JP7045233B2 - 車両用制御装置 - Google Patents
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Description
前記レゾルバ信号処理装置の制御部に設けられる演算部は、初期設定時において、励磁信号として基準位相からの1周期分の正弦波データをDMA転送する指令を出し、回転角検出時において、励磁信号として修正位相からの1周期分の正弦波データをDMA転送する指令を出す。
しかし、上記のようにPWM信号をなまして正弦波状の励磁信号を生成する方法では、PWM信号のデューティ比を高周波で変化させる必要があるため、マイクロコンピュータの処理負荷が大きくなり、また、処理能力が高いマイクロコンピュータを採用する必要があるという問題があった。
なお、本実施形態では、本発明に係る車両用制御装置の一態様として、内燃機関の可変圧縮比機構を制御する電子制御装置を説明する。
但し、本発明に係る車両用制御装置は、可変圧縮比機構を制御する装置に限定されるものではなく、レゾルバの出力信号に基づき回転体の角度を検出し、検出した角度に基づき回転体の回転を制御する種々の車両用制御装置に本発明を適用することができ、例えば、モータによって倍力されたブレーキ液圧を発生させる電動倍力ブレーキ装置を制御する制御装置に本発明を適用することができる。
図1の内燃機関1は、シリンダブロック2と、シリンダボア3内に設けられたピストン4と、シリンダヘッド10と、吸気ポート5,排気ポート6の開口端を開閉する吸気バルブ7及び排気バルブ8と、を備える。
そして、燃焼室14は、ピストン4の冠面4aとシリンダヘッド10の下面との間に形成され、点火プラグ15は、燃焼室14を形成するシリンダヘッド10の略中央に配置される。
また、内燃機関1は、ピストン4の上死点位置を変更して機械圧縮比を可変とする可変圧縮比機構23を備える。
クランクシャフト9は、複数のジャーナル部9aとクランクピン部9bとを備え、シリンダブロック2の主軸受にジャーナル部9aが回転自在に支持される。
クランクピン部9bは、ジャーナル部9aから偏心し、ここにロアリンク11が回転自在に連結される。
アッパリンク12は、下端側が連結ピン25によりロアリンク11の一端に回動可能に連結され、上端側がピストンピン26によりピストン4に回動可能に連結される。
詳しくは、制御シャフト29は、回転可能に内燃機関本体に支持されていると共に、その回転中心から偏心している偏心カム部29aを有し、この偏心カム部29aにコントロールリンク27の下端部が回転可能に嵌合する。
係る構成の可変圧縮比機構23では、制御シャフト29が電動アクチュエータ30によって回動されると、偏心カム部29aの中心位置、つまり、コントロールリンク27の下端の揺動支持位置が変化してピストン4の行程が変化し、これにより、ピストン上死点におけるピストン4の位置が変化して内燃機関1の機械圧縮比が変化する。
ECM31及びVCRコントローラ32は、プロセッサ(CPU)やメモリを含んで構成されるマイクロコンピュータをそれぞれ備える。
また、ECM31及びVCRコントローラ32は、車載ネットワークを構成するCAN(Controller Area Network)51に接続されていて、ECM31とVCRコントローラ32とは相互通信可能に構成される。
VCRコントローラ32は、ECM31から送られた目標圧縮比のデータを読み込み、また、制御シャフト29の角度位置を検出する角度センサ29Aの出力信号を読み込む。
ここで、電動アクチュエータ30の動力源であるブラシレスモータ30aは、ロータ角度を検出するためのレゾルバ61を内蔵し、VCRコントローラ32(制御部)は、レゾルバ61の出力から求めたロータ角度に基づきブラシレスモータ30aの各コイルに流れる電流を切り替え、ブラシレスモータ30aを駆動する。
レゾルバ61は、ブラシレスモータ30aのロータ(回転体)と一体に回転する励磁コイル61aと、固定された第1検出コイル61bと、固定された第2検出コイル61cとを有する。
励磁信号回路62(励磁信号生成部)は、VCRコントローラ32のマイクロコンピュータ321が出力するPWM信号をなまして正弦波状の励磁信号を生成し、生成した励磁信号を励磁コイル61aに供給する回路であり、CRフィルタ62a、バッファ回路62bなどを有する。
メモリ321aに記憶される正弦波データは、波形レベルに応じて値が異なるデューティ比のデータであり、DMAコントローラ321bは、メモリ321aに記憶されている正弦波データをDMA転送するための制御を行い、PWM信号生成回路321cは、DMAコントローラ321bから出力される正弦波データに対応したPWM信号を生成する。
また、レゾルバSIN信号回路63は、レゾルバ61から出力される正弦波信号SINを増幅する第1増幅回路63a、第1増幅回路63aで増幅された正弦波信号SINからノイズ成分を除去する第1入力フィルタ63bを有する。
そして、第1入力フィルタ63b、第2入力フィルタ64bを通過した正弦波信号SIN、余弦波信号COSは、マイクロコンピュータ321の第1A/D変換器321e、第2A/D変換器321fでA/D変換されてCPU321gに読み込まれ、CPU321gは、正弦波信号SIN、余弦波信号COSに基づきブラシレスモータ30aのロータの角度を演算する。
そこで、VCRコントローラ32(マイクロコンピュータ321)は、正弦波データのDMA転送による処理負荷への影響を極力小さくするための機能として、励磁信号の生成に用いるPWM信号の周波数を周期的に変更する機能(周波数変更部)を備えている。
上記構成の場合、レゾルバ61の出力をモニタするPWM制御のサイクル(以下、レゾルバモニタサイクルと称する)で、ロータ角度の検出精度を確保するためには、励磁信号を生成するためのPWM信号の周波数(KHz)は800KHz程度の高周波数である必要がある。
そして、レゾルバ61の出力をモニタしないPWM制御のサイクルでのPWM信号の周波数(第2周波数)が、レゾルバモニタサイクルでのPWM信号の周波数(第1周波数)よりも低く設定されれば、高周波数でPWM信号を生成する期間が少なくなって、DMA転送によるメモリアクセス待ちの発生頻度が低下し、処理負荷への影響を小さくできる。
図3のタイムチャートは、PWMタイマ、U相の駆動パルス、V相の駆動パルス、W相の駆動パルス、レゾルバ61の励磁信号、励磁信号用のPWM信号の周波数、マイクロコンピュータ321の100μsタスク、マイクロコンピュータ321の500μsタスクの相関を例示する。
そして、マイクロコンピュータ321は、5サイクル分のモータ制御デューティ比の演算結果を、100μsタスクにて各サイクルに反映させる。
つまり、マイクロコンピュータ321は、ロータ角度の検出タイミングであるか否かに応じてPWM信号の周波数を変更することで、PWM信号の周波数を周期的に変更する機能を有している。
なお、上記の高周波数(第1周波数)は、ロータ角度の検出精度を確保できる励磁信号を生成できる周波数であり、上記の低周波数(第2周波数)は、所定の高周波数よりも低く、DMA転送によるメモリアクセス待ちの発生頻度を十分に低下させることができる周波数であり、所定の低周波数(第2周波数)を0KHzとすることができる(0KHz≦第2周波数<第1周波数)。
そして、図3の例では、マイクロコンピュータ321は、レゾルバモニタサイクルの始点(図3の時刻t1)における励磁信号の山ピークでレゾルバ61の出力をサンプリングし、次の谷ピーク(図3の時刻t2)でレゾルバ61の出力を再度サンプリングする。
そこで、マイクロコンピュータ321は、レゾルバモニタサイクル内の谷ピーク(2回目のサンプリングタイミング)でレゾルバ61の出力をサンプリングすると、励磁信号を生成するためのPWM信号の周波数を高周波数から低周波数に下げる切り替えを行うよう構成されている。
これによって、高周波数でPWM信号を生成する期間を可及的に少なくできる。
そこで、マイクロコンピュータ321は、レゾルバモニタサイクルの始点(図3の時刻t1)よりも所定期間だけ前の時点、換言すれば、レゾルバモニタサイクルにおける最初のサンプリングタイミングよりも所定期間だけ前の時点、詳細には、励磁信号の4半周期だけ前の時点(励磁信号のゼロクロス点、図3の時刻t0)で、PWM信号の周波数を低周波数から高周波数に切り替え、励磁信号が山ピークになるときには、PWM信号が安定した高周波数で出力されるようにする。
なお、マイクロコンピュータ321は、図3の時刻t1よりも前の時点からPWM信号の周波数を徐々に高くし、図3の時刻t1若しくは時刻t1の直前で所定の高周波数に達するように、PWM信号の周波数を変化させることができる。
なお、モータのPWM制御における1サイクルが励磁信号の谷ピークから次の谷ピークまでの間である場合、レゾルバモニタサイクル内の谷ピークから次の山ピークまでの間、及び、レゾルバモニタサイクル内の谷ピーク直前の励磁信号の4半周期の間で、PWM信号の周波数を高周波数に設定することができる。
つまり、励磁信号を生成するためのPWM信号の周波数は、モータのPWM制御の演算処理タイミング(500μsタスク)からずれたタイミングでは高周波数(第1周波数)に設定され、モータのPWM制御の演算処理タイミング(500μsタスク)では低周波数(第2周波数)に設定される。
マイクロコンピュータ321は、ステップS501で、レゾルバモニタサイクル(図3のDUTY4)に入る前のPWM信号の周波数を増加させる周波数切り替えタイミング(レゾルバ61の出力のサンプリングタイミングから所定期間だけ前のタイミング)であるか否かを判断する。
そして、マイクロコンピュータ321は、周波数切り替えタイミングになるまでは、ステップS504に進んで、PWM信号の周波数を低周波数(第2周波数)に設定し、周波数切り替えタイミングになると、ステップS502に進んでPWM信号の周波数を低周波数(第2周波数)からより周波数の高い高周波数(第1周波数)に切り替える。
そして、マイクロコンピュータ321は、周波数切り替えタイミングから励磁信号の谷ピークまでの間、つまり、レゾルバ61の出力の第1サンプリングタイミング及び第2サンプリングタイミングを含む期間内では、PWM信号の周波数を高周波数に維持する。
PWM信号の周波数を低周波数(第2周波数)に切り替えると、マイクロコンピュータ321は、ステップS501に戻り、次のレゾルバモニタサイクル(図3のDUTY4)になるまで、PWM信号の周波数を低周波数(第2周波数)に維持する。
また、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
また、マイクロコンピュータ321は、PWM信号の周波数を、例えば、レゾルバモニタサイクル及び当該レゾルバモニタサイクル直前のPWM制御のサイクルで高周波数に設定し、他のPWM制御のサイクルで低周波数に設定することができ、PWM信号の周波数を高周波数とするPWM制御のサイクルはレゾルバモニタサイクルに限定されない。
Claims (3)
- PWM信号を生成するPWM信号生成部と、
前記PWM信号をなまして生成した正弦波状の励磁信号をレゾルバに出力する励磁信号生成部と、
前記レゾルバが出力する信号に基づきブラシレスモータの回転子の角度を求め、前記回転子の角度に基づくPWM制御によって前記ブラシレスモータの操作信号を出力する制御部と、
前記PWM信号の周波数を前記ブラシレスモータのPWM制御のサイクルに応じて周期的に変更する周波数変更部と、
を有し、
前記周波数変更部は、前記ブラシレスモータのPWM制御の演算処理タイミングとずれたタイミングでは前記PWM信号の周波数を第1周波数に設定し、前記演算処理タイミングでは前記PWM信号の周波数を前記第1周波数よりも低い第2周波数に設定し、
前記制御部は、前記PWM信号の周波数が前記第1周波数に設定されるときに、前記レゾルバが出力する信号をモニタして前記回転子の角度を求める、
車両用制御装置。 - 前記周波数変更部は、前記PWM信号の周波数を前記第1周波数に設定する前記PWM制御のサイクルにおいて、前記励磁信号の山ピークから次の谷ピークまで区間又は谷ピークから次の山ピークまでの区間で前記PWM信号の周波数を第1周波数に設定し、残る区間の少なくとも一部で前記PWM信号の周波数を前記第2周波数に設定する、
請求項1記載の車両用制御装置。 - 前記PWM信号生成部は、
波形レベルに応じて値が異なるデューティ比のデータである正弦波データを記憶するメモリと、
前記メモリから前記正弦波データをDMA転送するDMAコントローラと、
を有し、
前記DMAコントローラから出力される前記正弦波データに基づき前記PWM信号を生成する、
請求項1記載の車両用制御装置。
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