JP7045043B2 - 洗浄性改善表面処理方法及び洗浄性改善部材 - Google Patents

洗浄性改善表面処理方法及び洗浄性改善部材 Download PDF

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Description

本発明は、部材表面に対して微小凹部を無数にランダムに形成する処理を行うことで部材表面の汚れに対する洗浄性を改善(向上)させる技術に関する。
従来、小麦粉、コーンスターチ、片栗粉、抹茶パウダー、ココアパウダー、粉糖、カレー粉などの食用粉体や医薬品粉体(粉末薬)などの粉体は、フルイによる分別(或いは分級)の対象とされたり、ホッパーなどの収容容器やシューターやコンベアーなどの搬送部品を用いて取り扱われる。
これら粉体はふるいや収容容器や搬送部品などの部材表面へ付着して成長し、比較的大きな塊等となって排出不良(ホッパー)を招いたり、目詰り(フルイ)を招くといったトラブルが発生し、生産効率の低下や不良品増加の一因となっている。
このようなことから、本発明者等は、種々の研究・実験を繰り返し、その結果に基づいて、本願出願人等は、特許文献1において、ショット材を投射するショット材投射処理の一つである微粒子投射処理(例えば、微粒子ピーニング処理など)を施すことにより、粉状、粒状或いはペースト状の物質と接触する部材(以下、接触部材とも称する)の表面に微小凹部(微小ディンプル)を複数形成することで、粉状、粒状或いはペースト状の物質の付着を抑制することができる技術を提案した。
特許第6416151号公報
横浜国立大学教授 大矢 勝、"洗浄・洗剤の科学"解説コーナー[I.洗浄の基本]2.汚れの分類、[2020年8月11日検索]、インターネット<URL:http://www.detergent.jp/kaisetsu2/01basic/02soil.html>
ここで、本出願人等は、ディンプル状の微小凹凸を形成することによる表面改質技術の様々な分野への適用の可能性を探るべく、処理対象と接触する部材(処理対象接触部材)の表面に微小凹凸を無数に形成することによる作用効果を様々な分野で確認するといったアプローチを種々行っているが、その過程において、本発明者等は、これまで知られていなかった新たな知見を得た。
なお、これまでに、ディンプル状の微小凹部を複数(無数)に形成することによる効果として知られていた効果は、粉体や粘着物の付着抑制、摺動部に微小凹凸を無数に形成することでオイル溜まりとして機能させて摺動抵抗の低減・摩耗抑制などの効果であり、今回発見した効果はこれらからは予測不能な全く別異の効果である。
今回得られたその知見とは、部材の表面に、微小凹凸(微小凹部)を無数に(複数)ランダムに形成すると、洗浄性を改善(向上)させることができるというものである。
これまで、食品加工用部品、食材取扱いに用いる部品、部材、例えばキッチン用シンクには、錆びにくいステンレス鋼が用いられている。このステンレス鋼には、食材等が付着して残った汚れ(残渣)が水栓からの流水程度で容易に除去できることが望まれている。
また、食材の運搬や保管に用いられている容器、食品生産ラインのコンベア(搬送装置)の食材接触面(載置面)なども同様に、それらの表面に付着している残渣(汚れ)を簡単に洗い流せることができれば有益である。
すなわち、食品や医薬品などの生産ラインでは、衛生上の要請から1日に複数回洗浄することが求められるが、洗浄している間は生産ラインを停止しなければならないため、生産能率を悪化させる要因となっていると共に、時間と人の手間を要する洗浄作業のために無駄なコストが嵩むといった問題があった。
このようなことから、本発明者等は、ディンプル状の微小凹部を複数(無数)に形成することによる表面改質により、洗浄性の改善の可能性を探るべく種々実験を行い、その結果、上述したように、微小凹凸(微小凹部)を無数に(複数)ランダムに形成すると、洗浄性を改善(向上)させることができるという知見を得るに至った。
ここで、非特許文献1に記載されている通り、汚れとは、本来そこに存在することが望ましくなく、除去することが求められる物質を指す。その汚れを除去する操作(処理)が洗浄である。
なお、ここでの洗浄は、部材表面に付着した汚れを水(例えば水道水、工業用水など)或いは水を主成分とする液体(以下、これらを水等と称する)を用いて洗い流すことをいうものとする。水等をかけ流すだけで洗浄する場合、水等で流しながら擦り洗いをする場合、水等を介在した超音波洗浄・バブル洗浄などが想定されるが、ここでは、主に水等をかけ流して洗浄する場合を言うものとする。
また、洗浄性とは、洗浄後の残渣の量の程度(洗浄後に部材表面に残った汚れの量の程度)をいうものとする。
本発明は、上述したような実情に鑑みなされたもので、部材の表面に微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の表面の洗浄性を改善(向上)させることができる部材の洗浄性改善表面処理方法、及び洗浄性改善部材を提供することを目的とする。
このため、本発明に係る部材の洗浄性改善表面処理方法は、
水の接触角が65°以下で、かつ、クルトシス値(Pku)が3以上となるように部材の表面に微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面の洗浄性を改善する部材の洗浄性改善表面処理方法であって、
前記微小凹凸の凹凸ピッチの最小値が1.0μm以上であり最大値が50μm以下であり、その凹部深さの最小値が0.3μm以上であり最大値が30μm以下であることを特徴とする。
本発明において、前記微小凹凸を、ショット材を投射する投射処理に基づいて形成することを特徴とすることができる。
本発明において、前記洗浄性が、水分・油分・その他原材料を任意の割合で含む食品残渣、水分・油分・その他原材料を任意の割合で含む医薬品残渣、或いは水分・油分・その他原材料を任意の割合で含む化粧品残渣に対する洗浄性であることを特徴とすることができる。
本発明において、前記部材が、金属製或いは樹脂製メッシュ部材、金属製或いは樹脂製板状部材、または金属製或いは樹脂製の打ち抜き開口付き部材であることを特徴とすることができる。
また、本発明に係る洗浄性改善部材は、微小凹凸が無数にランダムに形成された部材の表面の水の接触角が65°以下で、かつ、クルトシス値(Pku)が3以上であり、
前記微小凹凸の凹凸ピッチの最小値が1.0μm以上であり最大値が50μm以下であり、その凹部深さの最小値が0.3μm以上であり最大値が30μm以下であることを特徴とする。
本発明に係る洗浄性改善部材において、前記微小凹凸は、ショット材を投射する投射処理に基づいて形成されたことを特徴とすることができる。
本発明に係る洗浄性改善部材において、水分・油分・その他原材料を任意の割合で含む食品残渣、水分・油分・その他原材料を任意の割合で含む医薬品残渣、或いは水分・油分・その他原材料を任意の割合で含む化粧品残渣に対する洗浄性が改善されることを特徴とすることができる。
本発明に係る洗浄性改善部材が、金属製或いは樹脂製メッシュ部材、金属製或いは樹脂製板状部材、または金属製或いは樹脂製の打ち抜き開口付き部材であることを特徴とすることができる。
本発明によれば、部材の表面に微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の表面の洗浄性を改善(向上)させることができる部材の洗浄性改善表面処理方法、及び洗浄性改善部材を提供することができる。
(A)は本発明の一実施の形態に係る洗浄性試験の試験前の画像(小麦粉ペーストを各試験片に載せた状態)を示す図であり、(B)は各試験片を略垂直に起こして小麦粉ペーストが自重により垂れ落ちている状態を示す図である。 (A)は同上洗浄性試験の試験後の画像(水道水をかけて小麦粉ペーストを洗い流した後1時間自然乾燥させた状態)を示す図であり、(B)はその各試験片の表面を拡大した観察画像を示す図である。 同上洗浄性試験の結果及び表面の微小凹凸の凹凸ピッチ、凹部深さ、水の接触角、クルトシス値を各試験片毎にまとめたデータを示す表である。 図3にまとめたデータ(クルトシス値、水の接触角、洗浄性効果)に関し、横軸にクルトシス値(Pku)をとり、縦軸に水の接触角(°)をとって整理した図である。 クルトシス値の大きさの相違(Pku<3、Pku>3)による(表面に形成された微小凹凸の形状(鋭い山と谷が形成されているか否かによる))洗浄性の改善効果の相違を説明するための概略図である。 同上洗浄性試験に供した試験片「SUS304 ♯700」(比較対照)の表面の3D画像及び表面粗さを示す図である。 同上洗浄性試験に供した試験片「MD処理(1)」の表面の3D画像を示す図である。 (A)は表面の水の接触角について説明する図であり、(B)はクルトシス値(Pku)について説明する図である。 同上実施の形態に係るクルトシス値の測定条件を示す図である。 同上実施の形態に係る微粒子ピーニング処理に用いるメディアをワンショットすることにより実験的に形成した単一の微小凹部の断面SEM像である。 レーザ加工による凹部断面SEM像である。
以下、本発明に係る一実施の形態を、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
上述したように、本出願人等は、ディンプル(くぼみ、略凹球面)状の微小凹部を形成することによる表面改質技術の様々な分野への適用の可能性を探るべく、部材の表面に微小凹部を無数に形成することによる作用効果を様々な分野で確認するといったアプローチを種々行っているが、そのようなアプローチの過程において、本発明者等は、従来知られていなかった新たな知見を得た。
具体的には、本発明者等は、前記アプローチの過程において、ディンプル状の微小凹部を表面に無数に形成した部材(試験片)の当該表面に小麦粉ペーストを付着させ、その状態から試験片をやや斜めにして試験片の上方から水道水をかけて洗い流す試験(実験)を行ってみたところ、幾つかの異なる仕様の微小凹部を表面に無数に形成した部材(試料或いは試験片)の中には、洗浄性を改善できる仕様が存在するという知見を得た。
かかる知見は、微小凹凸(微小凹部)を無数にランダムに表面に形成した部材に関して、従来知られていない作用効果であり、上述したように、これまでの知見からは予測不能な作用効果である。
より詳細には、小麦粉100gに対して水道水50mlを添加し混合させた小麦粉ペーストを各試験片の上に載せ、各試験片を略垂直に起こした状態にして上方から水道水をかけて洗い流す試験(実験)を行った。
図1(A)は小麦粉ペーストを各試験片に載せた状態を示し、図1(B)は各試験片を略垂直に起こして小麦粉ペーストが自重により垂れ落ちている状態を示している。
この図1(B)の状態で、図1(B)の平面において上方(すなわち、重力方向上方)から水道水をかけて小麦粉ペーストを洗い流した後、1時間自然乾燥させた状態を、図2(A)に示す。
図2(B)には、図2(A)の各試験片の表面(水洗い後、1時間自然乾燥させた状態)を拡大した観察画像を示す。
図2(A)から、比較対照としての「SUS304 ♯400」(未処理)、「SUS304 ♯700」(未処理)の各試験片については、目視で残留した小麦粉が確認された。
図2(B)の拡大図において、比較対照としての「SUS304 ♯400」(未処理)、「SUS304 ♯700」(未処理)の各試験片の観察画像内、白く見える部分が残存した小麦粉である。
「MD処理(1)」及び「MD処理(4)」の各試験片については小麦粉の残存はほぼなく、「MD処理(2)」及び「MD処理(3)」の各試験片については少量の小麦粉の残存が確認された。
水のかけ流し洗いによる試験結果をまとめた表を、図3に示す。なお、「MD処理A」、「MD処理B]、「MD処理C]を施した試験片についても同様の試験を行い、その結果及び表面形状データのみをここでは掲載している(試験前後の写真は省略)。
図3に示したように、水のかけ流し洗い試験によれば、「MD処理(1)」、「MD処理(4)」、「MD処理A」、「MD処理B]について、洗浄性の改善効果が高いことが確認できた。
この一方、「SUS304 ♯400」(未処理)、「SUS304 ♯700」(未処理)、「MD処理(2)」、「MD処理(3)」、「MD処理C」の試験片については、洗浄性の改善効果は確認できなかった。
ここで、比較対照としての「SUS304 ♯400」(未処理)の試験片は、SUS304からなるステンレス製の板材の表面をP400番バフにより研磨仕上げしたもので、その表面は、鏡面に近い光沢がある板材(部材)である。
比較対照としての「SUS304 ♯700」(未処理)の試験片は、SUS304からなるステンレス製の板材の表面をP700番バフにより研磨仕上げしたもので、その表面は、「SUS304 ♯400」(未処理)の表面より、より鏡面に近い光沢がある板材(部材)である。その代表的な表面3D画像の一例を、図6に示しておく。
「MD処理(1)」を施した試験片は、SUS304からなるステンレス製の板材の表面に対してディンプル状の微小凹部を形成する表面処理(微小凹凸形成処理、ショット材投射処理、マイクロディンプル処理)の一例を施したもので、具体的には、平均粒径11.5±1.0μm程度のSiC(≧98.0%)からなるショット材(投射材)を圧縮空気と共に投射する投射処理(投射加工)を施した板材(部材)である。その微小凹凸が無数にランダムに形成された表面の代表的な3D画像の一例を、図7に示しておく。
図3に示したように、「MD処理(1)」の試験片の表面に無数にランダムに形成された微小凹凸(微小凹部)の凹凸ピッチ(凸部の間隔或いは凹部の間隔)の最小値と最大値の範囲が1.0~2.3μmの範囲(言い換えると、凹凸ピッチの最小値が1.0μm以上で、最大値が2.3μmである。)、凹部深さの最小値と最大値の範囲が0.30~0.75μmの範囲(言い換えると、凹凸深さの最小値が0.30μm以上で、最大値が0.75μm以下)であった。
なお、以下において、凹凸ピッチ(凸部の間隔、凹部の入り口幅、開口部開口幅、開口径)、凹部深さのサイズに関して範囲を示す場合には、上記と同様に、凹凸ピッチ、凹部深さの最小値と最大値の範囲を示すものとする。
また、後述するものを含めて、本実施の形態における表面形状データ、表面の3D画像は、KEYENCE社製の形状測定レーザーマイクロスコープVK-X1000を用いて取得した。
「MD処理(2)」を施した試験片は、SUS304からなるステンレス製の板材の表面に対してディンプル状の微小凹部を形成する表面処理(微小凹凸形成処理、ショット材投射処理、マイクロディンプル処理)の一例を施したもので、具体的には、平均粒径53~38μm程度のセラミック系のショット材(投射材)を圧縮空気と共に投射する投射処理(投射加工)を施した板材である板材(部材)である。
図3に示したように、「MD処理(2)」の試験片の表面に無数にランダムに形成された微小凹凸(微小凹部)の凹凸ピッチ(凸部の間隔或いは凹部の間隔)の最小値と最大値の範囲が20~40μmの範囲(言い換えると、凹凸ピッチの最小値が20μm以上で、最大値が40μmである。)、凹部深さの最小値と最大値の範囲が1.0~2.0μmの範囲(言い換えると、凹凸深さの最小値が1.0μm以上で、最大値が2.0μm以下)であった。
「MD処理(3)」を施した試験片は、SUS304からなるステンレス製の板材の表面に対してディンプル状の微小凹部を形成する表面処理(微小凹凸形成処理、ショット材投射処理、マイクロディンプル処理)の一例を施したもので、具体的には、平均粒径355±13μm程度のスチール系のショット材(投射材)を圧縮空気と共に投射する投射処理(投射加工)を施した板材である板材(部材)である。
図3に示したように、この「MD処理(3)」の試験片の表面に無数にランダムに形成された微小凹凸(微小凹部)の凹凸ピッチ(凸部の間隔或いは凹部の間隔)の最小値と最大値の範囲が35~180μmの範囲(言い換えると、凹凸ピッチの最小値が35μm以上で、最大値が180μmである。)、凹部深さの最小値と最大値の範囲が1.0~2.0μmの範囲(言い換えると、凹凸深さの最小値が1.0μm以上で、最大値が2.0μm以下)であった。
「MD処理(4)」を施した試験片は、SUS304からなるステンレス製の板材の表面に対してディンプル状の微小凹部を形成する表面処理(微小凹凸形成処理、ショット材投射処理、マイクロディンプル処理)の一例を施したもので、具体的には、平均粒径250~212μm程度のセラミック系のショット材(投射材)を圧縮空気と共に投射する投射処理(投射加工)を施した板材である板材(部材)である。
図3に示したように、この「MD処理(4)」の試験片の表面に無数にランダムに形成された微小凹凸(微小凹部)の凹凸ピッチ(凸部の間隔或いは凹部の間隔)の最小値と最大値の範囲が1.0~50μmの範囲(言い換えると、凹凸ピッチの最小値が1.0μm以上で、最大値が50μmである。)、凹部深さの最小値と最大値の範囲が3.0~30μmの範囲(言い換えると、凹凸深さの最小値が3.0μm以上で、最大値が30μm以下)であった。
「MD処理A」を施した試験片は、「MD処理(1)」を施した試験片と同じ処理を施したロット違いの別の部材である。
なお、図3に示したように、この「MD処理A」の試験片の表面に無数にランダムに形成された微小凹凸(微小凹部)の凹凸ピッチ(凸部の間隔或いは凹部の間隔)の最小値と最大値の範囲が5.0~15μmの範囲(言い換えると、凹凸ピッチの最小値が5.0μm以上で、最大値が15μmである。)、凹部深さの最小値と最大値の範囲が1.0~1.7μmの範囲(言い換えると、凹凸深さの最小値が1.0μm以上で、最大値が1.7μm以下)であった。
「MD処理B」を施した試験片は、SUS304からなるステンレス製の板材の表面に対してディンプル状の微小凹部を形成する表面処理(微小凹凸形成処理、ショット材投射処理、マイクロディンプル処理)の一例を施したもので、具体的には、平均粒径200~350μm程度の金属製のショット材(投射材)を圧縮空気と共に投射する投射処理(投射加工)を施した板材である板材(部材)である。
図3に示したように、「MD処理B」の試験片の表面に無数にランダムに形成された微小凹凸(微小凹部)の凹凸ピッチ(凸部の間隔或いは凹部の間隔)の最小値と最大値の範囲が20~40μmの範囲(言い換えると、凹凸ピッチの最小値が20μm以上で、最大値が40μmである。)、凹部深さの最小値と最大値の範囲が1.5~2.0μmの範囲(言い換えると、凹凸深さの最小値が1.5μm以上で、最大値が2.0μm以下)であった。
「MD処理C」を施した試験片は、SUS304からなるステンレス製の板材の表面に対してディンプル状の微小凹部を形成する表面処理(微小凹凸形成処理、ショット材投射処理、マイクロディンプル処理)の一例を施したもので、具体的には、平均粒径1000~710μm程度のSiOのショット材(投射材)を圧縮空気と共に投射する投射処理(投射加工)を施した板材である板材(部材)である。
そして、図3に示したように、「MD処理C」の試験片の表面に無数にランダムに形成された微小凹凸(微小凹部)の凹凸ピッチ(凸部の間隔或いは凹部の間隔)の最小値と最大値の範囲が20~40μmの範囲(言い換えると、凹凸ピッチの最小値が20μm以上で、最大値が40μmである。)、凹部深さの最小値と最大値の範囲が1.0~2.0μmの範囲(言い換えると、凹凸深さの最小値が1.0μm以上で、最大値が2.0μm以下)であった。
ここで、図3から、試験片の表面に無数にランダムに形成した微小凹凸(微小凹部)の凹凸ピッチや凹部深さが同じ範囲にあっても、洗浄性の改善効果に差があることが解る。
これまで、本発明者等は、試験片の表面に無数にランダムに形成した微小凹凸(微小凹部)の凹凸ピッチや凹部深さを変えて、粉体付着の抑制効果を確認してきたが、粉体付着の場合には、微小凹凸(微小凹部)の凹凸ピッチや凹部深さが同じ範囲にあれば、得られる粉体の抑制効果も同じレベルにあった。
すなわち、今回の試験(実験)から得られた知見としては、水のかけ流し洗いの試験による洗浄性の改善効果については、微小凹凸(微小凹部)の凹凸ピッチや凹部深さだけでは整理できないことが解った。すなわち、例えば、図3に示したように、MD処理(2)、MD処理B、MD処理Cは、凹凸ピッチ・深さは同じスケールであるが、洗浄性の良し悪しに違いがある。
そこで、本発明者等は、微小凹凸を形成した表面の水の接触角(ぬれ性)、クルトシス値(凹凸の尖り具合を示す値)についても調べてみた。
その結果を図3に示しているが、「MD処理(1)」の試験片の表面の接触角は64.9°であり、クルトシス値(Pku)は4.18であった。
ここでは、協和界面科学株式会社のポータブル接触角計PCA-11を用いて、部材の表面の水の接触角、クルトシス値を取得(測定)した。
「MD処理(2)」の試験片の表面の水の接触角は96.1°であり、クルトシス値(Pku)は2.92であった。
「MD処理(3)」の試験片の表面の水の接触角は94.7°であり、クルトシス値(Pku)は2.29であった。
「MD処理(4)」の試験片の表面の水の接触角は39.0°であり、クルトシス値(Pku)は3.64であった。
「MD処理A」の試験片の表面の水の接触角は38.4°であり、クルトシス値(Pku)は4.17であった。
「MD処理B」の試験片の表面の水の接触角は57.7°であり、クルトシス値(Pku)は3.37であった。
「MD処理C」の試験片の表面の水の接触角は91.0°であり、クルトシス値(Pku)は2.88であった。
なお、水の接触角は、「ぬれ性」、「親水性」を表す指標の一つである(図8(A)参照)。
クルトシス値(Pku)は、高さ分布の鋭さ、とがり度を示す指標の一つである(図8(B)参照)。
Pku=3:高さ分布が正規分布である
Pku>3:表面に鋭い山や谷が多い
Pku<3:表面に鋭い山や谷が少ない
ことを示す。
クルトシス値(Pku)が3より小さいと撥水性、3より大きいと親水性表面となる。洗浄力の違いは単に撥水・親水性の付与だけでなく、Pkuで表される高さ分布の鋭さが関与する。Pku<3の表面上では、水洗時に水が表面全体に広がりにくいため、付着した汚れは落としにくい。一方、Pku>3の表面上では、表面全体に水が広がるため、付着した汚れに対する洗浄力が向上する。複合(素材の異なる複数材料により構成される)表面の接触角はCassie-Baxterの式で表される。
cosφ=fcosθ+fcosθ (Cassie-Baxterの式)
ここで、f,fは接触面の割合、θ、θは物質固有の接触角、fが空気の場合,θ=180°のため,
cosφ=fcosθ+1-f となる。
本実施の形態において、クルトシス値を測定した条件は、図9に示した通りである。
図4に、図3にまとめたデータ(クルトシス値、水の接触角、洗浄性効果)に関し、横軸にクルトシス値(Pku)をとり、縦軸に水の接触角(°)をとって整理した図を示す。なお、図4において破線で囲った領域内が洗浄性が改善された領域(表面)である。
本実施の形態に係るMD処理(1)~(4)、MD処理A~Cについては、図4内にプロットとして示してある。ここで、比較対照(鏡面)はその性質上、尖り度、クルトシス値(Pku)を表すのは困難であるので、比較対照(SUS304 ♯700)の試験片表面のクルトシス値は正規分布であるPku=3とした。
ここで、各表面処理面の接触角とクルトシス値の分布を見ると、クルトシス値が3以上である処理面は親水傾向であると言える。本実施の形態での小麦粉の洗浄性試験の結果と併せると、MD処理(1)、(4)及びMD処理A、Bは洗浄性が良好である一方、MD処理(2)、(3)及びMD処理Cは洗浄性が低い。これは、単純に水馴染みが良い親水面(水の接触角が65°以下)であることだけでなく、クルトシス値が一定の数値以上(3以上)であり、表面に鋭い山と谷が形成されていることが関与するものと考えられる(図5参照)。
以上を踏まえると、洗浄性の改善効果が得られる表面は、無数にランダムに形成される微小凹凸を有する表面の水の接触角が65°以下、かつ、クルトシス値が3以上となる。また、微小凹凸の形状を考慮すると、その凹凸ピッチが1.0~50μmの範囲で、凹部深さが0.3~30μmであり、かつ、当該表面の水の接触角が65°以下、かつ、クルトシス値が3以上となる。
すなわち、微小凹凸を無数にランダムに形成した部材の表面の水の接触角が65°以下、かつ、クルトシス値が3以上である表面、また、微小凹凸の凹凸ピッチが1.0~50μmの範囲で、凹部深さが0.3~30μmである表面には、洗浄性の改善効果があるといえる。
なお、本実施の形態では、小麦粉ペーストについて洗浄性の試験を行ったが、混合調味料(粉状、粒状の調味料、油分を含むカレー粉なども含まれる)、液状或いはペースト状の調味料(醤油、ソース、ケチャップ、マヨネーズなど)、春巻きの皮やうどんなどの粘着性のある物質などを洗い流す試験においても、上記と同様の結果を得ることができた。
このように、本発明によれば、部材の表面に微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の表面の洗浄性を改善(向上)させることができるという知見を得ることができた。
このように、微小凹凸(微小凹部)を部材の表面にランダムに無数に形成すると、その表面の洗浄性が改善されるという知見を得ることができたが、かかる知見は、微小凹凸(微小凹部)を無数に表面に形成した部材に関して、従来知られていない作用効果に関するものであり、上述したように、これまでの知見からは予測不能なものである。
なお、このような新たな知見に基づいて、本発明は、部材の表面に微小凹凸(微小凹部)をランダムに無数に形成した部材を、洗浄性改善部材という用途に用いるものである。
すなわち、本発明によれば、部材の表面に微小凹凸(微小凹部)を無数にランダムに形成することで、部材の表面の洗浄性を改善(向上)させることができる部材の洗浄性改善表面処理方法、及び洗浄性改善部材を提供することができる。
なお、本発明において、洗浄の対象(残渣)としては、特に限定されるものではなく、例えば、小麦粉などの各種ペースト、醤油、油、ソース、ケチャップ、マヨネーズなどの液体或いはペースト状の流動物、ハンバーグや餃子の素や挽肉(生肉)の塊などの練り物、うどん、パスタなどの麺類、餃子等の皮などの粘着性物質などのあらゆる食品の残渣等が想定される。
すなわち、本発明は、水分・油分・その他原材料を任意の割合で含む食品残渣等に対して洗浄性の改善効果を有する。
また、本発明において、部材は、食品加工用部品、食材取扱いに用いる部品もしくは部材などを含む各種の処理の対象となるものに接触する部材に限定されるものではなく、食品用、調理用、工業用、医薬用、手術用、医療用などに供される部材など、良好な洗浄性が求められるあらゆる部材に適用可能である。
すなわち、本発明は、水分・油分・その他原材料を任意の割合で含む医薬品残渣、化粧品残渣などにも洗浄性の改善効果を有する。
ところで、本実施の形態では、ディンプル状の微小凹部をショット材投射処理により、無数にランダムに形成することとして説明したが、例えば、部材の表面に化学研磨(化学エッチング)或いはプラズマ処理(例えばアルゴンボンバード処理)などを施して微小凹凸を無数にランダムに形成することもできる。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明に係る微小凹部は、化学エッチング、プラズマ処理、ショット材投射処理などの少なくとも一つ或いはこれらを適宜に組み合わせることによって形成することも可能である。
なお、化学研磨(化学エッチング)としては、例えば、塩酸・硝酸・硫酸・リン酸などの酸性薬剤や塩化鉄(III)などを任意の割合で水溶液に調製し使用することが想定される。
また、部材の表面に微小凹凸(微小凹部)を形成することには、化学エッチング、プラズマ処理、ショット材投射処理などに基づいて(利用して)形成した微小凹凸(微小凹部)をその表面に有する型を用いて、例えば転写等により、部材の表面に複合凹凸形状(複合ディンプル)を形成する場合なども含まれるものである。
また、本実施の形態に係る微小凹凸形成処理による洗浄性改善効果は、例えばステンレス材であれば、処理前のベース材の♯400、♯700、2B等、表面の仕上げ仕様には拘らず、特に非磁性のオーステナイト系のステンレス(SUS303、304、316など)、どれでも同等の効果が得られると考えられる。また、ステンレス材以外の金属材料(例えば、鉄の場合には、例えばスチール(SS400など)、アルミニウム、チタン等の金属製或いは合金製など)であっても本発明は適用可能である。
なお、本発明に係る洗浄性改善部材は、樹脂製部材とすることも可能であり、その材料は特に限定されるものではない。例えばセラミックスとすることも可能であり、金属製部材の場合は、鉄、アルミニウム、チタン等の金属製(合金製)とすることができる。
また、本発明に係る洗浄性改善部材は、ブロック状、プレート状、シート状などあらゆる形が想定され、その形状・サイズなどは特に限定されるものではなく、例えば、金属製や樹脂製のメッシュ部材(網状部材)や板状部材、開口を複数備えたパンチングメタル状部材(打ち抜き開口付き部材)(樹脂製も含む)などとすることもできる。
なお、本実施の形態に係る微小凹凸形成処理(ショット材投射処理、マイクロディンプル処理)は、既知の噴射装置により、上述したような仕様(材質やサイズや形状など)の異なるメディア(ショット材、研磨材粒子)を、条件を調整しつつ噴射して表面処理加工の対象である部材の表面に衝突させることで、異なる表面形状(表面テクスチャ)を有する所望の処理品(MD処理(1)~(4)、MD処理A~Cなど)を得ることができる。
例えば、噴射装置としては、ブラスト装置を用いることができ、ブラスト装置の一例としては、例えば、株式会社不二製作所製の「PNEUMA BLASTER」(型式:SCシリーズ、SGシリーズなど)などを用いることができる。また、例えば、特開2019-25584号公報などに記載されているものを用いることができる。
より具体的には、噴射粒体を部材の表面に向けて噴射する噴射装置としては、圧縮気体(空気、アルゴン、窒素等)と共に研磨材(微粒子)の噴射を行う既知のブラスト加工装置(ブラスト処理装置)を使用することができる。
そして、ブラスト加工装置(ブラスト処理装置)としては、圧縮気体の噴射により生じた負圧を利用して研磨材を噴射するサクション式のブラスト加工装置,研磨材タンクから落下した研磨材を圧縮気体に乗せて噴射する重力式のブラスト加工装置,研磨材が投入されたタンク内に圧縮気体を導入し、別途与えられた圧縮気体供給源からの圧縮気体流に研磨材タンクからの研磨材流を合流させて噴射する直圧式のブラスト加工装置、及び、上記直圧式の圧縮気体流を、ブロワーユニットで発生させた気体流に乗せて噴射するブロワー式ブラスト加工装置等が市販されているが,これらはいずれも前述した噴射粒体の噴射に使用可能である。
また、水などの液体と共にショットを高圧で噴射するウォータージェットも使用することができる。
ここで、本発明では、微小凹凸形成処理、マイクロディンプル処理、微粒子投射処理などのショット材投射処理により(或いは基づいて)形成された凹凸表面を形状或いは構造面から特定するために、レーザ加工等で予め設計された図面に従って形成される幾何学的かつ規則的な凹凸形状とは全く異なり、ディンプル状の微小凹凸(微小凹部と凹部周辺に稜線状の凸部が、それぞれの形状、ピッチ、深さ)が無数にランダムに形成されているという特定方法を用いている。
すなわち、「ショット材投射処理により(或いは基づいて)、その表面に微小凹部を形成した」という表現を用いる代わりに、「部材の表面に、微小凹凸(或いは微小凹部)を無数にランダムに形成した」などの特定方法(表現)を用いている。
しかしながら、先行技術などとの対比において、上記特定方法(表現)では、ショット材投射処理により形成された凹凸表面を、他と区別した特徴的な特定方法(表現)として採用することが難しくなる場合も想定される。
このため、「ショット材投射処理により(或いは基づいて)表面に微小凹凸を形成する」という特定方法(表現)により、ショット材投射処理により(或いは基づいて)形成された凹凸表面を特定せざるを得ない状況が想定される。
従って、ショット材投射処理により形成された微小凹凸を形状、構造、特性等により特定することには、本願出願時において不可能・非現実的事情が存在しており、「ショット材投射処理により(或いは基づいて(転写などの場合を考慮))表面に微小凹凸を形成することで」という表現を用いざるを得ない場合があることについて、以下に説明しておく。
ショット材投射処理は、投射粒(メディア)を、圧縮空気を介し秒速数十から百m以上の速度で加工対象表面に衝突させ、有意な寸法変化を伴わずに、その縁に凸部を有する略球面状のミクロンサイズの微小凹部を不規則に加工面の略全面に形成するものであり、ショット材投射処理においてメディアが衝突して微小凹部が形成される際には、クレーター状に、その周囲が隆起して凸部が形成され(図10参照)、この隆起した凸部は、他のメディアが衝突することで、凹まされるため凸部の高さは不規則となる。
これに対して、レーザ加工や切削加工等の機械的加工は規則正しい凹部が形成されると共に、除去加工であるため凸部は形成されない(凹部の形成に伴って凸部が隆起されることはない)。このため、レーザ加工や切削加工等の機械的加工における微小凹部の周囲の凸部の高さは被加工材(レーザ加工されている部材)の表面(元々の素材表面)の高さに一致している(図11参照)。
また、ショット材投射処理により形成される微小凹凸は無数に不規則に(ランダムに)形成されるため、当該ショット材投射処理により形成される表面テクスチャ(形状)は、研磨や研削処理などの表面を削って傷(すじ状などの溝)を付与する処理により形成される表面形状(テクスチャ)とは異なるが、表面粗さ計などにより測定すると、両者は数値的には似た値となってしまうため、表面粗さなどにより両者を区別することはできない。
しかし、ショット材投射処理により形成される表面テクスチャ(形状)によって得られる効果(粉体付着抑制効果や洗浄性改善効果など)は、研磨や研削処理などの表面を削って傷を付与する処理により形成される表面形状(テクスチャ)からは予想できない格別なものである。
また、数ミリオーダーのメディアを衝突させて残留応力を付与して疲労限を改善するショットピーニング処理からは、ショット材投射処理を施した表面が洗浄性改善効果などを有するといったことは到底予測できないものである。
このように、ショット材投射処理により形成される微小凹凸は無数に不規則に(ランダムに)形成され、微小凹部及びその周囲の凸部の形状は不規則であり、その不規則性が本発明により奏される作用効果の源になっていることに鑑みれば、ショット材投射処理により形成された表面テクスチャ(形状)を特定するための用語として、「ショット材投射処理により(或いは基づいて)形成された」という表現を用いる以外には、ショット材投射処理により形成された表面を特定することはできない。
以上のように、ショット材投射処理により形成された微小凹凸を形状、構造、特性等により特定することには、本願出願時において不可能・非現実的事情が存在している。
ところで、本発明は、上述した発明の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは可能である。
本発明は、部材の表面にディンプル状の微小凹部を無数形成することで、部材の表面に洗浄性の改善効果を持たせることができ、衛生等を問題とする産業界において有益であり利用可能である。

Claims (8)

  1. 水の接触角が65°以下で、かつ、クルトシス値(Pku)が3以上となるように部材の表面に微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面の洗浄性を改善する部材の洗浄性改善表面処理方法であって、
    前記微小凹凸の凹凸ピッチの最小値が1.0μm以上であり最大値が50μm以下であり、その凹部深さの最小値が0.3μm以上であり最大値が30μm以下であることを特徴とする部材の洗浄性改善表面処理方法。
  2. 前記微小凹凸を、ショット材を投射する投射処理に基づいて形成することを特徴とする請求項1に記載の部材の洗浄性改善表面処理方法。
  3. 前記洗浄性が、水分・油分・その他原材料を任意の割合で含む食品残渣、水分・油分・その他原材料を任意の割合で含む医薬品残渣、或いは水分・油分・その他原材料を任意の割合で含む化粧品残渣に対する洗浄性であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の部材の洗浄性改善表面処理方法。
  4. 前記部材が、金属製或いは樹脂製メッシュ部材、金属製或いは樹脂製板状部材、または金属製或いは樹脂製の打ち抜き開口付き部材であることを特徴とする請求項1~の何れか1つに記載の部材の洗浄性改善表面処理方法。
  5. 微小凹凸が無数にランダムに形成された部材の表面の水の接触角が65°以下で、かつ、クルトシス値(Pku)が3以上であり、
    前記微小凹凸の凹凸ピッチの最小値が1.0μm以上であり最大値が50μm以下であり、その凹部深さの最小値が0.3μm以上であり最大値が30μm以下であることを特徴とする洗浄性改善部材。
  6. 前記微小凹凸は、ショット材を投射する投射処理に基づいて形成されたことを特徴とする請求項5に記載の洗浄性改善部材。
  7. 水分・油分・その他原材料を任意の割合で含む食品残渣、水分・油分・その他原材料を任意の割合で含む医薬品残渣、或いは水分・油分・その他原材料を任意の割合で含む化粧品残渣に対する洗浄性が改善されることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の洗浄性改善部材。
  8. 金属製或いは樹脂製メッシュ部材、金属製或いは樹脂製板状部材、または金属製或いは樹脂製の打ち抜き開口付き部材であることを特徴とする請求項5~7の何れか1つに記載の洗浄性改善部材。
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