定着装置9に搬送された用紙Pは、定着ローラ91と加圧ローラ92との間で加熱および加圧され、トナー像が用紙Pに定着される。
トナー像が定着した用紙Pは、排出ローラ対77,78により、画像形成装置1の外部に排出され、スタッカ部79上に積載される。これにより、用紙Pへの画像形成動作が完了する。
制御部200は、1枚(または所定枚数)の用紙Pへの画像形成動作が完了する毎に、現像部14内のトナー残量が第1規定量(トナーロー)以上か否かを判断する。この判断は、現像部14に設けた光学式のトナーセンサ205(図14)を用いて行うが、他の検知手段を用いてもよい。
トナー残量が第1規定量(トナーロー)を下回った場合には、制御部200は、操作パネル204の表示部にトナー残量が少ないことを示すメッセージを表示し、次の印刷コマンドおよび印刷データの受信を待って、画像形成動作を行う。
制御部200は、また、トナー残量がさらに少ない第2規定量(トナーエンプティ)以上か否かを判断する。この判断は、例えば、トナー残量が第1規定量まで減少してからの印刷枚数に基づいて判断することができるが、別途トナーセンサを設けてもよい。
制御部200は、トナー残量が第2規定量を下回った場合には、画像形成動作を行わない。さらに、制御部200は、レバー解除制御部218によりソレノイド27を駆動し、解除レバー26を操作レバー50の挿通孔55(図11(B))から侵入させる。解除レバー26は、図12および図13に示したように、規制部材65の傾斜面66に当接し、規制部材65を押し上げる。
これにより、規制部材65は、係合部材60の第2作用部62の+X方向の端面に当接する位置(規制位置)から移動する。そのため、係合部材60は、第1バネ63の付勢力によって+X方向に移動する。
その結果、係合部材60は、第1作用部61が第1受け部41にR1方向に対向せず、第2作用部62が第2受け部42にR2方向に対向する位置(第2位置)に到達する。言い換えると、係合部材60の第1作用部61のX方向位置と、シャッタ40の第1受け部41のX方向位置とが重なり合わない状態(すなわち、操作レバー50のR1方向の回転がシャッタ40に伝達されない状態)となる。
ソレノイド27は、解除レバー26が規制部材65を押し上げると、元の状態に復帰する。そのため、解除レバー26は、規制部材65から離間し、操作レバー50の挿通孔55から抜け出して元の位置に戻る。このとき、係合部材60の第2作用部62が規制部材65とシャッタ40との隙間に侵入しており、規制部材65は、係合部材60の第2作用部62の端面62b上で保持されている。そのため、解除レバー26が元の位置に戻っても、規制部材65は元の位置に戻らない。
また、係合部材60の+X方向の移動に伴い、ストッパ43が第3バネ45(図10(A)、(B))の付勢力によって穴部44から突出し、係合部材60の-X方向への移動を規制する。そのため、係合部材60は、第2位置で係止される。
その後、ユーザは、操作レバー50をR2方向、すなわちトナー供給口36を閉鎖する閉方向に回転させる。係合部材60の第2作用部62のX方向位置とシャッタ40の第2受け部42のX方向位置とは重なり合っているため、操作レバー50のR2方向の回転はシャッタ40に伝達される。そのため、シャッタ40は、操作レバー50と共に、R2方向に回転する。
シャッタ40がトナー供給口36を閉鎖する閉位置(図4(A))まで回転すると、ユニット本体2のカートリッジ装着部23(図6)のリブ24が、操作レバー50の係合片54(図5(A))から外れて溝53に到達する。これにより、トナーカートリッジ3は、ユニット本体2から取り外し可能となる。
この状態では、係合部材60が第2位置にあるため、操作レバー50のR1方向の回転がシャッタ40に伝達されない。そのため、ユーザが誤って操作レバー50をR1方向に回転しても、操作レバー50が空転するだけで、シャッタ40は回転しない。そのため、トナー供給口36が開いてトナーが漏れることがない。
ユーザがトナーカートリッジ3をユニット本体2から取り外すと、操作レバー50のロック部58(図7)がアウタケース30のロック溝35に係合し、操作レバー50の回転がロックされる。
ユーザが新しいトナーカートリッジ3をユニット本体2に装着すると、制御部200は、図示しない検知手段によってこれを検知し、新たな印刷コマンドおよび印刷データの受信を待って画像形成動作を行う。
なお、ユーザが、誤って空のトナーカートリッジ3をカートリッジ装着部23に装着して操作レバー50をR1方向に回転しても、操作レバー50が空転するため、トナーカートリッジ3が空であることに気付きやすい。
また、ユーザは、操作レバー50の検知窓56(図5(A))から、規制部材65を視認することができるため、トナーカートリッジ3が空であることを容易に確認することができる。
<第1の実施の形態の効果>
以上説明したように、第1の実施の形態のトナーカートリッジ3(現像剤担持体)は、R1方向(第1方向)に回転することによりシャッタ40を開位置に回転させ、R2方向(第2方向)に移動することによりシャッタ40を閉位置に回転させる操作レバー50と、操作レバー50がR1方向に回転するときにシャッタ40の第1受け部41と係合し、操作レバー50がR2方向に回転するときにシャッタ40の第2受け部42と係合する係合部材60と、係合部材60と第1受け部41との係合を解除する解除部(すなわち規制部材65、ストッパ43およびバネ45,63,67)とを有する。
係合部材60と第1受け部41との係合が解除された状態では、操作レバー50のR1方向の回転がシャッタ40に伝達されない。そのため、誤操作によって操作レバー50がR1方向に回転しても、シャッタ40は回転せず、トナー供給口36が開くことがない。これにより、トナーの漏れを防止することができる。
また、係合部材60は、操作レバー50と共に回転(移動)可能であり、第1受け部41に当接可能な第1作用部61と、第2受け部42に当接可能な第2作用部62とを有する。そのため、操作レバー50がR1方向に移動したときに第1作用部61が第1受け部41に当接し、操作レバー50がR2方向に移動したときに第2作用部62が第2受け部42と当接する。これにより、操作レバー50の回転をシャッタ40に伝達することができる。
また、係合部材60は、第1作用部61が第1受け部41にR1方向に対向し、且つ、第2作用部62が第2受け部42にR2方向に対向する第1位置と、第1作用部61が第1受け部41にR1方向に対向せず、第2作用部62が第2受け部42にR2方向に対向する第2位置との間で移動可能である。そのため、係合部材60の第1位置と第2位置との間の移動により、操作レバー50のR1方向の回転をシャッタ40に伝達する状態と伝達しない状態とを切り替えることができる。
また、係合部材60を第1位置から第2位置に向けて付勢する第1バネ63と、係合部材60の第1位置から第2位置への移動を規制する規制部材65とをさらに備えるため、規制部材65の移動操作によって、係合部材60を第1位置と第2位置との間で移動させることができる。
また、規制部材65は、係合部材60の第1位置から第2位置への移動を規制する規制位置と、当該規制を解除する解除位置との間で移動可能であり、画像形成装置1の本体に、規制部材65を規制位置から解除位置に移動させる解除レバー(移動部材)26と、解除レバー26を駆動するソレノイド(アクチュエータ)27とが設けられているため、ソレノイド27による解除レバー26の駆動によって、規制部材65を移動操作することができる。
また、規制部材65を規制位置に向けて付勢する第2バネ67が設けられているため、解除レバー26によって規制部材65が解除位置に移動するまでは、係合部材60を第1位置に保つことができる。
また、係合部材60を第2位置で係止するストッパ43が設けられているため、係合部材60が第2位置に移動した後は、係合部材60が第2位置に保たれる。そのため、誤操作によるトナー供給口36の開放が確実に防止される。
第2の実施の形態.
<トナーカートリッジの構成>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態の画像形成装置は、トナーカートリッジ3の構成が第1の実施の形態の画像形成装置と異なる。図15は、第2の実施の形態のトナーカートリッジ3を、操作レバー50を取り外した状態で示す斜視図である。第2の実施の形態では、シャッタ40の第1受け部41および第2受け部42および係合部材60が、アウタケース30の側板31の近傍(すなわち、シャッタ40がアウタケース30から突出する根元部の近傍)に配置されている。
図16(A)は、第2の実施の形態のトナーカートリッジ3を操作レバー50とは反対側から見た斜視図である。トナーカートリッジ3の操作レバー50と反対側の側板32には、サイドカバー33が取り付けられている。
図16(B)は、トナーカートリッジ3からサイドカバー33を取り外して示す斜視図である。トナーカートリッジ3の側板32には、回転駆動部としての駆動ギヤ101と、駆動ギヤ101に噛み合う第1伝達ギヤ102と、第1伝達ギヤ102が固定されたシャフト106(図22(A))と、シャフト106にワンウェイクラッチ107(図22(A))を介して取り付けられた第2伝達ギヤ105と、第2伝達ギヤ105に噛み合うハスバギヤ(ヘリカルギヤ)103と、ハスバギヤ103が固定されたシャフト104とが配設されている。シャフト104,106は、側板32に回転可能に支持されている。
駆動ギヤ101は、トナーカートリッジ3内の可動部(例えば、図2に示した撹拌バー39)を回転させるものであり、感光体ドラム11に取り付けられたギヤからの回転伝達によって回転する。従って、駆動ギヤ101の駆動源は、駆動モータ219(図14)である。
図17は、シャフト104の中心軸を通りXZ面と平行な面におけるトナーカートリッジ3の断面図である。シャフト104は、アウタケース30の側板32から、アウタケース30をX方向に貫通して側板31に到達し、さらに側板31を+X方向に貫通している。
図18(A)は、第2の実施の形態のシャッタ40および回転伝達機構を示す斜視図である。図18(B)は、図18(A)に矢印18Bで示した方向から見た図である。シャッタ40の外周面には、操作レバー50からの力を受ける第1受け部41および第2受け部42が形成されている。
シャッタ40の第1受け部41および第2受け部42は、上記の通り、側板32の近傍に設けられているが、この点を除き、第1の実施の形態の第1受け部41および第2受け部42と同様に構成されている。
これら第1受け部41および第2受け部42の両方に当接可能に、係合部材60が配置されている。係合部材60は、操作レバー50のカバー部51(図7)に支持され、シャッタ40の外周面に当接している。
係合部材60は、操作レバー50に対して、X方向に相対移動可能に、且つ、周方向および径方向には相対移動不能に取り付けられている。係合部材60には、上述したシャフト104が対向している。シャフト104が+X方向に移動すると、係合部材60に当接し、係合部材60を+X方向に移動させる。
なお、第1の実施の形態で説明した第1バネ63、規制部材65および第2バネ67(図8(A)、(B))は、設けられていない。また、解除レバー26およびソレノイド27(図6)も設けられていない。
図19は、第2の実施の形態の係合部材60を示す斜視図である。係合部材60は、-X方向を向く第1面60aと、+X方向を向く第2面60bとを有する略平板状の部材である。第1面60aには、上述したシャフト104が当接する。
係合部材60の径方向内側(図中下側)には、第1作用部61と、第2作用部62とが形成されている。また、第1作用部61に対してR1方向に隣接して、第1面60aよりも+X方向に窪んだ退避部(窪み部)60dが形成されている。
第2の実施の形態では、第1作用部61の-X方向の端面は、第1面60aと同一面であり、退避部60dから-X方向に突出した部分が第1作用部61となっている。但し、図9(A)に示したように、第1作用部61が第1面60aよりも-X方向に突出していてもよい。なお、第2作用部62の形状は、第1の実施の形態で説明したとおりである。
係合部材60の第1作用部61のR1方向には、第1受け部41(図18(B))が位置し、第2作用部62のR2方向には、第2受け部42(図18(A))が位置する。第1作用部61は、第1受け部41にR1方向に当接しているか、所定の隙間を開けて対向している。同様に、第2作用部62は、第2受け部42にR2方向に当接しているか、所定の隙間を開けて対向している。
そのため、係合部材60がR1方向に移動すると、第1作用部61が第1受け部41に当接し、シャッタ40にR1方向の力が加わる。また、係合部材60がR2方向に移動すると、第2作用部62が第2受け部42に当接し、シャッタ40にR2方向の力が加わる。
係合部材60は、第1の実施の形態で説明した支持板60cを有する。支持板60cの周方向の長さは、係合部材60の他の部分よりも長い。係合部材60の支持構造は、第1の実施の形態で図9(B)を参照して説明したとおりである。
図20(A)および(B)は、シャッタ40および操作レバー50のYZ面に平行な面における断面図である。図20(A)は-X方向から見た断面図であり、図20(B)は+X方向から見た断面図である。
図20(A)に示すように、シャッタ40において係合部材60に対応する位置には、穴部44が形成されている。この穴部44には、ストッパ43が径方向に移動可能に設けられている。シャッタ40の内周側には、ストッパ43を径方向外側に付勢する第3バネ45が配置されている。
図20(A)に示した状態では、係合部材60が穴部44を塞いでいるため、ストッパ43は係合部材60の底面に当接している。一方、係合部材60が穴部44上から+X方向に移動すると、ストッパ43が穴部44から突出する。突出したストッパ43は、係合部材60の-X側に位置し、係合部材60の-X方向への移動を規制する。
図21(A)は、シャフト104が動作したときの回転伝達機構の動作を示す斜視図である。図21(B)は、図21(A)に矢印21Bで示した方向から見た斜視図である。図21(A)および(B)に示すように、シャフト104が+X方向に移動すると、係合部材60に当接し、係合部材60を+X方向に移動させる。
これにより、係合部材60は、第1作用部61が第1受け部41にR1方向に対向せず、第2作用部62が第2受け部42にR2方向に対向する位置(第2位置)に到達する。言い換えると、係合部材60の第1作用部61のX方向位置と、シャッタ40の第1受け部41のX方向位置とが重なり合わない状態(すなわち、操作レバー50のR1方向の回転がシャッタ40に伝達されない状態)となる。
また、係合部材60の+X方向の移動により、穴部44の上方が開放されると、第3バネ45の付勢力によりストッパ43が穴部44から突出する。突出したストッパ43は、係合部材60の-X方向の移動を規制する。
このように、係合部材60の第1作用部61のX方向位置とシャッタ40の第1受け部41のX方向位置とが互いにずれるため、ユーザが操作レバー50をR1方向に回転させ、これにより係合部材60がR1方向に移動しても、シャッタ40に回転が伝達されない。従って、ユーザが操作レバー50をR1方向に回転させても、シャッタ40は回転せず、操作レバー50が空転する。
一方、係合部材60が+X方向に移動した状態でも、係合部材60の第2作用部62のX方向位置とシャッタ40の第2受け部42のX方向位置は、重なり合っている。そのため、ユーザが操作レバー50をR2方向に回転させ、これにより係合部材60がR2方向に移動すると、第2作用部62と第2受け部42との当接により、シャッタ40に回転が伝達される。従って、ユーザが操作レバー50をR2方向に回転させると、シャッタ40はR2方向に回転する。
すなわち、ユーザが操作レバー50をR2方向に回転させるとシャッタ40はR2方向に回転するが、ユーザが操作レバー50をR1方向に回転させてもシャッタ40は回転しない状態となる。
次に、シャフト104を+X方向に移動させるための構成について説明する。図22(A)は、トナーカートリッジ3の側板32の近傍を示す斜視図である。図22(B)は、図22(A)に矢印22Bで示した方向から見た図である。駆動ギヤ101は、r1方向(順方向)およびr2方向(逆方向)に回転可能である。
r1方向は、画像形成動作時の駆動ギヤ101の回転方向である。駆動ギヤ101は、感光体ドラム11のギヤと噛み合っており、感光体ドラム11からの駆動力伝達によって回転する。また、駆動ギヤ101のシャフトには、図2に示した撹拌バー39が連結されている。
上記の通り、図22(A)において、駆動ギヤ101には第1伝達ギヤ102が噛み合っている。この第1伝達ギヤ102が固定されたシャフト106には、ワンウェイクラッチ107を介して第2伝達ギヤ105が取り付けられている。ワンウェイクラッチ107は、シャフト106のr1方向の回転のみを第2伝達ギヤ105に伝達する。第2伝達ギヤ105は、シャフト104に固定されたハスバギヤ103に噛み合っている。
駆動ギヤ101がr1方向に回転すると、駆動ギヤ101に噛み合う第1伝達ギヤ102がr2方向に回転し、第1伝達ギヤ102に固定されたシャフト106がr2方向に回転する。この場合、ワンウェイクラッチ107が滑り、第2伝達ギヤ105は回転しない。そのため、第2伝達ギヤ105に噛み合うハスバギヤ103は回転しない。すなわち、画像形成動作時には、ハスバギヤ103は回転しない。
一方、駆動ギヤ101がr2方向に回転すると、駆動ギヤ101に噛み合う第1伝達ギヤ102がr1方向に回転し、第1伝達ギヤ102に固定されたシャフト106がr1方向に回転する。この場合、ワンウェイクラッチ107は第2伝達ギヤ105に回転を伝え、第2伝達ギヤ105がr1方向に回転する。そのため、第2伝達ギヤ105に噛み合うハスバギヤ103はr2方向に回転する。すなわち、画像形成動作時には、ハスバギヤ103が回転する。
図23(A)は、駆動ギヤ101がr2方向に回転した場合のトナーカートリッジ3の側板32の近傍を示す斜視図である。図23(B)は、図23(A)に矢印23Bで示した方向から見た図である。
駆動ギヤ101がr2方向に回転すると、上記の通り、ハスバギヤ103がr2方向に回転する。ハスバギヤ103の回転により、ハスバギヤ103およびシャフト104は+X方向に移動する。
+X方向に移動したシャフト104は、図21(A)および(B)に示したように、係合部材60を+X方向に付勢する。これにより、係合部材60が、第1作用部61のX方向位置と第1受け部41のX方向位置とがずれる位置(第2位置)まで移動する。
ハスバギヤ103の歯の軸方向に対する傾き角度は、例えば85度である。また、ハスバギヤ103の外径(歯先円直径)は、例えば、8.7mmであり、歯数は、例えば1歯である。これにより、駆動ギヤ101のr2方向の回転を、シャフト104の+X方向の直進移動に変換することができる。シャフト104の+X方向の移動量は、数mmである。
第2の実施の形態の画像形成装置の制御系は、基本的には第1の実施の形態で図14を参照して説明したとおりであるが、レバー解除制御部218とソレノイド27は設けられていない。第2の実施の形態では、制御部200が、駆動制御部213を介して駆動モータ219を制御することで、シャフト104を移動させる。第2の実施の形態の画像形成装置の他の構成は、第1の実施の形態の画像形成装置と同様である。
<画像形成装置の動作>
次に、第2の実施の形態の画像形成装置の動作について説明する。図24は、第2の実施の形態の画像形成装置の動作を説明するためのフローチャートである。各プロセスユニット10のユニット本体2へのトナーカートリッジ3の取り付けは、第1の実施の形態で説明した通りである。制御部200は、上位装置から印刷コマンドと印刷データを受信すると、画像形成動作を実行する(ステップS101)。
すなわち、ピックアップローラ71が回転して用紙Pを繰り出し、フィードローラ72が回転して用紙Pを搬送路に送り出し、搬送ローラ対74,75が回転して用紙Pを画像形成部5に搬送する。また、駆動ローラ83により転写ベルト82が走行して用紙Pを搬送し、プロセスユニット10K,10Y,10M,10Cの順に通過させる。
さらに、各プロセスユニット10の帯電ローラ12、現像ローラ15および供給ローラ16に、帯電電圧、現像電圧および供給電圧がそれぞれ印加される。また、駆動モータ219が駆動され、感光体ドラム11が回転する。感光体ドラム11の回転は、駆動ギヤ101に伝達され、撹拌バー39(図2)が回転する。このときの駆動ギヤ101の回転方向はr1方向(順方向)であるため、ワンウェイクラッチ107が滑り、ハスバギヤ103には回転が伝達されない。
そして、印刷ヘッド13がイメージデータに応じて感光体ドラム11の表面を露光し、静電潜像を形成する。静電潜像が現像ローラ15によって現像されると、所定のタイミングで転写ローラ81に転写電圧が印加され、トナー像が転写ベルト82上の用紙Pに転写される。各プロセスユニット10K,10Y,10M,10Cで形成された各色のトナー像は用紙Pに順次転写され、重ね合される。各色のトナー像が転写された用紙Pは、転写ベルト82によってさらに搬送され、定着装置9に到達する。
定着装置9に搬送された用紙Pは、定着ローラ91と加圧ローラ92との間で加熱および加圧され、トナー像が用紙Pに定着される。トナー像が定着した用紙Pは、排出ローラ対77,78により、画像形成装置1の外部に排出され、スタッカ部79上に積載される。これにより、用紙Pへの画像形成動作が完了する。
制御部200は、1枚(または所定枚数)の用紙Pへの画像形成動作が完了する毎に、現像部14(図2)内のトナー残量が第1規定量(トナーロー)以上か否かを判断する(ステップS102)。この判断は、現像部14に設けた光学式のトナーセンサ205(図14)を用いて行うが、他の検知手段を用いてもよい。
トナー残量が第1規定量以上であった場合には、ステップS101に戻り、次の印刷コマンドおよび印刷データを待って画像形成動作を行う。
一方、トナー残量が第1規定量未満であった場合には、制御部200は、操作パネル204の表示部にトナー残量が少ないことを示すメッセージを表示する(ステップS103)。
次に、制御部200は、トナー残量がさらに少ない第2規定量(トナーエンプティ)以上か否かを判断する(ステップS104)。この判断は、例えば、トナー残量が第1規定量まで減少してからの印刷枚数に基づいて判断することができるが、別途トナーセンサを設けてもよい。
トナー残量が第2規定量以上であった場合には、ステップS101に戻り、次の印刷コマンドおよび印刷データを待って画像形成を行う。
トナーの残量が第2規定量未満であった場合には、制御部200は、駆動モータ219を逆方向に回転させる(ステップS105)。駆動モータ219が逆方向に回転すると、駆動ギヤ101がr2方向に回転する。駆動ギヤ101がr2方向に回転すると、ワンウェイクラッチ107が第2伝達ギヤ105に回転を伝達し、ハスバギヤ103が回転する。これにより、ハスバギヤ103が回転し、シャフト104が+X方向に移動する。
+X方向に移動したシャフト104は、図21(A)および(B)に示したように、係合部材60を+X方向に付勢する。これにより、係合部材60が、第1作用部61のX方向位置と第1受け部41のX方向位置とがずれる位置(第2位置)まで移動する。
すなわち、操作レバー50をR2方向に回転させるとシャッタ40はR2方向に回転するが、ユーザが操作レバー50をR1方向に回転させてもシャッタ40は回転しない状態となる。
その後、ユーザは、操作レバー50をR2方向に回転させる。上記の通り、操作レバー50のR2方向の回転はシャッタ40に伝達されるため、シャッタ40は、操作レバー50と共に、トナー供給口36を閉鎖する方向に回転する。
第1の実施の形態で説明したように、シャッタ40がトナー供給口36を閉鎖する閉位置(図4(A))まで回転すると、ユニット本体2のカートリッジ装着部23(図6)のリブ24が、操作レバー50の係合片54(図5(A))から外れて溝53に到達する。これにより、トナーカートリッジ3は、ユニット本体2から取り外し可能となる。
この状態では、係合部材60が第2位置にあり、操作レバー50のR1方向の回転がシャッタ40に伝達されない。そのため、ユーザが誤って操作レバー50をR1方向に回転しても、操作レバー50が空転するだけで、シャッタ40は回転しない。そのため、トナー供給口36が開いてトナーが漏れることがない。
ユーザが新しいトナーカートリッジ3をユニット本体2に装着すると、制御部200は、図示しない検知手段によってこれを検知し(ステップS106)、ステップS101に戻って、新たな印刷コマンドおよび印刷データの受信を待って画像形成動作を行う。
なお、ユーザが、誤って空のトナーカートリッジ3をカートリッジ装着部23に装着して操作レバー50をR1方向に回転しても、操作レバー50が空転するため、トナーカートリッジ3が空であることに気付きやすい。
また、操作レバー50のカバー部51に窓部51h(図20(A))を設ければ、+X方向に移動したシャフト104の先端をユーザが視認することができるため、トナーカートリッジ3が空であることを容易に確認することができる。
<第2の実施の形態の効果>
以上説明したように、第2の実施の形態では、トナーカートリッジ3に設けられた駆動ギヤ101(回転駆動部)の回転を利用して、係合部材60を+X方向に移動させるため、第1の実施の形態で用いた解除レバー26、ソレノイド27、規制部材65およびバネ63,67が不要になる。そのため、操作レバー50を移動させるための構成が簡単になる。すなわち、簡単な構成で、トナーの漏れを抑制することができる。
また、駆動ギヤ101は順方向と逆方向に回転可能であり、駆動ギヤ101の逆方向の回転を利用して係合部材60を+X方向に移動させるため、駆動ギヤ101の順方向の回転を他の用途(例えば撹拌バー39の回転)に用いることができる。そのため、当該他の用途に用いられる機構部分を利用することができ、構成をさらに簡単にすることができる。
また、ハスバギヤ103と、ハスバギヤ103に固定されたシャフト104と、駆動ギヤ101のr2方向の回転のみをハスバギヤ103に伝達するワンウェイクラッチ107(一方向伝達部材)とを用いることにより、簡単な構成で、駆動ギヤ101のr2方向の回転をシャフト104の+X方向の直進移動に変換することができる。
上記の実施の形態では、カラー画像を形成する画像形成装置について説明したが、本発明は単色(モノクロ)画像を形成する画像形成装置に適用することもできる。また、本発明は、例えば、電子写真方式を利用して媒体に画像を形成する画像形成装置(例えば複写機、ファクシミリ、プリンタ、複合機等)に利用することができる。