JP7041838B2 - ヒートプロテクタ保護構造 - Google Patents

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Description

本開示は、ヒートプロテクタ保護構造に関する。
特許文献1には、取り付けブラケットを介して、シャシフレームに取り付けられる排気浄化装置が記載されている。排気浄化装置は、ディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)と触媒タンクとを有する。DPFは、シャシフレームの車両内側に配設され、還元タンクは、シャシフレームの車両外側に配設される。また、触媒タンクの車幅方向内側上方に断熱材が配置される構造が図示されている。
特開2009-138680号公報
特許文献1に記載されているような排気浄化装置(排気ガス浄化装置)を架装の下方の車幅方向外端部に配置する車両では、排気ガス浄化装置から上方への熱の伝達を防止するために、排気ガス浄化装置の上方に板状の断熱材(ヒートプロテクタ)を設ける場合がある。しかし、この場合、例えば作業者が架装に登る際にヒートプロテクタに足を掛ける可能性があり、ヒートプロテクタが踏みつけられた際に、板状のヒートプロテクタが作業者の足からの荷重によって破損してしまうおそれがある。ヒートプロテクタの破損は、ヒートプロテクタの断熱性の低下を招く。
そこで本開示は、ヒートプロテクタの破損を防止することが可能なヒートプロテクタ保護構造の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置の上方に配置され、排気ガス浄化装置が発する熱の上方への伝達を防止するためのヒートプロテクタと、ヒートプロテクタを保護するガード部材と、を備えるヒートプロテクタ保護構造であって、ヒートプロテクタは、排気ガス浄化装置から上方に離間する上板部材を備える。ガード部材は、ヒートプロテクタよりも高い剛性を有し、ヒートプロテクタの上板部材から上方に離間してヒートプロテクタを上方から覆う被覆部を備えるヒートプロテクタの上板部材と排気ガス浄化装置との間には、上板部材に下方から重なって固定されるステイ上部と、排気ガス浄化装置に固定されるステイ下部とを有する補強ステイが設けられる。ヒートプロテクタの上板部材のうちステイ上部と重なる領域とガード部材の被覆部との間には、上板部材に対する被覆部の下降を規制する潰れ止めが設けられる。
上記構成では、被覆部がヒートプロテクタの上面を上方から覆うので、例えば、架装へ上るための足場(梯子等)が排気ガス浄化装置よりも高い位置に配置される車両において、作業者が車両の架装に登る際に、作業者は、ヒートプロテクタの上面に足を掛けることなく、ガード部材の被覆部に足を掛けて架装の足場へ登ることができる。このように、作業者によるヒートプロテクタの踏み付けをガード部材の被覆部によって防止することができるので、ヒートプロテクタの破損を防止することができる。
また、被覆部は、ヒートプロテクタよりも高い剛性を有するので、被覆部の剛性を、架装への作業者の昇降時に入力する荷重に対して耐え得る十分な剛性に設定することができ、作業者の昇降時に被覆部の変形を抑えることができる。このように、作業者の昇降時に被覆部の変形を抑えることができるので、被覆部からヒートプロテクタへの荷重の伝達を抑制して、ヒートプロテクタの破損を防止することができる。
本発明の第2の態様は、上記第1の態様のヒートプロテクタ保護構造であって、ヒートプロテクタは、上板部材と排気ガス浄化装置との間に配置され、上板部材側への排気ガス浄化装置からの熱の伝達を防止する下側の断熱部を備える。ガード部材は、被覆部とヒートプロテクタの上板部材との間に配置され、被覆部側へのヒートプロテクタからの熱の伝達を防止する上側の断熱部を備える
上記構成では、上側の断熱部が、被覆部とヒートプロテクタの上板部材との間に配置され、被覆部側へのヒートプロテクタからの熱の伝達を防止する。すなわち、排気ガス浄化装置の上方には、ヒートプロテクタに加えて、ヒートプロテクタの上方にガード部材の断熱部が配置されるので、互いに上下に重なって配置されるヒートプロテクタ及びガード部材の断熱部の双方によって、排気ガス浄化装置が発する熱の上方への伝達を好適に抑制することができる。
本発明の第3の態様は、上記第1又は第2の態様のヒートプロテクタ保護構造であって、被覆部は、ヒートプロテクタの上面のうち、ヒートプロテクタの車幅方向両端の間の所定の位置よりも車幅方向外側の全領域を上方から覆い、上記所定の位置よりも車幅方向内側の領域を覆うことなく上方へ開放する。
上記構成では、被覆部は、ヒートプロテクタの上面のうち、ヒートプロテクタの車幅方向両端の間の所定の位置よりも車幅方向外側の領域を上方から覆うので、作業員が架装へ登る際に、足を掛け易いヒートプロテクタの上面の車幅方向外端側を被覆部によって確実に保護することができ、ヒートプロテクタの破損を防止することができる。
また、被覆部は、ヒートプロテクタの上面のうち上記所定の位置よりも車幅方向内側の領域を覆うことなく上方へ開放するので、その分だけ被覆部を小さくすることができ、ガード部材の重量を抑えることができる。
本発明の第4の態様は、上記第1~第3の態様の何れかのヒートプロテクタ保護構造であって、被覆部は、被覆部の車幅方向内端部にストッパ部を有する。ストッパ部は、被覆部の上面よりも上方へ突出し、車幅方向外側からストッパ部に作業者の足先が当接した際に、ストッパ部よりも車幅方向内側への作業者の足先の進入を規制する。
上記構成では、被覆部の車幅方向内端部にストッパ部が設けられ、ストッパ部は、被覆部の上面より上方へ突出し、車幅方向外側からストッパ部に作業者の足先が当接した際に、ストッパ部よりも車幅方向内側への作業者の足先の進入を規制する。このため、仮に被覆部よりも車幅方向内側にヒートプロテクタの上面が開放されている場合であっても、被覆部の車幅方向内端部よりも車幅方向内側への作業者の足先の進入を防止することができるので、被覆部よりも車幅方向内側のヒートプロテクタの上面を作業者が踏んでしまうことを防止することができ、ヒートプロテクタの破損を更に好適に抑制することができる。
本開示によれば、ヒートプロテクタの破損を防止することができる。
本実施形態に係るガード部材を有する車両を示す側面図である。 図1の排気ガス浄化装置とヒートプロテクタとプロテクタガードとを示す斜視図である。 図2の平面図である。 図3のIV-IV矢視断面図である。 図3のV-V矢視断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係るガード部材について図面を参照して詳細に説明する。図中の矢印FRは車両の前方を、矢印UPは上方を、矢印INは車幅方向内側をそれぞれ示す。また、以下の説明において、前後方向は車両の前後方向を意味し、左右方向は車両の前方を向いた状態での左右方向を意味する。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るガード部材を備える車両1は、例えば、キャブ2が概ねディーゼルエンジン(図示省略)の上方に配置されるキャブオーバー型の車両であって、車体フレーム3と、架装4と、排気ガス浄化装置5と、ヒートプロテクタ6と、プロテクタガード(ガード部材)7とを備える。車両1の車体フレーム3は、車両1の車幅方向両側で前後方向に延びる左右1対のサイドメンバ(図1に右側のみを図示する)8と、車幅方向に延びて左右のサイドメンバ8を連結する複数のクロスメンバ(図示省略)とによって構成される。サイドメンバ8の前端部の上方にはキャブ2が配置される。キャブ2はサイドメンバ8の前端部にチルト可能に固定される。キャブ2の後方には、縦根太9がサイドメンバ8に載置された状態で固定される。
架装4は、キャブ2の後方に配置され、縦根太9に載置された状態で、縦根太9を介してサイドメンバ8に固定される。架装4の前端部の車幅方向両側には、架装4昇降用の梯子10が取り付けられる。
図1、図2、図4及び図5に示すように、排気ガス浄化装置5は、DPD(Diesel Particulate Defuser)装置(図示省略)を有し、ディーゼルエンジンから延びる排気管(図示省略)に連結されて、ディーゼルエンジンからの燃焼排気ガス(以下、排気ガスと称する)を浄化する。DPD装置は、上流側に酸化触媒装置を、下流側に触媒付きフィルター装置を有し、捕集した粒子状物質を排気温度制御により燃焼する。係る燃焼により、DPD装置は高温となる。排気ガス浄化装置5は、梯子10の下方に配置され、キャブ2より後方のサイドメンバ8の右側面にブラケット(図示省略)を介して固定される。排気ガス浄化装置5の上面には、ヒートプロテクタ6を排気ガス浄化装置5に固定するブラケット16が設けられる。ブラケット16には、複数(本実施形態では4箇所)のボルト挿通孔16aが形成される。ブラケット16の複数のボルト挿通孔16aには、ヒートプロテクタ6を排気ガス浄化装置5に固定するボルト18がそれぞれ挿通する。ブラケット16の下面のボルト挿通孔16aの周縁には、ナット32が溶接される。
排気ガス浄化装置5の車幅方向外側には、ヒートガード12が設けられる。ヒートガード12は、排気ガス浄化装置5の略全域を車幅方向外側から覆った状態で排気ガス浄化装置5に取り付けられる。排気ガス浄化装置5の前面の下端部には、架装4昇降用の梯子10へ登るためのステップ(図示省略)が取り付けられる。後述するプロテクタガード7は、ステップと梯子10の下端縁との間の略中央の高さ位置に配置される。
図2~図5に示すように、ヒートプロテクタ6は、上下方向と交叉する板状に形成され、排気ガス浄化装置5の略全域を上方から覆った状態で、ブラケット16を介して排気ガス浄化装置5に取り付けられる。ヒートプロテクタ6は、排ガス浄化装置5が発する熱が上方へ伝わることを抑制する。ヒートプロテクタ6は、断熱部13と、後述する断熱部13の上板部材35の前端部に設けられる前側長尺部14aと、上板部材35の後端部に設けられる後側長尺部14bとを有する。断熱部13は、上板部材35と、上板部材35の下方に配置される下板部材36と、上板部材35と下板部材36との間に配置される補強ステイ30、グラスウール37及び潰れ止め19とから成る。
図4に示すように、上板部材35は、上下方向と交叉する略矩形の平板状部材である。上板部材35の車幅方向外端部には、車幅方向外側下方へ曲折して延びる傾斜部17が形成される。下板部材36は、上下方向と交叉する略矩形の平板状部材である。上板部材35には、複数(本実施形態では4箇所)のボルト挿通孔35aが形成される。下板部材36には、複数(本実施形態では4箇所)のボルト挿通孔36aが形成される。上板部材35及び下板部材36の複数のボルト挿通孔35a,36aは、ヒートプロテクタ6を排気ガス浄化装置5の上方に配置した状態で、排ガス浄化装置5側のブラケット16の複数のボルト挿通孔16aと対応する位置に形成される。上板部材35及び下板部材36の複数のボルト挿通孔35a,36aには、ヒートプロテクタ6を排気ガス浄化装置5に固定するボルト18がそれぞれ挿通する。
図5に示すように、補強ステイ30は、上板部材35と下板部材36との間の車幅方向外端部に配置され、ヒートプロテクタ6の前後方向に亘って延びる。補強ステイ30は、上板部材35の下面に面接触した状態で上板部材35に溶着されるステイ上部39と、下板部材36の上面に面接触した状態でボルト31によって下板部材36に固定されるステイ下部40とを有する。ステイ上部39には、ボルト挿通孔39aが複数(本実施形態では3箇所)形成される。上板部材35には、ボルト挿通孔35bが複数(本実施形態では5箇所)形成される。ステイ上部39及び上板部材35に形成されるボルト挿通孔39a,35bには、ボルト23が下方から挿通する。ボルト挿通孔39a,35bに下方からボルト23を挿通した状態で、ボルト23のボルト頭は、ステイ上部39の下面に溶着される。
グラスウール37は、断熱性を有し、上板部材35と下板部材36との間に配置される。グラスウール37には、潰れ止め挿通孔38が形成される。潰れ止め挿通孔38には、潰れ止め19が挿通する。
潰れ止め19は、円筒状部材であって、潰れ止め挿通孔38に挿入される。潰れ止め19の内径は、ブラケット16及び上板部材35に形成されるボルト挿通孔16a,35aと略同一であり、潰れ止め19の外径は、グラスウール37に形成される潰れ止め挿通孔38よりも僅かに小さい。潰れ止め19は、後述するボルト18が締付けられる際に軸力を確保するために設けられる。
図3及び図4に示すように、前側長尺部14aは、車幅方向に延びる長尺状の部材であって、断熱部13の上板部材35の前端部の下方に配置される。前側長尺部14aは、上板部材35の前端部の下面に面接触した状態で固定され、その前端縁から下方へ延びた後に曲折して前方へ延びる。後側長尺部14bは、車幅方向に延びる長尺状の部材であって、断熱部13の上板部材35の後端部の下方に配置される後側長尺部14bは、上板部材35の後端部の下面に面接触した状態で固定され、その後端縁から下方へ延びた後に曲折して後方へ延びる。
図4に示すように、ヒートプロテクタ6を排気ガス浄化装置5に取り付ける場合は、排気ガス浄化装置5に取り付けられたブラケット16のボルト挿通孔16aに、下板部材36のボルト挿通孔36aを合わせた状態で、ブラケット16にヒートプロテクタ6を載置する。次に、ブラケット16、上板部材35及び下板部材36のボルト挿通孔16a,35a,36aと潰れ止め19の内周にボルト18を上方から挿通する。最後に、ブラケット16に溶着されたナット32にボルト18を締結することによって、排気ガス浄化装置5に対してヒートプロテクタ6が取り付けられる。
図2~図5に示すように、プロテクタガード7は、ガード部(被覆部)20と、インシュレータ(断熱部)22と、複数(本実施形態では5つ)の潰れ止め21とを有する。プロテクタガード7は、ヒートプロテクタ6の車幅方向外端部の上方に配置されてヒートプロテクタ6に対して取り付けられ、ヒートプロテクタ6の車幅方向外端部の上面を上方から覆う。以下の説明では、プロテクタガード7をヒートプロテクタ6に取り付けたガード取付状態におけるプロテクタガード7の構造を説明する。
ガード部20は、ヒートプロテクタ6よりも高い剛性を有する鋼板等の高強度材料で形成された矩形平板状の部材であって、上下方向と交叉した状態で、ヒートプロテクタ6の車幅方向外端部の上方でヒートプロテクタ6の前後に亘って延びる。ガード部20は、後述するように潰れ止め21を介してヒートプロテクタ6に取り付けられることによって、ヒートプロテクタ6から上方に離間した位置に配置され、ヒートプロテクタ6との間にガード内空間41を区画形成する。ガード部20の車幅方向外端部、前端部及び後端部は、下方へ曲折している。ガード部20の車幅方向外端縁は、ヒートプロテクタ6の傾斜部17の車幅方向外端縁よりも僅かに車幅方向外側に配置されて前後方向に直線状に延びる。ガード部20の車幅方向内端は、ヒートプロテクタ6の車幅方向中央よりも車幅方向外側、且つヒートプロテクタ6の車幅方向外端縁よりも車幅方向内側の所定の位置(車幅方向における位置)15(図3参照)に配置されて前後方向に直線状に延びる。すなわち、ガード部20は、ヒートプロテクタ6の上面のうち、上記所定の位置15よりも車幅方向外側の全領域を上方から覆い、上記所定の位置15よりも車幅方向内側の領域を覆うことなく上方へ開放する。ガード部20の車幅方向内端には、上方へ曲した状態で前後方向に直線状に延びるストッパ部27が設けられる。ストッパ部27は、ストッパ部27よりも車幅方向外側のガード部20の上面よりも上方へ突出する。ストッパ部27の高さは、架装4への昇降時等に作業者がプロテクタガード7のガード部20の上面に足を掛けた際に、作業者の足先がストッパ部27に対して車幅方向外側から当接する高さに設定される。これにより、ストッパ部27は、ストッパ部27よりも車幅方向内側への作業者の足先の進入を規制する。ガード部20には、ボルト挿通孔20aが複数(本実施形態では5箇所)形成される。ボルト挿通孔20aにはボルト23が下方から挿通する。ガード部20の剛性は、架装4への昇降時等に作業者にプロテクタガード7が踏まれた際に、プロテクタガード7からヒートプロテクタ6に対して入力する荷重によってヒートプロテクタ6が破損しないように、ガード部20の変形を抑制可能な剛性に設定される。ガード部20の剛性は、比較的重い(一般的な大人の体重よりも重い)体重の作業者を想定した実験やシミュレーション等によって設定される。
インシュレータ22は、2つの平板状の断熱材であって、ガード内空間41の略全域に配置され、ヒートプロテクタ6からガード部20側への熱の伝達を防止する。インシュレータ22は、上側に配置される上側インシュレータ24と、下側に配置される下側インシュレータ25とから構成される。上側インシュレータ24には、ガード部20のボルト挿通孔20aに対応する位置に潰れ止め挿通孔29aが形成される。下側インシュレータ25には、断熱部13のボルト18のボルト頭34に対応する位置にボルト頭挿通孔28が形成され、ガード部20のボルト挿通孔20aに対応する位置に潰れ止め挿通孔29bが形成される。
潰れ止め21は、ガード部20に形成されるボルト挿通孔20aと内径が略同一であり、インシュレータ22に形成される潰れ止め挿通孔29a,29bより外径が僅かに小さい円筒状部材である。潰れ止め21は、ガード部20とヒートプロテクタ6との間に配置されて、ボルト23が締付けられる際に軸力を確保するために設けられる。
次に、ヒートプロテクタ6に対してプロテクタガード7を取り付ける場合について説明する。
図5に示すように、プロテクタガード7をヒートプロテクタ6に取り付ける場合、先ず、ボルト挿通孔20a,35bに下方から挿通された状態で、補強ステイ30のステイ上部39の下面にボルト頭が溶着されるボルト23に、潰れ止め21を上方から挿入する。次に、潰れ止め挿通孔29a,29b内に潰れ止め21を配置し、ボルト頭挿通孔28内にボルト頭34を配置した状態(図4参照)で、インシュレータ22をヒートプロテクタ6に載置する。次に、ボルト23をガード部20に形成されるボルト挿通孔20aに下方から挿通した状態で、プロテクタガード7をインシュレータ22に載置する。最後に、ボルト23にナット33を締結することによって、ガード取付状態となる。
次に、作業者が架装4に登る動作について説明する。
作業者は、架装4に登る場合、先ず、排気ガス浄化装置5に取り付けられたステップへ一方の足を掛け、次に、プロテクタガード7のガード部20の上面へ他方の足を掛け、最後に、上記一方の足を排気ガス浄化装置5のステップから梯子10の下端部に移動させて、架装4へ登る。
本実施形態では、ガード部20がヒートプロテクタ6の上面を上方から覆うので、作業者は、車両1の架装4に登る際に、ヒートプロテクタ6の上面に足を掛けることなく、プロテクタガード7のガード部20に足を掛けて架装4へ登ることができる。このように、作業者によるヒートプロテクタ6の踏み付けをプロテクタガード7のガード部20によって防止することができるので、ヒートプロテクタ6の破損を防止することができる。
また、ガード部20は、ヒートプロテクタ6の上面のうち、上記所定の位置15よりも車幅方向外側の全領域を上方から覆うので、作業員が架装4へ登る際に、足を掛け易いヒートプロテクタ6の上面の車幅方向外端側をガード部20によって確実に保護することができ、ヒートプロテクタ6の破損を防止することができる。
また、ストッパ部27の高さが、架装4への昇降時等に作業者がプロテクタガード7のガード部20の上面に足を掛けた際に、作業者の足先がストッパ部27に対して車幅方向外側から当接する高さに設定され、ストッパ部27が、ストッパ部27よりも車幅方向内側への作業者の足先の進入を規制する。このため、ガード部20よりも車幅方向内側のヒートプロテクタ6の上面を作業者が踏んでしまうことを防止することができ、ヒートプロテクタ6の破損を更に好適に抑制することができる。
また、ガード部20の剛性は、架装4への昇降時等に作業者にプロテクタガード7が踏まれた際に、プロテクタガード7からヒートプロテクタ6に対して入力する荷重によってヒートプロテクタ6が破損しないように、ガード部20の変形を防止又は抑制可能な剛性に設定される。このため、架装4への作業者の昇降時にガード部20の変形を抑えることができ、プロテクタガード7からヒートプロテクタ6への荷重の伝達を抑制して、ヒートプロテクタ6の破損を防止することができる。
また、インシュレータ22が、ガード内空間41の略全域に配置され、ヒートプロテクタ6からガード部20側への熱の伝達を防止する。すなわち、排気ガス浄化装置5の上方には、ヒートプロテクタ6に加えて、ヒートプロテクタ6の上方にプロテクタガード7が配置されるので、互いに上下に重なって配置されるヒートプロテクタ6及びプロテクタガード7のインシュレータ22の双方によって、排気ガス浄化装置5が発する熱の上方への伝達を好適に抑制することができる。
また、ガード部20は、ヒートプロテクタ6の上面のうち、上記所定の位置15よりも車幅方向内側の領域を覆うことなく上方へ開放するので、その分だけガード部20を小さくすることができ、プロテクタガード7の重量を抑えることができる。
なお、本実施形態では、プロテクタガード7のガード部20の車幅方向内端縁を、ヒートプロテクタ6の車幅方向中央よりも車幅方向外側、且つヒートプロテクタ6の車幅方向外端縁よりも車幅方向内側の上記所定の位置15に配置したが、これに限定されるものではなく、ヒートプロテクタ6の車幅方向両端の間の所定の位置に配置することができる。この場合であっても、プロテクタガード7は、ヒートプロテクタ6の上面のうち、上記所定の位置よりも車幅方向外側の全領域を上方から覆い、上記所定の位置よりも車幅方向内側の領域を覆うことなく上方へ開放する。或いは、プロテクタガード7のガード部20の車幅方向内端縁を、ヒートプロテクタ6の車幅方向内端縁よりも車幅方向内側に配置し、プロテクタガード7が、ヒートプロテクタ6の上面の全領域を上方から覆ってもよい。
また、本実施形態では、プロテクタガード7のガード部20の車幅方向内端縁を上記所定の位置15で前後方向に直線状に延びる形状としたが、これに限定されるものではなく、例えば、プロテクタガード7のガード部20の車幅方向内端縁を曲線状に或いは凸凹に延びる形状としてもよい。すなわち、ヒートプロテクタ6の車幅方向両端の間の所定の位置は、直線によって規定される位置に限定されない。
また、本実施形態では、ヒートプロテクタ6よりも高い剛性を有する鋼板等の高強度材料で形成されるガード部20を設けたが、これに限定されるものではなく、ヒートプロテクタ6よりも高い剛性であれば他の材料で形成されたガード部(被覆部)を設けてもよい。
また、本実施形態では、架装4への昇降時等に作業者にプロテクタガード7が踏まれた際に、プロテクタガード7からヒートプロテクタ6に対して入力する荷重によってヒートプロテクタ6が破損しないように、ガード部20の剛性をガード部20の変形を抑制可能な剛性に設定したが、これに限定されるものではない。例えば、ガード部20の剛性を、架装4への昇降時等に作業者からプロテクタガード7に入力する荷重によってガード部20が変形しない剛性に設定してもよい。
また、本実施形態では、インシュレータ22をガード内空間41に配置したが、インシュレータ22をガード内空間41に配置しなくてもよい。すなわち、インシュレータ22を備えないプロテクタガード7であってもよい。
また、本実施形態では、ストッパ部27の形状を、ガード部20の車幅方向内端部で上方へ曲折して前後方向に直線状に延びる形状としたが、これに限定されるものではない。例えば、ガード部20の車幅方向内端部の板厚を他の領域よりも厚くし、ガード部20の車幅方向内端部の上面が前記他の領域の上面よりも上方に配置されるようなストッパ部の形状としてもよい。
また、本実施形態では、ガード部20にストッパ部27を設けたが、ストッパ部27を設けなくてもよい。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
本発明は、排気ガス浄化装置のヒートプロテクタの保護に広く適用することができる。
1 車両
3 車体フレーム
4 架装
5 排気ガス浄化装置
6 ヒートプロテクタ
7 プロテクタガード(ガード部材)
8 サイドメンバ
10 梯子
14a 前側長尺部
14b 後側長尺部
15 所定の位置
16 ブラケット
17 傾斜部
19 潰れ止め
20 ガード部(被覆部)
21 潰れ止め
22 インシュレータ(断熱部)
27 ストッパ部
30 補強ステイ
35 上板部材
36 下板部材
37 グラスウール
38 潰れ止め挿通孔
41 ガード内空間

Claims (4)

  1. 排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置の上方に配置され、前記排気ガス浄化装置が発する熱の上方への伝達を防止するためのヒートプロテクタと、前記ヒートプロテクタを保護するガード部材と、を備えるヒートプロテクタ保護構造であって、
    前記ヒートプロテクタは、前記排気ガス浄化装置から上方に離間する上板部材を備え、
    前記ガード部材は、前記ヒートプロテクタよりも高い剛性を有し、前記ヒートプロテクタの前記上板部材から上方に離間して前記ヒートプロテクタを上方から覆う被覆部を備え
    前記ヒートプロテクタの前記上板部材と前記排気ガス浄化装置との間には、前記上板部材に下方から重なって固定されるステイ上部と、前記排気ガス浄化装置に固定されるステイ下部とを有する補強ステイが設けられ、
    前記ヒートプロテクタの前記上板部材のうち前記ステイ上部と重なる領域と前記ガード部材の前記被覆部との間には、前記上板部材に対する前記被覆部の下降を規制する潰れ止めが設けられる
    ことを特徴とするヒートプロテクタ保護構造
  2. 請求項1に記載のヒートプロテクタ保護構造であって、
    前記ヒートプロテクタは、前記上板部材と前記排気ガス浄化装置との間に配置され、前記上板部材側への前記排気ガス浄化装置からの熱の伝達を防止する下側の断熱部を備え、
    前記ガード部材は、前記被覆部と前記ヒートプロテクタの前記上板部材との間に配置され、前記被覆部側への前記ヒートプロテクタからの熱の伝達を防止する上側の断熱部を備える
    ことを特徴とするヒートプロテクタ保護構造
  3. 請求項1又は請求項2に記載のヒートプロテクタ保護構造であって、
    前記被覆部は、前記ヒートプロテクタの上面のうち、前記ヒートプロテクタの車幅方向両端の間の所定の位置よりも車幅方向外側の全領域を上方から覆い、前記所定の位置よりも車幅方向内側の領域を覆うことなく上方へ開放する
    ことを特徴とするヒートプロテクタ保護構造
  4. 請求項1~請求項3の何れか1項に記載のヒートプロテクタ保護構造であって、
    前記被覆部は、前記被覆部の車幅方向内端部にストッパ部を有し、
    前記ストッパ部は、前記被覆部の上面よりも上方へ突出し、車幅方向外側から前記ストッパ部に作業者の足先が当接した際に、前記ストッパ部よりも車幅方向内側への作業者の足先の進入を規制する
    ことを特徴とするヒートプロテクタ保護構造
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