JP7044380B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
演出可動物を直線的な経路で進退させる場合には、遊技機本体側に固定された摺動レール支持部材に対して、ボールスライド式の摺動レールを介して演出可動物を組み付けるのが一般的である。
特に、大型化する演出可動物を、狭いZ軸方向スペース内においてサイズ、出力が極限された駆動機構を用いてスムーズに進退動作させるためには、占有体積が小さいながら強度、耐久性を有したステンレス等の金属製の摺動レールが極めて便利である。
ボールスライド式の摺動レールは、摺動レール支持部材に固定されるガイド部材と、ガイド部材によりスライド自在に支持され、且つ演出可動物にビス留め固定されるスライダと、ガイド部材に対してスライダを円滑に動作させるための複数のボールと、から構成されている。
ところで、ボールスライド式の摺動レールを用いて演出可動物を動作させる構成においては、演出可動物の動作中に複数のボールが摺動レールの長手方向下方へ偏位することにより、演出可動物に固定されたスライダの上端部が傾いた状態となってガイド部材とスライダとの間に大きな摩擦抵抗が発生して演出可動物をスムーズに動作させることができなくなるという不具合がある。
特許文献1にはこのような不具合を解消するために、ガイド部材、又はスライダにボールの下降を規制するストッパを設ける構成が開示されている。
しかしながら、演出可動物を動作させるために摺動レールを利用することについて、未だ利用方法等には改善の余地があった。例えば、演出可動物に対する摺動レールの取り付け方法、摺動レールの作用方向、ストッパの配置などを改善することで、摺動レールを用いた演出可動物の動作をより快適化することが求められている。
[1:第1の本発明]
<1-1:第1の本発明に係る遊技機の基本構造>
図1は第1の本発明の一実施形態に係る遊技機1の外観構成の一例を示す正面図である。
この遊技機1は、遊技者の指示操作によって打ち出される遊技球が各種入賞口に入球する賞球を払い出すように構成された弾球式の遊技機である。
図1に示すように、遊技機1は、ホール(店舗)の島設備などに固定される遊技機本体1aと、その遊技機本体1aの正面側(前面側)に開閉可能に取り付けられる前枠扉2を備えている。前枠扉2は、その中央に透明ガラス板3が嵌め込まれた窓部2aを有している。したがって、遊技者は、窓部2aに嵌め込まれた透明ガラス板3を介して、遊技機1の正面側から遊技機本体1aの内側に取り付けられる遊技盤10を視認可能である。
前枠扉2は、窓部2aの下方右側に、遊技者が操作するハンドルレバー4を備えている。遊技者がこのハンドルレバー4を右回り方向(時計回り方向)に回転操作すると、その操作角度に応じた打球力で遊技球が遊技盤10の盤面に所定の時間間隔で1球ずつ打ち出されるようになっている。
また図2および図3に示すように遊技機本体1aには、合板材などで形成される略矩形状の遊技盤10が取り付けられる。この遊技盤10の正面側には、遊技球の転動範囲を規制するレールによって囲まれた略円形の遊技領域11が形成されている。ハンドルレバー4が操作されることによって打ち出される遊技球は、遊技盤10の左側に設けられた2本のレールの間から遊技領域11の上部に打ち出される。
遊技盤10は、遊技領域11の略中央に開口部10aを有している。この開口部10aは、遊技盤10の背面側に取り付けられる画像表示器8を遊技機1の正面側から視認可能にするためのものである。画像表示器8は、カラー液晶ディスプレイやLEDアレイディスプレイなどで構成され、各種演出画像や大当たり抽選の結果などを表示する。例えば画像表示器8は、遊技機1において大当たり抽選が行われると、1~9などの数字が付された3つの装飾図柄を変動させる変動演出を開始し、その変動演出中に様々な予告演出画像やリーチ演出画像などを表示する。そして変動表示を開始してから所定時間が経過したタイミングで3つの装飾図柄を停止させることにより、大当たりの抽選結果を表示する。このとき、3つの装飾図柄が揃った状態で停止すれば大当たりとなり、遊技機1は大入賞口を開放させる大入賞口開放遊技へと移行し、遊技者に有利な遊技価値を付与する。すなわち、大入賞口開放遊技では、大入賞口を長時間開放して多数の遊技球が入球し得る状態になるので、遊技者は多くの賞球を獲得することができるようになる。
さらに本実施形態の遊技機1は、図2および図3に示すように遊技盤10の背面側に設けられる画像表示器8が、遊技盤10の背面から一定空間を隔てた後方位置に取り付けられる。そしてその一定空間内に、遊技盤10の背面側に隠れた状態の待機位置から開口部10aを介して遊技盤10の正面側から視認可能な画像表示器8の前方位置へ動作する演出可動物65、100が設けられる。図2は演出可動物65、100が待機位置にある状態を示しており、図3は演出可動物65、100が画像表示器8の前方位置へ出現した状態を示している。この演出可動物65、100は、上下方向に昇降動作可能なように構成されており、通常の状態において図2に示す待機位置にあり、遊技機1において所定の演出が行われるタイミングで駆動され、図3に示すように画像表示器8の前方位置へ出現する。この演出可動物65、100は、例えば画像表示器8に表示される画像と連動した動作を行うように制御される。
ベース枠体30は、例えば図4に示すように前後方向に一定の厚みを有する箱形の枠体として構成され、前面側が全面開放されており、背面側に画像表示器8の表示画面サイズに対応する窓部32が形成された背面壁31を有している。またベース枠体30の正面側縁部にはその上下に一対のフランジ部が設けられており、それらフランジ部が遊技盤10の背面側に対してビス止め固定される。そして画像表示器8は、表示画面の周縁部がベース枠体30における窓部32の縁部に取り付けられることによりベース枠体30の背面壁31に固定される。
演出可動物65、100は、遊技盤10と画像表示器8との間に設けられるベース枠体30の内側に設けられる。本実施形態では説明を簡単にするため、ベース枠体30の内側において窓部32の下方二箇所だけに、演出可動物65、100が設けられる例について説明するが、窓部32の左右両側又は片側にも別の演出可動物が設けられていても良いし、また窓部32の上方にもさらに別の演出可動物が設けられていても良い。
次に、図6乃至図12に基づいて第1の本発明の第1実施形態に係る遊技機について説明する。
なお、本実施形態の説明に先立ち、図5に基づいて従来例に係る摺動レールのビス留め構造とその問題点について説明する。
図5に示すように遊技盤1110の後方に所定のZ軸方向間隔Gを隔てて配置された樹脂製の摺動レール支持部材1120の表面1120aに対してガイド部材1102をビス固定する場合には、摺動レール支持部材の後面側からキリ穴1120bに打ち込んだビスBをガイド部材のタップ穴1102aに螺着して固定する。しかし、この場合、誤って規定よりも長いビスを使用した場合には、図示のようにビスの先端がガイド部材を越えてスライダ1101の移動経路に干渉してスライダを作動不能にする。このため、誤って長いビスを使用したことに気づいた段階で可動演出物を取外してから正規の長さを有したビスを用いた付け直しを行う手間が発生する。
図6は遊技盤10に対する演出可動物65と摺動レール支持部材75との位置関係、及び遊技盤に対する演出可動物100と摺動レール支持部材150との位置関係を示した分解斜視図であり、図7(a)は初期状態(退避状態)にある演出可動物と摺動レール支持部材の背面側斜視図であり、同図(b)は摺動レール支持部材から突出した状態にある演出可動物の背面側斜視図であり、図8は演出可動物と摺動レールと摺動レール支持部材との組み付け関係を示す分解斜視図であり、図9(a)及び(b)は演出可動物を摺動レール支持部材に組み付けた状態の背面図、及びA-A断面図であり、図10(a)及び(b)は摺動レールを取付対象物(演出可動物、摺動レール支持部材)にビス留めする構成例を示す縦断面図、及び正面側斜視図であり、図11(a)(b)及び(c)は取付対象物にビス留めされた摺動レールを示す正面図(演出可動物を図示省略)、A-A断面図、及びB-B断面図である。また、図12(a)及び(b)はガイド部材、第1スライダ、第2スライダに夫々配置されるストッパを示す説明図である。
図6に示すように本発明は、一つの遊技盤内に複数の異なる構成を備えた可動演出物(ギミック)65、100が併存している場合に、製作者が狙いとする効果の違いによって、可動演出物毎にビスの打ち込み方向を異ならせることが生産性向上や、Z軸方向スペースを広く確保する上で有効である場合には、そのような柔軟な対応をすることが最適な遊技盤性能を確保する上で有効であるという知見に基づいて提案されている。
なお、摺動レールの種類には、本実施形態のようにガイド部材と2つのスライダから成るダブルスライダの他にも、ガイド部材と一つのスライダからなるシングルスライダや、ガイド部材に対して3本以上のスライダを順次スライド自在に係合したタイプとがあるが、本実施形態に係る摺動レールのビス留め構造は、シングルスライダ、その他のタイプにも適用することができる。例えば、シングルスライダにおける、ガイド部材と摺動レール支持部材75とのビス留め構造や、単一のスライダと演出可動物65とのビス留め構造にも適用することができる。
何れの場合も誤って規定サイズよりも長いビスを螺着してしまったとしてもビスの取付け直しという手間をかけることなく、そのままの状態で製品化、出荷することが可能となる。
演出可動物65は、摺動レール支持部材75に対して摺動レール200によって図7(a)に示した下降位置(初期位置)と図7(b)に示した上昇位置(突出位置)との間で上下方向へ進退自在に支持されている。
摺動レール支持部材75は、図4に示した遊技盤10、ベース枠体30、その他の任意の固定部に対して固定されており、図7乃至図9に示すように表面側の第1ケース片76A、及び裏面側の第2ケース片76Bとからなるケース76と、演出可動物65を駆動するためのモーター78、駆動伝達部材等から成る駆動機構77を備える。
演出可動物65は、支持空所S内に摺動レール200を介してスライド自在に支持されている。
駆動機構77は、第1ケース片76Aの内面に配置されたモーター78、モーターの出力ギヤ78aと噛合して順次駆動を伝達する中間ギヤ79a、79b、79c(駆動伝達部材)、更に演出可動物65側に設けられて中間ギヤ79cと噛合するラックギヤ66a(駆動伝達部材)と、を有する。
モーター78からの駆動力は各駆動伝達部材を介して演出可動物65に伝達され、演出可動物を摺動レール200によって図7(a)に示した下降位置と同図(b)に示した上昇位置との間でスムーズに昇降させる。
演出可動物65は、摺動レール支持部材75にガイド部材210を固定された摺動レール200の第2スライダ230に固定されることにより、摺動レール支持部材の支持空所S内に沿って全体として斜め上下方向へ進退自在に支持されている。
モーター78の出力ギヤからの回転駆動力を中間ギヤ79a、79b、79cからラックギヤ66aに伝達することにより、演出可動物65を摺動レール200に沿って図7(a)の下降位置から、図7(b)に示した突出位置との間を直線的に進退させる。
次に、図7乃至図12に基づいて本発明の特徴的な構成である摺動レールのビス留め構造について説明する。
立上げ部としての湾曲部213は一例に過ぎず、90度に屈曲させた屈曲部としてもよく、スライダとの間でボールを脱落不能に保持できる構造であればよい。
第1スライダ220は、ガイド部材210の表面に対してそのベース板(ベース部)211と並行に組み付けられる略長方形の中央板状部222と、中央板状部222の幅方向両端部に夫々略T字状に交差して設けられた摩擦低減部材支持部224と、を備える。各摩擦低減部材支持部224の外側面にはボールベアリングから成るボール240をガイド部材210と第2スライダ230の各湾曲部213、233との間で転動自在に保持するための凹所が形成されている。
第2スライダ230は、ガイド部材210とほぼ同一形状である。即ち、第2スライダ230は、幅方向中央部に位置する長方形状のベース板(ベース部)231と、ベース板231の幅方向両端部に設けられて第1スライダに向けて突出した湾曲部(立上げ部)233と、を有する。ベース板231の長手方向両端部には演出可動物65側のタップ穴67と連通された状態でビス留めされるキリ穴231aが設けられており、各キリ穴231aの長手方向内側には演出可動物に設けた位置決め小突起68を嵌合する位置決め用の穴231bが夫々配置されている。
図11(b)に示すように、ガイド部材210の各位置決め用の穴211bに各位置決め小突起80を嵌合することにより摺動レール取付部75Aの正面にガイド部材のベース板211の背面を位置決めした状態で、ガイド部材側からの螺着作業によりキリ穴211aから挿通したビスを摺動レール取付部75Aの正面側からタップ穴81の雌螺子部に螺着する。
摺動レール200は、ガイド部材210に対して2つのスライダ220、230をスライド自在に設けていることから、ボール240の軸方向移動を規制するストッパの配置は以下の通りとなる。
本例では、ガイド部材210、又は第2スライダ230の何れか一方、又は双方に、複数のボール240が摺動レールの長手方向一方向へ偏位することを規制するストッパ210S、230Sを設ける(図12(a))。或いは第1スライダ220に複数のボール240が摺動レールの長手方向一方向へ偏位することを規制するストッパ220Sを設ける(図12(b))。
ストッパ210S、230Sと、ストッパ220Sとを併存させてもよい。
各ストッパ210S、220S、230Sは、図26、図27において後述するストッパ1101S、1102Sと同等の機能を備える。
次に、本実施形態では、第1スライダ220、及び第2スライダ230が遊技盤正面側から見て遊技者から視認不能に隠蔽された状態となるように第2スライダ230の表面を演出可動物の背面に固定した状態で第2スライダを演出可動物の背面に固定している点が特徴的である。
この場合、図7乃至図12に示すように第2スライダ側(Z軸背面側)から演出可動物の背面側(Z軸正面側)に向けてビスを差し込んで螺着固定する。
図6、図7、図9から明らかなように摺動レールは演出可動物65により隠蔽されており、正面側から視認することができない。
演出可動物の移動方向が上下方向のみならず、斜め方向、水平方向に進退する場合にも本発明は有効に機能する。
これは、一つの遊技盤内に配置した複数の可動演出物(ギミック)であっても狙いとする効果の違いによって、ビスの打ち込み方向を異ならせることによって、最適な遊技盤性能を確保することを目的としている。
<2-1:第1の実施形態>
次に、図6、図13乃至図24に基づいて第2の本発明に係る遊技機について説明する。
図13(a)は初期状態(退避状態)にある演出可動物の背面側斜視図であり、同図(b)は突出した状態にある演出可動物の背面側斜視図であり、図14は演出可動物と摺動レールと摺動レール支持部材との組み付け関係を示す分解斜視図であり、図15(a)及び(b)は演出可動物を摺動レール支持部材に組み付けた状態の背面図、及びA-A断面図であり、図16(a)及び(b)は摺動レールを取付対象物(演出可動物、摺動レール支持部材)にビス留めする構成例を示す縦断面図、及び正面側斜視図であり、図17(a)(b)及び(c)は取付対象物にビス留めされた摺動レールを示す正面図(演出可動物を図示省略)、A-A断面図、及びB-B断面図である。図18(a)及び(b)はガイド部材、第1スライダ、第2スライダに夫々配置されるストッパを示す説明図である。
なお、図1乃至図4に示した遊技機1の構成を併せて参照するが、第2の本発明の遊技機の構成と共通するため重複した説明を省略する。
第1スライダ220と第2スライダ230との共通点は、演出可動物からの荷重を受けつつガイド部材に沿って進退する点である。
この構成によれば、摺動レール支持部材150側のレール受け部150Aの反対側面、及び演出可動物100側のレール受け部100Aの反対側面にビス締結代を確保するためのボス部(雌螺子部)を設ける必要がなくなるというメリットを提供できることとなる。このため、本来狭いZ軸方向スペースがボス部の存在によって更に狭くなるという不具合を解消して、各レール受け部の反対面側をフラットにして有効に活用することが可能となる。
演出可動物100は、摺動レール支持部材150に対して摺動レール200によって図13(a)に示した下降位置(初期位置)と図13(b)に示した上昇位置(突出位置)との間で上下方向へ進退自在に支持されている。
摺動レール支持部材150は、図4に示した遊技盤10、ベース枠体30、その他の任意の固定部に対して固定されており、摺動レール支持部材には演出可動物を駆動するためのモーター171、ギヤ等の駆動伝達部材等から成る駆動機構170が搭載されている。
摺動レール200を構成するガイド部材210は、幅方向中央部に位置する略長方形状のベース板211と、ベース板211の幅方向両端部を同一方向に立上げ形成した立上げ部としての湾曲部213と、を有する。ベース板211の長手方向両端部には夫々タップ(雌螺子部)を有したビス留め用のタップ穴(ネジ穴)211cと、摺動レール支持部材150に設けた位置決め小突起153に嵌合する非タップ穴(キリ穴)である位置決め用の穴211bと、が配置されている。タップ穴211cを摺動レール支持部材側のビス留め用のキリ穴(非タップ穴)152と連通させた状態で、キリ穴152の背面側からビスBの雄螺子部を挿入してタップ穴211cの雌螺子部と螺着することによりガイド部材は摺動レール支持部材に締結固定される。
立上げ部としての湾曲部213は、90度屈曲させた屈曲部としてもよく、要はスライダとの間でボールを脱落不能に保持できる構造であればよい。
第1スライダ220は、ガイド部材210の表面に対してそのベース板211と並行に組み付けられる略長方形の中央板状部222と、中央板状部222の幅方向両端部に夫々略T字状に交差して設けられた摩擦低減部材支持部224と、を備える。各摩擦低減部材支持部224の外側面にはボールベアリングから成るボール240をガイド部材210と第2スライダ230の各湾曲部213、233との間で転動自在に保持するための凹所が形成されている。
第2スライダ230は、ガイド部材210とほぼ同一形状である。即ち、第2スライダ230は、幅方向中央部に位置する長方形状のベース板231と、ベース板231の幅方向両端部に設けられて第1スライダに向けて突出した湾曲部(立上げ部)233と、を有する。ベース板231の長手方向両端部には夫々タップ(雌螺子部)を有したビス留め用のタップ穴231cと、演出可動物に設けた位置決め小突起106を嵌合する位置決め用の穴231bと、が配置されている。
図17(b)に示すように、ガイド部材210の各位置決め用の穴211bに各位置決め小突起153を嵌合することにより摺動レール取付部150Aの正面にガイド部材のベース板211の外側面を位置決めした状態で、摺動レール取付部150Aの背面側からのビスBによるタップ穴211cへの螺着作業によりガイド部材を摺動レール支持部材150に固定する。
第2スライダ230を演出可動物100のフラットな摺動レール取付部100Aの背面にビス固定するに際して取付部の正面側からビスを打ち込んでタップ穴231cの雌螺子部で螺着固定するようにしているので、金属同士の螺合による強固な締結が可能となる。仮に第2スライダ側からビス留めするとした場合にはビス留め代を確保するために摺動レール取付部100Aの正面に雌螺子部を備えた樹脂製のボス部を突出させることがあるが、本構成例ではボス部を突出させる必要がない。このため、演出可動物側の摺動レール取付部100Aと摺動レールを含めたZ軸方向の厚みを減縮することができる。また、摺動レール取付部100Aの正面側をフラット化することが可能となり、回路基板等を配置するためのスペースを確保することが可能となる。
図19は摺動レールを取付対象物(演出可動物、摺動レール支持部材)にビス留めする他の構成例を示す概略正面側斜視図である。
本実施形態では、第1スライダ220、及び第2スライダ230が遊技盤正面側から見て遊技者から視認不能に隠蔽された状態となるように第2スライダ230の表面を演出可動物の背面に固定した状態で第2スライダを演出可動物の背面に固定している点が特徴的である。
図16、図17、図18に示した実施形態では、演出可動物100側から第2スライダ230側(Z軸背面側)に向けてビスを差し込んで螺着しているが、これとは逆に図19に示すように第2スライダ230側(Z軸背面側)から演出可動物100の背面側(Z軸正面側)に向けてビスを差し込んで螺着固定してもよい。
また図19に示すように第2スライダ230側から演出可動物100の背面側に向けてビスで螺着固定することにより、規定よりも雄螺子部が長いビスを誤って螺着した場合における第2スライダの作動不良とそれに起因した取付直しという不具合をなくすることができる。
演出可動物の移動方向が上下方向のみならず、斜め方向、水平方向に進退する場合にも本発明は有効に機能する。
<3-1:第1の実施形態>
第3の本発明の説明に先立ち、図20に基づいて従来の摺動レールのビス留め構造の問題点について説明する。
図20(a)は開口部1110aを有した遊技盤1110の後方に配置された摺動レール支持部材1120の表面1120aに取り付けた摺動レール1100により演出可動物1130を開口部1110a内において上下方向へ直線的に進退自在に支持した構成を示す縦断面図であり、同図(b)は摺動レールの取付部を示すA-A断面図である。演出可動物1130の後方には画像表示器1140が配置されている。
図20(a)(b)に示した構成では、摺動レール支持部材の表面1120a上に前方へ突出する壁部(表面1120aと直交する壁部)1120bを所定の左右方向間隔を隔てて二個突設し、これらの壁部の内面により摺動レール1100の幅方向が表面1120aと直交するように摺動レール1100のガイド部材をビス固定し、且つ各摺動レールのスライダ1101に演出可動物1130の左右両側面を固定している。これによれば、演出可動物の左右両側面を夫々摺動レールのスライダ1101に固定しているため、演出可動物を二本のスライダによって安定して上下方向へ進退させることができる。
第3の本発明に係る摺動レールの取付構造を備えた遊技機は、上記不具合を改善するものである。
図21(a)乃至(d)は摺動レール支持部材に対する演出可動物の昇降動作を示す正面図であり、図22は演出可動物と摺動レール支持部材の分解斜視図であり、図23(a)及び(b)は昇降ユニットの昇降動作を示す背面図であり、図24(a)及び(b)は昇降ユニットの昇降動作を一部断面で示す正面図である。
なお、図1乃至図4を併せて参照し、同一部分には同一符号を付して説明する。
演出可動物100は、摺動レール支持部材150にガイド部材210を固定された摺動レール200の第2スライダ230に固定されることにより、全体として上下方向へ進退自在に支持されている。
図21等に示すように昇降ユニット110は、摺動レール200のガイド作用によって直線的な軌道に沿って摺動レール支持部材150に対して昇降する昇降基部112と、昇降基部により左右方向へ開閉自在に支持された開閉ユニット130と、を備えている。開閉ユニット130は、左右方向へ開閉移動する2個の開閉部材131、132と、各開閉部材を開閉動作させる開閉駆動機構と、を概略備えている。なお、開閉ユニットは本発明の主題とは関係がないため説明を省略する。
駆動伝達機構175は、モーターの出力ギヤ171aと噛合する従動ギヤ176と、従動ギヤ176の裏面側に同軸状に一体化された円形の回転板177と、回転板の裏面の外周縁寄り位置に突設されたピン177aと、モーターの近傍に設けた軸部178により一端部を上下方向へ回動自在に軸支された作動アーム(アーム部材)179と、作動アーム中間部に形成されピン177aが進退自在に嵌合する長穴179aと、昇降基部112の張出し部112aに設けられ作動アーム先端に設けられたピン179bが進退自在に嵌合する長穴112cと、を備えている。モーターからの駆動力により回転板177が正逆回転してピン177aが長穴179a内を進退することにより作動アーム179が軸部178を中心として上下方向へ回動することにより、作動アーム先端のピン179bが長穴179b内を進退することにより昇降基部112が昇降するため、昇降基部に搭載された開閉ユニット130が昇降する(図21)。
部品点数を削減するために一本の摺動レール200を用いて可動演出部を進退自在に支持する場合、その進退安定性を維持するためには作動アーム(アーム部材)179が効果的に機能を発揮する。
摺動レール200は、演出可動物の軌道を安定させて滑らかに進退させる役割を果たす一方で、アーム部材は回動することにより演出可動物を進退させる駆動力を伝達する役割を果たす。
即ち、摺動レールは、各スライダの摺動面が遊技盤面と並行になるように寝かせて配置されることにより薄型化に貢献する一方で、演出可動物を支持した各スライダが遊技盤面と直交する方向へ振れる等のガタ付きを起こし易くなるが、演出可動物に駆動力を伝達する手段であるアーム部材からの支持力による補助作用(制振力)によりスライダの振れを低減することができる。
従って、アーム部材を用いることにより、摺動レールを各スライダの摺動面が遊技盤面と直交するように配置した場合に生じる不具合を解消できる。即ち、例えば摺動レール支持部材から正面に向けて突設した壁部により摺動レールをその幅方向が水平方向(遊技盤面と直交する方向)を向くように支持した場合に発生する部品点数の増大、Z軸方向占有空間の増大によるレイアウト自由度の低下という不具合をアーム部材を駆動手段として利用することにより解消することができる。
次に、図22~図24に示すように摺動レール200は、各スライダの摺動面が遊技盤面と並行になるように配置されることにより、Z軸方向への突出長を少なくすることができる。特に、摺動レールの面が遊技盤面と直交するように配置する場合には摺動レールが二本必要になるばかりでなく、摺動レールを支持する壁部を摺動レール支持部材に突設する必要があるため、摺動レール支持部材の製造手数が増大し、且つ摺動レールの取付手数が増大するという問題が生じる。
これに対して本実施形態では、スライダの摺動面が遊技盤面と並行となるようにガイド部材が配置されているため、上記問題が発生する余地が無くなる。
本実施形態によれば、スライダの摺動面が遊技盤面と並行となるように摺動レールを配置したことにより駆動機構のZ軸方向の占有空間(厚み)を増大させることなく薄型化を図りつつ、且つ摺動レールとアーム部材との同期した動作により、演出可動物を確実、且つ安定して遊技盤の面方向へ進退動作させることが可能となる。
<4-1:第1の実施形態>
第4の本発明の説明に先立ち、従来の摺動レールの問題点について図25により説明する。
図25は、ガイド部材と単一のスライダとから成るシングルスライダタイプのボールスライド式の摺動レール1100の概略構成を示す断面図である。この摺動レール1100は、スライダ1101とガイド部材1102と複数のボール1103を備えている。すなわち、摺動レール1100は、ガイド部材1102の内側に、そのガイド部材1102に沿って直線方向に移動するスライダ1101が設けられ、ガイド部材1102とスライダ1101との間に転動自在な複数のボール1103が設けられた構成である。スライダ1101は、ガイド部材1102と直接接触せず、複数のボール1103と接触した状態でガイド部材1102の内側に保持されることにより、ガイド部材1102の内側を移動するときの摩擦抵抗が極めて小さくなる。したがって、摺動レール1100のスライダ1101に演出可動物を取り付けて駆動することにより、演出可動物を動作させる際の摩擦抵抗を低減することができ、モーターなどの駆動機構にかかる負荷を小さくできるという利点がある。
図25(a)は演出可動物が待機位置にある場合の摺動レール1100の状態を示しており、図25(b)は演出可動物を画像表示器の前方位置へ出現させた場合の摺動レール1100の状態を示している。例えば、演出可動物を待機位置と出現位置との間で移動させる場合、摺動レール1100は、図25(a)および(b)のそれぞれに示す状態の間で変位する。このとき、複数のボール1103は、スライダ1101とガイド部材1102とが互いに重なった領域Rのほぼ中央に位置し、スライダ1101が移動するときの摩擦抵抗を小さくすると共に、スライダ1101とガイド部材1102との間隔をその中央位置で一定間隔に保持するスペーサーとして機能する。
図25(d)に示すような状態になると、スライダ1101の上部において複数のボール1103によるスペーサーとしての機能が良好に作用しなくなる。そのため、次に演出可動物を動作させるときには、図25(d)において矢印Tで示すように、スライダ1101の上端部が傾いた状態となり、ガイド部材1102と接触して大きな摩擦抵抗が発生する。その結果、モーターなどの駆動機構にかかる負荷が大きくなり、演出可動物をスムーズに動作させることができなくなると共に、最悪の場合にはモーターが脱調してしまうという問題がある。
これらのストッパ1101S、1102Sは、複数のボールがストッパよりも下方に移動することを規制する。したがって、遊技機において、演出可動物を待機位置とその待機位置から僅かに上昇させた位置との間で往復移動させる演出が行われる場合に、複数のボールが自重によってスライダ1101の下方へ移動しても各ストッパによってボールが所定位置よりも下降してしまうことを規制することが可能である。
図25において説明した不具合は、ガイド部材に対して2つのスライダを順次組み付けたタイプの摺動レールにおいても同様に発生する。
図28は第4の本発明の実施形態に係る摺動レールを用いた演出可動物の正面側斜視図であり、図29(a)及び(b)は最大伸長状態にある同摺動レールの正面斜視図、及び背面斜視図であり、図30(a)及び(b)は最大伸長状態にある同摺動レールの平面図、及び側部縦断面図((a)のI-I断面図)であり、図31(a)及び(b)は中間収縮状態にある同摺動レールの平面図、及び側部縦断面図((a)のI-I断面図)である。
図13乃至図19等で示した摺動レール200の構造を併せて参照し、同一部分には同一符号を付して説明する。
また、本例では第2スライダ230のベース板231の板面に切り起こしにより突設したストッパ360によってボール240、本例ではボール群を保持する軸受リテーナ400A、400Bの長手方向端部への偏位を規制するようにもしている。
各ストッパ350、360は、軸方向に沿って一列に配列されたボール群がガイド部材、及び第2スライダの長手方向終端部に偏位して他方向へ戻らなくなる現象(固まる現象)を防ぐために、ガイド部材、及び第2スライダの長手方向終端部よりも所定距離だけ長手方向中央寄りの適所に突設される。各ストッパ350、360は、ボール群、或いは軸受リテーナの移動軌跡に干渉することにより、ボール群、軸受リテーナが長手方向終端部へ到達できないようになっている。
ストッパ350、360は、ガイド部材210、及び第2スライダ230のベース板211、231の長手方向一端部(遊端部)の終端部よりも長手方向中央寄りであれば、どの部位に設けても良い。
なお、本例では、ガイド部材210、及び第2スライダ230のベース板211、231の長手方向一端部(遊端部)に夫々形成されるビス止め用のタップ穴211c、231cと、タップ穴211c、231cよりも長手方向中央寄りに位置する位置決め用のボス穴211b、231bとの間の板面部位にストッパ350、360を設けた構成例を示している。ガイド部材210、及び第2スライダ230は、夫々の長手方向両端部にタップ穴とボス穴を有するが、ストッパ350、360を設けるのは図29等に示すように両部材を伸長させた時に最外端部(遊端部)となる部分の板面である。
この事情は、第2スライダに設けるストッパ360についても同様である。
なお、特許文献1に係る摺動レールでは、図26に示したように突起としてのストッパ1101Sをスライダ1101の側壁に切り起こしにより突設したり、図27に示したようにストッパ1102aをスライダ1102の側面に突設しているが、このように極めて面積が狭い箇所に突起部を形成する加工は難しい。一方、ガイド部材のベース板211や第2スライダのベース板231は比較的面積が広い平板部であるため、切り起こしによる突起部形成を容易に行うことが可能となる。
各軸受リテーナ400A、400Bは、第1スライダの中央板状部222と両端のボール支持部(摩擦低減部材支持部)224との間に形成される凹所内に嵌合する形で組み付けられる中央凹部402と、中央凹部の幅方向両端から夫々コ字状に屈曲形成されてボール支持部224の長手方向へ延びる端縁224aを覆う端部凹所403と、各端部凹所403の外側板403aに長手方向に沿って所定のピッチで貫通形成されて個々のボールを回転自在、且つ脱落不能に支持する複数のボール支持穴404と、ボール支持穴間の外側板に形成されたスリット405と、を概略備えている。
各軸受リテーナ400A、400Bにより支持されたボール群は、各軸受リテーナがガイド部材210、第2スライダ230に夫々設けられたストッパ350、360と係合可能に配置されることにより、軸方向端部方向への偏位を所定に規制される。
即ち、図25(a)(b)(c)において説明したように、演出上、演出可動物を待機位置と、待機位置から僅かに上昇させた位置との間で往復移動させるために第1スライダ、及び第2スライダを上下方向、その他の方向に振動させると、ガイド部材にストッパ350が存在しないとすれば、ボール群が自重によって下降してゆき、ガイド部材と第1スライダとの重なった領域の下方に入り込んでしまい、その後ボール群は上昇できなくなる。このような状態になると図25(d)で説明したように、ボールがスペーサーとしての機能を発揮することができなくなり、次に演出可動物を昇降動作させる際にガイド部材に対して第1スライダが幅方向に傾倒して両者が接触し、大きな摩擦抵抗が発生するという問題を生じる。ストッパ350を設けることによりこのような不具合を解消することができる。
即ち、ボール群がガイド部材の一端部に偏位して固まることによる不具合は、第1スライダ220と第2スライダ230との間のボール群についても生じる。そこで、図32、図33の実施形態では第1スライダ220の中央板状部222の長手方向両端部の適所(終端部よりも長手方向中央寄り位置)に夫々ボールの長手方向偏位を規制するストッパ370を突設している。
なお、軸受リテーナを備えずに、ガイド部材と第1スライダ、第1スライダと第2スライダの間に夫々ボールを直接転動自在に配置した構成を採る場合には、各ストッパ350、360、370は各ボール群のうちの最端部に位置するボールと接してこれを係止するように構成すればよい。
<5-1:第1の実施形態>
第5の本発明の説明に先立ち、図34、図35、図36により従来の摺動レールの問題点について説明する。
図34は従来の摺動レール1100の外観斜視図、図35(a)は従来の摺動レールの組み付け状態を示す断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。また、図36(a)は打抜き加工装置による加工手順を示す説明図であり、(b)は切り口正面図、及び側面図である。
なお、図34、図35に示した摺動レール1100は、ガイド部材1102、第1スライダ1101、第2スライダ1104とからなり、ガイド部材1102と第1スライダ1101との間、第1スライダ1101と第2スライダ1104との間を夫々複数のボール1103でスライド自在に支持した構成を有している。
打抜き加工装置は、図36(a)に示すようにダイ1105上に載置された板金母材1108に対してパンチ1106を下降させることによりダイの穴形状に従った形状で打ち抜きを行う。短手方向両端部に湾曲部を有したガイド部材1102、及び他のスライダ1104は、板金母材1108を打抜き加工することにより形成された長方形状の成形前板金片1108aの短手方向両端部をプレス成形加工により湾曲させることにより製造される。図34中に示した湾曲部1102b、1104bのように湾曲形成される。打抜き加工時には長方形状の成形前板金片1108aの短手方向両端部に図36(b)に示したバリ部1108bが形成され、プレス成形時にはバリ部1108bが各湾曲部1102b、1104bの内側に位置するように加工が行われる(図35)。各湾曲部の内側に位置するバリ部を内バリ1102c、1104cと称する。
しかし、本出願人による実験によれば、内バリ1102c、1104cがボール1103とスライダ1101の抜け落ちを阻止している事実は検証できなかった。むしろ、内バリはボールに干渉してその動きを妨げてスライダのスムーズな進退動作を妨害する原因となっていることが判明した。
即ち、第5の本発明は、摺動レールの加工方法、及び同加工方法により得られた摺動レール(ガイド部材、第2スライダ)のバリ無し構成に係るものである。
本発明に係る摺動レールの加工方法は、摺動レール200を構成するガイド部材210、及び第2スライダ230を所要形状に打抜き加工する前工程である板金母材からの打抜き加工工程により得られたプレス成形前板金片に対してプレス成形により所望形状に成形する前に、プレス成形前板金片に形成されたバリ部を面押し加工により潰したり(潰し除去したり)、研磨等によって除去するようにした点が特徴的である。なお、打ち抜き形成されてプレス成形前の状態にあるガイド部材用板金、及び第2スライダ用板金をプレス成形前板金片(略して、成形前板金片)と称する。
図37(a)(b)に示した打ち抜き加工装置のダイ300に設けた打ち抜き穴301を塞ぐようにダイ上に板金母材(製品素材)320を配置した状態で、(b)に示したようにパンチ310を下降させると、(c)のようにガイド部材用板金、及び第2スライダ用板金としての成形前板金片322が打ち抜き形成される。成形前板金片322の幅方向両端の上角部にはバリ部322aが形成されている。
背景技術で説明したように内バリ322a`はボール240に干渉してその動きを妨げて各スライダのスムーズな動作を妨害する原因となる。
即ち、本発明の摺動レールの加工方法は、板金母材から所要形状に打抜き加工することにより、ガイド部材、及び第2スライダの製品素材(原材料)となるバリ部を備えたプレス成形前板金片を形成する打ち抜き工程と、プレス成形前板金片に形成されたバリ部を潰したり、除去することによりプレス成形前板金片からバリ部を除去するバリ部除去工程と、バリ部を除去されたプレス成形前板金片を所要形状に成形するプレス成形工程と、を順次実施する構成が特徴的である。
これによれば、ガイド部材により進退自在に支持された第1スライダ220が厚み方向に振れたり、捻れる方向へ変位した場合であっても湾曲部213に内バリが存在しないため、ボールとの干渉をなくすることができる。
また、内バリとボールとの干渉の問題は、幅方向両端部に湾曲部233を有した第2スライダ230においても同様に発生する問題である。従って、第2スライダ230の原材料となる長方形の成形前板金片を板金母材から打ち抜き加工した後に面押し加工等によりバリ部を潰しておくことにより、内バリとボールとの干渉により生じる不具合を解消することが可能となる。
次に、第5の本発明に係る摺動レールの加工方法を実施した結果としてバリ部を有しない摺動レール、即ち立上げ部からバリ部が除去(潰しによる除去を含む)されたガイド部材、及び第2スライダを得ることができる。
図38(a)及び(b)は摺動レールの長手方向と直交する方向での断面図、及びA部近傍の拡大図である。
即ち、摺動レールの加工方法により得られた摺動レール200では、ガイド部材210、及び第2スライダ(他のスライダ)230は、略長方形状のベース板211、231と、各ベース板の幅方向両端部を同方向へ夫々立上げることにより形成された立上げ部213、233と、を備え、各立上げ部213、233は、板金母材320を所要形状に打抜き加工することにより得た平板状のプレス成形前板金片322(図37(c)(d))をプレス成形することにより形成されており、各立上げ部には打ち抜き成形加工により形成されたバリ部322aが存在しない構成(非バリ部、バリ部除去部)が特徴的である。
このため、従来問題となっていた内バリとボールとの干渉により生じる不具合を解消することが可能となる。
引出しの場合には、引出しの左右外側面に対してそれぞれ一本の摺動レールを取り付けて家具等の本体内側面との間でスライド自在に構成するのが一般であり、摺動レールは長手方向が水平に、且つ幅方向が垂直となるように取り付けられる。この場合には、二本の摺動レールにより引出しの垂直な左右側面を支持しており、しかも幅方向が垂直なガイド部材に対してスライダが厚み方向(水平方向)へ振れることが少ないため、ガイド部材に設けた内バリがボールに干渉する不具合は発生しにくい。
本発明によれば、以上の不都合を抑制できるという顕著な効果が奏せられる。
請求項1に係る遊技機は、遊技球が打ち出される遊技盤10と、遊技盤面に沿って進退可能な演出可動物100と、該演出可動物を支持する摺動レール200と、摺動レールを支持する摺動レール支持部材150と、演出可動物を進退駆動する駆動機構170と、を備え、摺動レールは、摺動レール支持部材にビス固定された状態で遊技盤面と並行に延設されるガイド部材210と、ガイド部材に沿って進退するスライダ220と、ガイド部材とスライダとの間に転動自在に設けられスライダがガイド部材に沿って進退する際の摩擦を低減する複数のボール240と、を有し、少なくともガイド部材、又はスライダのいずれか一方に設けられて複数のボールが摺動レールの長手方向一方向へ偏位することを規制するストッパと、を備え、ガイド部材、及びスライダは、帯形状(長方形状)のベース板(ベース部)211、222を有し、ストッパ350、370は、ベース部の長手方向端部の板面に突設されている。
ストッパがボールの移動経路に突出することにより端部方向への偏位を規制するため、ガイド部材の長手方向終端部までボール群が移動してその位置で固まる現象を防止でき、ガイド部材に対してスライダの端部が傾いた状態となってガイド部材等との間に大きな摩擦抵抗が発生することを防止することができる。
演出可動物の進退方向は遊技盤面に沿っていれば良く、上下方向、斜め方向、横方向を含むものである。
ビスを螺着する方向はガイド部材側からであっても良いし、摺動レール支持部材側、或いは可動演出物側からであってもよい。
ストッパ350はガイド部材のベース部の端部板面(ベース部の終端部よりも長手方向中央寄り位置)に突設し、ストッパ370は第1スライダ220のベース部222の端部板面(ベース部の終端部よりも長手方向中央寄り位置)に突設する。
本発明に係る遊技機は、摺動レールは、他の複数のボール240を介してスライダ220に沿って進退する他のスライダ230を備え、ストッパは、スライダ220、又は/及び、他のスライダ230に設けられている。
摺動レールの構成として、ガイド部材210に対して複数のスライダ(第1スライダ、第2スライダ)が順次スライド自在に組み付けられたタイプもあり、本発明はこのタイプにも適用することができる。この場合には、第2スライダ220のベース板231の長手方向端部にストッパ360を形成する。ストッパ360はボールの移動経路に突出してその移動範囲を規制する手段であり、ベース板231の終端部よりも長手方向中央寄りに配置される。このため、第2スライダの長手方向終端部までボール群が移動してその位置で固まる現象を防止でき、ガイド部材、及び第1スライダに対して第2スライダの端部が傾いた状態となってガイド部材等との間に大きな摩擦抵抗が発生することを防止することができる。
ビス止め用のタップ穴、又はキリ穴と、位置決め用のボス穴との間の板面スペースを利用してこの部位にボールを規制するストッパ350、360を設けたことにより、ガイド部材、及び第2スライダの安定した固定を担保しつつ、ボールの適正な動作を担保することが可能となる。
なお、ガイド部材、第2スライダにタップ穴ではなくキリ穴を設ける場合には、キリ穴とボス穴との間の板面に各ストッパを形成すればよい。
遊技盤面と並行な姿勢で摺動レール支持部材にガイド部材を取り付けた摺動レールのスライダに演出可動物を固定した場合、摺動レールの厚さ方向にスライダが振れると、立上げ部に内バリを有したガイド部材に対してスライダが変位して内バリがボールに干渉して演出可動物が円滑に動作しなくなるという不具合が生じるが、予め内バリを除去することにより上記不具合を解消できる。
この加工方法によれば、ガイド部材の立上げ部に内バリが形成されることがないので、ガイド部材に対してスライダが変位しても内バリによって演出可動物が円滑に動作しなくなるという不具合が生じない。
Claims (1)
- 遊技球が打ち出される遊技盤と、遊技盤面に沿って進退可能な演出可動物と、該演出可動物を支持する摺動レール支持部材と、前記摺動レール支持部材と前記演出可動物との間に介在して該演出可動物を進退可能に支持する摺動レールと、前記演出可動物を進退駆動する駆動機構と、を備え、
前記摺動レールは、前記摺動レール支持部材にビス固定された状態で前記遊技盤面と並行に延設されるガイド部材と、前記ガイド部材に沿って進退するスライダと、前記ガイド部材と前記スライダとの間に転動自在に設けられ前記スライダが前記ガイド部材に沿って進退する際の摩擦を低減する複数のボールと、を有し、前記ガイド部材、又は前記スライダに設けられて前記複数のボールが前記摺動レールの長手方向一方向へ偏位することを規制するストッパと、を備え、
前記ガイド部材、及び前記スライダは、帯形状のベース部を有し、
前記ストッパは、前記ガイド部材、又は前記スライダのベース部の長手方向端部寄りに配置したタップ穴、又はキリ穴と、該タップ穴、又は該キリ穴よりも前記長手方向中央寄り位置に配置された位置決め用のボス穴との間に位置する遊技機において、
前記摺動レールを構成する前記ガイド部材、及び前記スライダは、略長方形状のベース板と、該ベース板の幅方向両端部を同じ方向へ夫々立上げることにより形成された立上げ部と、を備え、前記立上げ部には前記ボールと干渉する位置にあるバリ部を除去した非バリ部が設けられていることを特徴とする遊技機。
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