JP7046318B2 - 水洗大便器 - Google Patents
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Description
また、使用者が無理に手指を曲げてこれらの面を清掃しようとする場合には、使用者が清掃のために必要とする力を手指Hにかけることが困難となるという課題があった。
このように構成された本発明においては、リム部の全周の少なくとも一部において、リム上部内側コーナー部の丸みが、リム上部外側コーナー部の丸みよりも大きく形成されている。よって、使用者が、リム部の拭き掃除を行う場合に、自身の手指がリム部の上面からリム上部内側コーナー部の丸みに沿うように内側壁までかかっている状態で、リム部の上面、リム上部内側コーナー部及び内側壁を効率よく清掃することができる。さらに、リム部の上面からリム上部内側コーナー部及び内側壁に比較的均等に力をかけながら拭き掃除をすることができるため、使用者が、拭き掃除をしようとする比較的強い力を容易にリム部全体にかけることができ、清掃性を向上させることができる。
さらに、このように構成された本発明においては、吐水部から吐水された洗浄水は、リム上部内側コーナー部の下端よりも下方の領域に沿って旋回されるので、洗浄水がリム上部内側コーナー部を越えて便器外に水飛びすることを防止することができる。また、このように洗浄水がリム上部内側コーナー部の下端よりも下方の領域に沿って旋回されるので、リム上部内側コーナー部の幅を比較的大きく形成することができる。
また、本発明において、好ましくは、上記リム上部内側コーナー部の上記上端と上記下端との間の横方向の幅は、上記リム上部外側コーナー部の上端と下端との間の横方向の幅よりも大きい。
このように構成された本発明においては、リム上部内側コーナー部を形成する円弧の半径が、使用者の手指の曲りによって握りやすい半径に形成されている。よって、使用者が、リム部の拭き掃除を行う場合に、自身の手指をリム上部内側コーナー部を形成する円弧形状に沿うようにかけやすくなっている。
このように構成された本発明においては、施工者、製造者等が便器の運搬をする際に、手指をオーバーハングした形状に形成されたリム部にかけることにより、手指を引っかけた状態で、便器の運搬を良好にすることができる。
このように構成された本発明においては、吐水部が、ボウル部の前端から後方に向かって流れる旋回流を形成することができ、節水をしながらボウル部を十分に洗浄することができる。
このように構成された本発明においては、吐水部から吐水された洗浄水がリム部を越えて便器外に水飛びを生じやすいボウル部の吐水部から前方側の領域において、リム部の上部が内側に向かってオーバーハングした形状に形成されているので、洗浄水が便器外に水飛びすることを防ぐことができる。
このように構成された本発明においては、水道直圧式の給水装置により供給される洗浄水は、吐水時の水勢の強さが比較的抑制される。従って、吐水部から吐水された洗浄水がボウルからリム部を越えて水飛びしにくくなり、リム上部内側コーナー部の幅を大きく形成することができる。
図1は本発明の一実施形態による水洗大便器の便器本体及び給水装置を概略的に示す概略平面図であり、図2は図1のII-II線に沿って見た中央断面図である。
なお、水洗大便器1の給水装置10は、水道直圧式の給水装置以外にも適用可能である。例えば、この便器本体2の後部に取り付けられた洗浄水を貯水して給水する重力給水式の洗浄水給水手段である貯水タンクを備え、この貯水タンクには排水弁が設けられ、使用者の操作レバー等の操作等により、排水弁が開いて便器本体2の導水路6に洗浄水が供給されるようになっている給水装置を水洗大便器1に適用してもよい。
図3は図1のIII-III線に沿って見た断面図であり、図4は図1のIV-IV線に沿って見た断面図であり、図5は図1のV-V線に沿って見た断面図である。
また、リム部16は、内周壁面16aとリム上部内側コーナー部16dとの組み合わさった形状で、リム部16の全周又は一部において、内側に向かってオーバーハングした形状に形成されてもよい。特に、リム部16は、ボウル部4の吐水口部20から前方側において、内周壁面16aの上部及びリム上部内側コーナー部16dがボウル部4の内側に向かってオーバーハングした形状に形成されている。
上述のようなリム上部内側コーナー部16dは、比較的緩やかなアール形状に形成され、左右方向の幅が比較的大きく形成されている。リム上部内側コーナー部16dの上端16gと下端16fとの間の左右方向の幅は、吐水口部20の開口の左右の幅よりも大きく形成されている。リム上部内側コーナー部16dの下端16fは吐水口部20よりも上方に設けられているので、リム上部内側コーナー部16dの横方向の幅を比較的大きく形成することができ、リム上部内側コーナー部16dを半径の大きな緩やかな円弧形状に沿って内側に下り傾斜するように形成することができる。
従って、リム上部内側コーナー部16dの丸みが、リム上部外側コーナー部16eの丸みよりも大きく形成され、リム上部内側コーナー部16dの曲面のうち最小の曲率半径が、リム上部外側コーナー部16eの曲面のうち最小の曲率半径よりも大きく形成されている。
リム上部内側コーナー部16dは、リム上面部16cと内周壁面16aとの間の面の一部に比較的平坦な面を含みながら、全体的に丸みを帯びるように曲げられている面形状に形成されていてもよい。
図6は本発明の一実施形態による水洗大便器のリム上部内側コーナー部に沿うように使用者の手指がかけられた状態を示す図であり、図7は従来の水洗大便器のリム上部内側コーナー部に使用者の手指がかけられた状態を示す図である。使用者の手指にHの参照符号を付して説明する。
また、使用者がリム上面部16c側からリム上部内側コーナー部16dを越えて内周壁面16aを清掃しようとする場合に、リム上部内側コーナー部16dに清掃力を十分に作用させることができずに、リム上部内側コーナー部16dの清掃に不具合が生じ、さらなる清掃の手間が生じることを抑制することができる。
この状態から、指の指先部分Hdを内周壁面116aと接した状態とするためには、掌Ha及び指の掌側の部分Hbをやや持ち上げるようにして、リム上面部116cから離間させることが必要となる。
また、従来の水洗大便器101においては、人間の手指の関節の可動範囲が限られることから、仮に無理に手指を曲げて、使用者の手指Hの指の付け根側部分Hbとリム上面部116cとを接した状態とし、指の第2関節部分Hcとリム上部内側コーナー部116dの上部の一部を接した状態とするとしても、指の第2関節部分Hcとリム上部内側コーナー部116dの下部との接触ができないのみならず、指の指先部分Hdと内周壁面116aとも接した状態とすることができない。従って、リム上部内側コーナー部116d及び内周壁面116aの清掃に不具合が生じ、さらなる清掃の手間が生じる。
また、従来の水洗大便器101においては、人間の手指の関節の可動範囲が限られることから、仮に無理に手指を曲げて、使用者の手指Hの指の付け根側部分Hbとリム上面部116cとを接した状態とし、指の指先部分Hdと内周壁面116aとを接した状態とするとしても、同時に指の第2関節部分Hcとリム上部内側コーナー部116dとを接した状態とすることができない。従って、リム上部内側コーナー部116dの清掃に不具合が生じ、さらなる清掃の手間が生じる。
さらに、使用者が手指Hを無理に曲げないと、リム上面部116cと一部の他の曲面を同時に接した状態とすることができないため、使用者が清掃のために必要とする力を手指Hにかけることが困難となる。従って、リム上面部116c、リム上部内側コーナー部116d及び内周壁面116aの清掃性に問題が生じることとなる。
また、リム上部内側コーナー部16dの丸みが、リム上部外側コーナー部16eの丸みよりも大きくされる。よって汚物受け面14の上方外側に形成されたリム上部内側コーナー部16dが、汚物受け面14がさらに外側に拡がっているような印象を使用者に与えることができ、ボウル部4を従来よりも比較的大きく見せることができ使用者に使用時に尿をボウル部4内へ排出しやすいという安心感を与えることができる。
2 便器本体
4 ボウル部
4a 前端
6 導水路
6a 入口部
8 排水トラップ管路
8a 入口
8b 下降路
10 給水装置
12 給水管
14 汚物受け面
14a 上端
16 リム部
16a 内周壁面
16b 外周壁面
16c リム上面部
16d リム上部内側コーナー部
16e リム上部外側コーナー部
16f 下端
16g 上端
18 溜水部
20 吐水口部
20a 頂部
101 水洗大便器
116 リム部
116a 内周壁面
116c リム上面部
116d リム上部内側コーナー部
116e リム上部外側コーナー部
H 手指
Ha 掌
Hb 指の掌側の部分
Hc 指の第2関節部分
Hd 指の指先部分
W0 溜水面
Claims (7)
- 洗浄水源から供給される洗浄水により便器を洗浄して汚物を排出する水洗大便器であって、
ボウル形状の汚物受け面と、この汚物受け面の上方外側に形成されて便器の上部縁を形成するリム部と、を備えたボウル部と、
このボウル部の下方にその入口が接続され汚物を排出する排水路と、
上記ボウル部に洗浄水を吐水して旋回流を形成する吐水部と、
上記吐水部に洗浄水を供給する導水路と、を有し、
上記リム部は、
上記汚物受け面の上端から上方に向けて直線状に延びる内側壁と、
上記内側壁の上端から外側に形成されると共に上記リム部の上面と上記内側壁との間に形成されるリム上部内側コーナー部と、
上記リム部の上面と外側壁との間に形成されるリム上部外側コーナー部と、を備え、
上記内側壁の上記上端が上記リム上部内側コーナー部の外側端よりも内側に位置し、
上記リム部の全周の少なくとも一部において、上記リム上部内側コーナー部の丸みが、上記リム上部外側コーナー部の丸みよりも大きく形成され、
上記リム上部内側コーナー部の下端は上記吐水部よりも上方に設けられ、
上記吐水部の出口における上記リム部の横断面において、上記リム上部内側コーナー部の上端は、上記吐水部より外側に位置し、上記リム上部内側コーナー部の上記下端は、上記吐水部より内側に位置すると共に上記汚物受け面の上端より外側に位置し、上記リム上部内側コーナー部の上記上端と上記下端との間の横方向の幅は、上記吐水部の横方向の幅よりも大きく、上記リム上部内側コーナー部の丸みは、上記上端から上記下端まで内側に向けて下降するように形成され、
上面視で上記汚物受け面が上記吐水部より外側の上記リム上部内側コーナー部の上記上端まで、さらに外側まで拡がったような印象を与えることを特徴とする水洗大便器。 - 上記リム上部内側コーナー部の上記上端と上記下端との間の横方向の幅は、上記リム上部外側コーナー部の上端と下端との間の横方向の幅よりも大きい、請求項1記載の水洗大便器。
- 上記リム上部外側コーナー部を形成する円弧の半径と、上記リム上部内側コーナー部を形成する円弧の半径との比率が、1:2~1:5の範囲の比率に形成されている、請求項1又は2に記載の水洗大便器。
- 上記リム部は、その内壁の少なくとも一部が内側に向かってオーバーハングした形状に形成されている、請求項1乃至3の何れか1項に記載の水洗大便器。
- 上記吐水部は、上記ボウル部の前方側領域から前方に向かって吐水するように形成され、上記ボウル部の前端から後方に向かって流れる旋回流を形成する、請求項1乃至4の何れか1項に記載の水洗大便器。
- 上記リム部は、上記ボウル部の上記吐水部から前方側において、上部が内側に向かってオーバーハングした形状に形成されている、請求項1乃至5の何れか1項に記載の水洗大便器。
- 上記水洗大便器は、洗浄水源から水道の給水圧を直接利用した水道直圧式の給水装置により供給される洗浄水により便器を洗浄して汚物を排出する水洗大便器である、請求項1乃至6の何れか1項に記載の水洗大便器。
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