以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
図1~図5を参照して、本発明の一実施形態による治療支援装置100を備えた治療支援システム300の構成について説明する。治療支援システム300は、治療支援装置100と、治療支援装置100で撮像した画像を表示させるための表示装置200と、を備えている。治療支援装置100は、手術室などにおいて、治療時の被検体Pの画像を撮像し、医師Qが治療を行う際の治療支援を行うための装置である。
図1に示すように、治療支援装置100は、被検体Pを撮像するための撮像部10と、制御部21(図2参照)等が内蔵された本体部20と、本体部20に対する撮像部10の相対位置を調整するためアーム部31と、撮像部10による撮像角度を調整するための雲台部32と、を備えている。治療支援装置100は、被検体Pに投与された蛍光薬剤に励起光Exを照射するとともに、励起光Exにより蛍光薬剤が励起されることにより発せられる蛍光Lxを検出して画像化するように構成された装置である。
図2に示すように、撮像部10は、可視光Visおよび励起光Exを照射するための光源部40と、可視光Visと蛍光Lxとを分離するための光学系50と、可視光Visおよび蛍光Lxを検出するための検出部60と、検出部60により検出された可視光Visおよび蛍光Lxに基づいて画像90(図5参照)を生成するための映像収集部70と、被検体Pの画像90(図5参照)を撮像する際に発熱する発熱体HCから発生する熱を放熱するための放熱部80と、を備えている。なお、治療支援装置100では、発熱体HCは、光源部40と、映像収集部70と、を含む。
光源部40は、蛍光薬剤を励起させるための励起光Exを発生する励起光源41と、可視光Visを発生する可視光源42と、を備えている。図3および図6に示すように、光源部40は、被検体P側から見て、円環状に形成されている。また、光源部40は、樹脂製のカバー部材44により側面が覆われているとともに、透明で光(励起光Ex、可視光Visおよび蛍光Lx)を透過可能な板部材45により被検体P側が覆われている。板部材45は、たとえば、アクリル樹脂等の樹脂から形成されている。
図2に示すように、励起光源41および可視光源42は、たとえば、光源としての発光ダイオード(LED)を含む。励起光源41は、蛍光薬剤に対応する波長帯域の励起光Exを発生するように構成されている。たとえば、励起光Exは、ピーク波長が700mmの近赤外光である。また、可視光源42は、可視光Visとして、たとえば、可視領域の複数の(全ての)波長を含む白色光を発生させるように構成されている。なお、可視光Visは、白色光に限らず、可視領域の特定の波長だけを含むように構成してもよい。
図3および図6に示すように、治療支援装置100では、励起光源41および可視光源42は、それぞれ、複数設けられている。複数の励起光源41および複数の可視光源42は、光源部40において、環状に並ぶように配置されている。また、励起光源41および可視光源42は、交互に、かつ、互いに略等角度間隔で配置されている。
図2に示すように、治療支援装置100では、光源部40は、励起光源41および可視光源42からそれぞれ照射された励起光Exおよび可視光Visを、被検体Pに照射するように構成されている。蛍光薬剤が被検体Pに投与された状態で、蛍光薬剤が存在する術部Paに励起光Exが照射されると、蛍光薬剤が励起されることにより、蛍光薬剤から蛍光Lxが発せられる。また、被検体Pに照射された可視光Visは、被検体Pにより反射される。
光学系50は、フォーカスを合わせるためのズームレンズ51と、被検体Pから反射された可視光Visと蛍光Lxとを分離するためのプリズム52と、を含む。図4に示すように、ズームレンズ51と、プリズム52とは、光軸L方向に沿って、この順に並んで配置されている。
ズームレンズ51は、フォーカスを合わせるために、図示しないレンズ移動機構によって光軸L方向に往復移動することが可能に構成されている。プリズム52は、被検体Pから反射されズームレンズ51を通過した可視光Visと蛍光Lxとを分離して、可視光Visおよび蛍光Lxを、それぞれ、可視光検出器62および蛍光検出器61に導くように構成されている。
検出部60は、蛍光Lxを検出するための蛍光検出器61と、可視光Visを検出するための可視光検出器62と、を備えている。可視光検出器62では、プリズム52に分離された可視光Visを検出するように構成されている。蛍光検出器61では、プリズム52に分離された蛍光Lxを検出するように構成されている。
蛍光検出器61および可視光検出器62は、たとえば、それぞれCMOS(complementary metal oxide semiconductor)やCCD(charge coupled device)等を用いたイメージセンサ(撮像素子)から構成される。蛍光検出器61では、蛍光Lxの波長帯域を含む範囲の光を検出可能な撮像素子が用いられる。可視光検出器62では、可視光Visの波長帯域を含む範囲の光を検出可能な撮像素子が用いられる。
図2に示すように、映像収集部70は、画像処理用に構成されたFPGA(Field-Programmable Gate Array)71(図7参照)などのプロセッサを含んで構成されたコンピュータである。映像収集部70は、蛍光検出器61および可視光検出器62と、検出信号を伝送するための伝送ケーブル(図示しない)を介して電気的に接続されている。映像収集部70は、FPGA71などにより、蛍光検出器61および可視光検出器62から伝送ケーブルを介して送られた検出信号に基づいて、それぞれ、蛍光画像91(図5参照)および可視画像92(図5参照)を生成することが可能に構成されている。なお、FPGA71は、特許請求の範囲の「集積回路部」の一例である。
図7に示すように、映像収集部70は、電気回路が設けられる樹脂製の基板70aと、基板70aを支持する支持部70bと、を備えている。基板70aには、FPGA71に加えて、抵抗やコンデンサ等の素子72が設けられている。FPGA71、および、抵抗やコンデンサ等の素子72は、それぞれ、取付脚71aおよび取付脚72aを介して、基板70aに取り付けられている。なお、治療支援装置100では、取付脚72aの高さ(映像収集部70と検出部60とを結ぶ方向の長さ)は、取付脚71aの高さよりも大きくなるように設けられている。また、基板70aには、伝送ケーブルを接続するためのコネクタ(図示しない)が設けられている。
図2に示すように、放熱部80は、映像収集部70から発生する熱を放熱するための金属製の伝熱部81と、光源部40から発生する熱を放熱するための樹脂製の放熱部82と、を含む。なお、伝熱部81および放熱部82は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1放熱部」および「第2放熱部」の一例である。
本実施形態では、伝熱部81は、映像収集部70(発熱体HC)の近傍に設けられ、映像収集部70から発生する熱を熱伝導により放熱するように構成されている。伝熱部81は、たとえば、アルミ等の熱伝導性の高い金属により形成されている。また、放熱部82は、光源部40(発熱体HC)の近傍に設けられ、光源部40の点灯時に発生する熱を周囲の空気に対する熱伝導および周囲の空気による自然対流により放熱するように構成されている。放熱部82は、たとえば、POM樹脂等の樹脂により形成されている。
なお、本実施形態では、伝熱部81は、外部に露出しないように設けられ、放熱部82は、外部に露出するように設けられている。具体的には、伝熱部81は、検出部60と映像収集部70とを収納する筐体11の内部に、映像収集部70を覆うように配置されている。また、放熱部82は、光源部40の背面側(筐体11が配置される側)に筐体11の外部に露出する部分を含むように配置されている。なお、筐体11は、図7に示すように、外側の樹脂製のカバー11aと、内側の金属製のフレーム11bと、を含む。カバー11aは、たとえば、ABS樹脂等の樹脂により形成されている。フレーム11bは、たとえば、鉄等の金属により形成されている。なお、伝熱部81および放熱部82の放熱構造の詳細は後述する。
図2に示すように、本体部20は、治療支援装置100の各種構成を制御するための制御部21と、映像収集部70で生成された画像90に基づいて、映像収集部70で生成された画像90とは異なる画像90を生成する画像処理部22と、映像収集部70および画像処理部22で生成された画像90等を記憶する記憶部23と、映像収集部70および画像処理部22で生成した画像90を表示装置200に出力する画像出力部24と、を備えている。本体部20は、制御部21、画像処理部22、記憶部23および画像出力部24等を含むPC(Personal Computer)が内蔵されるとともに、車輪が設けられ治療支援装置100を移動させることが可能な台車として構成されている。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などを含んで構成されたコンピュータである。
画像処理部22は、GPU(Graphics Processing Unit)やFPGAなどのプロセッサを含んで構成されたコンピュータである。画像処理部22は、映像収集部70で生成された蛍光画像91(図5参照)と可視画像92(図5参照)とを合成して、合成画像93(図5参照)を生成することが可能に構成されている。
記憶部23は、たとえば、不揮発性のメモリまたはハードディスクドライブ(HDD)などを含む。記憶部23は、制御部21の処理に用いられるプログラムが記憶されている。また、記憶部23は、映像収集部70で生成された画像90(蛍光画像91(図5参照)および可視画像92(図5参照))と、画像処理部22で生成された画像90(合成画像93(図5参照))と、を記憶できるように構成されている。記憶部23は、たとえば、映像収集部70および画像処理部22で生成された画像90を、撮像日時などのタイムスタンプとともに記憶する。
画像出力部24は、治療支援装置100を表示装置200に接続するためのインターフェースである。画像出力部24は、たとえば、HDMI(登録商標)等の映像インターフェースにより表示装置200と接続される。画像出力部24は、映像収集部70および画像処理部22で生成された画像90(蛍光画像91(図5参照)、可視画像92(図5参照)および合成画像93(図5参照))を含む出力画像を表示装置200に出力するように構成されている。表示装置200は、画像出力部24により出力された出力画像を画面に表示するように構成されている。
アーム部31は、図1に示すように、複数のアームおよび複数のヒンジ等を介して、本体部20と雲台部32とを接続している。アーム部31は、雲台部32に支持された撮像部10の本体部20に対する相対位置を変更可能に構成されている。
雲台部32は、アーム部31の撮像部10側の端部に、撮像部10を支持するように設けられている。雲台部32は、被検体Pに対する撮像部10の角度を変更するための、上下方向および左右方向に回動可能な駆動部(図示しない)を有している。
表示装置200は、図5に示すように、映像収集部70および画像処理部22により生成され、画像出力部24により出力された画像90(蛍光画像91、可視画像92および合成画像93)を表示することが可能に構成されている。表示装置200は、たとえば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイなどにより構成されている。なお、図5では、がんに侵された術部Paを撮像し、表示装置200に表示する例を示している。
図5に示すように、蛍光画像91には、蛍光薬剤が投与されたがん細胞Mが写り込んでいる。また、可視画像92には、蛍光薬剤が投与されたがん細胞Mの周辺の術部Paが写り込んでいる。なお、図5では、説明の都合上、蛍光画像91において、がん細胞Mを、内部が白塗りの太い実線で示している。
(伝熱部および放熱部の放熱構造)
次に、図6~図8を参照して、伝熱部81および放熱部82の放熱構造の詳細を説明する。
図6および図7に示すように、本実施形態では、伝熱部81は、映像収集部70から発生する熱を、検出部60を避ける方向に放熱するように構成されている。詳細には、伝熱部81は、検出部60と離間して配置され、かつ、映像収集部70に接触するように配置されている。また、伝熱部81は、筐体11と接触するように配置されている。
具体的には、伝熱部81は、映像収集部70の筐体11側以外の面を覆うように設けられた覆い部分811と、映像収集部70と接触する板状部分812と、を含む。覆い部分811は、検出部60と離間して配置される検出部60側の面811aと、面811aに接続される複数の側面811bと、を含む。複数の側面811bの筐体11側の端部は、筐体11と接触するように配置されている。板状部分812は、複数の側面811b同士を接続するように設けられるとともに、映像収集部70と接触する接触部812bを含む。これにより、映像収集部70において発生した熱は、板状部分812および複数の側面811bを介して、筐体11のフレーム11bに伝導されるか、筐体11内の空気中に放熱される。すなわち、映像収集部70において発生した熱は、映像収集部70の近傍に滞留することなく、伝熱部81を介して検出部60を避ける方向に分散される。なお、空気は金属と比較して熱伝導率が低いので、伝熱部81の検出部60側の部分が筐体11内において検出部60に比較的近い位置に配置されているものの、映像収集部70において発生した熱の大部分は、筐体11のフレーム11bに伝導される。また、筐体11は、光源部40側および検出部60側等に開口部(図示しない)が設けられているため、筐体11内の空気中に放熱された熱は、筐体11内に滞留することなく、筐体11外に分散される。したがって、映像収集部70から発生した熱は、検出部60に殆ど影響を与えない。
なお、治療支援装置100では、筐体11と接触するように設けられた複数の側面811bの筐体11側の端部は、筐体11に設けられたねじ孔(図示しない)を介して、ねじ(図示しない)により雲台部32に固定されている。したがって、筐体11のフレーム11bに伝導された熱の一部は、ねじを介して筐体11の外側に設けられた雲台部32に伝導され、筐体11外において周囲に分散される。
ここで、本実施形態では、板状部分812は、面811aよりも大きい厚みを有する。具体的には、板状部分812の厚みは、面811aの厚みの略10~20倍となるように構成されている。これにより、板状部分812の熱容量が、面811aの熱容量よりも相対的に大きくなるので、映像収集部70から板状部分812に熱が伝導された場合に、板状部分812の温度が急激に上昇するのを抑制することが可能である。
また、本実施形態では、伝熱部81は、複数の側面811bの筐体11側の端部の複数の辺が筐体11と接触するように構成されている。具体的には、側面811bは、映像収集部70の検出部60側および筐体11側以外を囲むように複数設けられている。そして、伝熱部81は、複数の側面811bの筐体11側の端部の略全体で筐体11と接触するように配置されている。
また、本実施形態では、板状部分812の接触部812bは、伝熱部81がFPGA71と面接触するように、FPGA71側に突出している。具体的には、板状部分812は、複数の側面811b同士を接続するように延びるように設けられた基部812aと、基部812aからFPGA71側に突出するように設けられた接触部812bと、を含む。接触部812bは、基板70aにおけるFPGA71の位置および大きさに対応するように、基部812aからFPGA71側に突出するように形成されている。これにより、板状部分812は、基板70a上に設けられた電気回路において、FPGA71に接触させるとともに、板状部分812と抵抗やコンデンサ等の素子72の取付脚72aとの距離を互いに静電気の放電が生じない距離に離すことが可能である。
図6および図8に示すように、本実施形態では、放熱部82は、光源部40の点灯時に発生する熱を、被検体Pとは異なる方向に放熱するように構成されている。詳細には、放熱部82は、光源部40に接触するとともに、光源部40の励起光Exを照射する被検体P側とは反対側に配置されている。
具体的には、放熱部82は、光源部40の形状に対応するように、被検体P側から見て、円環状に形成されている。放熱部82は、光源部40の被検体P側とは反対側に、光源部40に接触するように配置されている。そして、放熱部82は、光源部40から発生する熱を放熱するための開口823(図3参照)を含む。上述したように、光源部40の被検体P側には透明の板部材45が設けられ、光源部40の側面側には、光源部40を覆う樹脂製のカバー部材44が設けられている。また、円環状に形成された光源部40の内側にはズームレンズ51が配置されている。これらの構成により、光源部40から発生した熱の大部分は、放熱部82に形成された開口823(図3参照)を介して、周囲の空気に対する熱伝導および周囲の空気による自然対流により放熱される。すなわち、光源部40から発生した熱の大部分は、少しずつ周囲の空気中に分散される。なお、放熱部82は、撮像部10において検出部60と比較的離れた位置に設けられているので、光源部40から発生した熱は、検出部60に殆ど影響を与えない。
ここで、本実施形態では、図3に示すように、開口823は、放熱部82と光源部40とが配列された方向に貫通する複数の貫通孔823aと、放熱部82と光源部40とが配列された方向に突出する複数の突出部822によって、放熱部82と光源部40との間に形成された隙間823bと、を含む。
具体的には、放熱部82は、円環状に形成された円環部821と、円環部821から光源部40側に突出する複数(4つ)の突出部822と、を含む。円環部821には、複数の放熱部82と光源部40とが配列された方向に貫通する複数の貫通孔823aが形成されている。これにより、貫通孔823aを介して、光源部40から発生した熱を、放熱部82の被検体P側とは反対側に放熱することが可能である。なお、図6に示すように、複数の貫通孔823aは、それぞれが略等しい大きさを有するとともに、環状に並ぶように略等間隔で配置されている。
また、複数(4つ)の突出部822は、放熱部82と光源部40との間に、隙間823bを形成している。これにより、隙間823b(図3参照)を介して、光源部40から発生した熱を、放熱部82の側面側(突出部822が突出する方向に対して交差する方向)に放熱することが可能である。なお、治療支援装置100では、放熱部82と光源部40とが配列された方向において、突出部822の厚みは、円環部821の厚みよりも大きくなっている。これにより、隙間823b(図3参照)の大きさが大きくなるので、光源部40から発生した熱を、放熱部82の側面側に効率的に放熱することが可能である。
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、治療支援装置100は、映像収集部70から発生する熱を、検出部60とは異なる方向に放熱するための伝熱部81を備える。これにより、伝熱部81により、映像収集部70から発生する熱を、検出部60を避ける方向に放熱することができるので、被検体Pの画像90を撮像する際に、空冷方式のファンによる強制対流を用いることなく、映像収集部70から発生する熱を放熱することができる。その結果、強制対流による埃等の飛散が生じないので、手術室などの衛生状態を低下させてしまうのを抑制しながら、映像収集部70から発生する熱を放熱することができる。
また、本実施形態では、上記のように、伝熱部81を、金属製であり、かつ、外部に露出しないように設けられ、伝熱部81から発生する熱を熱伝導により検出部60を避ける方向に放熱するように構成する。これにより、熱伝導率が比較的高い金属製の伝熱部81による熱伝導により、映像収集部70から発生する熱を、検出部60を避ける方向に効率的に放熱することができる。また、金属製の伝熱部81は、外部に露出しないように設けられているので、治療支援装置100の使用者が伝熱部81に接触して熱伝導率が比較的高い金属製の伝熱部81から熱の影響を受けるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、伝熱部81を、検出部60と離間して配置し、かつ、映像収集部70に接触するように配置する。これにより、映像収集部70から発生した熱は、主に伝熱部81に伝導されて、検出部60側には伝導されにくいので、映像収集部70から発生した熱に起因する検出部60への影響(ノイズ)を効果的に低減することができる。
また、本実施形態では、上記のように、治療支援装置100は、検出部60と映像収集部70とを収納する筐体11を備え、伝熱部81を、筐体11と接触するように配置する。これにより、伝熱部81が筐体11と接触しているので、映像収集部70から発生して伝熱部81に伝導された熱を、伝熱部81を介して外面が外部に露出する筐体11に伝導させて効果的に放熱することができる。その結果、映像収集部70から発生した熱に起因する検出部60への影響(ノイズ)をより効果的に低減することができる。
また、本実施形態では、上記のように、伝熱部81は、映像収集部70の筐体11側以外の面を覆うように、検出部60側の面811aと、検出部60側の面811aに接続される複数の側面811bとを含み、伝熱部81を、複数の側面811bの筐体11側の端部の複数の辺が筐体11と接触するように構成する。これにより、伝熱部81が複数の側面811bの筐体11側の端部で筐体11と接触するので、伝熱部81が筐体11と接触する面積を比較的大きくすることができる。その結果、映像収集部70から発生して伝熱部81に伝導された熱を、伝熱部81を介してより効率的に筐体11に伝導させてより効果的に放熱することができる。
また、本実施形態では、上記のように、伝熱部81は、検出部60側の面811aと離間し、複数の側面811b同士を接続するように延びるとともに、検出部60側の面811aよりも大きい厚みを有する板状部分812を含み、板状部分812は、映像収集部70と接触する接触部812bを含む。これにより、映像収集部70と接触する伝熱部81の板状部分812が、検出部60側の面811aと離間し、複数の側面811b同士を接続するので、映像収集部70において発生した熱を、検出部60側の面811aと直接接触していない板状部分812を介して複数の側面811bに伝導することができる。その結果、映像収集部70において発生した熱が、検出部60側の面811aに直接伝導されないので、映像収集部70において発生した熱が、互いに離間された検出部60と伝熱部81との間の空気を介して検出部60に伝導されるのを抑制することができる。また、伝熱部81の板状部分812が伝熱部81の検出部60側の面811aよりも大きい厚みを有するので、板状部分812の熱容量は、比較的大きくなる。その結果、映像収集部70から発生した熱が伝導された板状部分812の温度が急激に上昇するのを抑制することができるので、映像収集部70から伝熱部81に伝導された熱が、板状部分812から複数の側面811bおよび周囲の空気に急激に伝導されるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、映像収集部70は、蛍光画像91を生成するためのFPGA71を含み、板状部分812の接触部812bは、伝熱部81がFPGA71と面接触するように、FPGA71側に突出している。これにより、伝熱部81に含まれる板状部分812が、映像収集部70における発熱部分であるFPGA71と面接触しているので、FPGA71で発生した熱を板状部分812から効率的に伝熱部81に伝達することができる。また、板状部分812のFPGA71と接触する部分がFPGA71側に突出しているので、映像収集部70において、FPGA71が配置される基板70aと、板状部分812のうちの接触部812b以外の部分との間の距離を大きくすることができる。その結果、板状部分812のうちの接触部812b以外の部分と、基板70aに設けられる抵抗やコンデンサ等の素子72を基板70aに取り付けるための取付脚72aとの間の距離を大きくすることができるので、板状部分812のうちの接触部812b以外の部分と、抵抗やコンデンサ等の素子72との間で静電気の放電が生じて抵抗やコンデンサ等の素子72が損傷したり抵抗やコンデンサ等の素子72を含む電気回路が誤動作したりするのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、光源部40の点灯時に発生する熱を、被検体Pとは異なる方向に放熱するための放熱部82を備える。これにより、放熱部82により、光源部40から発生する熱を、被検体Pとは異なる方向に放熱することができるので、被検体Pの画像を撮像する際に、空冷方式のファンによる強制対流を用いることなく、光源部40から発生する熱を放熱することができる。その結果、強制対流による埃等の飛散が生じないので、手術室などの衛生状態を低下させてしまうのを抑制しながら、光源部40から発生する熱を放熱することができる。
また、本実施形態では、上記のように、放熱部82を、樹脂製であり、かつ、外部に露出するように設けられ、光源部40から発生する熱を周囲の空気による熱伝導および自然対流により被検体Pとは異なる方向に放熱するように構成する。これにより、熱伝導率が比較的低い樹脂製の放熱部82であっても、周囲の空気による熱伝導および自然対流により、光源部40から発生する熱を被検体Pとは異なる方向に効率的に放熱することができる。また、樹脂製の放熱部82は外部に露出するように設けられている一方、樹脂製の放熱部82の熱伝導率は比較的低いので、治療支援装置100の使用者が放熱部82に接触して熱の影響を受けるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、放熱部82を、光源部40に接触するとともに、光源部40の励起光Exを照射する被検体P側とは反対側に、外部に露出する部分を含むように配置する。これにより、光源部40から発生する熱を、樹脂製の放熱部82の外部に露出する部分において周囲の空気に対する熱伝導および周囲の空気による自然対流により効率的に放熱させることができる。また、放熱部82が、光源部40の励起光Exを照射する被検体P側とは反対側に配置されているので、放熱部82により放熱される熱が、被検体Pに影響を与えるのを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、放熱部82は、光源部40から発生する熱を放熱するための開口823を含む。これにより、放熱部82に設けられた開口823を介して、光源部40から発生する熱を、効果的に周囲の空気に対する熱伝導および周囲の空気による自然対流により放熱させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、開口823は、放熱部82と光源部40とが配列された方向に貫通する複数の貫通孔823aを含む。これにより、放熱部82と光源部40とが配列された方向に貫通する貫通孔823aを介して、光源部40から発生する熱を、光源部40の励起光Exを照射する被検体P側とは反対側に配置された放熱部82の後方に、周囲の空気に対する熱伝導および周囲の空気による自然対流により放熱させることができる。その結果、光源部40から発生する熱が、被検体Pとは反対側に放熱され易くなるので、光源部40から発生する熱が、被検体Pに影響を与えるのをより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、開口823は、放熱部82と光源部40とが配列された方向に突出する複数の突出部822によって、放熱部82と光源部40との間に形成された隙間823bを含む。これにより、放熱部82と光源部40との間に形成された隙間823bを介して、光源部40から発生する熱を、放熱部82の側方側(突出部822が突出する方向に対して交差する方向)に、周囲の空気に対する熱伝導および周囲の空気による自然対流により放熱させることができる。その結果、検出部60や映像収集部70等が収納される筐体11が配置される光源部40の後方側とは異なり、周囲に比較的広い空間を確保できる放熱部82の側方側から放熱することにより、周囲の空気に対する熱伝導および周囲の空気による自然対流を効果的に行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、光源部40を、被検体P側から見て、円環状に形成し、放熱部82を、光源部40の形状に対応するように、被検体P側から見て、円環状に形成する。これにより、放熱部82が、円環状に形成された光源部40の形状に対応するように円環状に形成されているので、円環状の放熱部82を、光源部40の被検体P側とは反対側に、円環状の光源部40と接触するように(沿うように)、容易に配置させることができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、映像収集部70(発熱体HC)の近傍に伝熱部81(放熱部80)を設け、映像収集部70から発生する熱を熱伝導により放熱するとともに、光源部40(発熱体HC)の近傍に放熱部82(放熱部80)を設け、光源部40(発熱体HC)の点灯時に発生する熱を周囲の空気に対する熱伝導および周囲の空気による自然対流により放熱するように構成させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、放熱部80として、伝熱部81のみが設けられるように構成してもよい。また、映像収集部70に加えて、映像収集部70および光源部40以外に発熱体HCが設けられる場合には、伝熱部81に加えて、伝熱部81または放熱部82以外の放熱部80を設けるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、伝熱部81を、映像収集部70の筐体11側以外の面を覆うように、検出部60側の面811aと、面811aに接続される複数の側面811bとを含みように構成させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、伝熱部81を、映像収集部70の筐体11側の面を覆うように構成してもよい。また、伝熱部81を、筐体11側の面以外にも映像収集部70を覆わない部分が含まれるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、伝熱部81を、側面811bの筐体11側の端部の略全体で筐体11と接触するように配置させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、伝熱部81を、側面811bの筐体11側の端部の一部で筐体11と接触するように配置してもよい。
また、上記実施形態では、伝熱部81の複数の側面811bを、筐体11と接触するように構成させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、伝熱部81の1つの側面811bを、筐体11と接触させるように構成してもよい。また、伝熱部81を筐体11と接触させないように配置してもよい。
また、上記実施形態では、板状部分812の厚みが、面811aの厚みの略10~20倍となるように構成させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、板状部分812の厚みが、面811aの厚みの略10倍以下または略20倍以上となるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、板状部分812が、複数の側面811b同士を接続するように延びるように設けられた基部812aと、基部812aからFPGA71側に突出するように設けられた接触部812bと、を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、板状部分812が、FPGA71側に突出するように設けられた接触部812bを含まない構成としてもよい。
また、上記実施形態では、映像収集部70のFPGA71が伝熱部81に接触するように構成させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、映像収集部70のFPGA71以外の素子が伝熱部81に接触するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、伝熱部81が、検出部60側の面811aと離間し、複数の側面811b同士を接続するように延びるとともに、映像収集部70と接触する板状部分812を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、伝熱部81が、板状部分812を含まないように構成してもよい。
また、上記実施形態では、放熱部82を、光源部40の形状に対応するように、被検体P側から見て、円環状に形成させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、放熱部82を、被検体P側から見て、円環状以外の形状に形成してもよい。なお、放熱部82は、光源部40の形状に対応する形状に形成されることが好ましい。
また、上記実施形態では、放熱部82が、複数(4つ)の突出部822を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、1~3つの突出部822を設けてもよいし、5つ以上の突出部822を設けてもよい。
また、上記実施形態では、放熱部82に、略等しい大きさを有するとともに、環状に並ぶように略等角度間隔で配置された、複数の貫通孔823aが形成させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の貫通孔823aを、環状に並ばないように配置してもよいし、非等角度間隔で配置してもよい。また、貫通孔823aを、1つだけ設けてもよい。
また、上記実施形態では、突出部822の厚みを、円環部821の厚みよりも大きくさせた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、突出部822の厚みを、円環部821の厚みと等しくしてもよいし、円環部821の厚みより小さくしてもよい。
また、上記実施形態では、開口823が、貫通孔823aと、隙間823bと、を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、開口823が、貫通孔823aと隙間823bとのいずれかのみ含みように構成してもよい。また、開口823が、貫通孔823aおよび隙間823b以外の開口823を含みように構成してもよい。なお、開口823に隙間823bが含まれない場合は、突出部822を省略することができる。