JP7041575B2 - 地下構造体の施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地下構造体の施工方法に関するものである。
従来、土留め壁を構築する際には、掘削部内への地下水の流入を防いで揚圧力を低減するために、地盤の不透水層まで土留め壁を根入れしていた。また、地下水位より深い立坑を構築する際には、立坑内を掘削した後に、立坑壁体内に地下水が溜まった状態で坑底部を冷却して凍結させ、地下水を排出する方法が提案されていた(例えば、特許文献1参照)。
軟弱地盤に構築した土留め壁等の内部を掘削する際には、土留め壁等の内側の地表から所定の深さまで削孔して柱状の地盤改良体を形成する作業を繰り返して行うことにより、柱状の地盤改良体を水平方向に連続して設置して先行地中梁を形成していた。
特許第5443200号公報
しかしながら、不透水層まで土留め壁の根入れをする方法では、壁長が長くなり、工費が嵩むという問題があった。立坑の掘削後に坑底部を凍結して地下水を排水する方法は、地下水の圧力に対抗するための凍結厚さが必要になるため、コストがかかった。また、凍結後に立坑内の地下水を排水するため、施工の効率が悪かった。
柱状の地盤改良体を連続して設置して先行地中梁を形成する方法は、削孔作業と柱状の地盤改良体を形成する作業とを何度も繰り返すため、施工の効率が悪く不経済であった。また、地盤の掘削に伴う改良体の撤去に手間がかかった。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすることは、土留め壁内の掘削と並行して、土留め壁の支保や底盤改良のための地中支持体を効率良く施工できる地下構造体の施工方法を提供することである。
前述した目的を達成するために本発明は、地盤中に土留め壁を設置する工程aと、地上から削孔ロッドを発進させ、前記削孔ロッドに振動を、ないしは前記削孔ロッドの先端ビットに打撃を加えつつ、前記削孔ロッドの回転と非回転とを制御することにより、前記土留め壁の一部を貫通し、前記土留め壁の他部に到達する曲がりボーリング孔を削孔する工程bと、前記曲がりボーリング孔を用いて地中支持体を構築する工程cと、を具備し、前記地中支持体が、凍結工法により構築される先行地中梁を含むことを特徴とする地下構造体の施工方法である。
本発明では、曲がりボーリング孔を用いて土留め壁の側方から地中支持体を構築することにより、土留め壁の支保や底盤改良のための地中支持体を効率良く施工することができる。また、土留め壁内を掘削する工程と並行して、地中支持体を構築することができる。本発明で削孔ロッドに加える振動成分は、軸方向であってもよいし、複数方向であってもよい。複数方向の振動成分を加えることにより、地盤が硬い場合や、地盤の硬さが変化する場合にも、削孔方向がぶれることなく、計画された方向に削孔を行うことができる。また、地中支持体として凍結工法により先行地中梁を構築することにより、土留め壁の内側の掘削時に先行地中梁を融解して簡単に撤去することができる。
前記土留め壁は、下端が前記地盤の不透水層まで到達していなくてもよい。
土留め壁の壁長を短くすることにより、工費を削減することができる。
地中支持体が凍結工法により構築される先行地中梁である場合、工程cの後、前記先行地中梁の上方の前記地盤を掘削して前記土留め壁の内側に躯体の一部を構築し、前記先行地中梁を融解する工程dをさらに具備し、前記工程bから前記工程dを前記地盤の上方から下方へと順に繰り返し、逆巻き工法によって前記躯体を構築してもよい。
これにより、下方の先行地中梁を構築しつつ、上方の地盤を掘削して躯体を構築することができる。
凍結工法を用いる場合、前記工程cで、前記曲がりボーリング孔内に凍結管を配置し、前記凍結管内に設置されたマイクロチャンネルに凍結冷媒を循環させて、前記曲がりボーリング孔の周囲に凍土を形成することにより、前記地中支持体を構築することが望ましい。
マイクロチャンネルは、軽量で熱伝導性に優れているため、配置が容易であり、効率良く凍土を造成できる。
本発明によれば、土留め壁内の掘削と並行して、土留め壁の支保や底盤改良のための地中支持体を効率良く施工できる地下構造体の施工方法を提供できる。
曲がりボーリング孔9、11を削孔する工程を示す図 削孔ロッド5の先端ビット7付近の断面図 曲がりボーリング孔9、11に凍結管25を配置する方法を示す図 曲がりボーリング孔9、11に凍結管25を配置して凍土を形成し、掘削を開始する工程を示す図 凍結底盤37内の凍結管25の配置を示す図 土留め壁3の内側の地盤1の掘削を終了した状態を示す図 平板状の凍結底盤37aを構築する例を示す図 土留め壁43が平面視で矩形である例を示す図 削孔ロッド5が土留め壁3の他部3bを貫通する例を示す図 逆巻き工法によって躯体47を構築する例を示す図
以下、図面に基づいて、本発明の第1の実施形態を詳細に説明する。
図1は、曲がりボーリング孔9、11を削孔する工程を示す図である。図1(a)は、地盤1の鉛直方向の断面図であり、最上段の曲がりボーリング孔9と最下段の曲がりボーリング孔11とを削孔した状態を示す。図1(b)は、図1(a)に示す矢印Aの方向から見た図であり、底面視での曲がりボーリング孔11の配置を示す。図2は、削孔ロッド5の先端ビット7付近の断面図である。
図1に示すように、地盤1には、土留め壁3が構築される。地盤1は、例えば、粘性土層13の下方に砂質土層15が存在し、その下方に不透水層である粘性土層17が存在するものとする。土留め壁3の下端部は、砂質土層15内に位置し、粘性土層17には到達しない。土留め壁3の外側の地盤1上には、削孔ロッド5を駆動するためのボーリングマシン8が設置される。
図2に示すように、削孔ロッド5は、管状材であり、先端ビット7に削孔方向決定部材19が設けられる。削孔ロッド5は、大きな靱性を有する。削孔方向決定部材19は、削孔ロッド5の軸方向(図2に示す矢印Xの方向)に対して所定の角度をなすように取り付けられる。削孔ロッド5の先端付近には詰め物21が設けられる。削孔ロッド5の先端ビット7には、位置探査のための図示しない発信器が設置される。また、ボーリングマシン8には、図示しないジャイロ挿入引き込み装置が一体化される。
ボーリングマシン8は、削孔ロッド5の全体を矢印Bに示すように回転させることができる。さらに、必要に応じて削孔ロッド5を先端ビット7の方向に押し出すことが可能である。削孔ロッド5は、ボーリングマシン8によって軸方向に振動が加えられるような構成、ないしは、先端ビット7の基端部側に設置された図示しないハンマー等で先端ビット7に打撃が加えられるような構成とする。
削孔ロッド5は、回転と、削孔ロッド5への軸方向への振動ないしは先端ビット7への打撃とを組み合わせることで直進する。また、削孔ロッド5の回転を停止して非回転の状態で軸方向への振動ないしは先端ビット7への打撃を加えることで、削孔方向決定部材19の方向への削孔が行われ、削孔方向を任意の方向に曲げることができる。なお、掘削対象となる地盤の状況に応じて単位時間あたりの打撃回数を増減するなどして、振動ないしは打撃の加え方と押し出し力を調整することによって、削孔の曲率を調整することもできる。
図1(a)に示す工程では、ボーリングマシン8を用いて削孔ロッド5に軸方向の振動を加えつつ、ないしは先端ビット7に打撃を加えつつ削孔ロッド5の回転と非回転とを制御することにより、地盤1上から削孔ロッド5を発進させて、削孔ロッド5で地盤1に曲がりボーリング孔9、11を削孔する。削孔ロッド5は、土留め壁3の一部を外側から切削する際に、少し後退し、先端ビット7から固化材等を注入して切削部分の周辺の地盤1に止水部39を形成した後、削孔を再開する。そして、土留め壁3の一部を貫通して土留め壁3内を削孔し、土留め壁3の他部に到達する。
曲がりボーリング孔9は、図1(a)に示すように、地上から土留め壁3の一部まで曲線状に削孔され、土留め壁3の内側では直線状に削孔される。曲がりボーリング孔9は、土留め壁3の支保のための地中支持体である先行地中梁の構築予定位置に削孔される。曲がりボーリング孔9の近傍には、測温用の図示しない孔が削孔される。
曲がりボーリング孔11は、図1(a)に示すように、全体が曲線状に削孔され、土留め壁3の内側では下に凸の曲線形状となるように削孔される。曲がりボーリング孔11は、土留め壁3の底盤改良のための地中支持体である凍結底盤の構築予定位置に削孔される。曲がりボーリング孔11は、図1(b)に示すように、平面視で、土留め壁3の内側すなわち凍結底盤の構築予定範囲内で、所定の間隔をおいて複数本削孔される。また、曲がりボーリング孔11同士の間には、測温用の図示しない孔が削孔される。
図1に示す工程では、削孔ロッド5による地盤1の削孔中に、削孔ロッド5の先端ビット7に設置した図示しない発信器の位置を、地上部からリアルタイムで探査する。また、削孔中の適切な時期に、ボーリングマシン8と一体化された図示しないジャイロ挿入引き込み装置を用いて、削孔ロッド5の先端ビット7付近に図示しないジャイロスコープを挿入して引き込むことにより、削孔ロッド5の削孔軌跡を計測する。
図3は、曲がりボーリング孔9、11に凍結管25を配置する方法を示す図である。図3(a)は、削孔ロッド5に撤去用部材23を挿入した状態を示す図、図3(b)は、詰め物21を撤去した状態を示す図、図3(c)は、削孔ロッド5に凍結管25を挿入した状態を示す図、図3(d)は、曲がりボーリング孔9、11から削孔ロッド5を撤去した状態を示す図である。
図4は、曲がりボーリング孔9、11に凍結管25を配置して凍土を形成し、掘削を開始する工程を示す図である。図4(a)は、最上段の曲がりボーリング孔9、曲がりボーリング孔11に凍結管25を配置した状態を示す図、図4(b)は、最上段の先行地中梁35および凍結底盤37を構築した状態を示す図、図4(c)は、土留め壁3内の地盤1の掘削を開始した状態を示す図である。図5は、凍結底盤37内の凍結管25の配置を示す図である。図5は、図4(b)に示す矢印Gの方向から見た図である。
図4(a)に示す工程では、最上段の曲がりボーリング孔9、曲がりボーリング孔11に凍結管25を配置する。凍結管25を配置するには、まず、図1(a)に示す状態の削孔ロッド5の内部に、図3(a)に示すように、撤去用部材23を挿入し、撤去用部材23と詰め物21とを連結する。そして、図3(b)に示すように、撤去用部材23および詰め物21を削孔ロッド5から撤去する。
次に、図3(c)に示すように、削孔ロッド5の内部に凍結管25を挿入して配置する。さらに、図3(d)に示すように、削孔ロッド5を曲がりボーリング孔9、11から撤去する。このとき、土留め壁3の外側の止水部39(図4(a))を固化材等によって補強する。また、凍結管25の内部に、マイクロチャンネル27を帯状に配置する。マイクロチャンネル27は、凍結管25のうち、土留め壁3の内側の区間に配置される。
撤去用部材23、凍結管25、マイクロチャンネル27は、地表から曲がりボーリング孔9、11に挿入される。また、撤去用部材23および詰め物21、削孔ロッド5は、図3(a)の矢印Cや図3(c)の矢印Dに示すように、曲がりボーリング孔9、11から地表側に引き抜いて撤去される。
マイクロチャンネル27は、アルミ製の押し出し成形品であり、内部に複数の冷媒循環路を有する。マイクロチャンネル27は、先端側にソケット29を有し、後端側にソケット31を有する。ソケット31には供給管33aと戻り管33bとが接続される。
図4(a)に示す工程で、最上段の曲がりボーリング孔9、曲がりボーリング孔11に凍結管25およびマイクロチャンネル27を設置した後、図4(b)に示す工程では、凍結融解装置26と凍結管25に配置したマイクロチャンネル27との間に凍結冷媒を循環させる。凍結冷媒は、二酸化炭素とする。凍結融解装置26から供給された凍結冷媒は、図3(d)に示す供給管33aからソケット31を介してマイクロチャンネル27内の供給用の冷媒循環路に流入し、ソケット29を介してマイクロチャンネル27内の戻り用の冷媒循環路に流入し、ソケット31を介して戻り管33bに戻る。
図4(b)に示す工程では、マイクロチャンネル27に凍結冷媒を循環させることにより、曲がりボーリング孔9の土留め壁3の内側の区間の周囲に、凍土による先行地中梁35が構築される。先行地中梁35は、土留め壁3の支保のための地中支持体である。
図4(b)に示す工程では、マイクロチャンネル27に凍結冷媒を循環させることにより、曲がりボーリング孔11の土留め壁3の内側の区間の周囲にも凍土が形成され、土留め壁3の底部に凍結底盤37が構築される。凍結底盤37は、土留め壁3の底盤改良のための地中支持体である。曲がりボーリング孔11は、図2に示すように所定の間隔をおいて削孔されているため、複数の曲がりボーリング孔11の土留め壁3の内側の区間に図5に示すように凍結管25を配置して凍土を造成することにより、隣接する曲がりボーリング孔11の周囲の凍土が連続して一体となり、ドーム状の凍結底盤37が構築される。ドーム状とは、球体の一部のような形状であり、径方向の断面が一定の大きさの円弧状である。
凍結工法によって先行地中梁35や凍結底盤37を構築する際には、上述した測温用の孔に設置した光ファイバセンサなどを用いて凍土の成長を確認することが望ましい。凍土の成長が不十分である場合は、凍結範囲を拡大させたり、固化材を注入したりして、先行地中梁35や凍結底盤37の強度や止水性を確保する。
図4(b)に示す工程で最上段の先行地中梁35を構築した後、図4(c)に示す工程では、地盤1の土留め壁3の内部を、最上段の先行地中梁35の深さまで掘削する。その後、最上段の先行地中梁35を融解させて地盤1を元の状態に戻す。先行地中梁35を融解させる際、凍結管25に温水などを流して、融解を促進させてもよい。先行地中梁35の融解後は、必要に応じて凍結管25を撤去し、図示しない腹起しや切梁を適宜設置する。
第1の実施の形態では、図4の各図に示すように、最上段の曲がりボーリング孔9に凍結管25を設置して先行地中梁35を構築し、その上方の地盤1を掘削する作業と並行して、2段目や3段目の先行地中梁35を順次構築する。そして、地盤1を掘削して先行地中梁35を融解する作業を下方に向けて繰り返す。
図6は、土留め壁3の内側の地盤1の掘削を終了した状態を示す図である。3段目の先行地中梁35を融解した後は、凍結底盤37の上方に所定厚の土塊層41を残した状態で地盤1の掘削を終了する。土塊層41の厚さは、地盤1の周囲の被覆地下水圧による盤膨れを抑止できる厚さに設定される。
図6に示す状態では、矢印Eに示すように凍結底盤37にかかる地下水圧が、凍結底盤37のアーチ効果によって土留め壁3の背面の地盤1に伝わる。また、矢印Fに示すように土塊層41の重量が地下水圧に対抗する。この後、掘削部に地下構造体を施工することができる。
このように、第1の実施の形態によれば、曲がりボーリング孔9や曲がりボーリング孔11を用いて、土留め壁3の側方から地中支持体である先行地中梁35や凍結底盤37を構築することにより、地中支持体を効率良く施工することができる。また、土留め壁3の側方から先行地中梁35を構築すれば、上段の地盤1の掘削と下段の先行地中梁35の構築とを並行して行うことができる。
第1の実施の形態では、凍結工法によって先行地中梁35や凍結底盤37を構築することにより、土留め壁3の内側の地盤1を掘削する際に、不要となった先行地中梁35を融解して簡単に撤去することができる。また、不要となった凍結底盤37も融解すれば元の地盤1に戻るため、自然復旧が容易である。
さらに、凍結底盤37を構築することにより、土留め壁3の下端が地盤1の不透水層(粘性土層17)まで到達していない場合にも、土留め壁3の下端部の止水性を容易に確保できるため、土留め壁3の壁長を短くして工費を削減することが可能となる。
第1の実施の形態では、曲がりボーリング孔11を、土留め壁3の内側の範囲において下に凸の曲線形状とし、下に凸のドーム状の凍結底盤37を構築する。ドーム状の凍結底盤37はアーチ効果が得られるため、凍結底盤37にかかる地下水の揚圧力を土留め壁3の背面に地盤1に伝えることができる。また、凍結底盤37の上部に所定厚以上の土塊層41を設けることにより、凍結底盤37と土塊層41の重量とで地下水の揚圧力に対抗することができる。これらにより、凍結底盤37の厚さを薄くしても盤膨れを防止することが可能となり、工費を削減できる。
第1の実施の形態では、曲がりボーリング孔9、11内に凍結管25を配置し、凍結管25内に設置されたマイクロチャンネル27に凍結冷媒を循環させる。マイクロチャンネル27は、軽量で熱伝導性に優れているため、配置が容易であり、効率良く凍土を造成できる。
なお、第1の実施の形態では、ドーム状すなわち径方向の断面が一定の大きさの円弧状であるような形状の凍結底盤37を構築したが、凍結底盤の形状はドーム状に限らない。図7は、平板状の凍結底盤37aを構築する例を示す図である。図7に示す例では、凍結底盤の構築予定位置に、第1の実施の形態の曲がりボーリング孔11の代わりに、曲がりボーリング孔11aを削孔する。曲がりボーリング孔11aは、地表から土留め壁3までが曲線状に削孔され、土留め壁3の内側が直線状に削孔される。曲がりボーリング孔11aは、土留め壁3の内側では、平面視で所定の間隔をおいて削孔される。
曲がりボーリング孔11aを削孔した後、曲がりボーリング孔11aに凍結管25およびマイクロチャンネル27を設置して凍結冷媒を循環させる。上述したように曲がりボーリング孔11aは所定の間隔をおいて削孔されているため、隣接する曲がりボーリング孔11aの周囲に造成された複数の凍土が連続して一体となることにより、平板状の凍結底盤37aが構築される。土留め壁3の内側の地盤1を掘削する際には、凍結底盤37aの上方に所定厚の土塊層41aを残置する。
凍結底盤が、アーチ状すなわち軸方向の断面が一定の大きさの円弧状であるような形状に構築される場合もある。図8は、土留め壁43が平面視で矩形である例を示す図である。図8に示す例では、先行地中梁45が、土留め壁43の一部43bと他部43aとの間に構築される。また、凍結底盤は、土留め壁の内側で下に凸の曲線状となるように削孔された複数の曲がりボーリング孔の周囲に造成される凍土が連続して一体となることにより、アーチ状に構築される。
第1の実施の形態では、削孔ロッド5が土留め壁3の他部に到達したところで曲がりボーリング孔9、11の削孔を停止したが、削孔ロッド5が土留め壁3の他部を貫通する場合もある。図9は、削孔ロッド5が土留め壁3の他部3bを貫通する例を示す図である。図9(a)は、曲がりボーリング孔11bの削孔を終了した状態を示す図、図9(b)は、凍結底盤37を構築した状態を示す図である。
図9に示す例では、削孔ロッド5によって削孔される曲がりボーリング孔11bが土留め壁3の他部3bを貫通する。図9(a)に示す工程では、削孔ロッド5が、土留め壁3の他部3bを内側から切削する際に、土留め壁3の一部3aを外側から切削する際と同様に、少し後退し、固化材等によって止水部39bを形成する。図9(b)に示す工程では、この曲がりボーリング孔11bを用いて凍結工法によって凍結底盤37を構築する。
第1の実施の形態では、地中支持体として先行地中梁35と凍結底盤37の両方を構築する例について説明したが、先行地中梁35と凍結底盤37との併用は必須ではない。例えば、先行地中梁35を構築せず、曲がりボーリング孔11を用いて凍結底盤37のみを構築してもよい。また、土留め壁3の下端部が不透水層に達している場合などは、曲がりボーリング孔9を用いて先行地中梁35のみを構築し、凍結底盤37を構築しなくてもよい。
次に、第2の実施の形態について説明する。図10は、逆巻き工法によって地下構造体である躯体47を構築する例を示す図である。第2の実施の形態では、第1の実施の形態と異なる点について説明し、同様の点については図等で同じ符号を付すなどして説明を省略する。
逆巻き工法で躯体47を構築するには、まず、図10(a)に示すように、最上段の先行地中梁35を構築する。同時に、2段目の曲がりボーリング孔9を削孔する。そして、図10(b)に示すように、最上段の先行地中梁35の上側まで地盤1を掘削して躯体47を構築する。同時に、2段目の曲がりボーリング孔9に凍結管25とマイクロチャンネル27を設置する。
次に、図10(c)に示すように、最上段の先行地中梁35を融解し、凍結管25とマイクロチャンネル27を撤去する。同時に、2段目の先行地中梁35を構築し、3段目の曲がりボーリング孔9を削孔する。
その後、図10(d)から図10(f)に示すように、曲がりボーリング孔9を削孔して先行地中梁35を構築する作業と、先行地中梁35の上方の地盤1を掘削して土留め壁3の内側に躯体47の一部を構築して先行地中梁35を融解する作業とを地盤1の上方から下方へと繰り返し、所定の深さまで躯体47を構築する。
このように、第2の実施の形態では、土留め壁3の側方から曲がりボーリング孔9を削孔して先行地中梁35を構築することにより、先に構築した先行地中梁35の上方の地盤1を掘削して躯体47を構築しつつ、下方の地盤1中に先行地中梁35を構築することができる。
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では、第1の実施の形態と異なる点について説明し、同様の構成については図等で同じ符号を付すなどして説明を省略する。第3の実施の形態で説明する構成は、必要に応じて第2の実施の形態とも組み合わせることができる。
第3の実施の形態では、図1に示すボーリングマシン8が、図2に示す削孔ロッド5に複数方向の振動を加えるとともに、削孔ロッド5の全体を図2に示す矢印Bに示すように回転させる。ボーリングマシン8は、削孔ロッド5に、例えば、図2に示す矢印Yの方向などに振動成分を加えてもよく、三次元的に振動を付与してもよい。さらに、ボーリングマシン8は、必要に応じて削孔ロッド5を先端ビット7の方向に押し出すことが可能である。
削孔ロッド5は、回転と振動とを組み合わせることで直進する。また、削孔ロッド5の回転を停止して非回転状態として振動を加えることで、削孔方向決定部材19の方向への削孔が行われ、削孔方向を任意の方向に曲げることができる。なお、振動の加え方と押し出し力を調整することによって、削孔の曲率を調整することもできる。
第3の実施の形態では、図1(a)に示す工程で、ボーリングマシン8を用いて削孔ロッド5に振動を加えつつ削孔ロッド5の回転と非回転とを制御することにより、地盤1上から削孔ロッド5を発進させて、削孔ロッド5で地盤1に曲がりボーリング孔9、11を削孔する。第3の実施の形態では、曲がりボーリング孔9、11を削孔した後、第1の実施の形態と同様の手順で先行地中梁35や凍結底盤37を施工する。
第3の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。加えて、第1の実施の形態で削孔ロッド5に加えられる振動や先端ビット7に加えられる打撃は、軸方向への衝撃であるため、ロッドが長い場合には衝撃力が減衰するが、第3の実施の形態の削孔ロッド5の振動は、複数方向に加えられ、ロッドが長い場合にも減衰せずに伝播するため、長距離の削孔が可能である。
第1の実施の形態では、軸方向への振動や打撃で前方の掘削と掘進を行うため、硬さが固い地盤の掘削は困難である。しかし、第3の実施の形態では、削孔ロッド5が、複数方向の振動によって地盤を破壊して削孔し、後方からの軸方向への押し出し力は、削孔にほとんど寄与せずにロッドの前進にのみ利用される。このため、固い地盤やコンクリートなどであっても、振動によって前方の地盤等の削孔が可能である。また、固い地盤と軟らかい地盤との境界部近傍を削孔する際にも、第1の実施の形態では、軸方向への振動や打撃で前方への掘進を行うため、ロッド先端が軟らかい地盤側に逃げてしまうが、第3の実施の形態では、削孔ロッド5が、複数方向の振動によって前方の地盤を破壊して削孔するため、進行方向がぶれることがない。このように、第3の実施の形態によれば、地盤が硬い場合や、地盤の硬さが変化する場合にも、削孔方向がぶれることなく、計画された方向に曲線状に削孔を行うことができる。また、複数方向の振動を付与することで、排泥が促進されるとともに、曲がりボーリング孔9、11の孔壁を安定させることができる。
なお、2段目以下の曲がりボーリング孔9を削孔して先行地中梁35を構築するタイミングは、第1から第3の実施の形態で述べたものに限らない。2段目以下の先行地中梁35は、上方の地盤1を掘削する際に土留め壁3を確実に支持できるようなタイミングで構築すればよい。
図1から図10に示す例では、凍結工法によって先行地中梁や凍結底盤等の地中支持体を構築したが、地中支持体の構築工法はこれに限らない。例えば、薬液注入工法や高圧噴射工法によって地中支持体を構築してもよい。また、図6、図7に示す土塊層の設置は必須ではない。さらに、地盤1の層の構成は図1に示すものに限らない。
以上、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………地盤
3、3a、3b、43、43a、43b………土留め壁
5………削孔ロッド
7………先端ビット
8………ボーリングマシン
9、11、11a、11b………曲がりボーリング孔
13、17………粘性土層
15………砂質土層
19………削孔方向決定部材
21………詰め物
23………撤去用部材
25………凍結管
26………凍結融解装置
27………マイクロチャンネル
29、31………ソケット
33a………供給管
33b………戻り管
35、45………先行地中梁
37、37a………凍結底盤
39、39b………止水部
41、41a………土塊層
47………躯体

Claims (4)

  1. 地盤中に土留め壁を設置する工程aと、
    地上から削孔ロッドを発進させ、前記削孔ロッドに振動を、ないしは前記削孔ロッドの先端ビットに打撃を加えつつ、前記削孔ロッドの回転と非回転とを制御することにより、前記土留め壁の一部を貫通し、前記土留め壁の他部に到達する曲がりボーリング孔を削孔する工程bと、
    前記曲がりボーリング孔を用いて地中支持体を構築する工程cと、
    を具備し、
    前記地中支持体が、凍結工法により構築される先行地中梁を含むことを特徴とする地下構造体の施工方法。
  2. 前記土留め壁は、下端が前記地盤の不透水層まで到達していないことを特徴とする請求項1記載の地下構造体の施工方法。
  3. 工程cの後、前記先行地中梁の上方の前記地盤を掘削して前記土留め壁の内側に躯体の一部を構築し、前記先行地中梁を融解する工程dをさらに具備し、
    前記工程bから前記工程dを前記地盤の上方から下方へと順に繰り返し、逆巻き工法によって前記躯体を構築することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の地下構造体の施工方法。
  4. 前記工程cで、前記曲がりボーリング孔内に凍結管を配置し、前記凍結管内に設置されたマイクロチャンネルに凍結冷媒を循環させて、前記曲がりボーリング孔の周囲に凍土を形成することにより、前記地中支持体を構築することを特徴とする請求項3記載の地下構造体の施工方法。
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