まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面見略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面見略四角形状に構成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板にて構成されている。尚、本実施例では、遊技盤2はベニヤ板にて構成されていたが、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透明な合成樹脂材にて形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)等が植設される盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取り付けられるスペーサ部材(図示略)と、から構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸型の白色表示とする。
図1に示す例では、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上方位置に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの第1演出位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第2保留表示器25Bの上方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域10における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置(図示略)が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検出するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。尚、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
本実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。尚、小当り図柄を停止表示する場合には、例えば、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とすれば良い。尚、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として「3」、「5」、「7」の数字を示す大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
尚、小当り図柄(例えば「2」の数字)を停止表示する場合にあっては、これら小当り図柄が確定特別図柄として導出された後に、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。具体的に小当り遊技状態では、例えば、上記した、実質的には出球(賞球)が得られない短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作を実行すれば良い。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部または一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。尚、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8Rによる音声出力動作や、演出用LED9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「5」、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、本実施例では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」、「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。尚、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。尚、本実施例では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
尚、小当り図柄を停止表示する場合にあっては、前述した小当り遊技状態に制御した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御すれば良い。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び演出用LED9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、演出用LED9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、演出用LED9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、アウト球スイッチ24からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、アウト球スイッチ24は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンドや、演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、演出用LED9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(ReadOnlyMemory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(RandomAccessMemory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(CentralProcessingUnit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Outputport)105と、を備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
また、本実施例では、演出表示装置5は遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。尚、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。また、遊技盤2の背面と演出表示装置5との間には、後述する第1演出ユニット300と第2演出ユニット400とが前後に重畳するように設けられており、演出制御基板12には、これら第1演出ユニット300及び第2演出ユニット400それぞれに設けられる各種モータ、ソレノイド、センサ、発光ダイオード(LED)等の複数の電子部品が接続されている。尚、図2において、これら電子部品の図示は省略している。
また、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5、スピーカ8L,8R、演出用LED9、後述する第1移動体302や第2移動体402L,402Rといった演出用模型など)による演出動作を制御するために用いられる複数の演出制御パターンを構成するデータなどが記憶されている。演出制御パターンがセットされることによって、演出図柄などの種々の可変表示動作や予告演出(先読予告演出を含む)などが実現される。
各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。例えば、演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出動作、あるいは、演出図柄の可変表示を伴わない各種の演出動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。
演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部又は外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが含まれている。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。尚、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータにおいて演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば演出図柄の可変表示中における各演出図柄の変動態様を示すデータといった、演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば演出図柄の可変表示中における演出図柄の可変表示動作に連動した演出音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L,8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば演出用LED9(発光体)の発光動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、演出用LED9の発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31Bといった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。尚、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を演出表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L,8Rから音声を出力させる制御を行い、ランプ制御データにより指定される態様で演出用LED9を発光させる制御を行い、駆動制御データにより指定される態様で後述する演出用モータ330L,330Rや演出用モータ430L,430Rを駆動させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。尚、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出動作は、演出図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、演出図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、演出図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(演出表示装置5、スピーカ8L,8R、演出用LED9、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。尚、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123、音声制御基板13、ランプ制御基板14、後述するドライバIC340A,340Bなどに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120は、モータの励磁パターンを後述するドライバIC340A,340Bに対し出力する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普図表示結果判定用の乱数値MR4を用いて普通図柄の変動表示態様を決定し、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値に応じた処理のいずれかを選択して実行する。
始動入賞処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納する。
特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。
変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。
特別図柄通常処理や変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄及び演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。
大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、演出用LED9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。
尚、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部(図示略)に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当り」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
次に、図3〜図11に基づいて、第1演出ユニット300について説明する。図3は、第1演出ユニットを示す背面図である。図4は、第1演出ユニットを斜め後ろから見た状態を示す斜視図である。図5は、第1演出ユニットの構成を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図6は、第1演出ユニットの構成を斜め後から見た状態を示す分解斜視図である。図7は、(A)はガイド機構の構成を斜め前から見た状態を示す分解斜視図、(B)は斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図8は、(A)はガイド機構を示す縦断面図、(B)は(A)のA−A断面図である。図9は、(A)は移動体が第1退避位置にある状態、(B)は中間位置にある状態、(C)は第1演出位置にある状態におけるガイド機構を示す概略図である。図10は、(A)は移動レールが緩衝部材に当接した状態を示す断面図、(B)は移動体が緩衝部材に当接した状態を示す断面図、(C)は(A)のB−B断面図、(D)は移動レールが規制バーにて移動規制された状態を示す断面図である。図11は、(A)は移動体を第1退避位置から下方へ移動させるときの状態を示す概略図、(B)は第1演出位置から上方へ移動させるときの状態を示す概略図である。図12は、(A)は演出用モータの構成を示す図、(B)は演出用モータを第1回転方向へ回転させる励磁パターンデータを示す図、(C)は演出用モータが第2回転方向へ回転させる励磁パターンデータを示す図である。図13は、演出制御用CPUと演出用モータとの接続態様を示す図である。図14は、演出制御用CPUと演出用モータとの接続態様の変形例を示す図である。図15は、(A)は保持部材が保持位置にある状態、(B)は保持部材が保持解除位置にある状態を示す図である。
図3〜図6に示すように、第1演出ユニット300は、遊技盤2と該遊技盤2の背面側に設けられる演出表示装置5との間に設けられるベース部材301と、該ベース部材301に対し上下方向に移動可能に設けられた第1移動体302と、を有する。ベース部材301は、上辺部301a、左側辺部301b、右側辺部301c、下辺部301dにより四角枠状に形成され、各上辺部301a、左側辺部301b、右側辺部301c、下辺部301dが演出表示装置5の表示画面の各辺に沿うように配設され、中央の開口を介して演出表示装置5の表示画面を視認できるようになっている。
第1移動体302は、ベース部材301の背面における左側辺部301b及び右側辺部301cにそれぞれ設けられたガイド機構303L,303Rにより上下方向に移動案内される。また、左側辺部301b及び右側辺部301cには、第1移動体302を、上辺部301aの背面側に配置され、演出表示装置5の表示画面の上方に退避する第1退避位置(駆動初期位置)と、該第1退避位置よりも下方で左側辺部301b及び右側辺部301cの上下方向の略中央位置に配置される第1演出位置と、の間において往復移動させるための駆動機構304L,304Rが設けられている。また、上辺部301aには、第1移動体302を第1退避位置に保持するための保持機構305が設けられている。
尚、第1移動体302は、演出表示装置5の表示画面の上方に退避した第1退避位置において一部が前後に重畳するように配置されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1退避位置において演出表示装置5の表示画面の上方に前後に重畳しないようにしてもよい。また、第1演出位置において演出表示装置5の表示画面の上下方向の略中央位置に一部が前後に重畳するように配置されるが(図11参照)、本発明はこれに限定されるものではなく、第1演出位置において演出表示装置5の表示画面の上下方向の略中央位置以外の個所に少なくとも一部が前後に重畳するようにしてもよい。
また、第1移動体302は、特に詳細な図示はしないが、内部に前方に向けて光を照射可能な発光ダイオード(LED)等が設けられており、該発光ダイオードを発光させることにより発光演出を行うことが可能とされている。また、本実施例では、特に図示しないが、第1退避位置においても遊技者から視認可能とされているが、隠蔽部材等により遊技者から視認不能に隠蔽されてもよい。
次に、図7〜図9に基づいてガイド機構303L,303Rについて説明する。尚、左右のガイド機構303L,303Rは同様に構成されているため、ここでは右側のガイド機構303Rについてのみ説明し、左側のガイド機構303Lについての説明は省略する。
ガイド機構303Rは、左側辺部301bの背面に固定される上下方向を向くベースレール310と、ベースレール310に対し移動可能に設けられた移動レール311と、移動レール311に対し移動可能に設けられ第1移動体302が取り付けられる移動部材312と、後述する緩衝部材320L,320Rと、から主に構成される。尚、本実施例では、これらベースレール310、移動レール311及び移動部材312は全て金属材にて構成されているが、合成樹脂材等にて構成されていてもよい。
ベースレール310は、ベース部材301に複数のネジN1(図5及び図6参照)により固定される板状の固定ベース部310aと、固定ベース部310aの左右側縁から後側に向けて延出した外保持片310bと、により水平断面略コ字形状に形成され、左右の外保持片310bの間に移動レール311が設けられている。外保持片310bそれぞれの対向面には、湾曲形状の外溝310cが長手方向(上下方向)に延設されており、外保持片310bの外溝310cに球状の転動体314(例えば、ベアリング等)が嵌り込むよう構成されている。また、ベースレール310の上下端部には、移動レール311の上下端部からの逸脱を規制するための規制バー315a,315bが、左右の外保持片310b間に設けられている。
移動レール311は、固定ベース部310aに対向する板状の中間ベース部311aと、該中間ベース部311aの左右側縁から後側に延出し、固定ベース部310aの外保持片310bに対向する中保持片311bと、から構成され、中保持片311bには、転動体314の直径より小径の円形の保持孔311c(図9(B)参照)が複数形成されている。
外保持片310bと中保持片311bとは、転動体314の直径よりも小さい寸法で離間するよう配置され、中保持片311bの保持孔311cに臨ませた転動体314が外保持片310bの外溝310cに嵌り込むよう構成されており、これにより転動体314が中保持片311bの所定位置に回転可能な状態で保持されるとともに、転動体314の転動を伴いつつベースレール310に対し移動レール311がスライド移動するようになっている。また、中間ベース部311aの上下端縁からは、規制片316a,316bが後側にそれぞれ延出されている。
移動部材312は、移動レール311の中間ベース部311aに対向する取付ベース部312aと、該取付ベース部312aの左右側縁から前側に向けて対向延出する内保持片312bと、から断面略コ字形状に形成されており、該内保持片312bが移動レール311の左右の中保持片311bの間に移動可能に配設されている。内保持片312bの外側面には、湾曲形状の内溝312cが長手方向(上下方向)に延設されており、移動レール311における中保持片311bの保持孔311cに臨ませた転動体314が該内保持片312bの内溝312cに嵌り込むよう構成されている。また、移動部材312の背面には、第1移動体302の左右端部がネジN2を介して取り付けられる(図5及び図6参照)。
このように、ガイド機構303Rは、ベースレール310、移動レール311、移動部材312、転動体314にて主に構成され、図8(B)に示すように、ベースレール310に対し移動レール311は転動体314を介して非接触状態で移動可能に設けられ、移動レール311に対し移動部材312は転動体314を介して非接触状態で移動可能に設けられ、ベースレール310に対し移動部材312は転動体314を介して非接触状態で移動可能に設けられている。そして、転動体314は、ベースレール310と第1移動体302に一体に取り付けられる移動部材312とに当接している。
ここで、図9に基づいて、ガイド機構303Rの動作態様について説明する。図9に示すように、移動レール311は、上下長さがベースレール310の上下長さの約半分よりやや長めとされ、移動部材312は、上下長さが移動レール311の上下長さの約半分よりやや短めとされている。また、左側辺部301b及び右側辺部301cにおけるベースレール310の下端には、第1移動体302に当接して該第1移動体302が第1演出位置からさらに下方へ移動することを規制するとともに、第1移動体302を規制位置である第1演出位置にて移動規制する際の衝撃を緩和する緩衝部材320Rが設けられている。
図9(A)に示すように、第1移動体302が第1退避位置にある状態では、移動レール311はベースレール310の上端側に配置される。また、移動部材312は、移動レール311の上端側に配置される。そして、後述する駆動機構304Rにより第1移動体302が第1演出位置に向けて移動されると、移動部材312が下方に移動する。
図9(B)に示すように、移動部材312の内溝312cが下方へ移動することにより、転動体314が背面視時計回りに回転して外溝310cに対し転動するため、移動レール311がベースレール310に対し下方に移動する。
そして、図9(C)に示すように、第1移動体302が第1演出位置まで移動すると、移動レール311はベースレール310の下端側に配置される。また、移動部材312は、移動レール311の下端側に配置される。このように、ベースレール310に対し移動レール311が移動すると、転動体314の回転により移動レール311に対し移動部材312が移動する。つまり、移動部材312は、ベースレール310に対し、移動レール311より速い移動速度で移動する。
図10(A),(B)に示すように、緩衝部材320Rは、ベース部材301の右側辺部301cにおけるベースレール310の下方近傍位置に突設された支持板321の上面に、接着剤や接着シート等を介して取り付けられている。具体的には、緩衝部材320Rは、上面320aが規制バー315a,315bよりも上方に位置するとともに、第1移動体302の下面302aと、移動レール311の規制片316bと、に当接可能な位置に設けられている。
尚、緩衝部材320Rは、本実施例では、衝撃や衝突音を吸収可能な弾性部材の一例であるゴム材等にて構成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、衝撃を吸収できるものであれば上記ゴム材に限定されるものでなく、例えば、ウレタン材等の合成樹脂材等にて構成されていてもよい。また、緩衝材は、上記のような弾性部材等に限定されるものでなく、ダンパーやバネ部材等であってもよい。
図10(A)に示すように、本実施例では、第1移動体302が第1退避位置から下方へ移動する場合、第1演出位置にて移動規制される直前に、移動レール311の規制片316bの下面が緩衝部材320Rの上面320aに接触するようになっている。そして、規制片316bが緩衝部材320Rを押し潰しながら下方へ移動することにより移動レール311に対し第1移動体302が下方に移動し、該第1移動体302の下面302aが緩衝部材320Rの上面320aに接触する。これにより、第1移動体302の第1演出位置より下方への移動が規制される。
また、緩衝部材320Rはゴム材にて構成されていることで、下面302aが接触したときの衝撃が吸収されるので、大きな衝撃音の発生や、衝撃によるガイド機構303Rの破損等を抑制できる。また、第1移動体302だけに接触して移動を規制するだけでなく、第1移動体302より先に移動レール311が緩衝部材320Rに接触して移動規制されることで、緩衝部材320Rに接触する前に第1移動体302の移動速度が低下されるため、第1移動体302が緩衝部材320Rに接触する際の衝撃が抑制される。
図10(C)に示すように、緩衝部材320Rの上面320aにおける規制片316aとの当接面積E2は、緩衝部材320Rの上面320aにおける第1移動体302の下面302aとの当接面積E1よりも小さくなっている(E1>E2)ため、移動レール311に対する衝撃の負荷を軽減できるようになっている。つまり、緩衝部材320Rによる移動レール311の移動規制は、第1移動体302の緩衝部材320Rとの衝撃を緩和させるための補助的な役割を果たしている。
図10(D)に示すように、移動レール311は、緩衝部材320Rが支持板321から取れてしまう等何らかの要因でなくなってしまった場合でも、規制片316bが規制バー315bに当接することで、移動レール311のベースレール310の下端からの逸脱が防止される。よって、第1移動体302を第1演出位置で移動規制できなかった場合でも、規制バー315bに規制片316bが当接することで、第1移動体302の下方への移動が規制される。
すなわち、第1移動体302を規制位置である第1停止位置(第1演出位置)に停止させる第1停止部材としての緩衝部材320Rと、第1移動体302が第1停止位置に停止しないときに該第1停止位置よりも下方の第2停止位置(例えば、図10(D)に示すように、規制片316bが規制バー315bに当接する位置)に該第1移動体302を停止させる第2停止部材としての規制バー315bを備えていることで、第1移動体302が第1演出位置より下方へ移動し過ぎてしまうことを防ぐことができる。
また、特に図示しないが、移動部材312の取付ベース部312aの下端が、移動レール311の規制片316bにそれぞれ当接可能に設けられているため、例えば、規制片316bが規制バー315bに当接して移動レール311の下方位置への移動が規制された場合、移動が規制された移動レール311に対し移動部材312が下方に移動する可能性があるが、このような場合でも、移動部材312が規制片316bに当接することにより、移動レール311に対する移動部材312、つまり、第1移動体302の下方への移動が規制される。
尚、本実施例では、ベースレール310の下端近傍位置に設けられた規制バー315bに規制片316bが当接することで、第1移動体302の下方への移動、つまり、逸脱が規制されるとともに、ベースレール310の上端近傍位置に設けられた規制バー315aに規制片316aが当接することで、第1移動体302の上方への移動、つまり、逸脱が規制される。
次に、図3〜図6に基づいて、駆動機構304L,304Rについて説明する。まず、左側の駆動機構304Lは、第1駆動源としての演出用モータ330Lと、演出用モータ330Lの駆動軸330aに固着される第1ギヤ331Lと、第1ギヤ331Lに噛合する第2ギヤ332Lと、第2ギヤ332Lの前面側に一体的に設けられ、該第2ギヤ332Lと同心をなす上部プーリ333Lと、上部プーリ333Lの下方に設けられた下部プーリ334Lと、上部プーリ333Lと下部プーリ334Lとに掛け渡されたベルト335Lと、を有する。
第1ギヤ331Lは、第2ギヤ332Lの右斜め上方に配置される。また、第1ギヤ331L、第2ギヤ332L、上部プーリ333L及び下部プーリ334Lは、それぞれの回転軸が全て前後方向を向くように、左側辺部301bの背面におけるガイド機構303Lの左側方に設けられている。演出用モータ330Lは、駆動軸330aが後方を向くように左側辺部301bの前面上部に前面側から取り付けられている。つまり、ガイド機構303Lに対し前面側から取り付けられている。
また、上部プーリ333Lと下部プーリ334Lとに掛け渡されたベルト335Lにおけるガイド機構303L側の内側部335aの所定箇所には、第1移動体302の左側部が取り付けられている。詳しくは、第1移動体302の前面左側部と保持部材336Lとによりベルト335Lの所定箇所を前後から挟んで、保持部材336Lに取り付けたネジN3を第1移動体302の左側部に螺入することで、ベルト335Lの内側部335aの所定箇所に第1移動体302の左側部が取り付けられる。
右側の駆動機構304Rは、第2駆動源としての演出用モータ330Rと、演出用モータ330Rの駆動軸330aに固着される第1ギヤ331Rと、第1ギヤ331Rに噛合する第2ギヤ332Rと、第2ギヤ332Rの前面側に一体的に設けられ、該第2ギヤ332Rと同心をなす上部プーリ333Rと、上部プーリ333Rの下方に設けられた下部プーリ334Rと、上部プーリ333Rと下部プーリ334Rとに掛け渡されたベルト335Rと、を有する。
第1ギヤ331Rは、第2ギヤ332Rの左斜め上方に配置される。また、第1ギヤ331R、第2ギヤ332R、上部プーリ333R及び下部プーリ334Rは、それぞれの回転軸が全て前後方向を向くように、右側辺部301cの背面におけるガイド機構303Rの右側方に設けられている。演出用モータ330Rは、駆動軸330aが前方を向くように右側辺部301cの前面上部に背面側から取り付けられている。つまり、ガイド機構303Rに対し背面側から取り付けられている。
また、上部プーリ333Rと下部プーリ334Rとに掛け渡されたベルト335Rにおけるガイド機構303R側の内側部335aの所定箇所には、第1移動体302の右側部が取り付けられている。詳しくは、第1移動体302の前面右側部と保持部材336Rとによりベルト335Rの所定箇所を前後から挟んで、保持部材336Rに取り付けたネジN3を第1移動体302の右側部に螺入することで、ベルト335Rの内側部335aの所定箇所に第1移動体302の右側部が取り付けられる。
このように、駆動機構304L,304Rは、第1ギヤ331L,331R、第2ギヤ332L,332R、上部プーリ333L,333R及び下部プーリ334L,334R、ベルト335L,335R等、同一の駆動機構(動力伝達機構)を有するとともに、第1移動体302の左右側にそれぞれ背面視で左右対称をなすように並設されている(図3参照)。また、演出用モータ330Lは、駆動機構304Lに対し駆動軸330aを第1方向(後方)に向けて前側から取付けられ、演出用モータ330Rは、駆動機構304Rに対し駆動軸330aを第1方向とは反対側の第2方向(前方)に向けて後側から取付けられている。そして、第1移動体302の左右端部は、ベルト335L,335Rそれぞれの内側部335aに取り付けられている。
よって、図11(A)に示すように、例えば、第1移動体302を第1退避位置から第1演出位置へ移動させる場合、左側のベルト335Lは第1回転方向(時計回り)、右側のベルト335Rは第2回転方向(反時計回り)に回転させる必要がある。つまり、左側の第1ギヤ331Lは第2回転方向(反時計回り)に回転させ、右側の第1ギヤ331Rは、第1ギヤ331Lとは反対側の第1回転方向(時計回り)に回転させることになる。
しかし、左側の演出用モータ330Lは、駆動軸330aが第1ギヤ331Lに対し前側から取り付けられているのに対し、右側の演出用モータ330Rは、駆動軸330aが第1ギヤ331Rに対し後側から取り付けられていることにより、正面から見た場合、左右の駆動軸330aの回転方向は逆となるが、演出用モータ330L,330Rそれぞれにおけるモータ本体に対する駆動軸330aの回転方向は同じとなる。よって、演出制御用CPU120は、同一の励磁パターンに基づいて演出用モータ330L,330Rの駆動制御を行うことが可能となる。
具体的に説明すると、図12は、演出用モータ330L,330Rの構成を示す図である。演出用モータ330L,330Rは、例えば、例えばステッピングモータであり、ステータ330cと、これに対向するロータ330bとで構成されている。尚、ロータ330bは、図示しない多数の歯車状突極を有し、これに回転軸と同方向に磁化された永久磁石が組み込まれている。演出用モータ330L,330Rは、演出制御用CPU120の制御に基づき、ドライバIC340A,340Bから出力されるパルス信号を受け、ステータ330cの各励磁相φ1〜φ4が所定の手順に従って励磁されることにより、1パルスを受信する度に所定の角度(1ステップ)ずつロータ330bを回転させる。
図12(B)は、演出用モータ330L,330Rの第1回転方向へ回転させるときの制御方法を示すタイミングチャート、図12(C)は、演出用モータ330L,330Rの第2回転方向へ回転させるときの制御方法を示すタイミングチャートである。図において、φ1〜φ4は、各励磁相を示し、「ON」は励磁状態を、「OFF」は消磁状態を、各々示す。図13は、演出制御用CPUと演出用モータとの接続状況を示す図である。図14は、変形例としての演出制御用CPUと演出用モータとの接続状況を示す図である。
図12(B)に示すように、演出制御用CPU120は、演出用モータ330L,330Rの第1回転方向へ回転させるときにおいては、φ1→φ2→φ3→φ4の順に次の相と1パルスずつずらしながら2相を同時に励磁する。また、図12(C)に示すように、演出制御用CPU120は、演出用モータ330L,330Rの第2回転方向へ回転させるときにおいては、φ4→φ3→φ2→φ1の順に次の相と1パルスずつずらしながら2相を同時に励磁する。
図13に示すように、本実施例では、演出制御用CPU120の出力ポート341A,341Bそれぞれに、ドライバIC340A,340Bを介して演出用モータ330L,330Rが配線接続されている。
第1移動体302を上方へ移動させる場合、演出制御用CPU120は、モータの励磁パターンデータ(例えば、図12(B)に示すように第1回転方向へ回転させるためのデータ)をデータROMから読み出してデータRAM等に一時記憶させることなどにより展開させ、ドライバIC340A,340Bに対し励磁パターン(パルス信号)を出力する。また、第1移動体302を下方へ移動させる場合、演出制御用CPU120は、モータの励磁パターンデータ(例えば、図12(C)に示すように第2回転方向へ回転させるためのデータ)をデータROMから読み出してデータRAM等に一時記憶させることなどにより展開させ、ドライバIC340A,340Bに対し励磁パターン(パルス信号)を出力する。
すなわち、演出制御用CPU120は、第1移動体302を上方または下方へ移動させる場合、左右の演出用モータ330L,330Rを同一の励磁パターンデータに基づいて制御すればよいため、制御負荷を軽減できる。また、左右の演出用モータ330L,330R各々を逆方向に駆動させたいときは、異なる励磁パターンデータに基づいて制御すればよい。
また、本実施例では、図13に示すように、演出制御用CPU120の出力ポート341A,341Bそれぞれに、ドライバIC340A,340Bを介して演出用モータ330L,330Rが配線接続されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御用CPU120の一の出力ポート341AにドライバIC340Aを介して演出用モータ330Lが接続され、出力ポート341AとドライバIC340Aとの配線から分岐してされた配線にドライバIC340Bと演出用モータ330Rとを接続するようにしてもよい。この場合、一の励磁パターンデータに基づいて左右の演出用モータ330L,330Rの駆動軸330aを同一方向に回転させることが可能となるだけでなく、出力ポート及び配線数を減らすことができる。
図5及び図15に示すように、第1移動体302は、第1退避位置において、保持機構305により該第1退避位置に保持されるようになっている。第1移動体302の上辺部の中央よりやや右側には、保持部306が突出されている。保持部306の前面には、保持凹部306aが形成されている。
保持機構305は、ベース部材301の上辺部301aの前面に取り付けられたソレノイド307と、ソレノイド307の本体に対し伸縮可能に設けられたプランジャ307aの先端に取り付けられた保持部材308と、から構成される。保持部材308は、非通電状態において該プランジャ307aの外周に設けられた圧縮バネ307bにより後方の保持位置(図15(A)参照)に向けて付勢され、通電状態において圧縮バネ307bの付勢力に抗して前方の保持解除位置(図15(B)参照)へ移動されるようになっている。
保持部材308が保持位置にあるとき、保持部材308の先端が保持凹部306aに挿入され、保持凹部306aが保持部材308の先端にて係止される。よって、演出用モータ330L,330Rを非通電状態としても、第1移動体302を第1退避位置に保持することができる。また、ソレノイド307を通電状態とすることで、保持部材308が保持位置から保持解除位置へ退避して係止状態が解除されるため、第1移動体302は下方へ移動可能となる。
このように第1移動体302は、第1退避位置において、保持機構305により該第1退避位置に保持されるようになっていることで、第1退避位置において演出用モータ330L,330R等を非通電状態としても該第1退避位置に保持しておくことができる。また、ソレノイド307は非通電状態で保持状態になるので、第1移動体302を第1退避位置に保持する際に電力が不要であるため電力の消費を低減することができるとともに、ソレノイド307の温度上昇を抑制することができる。さらに、ソレノイド307は、第1移動体302を落下させるときに通電状態とし、落下した後は直ちに非通電状態へ戻るようにしているため、ソレノイド307の温度上昇を抑制することができる。
以上説明してきたように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、ベース部材301に設けられたベースレール310と、ベースレール310に対し移動可能に設けられた移動レール311と、移動レール311に対し移動可能に設けられた第1移動体302と、第1移動体302を規制位置である第1演出位置にて移動規制する際の衝撃を緩和する緩衝部材320L,320Rと、を備え、緩衝部材320L,320Rは、少なくとも移動レール311の規制片316bの下面が緩衝部材320Rの上面320aに接触するようになっている。
このようにすることで、第1移動体302を移動案内する移動レール311が衝撃により破損したり摩耗することを抑制できる。また、本実施例では、緩衝部材320L,320Rに第1移動体302の下面302aと移動レール311の規制片316bの下面の双方が当接して下方への移動が規制されるようになっていることで、衝撃が分散化されるため、第1移動体302や移動レール311の破損等を防止できる。
尚、本実施例では、第1演出位置において、第1移動体302及び移動レール311双方が緩衝部材320L,320Rに当接することで下方への移動が規制されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも移動レール311のみが緩衝部材320L,320Rに当接することで下方への移動が規制されるようになっていればよい。このように、第1移動体302を移動案内するガイド機構303L,303Rの一部を構成する移動レール311が緩衝部材320L,320Rに当接することで下方への移動が規制されるようにすることで、第1移動体302を緩衝部材320L,320Rに当接させることで下方への移動を規制する場合に比べ、第1移動体302が衝撃により破損すること等を抑制できる。
また、移動レール311を緩衝部材320L,320Rに当接させない場合、第1移動体302が緩衝部材320L,320Rに当接したときに移動レール311に対し下方に向けた慣性力が作用することで、転動体314等の他の部材に移動レール311を移動規制するための負荷がかかるが、移動レール311を緩衝部材320L,320Rに当接させて移動を規制することで、このような負荷が他の部材にかかることを抑制できる。
尚、本実施例では、移動レール311の規制片316bの下面が緩衝部材320L,320Rの上面320aに当接した後、第1移動体302の下面302aが緩衝部材320L,320Rの上面320aに当接するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1移動体302の下面302aが緩衝部材320L,320Rの上面320aに当接した後、移動レール311の規制片316bの下面が緩衝部材320L,320Rの上面320aに当接するようにしてもよいし、第1移動体302の下面302aと移動レール311の規制片316bの下面とがほぼ同時に緩衝部材320L,320Rの上面320aに当接するようにしてもよい。
また、本実施例では、移動レール311の規制片316bの下面と第1移動体302の下面302a双方が一の緩衝部材320L,320Rに当接するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、移動レール311の規制片316bの下面と第1移動体302の下面302aとがそれぞれ別個に設けられた緩衝部材に当接するようにしてもよく、このようにすることで、一方の衝撃が他方に伝達されないので、衝撃を抑制しやすくなる。
また、本実施例では、移動レール311の規制片316bの下面が緩衝部材320L,320Rに当接したときに第1移動体302の下面302aは緩衝部材320L,320Rに当接しないが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図10(A)中2点鎖線で示すように、移動レール311の規制片316bの下面が緩衝部材320L,320Rに当接したときに第1移動体302の下面302aが緩衝部材320L,320Rの上面320aに形成された凸部320Tに当接するようにしてもよい。
また、本実施例では、ガイド機構303L,303Rは、ベースレール310、移動レール311及び移動部材312にて構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ベースレール310に対し移動可能に設けられた移動レール311は1つのみでなく、複数有していてもよい。このような場合、複数のうち少なくとも一の移動レールが緩衝部に当接することで移動規制されるようになっていればよい。
また、本実施例では、移動レール311の規制片316bの下面が緩衝部材320L,320Rに当接するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、移動レール311の下端以外の個所(例えば、下端以外に設けられた規制片など)が緩衝部材320L,320Rに当接するようにしてもよい。
また、本実施例では、緩衝部材320L,320Rはベース部材301に取り付けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、緩衝部材320L,320Rはベースレール310等に設けられていてもよい。
また、本実施例では、第1移動体302は、移動レール311に対し移動可能に設けられた移動部材312に取り付けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、移動部材312を介すことなく、移動レール311に対し第1移動体302の左右端部が直接移動可能に設けられていてもよい。
また、移動レール311には転動体314が設けられ、該転動体314はベースレール310と第1移動体302とに当接することで、ベースレール310に対する移動レール311の移動及び移動レール311に対する第1移動体302の移動双方が円滑に行われる。
尚、本実施例では、転動体の一例として、球状のベアリングを適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ローラ等が適用されていてもよい。また、本実施例では、転動体314は移動レール311の保持孔311cに回転可能に保持され、ベースレール310と第1移動体302とに当接するように設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、外保持片310bと中保持片311bとの間と、中保持片311bと内保持片312bとの間とにそれぞれ別個の転動体を設け、ベースレール310に対し移動レール311を移動可能、かつ、移動レール311に対し第1移動体302を移動可能としてもよい。
さらに、本実施例では、移動レール311と移動部材312とが転動体314を介してベースレール310に対し移動可能に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、このような転動体を介すことなく、例えば、摺動により移動案内されるように移動可能に設けられていてもよい。
また、移動レール311における移動方向(上下方向)の両端には、ベースレール310に設けられた規制バー315a,315bに当接することで第1移動体302の逸脱を規制する移動体逸脱規制部としての規制片316a,316bが設けられていることで、第1移動体302の移動レール311からの逸脱を防止することができる。
尚、本実施例では、第1移動体302の逸脱を規制する移動体逸脱規制部として、移動レール311に設けられた規制片316a,316bが適用されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1移動体302の逸脱を規制する移動体逸脱規制部は、例えば、規制バー315a,315bやベース部材301など、移動レール311以外に設けられていてもよい。
また、ベースレール310における移動方向(上下方向)の両端には、移動レール311の下端に当接して該移動レール311の逸脱を規制する移動レール逸脱規制部としての規制バー315a,315bが設けられていることで、移動レール311のベースレール310からの逸脱を防止することができる。
尚、本実施例では、移動レール311の逸脱を規制する移動レール逸脱規制部として、ベースレール310に設けられた規制バー315a,315bが適用されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、移動レール311の逸脱を規制する移動レール逸脱規制部は、例えば、ベース部材301などベースレール310以外に設けられていてもよい。
また、第1移動体302を第1停止位置(第1演出位置)に停止させる第1停止部としての緩衝部材320L,320Rと、第1移動体302が第1停止位置に停止しないときに該第1演出位置よりも下方の第2停止位置に、該第1移動体302を停止させる第2停止部としての規制バー315a,315bと、を備えることで、第1移動体302を第1停止位置に停止させることができなくても、規制バー315a,315bにより第2停止位置に第1移動体302を停止させることができるので、第1移動体302が移動しすぎてしまうことを防ぐことができる。
尚、本実施例では、第1停止部が緩衝部材320L,320Rとされ、第2停止部が規制バー315a,315bとされていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2停止部は規制バー315a,315bのように移動レール311に当接して移動を規制するものに限らず、例えば、ベース部材301等に設けられ、第2停止位置において第1移動体302に直接当接して移動を規制する部材としてもよい。
また、緩衝部としての緩衝部材320L,320Rは、第1移動体302と当接し、第1移動体302と緩衝部材320L,320Rとの当接面積E1は、移動レール311と緩衝部材320L,320Rとの当接面積E2よりも大きい(E1>E2、図10(C)参照)ことで、移動レール311に対する衝撃の負荷を軽減できる。
尚、本実施例では、第1移動体302と緩衝部材320L,320Rとの当接面積E1は、移動レール311と緩衝部材320L,320Rとの当接面積E2よりも大きくなっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、当接面積E1は当接面積E2よりも小さくてもよいし(E1<E2)、当接面積E1と当接面積E2とは同じであってもよい。
また、ベースレール310、移動レール311及び緩衝部材320L,320Rからなる複数の案内手段としてのガイド機構303L,303Rを左右に備え、第1移動体302は、複数のガイド機構303L,303R各々に支持されていることで、第1移動体302を安定して支持できる。また、第1演出位置において、左右側の移動レール311が緩衝部材320L,320Rに当接して移動が規制されるので、第1移動体302が重量を有している場合でも、安定して第1演出位置にて支持することができる。
また、本実施例としてのパチンコ遊技機1は、第1駆動源としての演出用モータ330Lにより移動する第1移動部としての第1移動体302の左側部分と、第2駆動源としての演出用モータ330Rにより移動する第2移動部としての第1移動体302の右側部分と、演出用モータ330Lの動力を第1移動体302の左側部分に伝達する第1動力伝達手段としての駆動機構304Lと、演出用モータ330Rの動力を第1移動体302の右側部分に伝達する第2動力伝達手段としての駆動機構304Rと、演出用モータ330L,330Rの制御を行う駆動制御手段としての演出制御用CPU120及びドライバIC340A,340Bと、を備え、演出制御用CPU120及びドライバIC340A,340Bは、第1移動体302の左右側を移動させるとき、演出用モータ330L,330Rとを同一励磁パターンデータに基づいて制御することにより、第1移動体302の左右側を移動させることができるため、演出制御用CPU120及びドライバIC340A,340Bの制御負荷を軽減できる。
本実施例では、図11に示すように、第1移動体302の左右端部は、左右のベルト335L,335Rにおける内側部335aに取り付けられていたため、第1移動体302を上方または下方に移動させる場合、正面視において、左右のベルト335L,335Rを逆方向に回転させる必要がある。
ここで、第1移動体302の左右端部を左右のベルト335L,335Rにおける外側部に取り付けても、第1移動体302を上方または下方に移動させる場合、正面視において、左右のベルト335L,335Rを逆方向に回転させる必要があるが、第1移動体302の左右端部を、内側部335aを跨ぐようにして外側部に取り付ける必要があるので、第1移動体302が大型化してしまう。
また、例えば、第1移動体302の左端部を左のベルト335Lにおける内側部335aに取り付け、第1移動体302の右端部を右のベルト335Rにおける外側部に取り付けると、第1移動体302を上方または下方に移動させる場合、正面視において、左右のベルト335L,335Rを逆方向に回転させる必要はないが、第1移動体302の左右の形状が異なりバランスが悪くなるので、横長の第1移動体302を同じモータで上下動させるときに傾き等が生じやすくなるといった虞がある。
よって、本実施例のように、第1移動体302の左右端部は、左右のベルト335L,335Rにおける内側部335aに取り付けることが好ましいが、上記のように、左右のベルト335L,335Rを逆方向に回転させる必要があるため、左右の演出用モータ330L,330Rを前側または後側から同じ向きで取り付けると、演出制御用CPU120は、第1移動体302を上方または左右に移動する際に、左右の演出用モータ330L,330Rをそれぞれ逆向きに回転させる必要があるため、演出用モータ330L,330Rの駆動制御負荷がかかる。
よって、本実施例のように、左右の演出用モータ330L,330Rを駆動軸330aの向きが逆(反対)になるように設けることで、上記したように、同一の励磁パターンデータに基づいて左右の演出用モータ330L,330Rの駆動を制御することができる。
尚、同一の励磁パターンデータ(駆動制御パターン)とは、例えば、駆動源である演出用モータ330L,330Rの駆動軸330aの回転方向だけでなく、回転速度、回転角度(ステップ数など)、停止位置等、種々の要素の全てが同一であることが好ましい。
また、本実施例では、左右の駆動機構304L,304Rにより、第1移動体302の左右端部をそれぞれ支持して上下動させることができるようになっており、演出制御用CPU120は、第1移動体302を上下動させる駆動制御に関して、全て同一の励磁パターンデータ(駆動制御パターン)に基づいて制御できるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1移動体302の左右端部をベルト335L,335Rの内側部335aに対しそれぞれ前後方向を向く回動軸を中心として回動可能に設けて第1移動体302を左右に傾けることができるようにし、左右の演出用モータ330L,330Rをそれぞれ逆駆動(逆回転)、つまり、異なる励磁パターンデータ(駆動制御パターン)に基づいて制御できるようにすることで、例えば、第1移動体302の左右端部のうち一方を上昇させながら他方を下降させるといった動作を可能としてもよい。
また、本実施例では、左右の駆動機構304L,304Rは、第1移動体302の左右側に左右対称に配設されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御用CPU120が左右の演出用モータ330L,330Rを同一の励磁パターンデータ(駆動制御パターン)に基づいて制御できるようになっていれば、駆動機構304L,304Rの配設態様等は種々に変更可能である。
また、本実施例では、演出制御用CPU120が演出用モータ330L,330Rを同一の励磁パターンデータ(駆動制御パターン)に基づいて制御することで、第1移動体302を上方または下方に移動させることができるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、移動体が第1演出用モータにより駆動する第1移動体と、第2演出用モータにより駆動する第1移動体とは別個の第2移動体と、を有している場合において、演出制御用CPU120が、第1演出用モータ、第2演出用モータを同一の励磁パターンデータ(駆動制御パターン)に基づいて駆動制御したときに、第1移動体と第2移動体とがそれぞれ逆駆動(例えば、第1移動体が上昇し、第2移動体が下降する等)するようにしてもよい。
また、本実施例では、駆動機構304L,304Rは、演出用モータ330L,330R、第1ギヤ331L,331R、第2ギヤ332L,332R、上部プーリ333L,333R、下部プーリ334L,334R、ベルト335L,335Rにて主に構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、駆動源を用いて移動体を移動させることが可能な駆動機構であれば、例えば、ピニオンギヤとラックギヤとからなる駆動機構や、回動アームを有する駆動機構等であってもよい。
また、駆動源の一例として、ステッピングモータである演出用モータ330L,330Rが適用されていたが、ステッピングモータ以外のモータや、ソレノイド等の駆動源等も含む。
また、本実施例では、第1移動体302を上方または下方へ移動させる場合、演出制御用CPU120は、モータの励磁パターンデータ(例えば、図12(B)(C)等参照)をデータROMから読み出してデータRAM等に一時記憶させることなどにより展開させ、ドライバIC340A,340Bに対し励磁パターン(パルス信号)を出力することで演出用モータ330L,330Rを駆動させていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ドライバIC340A,340Bが、演出制御用CPU120からの指令に基づいて、モータの励磁パターンデータをデータROMから読み出してデータRAM等に一時記憶させることなどにより展開させ、演出用モータ330L,330Rにパルス信号を出力して駆動させるようにしてもよい。このようにすることで、モータの駆動制御以外の演出を制御する演出制御用CPU120の制御負荷を軽減させることができる。
また、本実施例では、第1移動部を移動させる第1駆動源及び第2移動部を移動させる第2駆動源の制御を行う駆動制御手段の一例として演出制御用CPU120を記載したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、主基板11に接続された第1駆動源及び第2駆動源の制御を行うCPU103を適用してもよい。
また、本実施例では、第1動力伝達手段(駆動機構304L)や第2動力伝達手段(駆動機構304R)は、演出用モータ330L,330Rの駆動軸330aや、第1ギヤ331L,331R、第2ギヤ332L,332R、上部プーリ333L,333R、下部プーリ334L,334Rそれぞれの回動軸が前後方向を向くように、第1移動体302の左右側に並設されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1動力伝達手段や第2動力伝達手段は、駆動軸330aやギヤ、プーリ等の回動軸が左右方向や斜め方向を向くように設けられていてもよい。また、第1移動体302の上下に並設されていてもよい。
また、駆動機構304Lと駆動機構304Rとは同一の動力伝達構造を有するとともに互いに並設され、演出用モータ330Lは、駆動機構304Lに対し駆動軸330aを第1方向である後側に向けて取付けられ、演出用モータ330Rは、駆動機構304Rに対し駆動軸330aを第1方向とは反対側の第2方向である前側に向けて取付けられることで、演出用モータ330Lと演出用モータ330Rとを同一の励磁パターンデータに基づいて駆動させることにより、演出用モータ330Lの駆動軸330aと演出用モータ330Rの駆動軸330aとが互いに逆方向に駆動するため、第1移動体302の左右側を同方向へ移動させることができる。
また、演出用モータ330Lを駆動させる第1ドライバICとしてのドライバIC340Aと、演出用モータ330Rを駆動させる第2ドライバICとしてのドライバIC340Bと、を備え、演出制御用CPU120からドライバIC340Aへの配線と、演出制御用CPU120からドライバIC340Bへの配線と、は別系統の配線とされていることで、2つの演出用モータ330L,330Rを同一の励磁パターンデータに基づいて駆動させることができるため、演出制御用CPU120の制御負荷を軽減できる。
また、演出用モータ330Lを駆動させる第1ドライバICとしてのドライバIC340Aと、演出用モータ330Rを駆動させる第2ドライバICとしてのドライバIC340Bと、を備え、演出制御用CPU120からドライバIC340Bへの配線は、演出制御用CPU120からドライバIC340Bへの配線から分岐していることで、2つの演出用モータ330L,330Rを同一の励磁パターンデータに基づいて駆動させることができるため、演出制御用CPU120の制御負荷を軽減できるとともに、出力ポート及び配線数を減らすことができる。
また、本実施例では、第1移動体302は、第1退避位置とその下方の第1演出位置との間で上下方向に移動可能に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、移動体は、左右方向に移動可能に設けられていてもよいし、斜め上下、斜め左右方向に移動可能に設けられていてもよい。また、第1移動体302は、第1退避位置と第1演出位置とに移動可能に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも規制位置において移動が規制されるようになっていればよい。
次に、図16〜図26に基づいて、第2演出ユニット400について説明する。図16は、第2演出ユニットを示す正面図である。図17は、第2演出ユニットを斜め前から見た状態を示す斜視図である。図18は、第2演出ユニットの構成を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図19は、第2演出ユニットの構成を斜め後から見た状態を示す分解斜視図である。図20は、(A)は駆動機構を示す平面図、(B)は駆動機構を示す底面図である。図21は、第2移動体が第2退避位置に配置された状態を示す正面図である。図22は、第2移動体が第2退避位置から第1移動範囲内を移動する状態を示す正面図である。図23は、第2移動体が第2移動範囲内を移動する状態を示す正面図である。図24は、第2移動体が第3移動範囲内を移動する状態を示す正面図である。図25は、第2演出位置に配置された状態を示す正面図である。図26は、(A)は左右の第2可動体が合体した状態を示す要部拡大正面図、(B)は変形例を示す図である。
図16〜図20に示すように、第2演出ユニット400は、遊技盤2と該遊技盤2の背面側に設けられる演出表示装置5との間に設けられるベース部材401と、該ベース部材401に対し左右方向にスライド移動可能に設けられた第2移動体402L,402Rと、を有する。ベース部材401は、上辺部401a、左側辺部401b、右側辺部401c、下辺部401dにより四角枠状に形成され、各上辺部401a、左側辺部401b、右側辺部401c、下辺部401dが演出表示装置5の表示画面の各辺に沿うように配設され、中央の開口を介して演出表示装置5の表示画面を視認できるようになっている。
尚、本実施例では、第2演出ユニット400は、第1演出ユニット300の背面側に前後方向に重畳するように設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1演出ユニット300の前面側に前後方向に重畳するように設けられていてもよい。
第2移動体402L,402Rは、ベース部材401の背面における上辺部401aに設けられたガイド機構403L,403Rにより左右方向に移動案内される。また、上辺部401aには、第2移動体402L,402Rを、左側辺部401b及び右側辺部401cの前面側に配置される第2退避位置(駆動初期位置、図16,図17中実線位置参照)と、該第2退避位置より内側に配置されて正面視円形をなす一の装飾部を構成する第2演出位置(図16,図17中2点鎖線位置参照)と、の間において往復移動させるための駆動機構404L,404Rが設けられている。
尚、第2移動体402L,402Rは、第2退避位置において演出表示装置5の表示画面の左右側に一部が前後に重畳するように配置されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2退避位置において演出表示装置5の表示画面の左右側方に前後に重畳しないように配置されていてもよい。また、第2演出位置において演出表示装置5の表示画面の左右側に一部が前後に重畳するように配置されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2演出位置において演出表示装置5の表示画面の左右側以外の個所に一部が前後に重畳するように配置されるようにしてもよい。
ガイド機構403L,403Rは、上辺部401aの背面に左右方向に向けて互いに並設されたベースレール410と、ベースレール410に対しスライド移動可能に設けられた移動レール411と、から主に構成される。尚、本実施例では、これらベースレール410と移動レール411とは全て金属材にて構成されているが、合成樹脂材にて構成されていてもよい。また、ガイド機構403L,403Rは、前述したガイド機構303L,303Rと同様に構成してもよい。
駆動機構404L,404Rについて説明する。駆動機構404L,404Rは、演出用モータ430L,430Rと、演出用モータ430L,430Rの駆動軸430aに固着されるピニオンギヤ431L,431Rと、ピニオンギヤ431L,431Rに噛合するラックギヤ432L,432Rと、を有している。演出用モータ430L,430Rは、ベース部材401の上辺部401aの背面に水平に固設された取付板433に、駆動軸430aが下方を向くように互いに左右に並設されている。ラックギヤ432L,432Rは、ネジN10により左右の移動レール411の背面に取り付けられているため、ガイド機構403L,403Rにより左右方向に移動案内される。
第2移動体402L,402Rは、正面視円弧状をなす板状に形成される第1可動体440L,440Rと、正面視円弧状をなす板状に形成され、該第1可動体440L,440Rに対し揺動可能に設けられた第2可動体441L,441Rと、から構成される。
第1可動体440L,440Rは、ベース板440aと、該ベース板440aの前面側に設けられるカバー板440bと、から構成され、ベース板440aと透光性を有するカバー板440bとの間には、特に詳細な図示はしないが、前方に向けて光を照射可能な発光ダイオード(LED)等が設けられており、該発光ダイオードを発光させることにより発光ダイオードからの光がカバー板440bを透して前方に出射されるようになっている。
第2可動体441L,441Rは、ベース板441aと、該ベース板441aの前面側に設けられるカバー板441bと、から構成され、ベース板441aと透光性を有するカバー板441bとの間には、特に詳細な図示はしないが、前方に向けて光を照射可能な発光ダイオード(LED)等が設けられており、該発光ダイオードを発光させることにより発光ダイオードからの光がカバー板441bを透して前方に出射されるようになっている。
第1可動体440L,440Rそれぞれのベース板440aにおける下端の外側角部には回動軸443が前側に向けて突設されおり、該回動軸443は、第2可動体441L,441Rそれぞれのベース板441aにおける上端の外側角部に形成された軸受孔444に挿通されている。よって、第2可動体441L,441Rは、第1可動体440L,440Rの下方位置に該第1可動体440L,440Rに対し前後方向を向く回動軸443を中心として回動可能に設けられている。
詳しくは、第1可動体440L,440Rと第2可動体441L,441Rとは、正面視でほぼ同様の曲率を有する円弧状に形成されている。そして、第2可動体441L,441Rは、第1可動体440L,440Rの下辺に対し上辺が離れ、第1可動体440L,440Rと第2可動体441L,441Rとにより略半円弧形状をなさない離間位置(図21参照)と、第1可動体440L,440Rの下辺に対し上辺が当接または近接し、第1可動体440L,440Rと第2可動体441L,441Rとにより略半円弧形状をなす当接位置(図24参照)と、の間で回動可能とされている。
また、第1可動体440L,440Rそれぞれのベース板440aは、背面上部に左右一対のボス442が突設されており、該ボス442は、ベース部材401の上辺部401aに左右方向に向けて水平に延設された長溝444L,444Rに挿入されている。長溝444L,444Rに挿入されベース部材401の背面側に臨んだボス442の背面には、ラックギヤ432L,432Rに取り付けたネジN11が螺入され、ベース板440aはラックギヤ432L,432Rに一体に取り付けられる。よって、第1可動体440L,440Rは、演出用モータ430L,430Rによりラックギヤ432L,432Rが移動されることにより左右方向に移動する。
また、第1可動体440L,440Rそれぞれのベース板440aの背面上部には、正面視略三角形状の連結板450L,450Rの内側の角部が、前後方向を向く回動軸446を介して回動可能に支持されている。また、連結板450L,450Rの下側の角部には、回動軸451を介して連結アーム445L,445Rの上端が回動可能に支持されている。連結アーム445L,445Rは、図18,図19及び図21に示すように、第1可動体440L,440Rに沿うように下方に向けて延設されており、下端は、前後方向を向く回動軸447を介して第2可動体441L,441Rのベース板441aの背面上部における回動軸443の近傍位置に回動可能に軸支されている。
また、連結板450L,450Rの背面上部における回動軸446の側方位置には被案内部としての案内軸448が突設されている。案内軸448は、ベース部材401の上辺部401aの左右側にそれぞれ形成された案内部としての案内溝470L,470Rに挿入されている。
また、第1可動体440L,440Rそれぞれのベース板440aの背面下部には、連結軸460が突設されており、該連結軸460は、ベース部材401の左側辺部401bの上部に前後方向を向く支持軸461を介して上端が軸支されたガイドアーム462L,462Rの下部に形成された長溝463に挿入されている。ガイドアーム462L,462Rは、上部がラックギヤ432L,432Rに支持された第1可動体440L,440Rの下部の前後方向への揺動を規制する補助部材である。
以下、案内溝470L,470Rの詳細を図21に基づいて説明する。尚、案内溝470L,470Rは左右対称に形成されているため、ここでは右側の案内溝470Rについて説明し、左側の案内溝470Lについての説明は省略する。
図21に示すように、案内溝470Rは、左右方向、つまり、第2移動体402Rの移動方向に向けて延設され、第2移動体402Rのボス442を移動案内する長溝444Rと略平行、つまり、略水平をなすように形成されている。
案内溝470Rは、右側端部から左方向に略水平に延設される直線状の第1案内部470aと、第1案内部470aの左側端部から左方向に向けて上方に傾斜するように延設される直線状の第2案内部470bと、第2案内部470bの左側端部から左方向に略水平に延設される直線状の第3案内部470cと、から構成されている。尚、本実施例では、第2案内部470bは、第1案内部470a及び第3案内部470cよりも左右方向の長さ寸法が長寸とされている。
このように、第1可動体440Rを含む第2移動体402Rの移動方向(左右方向)に対する第1案内部470aの傾斜角度(傾斜角度は約0度)は、第1可動体440Rを含む第2移動体402Rの移動方向(左右方向)に対する第2案内部470bの傾斜角度(傾斜角度は約10度)より小さくなっている。また、第1可動体440Rを含む第2移動体402Rの移動方向(左右方向)に対する第3案内部470cの傾斜角度(傾斜角度は約0度)は、第1可動体440Rを含む第2移動体402Rの移動方向(左右方向)に対する第2案内部470bの傾斜角度(傾斜角度は約10度)より小さくなっている。
第2移動体402Rが第2退避位置にあるとき、左右一対のボス442のうち右側のボスは長溝444Rの右端部に当接し、右方向への移動が規制されている。そして、連結板450Rを軸支する回動軸446は第2案内部470bの右端部付近の前側に位置し、案内軸448は回動軸446の右側方の第1案内部470aの右端部近傍に位置し、連結アーム445Rを軸支する回動軸451は、回動軸446の右斜め下方に位置している。また、第2可動体441Rは、連結アーム445Rにより上部左側が下方に押し下げられることにより、離間位置に配置されている。
ここで、演出用モータ430Rによりピニオンギヤ431Rが回転してラックギヤ432Rを左側に移動されると、これに伴い、ラックギヤ432Rに取り付けられている第1可動体440Rと、該第1可動体440Rに取り付けられている第2可動体441Rとからなる第2移動体402Rが、第2退避位置から左側へ移動を開始する。
図22に示すように、案内軸448が第1案内部470aの右側端部の近傍から左側端部まで移動する間、つまり、第2移動体402Rが第2退避位置から第1移動範囲P1を移動する間においては、回動軸446に対する案内軸448の位置関係に変化はないため、第2移動体402Rは、第1可動体440Rに対し第2可動体441Rが離間位置に配置された状態のまま、左側に向けてスライド移動する。
図23に示すように、案内軸448が第1案内部470aから第2案内部470bに差し掛かり、該第2案内部470bを移動する間、つまり、第2移動体402Rが第1移動範囲P1より第2演出位置側の第2移動範囲P2を移動する間においては、回動軸446に対する案内軸448が、該回動軸446を中心とする円弧に沿って上方に移動する。これにより、第2移動体402Rは、第1可動体440Rに対し第2可動体441Rが離間位置から当接位置へ向けて回動しながら、左側に向けてスライド移動する。つまり、第1可動体440Rの移動に応じて案内軸448が案内溝470L,470Rにより移動案内されることで、第1可動体440Rに対し第2可動体441Rが回動する。そして、案内軸448が第2案内部470bの左側端部まで移動したときに、第2可動体441Rは当接位置に配置される(図23参照)。
次いで、図24に示すように、案内軸448が第2案内部470bから第3案内部470cに差し掛かり、該第3案内部470cを移動する間、つまり、第2移動体402Rが第2移動範囲P2より第2演出位置側で、該第2演出位置を含む第3移動範囲P3を移動する間においては、回動軸446に対する案内軸448の位置関係に変化はないため、第2移動体402Rは、第1可動体440Rに対し第2可動体441Rが当接位置に配置された状態のまま、左側に向けてスライド移動する。
そして、図25に示すように、案内軸448が第3案内部470cの左側端部に当接して左方向への移動が規制されると、第2移動体402Rが第2演出位置に配置される。
ここで、左側の第2移動体402Lについて、上述してきた右側の第2移動体402Rと同様に駆動された場合、右側の第2移動体402Rと同様に、左側の第2退避位置からへ右側の第2演出位置へと移動してくる。
よって、左右の第2移動体402L,402R双方が第2演出位置まで移動されると、左側の第2移動体402Lにおける第2可動体441Lの下部の当接面475Lと、右側の第2移動体402Rにおける第2可動体441Rの下部の当接面475Rと、が当接し、これにより第2移動体402Lと第2移動体402Rとが合体して、正面視において略円形状をなす一の装飾物が構成される。
また、図26に示すように、第2可動体441Lの下部の当接面475Lは、正面視において右側に向けて膨出する湾曲面にて形成され、右側の第2移動体402Rにおける第2可動体441Rの下部の当接面475Rは、正面視において左側に向けて凹む湾曲面にて形成されており、第2演出位置において互いに当接する同曲率の湾曲面とされている。
そして、図26(B)に示すように、例えば、左側の第2可動体441Lが第2演出位置に移動している状態で、右側の第2可動体441Rが回動軸443を中心として上方に向けて回動しながら左側の第2可動体441Lに接近し、右側の当接面475Rが左側の当接面475Lに当接するとき、右側の当接面475Rにおける所定位置Tの軌跡が左側の第2可動体441Lに重なる。つまり、第2可動体441Rが当接位置に到達する前に右側の当接面475Rが左側の当接面475Lに接触して当接面475L,475Rが破損する虞がある。
そこで、図26(A)に示すように、本実施例では、第2移動体402L,402Rが第2演出位置に到達する前に、第2可動体441L,441Rそれぞれが第2移動範囲において当接位置へ移動して第3移動範囲では既に当接位置にあるので、所定位置Tは左側に向けて水平に移動するため、右側の当接面475Rと左側の当接面475Lとが合致位置とは異なる位置で当接してしまうことを防止できる。
次に、本実施例では、演出図柄の変動表示中において演出制御用CPU120が実行する予告演出として、例えば、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したことを条件に実行される操作予告、所定の画像が段階的に切り替わるステップアップ予告、キャラクタが登場してセリフを喋るセリフ予告、所定の画像が割り込み表示されるカットイン予告といった大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、擬似連になるか否かを予告する擬似連予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、可変表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告のほか、大当り遊技中において実行される大当り中演出や、該大当り終了後に高確率状態に移行することを報知する昇格報知演出等、種々の予告演出を実行可能であり、これら各種予告演出の所定タイミングにおいて、前述した第1演出ユニット300における第1退避位置にある第1移動体302を第1演出位置へ落下させる落下演出や、第2演出ユニット400における第2退避位置にある第2移動体402L,402Rを第2演出位置へ移動させて合体させる合体演出等の可動演出を実行可能としている。
また、第1移動体302や第2移動体402L,402Rは、これら各種演出の所定のタイミングにて必ず第1演出位置や第2演出位置へ移動するものではなく、例えば、上記大当り予告演出において、変動表示結果が大当りとなるとき、ハズレのときよりも高い割合(例えば、100%を含む)で移動させるようにしたり、リーチ予告において、リーチが成立するとき、成立しないときよりも高い割合(例えば、100%を含む)で移動させるようにしたり、擬似連予告において、擬似連が継続するとき、継続しないときよりも高い割合(例えば、100%を含む)で移動させるようにしたり、スーパーリーチに発展するときに、発展しないときよりも高い割合(例えば、100%を含む)で移動させるようにしてもよく、このようにすれば、遊技者は第1移動体302や第2移動体402L,402Rが移動することを期待するようになるので、第1移動体302や第2移動体402L,402Rの動作に注視させることができる。
また、第1移動体302や第2移動体402L,402Rを移動させるタイミングは、上記各種予告の実行中における任意のタイミングで実行可能であり、例えば、リーチが成立したときやスーパーリーチに発展するときなど任意のタイミングであるが、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したタイミングでもよい。
また、本実施例では、例えば、演出制御用CPU120が実行するスーパーリーチ演出の演出パターンとして、第1移動体302や第2移動体402L,402Rの移動条件が成立したとき(例えば、操作有効期間内にプッシュボタン31Bが操作されたときまたは操作有効期間内に操作されずに該操作有効期間が経過したとき)に該第1移動体302や第2移動体402L,402Rを退避位置から演出位置へ移動させる第1演出パターンと、第1移動体302や第2移動体402L,402Rの移動条件が成立しても第1移動体302や第2移動体402L,402Rを退避位置から演出位置へ移動させない第2演出パターンと、を含む複数種類の演出パターンのうちからいずれかを決定するようになっている。
具体的には、演出制御用CPU120は、変動表示の開始時に、設定されている変動パターンに基づいて当該変動表示の表示結果を特定し、該特定した表示結果に基づいて、スーパーリーチ演出の実行の有無及び実行する場合にはその演出パターンを複数のうちからいずれかに決定する。例えば、設定されている変動パターンが、変動表示結果が大当りとなる変動パターンである場合、変動表示結果がハズレとなる変動パターンである場合よりも高い割合(例えば、100%の割合も含む)で第1演出パターンをスーパーリーチ演出パターンとして決定し、受信した変動パターンが、変動表示結果がハズレとなる変動パターンである場合、変動表示結果が大当りとなる変動パターンである場合よりも高い割合(例えば、100%の割合も含む)で第2演出パターンをスーパーリーチ演出パターンとして決定する。
また、本実施例では、演出制御用CPU120は、予告演出の一例として、第2移動体402L,402Rを、第2退避位置から第1移動範囲内において左右方向に往復移動を繰り返し行わせることで、該第2移動体402L,402Rが移動する可能性を示唆する振動演出を実行可能である。
また、第1移動範囲内では、案内軸448が水平な第1案内部470aを移動するため、第2移動体402L,402Rを左右方向に往復移動させる振動演出を第1移動範囲内において行うようにすることで、第2移動体402L,402Rを第2移動範囲内に行う場合に比べて演出用モータ430L,430Rに係る負荷が軽減される。
また、第2可動体441L,441Rは、第1可動体440L,440Rが第1移動範囲P1を移動する間、後方の領域である演出表示装置5における第1保留記憶表示エリア5Dや第2保留記憶表示エリア5Uに表示される保留表示等を隠蔽しないため、後方の領域を有効活用できる。
以上説明したように、本実施例のパチンコ遊技機1にあっては、ベース部としてのベース部材401と、ベース部材401に対し第1位置としての第2退避位置と該第2退避位置とは異なる第2位置としての第2演出位置との間で移動可能に設けられた第1可動体440L,440Rと、第1可動体440L,440Rに対し動作可能に設けられた第2可動体441L,441Rと、ベース部材401に第1可動体440L,440Rの移動方向に向けて延設された案内部としての案内溝470L,470Rと、案内溝470L,470Rに案内される被案内部としての案内軸448と、を備え、第2可動体441L,441Rは、第1可動体440L,440Rの移動に応じて案内軸448が案内溝470L,470Rにより案内されることにより第1可動体440L,440Rに対し動作し、案内溝470L,470Rは、第1可動体440L,440Rが第2退避位置から第1移動範囲P1を移動するときに案内軸448を案内する第1案内部470aと、第1可動体440L,440Rが第1移動範囲P1より第2演出位置側の第2移動範囲P2を移動するときに案内軸448を案内する第2案内部470bと、を有し、第1可動体440L,440Rを含む第2移動体402L,402Rの移動方向(左右方向)に対する第1案内部470aの傾斜角度(傾斜角度は約0度)は、第1可動体440L,440Rを含む第2移動体402L,402Rの移動方向(左右方向)に対する第2案内部470bの傾斜角度(傾斜角度は約10度)より小さくなっている。
このようにすることで、第1可動体440L,440Rを第2退避位置から移動させるときに案内軸448が第1案内部470aで案内されることで、第2案内部470bで案内されるときよりも第2可動体441L,441Rを動作させる負荷がかからないので、スムーズに動き出させることができる。
尚、本実施例では、第2移動体402L,402Rの移動方向(左右方向)に対する第1案内部470aの傾斜角度は0度、つまり、第1案内部470aは、第2移動体402L,402Rの移動方向(左右方向)に対し略平行に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2移動体402L,402Rの移動方向に対する第2案内部470bの傾斜角度より小さければ、第1案内部470aは第2移動体402L,402Rの移動方向に対し略平行に設けられていなくてもよい。
また、第1可動体440Rが第2演出位置へ移動したときに第2可動体441Rが当接または近接する壁面として、左側の第2可動体441Lの当接面475Lを備え、案内溝470L,470Rは、第1可動体440L,440Rが第2移動範囲P2よりも第2演出位置側であって該第2演出位置を含む第3移動範囲P3を移動するときに案内軸448を案内する第3案内部470cを有し、第1可動体440L,440Rを含む第2移動体402L,402Rの移動方向(左右方向)に対する第3案内部470cの傾斜角度(傾斜角度は約0度)は、第1可動体440L,440Rを含む第2移動体402L,402Rの移動方向(左右方向)に対する第2案内部470bの傾斜角度(傾斜角度は約10度)より小さくなっている。
このようにすることで、第2移動体402Rが当接面475Lと当接または近接するとき、第1可動体440L,440Rが第2移動範囲P2を移動するときに比べて第2可動体441Rを動作させる負荷が小さくなるため、スムーズに当接面475Lと当接または近接させることができる。
尚、本実施例では、第2移動体402L,402Rの移動方向(左右方向)に対する第3案内部470cの傾斜角度は0度、つまり、第3案内部470cは、第2移動体402L,402Rの移動方向(左右方向)に対し略平行に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2移動体402L,402Rの移動方向に対する第2案内部470bの傾斜角度より小さければ、第3案内部470cは第2移動体402L,402Rの移動方向に対し略平行に設けられていなくてもよい。
また、本実施例では、第2案内部470bは、第2演出位置へ向けて上方に傾斜するように形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2演出位置へ向けて下方に傾斜するように形成されていてもよい。さらに、第1案内部470aや第3案内部470cよりも第2移動体402L,402Rの移動方向に対する傾斜角度が大きい第2案内部470bは、1個所のみ形成されているが、複数個所に形成されていてもよい。
また、本実施例では、案内溝470L,470Rは、直線状の複数の第1案内部470a,第2案内部470b、第3案内部470cにて形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、曲線状の複数の案内部にて構成されていてもよい。
また、本実施例では、案内溝470L,470Rは、第1案内部470a、第2案内部470b及び第3案内部470cにて構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも第1案内部と第2案内部とを有していれば、必ずしも第3案内部を有していなくてもよい。
また、本実施例では、ベース部材401に案内部としての案内溝470L,470Rが形成され、第1可動体440L,440Rに被案内部としての案内軸448が形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ベース部材401に案内部としての案内軸448が形成され、第1可動体440L,440Rに被案内部としての案内溝470L,470Rが形成されていてもよい。また、案内溝470L,470Rの長さや形状も任意に変形可能である。
また、本実施例では、被案内部としての案内軸448は、第1可動体440L,440Rに設けられた連結部としての連結板450L,450R及び連結アーム445L,445Rを介して第2可動体441L,441Rに設けられているが、第2可動体441L,441Rのベース板441a等に直接設けられていてもよい。
また、本実施例では、左右の第1可動体440L,440R及び第2可動体441L,441Rをそれぞれ互いに近づけて合体させることが可能であるとともに、左右のうちいずれか一方を第2演出位置まで移動した後、他方を第2演出位置まで移動させることが可能とされているが、いずれの場合においても、第3案内部470cが第2移動体402L,402Rの移動方向に対し略平行であることで、当接面475Lと当接面475Rとをスムーズに当接させることができる。
また、本実施例では、第2移動体402L,402Rは左右側それぞれに移動可能に設けられていたが、例えば、左右の第2可動体441L,441Rのいずれかの当接面475L,475Rが、固定的に設けられた演出用構造物等に対し当接可能に設けられている場合等にあっても、上記のように第3案内部470cが第2移動体402L,402Rの移動方向に対し略平行であることで、当接面475Lと当接面475Rとをスムーズに当接させることができる。
また、本実施例では、第1可動体440L,440R及び第2可動体441L,441Rはそれぞれ左右に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、左右いずれか一方にのみ設けられているものであってもよい。あるいは、3以上設けられていてもよい。
また、第1可動体440L,440Rの移動制御を行う移動制御手段としての演出制御用CPU120を備え、例えば、演出制御用CPU120は、予告演出の一例として、第2移動体402L,402Rを、第2退避位置から第1移動範囲内において左右方向に往復移動を繰り返し行わせるようにすることで、第1可動体440L,440Rの往復動作により遊技者の期待感を煽ることができる。
また、第2可動体441L,441Rは、第1可動体440L,440Rが第1移動範囲P1を移動する間、後方の領域である演出表示装置5における第1保留記憶表示エリア5Dや第2保留記憶表示エリア5Uに表示される保留表示等を隠蔽しないため、後方の領域を有効活用できる。尚、本実施例では、第1可動体440L,440Rが第1移動範囲P1を移動する間における後方の領域は、第1保留記憶表示エリア5Dや第2保留記憶表示エリア5Uとされていたが、演出表示装置5の表示画面における他のエリアや、演出表示装置5の表示画面以外の領域であってもよい。
また、第1可動体440L,440Rが第2演出位置へ移動したときに、右側の第1可動体440Rの当接面476Rも左側の第1可動体440Lの当接面476Lに対し当接または近接することで、第1可動体440L,440R、第2可動体441L,441Rで一つの演出体を構成することが可能となるため、演出効果が向上する。
また、第2可動体441Rの当接面475Rと左側の第2可動体441Lの当接面475Lとの境界面は透光性部材にて構成されていれば、第2演出位置にて合体したときに、第2可動体441L,441Rの内部に設けられたLED等の光の透過を阻害しないことで、第2可動体441Lの当接面475Lと第2可動体441Rの当接面475Rとの境界に筋状の影が生じにくくなるため、一体感を与えることができる。
また、ベース部としてのベース部材401と、ベース部材401に対し第1位置としての第2退避位置と該第2退避位置とは異なる第2位置としての第2演出位置との間で移動可能に設けられた第1可動体440L,440Rと、第1可動体440L,440Rに対し動作可能に設けられた第2可動体441L,441Rと、ベース部材401に第1可動体440L,440Rの移動方向に向けて延設された案内部としての案内溝470L,470Rと、案内溝470L,470Rに案内される被案内部としての案内軸448と、第1可動体440L,440Rが第2演出位置へ移動したときに第2可動体441L,441Rが当接または近接する壁面としての左側の第2可動体441Lの当接面475Lと、を備え、案内溝470L,470Rは、第1可動体440L,440Rの移動方向に対し傾斜する傾斜案内部としての第2案内部470bと、第1可動体440L,440Rが第2演出位置を含む第3移動範囲P3を移動するときに案内軸448を案内する第3案内部470cを有し、第1可動体440L,440Rの移動方向に対する第3案内部470cの角度は、第1可動体440L,440Rの移動方向に対し略平行をなす。
このようにすることで、第1可動体440L,440Rが第2演出位置へ移動して壁面に当接または近接するとき、第2可動体441L,441Rは第1可動体440L,440Rに対し動作することなく壁面に当接または近接するため、スムーズに当接または近接させることができる。
また、本実施例では、第2移動体402L,402Rは、左右方向に移動可能に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、上下方向に移動可能に設けられていてもよいし、前後方向に移動可能に設けられていてもよい。
また、本実施例では、第1可動体440L,440Rは、左右方向にスライド移動可能に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、回動軸を中心として回動可能に設けられていてもよい。
また、第2可動体441L,441Rは、第1可動体440L,440Rに対し回動可能に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動体440L,440Rに対し動作可能に設けられていれば、例えば、第1可動体440L,440Rに対し直線的に移動可能に設けられていてもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。