JP2007326753A - フロストガラス製品及びその製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケミカルフロスト加工法よりも安全面、環境・衛生面において優れたサンドブラスト加工法を適用し、当該サンドブラスト加工法を施したガラス製品の表面の摩擦に対する耐性を高めて美観上の問題点の改良を図ったフロストガラス製品並びにフロストガラス製品の製法を提供する。
【解決手段】被処理ガラス製品11の表面にサンドブラスト加工を施すサンドブラスト工程と、サンドブラスト工程の後に必要により被処理ガラス製品の表面をブラシにより研磨するブラシ研磨工程と、サンドブラスト工程もしくはブラシ研磨工程の後に当該被処理ガラス製品を水中に導入して20kHz〜1MHzの周波数の超音波を照射する超音波照射工程とを有して形成した艶消し面12を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、フロストガラス製品及びその製法に関し、特に、被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工を施したガラス製品とその製法に関する。
ガラス製品表面にフロスト加工を施すに当たり、薬品の化学反応を利用したケミカルフロスト加工法(特許文献1等参照。)と、粒状物を吹き付けることにより粗面を形成するサンドブラスト加工法(特許文献2等参照。)が一般に用いられている。例えば、特許文献1等に開示のケミカルフロスト加工法は、フッ化水素、フッ化水素化合物、酸、水等の混合物を用いてガラス製品表面を不均一に腐蝕(エッチング)することにより、微細な凹凸を生じさせる方法である。また、特許文献2等に開示のサンドブラスト加工法は、Al23(アランダム;alundam)、SiC(カーボランダム;carborundum)または珪砂等を吹き付け粗面化する方法である。
上記のケミカルフロスト加工法を用いた場合、ガラス製品表面の美麗なフロスト加工は可能である。しかし、この加工法にはフッ酸等の劇物が用いられるため、作業従事者の労働上の安全確保、廃液処理経費の増大等、環境影響上の難点がある。
この他、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂にシリカ粉末を混合し、ガラス製品表面に塗布する方法、アルコキシシランを主成分とするコーティング剤の塗装、焼き付けを行う方法、シリカ粒子や金属酸化物を低融点ガラス等バインダに混合して塗布する方法等が、主に例示される。しかしながら、列記の方法においても、耐熱性等の強度の不足、有機溶剤の処理等に要する環境対策の問題が依然として存在する。
これらの問題点に対し、サンドブラスト加工法によると、廃液処理に要する負担はほとんど生じず、粉塵対策のみとなるため、環境対策上好ましい。ところが、サンドブラスト加工法を施したガラス製品の表面は摩擦に対する耐性が劣ることがある。そのため、形成したフロスト面が擦れてフロスト加工面の欠落、つまり局所的な透明化を引き起こす懸念が問題視させるようになってきた。このような経緯から、フロスト加工後の外観面を重視する必要上、現状では、前記のケミカルフロスト加工法等に依存せざるを得ない。
特開2002−308649号公報 特開2001−80940号公報
その後、発明者は、サンドブラスト加工法を施したガラス製品の表面を鋭意観察することにより、フロスト加工面の摩擦欠落の原因を特定するに至った。そして、安全面や環境面等において優れたサンドブラスト加工法の改良を可能にした。
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、ケミカルフロスト加工法よりも安全面、環境・衛生面において優れたサンドブラスト加工法を適用し、当該サンドブラスト加工法を施したガラス製品の表面の摩擦に対する耐性を高めて美観上の問題点の改良を図ったフロストガラス製品並びにフロストガラス製品の製法を提供するものである。
すなわち、請求項1の発明は、被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工を施し、前記サンドブラスト加工の後に当該被処理ガラス製品に対し水中で超音波を照射して形成した艶消し面を有することを特徴とするフロストガラス製品に係る。
請求項2の発明は、被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工を施し、前記サンドブラスト加工の後にブラシによる研磨を行い、前記ブラシによる研磨の後に当該被処理ガラス製品に対し水中で超音波を照射して形成した艶消し面を有することを特徴とするフロストガラス製品に係る。
請求項3の発明は、被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工を施すサンドブラスト工程と、前記サンドブラスト工程の後に当該被処理ガラス製品を水中に導入して超音波を照射する超音波照射工程とを有することを特徴とするフロストガラス製品の製法に係る。
請求項4の発明は、被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工を施すサンドブラスト工程と、前記サンドブラスト工程の後に被処理ガラス製品の表面をブラシにより研磨するブラシ研磨工程と、前記ブラシ研磨工程の後に当該被処理ガラス製品を水中に導入して超音波を照射する超音波照射工程とを有することを特徴とするフロストガラス製品の製法に係る。
請求項5の発明は、前記超音波照射工程において、周波数20kHz〜1MHzの超音波照射が行われる請求項3又は4に記載のフロストガラス製品の製法に係る。
請求項1の発明に係るフロストガラス製品によると、被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工を施し、前記サンドブラスト加工の後に当該被処理ガラス製品に対し水中で超音波を照射して形成した艶消し面を有するため、サンドブラスト加工法を施したガラス製品の表面の摩擦に対する耐性が向上し美観上の改良が実現できる。
請求項2の発明に係るフロストガラス製品によると、被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工を施し、前記サンドブラスト加工の後にブラシによる研磨を行い、前記ブラシによる研磨の後に当該被処理ガラス製品に対し水中で超音波を照射して形成した艶消し面を有するため、サンドブラスト加工法を施したガラス製品の表面の摩擦に対する耐性がよりいっそう向上し美観上の改良が実現できる。
請求項3の発明に係るフロストガラス製品の製法によると、被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工を施すサンドブラスト工程と、前記サンドブラスト工程の後に当該被処理ガラス製品を水中に導入して超音波を照射する超音波照射工程とを有するため、安全面、環境・衛生面に問題点を内包するケミカルフロスト加工法の代替としてサンドブラスト加工法を活用することができる。
請求項4の発明に係るフロストガラス製品の製法によると、被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工を施すサンドブラスト工程と、前記サンドブラスト工程の後に被処理ガラス製品の表面をブラシにより研磨するブラシ研磨工程と、前記ブラシ研磨工程の後に当該被処理ガラス製品を水中に導入して超音波を照射する超音波照射工程とを有するため、安全面、環境・衛生面に問題点を内包するケミカルフロスト加工法の代替としてサンドブラスト加工法を活用することができる。加えて、ガラス製品の表面の摩擦に対する耐性がよりいっそう向上する。
請求項5の発明に係るフロストガラス製品の製法によると、請求項3又は4に記載の発明において、前記超音波照射工程に際して周波数20kHz〜1MHzの超音波照射が行われるため、一般的な超音波照射の設備を用いることができる。
以下添付の図面に従って本発明を説明する。
図1は被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工を施した際の電子顕微鏡写真、図2は被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工と超音波照射を行った際の電子顕微鏡写真、図3は本発明の一実施例に係るフロストガラス製品の全体斜視図、図4は他の実施例に係るフロストガラス製品の全体斜視図、図5は第1実施例に係るフロストガラス製品の製法の概略工程図、図6は被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工とブラシ研磨を施した際の電子顕微鏡写真、図7は被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工とブラシ研磨と超音波照射を行った際の電子顕微鏡写真、図8は第2実施例に係るフロストガラス製品の製法の概略工程図である。
通常、被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工を施した場合、図1の電子顕微鏡写真に示されるようなガラス製品表面に黒色部分として示される微細な凹状部(陥没状部)が形成される。そのため、入射光はガラス製品表面の凹凸面において乱反射されるため、全体に霞み(ヘイズ)がかった光り方となる。このように微細な凹状部が形成されると同時に、細かい粒子(写真中の白色部分)も表面に多く付着している。この小破片は、サンドブラスト加工により被処理ガラス製品の表面が削り取られて生じたガラス粒子あるいは研磨材の残留物と考えられる。
発明者は、互いのガラス製品同士や包装資材(段ボール)等との衝突に伴う摩擦により、ガラス粒子、研磨材等の残留物があたかも砥石のように作用して、ガラス製品表面に形成された微細な凹状部の凹凸を平滑化してしまうことを類推した(後記実施例参照)。このようなガラス製品表面の平滑化は、サンドブラスト加工を用いたフロスト処理により生じた艶消し面の喪失原因と考えられる。発明者は、ガラス製品表面のガラス粒子、研磨材等の残留物を効果的に除去することができれば、いったん形成したフロスト処理による艶消し面の温存が可能であることを仮定した。
サンドブラスト加工により生じたガラス粒子、研磨材等の残留物は、ガラス製品表面に形成された微細な凹状部に埋まるようにして存在している(図1参照)。このため、通常の流水洗浄やブラシ掛けを用いたとしても効率よく残留物を除去することはできない。
そこで、発明者は、ガラス粒子、研磨材等の残留物を物理的に除去するべく、超音波の照射による振動エネルギーに可能性を見出し、鋭意検討の結果、有効であることを見出した。図2の電子顕微鏡写真は、超音波照射後のフロストガラス製品である。超音波照射に伴いサンドブラスト加工により生じたガラス粒子、研磨材等の残留物は、概ね減少していることが把握できる。各図の電子顕微鏡写真は、走査型電子顕微鏡(SEM)によりガラス製品表面を1000倍に拡大し撮影したものである。
上記の経緯を踏まえて、図3のフロストガラス製品を提示することができる。このフロストガラス製品10は、ガラス製のびん容器11を表す。このびん容器11の外表面の全体にサンドブラスト処理により得られた艶消し面12が形成されている。そこで、ガラス特有の光沢等が抑制され、落ち着きのある美麗なフロスト様のくすんだガラス表面が得られる。図4のフロストガラス製品10Aにあっては、びん容器11の一部分(びん容器の胴面16の部分)に艶消し面12が形成されている。符号15はサンドブラスト処理を施していない非フロスト面であり、13はびん容器の口部である。
フロストガラス製品は図示のびん容器に限られることはなく、コップ、グラス、鉢、皿等のテーブルウエア製品、加えて各種の置物等のいずれであっても良い。加えて、フロストガラス製品の材質は、ソーダライムガラスに加えて、鉛ガラス(クリスタルガラス)、硼珪酸ガラス、石英ガラス等のガラス材料である。
図3,4に示すフロストガラス製品10,10Aは、請求項1の発明に規定するように、被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工を施し、このサンドブラスト加工の後に当該被処理ガラス製品に対し水中で超音波を照射して形成した艶消し面12を有する。
前記の艶消し面は、請求項3の発明に規定し、図5の概略工程M1により形成される。すなわち、被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工を施すサンドブラスト工程(S1)と、このサンドブラスト工程の後に当該被処理ガラス製品を水中に導入して超音波を照射する超音波照射工程(S2)とを有する過程から得ることができる。
サンドブラスト工程(S1)では、公知のサンドブラスト加工の工法、装置が適用される。この工程においては、できあがるフロストガラス製品の表面粗さRaを0.4〜1.2μmとすることが適度なフロスト艶消し面を得る上で好ましい。そのため、#220よりも小粒径の研磨材が好ましく用いられる。Al23(アランダム;alundam)#220の場合、生じる表面粗さ(Ra)はおよそ2.0μmとなる。これよりも細かいAl23#400の場合、その表面粗さ(Ra)は1.0μm以下とすることができる。なお、SiC(カーボランダム;carborundum)やガラスビーズ(珪砂)を用いる場合、同じ粒子径であればAl23よりも表面粗さが大きくなるため、より小さい粒径とすることが望ましい。
超音波照射工程(S2)では、前記のサンドブラスト工程を終えた被処理ガラス製品が水槽内に導入され、サンドブラスト工程により形成された被処理ガラス製品の表面は水と接する。当該工程に用いる水槽内には適宜の超音波振動子が備えられ、超音波発振器の制御により水槽内に超音波を発生させることができる。被処理ガラス製品は、水を介在して超音波照射に伴う振動、衝撃等のエネルギーを受ける。超音波照射が行われると、水が激しく振動し、ガラス製品表面に生じた微細な凹状部(陥没状部)にまで水が侵入し易くなる。そこで、サンドブラスト加工により生じたガラス粒子、研磨材等の残留物(図1参照)の脱離がより促進する。この結果、残留物は低減される(図2参照)。
使用される超音波の条件は、請求項5の発明にも規定されるように、20kHz〜1MHzの一般的な周波数である。極端に低い周波数であれば超音波照射に伴う振動、衝撃等のエネルギーは低くなり十分に残留物を除去することができない。また、著しく高い周波数の場合にはガラス製品自体を破壊するおそれもある。超音波照射に用いる水槽、超音波振動子、超音波発振器等は、生産規模や処理能力等を適切に勘案して選択される。また超音波発振器の出力も100〜2000Wの適宜である。水中における超音波照射時間はだいたい3〜60秒であり、その際の水温も5〜80℃である。ちなみに、発明者の検証によると、残留物の除去効率は40℃付近が最も認められた。加えて、超音波照射に用いる水槽に満たされる水としては、水道水、純水の適宜であり、洗剤(界面活性剤)等を添加することもできる。
前記の超音波照射工程を終えた被処理ガラス製品は、適当に水洗、乾燥を経て完成品であるフロストガラス製品となる。なお、サンドブラスト加工により生じたガラス粒子、研磨材等の残留物の脱離をより促進するため、超音波照射工程を2回以上行うこともできる。あるいは、所定の長さを確保した水槽を用い、超音波照射の時間を増やすことも可能である。
さらに、発明者は、サンドブラスト加工により生じたガラス粒子、研磨材等の残留物を予め低減しておくことにより超音波照射時の除去効率が向上し、いったん形成したフロスト処理による艶消し面の温存がより確実となる手法も得た。
すなわち、サンドブラスト加工の後にブラシ研磨を行うことにより、大まかにガラス粒子、研磨材等の残留物の低減が可能であることを見出した。図6の電子顕微鏡写真は被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工を施し、続けてブラシによる研磨を行った表面の様子である。図6の電子顕微鏡写真から理解されるように、前出の図1の写真(サンドブラスト加工のみ)との比較から、残留物の細かい粒子(写真中の白色部分)の残存量が減少していることが認められる。そこで、発明者は、ブラシ研磨を行った後に超音波照射をすることにより、よりいっそう残留物の除去効率が高まることも明らかにした。図7はサンドブラスト加工、ブラシ研磨、超音波照射を行った被処理ガラス製品の表面の電子顕微鏡写真である。
図6及び図7の両写真の比較から自明なとおり、ブラシ研磨と超音波照射を組み合わせることにより、サンドブラスト加工により生じたガラス粒子、研磨材等の残留物は、大きく減少していることが判る。この結果、形成したフロスト処理による艶消し面の温存の効果を得た(後記実施例参照)。各図の電子顕微鏡写真は、走査型電子顕微鏡(SEM)によりガラス製品表面を1000倍に拡大し撮影したものである。
上記のとおりブラシ研磨の有効性が明らかであるため、請求項2の発明に規定するように、図1あるいは図2のフロストガラス製品10または10Aについては、被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工を施し、サンドブラスト加工の後にブラシによる研磨を行い、ブラシによる研磨の後に当該被処理ガラス製品に対し水中で超音波を照射して形成した艶消し面12を有するものとすることができる。ブラシによる研磨の有無は通常の外観視においては認識することができないため、図1あるいは図2のフロストガラス製品10または10Aは共通とした。
この場合の艶消し面は、請求項4の発明に規定し、図8の概略工程M2により形成される。すなわち、被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工を施すサンドブラスト工程(S11)と、サンドブラスト工程の後に被処理ガラス製品の表面をブラシにより研磨するブラシ研磨工程(S12)と、ブラシ研磨工程の後に当該被処理ガラス製品を水中に導入して超音波を照射する超音波照射工程(S13)とを有する過程から得ることができる。
工程M2において、サンドブラスト工程(S11)及び超音波照射工程(S13)は、前出の工程M1におけるサンドブラスト工程(S1)及び超音波照射工程(S2)と共通するため、その詳細を省略する。同様に、請求項5の発明に規定するように、照射に用いる周波数も同様の範囲値である。
当該工程M2のブラシ研磨工程(S12)では、回転ブラシ等適宜のブラシが用いられ、S11のサンドブラスト工程後の被処理ガラス製品表面にブラシが押し当てられ、当該被処理ガラス製品の表面の残留物が除去される(図6参照)。ブラシの材質も適宜ではあるもののナイロン樹脂製のブラシが好ましく用いられる。また、表面研磨の効率を高めるため、ナイロンブラシには必要に応じ研磨材が混入される。使用する研磨材は#240以下であればよいが、表面を軽く研磨するためには、#320〜#500とすることが望ましい。むろん、ブラシ研磨工程に用いた研磨材は以降の超音波照射工程(S13)により除去される。
続く超音波照射工程(S13)においては、前述のとおり、サンドブラスト加工により生じたガラス粒子、研磨材等の残留物、加えてブラシ研磨工程に用いた研磨材の脱離がより促進する。こうして、残留物はいっそう低減される(図7参照)。
[試作品の作成]
発明者は、サンドブラスト処理のみ〔I〕(図1の写真参照)、サンドブラスト処理+超音波照射〔II〕(図2の写真参照)、サンドブラスト処理+ブラシ研磨〔III〕(図6の写真参照)、サンドブラスト処理+ブラシ研磨+超音波照射〔IV〕(図7の写真参照)とする4種類のフロストガラス製品を試作し、試作品〔I〕ないし〔IV〕の平均表面粗さ(Ra)を測定した(下記表1参照)。
被処理ガラス製品には、石塚硝子株式会社製の全高287mm、最大直径75.3mmのソーダライムガラス製のびんを使用した。
各試作とも、研磨材Al23#280を用いてびんの表面全体にサンドブラスト加工を施した。ブラシ研磨は、水をかけながら研磨材Al23#320を混ぜてナイロンブラシにより行った。
超音波照射に際しては、本多電子株式会社製超音波発振器、本多電子株式会社製超音波振動子を用い、周波数40kHz、出力1200Wの条件の下、約40℃の水中に15〜30秒間浸漬(超音波照射)した。なお、試作品〔II〕の超音波照射時間は30秒間、試作品〔IV〕の超音波照射時間は15秒間とした。
Figure 2007326753
表1から把握できるように、ブラシ研磨により残留物が除去されたため、試作品〔III〕及び〔IV〕の平均表面粗さが僅かに低下したものと考えられる。なお、各測定値間の有意差はほぼ無いと言える。
[振動試験]
振動試験には、伊藤精機株式会社製松平式振動試験器を用いた。振動条件は、振動幅20mm、振動数275cpm、振動時間20分とした。試作品〔I〕,〔II〕,〔IV〕に対し、上記の振動試験を行った。振動試験に当たり、各試作品のびんは、いずれも24本入りの段ボール製のカートンに全数を詰めて振動を加えた。各試料の試験結果は表2のとおりである。
サンドブラスト処理に伴うフロスト加工面の外観の良否(こすれの発生)は、目視により評価した。「◎」はフロスト加工面の喪失が発生しなかった。「○」はごく僅かにフロスト加工面の喪失が認められた。「△」はフロスト加工面の喪失に伴いびん表面の半透明化が見られた。「×」はフロスト加工面の喪失に伴いびん表面の透明化の進行が見られた。
Figure 2007326753
表2の結果から明らかなように、試作品〔I〕と〔II〕の比較より、水中での超音波照射がフロスト加工面の外観の温存に効果を上げていることが明らかとなった。また、試作品〔IV〕から自明なように、ブラシ研磨と超音波照射を組み合わせることにより、さらに大きなフロスト加工面の外観の温存効果を確認した。
次に発明者は、被処理ガラス製品の形状を変更し、前記と同様の設定のもとサンドブラスト処理、ブラシ研磨、超音波照射を行った。被処理ガラス製品としては、石塚硝子株式会社製の全高193mm、最大直径92mmのソーダライムガラス製のびんを使用した。試作品〔i〕はサンドブラスト処理のみ、試作品〔ii〕はサンドブラスト処理+超音波照射、試作品〔iv〕はサンドブラスト処理+ブラシ研磨+超音波照射とする3種類のフロストガラス製品を試作した。
振動試験に際し、前記の機器と同様の装置、条件、評価基準とした。各試作品のびんは、いずれも12本入りの段ボール製のカートンに全数を詰めて振動を加えた。各試料の試験結果は表3のとおりである。
Figure 2007326753
表3の結果においても表2の結果と同様に、水中での超音波照射がフロスト加工面の外観の温存に効果を上げていることが明らかとなった。また、ブラシ研磨と超音波照射を組み合わせることにより、さらに大きなフロスト加工面の外観の温存効果を確認した。
以上の結果から、本発明として開示するフロストガラス製品並びにフロストガラス製品の製法は、サンドブラスト加工法を改良することにより従前のサンドブラスト加工法を施したガラス製品表面における摩擦に対する耐性を高めて美観上の欠点の改善が可能である。ゆえに、本発明は、安全面、環境・衛生面に問題点を内包するケミカルフロスト加工法と代替が可能である。
被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工を施した際の電子顕微鏡写真である。 被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工と超音波照射を行った際の電子顕微鏡写真である。 本発明の一実施例に係るフロストガラス製品の全体斜視図である。 他の実施例に係るフロストガラス製品の全体斜視図である。 第1実施例に係るフロストガラス製品の製法の概略工程図である。 被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工とブラシ研磨を施した際の電子顕微鏡写真である。 被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工とブラシ研磨と超音波照射を行った際の電子顕微鏡写真である。 第2実施例に係るフロストガラス製品の製法の概略工程図である。
符号の説明
10,10A フロストガラス製品
11 びん容器
12 艶消し面
15 非フロスト面

Claims (5)

  1. 被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工を施し、前記サンドブラスト加工の後に当該被処理ガラス製品に対し水中で超音波を照射して形成した艶消し面を有することを特徴とするフロストガラス製品。
  2. 被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工を施し、前記サンドブラスト加工の後にブラシによる研磨を行い、前記ブラシによる研磨の後に当該被処理ガラス製品に対し水中で超音波を照射して形成した艶消し面を有することを特徴とするフロストガラス製品。
  3. 被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工を施すサンドブラスト工程と、
    前記サンドブラスト工程の後に当該被処理ガラス製品を水中に導入して超音波を照射する超音波照射工程と
    を有することを特徴とするフロストガラス製品の製法。
  4. 被処理ガラス製品の表面にサンドブラスト加工を施すサンドブラスト工程と、
    前記サンドブラスト工程の後に被処理ガラス製品の表面をブラシにより研磨するブラシ研磨工程と、
    前記ブラシ研磨工程の後に当該被処理ガラス製品を水中に導入して超音波を照射する超音波照射工程と
    を有することを特徴とするフロストガラス製品の製法。
  5. 前記超音波照射工程において、周波数20kHz〜1MHzの超音波照射が行われる請求項3又は4に記載のフロストガラス製品の製法。
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