JP7045928B2 - 空気電池及び空気電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、多層構造体である容器によって外装された空気電池及びその製造方法に関し、特に、活物質の析出による負極の膨張から外装容器を保護する改良に関する。
多層構造体により形成された外装容器としては、特許文献1に開示されたものがある。この外装容器は、空気電池の正極を収容する正極側ラミネートシートと、空気電池の負極を収容する負極側ラミネートシートからなる。正極側及び負極側のラミネートシートは多層構造体であり、その中の1つの層として、撥水性を有する膜を含む。
また特許文献2は、負極の自由端にスリットを形成した空気電池を開示する。
正極、負極の間の化学反応で生ずる反応生成物は、このスリットをすりぬけ、負極のうち、正極と対向しない面に向かう。化学反応による反応生成物を分散させるので、特許文献2の空気電池では、反応生成物の堆積が、負極と、正極との間に集中することはない。こうした分散により、反応生成物の堆積による応力が、正極である空気極や外装容器に作用しないようにする。
特開2004-288572号公報 特開2017-4644号公報
ところで負極の活物質層を構成する活物質粒子は、充放電の過程で化学反応を繰り返す。そうした活物質粒子の化学反応は、負極全体において、均一に生ずるのではなく、電子伝導抵抗の寄与の小さいリード端子に近い部分で、高頻度に生じるという位置的な偏りがある。こうした、化学反応発生の位置的な偏りが、負極の一部の膨張を招く。特許文献1に記載された空気電池の外装容器は、ラミネートシートと、撥水層とを接合した構造になっており、その接合部分には充分な強度がない。そのため、負極の膨張により、一部に応力を受けると破断してしまうという問題がある。外装容器の内部には、電解液が収容されているため、応力による破断が微小なものであっても、その破断箇所から電解液が漏れ出てしまう。
特許文献2に記載されているように、負極にスリットを設けて、反応生成物の循環を促し、反応生成物の堆積箇所を分散することも考えられる。ところが、上記のように、化学反応の発生が、負極の一部の位置に集中すると、その位置で反応生成物が多く生成することで、スリットに目詰りが生じる恐れがある。スリットの目詰りにより、反応生成物の循環が滞ると、負極と、正極との間の反応生成物の堆積に歯止めがかからず、膨張した負極による応力が外装容器に作用するようになり、外装容器の破断及び液漏れを防止できないという問題がある。
本発明の目的は、充放電時における化学反応の発生箇所の集中を回避することができる空気電池を提供することである。
上記課題を解決することができる空気電池は、通気孔を有する層、及び、撥水性を有する層を含む多層構造体の外装容器に、電解液と、空気極である正極と、負極とを収容していて前記負極は、集電体と、前記集電体の一方端部に取り付けられたリード端子と、当該集電体の残りの部分に形成された活物質層とで構成され、前記活物質層は、前記集電体のうち、前記リード端子の取り付け位置側から離れる方向に向けて厚みが増加する部分を有し、前記リード端子は、前記外装容器から外部に突出し、前記活物質層のうち前記リード端子が取り付けられた一方端部を除く部分は、前記リード端子に近い側に位置する第1領域と、前記リード端子から遠い側に位置する第2領域とを有し、前記第1領域は、前記リード端子の突出方向において、前記負極リード端子の取り付け位置から前記集電体の他方端部までの距離の1/2以下の領域であり、前記第2領域は、前記突出方向において、前記集電体の他方端部から前記負極リード端子の取り付け位置までの距離の1/2より小さい領域であり、前記第1領域における最大厚みは、前記第2領域における最大厚みよりも小さいことを特徴にしている。
上記課題を解決することができる空気電池の製造方法は、集電体の一方端部にリード端子を取り付け、残りの部分に活物質層を形成する形成工程、通気孔を有する層、及び、撥水性を有する層を含む多層構造体の外装容器に、負極と、正極とを収容する収容工程、前記外装容器に電解液を注入する注入工程を含み、前記形成工程において前記活物質層を形成するにあたって、前記リード端子の取り付け位置側から離れる方向に向けて前記活物質層の厚みが増す部分を形成し、前記リード端子は、前記外装容器から外部に突出し、前記活物質層のうち前記リード端子が取り付けられた一方端部を除く部分は、前記リード端子に近い側に位置する第1領域と、前記リード端子から遠い側に位置する第2領域とを有し、前記第1領域は、前記リード端子の突出方向において、前記負極リード端子の取り付け位置から前記集電体の他方端部までの距離の1/2以下の領域であり、前記第2領域は、前記突出方向において、前記集電体の他方端部から前記負極リード端子の取り付け位置までの距離の1/2より小さい領域であり、前記第1領域における最大厚みは、前記第2領域における最大厚みよりも小さいことを特徴にしている。
本開示において、前活物質層は、前記集電体のうち、前記リード端子の取り付け位置側から離れる方向に向けて厚みが増加するので、負極と、正極との間の電解液によるイオン伝導抵抗は、リード端子が取り付けられた部分の直近部分で最大となる。一方、リード端子から流れる電流の経路長は、リード端子直近部分で最小となり、リード端子から離れるに従って長くなる。電池内において負極から正極の各部へ流れる電流は、リード端子からの電流経路長に基づく電子伝導抵抗と、電解液のイオン伝導抵抗との、両方の寄与で決せられるので、リード端子直近では電流経路長が短く電子伝導抵抗が小さい反面、イオン伝導抵抗が高いのに対し、リード端子から遠いところでは電流経路長が長く電子伝導抵抗が大きい反面、イオン伝導抵抗が小さいという事実を考慮すると、リード端子の直近から正極へ流れる電流値と、リード端子より遠い場所から正極に流れる電流値との均衡を図ることができる。その結果、反応生成物の生成量も、リード端子近くの電解液と、リード端子から遠い電解液とにおいて均衡することになる。それ故、反応生成物は、負極全体において均一な頻度で発生する。そのため、活物質の堆積により負極が膨張する場合であっても、負極全体を、略均等な比率で膨張させることができる。負極膨張による応力は、負極全体に分散されるので、応力が外装容器の一部に集中して作用するなどして外装容器が破断することを回避することができ、電解液の漏洩を防止することができる。
また、本開示では、反応生成物を流動させ、分散させる代わりに、充放電反応の基となる電流の流れ易さを、負極全体で均等にしているので、反応生成物の目詰まり等に苛まれることはなく、外装容器の保護を持続することができる。
本開示の実施形態1に係る空気電池1001を示す斜視図である。 空気電池1001を構成部材に分解して示す分解図である。 空気電池1001の断面図である。 負極集電体301、活物質層303、放電用正極集電体106を抜き出して示す図である。 空気電池1001の製造工程を示す工程図である。 図6(a)~(e)は、実施形態1に係る空気電池1001が製造される工程を示す図である。 図7(a)~(f)は、実施形態1に係るセパレーターケース400を形成して、ケース内に活物質粒子302m、バインダー302bを注入する工程を示す図である。 図8(a)は、実施形態2に係る2極式空気電池1002の斜視図である。図8(b)は、実施形態2に係る2極式空気電池1002の断面図である。 図9(a)は、実施形態3に係る3極式空気電池1003の斜視図である。図9(b)は、実施形態3に係る3極式空気電池1003の断面図である。 図10(a)は、第1の負極表面312に活物質層342、第2の負極表面313に活物質層343が形成された金属負極の断面図である。図10(b)、(c)は、A-A´の線、B-B´の線で切断した断面図である。
以下、本開示の実施の形態に係る金属空気電池及びこの金属空気電池の製造方法について、図面を参照しつつ説明する。
(実施形態1)
1.1 空気電池の構成
図1は、亜鉛空気電池である空気電池1001の外観を示す斜視図である。尚、説明の便宜上、空気電池1001の上下方向をZ軸方向、厚み方向をX軸方向、水平方向をY軸方向とする。以降の図でも、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向をこの意味で使用する。
図2は、図1における空気電池1001を構成部材に分解して示す分解図である。図3は、後述する負極用リード端子311が存在する位置で空気電池1001をXZ平面で切断した場合の断面図である。
図2に示すように、第1の主壁501の内面501iには、撥水膜103と、放電用正極触媒層102と、放電用正極集電体101とが取り付けられている。放電用正極集電体101及び放電用正極触媒層102は、放電用正極100を構成する。
第2の主壁506の内面506iには、放電用正極集電体106と、放電用正極触媒層107と、撥水膜108とが取り付けられている。放電用正極集電体106及び放電用正極触媒層107は、放電用正極105を構成する。放電用正極集電体101と、放電用正極集電体106との間には、負極集電体301、活物質層302、303を内包したセパレーターケース400が設けられている。負極集電体301、活物質層302、303は金属負極300を構成する。放電用正極集電体101、106、負極集電体301は、実質的に平行関係を維持しつつ、X軸方向に並べられている。
(放電用正極集電体101、106)
放電用正極集電体101、106は、それぞれ放電用正極リード端子111、112と電気的に接続されており、放電用正極触媒層102、107で生じた電荷を、図示しない外部回路に供給する。
(放電用正極触媒層102、107)
放電用正極触媒層102、107は、導電性の多孔性担体と、多孔性担体に担持された触媒とで構成され、酸素ガスと水と電子とが共存する三相界面を形成し、第1の主壁501に形成されたガス取込孔501h、第2の主壁506に形成されたガス取込孔506hから酸素の供給を受けて、放電反応を進行させる。
(セパレーターケース400)
セパレーターケース400は、活物質、及び、その反応生成物を透過せず、電解液のみを透過する隔膜により構成される袋状体である。図3に示すようにセパレーターケース400の底部409は、まち面になっており、上方端401、402が封止されている。
(負極集電体301)
負極集電体301は、その上方端部に負極用リード端子311が取り付けられ、セパレーターケース400に収容される。
(活物質層302、303)
活物質層302、303は、図3に示すように負極集電体301の第1の負極表面312、第2の負極表面313のそれぞれと接触して形成される。活物質層302、303は、活物質粒子からなる多孔性の伝導材であり、活物質粒子の粒子間の空隙に電解液を浸透させることで、活物質粒子と電解液との接触界面を広く確保し、確保された接触界面で、活物質と、水酸化物イオン(OH-)とが関わる化学反応を生じさせる。
図4は、金属負極300のうち、負極集電体301、活物質層303を抜き出して、放電用正極集電体106と共に示す。図4における「F(Z)」は、Z軸における任意の位置における活物質の厚みを規定する関数である。図4の一例では、Z軸上の3つの位置(位置Zn、Za、Zb)のそれぞれの厚みとして、F(Zn)、F(Za)、F(Zb)が示されている。活物質層302、活物質層303の厚みは、それぞれ負極集電体301の第1の負極表面312、負極313から電解液の液面までの最短距離である。
図4において、負極用リード端子311の取り付け部の直近にあたる位置Znでは、負極用リード端子311の取り付け位置から負極集電体301を流れる電流の経路長が短く(En)電子伝導抵抗が小さい反面、活物質の厚みが小さく(図4におけるF(Zn)参照)、また、放電用正極集電体101との間隔が広く(図4におけるD-F(Zn)参照)、イオン伝導抵抗が大きくなる。
一方、位置Zbでは、負極用リード端子311の取り付け位置からの負極集電体301を流れる電流の経路長が長く(Eb)、電子伝導抵抗が大きくなっている反面、活物質の厚みが大きく(図4におけるF(Zb)>F(Zn)参照)、また、放電用正極集電体101との間隔が狭まっている(図4におけるD-F(Zb)参照)ため、イオン伝導抵抗が小さくなる。そのため、放電用正極集電体106の表面から負極用リード端子311の直近となる位置Znに至る経路Pa1と、負極用リード端子311から離反した位置Zbに至る経路Pa2とでは、電流量が均衡している。
活物質層303における活物質の厚みは、負極用リード端子311の取付け位置から遠方に向かうにつれ漸次増大しており(F(Zb)>F(Za)>F(Zn))、放電用正極集電体106との間隔が狭めているから(D-F(Zb)<D-F(Za)<D-F(Zn))、負極用リード端子311の取り付け位置から離れた位置における電流の流れ易さが、Z軸方向の複数の位置の何れかに偏るという、電流の流れ易さの位置的な偏りが抑制される。これにより、放電用正極集電体106の表面から負極集電体301の表面へ流れる電流量は、Z軸方向の複数位置のそれぞれで均等に近づく。
活物質層302、303の厚みの測定方法は、X線トモグラフィーにより空気電池のXZ断面の断面観察を行うことで実測することができる。
1.2 放電時の化学反応
以下、空気電池1001の放電時における化学反応について説明する。
金属負極300では、放電用正極100で生じた水酸化物イオンと、活物質層302、303の活物質粒子との化学反応が発生する。活物質粒子が亜鉛である場合、亜鉛が酸化され、ジンケートイオンが生成される。ジンケートイオンの生成過程で、電子が放出される。放出された電子は、金属負極300から放電用正極100に供給される。ジンケートイオンは、反応生成物である酸化亜鉛として析出する。
放電用正極集電体101では、図2に示す第1の主壁501のガス取込孔501hを通じて外部から取り込まれた酸素と、水と、金属負極300から供給された電子とが反応して水酸化物イオンを生じさせる。
図4において、Z軸上のZnからZaまでの領域を第1領域321とし、ZaからZbまでの領域を第2領域322とした場合、第1領域321では、電子伝導抵抗の寄与が小さく、イオン伝導抵抗の寄与が大きい。一方で、第2領域322では、電子伝導抵抗の寄与が大きく、イオン伝導抵抗の寄与が小さくなっている。そのため、反応生成物である酸化亜鉛の堆積は、負極用リード端子311から近い第1領域321、負極用リード端子311から遠い第2領域322のそれぞれで偏りなく発生し、反応生成物の堆積が、負極用リード端子311に近い部分に集中することはない。金属負極300の膨張による応力が、複数の場所に分散されるので、外装容器500の破断を避けることができる。
第1領域321のZ軸方向(負極端子リード311を上にして、金属空気電池1001を水平面に静置された状態の重力方向)の大きさは、負極集電体301のZ軸方向において、負極リード端子311の取り付け位置からZ軸方向の他端までの距離の1/2以下に定めることが好ましく、さらに1/4以下であることが好ましい。第2領域322のZ軸方向の大きさは、負極リード端子311の取り付け位置からZ軸方向の他端までの距離の1/2~3/4に定めることが好ましい。
1.3 空気電池の製造方法
次に、金属空気電池1の製造方法について説明する。図5は、実施形態1に係る空気電池1001の製造工程を示す工程図である。
ステップS101において、図6(a)の矢印ov1に示すように外装容器500の第1の主壁501の内面501iに、撥水膜103を重ね合わせ、熱溶着することにより第1の主壁501と撥水膜103とを一体化する。
続くステップS102では、一体化された第1の主壁501及び撥水膜103に、図6(b)の矢印ov2に示すように放電用正極触媒層102及び放電用正極集電体101を重ね合わせ、プレス加工に供することで、これらを一体構成にする。
電解液としてアルカリ性水溶液を使用する場合、耐腐食性の観点から、放電用正極集電体101は、ニッケル(Ni)、ステンレス(SUS)などの金属素材の表面に対してニッケルメッキを施した材料を使用することが望ましい。メッシュ、エキスパンドメタル、パンチングメタル、金属粒子や金属繊維の焼結体、発泡金属などを使用することで放電用正極集電体101を多孔性とすることもできる。
放電用正極触媒層により担持される触媒としては、空気電池の技術分野で一般的に使用される触媒が使用でき、例えば、白金(Pt)、マンガン(Mn)、ランタン(La)、チタン(Ti)、コバルト(Co)等の1種以上の金属、または、鉄、ニッケル、チタン、銅、ルテニウム、セレン、タングステン、バナジウム、モリブデン、マンガン、ニオブなどの金属酸化物、金属水酸化物を用いることができる。撥水膜103の撥水性樹脂としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好ましい。
外装容器500の第2の主壁506についても、同様の処理を行い、図6(c)に示すように第2の主壁506に、撥水膜108、放電用正極触媒層107、放電用正極集電体106を一体にする。
放電用正極リード端子111、112は、アルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス、銅により構成されるリード本体(これらの合金でもよい)に、ポリイミド(PI)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂等からなる耐熱絶縁部を設けることで構成される。尚、負極用リード端子311も同じ構成である。
上記のステップS101、S102と並行して、ステップS103、S104を実行する。ステップS103では、底部にまち面がある袋状体のセパレーターケース400を形成する。以下、セパレーターケース400の形成過程を、詳細に説明する。
はじめに、セパレーターケース400を形成するための多孔質性のフィルム素材を用意する。係るフィルム素材としては、熱溶着性フィルムのみからなる単層構造のもの、熱溶着性フィルムと、耐熱性基材とが積層された複層構造のものを使用することができる。
熱溶着性フィルムとしては、具体的には、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレン(PE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のポリオレフィン系樹脂材料を使用することができる。耐熱性基材としては、耐熱性を有する合成樹脂系材料を含むことが好ましく例えば、ナイロン、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)などのポリオレフィン系樹脂を好適に用いることができる。
図7(a)のfd1、fd2に示すように、フィルム素材420の左端421、右端422を折って、右端422を、左端421に重ね合わせて熱溶着することで、筒状にする。
次に、図7(b)に示すように、筒状のフィルム素材420の下端423を矢印fd3に示すように折り曲げる。更に、図7(c)に示すように、フィルム素材420の下端423において重なり合ったシート材424、425を矢印op1、op2に示すように開き、図7(d)の矢印td5、td6に示すように、シート材424、425を折り曲げ重ね合わせて熱溶着することで、図3に示すセパレーターケース400の底部409のまち面を完成させる。
更に、図7(e)に示す左右の側部426、427を形成し、セパレーターケース400を完成させる。セパレーターケース400は、セパレーターケースの上方端401から底部のまち面に向かって、厚みが増す形状となる。底部にまち面があるセパレーターケース400が完成すれば、ステップS104に移行する。
ステップS104では、セパレーターケース400に、負極集電体301を挿入するのと共に、活物質層302、303の原材料となる活物質を注入する。具体的にいうと、図7(f)に示すように負極用リード端子311が取り付けられた負極集電体301をセパレーターケース400に挿入し、活物質粒子302mと、バインダー302bとを、セパレーターケース400の上方端401から注入する。
バインダー302bとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いることができる。また、ゲル材を用いてもよい、
負極集電体301は、多孔性でかつ電子伝導性を有する材料によって形成することが望ましい。また、自己腐食抑制の観点からは、銅や錫等の水素過電圧の高い材料、又はステンレス等の金属素材表面に水素過電圧の高い材料によるメッキが施された材料を負極集電体301として用いることが望ましい。また、負極集電体301には、放電用正極集電体101、106と同様の材質、つまり、メッシュ、エキスパンドメタル、パンチングメタル、金属粒子又は金属繊維の焼結体、及び発泡金属等を好適に用いることができる。
活物質層302、303に含まれる活物質粒子として、還元状態の金属粒子を用いても、酸化状態の粒子を用いてもよい。還元状態の金属粒子としては、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、リチウム(Li)といった金属の金属粉を用いる。活物質粒子が亜鉛(Zn)を含む場合、還元状態の金属亜鉛粒子を用いてもよいし、酸化状態の酸化亜鉛または水酸化亜鉛粒子を用いてもよい。尚、活物質金属粒子に限らす、ゲル状の活物質金属粒子をセパレーターケース400に注入してもよい。また、活物質層302、303は、活物質粒子の他に、活物質粒子同士を結着させるバインダーや、活物質層の導電性を向上させる導電助剤を含んでいてもよい。バインダーおよび導電助剤は、特に限定されず、空気電池の技術分野で一般的に使用されるものから適宜選択すればよい。
活物質粒子302mと共にバインダー302bが注入されることで、底部409がまち面になっているセパレーターケース400の内部で活物質が固形化してゆく。そうすると、負極用リード端子311から離間するにつれ、活物質が厚みを増すような形状で、活物質層302、303が形成される。このように注入した活物質の固形化が完了すれば、金属負極300及びセパレーターケース400が完成する。
金属負極300が完成すると、ステップS105の工程を実行する。具体的にいうと、図6(d)に示すように、第1の主壁の内面501i、第2の主壁の内面506iとを対向させ、矢印bd1、bd2に示すようにセパレーターケース400を挟み込む。
ステップS106では、電解液の注入と、セパレーターケース400の封止を行う。具体的にいうと、図6(e)の矢印ij1に示すように、セパレーターケース400の上方端401からセパレーターケース400内に電解液を注入し、金属負極300を電解液に浸漬する。
電解液としては、アルカリ性水溶液、塩水、有機溶液等を利用することができる。
金属負極300に導通する負極用リード端子311をセパレーターケース400の上方端401から突出させた状態で、図6(e)における上方端401の内側を熱溶着し、上方端401を封止する。
次いで、セパレーターケース400を挟んで、第1の主壁501、第2の主壁506の左右両側の縁部502、503と、507、508と、下縁部504、509とを熱溶着し、一体化された状態にする。これにより、上部が開放した有底袋形状の外装容器500を形成する。
また、放電用正極リード端子111、112、負極用リード端子311を外装容器500の上方端511から突出させた状態で、図6(d)における第1の主壁501の内面501i、第2の主壁506の内面506iと、セパレーターケース400の外面との間に電解液を注入する。最後に、セパレーターケース400の上方端401の外面と、外装容器500の上方端401の内面とを熱溶着することで外装容器500を封止する。係るセパレーターケース400の封止と、外装容器500の封止とは、同時に行うことができる。
4.まとめ
図4の負極集電体301において、負極用リード端子311が取り付けられた部分の直近部分Znにおける活物質層303の厚みZnは、最小となる。一方、金属負極300と、放電用正極100との間隔D-F(Zn)は最大になるので、結果として、電解液によるイオン伝導抵抗は、負極用リード端子311の直近部分Znにおいて最大となる。負極用リード端子311から負極集電体301を流れる電流の経路長は、負極用リード端子311の取り付け部の直近にあたる位置Znに至る経路(En)で最小となる。逆に、負極用リード端子311から負極集電体301を流れる電流の経路長は、負極集電体301の他方端側の位置Zbに至る経路(Eb)で最大となる。
一般に空気電池において負極から正極の各部へ流れる電流は、リード端子からの集電体上での電流経路長と、電解液のイオン伝導抵抗との両方の寄与で決せられる。空気電池1001では、負極用リード端子311の直近となる位置Znに至る電流経路(En)の経路長が短い反面、放電用正極100との間隔が大きく広がっていて(図中のD-F(Zn))、イオン伝導抵抗が高い。これに対し、負極用リード端子311の遠方となる位置Zbに至る電流経路(Eb)は経路長が長い反面、放電用正極100との間隔が狭められていて(図中のD-F(Zb))、イオン伝導抵抗が低い。
集電体上での電流経路長が大きい経路において、イオン伝導抵抗が低くなるよう、活物質層303に傾斜を設けているので、空気電池1001は、負極用リード端子311の直近から放電用正極100に流れる電流値と、負極用リード端子311より遠い場所から放電用正極100に流れる電流値とを均衡させることができる。その結果、反応生成物の生成量も、リード端子近くの電解液と、リード端子から遠い電解液とにおいて均衡することになる。それ故、反応生成物は、負極全体において均一な頻度で発生する。
そのため、空気電池1001では、活物質の堆積により金属負極300が膨張する場合であっても、負極全体を、略均等な比率で膨張させることができる。負極膨張による応力は、負極全体に分散されるので、外装容器500の破断を回避することができ、電解液の漏洩を防止することができる。
更に、本開示では、Z軸負方向(空気電池1001の下方)に近づくにつれ、活物質層302、活物質層303の厚みを大きくしているので、空気電池を起立姿勢で使用する際の安定性を向上させることができる。
(実施形態2)
実施形態1では、放電用正極100、105の間に金属負極300が配された金属空気電池を構成する。これに対し実施形態2では、放電用正極100と金属負極300が一対となった金属空気電池を構成する。
2.1 空気電池の構成
図8(a)は、実施形態2に係る空気電池1002の斜視図であり、図8(b)は、図3と同様の位置で、空気電池1002を切断した場合の断面図である。
実施形態2では、図8(b)に示すように、負極集電体301の第1の負極表面312側にのみ、活物質層302が形成されている。第2の負極表面313には、活物質層は形成されていない。第1の負極表面312に形成された活物質層302は、実施形態1に述べたものと同じであり、Z軸方向の位置が進むにつれ、活物質の厚みを増す。第2の負極表面313は、負極活物質層が形成されておらず、代わりに、ラミネートシート521が添着されている。
2.2まとめ
放電用正極の形成箇所は、空気電池1002のうち、第1の主壁501側のみになるので、空気電池1002のラミネートシート521は、第1の主壁501側に配置された撥水膜103より強度に優れるため、ラミネートシート521側に衝撃が加わったとしても、空気電池1002が損傷を受ける可能性は低い。これにより、空気電池1002が衝撃を受けた際の破損リスクを低減させることができる。
(実施形態3)
実施形態1では、活物質層302、303のそれぞれに放電用正極100、105を対向させたが、実施形態3では、活物質層303に充電用正極を対向させて、充放電機能を発揮する空気電池を構成する。実施形態3に係る空気電池は、図9(b)に示すように、金属負極300、放電用正極100、充電用正極200とを備えた3極式空気である。
3.1 空気電池の構成
図9(a)は、実施形態3に係る3極式空気電池1003の斜視図である。図9(b)は、3極式空気電池1003の断面図である。図9(b)に示すように、実施形態3の負極集電体301の第2の負極表面313は、充電用正極200と対向している。図9(b)に示すように、充電用正極200は、充電用正極集電体201と、撥水膜202とで構成される。
(充電用正極集電体201)
充電用正極集電体201は、充電用正極リード端子211を介して、図示しない外部回路から充電反応に必要となる電荷の供給を受けることで、酸素(気相)、水(液相)、電子伝導体(固相)が共存する三相界面で充電反応を進行させる。この充電反応は、電解液であるアルカリ性水溶液に含まれる水酸化物イオン(OH-)から、酸素と水と電子とを生成する化学反応である。また、実施形態3では、図2に示された第2の主壁506に形成されたガス取込孔506hにガス排出孔としての機能を与えており(ガス排出孔506hと呼ぶ。)、充電用正極集電体201は、ガス排出孔506hを介して、充電反応により生成される酸素ガスの排出を促す。
(撥水膜202)
撥水膜202は、充電用正極集電体201と、外装容器501との間に配され、充電用正極200を介した電解液の漏洩を抑制する。また充電反応により生成される酸素ガスなどのガスを電解液と分離し、ガス排出孔506hからの排出を促す。
3.2 充電時の化学反応
充電時では、金属負極300の活物質層302、303において、亜鉛金属分子の析出反応が生じる。こうした析出反応により、活物質層302、303には、亜鉛金属分子が堆積し、負極活物質の体積が増える。
活物質層302、303は、実施形態1と同様、負極用リード端子311に近い部分で厚みが小さく、負極用リード端子311から遠ざかるにつれ、厚みが大きくなるという傾斜形状をなすので、析出反応の発生場所が、負極用リード端子311の取り付け位置に偏ることはない。亜鉛金属分子の堆積は、負極用リード端子311の取り付け位置から遠い、図9(a)に示す他方端部側の位置301eでも発生するので、活物質層302、303は全域にわたり、均等な比率で膨張する。
3.3 製造方法
次に、3極式空気電池1003の製造方法について述べる。
3極式空気電池1003の製造にあたっては、撥水膜202を第2の主壁506の内面に熱溶着により取り付け、充電用正極集電体201を、プレスにより第2の主壁506に取り付ける。
充電用正極200は、多孔性でかつ電子伝導性を有する材料であることが望ましい。電解液としてアルカリ性水溶液を使用する場合、耐腐食性、充電反応に対する酸素発生触媒能の観点から、ニッケル(Ni)、あるいは、ステンレス(SUS)などを使用することが望ましい。充電用正極200として、メッシュ、エキスパンドメタル、パンチングメタル、金属粒子や金属繊維の焼結体、発泡金属などを使用することで充電用正極200を多孔性とすることもできる。充電用正極200は、表面に充電反応を促進する酸素発生触媒粒子を具備していてもよい。また、充電用正極リード端子211は、充電用正極リード端子211と同様の構成とすることができる。
3.4 まとめ
充電用正極200と対向する活物質層303は、実施形態1と同様、負極用リード端子311から遠い位置では厚みが大きく、近い位置では厚みが小さく形成されているから、電流の流れ易さは、負極用リード端子311から遠い位置、近い位置の双方で均等になっており、析出反応による負極の膨張は、負極用リード端子311から遠い位置と、近い位置とで同等の頻度で発生する。負極の膨張による応力が分散されるので、充電反応における外装容器500の破断を回避することができる。
また、活物質層303の厚みは、負極用リード端子311から遠い位置において大きくなっていて充電用正極200はやや斜め上を向く。充電用正極の傾斜により、充電用正極200による酸素の取り込みが効率化されるから、充電用正極200における充電反応を促進することができる。
4.その他の変形例
本発明は、上記の実施形態に限定されない。以下に示すようにしてもよい。
(1)各実施形態における活物質層302、303の形状は、図3、図4に示した傾斜形状に限られない。図4において、第2領域322において最大となる活物質の厚みが、第1領域321において最大となる活物質の厚みを上回るのであれば、どのような形状であってもよい。第1領域321における活物質の厚みが、Z軸方向にわたり全て均一であり、第2領域322の一部のみで、厚みが増えるものであってもよい。また第2領域322の最大の厚みが、第1領域321の最大の厚みを上回るのであれば、第1領域321の厚みは、図4においてZnの位置からZaの位置までの途中で最大になっていてもよい。
(2)Z軸方向の複数位置で金属負極300を切断した場合の断面形状が、位置によって異なってもよい。変形例に係る金属負極の断面を、図10(a)に示す。本図に示すように、本変形例に係る金属負極は、負極集電体301の第1の負極表面312の側に活物質層342、第2の負極表面313の側に活物質層343が形成されている。図10(b)、(c)は、Z軸正方向において、A-A´線、B-B´線で切断した断面図である。断面形状が異なるものの、図10(c)に示す活物質層342、343の断面積Sgは、図10(b)に示す活物質層342、343の断面積Sfよりも大きくなるように形成されている。活物質層342、343の断面積がこのように設定されているので、断面積の増大により負極用リード端子311から遠い位置301fを流れる電流量は、負極用リード端子311から近い位置301n、その中間位置301mと変わらないものになる。断面積を大きくすることにより、負極用リード端子311から遠い位置での電流の流れ易さを確保するので、活物質層342、343を成形する際の形状の自由度が高まる。
(3)Z軸正方向における活物質層302、303の傾斜形状は、単調増加関数F(Z)をなすものでもよい。単調増加関数F(Z)は、F(Z)=A・Z+Bの形式の一次関数であり、係数Aは、負極集電体301の抵抗率に応じた値に設定される。係数Aを、放電用正極集電体101、負極集電体301の抵抗率に応じた値にすることで、負極集電体301と放電用正極集電体101との間のイオン伝導抵抗は、負極用リード端子311から遠ざかることによるオーミック損失を相殺するよう、単調減少する。オーミック損失を相殺するよう、イオン伝導抵抗を単調減少させることで、負極用リード端子311から遠ざかる位置を流れる電流量の確保が可能になる。
(4)実施形態1では、活物質の粉体をセパレーターケース400に挿入して固形化することで活物質層302、303を得たが、活物質やその反応生成物を固形化することで、活物質の塊を得て、活物質の塊を図3、図5に示した傾斜形状に加工し、活物質層302、活物質層303を得てもよい。そうして得た活物質層302、活物質層303を負極集電体301に取り付け、底部にまち面がない袋状体であるセパレーターケースの上端開口から挿入して、電解液を注入した後、セパレーターケースの上端を封止する。金型成形や金属切削といった工程で、活物質層302、活物質層303を成形するので、活物質層302、活物質層303の成形精度を高めることができ、化学反応の発生頻度の偏りが抑制される。
(5)金属空気電池は、アルミニウム空気電池、鉄空気電池、マグネシウム空気電池、リチウム空気電池であってもよい。これらの空気電池には、電解液として水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ性水溶液を用いることができる。マグネシウム空気電池の場合には、電解液に塩化ナトリウム水溶液を用いることができ、リチウム空気電池の場合には、有機性の電解液を用いることができる。電解液には、電解質以外の有機添加物や無機添加物が添加されてもよく、高分子添加物によりゲル化されていてもよい。
(6)本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
本開示は、電力供給装置の一つとして用いられる金属空気電池に広く利用可能である。
100、105 放電用正極
101、106 放電用正極集電体
102、107 放電用正極触媒層
103、108 撥水膜
111、112 放電用正極リード端子
200 充電用正極
201 充電用正極集電体
202 撥水膜
211 充電用正極リード端子
300 金属負極
301 負極集電体
302、303 活物質層
311 負極用リード端子
400 セパレーターケース
500 外装容器
521 ラミネートシート
1001、1002 空気電池
1003 3極式空気電池

Claims (17)

  1. 通気孔を有する層、及び、撥水性を有する層を含む多層構造体の外装容器に、電解液と、空気極である正極と、負極とを収容した空気電池であって
    前記負極は、集電体と、前記集電体の一方端部に取り付けられたリード端子と、当該集電体の残りの部分に形成された活物質層とで構成され、
    前記活物質層は、前記集電体のうち、前記リード端子の取り付け位置側から離れる方向に向けて厚みが増加する部分を有し、
    前記リード端子は、前記外装容器から外部に突出し、
    前記活物質層のうち前記リード端子が取り付けられた一方端部を除く部分は、前記リード端子に近い側に位置する第1領域と、前記リード端子から遠い側に位置する第2領域とを有し、
    前記第1領域は、前記リード端子の突出方向において、前記負極リード端子の取り付け位置から前記集電体の他方端部までの距離の1/2以下の領域であり、
    前記第2領域は、前記突出方向において、前記集電体の他方端部から前記負極リード端子の取り付け位置までの距離の1/2より小さい領域であり、
    前記第1領域における最大厚みは、前記第2領域における最大厚みよりも小さい
    ことを特徴とする空気電池。
  2. 前記活物質層は、前記リード端子の取り付け位置直近部分でもっとも薄く、リード端子の取り付け位置の直近部分を除く部分で、前記集電体の他方端部に向けて、厚みが増加する部分を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気電池。
  3. 前記活物質層の表面と前記正極の間隔が前記リード端子の取り付け位置から離れるにつれて、狭くなる部分を有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の空気電池。
  4. 前記負極は、袋状体に覆われた状態で、前記電解液とともに前記外装容器に収容されており、
    前記袋状体は、前記活物質の反応生成物を透過せず、前記電解液を透過する隔膜であり、絶縁性を有し、
    前記リード端子は、前記袋状体から外部に突出している
    ことを特徴とする請求項1~3の何れか1つに記載の空気電池。
  5. 前記袋状体は底部にまち面を有する
    ことを特徴とする請求項4に記載の空気電池。
  6. 前記活物質層は、前記集電体の一方側の面と、他方側の面とに形成されており、前記正極は、前記集電体の一方側の面に対向する第1正極と、他方側の面に対向する第2正極とで構成され、
    前記第1正極および前記第2正極は、放電用正極であり、放電反応のための触媒と、触媒を坦持した多孔性担体とで構成される触媒層を含む
    ことを特徴とする請求項1~5の何れか1つに記載の空気電池。
  7. 前記活物質層は、前記集電体の一方側の面に形成されており、前記正極は放電用正極であり、前記集電体の一方側の面に対向しており、放電反応のための触媒と、触媒を坦持した多孔性担体とで構成される触媒層を含み、
    前記集電体の他方側の面は、前記外装容器に添着されている
    ことを特徴とする請求項1~5の何れか1つに記載の空気電池。
  8. 前記活物質層は、前記集電体の一方側の面に形成されており、前記正極は放電用正極であり、前記集電体の一方側の面に対向しており、放電反応のための触媒と、触媒を坦持した多孔性担体とで構成される触媒層を含み、
    前記集電体の他方側の面は、充電用正極と対向している
    ことを特徴とする請求項1~5の何れか1つに記載の空気電池。
  9. 前記突出方向を法線とする面を切断面とした場合、前記第2領域のうち、前記活物質層の厚みが最も大きい部分における前記活物質層の断面積は、前記第1領域の何れの部分における前記活物質層の断面積よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1記載の空気電池。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか1つに記載の空気電池であって、
    前記活物質層は、袋状体に注入した活物質又はその反応生成物を固形化して形成されていること
    を特徴とする空気電池。
  11. 空気電池の製造方法であって、
    集電体の一方端部にリード端子を取り付け、残りの部分に活物質層を形成する形成工程、
    通気孔を有する層、及び、撥水性を有する層を含む多層構造体の外装容器に、負極と、正極とを収容する収容工程、
    前記外装容器に電解液を注入する注入工程を含み、
    前記形成工程において前記活物質層を形成するにあたって、前記リード端子の取り付け位置側から離れる方向に向けて前記活物質層の厚みが増す部分を形成し、
    前記リード端子は、前記外装容器から外部に突出し、
    前記活物質層のうち前記リード端子が取り付けられた一方端部を除く部分は、前記リード端子に近い側に位置する第1領域と、前記リード端子から遠い側に位置する第2領域とを有し、
    前記第1領域は、前記リード端子の突出方向において、前記負極リード端子の取り付け位置から前記集電体の他方端部までの距離の1/2以下の領域であり、
    前記第2領域は、前記突出方向において、前記集電体の他方端部から前記負極リード端子の取り付け位置までの距離の1/2より小さい領域であり、
    前記第1領域における最大厚みは、前記第2領域における最大厚みよりも小さい
    ことを特徴とする空気電池の製造方法。
  12. 前記形成工程において、前記活物質層を形成するにあたって、前記リード端子取り付け位置直近の部分が最も薄く、前記リード端子の取り付け位置直近部分を除く部分で、前記集電体の他方端部に向けて前記活物質層の厚みを増加する部分を形成する
    ことを特徴とする請求項11に記載の空気電池の製造方法。
  13. 前記形成工程は、底部にまち面を有する袋状体に、活物質又はその反応生成物を注入して、固形化することで、前記集電体の他方端部に向けて活物質の厚みが増す部分を前記活物質層に形成し、
    前記収容工程は、前記活物質層を袋状体で覆って、外装容器に収容し、
    前記袋状体は、前記活物質の反応生成物を透過せず、電解液を透過する隔膜であり、絶縁性を有する
    ことを特徴とする請求項11または12に記載の空気電池の製造方法。
  14. 前記形成工程は、前記活物質又はその反応生成物を固形化したものを前記集電体に取り付けることで、前記集電体の他方端部に向けて活物質の厚みが増す部分を前記活物質層に形成した上、袋状体で覆い、
    前記袋状体は、前記活物質の反応生成物を透過せず、電解液を透過する隔膜であり、絶縁性を有する
    ことを特徴とする請求項11~13の何れか1つに記載の空気電池の製造方法。
  15. 前記形成工程では、前記集電体の一方側の面と、他方側の面とに前記活物質層を形成し、
    前記正極は第1正極、第2正極で構成され、
    前記収容工程は、前記第1正極に、前記集電体の一方側の面に対向させ、前記第2正極に、他方側の面に対向させて、前記第1正極、前記第2正極、前記負極を前記外装容器に収容し、
    前記第1正極および前記第2正極は、放電用正極であり、放電反応のための触媒と、触媒を坦持した多孔性担体とで構成される触媒層を含む
    ことを特徴とする請求項11~14の何れか1つに記載の空気電池の製造方法。
  16. 前記活物質層は、前記集電体の一方側の面に形成されており、前記正極は放電用正極であり、放電反応のための触媒と、触媒を坦持した多孔性担体とで構成される触媒層を含み、
    前記収容工程は、前記集電体において前記活物質層が形成された一方側の面に、放電用正極を対向させ、前記集電体の他方側の面を、前記外装容器で添着する
    ことを特徴とする請求項11~13の何れか1つに記載の空気電池の製造方法。
  17. 前記形成工程は、前記活物質層を、前記集電体の一方側の面に形成し、
    前記正極は放電用正極であり、前記収容工程は、前記集電体の一方側の面に対向させ、前記集電体の他方側の面に、充電用正極を対向させ、
    前記放電用正極は、放電反応のための触媒と、触媒を坦持した多孔性担体とで構成される触媒層を含む
    ことを特徴とする請求項10~13の何れか1つに記載の空気電池の製造方法。
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