JP4518026B2 - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料を高圧状態で蓄える蓄圧室と、該蓄圧室に燃料を圧送する燃料ポンプと、前記蓄圧室に蓄えられた燃料を噴射する燃料噴射弁と、前記蓄圧室内の燃圧を検出する検出手段とを備える内燃機関の燃料噴射装置に適用される燃料噴射制御装置に関する。
ディーゼル機関の各気筒の燃料噴射弁に高圧の燃料を供給する共通の蓄圧室(コモンレール)を備える燃料噴射装置が周知である。このコモンレール式のディーゼル機関によれば、機関運転状態に応じて、コモンレール内の燃圧を自由に制御することができ、ひいては燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を自由に制御することができる。
このディーゼル機関の燃料噴射制御装置では、通常、コモンレール内の燃圧の検出値を目標値にフィードバック制御すべく、燃料ポンプを操作する(特許文献1)。ここで、コモンレール内の燃圧のサンプリング周期は、通常、ディーゼル機関の出力軸の所定の回転角度に設定されている。
また、燃料ポンプによるコモンレールへの燃料の加圧供給(圧送)は、燃料噴射よりも前となるように設定されることが多い。これにより、燃料の圧送によるコモンレール内の燃圧の変動が収まった後に燃料噴射を行なうことができ、燃料噴射の制御精度を高く維持することが容易となるからである。また、上記設定は、コモンレール内の燃圧のフィードバック制御にとっても都合がよい。これは、燃料の圧送後に燃圧をサンプリングし、このサンプリングされる燃圧に基づきフィードバック制御を行うことで、燃料の圧送や燃料噴射等によってコモンレール内の燃圧が変動したとしても、略ピークの燃圧を所望に制御することができるからである。
ところで、燃料噴射弁の開弁期間(燃料噴射期間)が同一である場合、コモンレール内の燃圧が高いほど燃料噴射弁から噴射される燃料量が増加する。このため、ディーゼル機関の出力トルクを増加させるべく、燃料の圧送の期間をディーゼル機関の圧縮上死点近傍とする要求がある。ただし、この場合、燃圧がピークとなる回転角度は、燃料噴射と圧送との重複の態様に応じて変化する。このため、圧送終了後の所定の回転角度をサンプリングタイミングとしたのでは、コモンレール内の燃圧の正確なピーク値を検出することができない。
これに対し、燃料の圧送開始時近傍に燃圧をサンプリングしてフィードバック制御をすることで、燃圧のピーク値がコモンレールの耐圧を超えないようにすることも考えられる。しかし、この場合、燃圧のピーク値を直接管理することができないため、コモンレールの耐圧を超えないように大きなマージンを設けて燃圧の目標値を設定することとなり、ディーゼル機関の出力トルクの向上にとって障害となってしまう。
更に、コモンレール内の燃圧を検出する燃圧センサの出力に対するノイズ対策等を目的として、通常、燃圧センサの出力にフィルタ処理が施される。ただし、このフィルタ処理によってノイズを除去することはできるものの、フィルタ処理の施された燃圧と実際の燃圧との間にずれが生じる。このため、燃圧の目標値の設定に際しては、このずれを考慮してマージンが設けられることとなり、ディーゼル機関の出力トルクの向上にとって障害となってしまう。
このように、燃料噴射制御を所望に行なうためには、燃圧をより高精度に管理することが要求される。
特開2001−003791号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、燃料を高圧状態で蓄える蓄圧室内の燃圧をより高精度に管理することのできる燃料噴射制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、前記燃料噴射装置は、前記燃料噴射弁による燃料噴射の期間と前記燃料の圧送の期間とが重複し得るように設定されており、前記検出手段による検出結果をフィルタ処理するフィルタ処理手段と、該フィルタ処理手段の出力に基づき、実際の燃圧に対する前記フィルタ処理によるずれ量を補償して実際の燃圧のピーク値を推定する推定手段と、該推定される実際の燃圧のピーク値を目標値にフィードバック制御すべく前記燃料ポンプを操作する操作手段とを備えることを特徴とする。
上記構成では、検出手段の検出結果にフィルタ処理を施すことで、検出手段の出力にノイズが混入する場合であっても、このノイズを好適に除去することができる。ただし、フィルタ処理を施すことで、実際の燃圧の挙動とフィルタ処理の施された検出結果との間にずれが生じ得る。この点、上記構成では、フィルタ処理による上記ずれ量を補償して実際の燃圧の挙動を推定する推定手段を備えることで、実際の燃圧をより高精度に管理することができる。したがって、燃料ポンプの操作による燃圧の制御や、燃料噴射弁の操作による燃料噴射制御をより適切に行うことができる。
また、上記構成では、燃料噴射の期間と圧送の期間とが重複し得るために、重複を回避する設定と比較して、燃料噴射の期間における燃圧を高圧とすることができる。このため、重複を回避する設定と比較して、燃料噴射量を増加させることができ、ひいては、内燃機関の出力トルクを増加させることができる。
さらに、上記構成では、推定手段によってピーク値を推定するとともに、推定されるピーク値を目標値にフィードバック制御するために、ピーク値を高精度に制御することができる。このため、例えばピーク値を蓄圧室の耐圧等に応じて許容される範囲内で極力大きな値とすることが可能となる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記フィルタ処理手段は、前記検出手段の出力を取り込むフィルタ回路を備えて構成され、前記推定手段は、前記内燃機関の出力軸の回転速度と前記フィルタ回路の時定数とに基づき、前記フィルタ回路による前記ずれ量のうちの燃圧の変化量のずれ量を補償して前記推定を行なうことを特徴とする。
上記構成では、フィルタ回路を備えるために、当該燃料噴射制御装置の演算負荷を増大させることなく、検出手段に対するフィルタ処理を施すことができる。そして、上記構成では、フィルタ回路による上述したずれ量のうちの燃圧の変化量のずれ量を、回転速度と時定数とによって精度良く算出することができる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記推定手段は、前記フィルタ回路の出力に基づき、前記フィルタ回路における電圧降下による前記検出手段の出力のドリフト量を更に補償しつつ前記推定を行なうことを特徴とする。
上記構成において、フィルタ回路を備える場合、フィルタ回路内の抵抗における電圧降下によって検出手段の出力が低下するおそれがある。この点、上記構成では、フィルタ回路での電圧降下による上記ドリフト量を補償しつつ燃圧の挙動を推定することで、こうした問題を好適に抑制又は回避することができる。
請求項記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記推定手段は、前記燃料噴射の終了後に前記推定を行なうことを特徴とする。
燃料噴射がなされるときには、一般に、燃料噴射弁の操作に関連する演算処理を行なうために、燃料噴射制御装置の演算負荷が大きくなる傾向にある。この点、上記構成では、推定手段による推定を、燃料噴射の終了後に行なうことで、当該燃料噴射制御装置の演算負荷を分散させることができるため、燃料噴射がなされているときに演算負荷が極度に増大することを回避することができる。
請求項記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記検出手段の検出結果をディジタルデータに変換する変換器と、前記ディジタルデータを記憶する記憶手段とを更に備えることを特徴とする。
上記構成では、検出手段の検出結果をディジタルデータとして変換し、このディジタルデータを記憶することで、上記推定に都合のよいときに記憶手段からディジタルデータを読み出して上記推定を行なうことができる。
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、前記フィルタ処理手段は、前記ディジタルデータをフィルタ処理する手段を備えて構成され、該ディジタルデータをフィルタ処理する手段は、前記燃料噴射の終了後に当該フィルタ処理を行なうことを特徴とする。
燃料噴射がなされるときには、一般に、燃料噴射弁の操作に関連する演算処理を行なうために、燃料噴射制御装置の演算負荷が大きくなる傾向にある。この点、上記構成では、ディジタルデータのフィルタ処理を燃料噴射の終了後に行なうことで、当該燃料噴射制御装置の演算負荷を分散させることができるため、燃料噴射がなされているときに演算負荷が極度に増大することを回避することができる。
請求項記載の発明は、請求項又は記載の発明において、前記燃料噴射のなされるタイミングに応じて、前記ディジタルデータのサンプリングのタイミングを変更することを特徴とする。
上記構成では、燃料噴射のなされるタイミングに応じてディジタルデータのサンプリングのタイミングを変更することで、ディジタルデータのサンプリングが要求されるときに同変換を行なうことが可能となる。このため、サンプリング要求に適切に応じつつも、当該燃料噴射制御装置の演算負荷を極力低減することができる。更に、上記検出手段以外の手段が変換器を使用する構成であっても、変換器の使用要求が互いに干渉することを極力抑制することができる。
請求項記載の発明は、請求項のいずれかに記載の発明において、前記ディジタルデータのサンプリング周期を前記内燃機関の既定の回転角度毎に各別に設定可能であることを特徴とする。
上記構成では、既定の回転角度毎にサンプリング周期が各別に設定可能であるため、検出手段の検出値を短周期でサンプリングすることが望まれるときに限定して短周期でのサンプリングを行なうことができる。このため、サンプリング要求に適切に応じつつも、当該燃料噴射制御装置の演算負荷を極力低減することができる。更に、上記検出手段以外の手段が変換器を使用する構成であっても、変換器の使用要求が互いに干渉することを極力抑制しつつ、燃圧の挙動を高精度に推定することができる。
請求項記載の発明は、前記燃料噴射のなされるタイミング近傍において、前記ディジタルデータを複数回サンプリングする手段と、該サンプリングされた複数個のディジタルデータに基づき前記燃圧のピーク値を算出する手段と、前記ピーク値に基づき前記燃料ポンプを操作する手段とを備えることを特徴とする。
上記構成では、燃料噴射の期間と燃料の圧送の期間とが重複し得るために、重複の態様に応じて燃圧のピーク値が大きく変動し得る。ここで、上記構成では、燃料噴射のなされるタイミング近傍において、ディジタルデータを複数回サンプリングすることで、変動し得る燃圧の情報を十分に取得することが可能となる。そして、サンプリングされる複数個のディジタルデータに基づき算出されるピーク値に基づき燃料ポンプを操作することで、ピーク値を適切に管理することができる。
以下、本発明にかかる燃料噴射制御装置をディーゼル機関の燃料噴射制御装置に適用した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるエンジンシステムの全体構成を示す。
図示されるように、燃料タンク2内の燃料は、燃料フィルタ4を介して燃料ポンプ6によって汲み上げられる。この燃料ポンプ6は、ディーゼル機関の出力軸であるクランク軸8から動力を付与されて燃料を吐出するものである。詳しくは、燃料ポンプ6は、吸入調量弁10を備えており、この吸入調量弁10が操作されることで、外部に吐出される燃料量が決定される。また、燃料ポンプ6は、いくつかのプランジャを備えており、これらプランジャが上死点及び下死点間を往復運動することで、燃料が吸入及び吐出される。
燃料ポンプ6からの燃料は、コモンレール12に加圧供給(圧送)される。コモンレール12は、燃料ポンプ6から圧送された燃料を高圧状態で蓄え、これを高圧燃料通路14を介して各気筒(ここでは、4気筒を例示)の燃料噴射弁16に供給する。なお、燃料噴射弁16は、低圧燃料通路18を介して燃料タンク2と接続されている。
上記エンジンシステムは、コモンレール12内の燃圧を検出する燃圧センサ20や、クランク軸8の回転角度を検出するクランク角センサ22等、ディーゼル機関の運転状態を検出する各種センサを備えている。更に、エンジンシステムは、ユーザによる加速要求に応じて操作されるアクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ24を備えている。
一方、電子制御装置(ECU30)は、マイクロコンピュータを主体として構成され、上記各種センサの検出結果を取り込み、これに基づきディーゼル機関の出力を制御するものである。
上記ECU30は、ディーゼル機関の出力制御を適切に行なうべく、燃料噴射制御を行う。すなわち、要求トルクを生成する燃料噴射量の指令値(指令噴射量)に見合った開弁時間(噴射期間)となるように、燃料噴射弁16を開操作する。ここで、この噴射期間は、指令噴射量と燃圧との2次元マップに基づき設定される。この2次元マップは、同一の噴射量なら、燃圧が高いほど噴射期間が短くなるように設定されている。
また、燃料噴射制御に際しては、燃圧センサ20によって検出される燃圧を、ディーゼル機関の運転状態等に応じて設定される燃圧の目標値(目標燃圧)にフィードバック制御する。
図2に、ECU30のうち、特に燃圧センサ20の出力を処理する部分の構成を示す。
図示されるように、ECU30は、燃圧センサ20の出力電圧Vinが印加される端子Tpを備えている。そして、端子Tpには、定電圧回路31を介して、燃圧センサ20の出力に混入するノイズを除去するフィルタ回路32が接続されている。フィルタ回路32は、入力信号を抵抗値R1の抵抗器32aを介して外部へ出力するものであって且つ、入力信号を平滑化するための容量Cのコンデンサ32bが抵抗器32aの出力側及び接地間に接続されて構成されている。
フィルタ回路32の出力電圧は、端子Tfを介して、マイクロコンピュータ(マイコン33)に取り込まれる。マイコン33は、端子Tfに入力される信号を、抵抗値R2の抵抗器34の電圧降下の値として、アナログ/ディジタル変換器(A/D変換器35)に取り込む。A/D変換器35は、入力される信号を所定のタイミングでディジタルデータに変換して中央処理装置(CPU36)に出力する。CPU36は、ランダムアクセスメモリ(RAM37)に、演算データを一旦記憶させつつ各種演算を行なう。
図3に、燃圧センサ20の検出値の目標燃圧へのフィードバック制御の処理手順を示す。この処理は、ECU30により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10においてアクセルセンサ24によって検出されるアクセルペダルの操作量と、クランク角センサ22を用いて検出される回転速度とに基づき、目標燃圧を算出する。ここで、目標燃圧は、ディーゼル機関の要求トルクが大きいほど、また、回転速度が大きいほど、高圧に設定される。続くステップS12では、燃圧センサ20によって検出される燃圧を取得する。更に、ステップS14では、目標燃圧と検出される燃圧とに基づき、比例項、積分項、微分項を算出することで、燃料ポンプ6に対する吐出量の指令値(指令吐出量)を算出する。そして、ステップS16では、指令吐出量を駆動電流値に換算する。そして、ステップS18では、算出される駆動電流値に応じて燃料ポンプ6(詳しくは、吸入調量弁10)を操作する。
上記態様にてコモンレール12内の燃圧を目標燃圧にフィードバック制御することが可能となる。ただし、フィードバック制御は、燃圧センサ20により燃圧をどのタイミングで検出するかに依存してその制御精度が変動し得る。より正確には、上記A/D変換器35によって燃圧センサ20の出力の変換されたディジタルデータのサンプリングのタイミングをいつにするかに依存してその制御精度が変動し得る。
図4に、フィードバック制御の一例を示す。詳しくは、図4(a)は、燃料噴射弁16に対する操作信号を示し、図4(b)は、燃圧の推移を示し、図4(c)は、燃料ポンプ6による燃料の吸入及び吐出の態様を示す。なお、図4(a)には、要求トルクを生成するためのメインとなる噴射であるメイン噴射mの操作信号に加えて、パイロット噴射pの操作信号を例示した。ここで、パイロット噴射pは、極微小な燃料が噴射されて着火の直前の燃料と空気との混合を促進させるとともに、メイン噴射後の着火時期の遅れを短縮して窒素酸化物(NOx)の発生を抑制し、燃焼音及び振動を低減するためのものである。
図4(b)の実線は、図4(c)に例示する態様にて燃料が吐出される場合の燃圧の挙動を示している(ただし、便宜上、パイロット噴射pによる影響を無視している)。この例では、燃料ポンプ6からコモンレール12への燃料の圧送が、燃料噴射と重複しないように、各気筒の上死点よりも十分に進角して設定されている。このため、燃料の圧送後、燃圧が安定したタイミング(図中、78°BTDC)の燃圧センサ20の出力(A/D変換器35により変換されたディジタルデータ)を用いて先の図3に示したフィードバック制御にかかる演算を行なうことで、燃圧のピーク値を目標燃圧に精度良くフィードバック制御することができる。
ただし、燃料噴射制御においては、上述したように、同一の噴射期間であっても燃圧が高いほど噴射量が増加する。このため、ディーゼル機関の出力トルクを極力増大させるためには、メイン噴射の期間と圧送の期間とを重複させることが望まれる。これにより、図4(b)に一点鎖線にて示すように、メイン噴射の行なわれる圧縮上死点の近傍においてコモンレール12内の燃圧が最高圧となるため、噴射量を極力増大させることが可能となる。
ただし、この場合、燃料噴射量や噴射開始時期に依存して燃圧のピーク位置が図4(b)に示す範囲ΔWで変動する。このため、特定の回転角度においてサンプリングされる燃圧センサ20の出力についてのディジタルデータを用いて先の図3に示した処理により燃圧を目標燃圧にフィードバック制御したのでは、ピーク値を目標燃圧に高精度に制御することが困難となる。このため、目標燃圧は、コモンレール12内の燃圧がその耐圧を超えないように大きなマージンを設けて設定されることとなる。特に、燃圧のピーク値は、燃料ポンプ6や、コモンレール12、燃料噴射弁16等を備えて構成される燃料噴射装置の個体差に起因するばらつきにより、図4(b)に示す変動幅ΔHのばらつきを有する。このため、上記目標燃圧の設定に際しては、特に上記変動幅ΔHを考慮してマージンを設定することが要求される。このため、コモンレール12が許容する燃圧の最高値よりも低い値で燃圧が制御されることとなり、ディーゼル機関の出力トルクも制約を受けることとなる。
そこで本実施形態では、図5に示すように、燃料の圧送上死点を各気筒の圧縮上死点と対応付けて且つ、燃料噴射のなされるタイミング近傍において、A/D変換器35により変換される燃圧センサ20の出力に関するディジタルデータを集中的にサンプリングし、これらサンプリングされるディジタルデータに基づき燃圧のピーク値を算出する。これにより、クランク軸8の所定の回転角度毎にサンプリングされるディジタルデータを用いる場合と比較して、燃圧のピーク値をより適切に管理することができる。
ただし、燃料噴射時には、燃料噴射弁16の操作のための演算等により、ECU30の演算負荷が大きい。このため、本実施形態では、上記複数のディジタルデータを一旦先の図2に示したRAM37に記憶させ、燃料噴射の終了後にピーク値の算出を行なう(図中、「42°ATDC」)。そして、こうして算出されるピーク値を、先の図3に示したフィードバック制御において用いることで、ピーク値を目標燃圧にフィードバック制御する。
以下、上記ピーク値の算出にかかる処理について詳述する。
図6に、A/D変換器35によって変換される燃圧センサ20の出力に関するディジタルデータのサンプリング処理の手順を示す。この処理は、ECU30により、クランク軸8の回転角度周期(ここでは、先の図4及び図5に示す「30°CA」間隔)で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS20において、別のロジックで設定されるメイン噴射の噴射開始時期を取り込む。続くステップS22では、噴射開始時期との差が「60°CA」進角以内であるか否かを判断する。この判断は、燃料噴射開始時期を含む「30°CA」の角度領域の1つ前の「30°CA」の角度領域を判断するためのものである。そして、ステップS22において肯定判断されると、ステップS24において、上記サンプリングを行なう角度領域を設定する。この角度領域は、先の図5に例示したように、噴射開始時期を含む「30°CA」の角度領域と、その前後の各「30°CA」の角度領域として設定される。なお、以下では、説明の便宜上、これら3つの角度領域を、進角側から順に、第1領域〜第3領域とする。
続くステップS26では、第1領域から第3領域のそれぞれにおける上記サンプリング周期を設定する。ここでは、先の図5に例示されるように、メイン噴射の噴射開始時期を含む角度領域(圧縮上死点を含む角度領域)である第2領域において最もサンプリング回数を多くするためにサンプリング周期が最も短く設定される。また、第3領域にもメイン噴射の期間が重複するために、第1領域よりもサンプリング回数が多くなるように、第1領域よりもサンプリング周期を短く設定している。
なお、第1領域〜第3領域までの各サンプリング周期は固定値でもよいが、クランク軸8の回転速度に応じて可変設定するようにしてもよい。ここで、サンプリング周期を固定値とする場合には、「30°CA」間に「5」回程度のサンプリング回数となるようにすることが望ましい。
ステップS26においてサンプリング周期が算出されると、これに応じて、ステップS28においてA/D変換器35によって変換される燃圧センサ20についてのディジタルデータのサンプリング処理が実行される。
なお、ステップS22において否定判断されるときや、ステップS28の処理が完了するときには、図6に示す一連の処理を一旦終了する。
図7に、先の図6のステップS28の処理によってサンプリングされたディジタルデータの取得(記憶保持)にかかる処理の手順を示す。この処理は、ECU30により、クランク軸8の所定の回転角度周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS30において、前回の「30°CA」の回転に伴い、先の図6のステップS28によるサンプリング処理がなされたか否かを判断する。そして、ステップS30において肯定判断されるときには、ステップS32において、前回の「30°CA」の回転に伴いサンプリングされたディジタルデータを、上記RAM37の所定の記憶領域に記憶させる。
なお、ステップS30において否定判断されるときや、ステップS32の処理が完了するときには、図7に示す一連の処理を一旦終了する。
図8に、ピーク値の算出にかかる処理の手順を示す。この処理は、ECU30により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS40において、メイン噴射が終了したと想定される所定角度であるか否かを判断する。この所定角度は、ピーク値の算出にかかる演算処理を行なうタイミングを定めるものであり、例えば先の図5における「ATDC42°CA」に設定されている。
そして所定角度であると判断されると、ステップS42において、先の図2に示したCPU36によるソフトウェアによるフィルタ処理としての移動平均処理を行なう。この処理は、燃圧センサ20の出力に混入するノイズを更に除去するために行なわれる。これは、燃料噴射に際しては、燃料噴射弁16に駆動電流値を与える関係上、燃圧センサ20の出力に混入するノイズも大きなものとなりやすく、先の図2に示したフィルタ回路32のみではノイズを適切に除去することができないおそれがあるために行なうものである。
具体的には、図9に示すように、所定周期でA/D変換器35により変換される時系列に沿ったディジタルデータである燃圧データNPC1,NPC2,NPC3,…について、前後のデータを含む複数個(ここでは3つ)のデータの平均値をフィルタ処理後のデータとする。例えば、フィルタ処理後の2つ目の燃圧データNPC2は、フィルタ処理前の3つの燃圧データNPC1〜NPC3の平均値として算出される。
先の図8に示すステップS42の処理が完了すると、ステップS44に移行する。ステップS44では、ステップS42にてフィルタ処理の施された燃圧データを用いて、燃圧のピーク値を算出する。ここでは、例えばフィルタ処理後の燃圧データのうちの最大の値をピーク値としてもよいし、また、フィルタ処理後の燃圧データを用いた補間処理によりピーク値を算出してもよい。
こうしてステップS44の処理が完了すると、ステップS46〜S50においては、ステップS44の処理によって算出されるピーク値と、実際の燃圧のピーク値とのずれ量を補償して、実際のピーク値を推定する処理を行なう。これは、図10に示すように、一般に、燃圧センサ20の出力をフィルタ処理することでノイズを除去することができるものの、フィルタ処理後の値は、実際の燃圧の値に対してずれたものとなることなどのために行なう処理である。図10では、フィルタ回路32や、移動平均処理により、燃圧センサ20の検出値が、実際よりも低い値となる傾向を模式的に示している。
以下、図11を用いて、フィルタ処理等による実際の燃圧に対するずれについて更に考察する。図11では、便宜上、先の図2の端子Tpに印加される電圧Vinを振幅A1の正弦波にて近似して考える。この場合、フィルタ回路32の出力V0は、振幅A2の正弦波となる。ここで、「A2<A1」である。詳しくは、これら振幅の間には、正弦波の周波数fと、先の図2に示したフィルタ回路32の時定数であるコンデンサ32bの容量C及び抵抗器32aの抵抗値R1の積とを用いた下式(c1)の関係がある。
Figure 0004518026
ただし、フィルタ回路32の出力は、振幅A2が小さくなるのみならず、振幅の中心値についても、ドリフト量Vdriftだけ入力に対して低下する。これは、先の図2に示すように、A/D変換器35が抵抗器34による電圧降下の値をディジタルデータに変換するために生じるものである。すなわち、この電圧降下の値は、フィルタ回路32の入力電圧に対して、抵抗器32aによる電圧降下分だけ低い値となる。この抵抗器32aによる電圧降下分がドリフト量Vdriftである。このドリフト量Vdriftは、下式(c2)となる。
Vdrift=A1×R1/(R1+R2) …(c2)
更に、先の図8のステップS42に示した移動平均処理により、振幅A3の正弦波となる。ここで、「A3<A2」である。
このため、移動平均処理後の燃圧データに基づき算出されるピーク値から、移動平均処理による減衰量と、ドリフト量Vdriftと、フィルタ回路32による減衰量とを補償して実際のピーク値を推定する。
具体的には、まず先の図8のステップS46において、上記ステップS44において算出されるピーク値に基づき、移動平均処理による減衰量の補償されたピーク値を算出する。ここでは、燃圧データの大きさと、移動平均における平均処理に用いる燃圧データ数とに基づき理論式から減衰量の補償のなされた燃圧を算出する。
続く、ステップS48では、ステップS46によって算出されるピーク値VP1に基づき、下式(c3)により、ドリフト量の補償された電圧VPを算出する。

VP=VP1×(R1+R2)/R2 …(c3)

そして、ステップS50では、上記式(c1)を用いて、フィルタ回路32による振幅の減衰量の補償されたピーク値を算出する。ここで、周波数fは、クランク軸8の回転速度と相関を有する。すなわち、コモンレール12内の燃圧は、燃料の圧送によって上昇し、燃料噴射によって低下するため、正弦波によって近似することができる。そして、単位時間当たりの燃圧の上昇及び低下の回数は、クランク軸8の回転速度に比例する。したがって、クランク軸8の回転速度に所定の換算係数を乗算することで、同回転速度を燃圧の上昇及び低下の周波数に換算することができる。このため、フィルタ回路32の時定数「C×R1」と、回転速度とに基づき、フィルタ回路32による振幅の減衰量が補償されたピーク値を算出することができる。
なお、上記ステップS40において否定判断されるときや、ステップS50の処理が完了するときには、この一連の処理を一旦終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)燃圧センサ20による検出結果をフィルタ処理し、フィルタ処理の施された燃圧データに基づき、実際の燃圧に対するフィルタ処理によるずれ量を補償して実際の燃圧のピーク値を推定した。ここで、フィルタ処理を施すことで、燃圧センサ20の出力にノイズが混入する場合であっても、このノイズを好適に除去することができる。また、フィルタ処理による実際の燃圧に対するずれ量を補償して実際の燃圧のピーク値を推定することで、実際の燃圧をより高精度に管理することができる。したがって、コモンレール12内の燃圧のピーク値を目標燃圧に高精度にフィードバック制御することができる。
(2)ディーゼル機関のクランク軸8の回転速度とフィルタ回路32の時定数とに基づき、フィルタ回路32による実際の燃圧に対するずれ量のうちの燃圧の変化量のずれ量を補償してピーク値を推定した。これにより、フィルタ回路32による上記ずれ量を、回転速度と時定数とによって高精度に補償することができる。
(3)フィルタ回路32の抵抗器32aにおける電圧降下による燃圧センサ20の出力のドリフト量Vdriftを更に補償しつつピーク値の推定を行なった。これにより、フィルタ回路32での電圧降下の影響を排除して、ピーク値を高精度に推定することができる。
(4)移動平均処理による実際の燃圧に対するずれ量を補償しつつピーク値を推定した。これにより、ピーク値をより高精度に推定することができる。
(5)燃料の圧送上死点を、各気筒の圧縮上死点と対応させた。これにより、燃料噴射の期間と燃料圧送の期間とが重複するため、重複を回避する設定と比較して、燃料噴射の期間における燃圧を高圧とすることができる。このため、重複を回避する設定と比較して、燃料噴射量を増加させることができ、ひいては、ディーゼル機関の出力トルクを増加させることができる。
(6)燃圧センサ20の検出結果であって、A/D変換器35によりディジタルデータに変換される燃圧データを、一旦RAM37に記憶し、燃料噴射の終了後に移動平均処理を行なった。これにより、ECU30の演算負荷を分散させることができるため、燃料噴射がなされているときに演算負荷が極度に増大することを回避することができる。
(7)燃料噴射の終了後にピーク値の推定を行なうことで、ECU30の演算負荷を分散させることができるため、燃料噴射がなされているときに演算負荷が極度に増大することを回避することができる。
(8)燃料噴射のなされるタイミングに応じてディジタルデータのサンプリングのタイミングを変更することで、ディジタルデータのサンプリングが要求されるときに同サンプリングを行なうことが可能となる。このため、サンプリング要求に適切に応じつつも、CPU36によるA/D変換器35の出力のサンプリング処理による演算負荷を極力低減することができる。更に、変換器35をアクセルセンサ24等の他のセンサと共有して用いる場合であっても、他のセンサによる変換要求との干渉を極力抑制することができる。
(9)ディジタルデータのサンプリング周期をディーゼル機関の「30°CA」の角度領域毎に各別に設定可能とした。これにより、短周期でサンプリングすることが望まれるときにのみ、サンプリングを短周期で行なうことができる。このため、サンプリング要求に適切に応じつつも、CPU36によるA/D変換器35の出力のサンプリング処理による演算負荷を極力低減することができる。更に、変換器35をアクセルセンサ24等の他のセンサと共有して用いる場合であっても、他のセンサによる変換要求との干渉を極力抑制しつつ燃圧の挙動を高精度に推定することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・燃圧センサ20の出力に混入するノイズを除去するためのフィルタ処理としては、上述したものに限らない。例えば先の図9に例示した移動平均処理に代えて、前回のデータと今回のデータとのそれぞれを重み付けして平均化する加重平均処理を行なってもよい。これにより、例えば先の図9に示した例においては、2つ目の燃圧データの加重平均処理後の値は、「α×NPC1+β×NPC2」として算出される。ただし、「α+β=1」である。こうした処理を施すことによっても、処理後の値は、実際の燃圧の値に対してずれたものとなるため、このずれ量を補償してピーク値を算出することは有効である。
・フィルタ回路32による燃圧センサ20の出力の減衰を補償する手法としては、上記式(c1)を利用するものに限らない。実際の燃圧の挙動が正弦波からずれたものとなることに鑑みれば、正弦波を想定した理論式を用いる代わりに、実験によって予め適合したマップ演算により減衰量を算出する構成などとすることで、上記減衰をより適切に補償することが可能となる。ここで、マップは、例えば燃圧及び回転速度と減衰量との関係を定めるものとすればよい。特に、燃料噴射と燃料の圧送とが一対一に対応しない非同期式システムにおいては、燃圧の変動も不規則となるため、マップ演算等を用いることは特に有効となる。また、フィルタ回路をより複雑な回路構成とする場合には、理論式によっては正確に減衰量を補償することが極めて困難となるおそれもあるため、そうした場合にもマップ演算等を用いることは有効である。
・フィルタ処理による減衰量やフィルタ回路32における電圧降下によるドリフト量Vdriftを補償しつつ燃圧の挙動を推定するものとしては、燃圧のピーク値を推定するものに限らない。ピーク値に限らず、燃圧の挙動をより高精度に推定することができれば、これに基づき燃料噴射弁16の指令噴射期間を設定することで、燃料噴射量をより高精度に制御することができる。
・内燃機関としては、ディーゼル機関に限らず、例えば筒内噴射式ガソリン機関であってもよい。
一実施形態にかかるエンジンシステムの全体構成を示す図。 同実施形態にかかるECUの構成の詳細を示す図。 同実施形態にかかる燃圧のフィードバック制御の処理手順を示すフローチャート。 フィードバック制御に際しての圧送タイミングの変更による問題点を説明するためのタイムチャート。 上記実施形態にかかる燃圧のフィードバック制御に用いる燃圧のA/D変換態様を示すタイムチャート。 上記フィードバック制御のためのA/D変換にかかる処理の手順を示すフローチャート。 上記A/D変換されたデータを取得する処理の手順を示すフローチャート。 上記実施形態にかかる燃圧のピーク値の算出処理の手順を示すフローチャート。 上記ピーク値の算出に際しての移動平均処理を示す図。 フィルタ処理による問題点を説明するための図。 フィルタ処理等による実際の燃圧に対するずれを示す図。
符号の説明
6…燃料ポンプ、12…コモンレール、16…燃料噴射弁、20…燃圧センサ、30…ECU(燃料噴射制御装置の一実施形態)、32…フィルタ回路、35…A/D変換器、36…マイコン、37…RAM(記憶手段の一実施形態)。

Claims (9)

  1. 燃料を高圧状態で蓄える蓄圧室と、該蓄圧室に燃料を圧送する燃料ポンプと、前記蓄圧室に蓄えられた燃料を噴射する燃料噴射弁と、前記蓄圧室内の燃圧を検出する検出手段とを備える内燃機関の燃料噴射装置に適用される燃料噴射制御装置において、
    前記燃料噴射装置は、前記燃料噴射弁による燃料噴射の期間と前記燃料の圧送の期間とが重複し得るように設定されており、
    前記検出手段による検出結果をフィルタ処理するフィルタ処理手段と、
    該フィルタ処理手段の出力に基づき、実際の燃圧に対する前記フィルタ処理によるずれ量を補償して実際の燃圧のピーク値を推定する推定手段と、
    該推定される実際の燃圧のピーク値を目標値にフィードバック制御すべく前記燃料ポンプを操作する操作手段とを備えることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 前記フィルタ処理手段は、前記検出手段の出力を取り込むフィルタ回路を備えて構成され、
    前記推定手段は、前記内燃機関の出力軸の回転速度と前記フィルタ回路の時定数とに基づき、前記フィルタ回路による前記ずれ量のうちの燃圧の変化量のずれ量を補償して前記推定を行なうことを特徴とする請求項1記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記推定手段は、前記フィルタ回路の出力に基づき、前記フィルタ回路における電圧降下による前記検出手段の出力のドリフト量を更に補償しつつ前記推定を行なうことを特徴とする請求項2記載の燃料噴射制御装置。
  4. 前記推定手段は、前記燃料噴射の終了後に前記推定を行なうことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
  5. 前記検出手段の検出結果をディジタルデータに変換する変換器と、
    前記ディジタルデータを記憶する記憶手段とを更に備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
  6. 前記フィルタ処理手段は、前記ディジタルデータをフィルタ処理する手段を備えて構成され、
    該ディジタルデータをフィルタ処理する手段は、前記燃料噴射の終了後に当該フィルタ処理を行なうことを特徴とする請求項記載の燃料噴射制御装置。
  7. 前記燃料噴射のなされるタイミングに応じて、前記ディジタルデータのサンプリングのタイミングを変更することを特徴とする請求項5又は6記載の燃料噴射制御装置。
  8. 前記ディジタルデータのサンプリング周期を前記内燃機関の既定の回転角度毎に各別に設定可能であることを特徴とする請求項のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
  9. 燃料を高圧状態で蓄える蓄圧室と、該蓄圧室に燃料を圧送する燃料ポンプと、前記蓄圧室に蓄えられた燃料を噴射する燃料噴射弁と、前記蓄圧室内の燃圧を検出する検出手段とを備え、前記燃料噴射弁による燃料噴射の期間と前記燃料の圧送の期間とが重複し得るように設定された内燃機関の燃料噴射装置に適用され、前記検出手段による検出結果をディジタルデータに変換する変換器を備える燃料噴射制御装置において、
    前記燃料噴射のなされるタイミング近傍において、前記ディジタルデータを複数回サンプリングする手段と、
    該サンプリングされた複数個のディジタルデータに基づき前記燃圧のピーク値を算出する手段と、
    前記ピーク値に基づき前記燃料ポンプを操作する手段とを備えることを特徴とする燃料噴射制御装置。
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