JP2020106407A - 高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断装置、及びその診断方法 - Google Patents

高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断装置、及びその診断方法 Download PDF

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真也 芦川
Shinya Ashikawa
真也 芦川
石橋 賢一
Kenichi Ishibashi
賢一 石橋
和俊 田澤
Kazutoshi Tazawa
和俊 田澤
英章 佐藤
Hideaki Sato
英章 佐藤
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Hiroshi Haruyama
浩 春山
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Mitsuharu Hirokawa
光晴 廣川
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Teru Yoshizawa
輝 吉澤
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Takeshi Izumikawa
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Abstract

【課題】放電現象を伴わない絶縁体の劣化の場合でもその劣化状況を検知して、絶縁体の劣化状況を汎用性高く、且つ精度よく診断することができる高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断装置、及びその診断方法を提供する。【解決手段】絶縁体劣化診断装置30では、高圧架空ケーブル用接続体10の遮蔽用接地線GLを流れる電流を検知すると共に、検電端子部12の電圧を検知して、これら検知結果を参照電圧信号Rs及び測定電圧信号Msとして同期検波処理する。そして、同期検波処理に基づき抵抗性電流及び容量性電流との絶対値Si,Sqをそれぞれ測定して、こられ電流の絶対値Si,Sqの電流比率(Si/Sq)に基づき絶縁体11の劣化状況を診断する。【選択図】図1

Description

本発明は、高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断装置、及びその診断方法に関する。
高圧架空ケーブル用接続体(以下、単に接続体ともいう。)は、一般的にはπ型分岐接続体が用いられ、その左右両端には高圧架空ケーブルの幹線が接続され、さらに基端には分岐線とアダプタが接続される。高圧架空ケーブル用接続体は、このように高圧架空ケーブルの幹線及び分岐線などに接続された状態で電柱上に敷設されて使用される。
接続体は、筒状の絶縁体の外周をアルミ製の筐体で被覆して構成される。また、高圧架空ケーブルの幹線の端末にはプラグインコネクタ・プラグが設けられており、絶縁体はこのプラグインコネクタ・プラグと接続(プラグイン接続)するためのプラグインコネクタ・レセップをその内側に収納する。
接続体は、風雨などの天候や幅広い温度変化などの屋外環境に常時晒されて使用されるため、その影響を受けて内部の絶縁体が劣化する場合がある。絶縁体が劣化すると、接続体は機能しないばかりか、ショートなど電気的に危険な状況となるため、この絶縁体の劣化が都度診断され、その絶縁体の劣化状況に応じて新品に取り換えられる。
従来の接続体の絶縁体の劣化を診断するものとして、絶縁体が劣化すると内部で部分放電が発生する現象を利用して、この放電現象に基づくアルミ製の筐体の電位変動を筐体表面に取り付けられた複数の電極によって測定して診断するものが知られる(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の診断方法では、部分放電が発生した部位と電極とを容量結合させて電気信号を検出し、この電気信号を分析することで絶縁体の劣化状況を判定している。
特開平6−123756号公報
しかしながら、接続体の絶縁体の劣化において放電現象を伴わないパターンも報告されており、特許文献1に記載の診断方法ではこのようなパターンでの絶縁体の劣化を診断できない可能性があり、改善の余地があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、放電現象を伴わない絶縁体の劣化の場合でもその劣化状況を検知して、絶縁体の劣化状況を汎用性高く、且つ精度よく診断することができる高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断装置、及びその診断方法を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断装置、及びその診断方法は、下記(1)〜(5)を特徴としている。
(1)高圧架空ケーブル用接続体の遮蔽用接地線を流れる電流を検出して前記電流に応じた電圧を出力する電流検出部と、
前記高圧架空ケーブル用接続体の内部に配置された絶縁体の外周に電気的に接続された検電端子部の電圧を検出して参照電圧信号を生成すると共に、前記電流検出部が出力した前記電圧を測定電圧信号として取得し、前記参照電圧信号及び前記測定電圧信号に対し検波処理して、伝送のために前記高圧架空ケーブル用接続体に印加される運転電圧と同位相の抵抗性電流と、前記運転電圧より位相が進んだ容量性電流と、をそれぞれ測定する検波部と、
前記検波部で測定された前記抵抗性電流と前記容量性電流との比率から前記絶縁体の劣化状況を診断する劣化診断部と、
を有することを特徴とする高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断装置。
(2)前記劣化診断部は、前記比率の値と所定の閾値とを比較して前記絶縁体の劣化状況を診断し、
前記所定の閾値は、前記高圧架空ケーブル用接続体又は前記高圧架空ケーブル用接続体に接続される高圧架空ケーブルの静電容量と、前記絶縁体の劣化判定基準として事前設定される基準抵抗値と、前記運転電圧の周波数と、に基づき算出される
ことを特徴とする上記(1)に記載の高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断装置。
(3)前記基準抵抗値が複数設定されることで前記所定の閾値が複数設けられ、
前記劣化診断部は、複数の前記所定の閾値に基づいて前記絶縁体の劣化状況を複数のレベルで診断する
ことを特徴とする上記(2)に記載の高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断装置。
(4)前記検波部は、ロックインアンプを含んで構成される
ことを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか1つに記載の高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断装置。
(5)高圧架空ケーブル用接続体の遮蔽用接地線を流れる電流を検出して前記電流に応じた電圧を出力し、
前記高圧架空ケーブル用接続体の内部に配置された絶縁体の外周に電気的に接続された検電端子部の電圧を検出して参照電圧信号を生成すると共に、前記電流に応じた前記電圧を測定電圧信号として取得し、前記参照電圧信号及び前記測定電圧信号に対し検波処理して、伝送のために前記高圧架空ケーブル用接続体に印加される運転電圧と同位相の抵抗性電流と、前記運転電圧より位相が進んだ容量性電流と、をそれぞれ測定し、
測定された前記抵抗性電流と前記容量性電流との比率から前記絶縁体の劣化状況を診断する
ことを特徴とする高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断方法。
上記(1)の構成の高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断装置によれば、高圧架空ケーブル用接続体の遮蔽用接地線を流れる電流を検知すると共に、検電端子部の電圧を検知して、これら検知結果を参照電圧信号及び測定電圧信号として検波処理する。そして、この検波処理に基づき抵抗性電流及び容量性電流をそれぞれ測定して、これら電流の比率に基づき絶縁体の劣化状況を診断する。このため、絶縁体の劣化に伴って発生する部分放電の現象を利用して診断するものではないので、部分放電が発生しない絶縁体の劣化でも絶縁体の劣化状況を診断することができ、絶縁体の劣化の様々なパターンに幅広く対応することができる。したがって、絶縁体の劣化状況を汎用性高く、且つ精度よく診断することができる。
上記(2)の構成の高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断装置によれば、比率の値と所定の閾値とを比較して絶縁体の劣化状況を診断する。このとき、閾値は、高圧架空ケーブル用接続体又は高圧架空ケーブル用接続体に接続される高圧架空ケーブルの静電容量と、絶縁体の劣化判定基準として事前設定される基準抵抗値と、運転電圧の周波数と、に基づき算出される。このため、絶縁体の劣化をより精度よく診断することができる。
上記(3)の構成の高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断装置によれば、閾値が複数設定され、この複数の閾値に基づいて絶縁体の劣化状況を複数のレベルで診断するため、絶縁体の劣化状況、すなわち劣化の進行具合をより的確に把握することができる。
上記(4)の構成の高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断装置によれば、同期検波部は、ロックインアンプを含んで構成されるとよい。この場合、非常にノイズの多い環境であっても出力値の精度を確保することができる。
上記(5)の構成の高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断方法によれば、絶縁体の劣化に伴って発生する部分放電の現象を利用して診断するものではないので、部分放電が発生しない絶縁体の劣化でも絶縁体の劣化状況を診断することができ、絶縁体の劣化の様々なパターンに幅広く対応することができる。したがって、絶縁体の劣化状況を汎用性高く、且つ精度よく診断することができる。
本発明の構成の高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断装置、及びその方法によれば、放電現象を伴わない絶縁体の劣化の場合でもその劣化状況を検知して、絶縁体の劣化状況を汎用性高く、且つ精度よく診断することができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、高圧架空ケーブル用接続体の構造を説明する断面図である。 図2は、図1に示す高圧架空ケーブル用接続体に接続される高圧架空ケーブルを説明する側面図である。 図3は、本発明に係る第1実施形態の高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断装置を説明するブロック図である。 図4は、図1に示す高圧架空ケーブル用接続体の電気的な等価回路を説明する模式図である。 図5は、図3に示す電流検出部の電気回路の構成を説明する回路図である。 図6は、図3に示す同期検波部の構成を説明するブロック図である。 図7は、図3に示す劣化診断部の処理フローを説明するフロー図である。 図8は、本発明に係る第2実施形態の劣化診断部の処理フローを説明するフロー図である。
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
<高圧架空ケーブル用接続体、及び高圧架空ケーブルの概要>
複数の実施形態の具体的な説明を行う前に、図1及び図2を参照してまずは本発明の各実施形態に係る高圧架空ケーブル用接続体(以下、単に接続体ともいう。)10及び高圧架空ケーブル20の概要について説明する。図1は、接続体10の構造を説明する断面図である。図2は、図1に示す接続体10に接続される高圧架空ケーブル20を説明する側面図である。
なお、図1において、実際の接続体10の外周はアルミ製の筐体で被覆されるが、接続体の構造を分かり易くするためにその筐体の断面の図示は省略されている。
図1に示すように、接続体10は、商用電源を伝送する高圧架空ケーブル(図2参照)20同士を仲介して接続するために用いられる。また、接続体10には、伝送のために所定の運転電圧が通常印加されており、その運転電圧の周波数は日本国の東日本では50Hzであり、西日本では60Hzである。
接続体10は、エチレンプロピレンゴム(以下EPゴムともいう。)及び半導電性EPゴムなどによって一体モールド成形され、接続体10の内部に配置される筒状の絶縁体11を含んで構成される。絶縁体11は、3層構造で設けられており、具体的には、EPゴムからなる絶縁層11Aが基層として中心に配置され、この絶縁層11Aの内側には半導電性EPゴムからなる内部半導電性層11Bが配置され、絶縁層11Aの外側には半導電性EPゴムからなる外部半導電性層11Cが配置される。すなわち、絶縁体11の絶縁層11Aは、径方向両側から半導電性層11B,11Cで挟まれて設けられている。
また、絶縁体11は、外部半導電性層11Cでアルミ製の筐体14と電気的に接触した状態で、絶縁体11の外周がアルミ製の筐体14により被覆される。アルミ製の筐体14は電気的に遮蔽層として機能する。また、絶縁体11の絶縁層11Aの一部は、接続体10の外部に露出されて設けられており、この露出部分には検電端子部12が設けられる。そして、検電端子部12には半導電性EPゴムからなる検電端子キャップ13が被覆される。
また、接続体10及び絶縁体11は、外形がπ型に形成されており、絶縁体11の左右両端にそれぞれ配置され、高圧架空ケーブル20の幹線20Aと接続するための幹線接続部15、絶縁体11の一対の基端部にそれぞれ配置され、高圧架空ケーブル20の分岐線20Bと接続するための分岐接続部16と、を有する。また、高圧架空ケーブル20の末端に設けられる接続端子21をプラグイン式で接続可能とするため、幹線接続部15及び分岐接続部16にはプラグインコネクタ・レセップ17が組み込まれる。プラグインコネクタ・レセップ17はその周囲を絶縁体によって被覆される。また、プラグインコネクタ・レセップ17は、導体として電気伝導性に優れた銅合金材料などから一体に設けられる。
なお、接続体10の外形はπ型に限定されない。その他、例えばT型でもよいし、ポールドロップ(PD)アダプタ用の接続部を有してもよい。
図2に示すように、高圧架空ケーブル20の末端には接続端子21が取り付けられる。接続端子21は、先端部に配置され、接続体10のプラグインコネクタ・レセップ17に対応するプラグインコネクタ・プラグ22と、基端部に配置され、高圧架空ケーブル20の遮蔽層と電気的に接続する半導電性EPゴム製の防水筒24と、プラグインコネクタ・プラグ22と防水筒24との間に配置され、プラグインコネクタ・プラグ22を含む導体と防水筒24を含む遮蔽層を絶縁するためのスペーサと、を有して構成される。プラグインコネクタ・プラグ22は、接続体10の幹線接続部15及び分岐接続部16のプラグインコネクタ・レセップ17に対し挿入容易且つ圧縮接続可能に設けられる。また、防水筒24は、接続体10の外部半導電性層11Cと接触することで電気的に接続する。
なお、高圧架空ケーブル20も接続体10と同様に、接続端子21の外周は筐体26によって被覆される。
また、接続端子21には、外部に露出する接地線端子25が設けられる。この接地線端子25は、その一端で接続端子21の防水筒24に電気的に接続されており、その他端で遮蔽用接地線GLなどに接続される(図3参照)。このとき、接続体10の外部半導電性層11Cと高圧架空ケーブル20の接続端子21の防水筒24は電気的に接続されるので、結果的に外部半導電性層11Cは接続された接続端子21を介して接地されることになる。
なお、プラグインコネクタ・プラグ22は、プラグインコネクタ・レセップ17と同様に導体として電気伝導性に優れた銅合金材料などから一体に設けられる。
このように構成される接続体10は、電柱上に設置された架台STによって支持され(図3参照)、風雨などの天候や幅広い温度変化などの屋外環境に常時晒されて使用される。そのため、天候などの影響を受けて接続体10内部の絶縁体11が劣化する可能性があり、劣化が進んでいる場合、接続体10を取り換える必要がある。しかしながら、取り換えの際には配電系統の停電作業が伴う。そのため、絶縁体11の劣化状況に応じて、この停電作業や取換作業を計画的に実行して、家庭や電気需要施設への影響を最小限とすることが望ましい。すなわち、接続体10内部の絶縁体11の劣化状況が事前に汎用性高く、且つ精度よく把握可能であることが求められる。
そこで、本発明に係る高圧架空ケーブル用接続体10の絶縁体劣化診断装置は、接続体10の内部に配置される絶縁体11の劣化状況を診断可能とするため、以下に説明する複数の実施形態に示すように特別な構成を有する。
(第1実施形態)
図3〜図7を参照して、本発明に係る高圧架空ケーブル用接続体10の絶縁体劣化診断装置30、及びその診断方法の第1実施形態について説明する。
<接続体及び絶縁体劣化診断装置との接続、及び絶縁体劣化診断装置の構成>
図3及び図4を参照して、本実施形態に係る接続体10及び絶縁体劣化診断装置30との接続、及び絶縁体劣化診断装置30の構成について説明する。図3は、本実施形態の接続体10の絶縁体劣化診断装置30を説明するブロック図である。図4は、接続体10の電気的な等価回路を説明する模式図である。
図3に示すように、接続体10は、絶縁体劣化診断装置30に接続されて接続体10の絶縁体11の劣化状況が診断される。接続体10は、架台STに接した状態で支持されており、幹線接続部15それぞれに高圧架空ケーブル20の幹線20Aが接続され、分岐接続部16それぞれに高圧架空ケーブル20の分岐線20Bが接続される。高圧架空ケーブル20の幹線20Aの一方(図中左側)では、接続端子21の接地線端子25(図2参照)が架台STに対し電気的に接続される。架台STは遮蔽用接地線GLを通じて接地される。高圧架空ケーブル20の幹線20Aの他方(図中右側)では、接続端子21の接地線端子25は遮蔽用接地線GLを通じて直接接地される。また、前述したように接続体10は架台STに接して支持されるため、架台STと接続体10の筐体14とは電気的に接続されており、その結果、接続体10の筐体14も同様に遮蔽用接地線GLを介して接地される。
なお、高圧架空ケーブル20の幹線20Aの他方側の遮蔽用接地線GLには、後述する絶縁体劣化診断装置30の電流検出部31が遮蔽用接地線GLの途中に電気的に挿入されて設置される。電流検出部31は、この遮蔽用接地線GLに流れる電流を検知する。
本実施形態の絶縁体劣化診断装置30は、電流検出部31と、同期検波部32と、劣化診断部37と、表示部(不図示)と、を含んで構成される。表示部は、一般的な液晶ティスプレイ装置などであり、絶縁体11の劣化状況の診断結果を数値又はインジケーターなどで表示する。
ここで、接続体10の絶縁体11が劣化すると、その絶縁抵抗に応じた大きさ(絶対値)で、接続体10又は高圧架空ケーブル20に印加される運転電圧と同位相の抵抗性電流が流れる。また、接続体10の導体としてのプラグインコネクタ・レセップ17と、遮蔽層としての筐体14と、の間には寄生コンデンサが形成され、運転電圧より90°位相が進んだ容量性電流が流れる。また、高圧架空ケーブル20の導体としてのプラグインコネクタ・プラグ22と、遮蔽層としての筐体26と、の間にも同様に寄生コンデンサが形成され、運転電圧より90°位相が進んだ容量性電流が流れる。
これら合成された電流(合成電流)は、接続端子21の接地線端子25又は遮蔽用接地線GLを介して接地された高圧架空ケーブル20の遮蔽層、及び架台ST及び遮蔽用接地線GLを介して接地された接続体10の筐体(遮蔽層)14などを通じて複数の接地にそれぞれ分かれて流れる。
本実施形態では、このように遮蔽用接地線GLを通じて何れかの接地に流れる合成電流のうち、接続端子21の接地線端子25に直接接続された遮蔽用接地線GLに流れる電流を電流検出部31で検出する。そのため、電流検出部31は、接続端子21の接地線端子25に接続された遮蔽用接地線GLの途中に挿入された状態で電気的に接続される。
なお、電流検出部31は、合成電流の一部を検出できればよく、検出対象は接続端子21の接地線端子25に直接接続された遮蔽用接地線GLに流れる電流に限定されない。また、電流検出部31が、接続体10の筐体14に接する架台STに接続された遮蔽用接地線GLに流れる電流を検出するように構成してもよい。
また、図4に示すように、接続体10の検電端子部12とプラグインコネクタ・レセップ17との間にも同様に、電気的な等価回路として寄生コンデンサPCが形成される。具体的には、検電端子部12が一方の電極に、導体としてのプラグインコネクタ・レセップ17が他方の電極に電気的に相当し、検電端子部12及びプラグインコネクタ・レセップ17との間に介在する絶縁体11が誘電体として電気的に機能することになる。このとき、導体としてのプラグインコネクタ・レセップ17には、例えば3.8[kV]の交流電圧が印加され、その結果、運転電圧と同位相の電圧が誘起される。本実施形態ではこの検電端子部12の電圧を検出するため、同期検波部32は接続体10の検電端子部12に接続される(図3参照)。
<電流検出部の構成>
次に図5を参照して、絶縁体劣化診断装置30の電流検出部31の電気回路の構成について説明する。図5は、電流検出部31の電気回路の構成を説明する回路図である。
図5に示すように、電流検出部31は、電流アンプOP1を含んで構成される。電流アンプOP1の非反転入力端子(+)は接地されており、反転入力端子(−)に遮蔽用接地線GLの電流が入力される。また、反転入力端子(―)と出力端子とは接続されており、その間には抵抗回路RCが介装される。これにより、遮蔽用接地線GLを流れる電流に応じた電圧V(=―R・I)が出力端子に出力される。
<同期検波部の構成>
次に図6を参照して、絶縁体劣化診断装置30の同期検波部32の構成について説明する。図6は、同期検波部32の構成を説明するブロック図である。
図6に示すように、同期検波部32は、分圧回路33と、フィルタ回路34と、移相回路35と、ロックインアンプ36と、を有する。同期検波部32は、ロックインアンプ36に入力される参照電圧信号Rsを生成するために検電端子部12の電圧を検出する。またそれと同時に、同期検波部32は、電流検出部31が出力した電圧を測定電圧信号Msとして取得する。
なお、検電端子部12の電圧は、分圧回路33、フィルタ回路34及び移相回路35によって前処理され、その結果、ロックインアンプ36に入力可能な参照電圧信号Rsが生成されることになる。
分圧回路33は、オペアンプOP2を含んで構成される。オペアンプOP2の反転入力端子(−)が接地されており、非反転入力端子(+)に検電端子部12の電圧が印加される。また、非反転入力端子(+)と反転入力端子(−)とは接続されており、その間には分圧インピーダンスIMが介装される。前述したように、検電端子部12と接続体10の導体(プラグインコネクタ・レセップ)17との間に絶縁体11が介在しており、寄生コンデンサPCが形成される(図4参照)。そのため、この寄生コンデンサPCと分圧インピーダンスIMとによって、接続体10の導体17に印加される交流電圧が分圧される。分圧インピーダンスIMを適切に調整することで、ロックインアンプ36の参照電圧信号Rsとして検電端子部12の電圧を入力可能なレンジ(例えば、10[V])にまで降圧することが可能となる。
なお、分圧インピーダンスIMは、抵抗回路やコンデンサ回路、或いはこれらの直列又は並列接続によって適宜構成されるが、コンデンサ回路のみで構成するのがよい。この場合、検電端子部12と運転電圧との位相差がなく、位相の遅れ又は進みが発生しない。
フィルタ回路34は、ローパスフィルタ又はバンドバスフィルタなどの濾波処理を行う。この濾波処理により、フィルタ回路34は、運転電圧の周波数(例えば50[Hz])以外の周波数帯のノイズを除去する。また、フィルタ回路34のカットオフ周波数が運転電圧の周波数から十分に離れている場合、参照電圧信号Rsの位相に遅れ又は進みは発生しない。その一方、運転電圧の周波数に近いノイズを除去するためカットオフ周波数が運転電圧の周波数近くに設定される場合、フィルタ回路34によって参照電圧信号Rsの位相に遅れ又は進みが発生する。この発生を回避するために、移相回路35が用いられる。
移相回路35は、参照電圧信号Rsの位相に遅れ又は進みが発生した場合、オールパスフィルタなどの濾波処理を行って、参照電圧信号Rsの位相が運転電圧の位相と同位相となるように位相の遅れ又は進みを補正してロックインアンプ36に出力する。
ロックインアンプ36は、移相回路35によって位相補正された電圧を参照電圧信号Rsとして取得すると共に、電流検出部31が出力した電圧を測定電圧信号Msとして取得する。そして、ロックインアンプ36は、参照電圧信号Rs及び測定電圧信号Msに対し同期検波処理して、運転電圧と同位相の抵抗性電流の絶対値Siと、運転電圧より90°位相が進んだ容量性電流の絶対値Sqと、をそれぞれ測定する。ロックインアンプ36は、その測定の結果を直流電圧又はデジタル信号として劣化診断部37に出力する。
<劣化診断部の構成、処理フロー>
次に図7を参照して、絶縁体劣化診断装置30の劣化診断部37の構成について説明する。図7は、劣化診断部37の処理フローを説明するフロー図である。
劣化診断部37は、汎用のミニコンピュータ(不図示)などで構成され、CPU(中央演算回路)と、ROM(読出し専用記憶回路)と、RAM(書き込み可能な記憶回路)と、インターフェース回路と、通信回路と、これら回路を相互に接続するバスと、を有して構成される。劣化診断部37は、インターフェース回路を介してロックインアンプ36の測定の結果Si,Sqを取得する。
また、劣化診断部37のROMには、プログラム格納領域とデータ格納領域とが設けられる。プログラム格納領域には、接続体10の劣化状況の診断を行うための各種プログラム(後述する処理フローの各ステップ)が格納される。データ格納領域には、接続体10又は高圧架空ケーブル20の静電容量Cpを算出するために必要な各種パラメータ、絶縁体11の劣化判定基準として事前設定される基準抵抗値Rv(例えば100[GΩ]など)、運転電圧の周波数f[Hz](例えば50[Hz])の値などが記憶保持される。劣化診断部37のCPUは、これら各種プログラムなどを適宜読み込んだり実行したりして、次に説明する処理フローを実行する。
図7に示すように、まず劣化診断部37は、液晶タッチパネルなどの所定の入力装置によって診断現場の操作者から接続体10の形状又は高圧架空ケーブル20のケーブル長が入力される(ステップS11)。そして、劣化診断部37は、この入力結果と、ROMのデータ格納領域の各種パラメータと、に基づき、接続体10又は高圧架空ケーブル20の静電容量Cpを算出する(ステップS12)。劣化診断部37は、算出された静電容量Cp、及びデータ格納領域の基準抵抗値Rv、周波数fに基づき、次に示す計算式(1)に基づき閾値aを算出する(ステップS13)。
a=1/(2π・f・C・Rs)・・・(1)
なお、本実施形態では、閾値aは診断現場で都度算出される構成としたが、これに限らない。例えば、既知の場合、事前に算出した閾値aの値をROMやRAMなどの記憶回路に記録保持して用いてもよい。
劣化診断部37は、同期検波部32によって測定された抵抗性電流の絶対値Siと、容量性電流の絶対値Sqを、インターフェース回路を介してそれぞれ取得する(ステップS14)。劣化診断部37は、取得した絶対値Si,Sqによって電流比率(比率)b(=Si/Sq)を逐次算出する(ステップS15)。
そして、劣化診断部37は、算出した電流比率bの値と閾値aとの比較、具体的には電流比率bの値が閾値a以上か否かを判定する(ステップS16)。判定の結果、電流比率bの値が閾値a以上である場合、劣化診断部37は、接続体10の絶縁体11が「劣化」していると診断する(ステップS17)。その一方、電流比率bの値が閾値a未満である場合、劣化診断部37は接続体10の絶縁体11が「未劣化」(未だ劣化していない。)であると診断する(ステップS18)。
本実施形態では、劣化診断部37は、このような一連のステップを実行することによって、放電現象の検知によらず、接続体10の絶縁体11の劣化状況を汎用的に診断することが可能となる。
<本実施形態の利点>
以上説明したように、本実施形態に係る高圧架空ケーブル用接続体10の絶縁体劣化診断装置30、及びその診断方法によれば、高圧架空ケーブル用接続体10の遮蔽用接地線GLを流れる電流を検知すると共に、検電端子部12の電圧を検知して、これら検知結果を参照電圧信号Rs及び測定電圧信号Msとして同期検波処理する。そして、同期検波処理に基づき抵抗性電流及び容量性電流との絶対値Si,Sqをそれぞれ測定して、こられ電流の絶対値Si,Sqの電流比率(比率、=Si/Sq)に基づき絶縁体11の劣化状況を診断する。このため、絶縁体11の劣化に伴って発生する部分放電の現象を利用して診断するものではないので、部分放電が発生しない絶縁体11の劣化でも絶縁体11の劣化状況を診断することができ、絶縁体11の劣化の様々なパターンに幅広く対応することができる。したがって、絶縁体11の劣化状況を汎用性高く、且つ精度よく診断することができる。
また、本実施形態に係る高圧架空ケーブル用接続体10の絶縁体劣化診断装置30、及びその診断方法によれば、電流比率(比率b=Si/Sq)の値と所定の閾値aとを比較して絶縁体11の劣化状況を診断する。このとき、閾値aは、高圧架空ケーブル用接続体10又は高圧架空ケーブル用接続体10に接続される高圧架空ケーブル20の静電容量Cpと、絶縁体11の劣化判定基準として事前設定される基準抵抗値Rvと、運転電圧の周波数fと、に基づき算出される。このため、絶縁体11の劣化をより精度よく診断することができる。
また、本実施形態に係る高圧架空ケーブル用接続体10の絶縁体劣化診断装置30、及びその診断方法によれば、同期検波部32は、ロックインアンプ36を含んで構成されるとよい。この場合、非常にノイズの多い環境であっても出力値の精度を確保することができる。
(第2実施形態)
さらに図8を参照して、本発明に係る高圧架空ケーブル用接続体10の絶縁体劣化診断装置30、及びその方法の第2実施形態について説明する。
なお、上記第1実施形態と同一または同等部分については、図面に同一或いは同等符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
<劣化診断部の処理フロー>
図8を参照して、絶縁体劣化診断装置30の劣化診断部37の処理フローについて説明する。図8は、本実施形態の劣化診断部37の処理フローを説明するフロー図である。
本実施形態では、電流比率(比率)bと比較される閾値aが複数(本実施形態では3つ、a1,a2,a3)設定される。つまり、基準抵抗値Rvが、100[GΩ]、10[GΩ]、1[GΩ]と3種類用意されており、前述した計算式(1)にこれら3つの基準抵抗値Rvがそれぞれ入力されることで第1〜第3の閾値a1,a2,a3が算出される(すなわちステップS23)。本実施形態では、この第1〜第3の閾値a1,a2,a3に従って電流比率bとの比較判定が行われる。
なお、第1の閾値a1は基準抵抗値Rvが100[GΩ]の場合の値であり、第2の閾値a2は基準抵抗値Rvが10[GΩ]の場合の値であり、第3の閾値a3は基準抵抗値Rvが1[GΩ]の場合の値である。
具体的には、図8に示すように、劣化診断部37は、取得した絶対値Si,Sqによって電流比率b(=Si/Sq)を逐次算出した後(ステップS25)、まず電流比率bが第1の閾値a1以上か否かを判定する(ステップS26)。判定の結果、電流比率bの値が第1の閾値a1以上である場合、劣化診断部37は、次のステップS27に進む。その一方、電流比率bの値が第1の閾値a1未満である場合、劣化診断部37は接続体10の絶縁体11が「未劣化」であると診断する(ステップS30)。
次に劣化診断部37は、電流比率bが第2の閾値a2以上か否かを判定する(ステップS27)。判定の結果、電流比率bの値が第2の閾値a2以上である場合、劣化診断部37は、次のステップS28に進む。その一方、電流比率bの値が第2の閾値a2未満である場合、劣化診断部37は接続体10の絶縁体11が「劣化小」(劣化はしているが、劣化の程度は低位である。)であると診断する(ステップS31)。
そして、劣化診断部37は、さらに電流比率bが第3の閾値a3以上か否かを判定する(ステップS28)。判定の結果、電流比率bの値が第3の閾値a3以上である場合、劣化診断部37は、接続体10の絶縁体11が「劣化大」(劣化しており、劣化の程度は高位である。)であると診断する(ステップS29)。その一方、電流比率bの値が第3の閾値a3未満である場合、劣化診断部37は接続体10の絶縁体11が「劣化中」(劣化はしているが、劣化の程度は中位である。)であると診断する(ステップS31)。
本実施形態では、劣化診断部37は、上記第1実施形態と同様なステップ(図6参照)に加え、ステップS23、及びステップS26からステップS32のステップを実行することによって接続体10の絶縁体11の劣化状況を複数のレベル(低位、中位、高位)で診断することが可能となる。
なお、この診断の結果は、絶縁体劣化診断装置30の表示部によって表示される。
<本実施形態の利点>
以上説明したように、本実施形態に係る高圧架空ケーブル用接続体10の絶縁体劣化診断装置30、及びその診断方法によれば、閾値a1,a2,a3が複数設定され、この複数の閾値a1,a2,a3に基づいて絶縁体11の劣化状況を複数のレベルで診断するため、絶縁体11の劣化状況、すなわち劣化の進行具合をより的確に把握することができる。
その他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と同様である。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこれら実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良などが可能である。
また、上記各実施形態における「部」とは単にハードウェアによって実現される物理的構成(装置や回路を含む。)に限定されず、その構成が有する機能をプログラムなどのソフトウェアによって実現されるものも含む。また、1つの構成が有する機能が2つ以上の物理的構成によって実現されても、または2つ以上の構成の機能が例えば1つの物理的構成によって実現されていても構わない。
ここで、上述した本発明の実施形態に係る高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断装置30の特徴をそれぞれ以下[1]〜[5]に簡潔に纏めて列記する。
[1]高圧架空ケーブル用接続体(接続体、10)の遮蔽用接地線(GL)を流れる電流を検出して前記電流に応じた電圧を出力する電流検出部(31)と、
前記高圧架空ケーブル用接続体(接続体10)の内部に配置された絶縁体(11)の外周に電気的に接続された検電端子部(12)の電圧を検出して参照電圧信号(Rs)を生成すると共に、前記電流検出部(31)が出力した前記電圧を測定電圧信号(Ms)として取得し、前記参照電圧信号(Rs)及び前記測定電圧信号(Ms)に対し同期検波処理して、伝送のために前記高圧架空ケーブル用接続体(接続体10)に印加される運転電圧と同位相の抵抗性電流と、前記運転電圧より位相が進んだ容量性電流と(Si,Sq)、をそれぞれ測定する検波部(同期検波部32)と、
前記検波部(同期検波部32)で測定された前記抵抗性電流と前記容量性電流との比率(電流比率b)から前記絶縁体(11)の劣化状況を診断する劣化診断部(37)と、
を有することを特徴とする高圧架空ケーブル用接続体(接続体10)の絶縁体劣化診断装置(30)。
[2]前記劣化診断部(37)は、前記比率(電流比率b)の値と所定の閾値(a,a1,a2,a3)とを比較して前記絶縁体(11)の劣化状況を診断し、
前記所定の閾値a,a1,a2,a3)は、前記高圧架空ケーブル用接続体(接続体、10)又は前記高圧架空ケーブル用接続体(接続体10)に接続される高圧架空ケーブル(20)の静電容量(Cp)と、前記絶縁体(11)の劣化判定基準として事前設定される基準抵抗値(Rv)と、前記運転電圧の周波数(f)と、に基づき算出される
ことを特徴とする[1]に記載の高圧架空ケーブル用接続体(接続体10)の絶縁体劣化診断装置(30)。
[3]前記基準抵抗値(Rv)が複数設定されることで前記所定の閾値(a1,a2,a3)が複数設けられ、
前記劣化診断部(37)は、複数の前記所定の閾値(a1,a2,a3)に基づいて前記絶縁体(11)の劣化状況を複数のレベルで診断する
ことを特徴とする[2]に記載の高圧架空ケーブル用接続体(接続体10)の絶縁体劣化診断装置(30)。
[4]前記検波部(32)は、ロックインアンプ(36)を含んで構成される
ことを特徴とする[1]〜[3]の何れかに記載の高圧架空ケーブル用接続体(接続体10)の絶縁体劣化診断装置(30)。
[5]高圧架空ケーブル用接続体(接続体10)の遮蔽用接地線(GL)を流れる電流を検出して前記電流に応じた電圧を出力し、
前記高圧架空ケーブル用接続体(接続体10)の内部に配置された絶縁体(11)の外周に電気的に接続された検電端子部(12)の電圧を検出して参照電圧信号(Rs)を生成すると共に、前記電流に応じた前記電圧を測定電圧信号(Ms)として取得し、前記参照電圧信号(Rs)及び前記測定電圧信号(Ms)に対し検波処理して、伝送のために前記高圧架空ケーブル用接続体(接続体10)に印加される運転電圧と同位相の抵抗性電流と、前記運転電圧より位相が進んだ容量性電流と(Si,Sq)、をそれぞれ測定し、
測定された前記抵抗性電流と前記容量性電流との比率(電流比率b)から前記絶縁体(11)の劣化状況を診断する
ことを特徴とする高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断方法。
10 接続体(高圧架空ケーブル用接続体)
11 絶縁体
11A 絶縁層
11B 内部半導電性層
11C 外部半導電性層
12 検電端子部
13 検電端子キャップ
14 筐体
15 幹線接続部
16 分岐接続部
17 プラグインコネクタ・レセップ
20 高圧架空ケーブル
20A 幹線
20B 分岐線
21 接続端子
22 プラグインコネクタ・プラグ
23 スペーサ
24 防水筒
25 接地線端子
26 筐体
30 絶縁体劣化診断装置
31 電流検出部
32 同期検波部
33 分圧回路
34 フィルタ回路
35 移相回路
36 ロックインアンプ
37 劣化診断部
ST 架台
GL 遮蔽用接地線
PC 寄生コンデンサ
OP1 電流アンプ
OP2 オペアンプ
RC 抵抗回路
IM 分圧インピーダンス
Rs 参照電圧信号
Ms 測定電圧信号
Si 抵抗性電流の絶対値
Sq 容量性電流の絶対値
b 電流比率(比率)
a,a1,a2,a3 閾値

Claims (5)

  1. 高圧架空ケーブル用接続体の遮蔽用接地線を流れる電流を検出して前記電流に応じた電圧を出力する電流検出部と、
    前記高圧架空ケーブル用接続体の内部に配置された絶縁体の外周に電気的に接続された検電端子部の電圧を検出して参照電圧信号を生成すると共に、前記電流検出部が出力した前記電圧を測定電圧信号として取得し、前記参照電圧信号及び前記測定電圧信号に対し検波処理して、伝送のために前記高圧架空ケーブル用接続体に印加される運転電圧と同位相の抵抗性電流と、前記運転電圧より位相が進んだ容量性電流と、をそれぞれ測定する検波部と、
    前記検波部で測定された前記抵抗性電流と前記容量性電流との比率から前記絶縁体の劣化状況を診断する劣化診断部と、
    を有することを特徴とする高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断装置。
  2. 前記劣化診断部は、前記比率の値と所定の閾値とを比較して前記絶縁体の劣化状況を診断し、
    前記所定の閾値は、前記高圧架空ケーブル用接続体又は前記高圧架空ケーブル用接続体に接続される高圧架空ケーブルの静電容量と、前記絶縁体の劣化判定基準として事前設定される基準抵抗値と、前記運転電圧の周波数と、に基づき算出される
    ことを特徴とする請求項1に記載の高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断装置。
  3. 前記基準抵抗値が複数設定されることで前記所定の閾値が複数設けられ、
    前記劣化診断部は、複数の前記所定の閾値に基づいて前記絶縁体の劣化状況を複数のレベルで診断する
    ことを特徴とする請求項2に記載の高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断装置。
  4. 前記検波部は、ロックインアンプを含んで構成される
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断装置。
  5. 高圧架空ケーブル用接続体の遮蔽用接地線を流れる電流を検出して前記電流に応じた電圧を出力し、
    前記高圧架空ケーブル用接続体の内部に配置された絶縁体の外周に電気的に接続された検電端子部の電圧を検出して参照電圧信号を生成すると共に、前記電流に応じた前記電圧を測定電圧信号として取得して、前記参照電圧信号及び前記測定電圧信号に対し検波処理して、伝送のために前記高圧架空ケーブル用接続体に印加される運転電圧と同位相の抵抗性電流と、前記運転電圧より位相が進んだ容量性電流と、をそれぞれ測定し、
    測定された前記抵抗性電流と前記容量性電流との比率から前記絶縁体の劣化状況を診断する
    ことを特徴とする高圧架空ケーブル用接続体の絶縁体劣化診断方法。
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