JP6784379B1 - 粉体接触部材の表面形状の評価方法 - Google Patents

粉体接触部材の表面形状の評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 粉体と接触する粉体接触部材の表面形状(表面テクスチャ)を、粉体接触部材の表面自由エネルギの成分に関して粉体付着抑制効果を有するように定量的に特定して形成することで、効率良く所望の粉体付着抑制効果がある粉体接触部材を提供する。【解決手段】 本発明は、有機系材料の粉体と接触される粉体接触部材であって、粉体と接触する粉体接触表面の表面形状が、粉体の付着を抑制するために、下記2つの条件、(1)粉体接触表面の表面自由エネルギの成分の一つである水素結合成分が、水素結合成分に係る所定値以下であること、(2)粉体接触表面の表面自由エネルギの成分の一つである極性成分が、極性成分に係る所定値以下であること、のうちの少なくとも一方を満たすように形成されたことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、食用粉体や医薬品粉体などの有機系材料からなる各種粉体が接触する粉体接触部材への粉体の付着を抑制する技術に関する。
小麦粉、コーンスターチ、片栗粉、抹茶パウダー、ココアパウダー、粉糖、カレー粉などの食用粉体や医薬品粉体(粉末薬)などの有機系材料の粉体は、フルイによる分別(或いは分級)の対象とされたり、ホッパーなどの収容容器やシューターやコンベアーなどの搬送部品を用いて取り扱われる。
これら粉体はふるいや収容容器や搬送部品へ付着して成長し、ブリッジとなって排出不良(ホッパー)を招いたり、目詰り(フルイ)を招くといったトラブルが発生し、生産効率の低下や不良品増加の一因となっている。
このようなことから、従来は、粉体を撹拌する撹拌手段(機械装置など)や、付着して堆積した粉体を掻き落とすための掻き落とし手段(機械装置など)を設ける必要があったり、例えば、特許文献1等では、粉体が付着してブリッジ状に成長してしまわないように、粉体との接触壁面にテフロン(登録商標)コーティング等を施して粉体が付着し難くするようなことなどが行われてきた。
特開平06−273318号公報 特許第6416151号明細書
協和界面科学株式会社 界面科学理論 <URL:https://www.face-kyowa.co.jp/science/theory.html>
しかし、撹拌手段や掻き落とし手段を設ける場合には設備が高度化・複雑化してコストが増大すると共に振動騒音等の問題があると共に、部品要素が増えることから部品等の異物が被加工物(被処理物)に混入するおそれが高まるといった実情がある。
また、粉体との接触壁面にテフロンコーティングを施す場合には、ホッパーの母材(基材)である金属材料の表面に、母材とは異なる物質を成膜することになるため、なんらかの衝撃や劣化等によって、コーティング層が母材から剥離してしまって被加工物に混入してしまうことが懸念され、このような剥離等の心配のない技術が求められているといった実情がある。
このようなことから、本願出願人は、特許文献2などにおいて、微粒子ピーニング処理(WPC処理)を施すことにより、粉体と接触する基材の表面に微小凹部(微小ディンプル)を複数形成することで、粉体の付着を抑制する技術を提案した。
しかしながら、微小凹部(微小ディンプル)を複数形成するなどして粉体との接触面に表面形状(表面テクスチャ)を形成することで粉体付着を抑制できることは解ったが、その凹部形状や溝の形や大きさなどは多種多様であり、現状は粉体の付着度合いをその都度確認しながら最適なものを求めているというのが実情であり、どのような凹部形状(凹部入口径や深さ)や溝形状(幅や深さや長さ)とすれば付着抑制効果が高いのかを定量的に知ることはできていないといった実情がある。
このため、付着抑制効果が高い表面形状(表面テクスチャ)を定量的に知ることができれば、粉体の付着抑制のための表面形状(表面テクスチャ)を選定(決定)するうえで極めて有益である。
また、これまでは、例えば触針式表面粗さ計の測定結果に基づいて、粉体付着抑制効果のある接触面の微小凹凸を特定することが行われているが、触針の選定などを含めて測定方法やデータ整理の仕方が難しく時間を要するなど、より簡単な方法で粉体付着抑制効果のある接触面の微小凹凸(表面テクスチャ)を定量的に正確に特定できることが望まれているといった実情もある。
一方で、確立した理論はないものの、たとえば、非特許文献1に示されているように、粉体が接触する基材の表面自由エネルギが粉体付着に影響することは知られている。
しかしながら、粉体付着抑制効果のある表面改質(表面テクスチャリング)と、基材の表面自由エネルギと、の関係を定量的に解明した例はない。
本発明者等は、これまでに行ってきた種々の実験・研究結果に基づいて、表面自由エネルギを構成する3つの成分と、基材の撥水性や滑水性や粉体付着性と、の間の関係について調査し、その結果、これらの間には密接な関係があることを見い出した。
本発明は、上述したような実情に鑑みなされたもので、所定の表面自由エネルギの成分値に基づくことで、簡単かつ迅速でありながら精度良く、粉体付着抑制効果の高い粉体接触部材の表面形状であるか否かを評価することができる粉体接触部材の表面形状の評価方法を提供することを目的とする。
このため、本発明に係る粉体接触部材の表面形状の評価方法は、
食用粉体或いは医薬粉体と接触されるステンレス製の粉体接触部材の粉体と接触する粉体接触表面の表面形状の粉体付着抑制効果を、
粉体接触表面の表面自由エネルギを水素結合成分を含んで表現する場合において、
当該水素結合成分の値が、
北崎−畑理論における水素結合成分である場合には、2mJ/m 以下であり、
Owens−Wendt理論における水素結合成分である場合には、4mJ/m 以下であること
に基づいて評価することを特徴とする。
本発明によれば、粉体と接触する粉体接触部材の表面形状(表面テクスチャ)を、粉体接触部材の表面自由エネルギの成分に関して粉体付着抑制効果を有するように定量的に特定して形成することで、効率良く所望の粉体付着抑制効果がある表面形状(表面テクスチャ)を備えた粉体接触部材を提供することができる。
また、本発明によれば、所定の表面自由エネルギの成分値となるように粉体接触部材の表面形状(表面テクスチャ)を形成することで、簡単かつ迅速でありながら精度良く、粉体付着抑制効果の高い粉体接触部材の表面形状を得ることを可能にした粉体接触部材の表面形状の形成方法を提供することができる。
また、本発明によれば、所定の表面自由エネルギの成分値に基づくことで、簡単かつ迅速でありながら精度良く、粉体付着抑制効果の高い粉体接触部材の表面形状であるか否かを評価することができる粉体接触部材の表面形状の評価方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る粉体接触部材の粉体接触面の表面自由エネルギの各成分分けと粉体付着抑制効果を一覧で示す図である。 同上実施の形態に係る粉体接触部材に対する粉体(小麦粉)の付着試験結果(粉体の付着具合画像)を示す図である。 接触角、表面自由エネルギの各成分の求め方を説明する図である。 表面自由エネルギの5つの理論式を説明する図である。 微粒子ピーニング処理により粉体接触部材(金属製品)に形成される複数の微小ディンプル(微小凹部)の一例を概略的に示す斜視図である。
以下、本発明に係る一実施の形態を、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
上述したように、本発明者等は、表面自由エネルギを構成する3つの成分と、基材の撥水性や滑水性や粉体付着性と、の間の関係について調査し、その結果、これらの間には密接な関係があることを見い出した。
これまで、確立した理論はないものの、粉体が接触する基材(粉体接触部材)の表面形状(表面テクスチャ)が、粉体の付着特性に影響を与えることは知られているが、この表面改質(表面テクスチャリング)と、基材の表面自由エネルギと、の関係を定量的に解明した例はない。
すなわち、表面形状(表面テクスチャ)の仕様を変更することで表面自由エネルギの3成分がどのように変化して、どのような値に設定(制御)すれば付着抑制効果が高いのかを定量的に知ることができれば、粉体の付着抑制のための表面形状(表面テクスチャ)を選定(決定)するうえで極めて有益である。
本発明者等は、このようなことから、種々の検討・実験を行ったところ、北崎−畑理論、Owens−Wendt理論、Kaelbe−Uy理論、Wu理論に従うことで、粉体付着抑制効果のある表面を、表面自由エネルギの各成分により定量的に明確に区別(特定)できることを見い出した。
以下に、詳細に説明する。
粉体の付着要因としては、粉体と基材(母材、粉体が接触する相手部材)との相互作用が寄与している。
食用粉体や医薬品などの有機物の付着性に関しては、基材の撥水性や滑水性との間に密接な関係があるとされている。
そして、基材の撥水性や滑水性などは、基材の表面自由エネルギにより説明できるとされている。
しかし、表面自由エネルギに関しては、確立した理論はなく、さまざまな理論があるなかで、Acid−Base理論(酸−塩基理論)、北崎−畑理論、Owens−Wendt理論、Kaelbe−Uy理論、Wu理論が比較的良く用いられている。
Acid−Base理論(酸−塩基理論)は「Lifshitz−van der Waals成分」と「酸塩基成分」の2成分で、Owens−Wendt理論は「分散成分」と「水素結合成分」の2成分で、Kaelbe−Uy理論ならびにWu理論は「分散成分」と「極性成分」の2成分で、表面自由エネルギを表現する。
また、北崎−畑理論は、「分散成分」、「極性成分」、「水素結合成分」の3成分で表面自由エネルギを表現している。
ここで、表面エネルギの成分分けについて説明する。
<表面自由エネルギの成分分け>
分子間力は、その働き方のメカニズムによって分散力、配向力、誘起力、水素結合力に分類され、このうち水素結合力以外の3つの力はファンデルワールス力と呼ばれている。
表面自由エネルギは分子間力の働きに起因することから、ここでもそのメカニズムに基づいた分類が考えられる。これが表面自由エネルギの成分分け(γ=γ+γ+γ )の概念につながっている。
以下に、分子間力と表面自由エネルギの成分分けの関係を示す。
(A)分子間力における「分散力」は、「全ての分子において、常に振動することで瞬間的に電荷の偏りが生じて双極子が発生し、分子同士が引っ張り合う力」(ファンデルワールス力の一つ)であり、これが、表面自由エネルギにおける「分散成分γ」に関係する。
(B)分子間力における「配向力」は、「極性分子が永久双極子によって正負の電荷の偏りが生じ、分子同士が正負で向き合って引っ張りあう力」(ファンデルワールス力の一つ)であり、これが、表面自由エネルギにおける「双極子成分(極性成分)γ」に関係する。
(C)分子間力における「誘起力」は、「極性分子が無極性分子に接近すると、無極性分子が双極子を誘起することで電荷の偏りが生じて発生する力」(ファンデルワールス力の一つ)であり、これは非常に小さいため、無視できる。
(D)分子間力における「水素結合力」は、「F−H、O−H、N−H分子など、電気陰性度が大きな原子と水素原子間の強い極性により、水素原子が他の分子の電子供与性の高い原子と結びつく力」であり、ファンデルワールス力よりも強い力を持ち、表面自由エネルギにおける「水素結合成分γ」に関係する。
従って、基材について、表面自由エネルギの3成分(「分散成分γ」、「双極子成分(極性成分)γ」、「水素結合成分γ」)と、粉体の付着性と、の関連性を知ることができれば、基材の表面エネルギをコントロールすることで、粉体の付着性をコントロールできることになるものと考えられる。
なお、図3、図 4に示すように、表面自由エネルギの3成分は、既知の液体試料3種(2成分の場合は2種)について接触角を測定し、連立3元1次方程式(2成分の場合は連立2元1次方程式)によって、固体の表面自由エネルギ各成分のγs、γs、γsと固体と液体の付着仕事WSL、固体と液体の界面自由エネルギγSLが求めることができる。
ここでは、協和界面科学株式会社のポータブル接触角計PCA−11を用いて、基材の表面自由エネルギの各成分を各理論毎に求めると共に、粉体(小麦粉)の付着具合を観察した。なお、小麦粉は、粒子のサイズが1〜100μm程度の一般的なもの(市販品)を用いた。
そして、これまで過去に行ってきた膨大な実験データを整理してみると、理解し易いようにそれらから抽出したものであるが、図1に示すように、ある傾向が存在することが確認できた。
なお、図1において、試験に供した基材(粉体接触部材)の材質はすべてSUS304♯700(SUS304を♯700で仕上げたもの)である。
No.1とNo.2は、基材のロット違いによるテスト結果を示しており、共に粉体の付着抑制効果はなかった。
No.3は、粉体接触面にWPC処理(微粒子ピーニング処理)を施すことで、粉体接触面に入口径φ50μm程度、深さ10μm程度の凹部をランダムに複数(多数)形成したテストピースであり、粉体の付着抑制効果はなかった。WPC処理(微粒子ピーニング処理)については、後述する。
No.4〜No.7は、粉体接触面にWPC処理を施すことで、粉体接触面に入口径φ10〜20μm程度、深さ3μm程度の凹部をランダムに複数(多数)形成したテストピース(ロット違い)であり、これらには粉体の付着抑制効果があった。
No.8は、粉体接触面に化学研磨(化学エッチング)を施すことで、粉体接触面に入口径φ10〜20μm程度、深さ3μm程度の凹部をランダムに複数(多数)形成したテストピースであり、粉体の付着抑制効果があった。なお、化学研磨(化学エッチング)としては、例えば、塩酸・硝酸・硫酸・リン酸などの酸性薬剤や塩化鉄(III)などを任意の割合で水溶液に調製し使用することが想定される。
No.9は、粉体接触面にアルゴンボンバード処理を施すことで、粉体接触面にサブミクロン以下の凹凸をランダムに複数(多数)形成したテストピース(ロット違い)であり、粉体の付着抑制効果があった。
なお、アルゴンボンバード処理とは、プラズマあるいはイオン源(銃)により生成したアルゴンイオンを、加速電圧0.1〜5keVの範囲で被処理面に照射し表面改質する処理である。
そして、膨大なデータについて、表面粗さ(Ra)や表面自由エネルギ(各成分のトータル(合計)T)で整理しようとしても、粉体付着抑制効果があるものと、粉体付着抑制効果がないものと、の間に有意な傾向(或いは違い)を見い出すことができなかったが、表面自由エネルギの成分ごとに整理して観察してみると、図1に示したように、粉体付着抑制効果があるものと、粉体付着抑制効果がないものと、では所定の傾向(或いは違い)があることが解った。
すなわち、No.4〜No.9の粉体付着抑制効果のある表面処理(表面テクスチャ)は、
(1)北崎−畑理論における水素結合成分が、北崎−畑理論における水素結合成分に係る第1の所定値(水素結合成分に係る第1の所定値)である2mJ/m以下であること
(2)Owens−Wendt理論における水素結合成分が、Owens−Wendt理論における水素結合成分に係る第1の所定値(水素結合成分に係る第2の所定値)である4mJ/m以下であること
(3)Kaelble−Uy理論における極性成分が、Kaelble−Uy理論における極性成分に係る第1の所定値(極性成分に係る第1の所定値)である4mJ/m以下であること
(4)Wu理論における極性成分が、Wu理論における極性成分に係る第1の所定値(極性成分に係る第2の所定値)である10mJ/m以下であること
という傾向があることが解った。
これに対して、No.1及びNo.2(鏡面化処理)のような粉体付着抑制効果の小さい(粉体付着性を有する)表面は、
(5)北崎−畑理論における水素結合成分が、北崎−畑理論における水素結合成分に係る第2の所定値(水素結合成分に係る第3の所定値)である4mJ/m以上であること
(6)Owens−Wendt理論における水素結合成分が、Owens−Wendt理論における水素結合成分に係る第2の所定値(水素結合成分に係る第4の所定値)である7mJ/m以上であること
(7)Kaelble−Uy理論における極性成分が、Kaelble−Uy理論における極性成分に係る第2の所定値(極性成分に係る第3の所定値)である7mJ/m以上であること
(8)Wu理論における極性成分が、Wu理論における極性成分に係る第2の所定値(極性成分に係る第4の所定値)である13mJ/m以上であること
という傾向があることが解った。
なお、図2に、No1(SUS304鏡面−1)、No.3(WPC処理−A)、No.4(WPC処理−B)、No.8(化学研磨)の4種類の粉体接触面の粉体の付着試験の結果を示す。
試験は、各表面処理を施した試験片(試験片サイズ50mm×100mm)に上から小麦粉を振り撒いた後、自然落下させた。これを3回繰り返した後の試験片表面の画像を示している。
図2から、No1(SUS304鏡面−1)及びNo.3(WPC処理−A)の試験片は、振り撒いた小麦粉が試験片上に残っていることが確認された。
一方で、No.4(WPC処理−B)、No.8(化学研磨)の試験片については、振り撒いた小麦粉の試験片上への付着が大幅に抑制された。
このように、本発明者等は、粉体付着抑制効果のある表面形状(表面テクスチャ)と、粉体付着性のある表面形状と、では、表面自由エネルギの成分の値(大きさ)に明確な差があるという知見を得ることができた。
従って、本願発明によれば、小麦粉、コーンスターチ、片栗粉、抹茶パウダー、ココアパウダー、粉糖、カレー粉などの食用粉体や医薬品粉体(粉末薬)などの有機系材料の粉体の基材(粉体接触部材)への付着特性に関し、
下記2つの条件、
(1)表面自由エネルギの成分の一つである水素結合成分が所定値(水素結合成分に係る第1或いは第2の所定値)以下であること、
(2)表面自由エネルギの成分の一つである極性成分が所定値(極性成分に係る第1或いは第2の所定値)以下であること、
のうちの少なくとも一方を満たす場合には、粉体付着抑制効果のある表面形状(表面テクスチャ)が得られる一方で、
別の下記2つの条件、
(3)表面自由エネルギの成分の一つである水素結合成分が別の所定値(理論式に応じた水素結合成分に係る第3或いは第4の所定値)以上であること、
(4)表面自由エネルギの成分の一つである極性成分が別の所定値(理論式に応じた極性成分に係る第3或いは第4の所定値)以上であること、
のうちの少なくとも一つを満たす場合には、粉体付着性を有する表面形状(表面テクスチャ)が得られることが解った。
更に、図1に示したように、粉体付着抑制効果の高い表面は、水の接触角(接触角については図3参照)が大きく(80度以上)、表面によっては100度近くの高撥水性表面であるが、粉体付着性を有する表面は水の接触角が75度以下であった。
すなわち、本実施の形態によれば、液体とその液体が接する表面の濡れ性を評価する指標の一つである接触角を用いても、粉体の付着特性をある程度評価できることが解った。
また、図1に示したように、表面粗さ(Ra)では、粉体付着抑制効果のある表面と、粉体付着性を有する表面と、の間で、これらを区別可能な大きな差を確認することができなかった。
なお、本実施の形態において示したように、粉体接触部材の粉体接触面に、例えば、微粒子ピーニング処理(WPC処理、微細ショットブラスト処理)を施すと表面形状(表面テクスチャ)が変更され(表面が改質され)、北崎−畑理論やOwens−Wendt理論における水素結合成分を下げることが可能となり、また、Kaelble−Uy理論やWu理論における極性成分を下げることが可能となり、その結果、粉体の滑落性(粉体の付着抑制効果)を向上させることができると解った。
すなわち、表面自由エネルギの成分は、物質固有の値であるが、見かけの表面自由エネルギ成分は表面形状(表面テクスチャ)を変更することにより制御可能であることが解った。
なお、表面形状(表面テクスチャ)の変更(表面の改質)の手法は、既述したように、微粒子ピーニング処理(WPC処理、微細ショットブラスト処理)に限らず、化学エッチング、アルゴンボンバード処理などによっても可能である。
特に、例えば、チューブ状の部材の内筒部内に粉体を通過させる場合などにおいて内周壁に粉体が付着することを抑制する場合は、チューブ状の部材の内筒部の内周壁に微小凹凸を形成する必要があるが、この場合には、WPC処理やアルゴンボンバード処理では内周壁に微小凹凸を形成することはできないので、化学エッチングなどで微小凹凸を形成することが好ましい。
ここで、微粒子ピーニング処理(WPC処理)について説明する。
WPC(Wide Peening and Cleaning)処理とは、「微粒子ピーニング」、「精密ショットピーニング」、「FPB(Fine Particle Bombarding)」などと称される表面処理で、被処理製品の表面に、目的に応じた材質の微粒子を圧縮性の気体に混合して高速衝突させる表面改質処理である。
なお、WPC処理としては、例えば、特許第5341971号に記載されている金属製品の熱処理方法(WPC処理)を適用することができる。
具体的には、下記のような噴射装置からショット(投射材)を噴射してWPC処理対象に衝突させることにより行う。
〔噴射装置〕
本発明に係るWPC処理は、既知のブラスト装置によりショットを噴射して金属製品等の表面に衝突させる。
例えば、空気式のブラスト装置としては各種の型式のものを使用することができるが,例えばショットの投入されたタンク内に圧縮空気を供給し,該圧縮空気により搬送されたショットを別途与えられた圧縮空気の空気流に乗せてブラストガンより噴射する直圧式のブラスト装置,タンクから落下したショットを圧縮空気に乗せて噴射する重力式のブラスト装置,圧縮空気の噴射により生じた負圧によりショットを吸引して圧縮空気と共に噴射するサクション式のブラスト装置等の各種のブラスト装置を使用することができる。また、水などの液体と共にショットを高圧で噴射するウォータージェットも使用することができる。
〔ショット〕
本発明において使用されるショットは、WPC処理対象の金属製品に対し同等以上の硬度を有し、JIS R 6001電気抵抗試験法において最大粒子径が45μm以下の範囲で目的に応じ1種または近似粒度2種以上を混合したビーズ(アルミナシリカビーズ、ハイスビーズなど)を使用する。近似粒度とは,上記範囲内の粒度を言う。
上記のような噴射装置により、ショットまたはショット群を圧縮空気と混合し、噴射圧力0.1〜0.8MPa、噴射速度100〜200m/秒、噴射距離100mm〜250mmで噴射して、WPC処理対象(粉体接触部材)の表面に、無数の微小ディンプル(球面状に陥没した無数の微小凹部)を形成する。
なお、粉体付着抑制効果のある微小ディンプル(図5参照)の径としては、5〜100μm程度(好ましくは、10〜30μm程度)、深さとしては1μm未満〜10μm(好ましくは0.5〜3μm程度)とすることができる。図5において、符号1は粉体接触部材であり、符号100は微小ディンプル(微小凹部、微小窪み)を示している。
以上で説明したように、本実施の形態によれば、粉体と接触する粉体接触部材の表面形状(表面テクスチャ)を、粉体接触部材の表面自由エネルギの成分に関して粉体付着抑制効果を有するように定量的に特定して形成することで、効率良く所望の粉体付着抑制効果がある表面形状(表面テクスチャ)を備えた粉体接触部材を提供することができる。
また、本実施の形態によれば、所定の表面自由エネルギの成分値となるように粉体接触部材の表面形状(表面テクスチャ)を形成することで、簡単かつ迅速でありながら精度良く、粉体付着抑制効果の高い粉体接触部材の表面形状を得ることを可能にした粉体接触部材の表面形状の形成方法を提供することができる。
また、本実施の形態によれば、所定の表面自由エネルギの成分値に基づくことで、簡単かつ迅速でありながら精度良く、粉体付着抑制効果の高い粉体接触部材の表面形状であるか否かを評価することができる粉体接触部材の表面形状の評価方法を提供することができる。
なお、本発明において、粉体接触部材は粉体が接触する部材であれば特に限定されるものではないが、例えば、ホッパーなどの収容容器、シューターやコンベアーなどの粉体搬送部品の他、計量カップ、シャッター、運搬用コンテナ、運搬用バケット等の他、加工、搬送、滑落、調理、計量等の各種の処理を行う際に、粉体が接触する板材などの各種部材に適用できるものである。
なお、粉体接触部材は、樹脂製部材とすることも可能であり、その材料は特に限定されるものではない。金属製部材の場合は、鉄、アルミ、チタン等の金属製(合金製)とすることができ、鉄の場合には、スチール(SS400など)のほか、ステンレス製とすることができ、特に非磁性のオーステナイト系のステンレス(SUS303、304、316など)とすることができる。
本発明は、上述した発明の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは可能である。
本発明は、食用粉体や医薬品粉体などの有機系材料からなる各種粉体が接触する粉体接触部材への粉体の付着を抑制することができ、粉体を取り扱う産業界において有益である。
1 粉体接触部材
100 微小ディンプル(球面状に陥没した凹部)

Claims (1)

  1. 食用粉体或いは医薬粉体と接触されるステンレス製の粉体接触部材の粉体と接触する粉体接触表面の表面形状の粉体付着抑制効果を、
    粉体接触表面の表面自由エネルギを水素結合成分を含んで表現する場合において、
    当該水素結合成分の値が
    北崎−畑理論における水素結合成分である場合には、2mJ/m 以下であり、
    Owens−Wendt理論における水素結合成分である場合には、4mJ/m 以下であること
    に基づいて評価することを特徴とする粉体接触部材の表面形状の評価方法。
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