JP7046735B2 - 電極消耗量推定方法および電極消耗量推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一対の電極およびこれらの一対の電極を囲う絶縁ハウジングを備える遮断器に対して適用され、一対の電極の消耗量を推定する電極消耗量推定方法および電極消耗量推定装置に関する。
一般的に遮断器は固定子と可動子とを備え、これらの固定子および可動子にはそれぞれ電極が設けられている。遮断器は電極間に発生するアークを消弧する手段によりいくつかの種類に分類される。例えば、真空遮断器は真空容器に電極を収めた構造であり、真空の絶縁耐力と消弧能力とを利用して電流の遮断を行う。
遮断器では開極時に一時的にアークが発生し、電極が溶融・蒸発して消耗する。開極によるアーク発生が繰り返されると、やがて電極表面の消耗が進行し、電極間の遮断・絶縁性能が低下してくるので寿命となる。このため、電極の消耗量を測定するためのいくつかの手段が提案されている。
特許文献1に記載の遮断器では、内部機構を操作することによって電極の開閉機構に含まれるワイプばねの伸びを目盛で読み取り、電極の消耗量を測定している。
特許文献2に記載の遮断器では、電極の消耗によって長さの変わる隙間を設けて、この隙間の大きさによって電極の消耗量が測定される。
特開昭51-66483号公報 特開平7-169373号公報
特許文献1および特許文献2に記載の遮断器では、電極の消耗量を測定するための専用機構が予め遮断器に設けられている必要がある。この専用機構のためにコストアップになり、しかも既存の他の遮断器には適用することができない。また、基本的には遮断器を系統から切り離さなければ測定ができない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、遮断器を系統から切り離すことなく適用可能であって、しかも既存の遮断器に対して改変の必要がなくそのまま適用することのできる電極消耗量推定方法および電極消耗量推定装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる電極消耗量推定方法は、一対の電極および前記一対の電極を囲う絶縁ハウジングを備える遮断器に対して適用され、前記一対の電極の消耗量を推定する電極消耗量推定方法であって、前記遮断器の2箇所にプローブを接続するプローブ工程と、前記プローブに交流を印加し、2つの前記プローブ間を流れる交流電流を計測する交流計測工程と、計測された前記交流電流に基づいて前記電極の消耗量を推定する推定工程と、を有することを特徴とする。
前記推定工程は、計測された前記交流電流から2つの前記プローブ間の全インピーダンスを求める全インピーダンス算出工程と、求められた前記全インピーダンスと既知である2つの前記プローブ間の基準抵抗とに基づいて、前記絶縁ハウジングの内周面に付着している金属による内周面抵抗を求める内周面抵抗算出工程と、求められた前記内周面抵抗と前記一対の電極の消耗量との関係を示す電極消耗量データを参照し、前記一対の電極の消耗量を推定するデータ参照工程と、を有してもよい。
前記プローブに直流を印加し、2つの前記プローブ間を流れる直流電流を計測する直流計測工程と、前記計測された直流電流から2つの前記プローブ間の直流に対する実抵抗を求める実抵抗算出工程と、をさらに有し、前記内周面抵抗算出工程は、前記基準抵抗に代えて前記実抵抗に基づいて前記内周面抵抗を求めてもよい。
前記推定工程は、求められた前記交流電流と前記一対の電極の消耗量との関係を示す電極消耗量データを参照し、前記一対の電極の消耗量を推定してもよい。
2つの前記プローブは前記絶縁ハウジングの外周面に接続してもよい。
前記推定工程は、前記遮断器における電流遮断の回数および遮断種類の少なくとも一方に基づいて、推定された前記一対の電極の消耗量を補正してもよい。
また、本発明にかかる電極消耗量推定装置は、一対の電極および前記一対の電極を囲う絶縁ハウジングを備える遮断器に対して適用され、前記一対の電極の消耗量を推定する電極消耗量推定装置であって、交流電源と、前記交流電源の交流を前記遮断器の2箇所に印加するプローブと、2つの前記プローブ間を流れる交流電流を計測する電流計と、計測された前記交流電流に基づいて前記電極の消耗量を推定する消耗量推定部と、を有することを特徴とする。
本発明にかかる電極消耗量推定方法および電極消耗量推定装置では、遮断器の2箇所にプローブを接続し、この間を流れる交流電流を計測し、計測された交流電流に基づいて電極の消耗量を推定する。これにより、遮断器を系統から切り離すことなく適用可能であって、しかも既存の遮断器に対して改変の必要がなくそのまま適用することができる。
図1は、実施の形態にかかる電極消耗量推定装置のブロック図である。 図2は、計測部および真空遮断器の等価回路図である。 図3は、内周面抵抗に対する全インピーダンスおよび電流の関係を示すグラフである。 図4は、実施の形態にかかる電極消耗量推定方法のフローチャートである。 図5は、第1の変形例にかかる電極消耗量推定装置のブロック図である。 図6は、第1の変形例にかかる電極消耗量推定方法のフローチャートである。 図7は、第2の変形例にかかる電極消耗量推定装置を示す図であり、(a)はそのブロック図であり、(b)はその等価回路図である。
以下に、本発明にかかる電極消耗量推定方法および電極消耗量推定装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1に示すように、実施形態にかかる電極消耗量推定装置10(および後述する電極消耗量推定装置10a,10b)は真空遮断器12に適用される。まず真空遮断器12について説明する。なお、図1で真空遮断器12として図示されているのは全体のうちの一部であり真空バルブに相当する部分である。
真空遮断器12は、同軸配置の固定子14および可動子16と、ハウジング18とを有する。固定子14および可動子16における対向する端部にはそれぞれ電極20が設けられている。固定子14はハウジング18に対して固定されている。白抜き矢印のように、可動子16は図示しない操作部により進退可能になっている。可動子16の進退にともなって一対の電極20は互いに接触または離間する。一対の電極20が接触することにより閉極状態となり、離間することにより開極状態となる。閉極状態から開極状態になるとき、一対の電極20間には一時的にアークが発生する。
ハウジング18は、絶縁筒(絶縁ハウジング)22と、蓋体24および26と、ベローズ28と、シールド30とを有する。ハウジング18は一対の電極20を囲っており、内部が真空状態に維持されている。絶縁筒22は絶縁体(例えば、セラミック)の筒体であり、ハウジング18の側面を形成している。蓋体24はハウジング18の一端を覆うように設けられ、固定子14が固定されている。蓋体26はハウジング18の他端を覆うように設けられ、可動子16を進退可能に支持している。ベローズ28は蓋体26と可動子16との間に設けられ、ハウジング18内を気密状態にしている。シールド30は、一対の電極20の周囲を覆うように設けられている。
真空遮断器12では、ハウジング18の内部が真空状態となっており、真空の絶縁耐力と消弧能力とにより一対の電極20間に発生するアークを消弧することができるが、一時的にはアークが発生する。電極20の材質は例えば銅、銀、タングステンまたはこれらの合金や粉末冶金であり、アークの発生に伴って溶融・蒸発し得る。電極20の表面から溶融・蒸発した金属は、絶縁筒22およびその他の部分に付着して付着金属32となる。図1、図5、図7(a)では付着金属32を模式的にドット地で示している。なお、この真空遮断器12は従来からある一般的構成のものであり、以下に述べる電極消耗量推定方法および電極消耗量推定装置10,10a,10bを適用するための特別な機構はなく、そのまま適用可能である。
次に、電極消耗量推定装置10について説明する。電極消耗量推定装置10は、真空遮断器12に接続されていくつかの計測を行う計測部50と、計測部50を制御するとともにその計測結果に基づいて処理を行う処理部52とを有する。
計測部50は、交流電源54と、直流電源56と、これらの交流電源54および直流電源56に接続される2本の電線58と、電線58を介して真空遮断器12の2箇所に接続されるプローブ60と、電流計62と、電圧計64とを有する。交流電源54は高周波交流を出力することができる。交流電源54の周波数は可変であってもよい。
2つのプローブ60は真空遮断器12における絶縁筒22の適度に離れた規定の2か所に接続される。これらの規定箇所は、例えば絶縁筒22における軸方向に規定距離だけ離れた部分で環状にマーキングされている。プローブ60は例えば導電性ゴムで形成されている。電流計62は、電線58を介して2つのプローブ60間を流れる電流を計測して計測値を処理部52に供給する。電圧計64は2つのプローブ60間に印加されている電圧を計測して計測値を処理部52に供給する。電流計62および電圧計64は交流と直流のいずれにも適用可能なものとする。交流電源54と直流電源56は、いずれか一方が切替器66を介して電線58に対して電圧を印加できるようになっている。切替器66は処理部52によって操作される。
演算部68は、全インピーダンス算出部72と、合成抵抗算出部74と、内周面抵抗算出部76と、消耗量推定部78とを有する。全インピーダンス算出部72は計測部50から供給される交流電流値および交流電圧値に基づいて2つのプローブ60間の全インピーダンスZを算出する。
合成抵抗算出部74は、2つのプローブ60間における絶縁筒22の合成抵抗(実抵抗)R0yを求め、さらに参考値として外周面抵抗Ryを求める。外周面抵抗Ryは、計測部50から供給される直流電流値および直流電圧値と、全インピーダンスZと、2つのプローブ60間の基準抵抗R0とに基づいて求められる。外周面抵抗Ryは本来は実質的に無限大であるが、絶縁筒22の外周面の汚れによってわずかに導電性が生じて有限値を示す場合がある。基準抵抗R0は絶縁筒22に汚れや金属付着がない状態における2つのプローブ60間の抵抗であって、予め計測または計算されて演算部68に記憶された既知値である。合成抵抗R0yは2つのプローブ60間の直流に対する実抵抗であり、外周面抵抗Ryと基準抵抗R0との並列接続抵抗にほぼ等しくなる。合成抵抗R0yについてはさらに後述する。
内周面抵抗算出部76は、全インピーダンスZと、基準抵抗R0とに基づいて絶縁筒22の内周面抵抗Rxを算出する。内周面抵抗Rxは当初は実質的に無限大であるが、アーク発生にともなう付着金属32によって導電性が生じて有限値を示すものである。
消耗量推定部78は、内周面抵抗Rxと、記憶部70に記憶された電極消耗量データ80とに基づいて電極20の消耗量を推定する。消耗量推定部78は消耗量補正部78aを備える。消耗量補正部78aは、推定された電極20の消耗量を、記憶部70に記憶された遮断履歴データ82に基づいてさらに補正する。
記憶部70は、上記のとおり電極消耗量データ80と、遮断履歴データ82とを記憶する。電極消耗量データ80は一対の電極20の消耗量と内周面抵抗Rxとの関係を示すデータである。電極消耗量データ80は、予め実験や計算によって求められて記憶部70に記憶されている。電極消耗量データ80は広義であって、例えばテーブル形式や関係式として表すことができる。
遮断履歴データ82は、真空遮断器12が過去に遮断された履歴を示すデータであり、遮断回数および遮断種類(負荷開閉および短絡電流遮断ごとの回数)の情報が記憶されている。遮断履歴データ82は真空遮断器12の監視手段によって自動的に記憶され、または人手によって入力される。消耗量補正部78aは、遮断履歴データ82を参照して、電流遮断の回数および遮断種類の少なくとも一方に基づいて、消耗量の推定値を補正する。
演算部68は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現してもよい。処理部52は、例えばパーソナルコンピュータとインターフェースとにより実現される。電極消耗量推定装置10は、必ずしもまとまった1つの装置形態とは限らず、例えばいくつかの部分からなるシステム形態であってもよい。計測部50と処理部52との間には通信回線が介在していてもよい。
図2に示すように、電極消耗量推定装置10が接続された真空遮断器12は、交流電源54の周波数が十分に高い場合に等価回路12aで表される。等価回路12aは、2つのプローブ60が接続された規定の2か所の間を表す回路である。等価回路12aの全インピーダンスZは、基準抵抗R0と、内周面抵抗Rxと、外周面抵抗Ryと、等価コンデンサC1およびC2とにより表される。等価コンデンサC1,C2は、2つのプローブ60と付着金属32との間で生じる静電容量を示す。これらの間には絶縁筒22が介在するため、概念的にはセラミックコンデンサが設けられていることになり、静電容量が存在する。基準抵抗R0、内周面抵抗Rxおよび外周面抵抗Ryはすでに説明したとおりである。以下、R0,Rx,Ry,C1,C2は要素識別子としての符号だけでなく、等式や不等式で変数・定数としても表記することがある。
等価回路12aは、基準抵抗R0と外周面抵抗Ryとの並列部と、この並列部に対して等価コンデンサC1およびC2を介して内周面抵抗Rxがさらに並列接続された形で表される。この等価回路12aの全インピーダンスZは、次の(1)式で表される。(1)式のjωは周波数の複素数表示である。なお、(1)式、(2)式、(3)式では簡略化のために外周面抵抗Ryは省略している。
Figure 0007046735000001
また、電源の周波数が十分に高く、かつ等価コンデンサC1,C2の容量が内周面抵抗Rxよりも十分に小さければ(Rx>>|C1|、Rx>>|C2|)、(1)式は次の(2)式に書き替えられる。
Figure 0007046735000002
(2)式からは、内周面抵抗Rxの低下に伴って全インピーダンスZが低下することが分かる。また、(2)式は次の(3)式に書き替えられる。
Figure 0007046735000003
(3)式によれば、内周面抵抗Rxを全インピーダンスZと、基準抵抗R0とから求めることができる。
また、(1)式、(2)式および(3)式では省略したが、外周面抵抗Ryについては基準抵抗R0と並列接続になっている(図2参照)。そこで、その並列部を合成抵抗R0yとし、(3)式における基準抵抗R0を合成抵抗R0yで置き換えると内周面抵抗Rxを一層精度よく求めることができる。なぜなら、基準抵抗R0は一種の想定値であるのに対し、合成抵抗R0yは実際の値として求めることができるためである。
等価回路12aに直流電圧を印加すると、等価コンデンサC1,C2および内周面抵抗Rxは無関係となるため、電圧と電流とから合成抵抗R0yを求めることができる。
ところで、内周面抵抗Rxは付着金属32の量にほぼ反比例すると考えられる。付着金属32は電極20が溶融・蒸発して絶縁筒22の内周に蒸着および堆積したものであるから、付着金属32と電極20の消耗量は実質的に等しい。したがって、内周面抵抗Rxと電極20の消耗量との間には相関関係があり、この相関関係を示す電極消耗量データ80によれば、内周面抵抗Rxから電極20の消耗量を推定することができる。
次に、電極消耗量推定装置10の具体例について述べる。プローブ60の絶縁筒22に対する接続片サイズを1cm×5cmとし、2つのプローブ60を5cm離れた規定箇所に貼り付け、絶縁筒22の厚みは5mmであり、比誘電率ε=9とする。この場合、等価コンデンサC1,C2はそれぞれ8pFで、基準抵抗R0は10MΩである。交流電源54の電圧を10V、周波数を30MHzとすると、内周面抵抗Rxに対する全インピーダンスZおよび電流Iの関係は図3に示すようになる。電流Iは交流である。
図3によれば、内周面抵抗Rxが0.01MΩ以上の範囲では、内周面抵抗Rxに対して全インピーダンスZおよび電流Iは直線状の関係であり、等価コンデンサC1,C2の影響はなく、(2)式および(3)式が成立する。したがって、真空遮断器12における電極20の寿命に相当する内周面抵抗Rxが0.01MΩ以上である場合には、交流電源54の周波数を固定的に30MHzとしておけばよい。また、内周面抵抗Rxが0.01MΩ未満の範囲では、等価コンデンサC1,C2の影響を無視しえなくなるが、交流電源54の周波数をさらに上げることで対応可能である。
次に、このように構成される電極消耗量推定装置10を用いて、真空遮断器12の電極20の消耗量を推定する方法(電極消耗量推定方法)について図4を参照しながら説明する。
図4のステップS1(プローブ工程)において、まず、2つのプローブ60を図示しない絶縁具(例えば絶縁棒)で把持しながら絶縁筒22の外周における規定の2か所に接続する。
ステップS2(交流計測工程)において、交流電源54から電線58を介して2つのプローブ60間に交流を印加する。電流計62により2つのプローブ60間を流れる交流電流を計測するとともに、電圧計64により2つのプローブ60間の交流電圧を計測する。各計測値は処理部52に供給される。なお、交流電源54からの出力電圧が固定的であって、2つのプローブ60間に印加される交流電圧がほぼ一定で既知である場合には、この電圧値を演算部68に保持しておき電圧計64による計測を省略してもよい。次のステップS3における直流電圧の計測についても同様である。
ステップS3(直流計測工程)において、切替器66を切り替え、直流電源56から電線58を介して2つのプローブ60間に直流を印加する。電流計62により2つのプローブ60間を流れる直流電流を計測するとともに、電圧計64により2つのプローブ60間の直流電圧を計測する。各計測値は処理部52に供給される。なお、絶縁筒22の外周面の汚れが少ない場合には、ステップS3を省略してもよい。
ステップS4(全ピーダンス算出工程)において、得られた各計測値に基づいて、全インピーダンス算出部72は2つのプローブ60間の全インピーダンスZを求める。全インピーダンスZは交流電圧および交流電流からオームの法則によって求められる。
ステップS5(実抵抗算出工程)において、得られた各計測値に基づいて、合成抵抗算出部74が合成抵抗R0yと外周面抵抗Ryとを求める。合成抵抗R0yは直流電圧および直流電流からオームの法則によって求められる。外周面抵抗Ryは合成抵抗R0yおよび基準抵抗R0から求められる。
ステップS6(内周面抵抗算出工程)において、内周面抵抗算出部76は全インピーダンスZと基準抵抗R0とに基づいて、絶縁筒22の付着金属32による内周面抵抗Rxを求める。内周面抵抗Rxは、上記の(3)式により求められる。なお、絶縁筒22の外周面の汚れが無視しえない場合には、(3)式の基準抵抗R0に代えて合成抵抗R0yを用いてもよい。これにより一層正確な推定が可能となる。
ステップS7(データ参照工程)において、消耗量推定部78は内周面抵抗Rxに基づいて電極消耗量データ80を参照し、一対の電極20の消耗量を推定する。ここでいう消耗量の推定とは一意的に値が決定されることであり、人の思考判断によらない。さらに、消耗量補正部78aが遮断履歴データ82を参照し、真空遮断器12における電流遮断の回数および遮断種類の少なくとも一方に基づいて、一対の電極20の消耗量の推定値を補正する。
このようにして推定および補正された電極20の消耗量は、所定の表示器に表示される。表示の形式は定量的な表示に限らず、例えば、数段階のレベル分け表示でもよい。この表示により、検査者は真空遮断器12における電極20の消耗量を相当正確に知ることができ、寿命であればその対応をとることができる。
なお、この電極消耗量推定装置10および電極消耗量推定方法は、真空遮断器12が活線状態であっても適用可能である。すなわち、真空遮断器12を系統から切り離すなどの特別な措置を講じることなく、開極および閉極のいずれの状態であっても適用することができ、系統に影響を及ぼすことがない。また、既存の真空遮断器12に対しても改変の必要がなくそのまま適用することができ、コストや手間がかからない。電極消耗量推定装置10および電極消耗量推定方法は、真空遮断器12以外で他の消弧形式の一部の遮断器にも適用することができる。
次に、電極消耗量推定装置10の2つの変形例である電極消耗量推定装置10aおよび10bについて説明する。電極消耗量推定装置10a,10bで電極消耗量推定装置10と同様の構成要素については同符号を付してその詳細な説明を省略し、さらに上記の処理部52に相当する部分の図示を省略する。
図5に示すように、第1の変形例にかかる電極消耗量推定装置10aにおける計測部50aは、上記の計測部50に相当するものであるが電圧計64が省略されている。電極消耗量推定装置10aでは、2つのプローブ60間の電圧は計測せずに電流だけを計測する。
上記の電極消耗量推定装置10における電極消耗量データ80は一対の電極20の消耗量と内周面抵抗Rxとの関係を示すデータであったのに対し、電極消耗量推定装置10aにおける電極消耗量データ80は一対の電極20の消耗量と交流電流との関係を示すデータとなっている。そして、消耗量推定部78では、電流計62から得られる交流電流に基づいて電極消耗量データ80を参照し、電極20の消耗量を推定する。その後、上記と同様に消耗量補正部78aにより補正をする。このように、電極消耗量推定装置10aにおいては、全インピーダンスZおよび内周面抵抗Rxを求める必要がなく、処理が簡便化される。
図6に、電極消耗量推定装置10aによる電極消耗量推定方法の手順を示す。ステップS11は上記のステップS1と同じ処理である。
ステップS12は、上記のステップS2に相当する処理で交流電流を計測するが、交流電圧の計測は不要である。
ステップS13は、上記のステップS3に相当する処理で直流電流を計測するが、直流電圧の計測は不要である。
ステップS14は、上記のステップS7に相当する処理であるが、この場合、計測された交流電流に基づいて電極消耗量データ80を参照して、一対の電極20の消耗量を推定する。
なお、ここで用いる交流電流はステップS12で計測されたものだが、該交流電流は基準抵抗R0、内周面抵抗Rxおよび外周面抵抗Ryを流れる。外周面抵抗Ryの影響が無視できない場合には、ステップS13で計測された直流電流に基づいて外周面抵抗Ryを求め、該外周面抵抗Ryを流れる電流を求めてステップS12で計測された電流から差し引く。これにより基準抵抗R0と内周面抵抗Rxとを流れる交流電流が求められ、この交流電流に基づいて電極消耗量データ80を参照するとよい。
図7(a)に示すように、第2の変形例にかかる電極消耗量推定装置10bにおける計測部50bは、上記の計測部50bと回路上は同一であるが、2つのプローブ60のうちの1つが絶縁筒22ではなく、可動子16に接続される。もう一方のプローブ60は絶縁筒22における蓋体24にやや近い箇所に接続される。電極消耗量推定装置10bの等価回路12bは図7(b)のように示される。すなわち、プローブ60の一方は可動子16を介して内周面抵抗Rxと接続されることになり、この部分に等価コンデンサC1は介在しない。もう一方のプローブ60は、等価回路12aと同様に等価コンデンサC2を介して内周面抵抗Rxと接続される。このような電極消耗量推定装置10bでは、電極消耗量データ80を等価回路12bに対応させておくことで、図4に示したのと同様の手順で電極20の消耗量を推定することができる。
なお、図4および図6で示した方法は、必ずしも電極消耗量推定装置10,10a,10bを用いて行う必要はなく、例えば一部または全部を人手によって行ってもよい。電極消耗量データ80や遮断履歴データ82は電子的な記録手段にかぎらず、例えば紙媒体の記録でもよい。また、電極20の消耗量と、その残りの残存量とは表裏の関係であることから、消耗量を推定することと残存量を推定することは実質的に同じである。
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
10,10a,10b 電極消耗量推定装置
12 真空遮断器
12a,12b 等価回路
14 固定子
16 可動子
18 ハウジング
20 電極
22 絶縁筒
24,26 蓋体
32 付着金属
50,50a,50b 計測部
52 処理部
54 交流電源
56 直流電源
58 電線
60 プローブ
62 電流計
64 電圧計
66 切替器
68 演算部
70 記憶部
72 全インピーダンス算出部
74 合成抵抗算出部
76 内周面抵抗算出部
78 消耗量推定部
78a 消耗量補正部
80 電極消耗量データ
82 遮断履歴データ
R0 基準抵抗
R0y 合成抵抗
Rx 内周面抵抗
Ry 外周面抵抗

Claims (7)

  1. 一対の電極および前記一対の電極を囲う絶縁ハウジングを備える遮断器に対して適用され、前記一対の電極の消耗量を推定する電極消耗量推定方法であって、
    前記遮断器の2箇所にプローブを接続するプローブ工程と、
    前記プローブに交流を印加し、2つの前記プローブ間を流れる交流電流を計測する交流計測工程と、
    計測された前記交流電流に基づいて前記電極の消耗量を推定する推定工程と、
    を有することを特徴とする電極消耗量推定方法。
  2. 請求項1に記載の電極消耗量推定方法において、
    前記推定工程は、
    計測された前記交流電流から2つの前記プローブ間の全インピーダンスを求める全インピーダンス算出工程と、
    求められた前記全インピーダンスと既知である2つの前記プローブ間の基準抵抗とに基づいて、前記絶縁ハウジングの内周面に付着している金属による内周面抵抗を求める内周面抵抗算出工程と、
    求められた前記内周面抵抗と前記一対の電極の消耗量との関係を示す電極消耗量データを参照し、前記一対の電極の消耗量を推定するデータ参照工程と、
    を有することを特徴とする電極消耗量推定方法。
  3. 請求項2に記載の電極消耗量推定方法において、
    前記プローブに直流を印加し、2つの前記プローブ間を流れる直流電流を計測する直流計測工程と、
    前記計測された直流電流から2つの前記プローブ間の直流に対する実抵抗を求める実抵抗算出工程と、
    をさらに有し、
    前記内周面抵抗算出工程は、前記基準抵抗に代えて前記実抵抗に基づいて前記内周面抵抗を求めることを特徴とする電極消耗量推定方法。
  4. 請求項1に記載の電極消耗量推定方法において、
    前記推定工程は、求められた前記交流電流と前記一対の電極の消耗量との関係を示す電極消耗量データを参照し、前記一対の電極の消耗量を推定することを特徴とする電極消耗量推定方法。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の電極消耗量推定方法において、
    2つの前記プローブは前記絶縁ハウジングの外周面に接続することを特徴とする電極消耗量推定方法。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の電極消耗量推定方法において、
    前記推定工程は、前記遮断器における電流遮断の回数および遮断種類の少なくとも一方に基づいて、推定された前記一対の電極の消耗量を補正することを特徴とする電極消耗量推定方法。
  7. 一対の電極および前記一対の電極を囲う絶縁ハウジングを備える遮断器に対して適用され、前記一対の電極の消耗量を推定する電極消耗量推定装置であって、
    交流電源と、
    前記交流電源の交流を前記遮断器の2箇所に印加するプローブと、
    2つの前記プローブ間を流れる交流電流を計測する電流計と、
    計測された前記交流電流に基づいて前記電極の消耗量を推定する消耗量推定部と、
    を有することを特徴とする電極消耗量推定装置。
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