JP2023183145A - 抗菌部材、その製造方法及び評価方法 - Google Patents

抗菌部材、その製造方法及び評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 抗菌効果を有する微小凹凸の特徴を凹凸ピッチや凹部深さとは別の側面から特定し、その側面によって特定した微小凹凸を有する抗菌部材を提供する。【解決手段】 本発明に係る抗菌部材は、微小凹凸が無数にランダムに形成された表面であって、二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、かつ、平均長さRSmが20μm以下である表面を有することを特徴とする。また、本発明に係る抗菌部材は、微小凹凸が無数にランダムに形成された表面であって、二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、かつ、最大山高さRpが0.6μm以下、最大谷深さRvが0.6μm以下、十点平均粗さRzが1.2μm以下、平均高さRcが0.7μm以下、算術平均高さRaが0.2μm以下である、二乗平均平方根長さRqが0.3μm以下、或いはクルトシスRkuが6.0以下のうちの少なくとも一つの条件を満たす表面を有することを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、部材表面に対して微小凹凸を無数にランダムに形成する処理を行うことで部材表面に抗菌作用或いは菌増殖抑制作用(抗菌効果或いは菌増殖・バイオフィルム形成抑制効果)を付与する技術に関する。
これまで、本出願人等は、ディンプル状の微小凹凸を形成することによる表面改質技術の様々な分野への適用の可能性を探るべく、処理対象と接触する部材(処理対象接触部材)の表面に微小凹凸を無数に形成することによる作用効果を様々な分野で確認するといったアプローチを種々行っているが、その過程において、本出願人等は、特許文献1において記載したように、ショット材投射処理等によって部材の表面に形成される所定サイズの微小凹凸が、抗菌効果を発揮することを見い出した。
特許第6695558号
ここで、特許文献1では、抗菌効果を発揮する微小凹凸を有する表面は、その微小凹凸の凹凸ピッチが0.4~7.3μmの範囲にあり、当該凹凸ピッチに関連する凹部の深さが0.04~1.0μmの範囲にあるとしている。
しかし、本発明者等が、更に研究、解析を進めた結果、抗菌効果を発揮する微小凹凸の特徴について新たな知見を得た。
本発明は、上述した実情によりなされたもので、抗菌効果を有する微小凹凸の特徴を凹凸ピッチや凹部深さとは別の側面から特定し、その側面によって特定した微小凹凸を有する抗菌部材、その生産方法、及びその評価方法を提供することを目的とする。
本発明に係る抗菌部材は、
微小凹凸が無数にランダムに形成された表面であって、二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、かつ、平均長さRSmが20μm以下である表面を有することを特徴とする。
また、本発明に係る抗菌部材は、
微小凹凸が無数にランダムに形成された表面であって、二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、
かつ、
最大山高さRpが0.6μm以下、最大谷深さRvが0.6μm以下、十点平均粗さRzが1.2μm以下、平均高さRcが0.7μm以下、算術平均高さRaが0.2μm以下である、二乗平均平方根長さRqが0.3μm以下、或いはクルトシスRkuが6.0以下のうちの少なくとも一つの条件を満たす表面を有することを特徴とする。
また、本発明に係る抗菌部材は、
微小凹凸が無数にランダムに形成された表面であって、二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、かつ、平均長さRSmが20μm以下であると共に、
最大山高さRpが0.6μm以下、最大谷深さRvが0.6μm以下、十点平均粗さRzが1.2μm以下、平均高さRcが0.7μm以下、算術平均高さRaが0.2μm以下である、二乗平均平方根長さRqが0.3μm以下、或いはクルトシスRkuが6.0以下のうちの少なくとも一つの条件を満たす表面を有することを特徴とする。
本発明において、前記微小凹凸を、ショット材投射処理、化学エッチング、プラズマ処理の何れか一つ或いはこれらの少なくとも2つ以上の組み合わせに基づいて形成することを特徴とすることができる。
本発明において、前記微小凹凸は、ショット材投射処理、化学エッチング、プラズマ処理の何れか一つ或いはこれらの少なくとも2つ以上の組み合わせに基づいて形成された微小凹凸を有する型を用いて転写により形成されることを特徴とすることができる。
本発明に係る抗菌部材の生産方法は、
微小凹凸が無数にランダムに形成された表面であって、二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、かつ、平均長さRSmが20μm以下である表面を形成することで、部材の当該表面に抗菌効果を持たせることを特徴とする。
また、本発明に係る抗菌部材の生産方法は、
微小凹凸が無数にランダムに形成された表面であって、二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、
かつ、
最大山高さRpが0.6μm以下、最大谷深さRvが0.6μm以下、十点平均粗さRzが1.2μm以下、平均高さRcが0.7μm以下、算術平均高さRaが0.2μm以下である、二乗平均平方根長さRqが0.3μm以下、或いはクルトシスRkuが6.0以下のうちの少なくとも一つの条件を満たす表面を形成することで、部材の当該表面に抗菌効果を持たせることを特徴とする。
本発明に係る抗菌部材の評価方法は、
微小凹凸が無数にランダムに形成された表面であって、二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、かつ、平均長さRSmが20μm以下である表面に基づいて、部材の当該表面の抗菌効果の有無を評価することを特徴とする。
また、本発明に係る抗菌部材の評価方法は、
微小凹凸が無数にランダムに形成された表面であって、二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、
かつ、
最大山高さRpが0.6μm以下、最大谷深さRvが0.6μm以下、十点平均粗さRzが1.2μm以下、平均高さRcが0.7μm以下、算術平均高さRaが0.2μm以下である、二乗平均平方根長さRqが0.3μm以下、或いはクルトシスRkuが6.0以下のうちの少なくとも一つの条件を満たす表面に基づいて、部材の当該表面の抗菌効果の有無を評価することを特徴とする。
本発明によれば、抗菌効果を有する微小凹凸の特徴を凹凸ピッチや凹部深さとは別の側面から特定し、その側面によって特定した微小凹凸を有する抗菌部材、その生産方法、及びその評価方法を提供することができる。
(A)は「横軸にRdq、縦軸にRp(最大山高さ)を取り、抗菌効果なし(抗菌性能なし)を〇、抗菌効果あり(抗菌性能あり)を□でプロットした図」であり、(B)は「横軸にRdq、縦軸にRv(最大谷深さ)を取り、抗菌効果なし(抗菌性能なし)を〇、抗菌効果あり(抗菌性能あり)を□でプロットした図」であり、(C)は「横軸にRdq、縦軸にRz(十点平均粗さ)を取り、抗菌効果なし(抗菌性能なし)を〇、抗菌効果あり(抗菌性能あり)を□でプロットした図」であり、(D)は「横軸にRdq、縦軸にRc(平均高さ)を取り、抗菌効果なし(抗菌性能なし)を〇、抗菌効果あり(抗菌性能あり)を□でプロットした図」である。 (A)は「横軸にRdq、縦軸にRa(算術平均高さ)を取り、抗菌効果なし(抗菌性能なし)を〇、抗菌効果あり(抗菌性能あり)を□でプロットした図」であり、(B)は「横軸にRdq、縦軸にRq(二乗平均平方根高さ)を取り、抗菌効果なし(抗菌性能なし)を〇、抗菌効果あり(抗菌性能あり)を□でプロットした図」であり、(C)は「横軸にRdq、縦軸にRku(クルトシス:山と谷の先端形状を表すパラメータ)を取り、抗菌効果なし(抗菌性能なし)を〇、抗菌効果あり(抗菌性能あり)を□でプロットした図」である。 横軸にRdq(稜線部の傾斜角)を取り、縦軸にRSm(凹凸の横方向のパラメータ)を取り、抗菌効果なし(抗菌性能なし)を〇、抗菌効果あり(抗菌性能あり)を□でプロットした図である。 サンプルNo.1~5の各パラメータの値と抗菌活性値を列挙した一覧表である。 図1から図2において抗菌効果がある表面(Rdqが6°以上の表面)の各粗さパラメータの最小値と最大値を列挙した一覧表である。 (A)は二乗平均平方根傾斜Rdqを説明する図であり、(B)は平均長さRSmを説明する図である。 (A)は最大山高さRpを説明する図であり、(B)は最大谷深さRvを説明する図である。 (A)は十点平均粗さRz(Rzjis)を説明する図であり、(B)は平均高さRcを説明する図である。 (A)は算術平均高さRaを説明する図であり、(B)は二乗平均平方根高さRqを説明する図である。 クルトシスRkuを説明する図である。 ショット材投射処理により処理された「抗菌効果のある表面の形状および3D画像」の一例を示す図である。 ショット材投射処理の一例である微粒子ピーニング処理に用いるメディアをワンショットすることにより実験的に形成した単一の微小凹部の断面SEM像である。 レーザ加工による凹部断面SEM像である。
以下、本発明に係る一実施の形態を、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
本出願人等は、特許第6695558号にて、微小凹凸を無数にランダムに形成した表面(微小凹凸表面)には、抗菌効果があることを提案したが、かかる抗菌効果を発揮する微小凹凸を有する表面は、その微小凹凸の凹凸ピッチが0.4~7.3μmの範囲にあり、当該凹凸ピッチに関連する凹部の深さが0.04~1.0μmの範囲であった。
しかし、本発明者等が、これまでに取りためてきた表面形状データに基づいて、更に研究、解析を進めた結果、抗菌効果を発揮する微小凹凸の特徴について、微小凹凸の凹凸ピッチや凹部深さとは異なる側面から特定することが可能であることがわかった。
より詳しくは、凹凸ピッチは粗さで言えば、横方向のパラメータ、凹部深さは縦方向のパラメータになる。これまで、横方向・縦方向のパラメータが抗菌性能に大きく寄与していると考えていたが、研究開発を進める中で、多数の表面形状データを観察するうちに、凹凸の稜線部の角度が抗菌効果に大きく寄与していることを発見した。
稜線部の角度のパラメータとしては、Rdq(Root mean square slope:二乗平均平方根傾斜)というものがあり、これを用いて、微小凹凸の稜線部の角度・勾配(傾斜角)と、抗菌効果の有無と、の関係を整理した。
JIS規格で定められる二乗平均平方根傾斜Rdqの説明を、図6(A)に示す。
横軸にRdq(稜線部の傾斜角)を取り、縦軸にその他の粗さパラメータをとって、データを整理した結果を図1に示す。
図1(A)は、横軸にRdq、縦軸にRp(最大山高さ)を取り、抗菌効果なし(抗菌性能なし)を〇、抗菌効果あり(抗菌性能あり)を□でプロットした図である。JIS規格で定められる最大山高さRpの説明を、図7(A)に示す。
図1(A)から、Rdqが6°以上の場合に、抗菌効果があることがわかる。但し、図1(A)では、抗菌効果がある表面は、Rp≦0.6μm(若しくは0.2μm≦Rp≦0.6μmの範囲)である。なお、Rdqが6°以上のデータ群(抗菌効果ありのプロット群)におけるRpの最小値は0.232μmであり、最大値は0.567μmである(図5参照)。
図1(B)は、横軸にRdq、縦軸にRv(最大谷深さ)を取り、抗菌効果なし(抗菌性能なし)を〇、抗菌効果あり(抗菌性能あり)を□でプロットした図である。JIS規格で定められる最大谷深さRvの説明を、図7(B)に示す。
図1(B)から、Rdqが6°以上の場合に、抗菌効果があることがわかる。但し、図1(B)では、抗菌効果がある表面は、Rv≦0.6μm(若しくは0.2μm≦Rv≦0.6μmの範囲)である。なお、Rdqが6°以上のデータ群(抗菌効果ありのプロット群)におけるRvの最小値は0.235μmであり、最大値は0.506μmである(図5参照)。
図1(C)は、横軸にRdq、縦軸にRz(十点平均粗さ)を取り、抗菌効果なし(抗菌性能なし)を〇、抗菌効果あり(抗菌性能あり)を□でプロットした図である。JIS規格で定められる十点平均粗さRz(Rzjis)の説明を、図8(A)に示す。
図1(C)から、Rdqが6°以上の場合に、抗菌効果があることがわかる。但し、図1(C)では、抗菌効果がある表面は、Rz≦1.2μm(若しくは0.4μm≦Rz≦1.2μmの範囲)である。なお、Rdqが6°以上のデータ群(抗菌効果ありのプロット群)におけるRzの最小値は0.527μmであり、最大値は1.030μmである(図5参照)。
図1(D)は、横軸にRdq、縦軸にRc(平均高さ)を取り、抗菌効果なし(抗菌性能なし)を〇、抗菌効果あり(抗菌性能あり)を□でプロットした図である。JIS規格で定められる平均高さRcの説明を、図8(B)に示す。
図1(D)から、Rdqが6°以上の場合に、抗菌効果があることがわかる。但し、図1(D)では、抗菌効果がある表面は、Rc≦0.7μm(若しくは0.2μm≦Rc≦0.7μmの範囲)である。なお、Rdqが6°以上のデータ群(抗菌効果ありのプロット群)におけるRcの最小値は0.304μmであり、最大値は0.645μmである(図5参照)。
横軸にRdq(稜線部の傾斜角)を取り、縦軸に凹凸高さのパラメータをとって、データを整理した結果を図2に示す。
図2(A)は、横軸にRdq、縦軸にRa(算術平均高さ)を取り、抗菌効果なし(抗菌性能なし)を〇、抗菌効果あり(抗菌性能あり)を□でプロットした図である。JIS規格で定められる算術平均高さRaの説明を、図9(A)に示す。
図2(A)から、Rdqが6°以上の場合に、抗菌効果があることがわかる。但し、図2(A)では、抗菌効果がある表面は、Ra≦0.2μm(若しくは0.07μm≦Ra≦0.2μmの範囲)である。なお、Rdqが6°以上のデータ群(抗菌効果ありのプロット群)におけるRaの最小値は0.072μmであり、最大値は0.181μmである(図5参照)。
図2(B)は、横軸にRdq、縦軸にRq(二乗平均平方根高さ)を取り、抗菌効果なし(抗菌性能なし)を〇、抗菌効果あり(抗菌性能あり)を□でプロットした図である。JIS規格で定められる二乗平均平方根高さRqの説明を、図9(B)に示す。
図2(B)から、Rdqが6°以上の場合に、抗菌効果があることがわかる。但し、図2(B)では、抗菌効果がある表面は、Rq≦0.25μm(若しくは0.09μm≦Rq≦0.25μmの範囲)である。なお、Rdqが6°以上のデータ群(抗菌効果ありのプロット群)におけるRqの最小値は0.094μmであり、最大値は0.222μmである(図5参照)。
図2(C)は、横軸にRdq、縦軸にRku(クルトシス:山と谷の先端形状を表すパラメータ)を取り、抗菌効果なし(抗菌性能なし)を〇、抗菌効果あり(抗菌性能あり)を□でプロットした図である。JIS規格で定められるクルトシスRkuの説明を、図10に示す。
図2(C)から、Rdqが6°以上の場合に、抗菌効果があることがわかる。但し、図2(C)では、抗菌効果がある表面は、Rku≦6.0(若しくは2.0≦Rku≦6.0の範囲)である。なお、Rdqが6°以上のデータ群(抗菌効果ありのプロット群)におけるRkuの最小値は2.182であり、最大値は5.126である(図5参照)。
次に、図3に、横軸にRdq(稜線部の傾斜角)を取り、縦軸にRSm(凹凸の横方向のパラメータ)を取り、抗菌効果なし(抗菌性能なし)を〇、抗菌効果あり(抗菌性能あり)を□でプロットした図を示す。JIS規格で定められる平均長さRSmの説明を、図6(B)に示す。
図3から、Rdqが6°以上の場合に、抗菌効果があることがわかる。但し、図3では、抗菌効果がある表面は、RSm≦20μm(若しくは9μm≦RSm≦20μmの範囲)である。なお、Rdqが6°以上のデータ群(抗菌効果ありのプロット群)におけるRSmの最小値は9.6であり、最大値は18.5である(図4参照)。
図4に、サンプルNo.1~10の各パラメータの値と抗菌活性値を列挙した一覧表を示す。なお、抗菌活性値2以上で抗菌効果がある。
このように、本実施の形態によれば、図1~図4で示したように、Rdq(稜線部の角度)が6°以上(傾斜勾配10.5%以上)の場合に抗菌効果が得られることがわかった。
しかし、Rdqと抗菌活性値の数値を観察すると、Rdqが大きいからと言って、抗菌活性値が大きくなる、というわけではない。例えば、サンプルNo.7はRdqが10.6°と一番大きな角度を示しているが、抗菌活性値が一番大きいわけではなく、No.8のRdq=7.12°のサンプルが抗菌活性値としては一番大きい(つまり一番抗菌性能が高い)といった結果であり、Rdqの大きさと抗菌効果の大きさの関係は現段階では把握できてはいない。しかしながら、特許第6695558号で述べたように微小凹凸の凹凸ピッチや凹部深さの値が抗菌効果に影響するパラメーターであるが、Rdq(稜線部の角度)も抗菌効果に影響を与える重要なパラメータであるということが今回わかった。
すなわち、特許第6695558号では、その凹凸ピッチが0.4~7.3μmの範囲にあり、当該凹凸ピッチに関連する凹部の深さが0.04~1.0μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに形成した表面に抗菌効果があることを確認したが、その微小凹凸表面に「Rdq(稜線部の傾斜角)が6°以上(傾斜勾配10.5%以上)の凸部の稜線部」が存在すると、より一層高い抗菌効果が得られるものと考えられる。
また、微小凹凸のある表面のRdq(稜線部の傾斜角)が6°以上(傾斜勾配10.5%以上)であって、RSmが20μm以下である場合には、その凹凸ピッチが0.4~7.3μmの範囲にあり当該凹凸ピッチに関連する凹部の深さが0.04~1.0μmの範囲外にある微小凹凸の存在の有無にかかわらず、抗菌効果がある表面となると考えられる。
なお、本実施の形態によれば、微小凹凸のある表面のRdq(稜線部の傾斜角)が6°以上(傾斜勾配10.5%以上)であるという特定に加えて、微小凹凸のある表面の横方向のパラメータRSmを考慮し、Rdq(稜線部の傾斜角)が6°以上(傾斜勾配10.5%以上)であって、RSmが20μm以下(若しくは9μm≦RSm≦20μmの範囲)である表面に抗菌効果があるとすることができる。
また、本実施の形態によれば、微小凹凸のある表面の高さ方向のパラメータRpを考慮し、Rdq(稜線部の傾斜角)が6°以上(傾斜勾配10.5%以上)であって、Rpが0.6μm以下(若しくは0.2μm≦Rp≦0.6μmの範囲)である表面に抗菌効果があるとすることができる。
また、本実施の形態によれば、微小凹凸のある表面の高さ方向のパラメータRvを考慮し、Rdq(稜線部の傾斜角)が6°以上(傾斜勾配10.5%以上)であって、Rvが0.6μm以下(若しくは0.2μm≦Rv≦0.6μmの範囲)である表面に抗菌効果があるとすることができる。
また、本実施の形態によれば、微小凹凸のある表面の高さ方向のパラメータRzを考慮し、Rdq(稜線部の傾斜角)が6°以上(傾斜勾配10.5%以上)であって、Rzが1.2μm以下(若しくは0.4μm≦Rz≦1.2μmの範囲)である表面に抗菌効果があるとすることができる。
また、本実施の形態によれば、微小凹凸のある表面の高さ方向のパラメータRcを考慮し、Rdq(稜線部の傾斜角)が6°以上(傾斜勾配10.5%以上)であって、Rcが0.7μm以下(若しくは0.2μm≦Rc≦0.7μmの範囲)である表面に抗菌効果があるとすることができる。
また、本実施の形態によれば、微小凹凸のある表面の高さ方向のパラメータRaを考慮し、Rdq(稜線部の傾斜角)が6°以上(傾斜勾配10.5%以上)であって、Raが0.2μm以下(若しくは0.07μm≦Ra≦0.2μmの範囲)である表面に抗菌効果があるとすることができる。
また、本実施の形態によれば、微小凹凸のある表面の高さ方向のパラメータRqを考慮し、Rdq(稜線部の傾斜角)が6°以上(傾斜勾配10.5%以上)であって、Rqが0.25μm以下(若しくは0.09μm≦Rq≦0.25μmの範囲)である表面に抗菌効果があるとすることができる。
また、本実施の形態によれば、微小凹凸のある表面の高さ方向のパラメータRkuを考慮し、Rdq(稜線部の傾斜角)が6°以上(傾斜勾配10.5%以上)であって、Rkuが6.0以下(若しくは2.0≦Rku≦6.0の範囲)である表面に抗菌効果があるとすることができる。
また、Rdq(稜線部の傾斜角)が6°以上(傾斜勾配10.5%以上)であることに加え、微小凹凸のある表面の横方向のパラメータRSmと、微小凹凸のある表面の高さ方向のパラメータRp、Rv、Rz、Rc、Ra、Rq、Rkuのうちの少なくとも一つと、を組み合わせることで、抗菌効果がある表面を特定することもできる。
このように本実施の形態によれば、抗菌効果を有する微小凹凸の特徴を凹凸ピッチや凹部深さとは別の側面から特定し、その側面によって特定した微小凹凸を有する抗菌部材、その生産方法、及びその評価方法を提供することができる。
なお、本実施の形態における抗菌試験は、特許第6695558号に記載したと同様の方法により行った。
すなわち、抗菌試験は、地方独立法人神奈川県立産業技術総合研究所にて実施した。
試験方法は、表面処理(表面テクスチャ)の異なる試料(試験片、サンプル)について、フィルム密着法による抗菌力評価試験を行った。
試験条件は、以下に示す通りである。
試験菌株:Escherichia coli NBRC3972株
接種菌液濃度:4.9×10CFU/mL
菌液接種量:0.4mL
試験面積:40×40mm角
被覆フィルム:エスクリニカパックL、積水化学工業(株)製
試験温度:35°C
試験時間:8時間
生菌数測定には大腸菌群用微生物培地シート(JNC(株)製)を用いた。
生菌数測定は、試料を滅菌生理食塩水9.6mLで洗い、この洗い出した液中の生菌数濃度を測定することで行った。
本実施の形態に係るショット材投射処理は、SUS304からなるステンレス製の板材の表面に、微粒子メディア「例えば(株)不二製作所製の研磨材(商品名「不二ランダムC(カーボランダム)」、粒番号C#400(最大粒子径75μm以下、累積高さ50%点の粒子径30.0±2.0μm)のSiC(炭化ケイ素)」などを1/数(例えば0.3)MPa程度の圧縮空気と共に噴射ノズルから噴射し、被加工面に投射処理(投射加工)を行った。
抗菌効果のある表面の形状および3D画像の一例を、図11に示す。
当該表面は、SUS304の表面に、微粒子状のメディア(ショット材)を投射してディンプル状の微小凹部を形成するショット材投射処理によりディンプル状の微小凹部を無数にランダムに形成したものの一例である。微小凹凸が無数にランダムに形成されることで梨地状の表面が形成されている。
本実施の形態における3D画像、表面形状、表面形状データは、KEYENCE社製の形状測定レーザーマイクロスコープVK-X100を用いて取得した。
ここで、本実施の形態に係るショット材投射処理(微粒子投射処理、微小凹凸形成処理、マイクロディンプル処理(MD処理)などとも称される)は、既知の噴射装置により、上述したような仕様(材質やサイズや形状など)の異なるメディア(ショット材、研磨材粒子)を、条件を調整しつつ噴射して表面処理加工の対象である部材の表面に衝突させることで、異なる表面形状(表面テクスチャ)を有する所望の処理品を得ることができる。
例えば、噴射装置としては、ブラスト装置を用いることができ、ブラスト装置の一例としては、例えば、株式会社不二製作所製の「PNEUMA BLASTER」(型式:SCシリーズ、SGシリーズなど)などを用いることができる。また、例えば、特開2019-25584号公報などに記載されているものを用いることができる。
より具体的には、噴射粒体を部材の表面に向けて噴射する噴射装置としては、圧縮気体(空気、アルゴン、窒素等)と共に研磨材(微粒子)の噴射を行う既知のブラスト加工装置(ブラスト処理装置)を使用することができる。
そして、ブラスト加工装置(ブラスト処理装置)としては、圧縮気体の噴射により生じた負圧を利用して研磨材を噴射するサクション式のブラスト加工装置,研磨材タンクから落下した研磨材を圧縮気体に乗せて噴射する重力式のブラスト加工装置,研磨材が投入されたタンク内に圧縮気体を導入し、別途与えられた圧縮気体供給源からの圧縮気体流に研磨材タンクからの研磨材流を合流させて噴射する直圧式のブラスト加工装置、及び、上記直圧式の圧縮気体流を、ブロワーユニットで発生させた気体流に乗せて噴射するブロワー式ブラスト加工装置等が市販されているが,これらはいずれも前述した噴射粒体の噴射に使用可能である。
また、水などの液体と共にショットを高圧で噴射するウォータージェット等のウェット系ブラストなども使用することができる。
ここでは、微小凹凸をショット材投射処理により、ランダムに無数に(複数、多数)形成することとして説明したが、例えば、部材の表面に化学研磨(化学エッチング)或いはプラズマ処理(例えばアルゴンボンバード処理)などにより微小凹凸をランダムに無数に(複数、多数)形成することもできる。
なお、化学研磨(化学エッチング)としては、例えば、塩酸・硝酸・硫酸・リン酸などの酸性薬剤や塩化鉄(III)などを任意の割合で水溶液に調製し使用することが想定される。
ところで、本発明において、微小凹凸を有する凹凸表面を形成することには、化学エッチング、プラズマ処理、ショット材投射処理、研磨処理などに基づいて(利用して)形成した凹凸表面を有する型を用いて、例えば転写等により、部材の表面に凹凸表面を形成する場合なども含まれるものである。
また、本実施の形態は、例えばステンレス材であれば、処理前のベース材の♯400、♯700、2B等、表面の仕上げ仕様には拘らず、特に非磁性のオーステナイト系のステンレス(SUS303、304、316など)、どれでも同等の効果が得られる。また、ステンレス材以外の金属材料(例えば、鉄の場合には、例えばスチール(SS400など)、アルミニウム、チタン等の金属製或いは合金製など)であっても本発明は適用可能である。
また、本発明に係る部材等は、樹脂製部材とすることも可能であり、その材料は特に限定されるものではない。例えばセラミックスとすることも可能である。
ここで、本発明では、抗菌効果を有する凹凸表面を特定するために、微小凹凸が無数にランダムに形成されているといった特定方法を用いている。
すなわち、「ショット材投射処理により(或いは基づいて)、微小凹部を形成した表面」などの表現を用いる代わりに、「微小凹凸が無数にランダムに形成された表面」といった特定方法(表現)を用いている。
しかしながら、先行技術などとの対比において、上記特定方法(表現)では、ショット材投射処理により形成された凹凸表面を、他と区別した特徴的な特定方法(表現)として採用することが難しくなる場合も想定される。
このため、「ショット材投射処理により(或いは基づいて)表面に微小凹凸を形成する」という特定方法(表現)により、抗菌効果を有する凹凸表面を特定せざるを得ない状況が想定される。
従って、ショット材投射処理により形成された微小凹凸を形状、構造、特性等により特定することには、本願出願時において不可能・非現実的事情が存在しており、「ショット材投射処理により(或いは基づいて(転写などの場合を考慮))表面に微小凹凸を形成することで」という表現を用いざるを得ない場合があることについて、以下に説明しておく。
ショット材投射処理は、投射粒(メディア)を、圧縮空気を介し秒速数十から百m以上の速度で加工対象表面に衝突させ、有意な寸法変化を伴わずに、その縁に凸部を有する略球面状のミクロンサイズの微小凹部を不規則に加工面の略全面に形成するものであり、ショット材投射処理においてメディアが衝突して微小凹部が形成される際には、クレーター状に、その周囲が隆起して凸部が形成され(図12参照)、この隆起した凸部は、他のメディアが衝突することで、凹まされるため凸部の高さは不規則となる。
これに対して、レーザ加工や切削加工等の機械的加工は規則正しい凹部が形成されると共に、除去加工であるため凸部は形成されない(凹部の形成に伴って凸部が隆起されることはない)。このため、レーザ加工や切削加工等の機械的加工における微小凹部の周囲の凸部の高さは被加工材(レーザ加工されている部材)の表面(元々の素材表面)の高さに一致している(図13参照)。
また、ショット材投射処理により形成される微小凹凸は無数に不規則に(ランダムに)形成されるため、当該ショット材投射処理により形成される表面テクスチャ(形状)は、研磨や研削処理などの表面を削って傷(すじ状などの溝)を付与する処理により形成される表面形状(テクスチャ)とは異なるが、表面粗さ計などにより測定すると、両者は数値的には似た値となってしまうため、表面粗さなどにより両者を区別することはできない。
しかし、ショット材投射処理により形成される表面テクスチャ(形状)によって得られる効果(抗菌効果など)は、研磨や研削処理などの表面を削って傷を付与する処理により形成される表面形状(テクスチャ)からは予想できない格別なものである。
また、数ミリオーダーのメディアを衝突させて残留応力を付与して疲労限を改善するショットピーニング処理からは、ショット材投射処理を施した表面が洗浄性改善効果などを有するといったことは到底予測できないものである。
このように、ショット材投射処理により形成される微小凹凸は無数に不規則に(ランダムに)形成され、微小凹部及びその周囲の凸部の形状は不規則であり、その不規則性が本発明により奏される作用効果の源になっていることに鑑みれば、ショット材投射処理により形成された表面テクスチャ(形状)を特定するための用語として、「ショット材投射処理により(或いは基づいて)形成された」という表現を用いる以外には、ショット材投射処理により形成された表面を特定することはできない。
以上のように、ショット材投射処理により形成された微小凹凸を形状、構造、特性等により特定することには、本願出願時において不可能・非現実的事情が存在している。
ところで、本発明は、上述した発明の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは可能である。
本発明に係る抗菌部材は、
ショット材投射処理により、微小凹凸が無数にランダムに形成された表面であって、その表面の二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、かつ、平均長さRSmが20μm以下とすることで、当該表面に抗菌性を持たせたことを特徴とする。
また、本発明に係る抗菌部材は、
ショット材投射処理により、微小凹凸が無数にランダムに形成された表面であって、その表面の二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、
かつ、
最大山高さRpが0.6μm以下、最大谷深さRvが0.6μm以下、十点平均粗さRzが1.2μm以下、平均高さRcが0.7μm以下、算術平均高さRaが0.2μm以下、二乗平均平方根長さRqが0.3μm以下、或いはクルトシスRkuが6.0以下のうちの少なくとも一つの条件を満たすことで、当該表面に抗菌性を持たせたことを特徴とする。
また、本発明に係る抗菌部材は、
ショット材投射処理により、微小凹凸が無数にランダムに形成された表面であって、その表面の二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、かつ、平均長さRSmが20μm以下であると共に、
最大山高さRpが0.6μm以下、最大谷深さRvが0.6μm以下、十点平均粗さRzが1.2μm以下、平均高さRcが0.7μm以下、算術平均高さRaが0.2μm以下、二乗平均平方根長さRqが0.3μm以下、或いはクルトシスRkuが6.0以下のうちの少なくとも一つの条件を満たすことで、当該表面に抗菌性を持たせたことを特徴とする。
本発明に係る抗菌部材の生産方法は、
ショット材投射処理により、微小凹凸が無数にランダムに形成された表面であって、その表面の二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、かつ、平均長さRSmが20μm以下である表面を形成することで、部材の当該表面に抗菌効果を持たせることを特徴とする。
また、本発明に係る抗菌部材の生産方法は、
ショット材投射処理により、微小凹凸が無数にランダムに形成された表面であって、その表面の二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、
かつ、
最大山高さRpが0.6μm以下、最大谷深さRvが0.6μm以下、十点平均粗さRzが1.2μm以下、平均高さRcが0.7μm以下、算術平均高さRaが0.2μm以下、二乗平均平方根長さRqが0.3μm以下、或いはクルトシスRkuが6.0以下のうちの少なくとも一つの条件を満たす表面を形成することで、部材の当該表面に抗菌効果を持たせることを特徴とする。
本発明に係る抗菌部材の評価方法は、
ショット材投射処理により、微小凹凸が無数にランダムに形成された表面であって、その表面の二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、かつ、平均長さRSmが20μm以下である表面に基づいて、部材の当該表面の抗菌効果の有無を評価することを特徴とする。
また、本発明に係る抗菌部材の評価方法は、
ショット材投射処理により、微小凹凸が無数にランダムに形成された表面であって、その表面の二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、
かつ、
最大山高さRpが0.6μm以下、最大谷深さRvが0.6μm以下、十点平均粗さRzが1.2μm以下、平均高さRcが0.7μm以下、算術平均高さRaが0.2μm以下、二乗平均平方根長さRqが0.3μm以下、或いはクルトシスRkuが6.0以下のうちの少なくとも一つの条件を満たす表面に基づいて、部材の当該表面の抗菌効果の有無を評価することを特徴とする。
本発明に係る抗菌部材は、
部材の菌と接触する表面に、ショット材投射処理に基づいて、微小凹凸無数にランダムに形成、その表面の二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、かつ、平均長さRSmが20μm以下である表面を有することで、部材の当該表面に抗菌効果を持たせたことを特徴とする。
また、本発明に係る抗菌部材は、
部材の菌と接触する表面に、ショット材投射処理に基づいて、微小凹凸無数にランダムに形成、その表面の二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、
かつ、
最大山高さRpが0.6μm以下、最大谷深さRvが0.6μm以下、十点平均粗さRzが1.2μm以下、平均高さRcが0.7μm以下、算術平均高さRaが0.2μm以下、二乗平均平方根長さRqが0.3μm以下、或いはクルトシスRkuが6.0以下のうちの少なくとも一つの条件を満たす表面を有することで、部材の当該表面に抗菌効果を持たせたことを特徴とする。
また、本発明に係る抗菌部材は、
部材の菌と接触する表面に、ショット材投射処理に基づいて、微小凹凸無数にランダムに形成、その表面の二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、かつ、平均長さRSmが20μm以下であると共に、
最大山高さRpが0.6μm以下、最大谷深さRvが0.6μm以下、十点平均粗さRzが1.2μm以下、平均高さRcが0.7μm以下、算術平均高さRaが0.2μm以下、二乗平均平方根長さRqが0.3μm以下、或いはクルトシスRkuが6.0以下のうちの少なくとも一つの条件を満たす表面を有することで、部材の当該表面に抗菌効果を持たせたことを特徴とする。
本発明に係る抗菌部材の生産方法は、
部材の菌と接触する表面に、ショット材投射処理に基づいて、その表面の二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、かつ、平均長さRSmが20μm以下である表面を、微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗菌効果を持たせることを特徴とする。
また、本発明に係る抗菌部材の生産方法は、
部材の菌と接触する表面に、ショット材投射処理に基づいて、その表面の二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、
かつ、
最大山高さRpが0.6μm以下、最大谷深さRvが0.6μm以下、十点平均粗さRzが1.2μm以下、平均高さRcが0.7μm以下、算術平均高さRaが0.2μm以下、二乗平均平方根長さRqが0.3μm以下、或いはクルトシスRkuが6.0以下のうちの少なくとも一つの条件を満たす表面を、微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗菌効果を持たせることを特徴とする。
本発明に係る抗菌部材の評価方法は、
ショット材投射処理に基づいて、微小凹凸が無数にランダムに形成された菌と接触する表面であって、その表面の二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、かつ、平均長さRSmが20μm以下である表面に基づいて、部材の当該表面の抗菌効果の有無を評価することを特徴とする。
また、本発明に係る抗菌部材の評価方法は、
ショット材投射処理に基づいて、微小凹凸が無数にランダムに形成された菌と接触する表面であって、その表面の二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、
かつ、
最大山高さRpが0.6μm以下、最大谷深さRvが0.6μm以下、十点平均粗さRzが1.2μm以下、平均高さRcが0.7μm以下、算術平均高さRaが0.2μm以下、二乗平均平方根長さRqが0.3μm以下、或いはクルトシスRkuが6.0以下のうちの少なくとも一つの条件を満たす表面に基づいて、部材の当該表面の抗菌効果の有無を評価することを特徴とする。

Claims (9)

  1. 微小凹凸が無数にランダムに形成された表面であって、二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、かつ、平均長さRSmが20μm以下である表面を有することを特徴とする抗菌部材。
  2. 微小凹凸が無数にランダムに形成された表面であって、二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、
    かつ、
    最大山高さRpが0.6μm以下、最大谷深さRvが0.6μm以下、十点平均粗さRzが1.2μm以下、平均高さRcが0.7μm以下、算術平均高さRaが0.2μm以下である、二乗平均平方根長さRqが0.3μm以下、或いはクルトシスRkuが6.0以下のうちの少なくとも一つの条件を満たす表面を有することを特徴とする抗菌部材。
  3. 微小凹凸が無数にランダムに形成された表面であって、二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、かつ、平均長さRSmが20μm以下であると共に、
    最大山高さRpが0.6μm以下、最大谷深さRvが0.6μm以下、十点平均粗さRzが1.2μm以下、平均高さRcが0.7μm以下、算術平均高さRaが0.2μm以下である、二乗平均平方根長さRqが0.3μm以下、或いはクルトシスRkuが6.0以下のうちの少なくとも一つの条件を満たす表面を有することを特徴とする抗菌部材。
  4. 前記微小凹凸を、ショット材投射処理、化学エッチング、プラズマ処理の何れか一つ或いはこれらの少なくとも2つ以上の組み合わせに基づいて形成することを特徴とする請求項1~3の何れか一つに記載の抗菌部材。
  5. 前記微小凹凸は、ショット材投射処理、化学エッチング、プラズマ処理の何れか一つ或いはこれらの少なくとも2つ以上の組み合わせに基づいて形成された微小凹凸を有する型を用いて転写により形成されることを特徴とする請求項1~請求項3の何れか1つに記載の抗菌部材。
  6. 微小凹凸が無数にランダムに形成された表面であって、二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、かつ、平均長さRSmが20μm以下である表面を形成することで、部材の当該表面に抗菌効果を持たせることを特徴とする抗菌部材の生産方法。
  7. 微小凹凸が無数にランダムに形成された表面であって、二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、
    かつ、
    最大山高さRpが0.6μm以下、最大谷深さRvが0.6μm以下、十点平均粗さRzが1.2μm以下、平均高さRcが0.7μm以下、算術平均高さRaが0.2μm以下である、二乗平均平方根長さRqが0.3μm以下、或いはクルトシスRkuが6.0以下のうちの少なくとも一つの条件を満たす表面を形成することで、部材の当該表面に抗菌効果を持たせることを特徴とする抗菌部材の生産方法。
  8. 微小凹凸が無数にランダムに形成された表面であって、二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、かつ、平均長さRSmが20μm以下である表面に基づいて、部材の当該表面の抗菌効果の有無を評価することを特徴とする抗菌部材の評価方法。
  9. 微小凹凸が無数にランダムに形成された表面であって、二乗平均平方根傾斜Rdqが6°以上であり、
    かつ、
    最大山高さRpが0.6μm以下、最大谷深さRvが0.6μm以下、十点平均粗さRzが1.2μm以下、平均高さRcが0.7μm以下、算術平均高さRaが0.2μm以下である、二乗平均平方根長さRqが0.3μm以下、或いはクルトシスRkuが6.0以下のうちの少なくとも一つの条件を満たす表面に基づいて、部材の当該表面の抗菌効果の有無を評価することを特徴とする抗菌部材の評価方法。

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