JP6460490B2 - 金属製メッシュ要素及び金属製ふるい - Google Patents

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Description

本発明は、粒状物質或いは粉状物質に対してふるい(篩)をかける(分級等する)ための金属製ふるい及びメッシュ要素(ふるい分け要素)に関する。
従来より、例えば、小麦粉、片栗粉、コンスターチ、抹茶パウダー、ココアパウダー、粉糖、粉末薬などのパウダー(粉状物質:粉体)或いは粒状物質に対して金属製ふるい(金属製の線材を編むことで構成されるメッシュ要素)を用いてふるいをかけることが、分級、デコレーション、計量器への投入等のためなど、様々な場面において行なわれている。
金属製ふるいとしては、例えば、図8に示すような、金属製の線材を相互に所定隙間(目開き)を持たせて編んだメッシュ状の要素(メッシュ要素)を円筒状要素の底面に張り渡したふるいや、図1に示すような、取っ手を有するハンディタイプのふるいなど、種々のものが存在している。
実開平5―18680号公報
ここで、上述したような粒状物質或いは粉状物質(以下、単に粉状物質とも称する)に対してふるいをかける場合、粉状物質がメッシュ要素(ふるい用金網)に付着して線材間の隙間(網目、ふるい目)を塞いでしまうといった現象(目詰まり)が、作業開始から短時間のうちに頻繁に生じてしまうといった実情がある。
なお、特許文献1に記載の篩用金網のように、摩耗を抑制するために、網の上面(原料接触部)にセラミック等の耐摩耗性材を固着させたものが提案されている。
しかし、発明者等の実験によれば、粉状物質をふるいにかける場合、セラミックス等で線材を覆っても粉状物質の付着による目詰まり防止には効果がないことが確認された。
本発明は、かかる実情に鑑みなされたもので、比較的簡単かつ低コストな構成でありながら、粒状物質或いは粉状物質に対してふるいをかける際に、粒状物質或いは粉状物質がふるい用金属メッシュ要素(ふるい用金網)へ付着する現象を抑制して、ふるい目(スクリーン、網目、フィルタ)の目詰まりを抑制することができる金属製メッシュ要素(ふるい分け要素)及び金属製ふるいを提供することを目的とする。
このため、本発明に係る金属製メッシュ要素は、
小麦粉、片栗粉、コンスターチ、抹茶パウダー、ココアパウダー、粉糖、或いは粉末薬の粉状物質用の金属製ふるいに用いられる金属製メッシュ要素であって、
少なくとも前記粉状物質と接触する接触領域に、縦幅及び横幅、又は入口径が0.1μm〜0.5μm程度、深さ0.01μm〜0.1μm程度の微細凹部を形成することにより形成される微細突起を多数形成したことを特徴とする。
本発明において、前記金属製メッシュ要素は、交差した金属製の線材を含んで構成されることを特徴とすることができる。
本発明において、前記線材は、φ50μm〜φ1000μm程度であることを特徴とすることができる。
また、本発明は、上述した本発明に係る金属製メッシュ要素を含んで構成される金属製ふるいであることを特徴とする。
本発明によれば、比較的簡単かつ低コストな構成でありながら、粒状物質或いは粉状物質に対してふるいをかける際に、粒状物質或いは粉状物質がふるい用金属メッシュ要素(ふるい用金網)へ付着する現象を抑制して、ふるい目(スクリーン、網目、フィルタなど)の目詰まりを抑制することができる金属製メッシュ要素(ふるい分け要素)及び金属製ふるいを提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る金属製ふるいの一例の全体構成を示す斜視図である。 同上実施の形態に係る微細ショットブラスト処理により、表面に微細突起(微細キズ)を形成した金属製ふるいのメッシュ要素の一部を50倍に拡大した図(レーザー顕微鏡写真)である。 同上実施の形態に係る微細ショットブラスト処理により、表面に微細突起(微細キズ)を形成した金属製ふるいのメッシュ要素の一部を200倍に拡大した図(レーザー顕微鏡写真)である。 同上実施の形態に係る微細ショットブラスト処理により、表面に微細突起(微細キズ)を形成した金属製ふるいのメッシュ要素の一部を、更に拡大した図(レーザー顕微鏡写真)である。 同上実施の形態に係る微細ショットブラスト処理により、表面に微細突起(微細キズ)を形成した金属製ふるいのメッシュ要素の一部を、更に大きく拡大した図(レーザー顕微鏡写真)である。 (A)は入手容易な(市販の)シリコンカーバイト系の微粒子(ブラスト用メディア)の外形形状の一例を示す図(顕微鏡拡大写真)であり、(B)は入手容易な(市販の)アルミナ系の微粒子(ブラスト用メディア)の外形形状の一例を示す図(顕微鏡拡大写真)である。 本実施の形態に係る微粒子ピーニング処理を施した場合に形成される微小凹凸の一例を示す斜視図である。 既存の金属製ふるいの一例の全体構成を示す斜視図である。 既存のメッシュ要素の一部を50倍に拡大した図(レーザー顕微鏡写真)である。 既存のメッシュ要素の一部を200倍に拡大した図(レーザー顕微鏡写真)である。
以下、本発明に係る一実施の形態を、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
本実施の形態に係るふるい用金属メッシュ要素(ふるい分け要素)を用いた一例として、例えば、金属製ふるい10について説明する。
なお、金属製ふるい10は、例えば、小麦粉、片栗粉、コンスターチ、抹茶パウダー、ココアパウダー、粉糖、粉末薬などのパウダー(粉状物質:粉体)或いは粒状物質(以下、これらを単に粉状物質とも称する)に対して、分級、デコレーション、計量器等への投入のためなど、様々な場面において、ふるいをかけるため(ふるい分けのために)に利用可能である。
かかる金属製ふるい10は、図1、図2に示すように、金属製の線材1を相互に所定隙間(目開き)2を持たせて編んだ(交差させた)メッシュ状の要素(メッシュ要素)3を円環状要素(枠体)4に張り渡して構成されている。ふるい掛けをする作業者等が把持するための取っ手5を備えることもできる。
なお、図8に示すような底面(メッシュ要素)が平坦な金属製ふるいを、本実施の形態の対象とすることも可能である。
ここで、本発明者等は、種々の検討・実験を繰り返した結果、以下のような知見を得るに到った。
すなわち、ふるい用金属メッシュ要素(ふるい用金網)の線材の材質を変更したり、線材の表面(ふるい対象との接触領域)にセラミックス等のコーティングを施すなどして表面粗さを低減する(言い換えれば、線材の接触面に対して粉状物質を滑り易くする)試みなどを行なったが、何れも効果的でないことが確認された。
このため、更に種々の実験・検討を行なったところ、線材の表面(接触面、ふるい対象との接触領域)に対して粉状物質を滑り易くするといった概念とは方向性を異にする方策、すなわち、線材の接触面に対して粉状物質は滑り難くなると思われるが線材の表面(ふるい対象との接触領域)を微細キズにより荒してみるといった実験を行ってみたところ、線材の接触面に対して粉状物質が付着し難くなり、目詰まりが解消されるといった新たな知見を得るに到った。
かかる新たな知見は、線材の表面(接触面、ふるい対象との接触領域)を微細キズ(微細突起、微細凸)により荒らす(粗らす)と、その微細突起の存在により粉状物質(粒子)と線材との接触面積が減るため、分子間力が低減するためと考えられる。
すなわち、本発明に係る粉体の付着抑制方法は、粉体と相手表面(ここでは、例えばメッシュ要素、線材等)との分子間力(ファンデルワールスりょく)を低減することにより成立させる。
言い換えれば、相手表面に複合的に微細な突起(凸)を形成し、粉体との接触面積を減らすことにより、付着抑制と摺動向上を図るものである。
具体的な方法として、微粒子ブラスト(微細ショットブラスト)処理を使用し微細突起をランダムに成形する。
より具体的には、メッシュ状の要素(メッシュ要素)3を構成する金属製の線材1の表面(少なくともふるい対象との接触領域)に、微細ショットブラスト処理を施して、線材1の表面(少なくともふるい対象との接触領域)を微細突起をランダムに多数形成することで、線材1の接触面に対して粉状物質が付着し難くなり、比較的長時間のふるい掛け作業を行なっても、メッシュ状の要素(メッシュ要素)3に目詰まりが発生し難くなるという知見を得た。
このため、本実施の形態では、金属製ふるい10のメッシュ状の要素(メッシュ要素)3を構成する金属製の線材1の表面(少なくともふるい対象との接触領域)に、微細ショットブラスト処理を施した。
本実施の形態では、線材1として、図2、図3に示すように、線径約φ120μm程度のものを用い、かかる線材1を、メッシュサイズ ♯60(線材1の相互所定隙間2(目開き)が約300μm)で編んだ(交差させた)ものをメッシュ要素3として使用した。
ここで、線材1は、例えば、伸線加工(線引き加工)などにより製造されることができる金属製のワイヤーを用いることができ、線材1の材質としては、例えば、SUS303、304、316等のステンレス鋼とすることができるが、その他の金属製材料(チタン、アルミ、鉄、鋼、銅、或いはこれらの少なくとも一つを主な成分として含む合金など)とすることができる。
また、本実施の形態で行なった微細ショットブラスト処理は、微粒子(微細ブラスト用メディア)を、微細ショットブラスト装置を用いて噴射して、線材1に衝突させることにより行なった。
ここで、本実施の形態に係る微細ショットブラスト処理とは、金属製品の表面に、目的に応じて所定に調整された仕様(材質・形状・サイズなど)の微粒子を圧縮性の気体に混合して高速衝突させて表面に微細なキズを付ける処理である。
具体的には、微細ショットブラスト処理に用いる微粒子(微細ショットブラスト用メディア)は、線材1の表面に傷を付け易くするために、その外形は多角形形状(図6(A)、図6(B)参照)を有し、シリコンカーバイト系、アルミナ系等のセラミック系の微粒子(ブラスト用メディア)を利用することができる。
例えば、微細ショットブラスト(精密ブラスト、マイクロブラストなどとも称される)用メディアの一例としては、入手容易な(市販されている)SiC(シリコンカーバイト)系、アルミナ系の微粒子(φ1μm〜100μm程度、好ましくは平均粒度分布でφ4μm〜φ10μm程度)のものなどを利用することができる。
本実施の形態に係る微細ショットブラスト処理は、下記のような噴射装置から微粒子(微細ブラスト用メディア)を噴射して、金属製ふるい10のメッシュ要素3(線材1)に衝突させることにより行なった。
なお、本実施の形態では、線材1を編むことで構成されるメッシュ要素3(或いは金属製ふるい10)に対して微細ショットブラスト処理を行なったが、先に線材1に微細ショットブラスト処理を施した後、メッシュ状に編むことも可能である。
〔噴射装置〕
例えば、空気式のブラスト装置としては各種の型式のものを使用することができるが、例えばショット(微細ブラスト用メディア)の投入されたタンク内に圧縮空気を供給し,該圧縮空気により搬送されたショットを別途与えられた圧縮空気の空気流に乗せてブラストガンより噴射する直圧式のブラスト装置,タンクから落下したショットを圧縮空気に乗せて噴射する重力式のブラスト装置,圧縮空気の噴射により生じた負圧によりショットを吸引して圧縮空気と共に噴射するサクション式のブラスト装置等の各種のブラスト装置を使用することができる。
〔ショット(微細ショットブラスト用メディア)〕
本発明において使用されるショット(微細ショットブラスト用メディア)は、微細ショットブラスト処理対象の金属製品に対し同等以上の硬度を有し、SiC(シリコンカーバイト)、アルミナ、ハイスのビーズ(外形は多角形形状が好ましい。図6(A)、図6(B)参照)で、好適な一例として、例えば、JIS研磨材粒度 ♯3000、平均粒度分布4μm程度のものなどを利用することができる。また、必要に応じて近似粒度3種以上を混合して用いることができる。
上記のような噴射装置により、ショット(微細ショットブラスト用メディア)(群)を圧縮空気と混合し、例えば、噴射圧力0.3〜0.6MPa、噴射速度100〜200m/秒、噴射距離100mm〜250mmで、0.1〜1秒の間欠噴射をする。すなわち、0、1〜1秒の噴射を、好ましくは、0.5秒〜5秒の間隔をおいて反復噴射して、処理対象(メッシュ要素3或いは線材1)の表面に微細突起をランダムに多数形成する。
図2に、本実施の形態において、微細ショットブラスト処理により、表面に微細突起を形成した金属製ふるい10のメッシュ要素3の一部を50倍に拡大したレーザー顕微鏡写真を示す。
更に、図3に、本実施の形態において、微細ショットブラスト処理により、表面に微細突起を形成した金属製ふるい10のメッシュ要素3の一部を200倍に拡大したレーザー顕微鏡写真を示す。
なお、図9、図10に、本実施の形態に係る微細ショットブラスト処理を施す前の状態におけるメッシュ要素3の一部を、50倍、200倍に拡大したレーザー顕微鏡写真を示しておく。
図4、図5には、本実施の形態において、微細ショットブラスト処理により、表面に微細突起を形成した金属製ふるい10のメッシュ要素3の一部を、更に拡大したレーザー顕微鏡写真を示しておく。
これらから、金属製ふるい10のメッシュ要素3の線材1の表面(粒状物質との接触領域)に、非常に微細な突起或いはキズ(凹部)がランダムに多数形成されていることが確認できる。
本実施の形態に係る微細ショットブラスト処理により線材1の表面に形成された微細突起(凸)は非常に微細(微小)であると共にランダムに存在するため、その微細突起のサイズや形状を特定することは難しいが、横幅及び縦幅、又は入口径が0.1μm〜0.5μm程度、深さ0.01μm〜0.1μm程度と想定される微細キズ(微細凹部)をランダムに多数形成することで微細突起(微細凸部:微細隆起部)が形成されている。
上述したような微細ショットブラスト処理を施して、金属製ふるい10のメッシュ要素3(線材1)の表面に微細突起を形成した場合には、粉状物質に対してふるいを掛ける場合において、従来のように、金属製ふるい10のメッシュ要素3(線材1)に粉状物質が付着して、線材1間の隙間(網目、スクリーン、フィルタ、ふるい目)を塞いでしまうといった現象(目詰まり)の発生を効果的に抑制することができる。
すなわち、本実施の形態によれば、比較的簡単かつ低コストな構成でありながら、粒状物質或いは粉状物質に対してふるいをかける際に、粒状物質或いは粉状物質がふるい用金属メッシュ要素(ふるい用金網)へ付着する現象を抑制して、ふるい目(スクリーン、フィルタ、網目)の目詰まりを抑制することができる金属製メッシュ要素(ふるい分け要素、或いは線材)及び金属製ふるいを提供することができる。
なお、本実施の形態では、線材1の線径を約φ120μm程度としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、約φ50μm〜φ1000μm程度とすることができる。
また、メッシュサイズ ♯60(線材1の相互隙間2(線材間の目開き)を約300μm)を一例として例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、粉状物質の目詰まりが問題となるものであれば、メッシュサイズにかかわらず、本発明は適用可能である。
また、本実施の形態では、粉状物質として、小麦粉、片栗粉、コンスターチ、抹茶パウダー、ココアパウダー、粉糖、粉末薬などのパウダー(粉状物質:粉体)を例示すると共に、粒状物質にも適用できる旨を述べたが、本発明はこれらに限定されるものではなく、ふるいに掛ける粉状物質或いは粒状物質であれば、材質、形状、サイズなどは特に限定されるものではない。
また、線材1の材質として、上記にて例示したものに限定されるものでなく、金属製材料であれば適用可能である。また、線材1の横断面形状(長手方向に直交する断面形状)は、線材として一般的な円形状に限定されるものではなく、楕円形状、三角形以上の多角形形状、花弁形状などとすることができる。
また、本実施の形態では、メッシュ要素3(線材1)の少なくともふるい対象(粒状物質或いは粉状物質)との接触領域(接触面)に微細突起を形成したが、これに限らず、メッシュ要素3(線材1)の表面全体に微細突起を形成することもできる。
また、線材1を編むことで構成されるメッシュ要素(網目、スクリーン、フィルタ)3に限定されるものではなく、“線材1を所定間隔で複数並設した群と、これらと交差する角度をもって所定間隔で複数並設した群と、を重畳してメッシュを形成するようなメッシュ要素”などにも適用可能であると共に、金属製のプレート状の要素に微細な穴を多数開口したメッシュ要素の表面に微細突起を形成する場合も本発明は適用可能であり、本発明の範囲に含まれるものである。
すなわち、本発明に係るメッシュ要素は、網目、格子、グリッド等からなる「ふるい分け要素」と同義である。
また、本実施の形態では、機械加工的な微細ショットブラストにより、メッシュ要素(線材)の表面に微細突起を形成した場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、エッチング処理(化学的、物理的或いは電気的腐食)により、微細突起を形成することも可能である。
エッチング処理の一例としては、例えば、イオンプラズマ処理(大気圧プラズマ処理、真空プラズマ処理など)が想定される。
ところで、本実施の形態では、例えば、メッシュ要素(線材)の少なくともふるい対象(粒状物質或いは粉状物質)との接触領域(接触面)に「微粒子ピーニング処理」を施した後に、微細ショットブラスト処理を施して微細突起を形成するようにすることができる。
なお、「微粒子ピーニング処理」は、「精密ショットピーニング処理」、「FPB(Fine Particle Bombarding)処理」、「WPC処理」などと称される表面処理で、金属製品の表面に、目的に応じた材質の微粒子を圧縮性の気体に混合して高速衝突させる表面改質処理である。
すなわち、先に微粒子ピーニング処理を施すことで、微小ディンプル(微小凹部)(微細ショットブラスト処理によるキズよりサイズ的に大きな凹凸)を多数形成することで、ふるい対象との接触面積を低減しつつ、この比較的大きな凹凸(うねり)の中に、微細ショットブラスト処理により、より小さな微細突起を形成することで、一層効果的に、ふるい対象(粉状物質)に対してふるいを掛ける場合において、メッシュ要素(線材)にふるい対象が付着して、線材間の隙間(網目、スクリーン、フィルタ、ふるい目)を塞いでしまうといった現象(目詰まり)の発生を抑制することができる。
なお、微粒子ピーニング処理により形成される微小ディンプル(微小凹凸)の一例を、図7に示すが、かかる微小ディンプル(微小凹部)100のサイズとしては、入口径φ5〜φ100μm程度(好ましくは、φ10〜30μm程度)、深さで0.5〜3μm(好ましくは、1〜2μm程度)とすることができる。
なお、微粒子ピーニング処理としては、例えば、特許第5341971号に記載されている金属製品の熱処理方法(微粒子ピーニング処理)を適用することができる。
具体的には、微細ショットブラスト処理に用いた上述の噴射装置から、微粒子ピーニング用のショット(微小粒径サイズの小さい玉)を噴射して処理対象に衝突させることにより行なうことができる。
微粒子ピーニング処理において使用されるショットは、処理対象の金属製品(線材)に対し同等以上の硬度を有し、JIS研磨材粒度が♯100〜♯800(平均粒径:149μm〜200μm)の範囲で目的に応じて近似粒度3種以上を混合したビーズ(アルミナビーズ、シリカビーズ、ハイスビーズなど)を使用することができる。近似粒度とは,上記範囲内の粒度を言う。
そして、上述したような噴射装置により、ショット(群)を圧縮空気と混合し、噴射圧力0.3〜0.6MPa、噴射速度100〜200m/秒、噴射距離100mm〜250mmで、0.1〜1秒の間欠噴射をする。すなわち、0、1〜1秒の噴射を、好ましくは、0.5秒〜5秒の間隔をおいて反復噴射して、処理対象(線材)の表面に、直径φ5〜φ100μm程度(好ましくは、φ10〜30μm程度)、深さで0.5〜3μm(好ましくは、1〜2μm程度)の無数の微小ディンプル(球面状に陥没した無数の微小凹部)を形成する。
また、上述したように、本発明においては、メッシュ要素(線材)の表面に微細突起を形成する処理の一例として、エッチング処理(例えば、イオンプラズマ処理)を挙げたが、例えば、メッシュ要素(線材)の少なくともふるい対象(粒状物質或いは粉状物質)との接触領域(接触面)に微粒子ピーニング処理を施した後に、エッチング処理(例えば、イオンプラズマ処理)により前記接触領域に微細突起を形成するようにすることができる。
なお、先に微粒子ピーニング処理を施すことで、微粒子が衝突する際のエネルギーにより、メッシュ要素(線材)の表面付近における組織が微細化されて均質化されるので、エッチング処理(例えば、イオンプラズマ処理)により前記接触領域に微細なキズを形成する処理が均質化されるため、メッシュ要素(線材)の表面に形成される微細突起が一層均質化されることになる。
すなわち、エッチング処理より先に微粒子ピーニング処理を施すことで、微小ディンプル(微小凹部)(微細ショットブラスト処理によるキズよりサイズ的に大きな凹凸)を多数形成することで、ふるい対象との接触面積を低減することができると共に、この比較的大きな凹凸(うねり)の中に、エッチング処理により、より小さな微細突起を形成することで、一層効果的に、ふるい対象(粉状物質)に対してふるいを掛ける場合において、メッシュ要素(線材)にふるい対象が付着して、線材間の隙間(網目、スクリーン、フィルタ、ふるい目)を塞いでしまうといった現象(目詰まり)の発生を抑制することができる。
更に、エッチング処理より先に微粒子ピーニング処理を施すことで、メッシュ要素(線材)の表面付近における組織が微細化されて均質化されるので、エッチング処理(例えば、イオンプラズマ処理)により前記接触領域に微細突起を形成する処理が均質化されるため、メッシュ要素(線材)の表面に形成される微細突起を一層均質化させることができ、以ってバラツキが少なく安定して、メッシュ要素(線材)へのふるい対象の付着を低減でき、延いては線材間の隙間(網目、スクリーン、フィルタ、ふるい目)を塞いでしまうといった現象(目詰まり)の発生をより安定して信頼性高く(より確実に)抑制することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、比較的簡単かつ低コストな構成でありながら、粒状物質或いは粉状物質に対してふるいをかける際に、粒状物質或いは粉状物質がふるい用金属メッシュ要素(ふるい用金網)へ付着する現象を抑制して、ふるい目(スクリーン、網目、フィルタなど)の目詰まりを抑制することができる金属製メッシュ要素及び金属製ふるいを提供することができる。
なお、上述した実施の形態では、ハンディタイプの金属製ふるいなどを例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、食品製造ライン等において利用されるサイズの大きな金属製ふるいにも適用可能である。
本発明は、上述した発明の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは可能である。
1 金属製の線材
2 所定隙間(目開き)
3 メッシュ要素(ふるい分け要素)
4 枠体
10 金属製ふるい(篩)

Claims (4)

  1. 小麦粉、片栗粉、コンスターチ、抹茶パウダー、ココアパウダー、粉糖、或いは粉末薬の粉状物質用の金属製ふるいに用いられる金属製メッシュ要素であって、
    少なくとも前記粉状物質と接触する接触領域に、縦幅及び横幅、又は入口径が0.1μm〜0.5μm程度、深さ0.01μm〜0.1μm程度の微細凹部を形成することにより形成される微細突起を多数形成したことを特徴とする金属製メッシュ要素。
  2. 前記金属製メッシュ要素は、交差した金属製の線材を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の金属製メッシュ要素。
  3. 前記線材は、φ50μm〜φ1000μm程度であることを特徴とする請求項2に記載の金属製メッシュ要素。
  4. 請求項1〜請求項の何れか1つに記載の金属製メッシュ要素を含んで構成されることを特徴とする金属製ふるい。
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