(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係るスイッチ装置1の外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態1に係るスイッチ装置1の分解斜視図である。図1に示すように、実施の形態1に係るスイッチ装置1は、箱状のハウジング2の上面の一部から後述する操作部材6の一部を突出させ、当該突出部分で操作者等からの押圧操作を受け付けるように構成されている。ハウジング2から突出した操作部材6の一部には、ハウジング2内への埃や水等の異物の侵入を防止するためのカバー3が取り付けられている。
図2に示すように、スイッチ装置1は、例えば、絶縁性の樹脂材料を成形して形成されるハウジング2を備えている。ハウジング2は、下方側に開口した箱状を有する上部ケース21と、上部ケース21の開口に対応する形状を有し、スイッチ装置1の内底面を構成する下部ケース22とから構成されている。これらの上部ケース21と下部ケース22とを組み合わせることで、ハウジング2の内部には、スイッチ装置1の構成部品を収納する収納部が形成されている。
上部ケース21の上面には、後述する操作部材6の軸部62の上端部が貫通可能な開口部211が形成されている。また、上部ケース21の上面であって、開口部211の周囲には、上述したカバー3の外縁部が嵌め込まれる溝部212が形成されている。下部ケース22は、平面視にて長方形状を有しており、その上面に上部ケース21の開口に応じた形状を有する突出面221が設けられている。上部ケース21は、この突出面221を開口で収容することで適切に位置決めされる。この突出面221の周囲には、側方側に突出する複数の突起221aが設けられている。上部ケース21を下部ケース22に被せると、これらの突起221aが上部ケース21の内壁面に圧入されることで上部ケース21が下部ケース22に取り付けられることとなる。また、突出面221には、上部ケース21の長辺に沿って2つの開口部222a、222bが形成されている。これらの開口部222a、222bには、後述する支持体4a、4bが配置される。
ハウジング2内に形成された収納部には、下部ケース22に固定された一対の支持体4a、4b及び一対の固定接点5a、5bが配置されると共に、操作者等による押圧操作を受け付ける操作部材6、操作部材6に対する押圧操作に応じて作動するスナップアクション機構7が収納される。スナップアクション機構7は、詳細について後述するように、一対の可動接点8a、8bが取り付けられる一対の第1駆動体9a、9bを連結部材10により連結した第1駆動体部材90(図2に不図示、図5参照)と、第2駆動体11と、これらの第1駆動体部材90と第2駆動体11とに両端部が取り付けられた引っ張りばね12とで構成される。
支持体4aは、例えば、絶縁性の樹脂材料を成形して形成され、上述した下部ケース22の開口部222aに対応する形状を有する土台部41aと、この土台部41aから上方に突出して設けられた突出部42aとを有している。突出部42aは、3つの突出片421a~423aを有している。支持体4aは、土台部41aで開口部222aに一体化されると共に、インサート成形された固定接点5aの一部を突出部42aで支持するように構成されている。なお、支持体4bは、下部ケース22の開口部222bに配置される一方、固定接点5bがインサート成形される点を除き、支持体4aと同一の構成を有するため、図に土台部41bのようにbを付して、その説明を省略するものとする。
これらの支持体4a、4bは、いわゆる二重成形により下部ケース22に一体化して形成される。この二重成形は、支持体4a、4bを形成する際に固定接点5a、5bをインサート成形して支持体4a、4bを形成した後に更に支持体4a、4bの土台部41a、41bにおいて下部ケース22を成形する。この成形の際に開口部222a、222bが形成される。しかし、下部ケース22に支持体4a、4bを設ける方法については、これに限定されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、固定接点5a、5bをインサート成形した支持体4a、4bを下部ケース22の開口部222a、222bに配置し、接着剤等により固定して一体化させるようにしても良い。
固定接点5aは、支持体4aにインサート成形されるコモン接点51a及び切換接点52aを有している。コモン接点51aと切換接点52aは、支持体4aの長手方向に沿って一定距離だけ離間して立設されている。コモン接点51aは、突出片423aから上方側に延出し、後述する第1駆動体9aの支点部92aと接触する接触部511aと、この接触部511aから切換接点52aと反対側に折れ曲がり、その端部から下方側に延出する端子部512aとを有している。
切換接点52aは、突出片421aから僅かに突出する第1切換接点521aと、突出片422aの近傍に埋設され、第1切換接点521aの近傍に配置された第2切換接点522aとを有している。第1切換接点521aは、可動接点8aが摺接する摺接部523aと、この摺接部523aから下方側に延出する端子部524aとを有している。一方、第2切換接点522aは、可動接点8aが摺接する摺接部525aと、この摺接部525aの下端部からコモン接点51a側に折れ曲がり、その端部から下方側に延出する端子部526aとを有している。この場合、第1切換接点521aの摺接部523aの下端部と、第2切換接点522aの摺接部525aの上端部とは接近して配置されている。後述する可動接点8aの接点部83aが摺接部523aと、摺接部525aとの間で移動することにより回路の状態が切り換えられるものとなっている。
実施の形態1に係るスイッチ装置1においては、第1切換接点521aがノーマルクローズ接点を構成する一方、第2切換接点522aがノーマルオープン接点を構成する。後述する可動接点8の接点部83aが摺接部523aに接触している場合は、ノーマルクローズ接点としての第1切換接点521aとコモン接点51aとを導通させる一方、可動接点8の接点部83aが摺接部525aに接触する場合は、ノーマルオープン接点としての第2切換接点522aとコモン接点51aとを導通させた回路に切り換えるように構成されている。また、これと同様の回路をコモン接点51bと切換接点52b(第1切換接点521b、第2切換接点522b)との間でも備えている。そして、後述するスナップアクション機構7の作動によって瞬時に可動接点8a、8bを駆動し、これらの回路を同期させて切り換えるように構成されている。
操作部材6は、例えば、絶縁性の樹脂材料を成形して形成され、概して矩形状の押圧部61と、この押圧部61の上面に立設された円柱状の軸部62とを有している。押圧部61は、操作部材6に対する押圧操作に応じて第2駆動体11の一端を押圧する。押圧部61の下面には、第2駆動体11の一端を収容する収容部611が設けられている(図2に不図示、図15参照)。軸部62は、上部ケース21の開口部211からその上端部を突出して配置され、押圧操作を受け付ける。軸部62の上端部近傍には、その外周に溝部621が形成されている。この溝部621には、上述したカバー3の上面に形成された孔31の内縁部が配置される。なお、図2においては、説明の便宜上、カバー3を操作部材6の上方側に配置しているが、実際には上部ケース21の外側に配置される。
ここで、実施の形態1に係るスイッチ装置1の要部の構成について説明する。図3は、実施の形態1に係るスイッチ装置1における支持体4及び固定接点5が固定された下部ケース22の斜視図である。図4及び図5は、実施の形態1に係るスイッチ装置1が有する第1駆動体部材90の斜視図である。なお、図4においては、第1駆動体部材90から連結部材10を省略している。図6は、実施の形態1に係るスイッチ装置1の一部を拡大した側断面図である。図7は、実施の形態1に係るスイッチ装置1が有する第2駆動体11の斜視図である。
図3に示すように、支持体4a、4bは、下部ケース22の開口部222a、222bに配置される。この場合、支持体4a、4bの上面は、突出面221の上面と同一の高さに配置され、突出部42a、42bのみが突出面221の上方側に突出した状態となっている。なお、突出部42a、42bは、下部ケース22の短辺に沿って一定距離挟んで並設されている。
このように下部ケース22に配置された支持体4aに固定接点5aが埋設されている。コモン接点51aは、接触部511aが突出片423aの上端部から突出するように配置されている。接触部511aにおける突出片423aの上端部近傍には、切換接点52a側に凹部513aが形成されている。この凹部513aは、後述する第1駆動体9aの支点部92aを収容する部分である。この凹部513aで第1駆動体9aの支点部92aを収容することで、接触部511aは、第1駆動体9を回動可能に支持するものとなっている。
切換接点52aのうち、第1切換接点521aは、摺接部523aが突出片421aの上端部から側面部にかけて突出するように配置されている。第2切換接点522aは、摺接部525aが突出片421aの側面から突出するように配置されている。突出片421aの側面には、摺接部523aと摺接部525aとの間に配置される絶縁片424aが設けられている。この絶縁片424aは、操作部材6に対する押圧操作に伴って上下動する可動接点8aの導通状態を一時的に遮断する部分である。この絶縁片424aは、摺接部523a及び摺接部525aと同一平面を構成するように設けられており、可動接点8aの接点部83aが摺接部523a、摺接部525aとの間でスムーズに摺動することができるものとなっている。
突出片422aは、突出片421aと突出片423aとの間に設けられている。突出片422aの突出片423a側(コモン接点51a側)の側面には、凹部425aが設けられている。この凹部425aは、後述する第2駆動体11の支点部115aを収容する部分である。この凹部425aで第2駆動体11の支点部115aを収容することで、突出片422aは、第2駆動体11を回動可能に支持するものとなっている。なお、この凹部425aは、コモン接点51aに設けられた凹部513aよりも下方側の位置に設けられている。
支持体4bに埋設された固定接点5bは、支持体4aに埋設された固定接点5aと同様に配置されている。また、支持体4bの突出片423bの上端部から突出するコモン接点51bの接触部511bにも同様に凹部513bが設けられている。さらに、支持体4bの突出片422bにも同様に、凹部425bが設けられている。これらの凹部513b及び凹部425bの役割については、それぞれ凹部513a及び凹部425aと同様である。さらに、支持体4b及び固定接点5bのその他の構成についても、支持体4a及び固定接点5aの構成と同様である。
図4に示すように、第1駆動体部材90において、第1駆動体9a、9bは、概して長方形状を有する導体板で構成され、互いに並べて配置されている。第1駆動体9a、9bの一端側には、突出片91a、91bが設けられている。突出片91a、91bの端部は、その内側部分が外側部分よりも短く設けられており、この内側部分の端面に支点部92a、92bが設けられている。これらの支点部92a、92bは、上述した接触部511a、511bに設けられた凹部513a、513bに当接し、第1駆動体9a、9bの回動支点を構成するものとなっている。
また、第1駆動体9a、9bの側面部には、切り欠き部93a、93bが形成されている。これらの切り欠き部93a、93bは、第1駆動体9a、9bの下面に取り付けられる可動接点8a、8bの位置決めの際に利用される。これらの切り欠き部93a、93bの側方側部分、並びに、切り欠き部93a、93bと突出片91a、91bとの間の部分には、下方側に突出形成された円形突出部94a、94bが設けられている(図4(b))。これらの円形突出部94a、94bは、可動接点8a、8bを第1駆動体9a、9bの下面に取り付ける際に利用される。なお、これらの円形突出部94a、94bは、第1駆動体9a、9bをプレス加工などにより形成され、その上面には対応する部分に凹部95a、95bが設けられている。
なお、第1駆動体9bの切り欠き部93bの反対側の側面部には、第1駆動体9aとの間の位置で突出片91bと反対側に延出する補強部材としての補強部材96が設けられている。補強部材96の先端は、後述する可動接点8a、8bの接点部83a、83bよりも先の位置まで延出している。そして、その先端部は、下方側に屈曲すると共にT字形状を有する係合片96aが設けられている。この係合片96aは、係合手段の一部として機能するものであり、後述する第2駆動体11の係合凹部113と係合するものとなっている。また、補強部材96の基端部の近傍には、孔96bが設けられている。この孔96bは、第1駆動体9a、9bの中央に配置され、引っ張りばね12の一端が取り付けられるものとなっている。
実施の形態1に係るスイッチ装置1においては、このように補強部材96に設けられた孔96bに引っ張りばね12の一端を取り付けていることから、後述する連結部材10が引っ張りばね12の付勢力により変形する事態を発生し難くすることができ、第1駆動体9a、9bに設けられた可動接点8a、8bの位置精度を確保することが可能となっている。特に、第1駆動体9bを構成する導体板の一部を補強部として利用していることから、特別な部材を用意することなく後述する連結部材10を補強することが可能となっている。なお、連結部材10を補強する補強部材としては、第1駆動体9bとは別の部材を利用しても良い。
また、第1駆動体9a、9bの他端側(突出片91a、91bと反対側)には、孔97a、97bが設けられている。孔97a、97bは、後述する可動接点8a、8bの孔87a、87bと対応する位置に形成された貫通孔である。
可動接点8a、8bは、弾性を有する薄肉の板状部材にプレス加工及び折り曲げ加工を施すことで形成される。可動接点8a、8bの中央近傍には、その一方の側面部に切り欠き部81a、81bが設けられている。また、この切り欠き部81a、81bの近傍には、円形の開口部82a、82bが設けられている。可動接点8a、8bは、切り欠き部81a、81bを第1駆動体9a、9bの切り欠き部93a、93bに対応させると共に、円形の開口部82a、82bで第1駆動体9a、9bの円形突出部94a、94bを収容することで第1駆動体9a、9bの下面に位置決めされる。そして、例えば円形突出部94a、94bをかしめることで可動接点8a、8bが第1駆動体9a、9bに取り付けられる。このように可動接点8a、8bを第1駆動体9a、9bにかしめることで取り付けるようにしているので、第1駆動体9a、9bと、可動接点8a、8bと、を別材料で構成することができ、第1駆動体9a、9bの材料に制限されず、可動接点に好適な材料で可動接点8a、8bを構成することが可能となる。この場合において、可動接点8a、8bは、第1駆動体9a、9bの突出片91a、91bと反対側の端部側(他端側)に設けられる。
可動接点8a、8bは、側面視U字状の片85a、85bを一対有する。一対の片85a、85bは、第1駆動体9a、9b側の上端部を、連結部86a、86bで連結されたクリップ状であり、第1駆動体9a、9bと反対側のそれぞれの先端に接点部83a、83bが設けられている。つまり、これらの接点部83a、83bの先端部は、可動接点8a、8bの上方側に延出しており、一定距離を挟んで対向して配置されている。これらの接点部83a、83bの間には、上述した切換接点52a、52bが配置されるものとなっており、接点部83a、83bは、切換接点52a、52bの摺接部523a、523b、525a、525bに摺接可能に構成されている。可動接点8a、8bにおいては、その下方側部分を開放した構成とすることができるので、スイッチ装置1に可動接点8a、8bを組み付ける際に切換接点52a、52bと可動接点8a、8bの接点部83a、83bとの当接により接点部83a、83bが破損する事態を防止できるものとなっている。
連結部86a、86bは、第1駆動体9a、9bの他端側に当接する部分であり、上述した孔87a、87bを設けられている。孔87a、87bは、第1駆動体9a、9bの孔97a、97bと対応する位置に形成された貫通孔である。図4の例では、孔87a、87bは、可動接点8a、8bの長手方向に延びる長孔であるのが、孔87a、87bの形状はこれに限られない。
第1駆動体部材90においては、このように配置される第1駆動体9a、9bに対して、第1駆動体9a、9bの一部及び補強部材96の一部を露出させるようにして連結部材10が配置される。すなわち、図5に示すように、第1駆動体9a、9bにおける可動接点8a、8bの接点部83a、83b側の端部の一部、突出片91a、91bの一部、並びに、補強部材96における係合片96aを含む先端の一部、孔96bの近傍の一部を露出した状態で連結部材10が配置される。
この連結部材10は、孔87a及び孔97aを貫通し、可動接点8a及び第1駆動体9aを挟持する挟持部101aと、孔87b及び孔97bを貫通し、可動接点8b及び第1駆動体9bを挟持する挟持部101bと、を有する。挟持部101a、101bは、第1抜け止め部102a、102bと、接続部103a、103bと、第2抜け止め部104a、104bと、をそれぞれ有する。
図6に示すように、第1抜け止め部102aは、連結部材10における片85aの近傍の端部から連結部86a上に延出する部分であり、孔87aを覆うように形成される。接続部103aは、第1抜け止め部102a及び第2抜け止め部104aを接続する部分であり、孔87a、97aに埋設される。第2抜け止め部104aは、接続部103aから第1駆動体9a上に突出する部分であり、孔97aを覆うように形成される。第1抜け止め部102a及び第2抜け止め部104aが、可動接点8aの連結部86a及び第1駆動体9aを上下方向から挟持することにより、連結部86aが第1駆動体9aに強固に固定される。なお、挟持部101bの構成は挟持部101aと同様であるため説明を省略する。
連結部材10は、例えば、絶縁性の樹脂材料により第1駆動体9a、9b及び可動接点8a、8bをインサート成形して構成される。この場合、可動接点8a、8bにおいては、図5(b)に示すように、第1駆動体9a、9bに対する取付部分、すなわち、円形突出部94a、94bを収容した開口部82a、82b近傍が連結部材10に埋設されることから、強固に第1駆動体9a、9bの下面に固定されることとなる。このため、可動接点8a、8bが外れたり、ずれたりする事態を防止することが可能となっている。
特に、第1駆動体部材90においては、第1駆動体9a、9bと、切換接点52a、52bの摺接部523a、523b、525a、525bに摺接する可動接点8a、8bとを別材料にて構成している。第1駆動体9a、9bの材料は可動接点8a、8bの材料よりも高い剛性を有するものとなっている。これにより、第1駆動体部材90は、引っ張りばね12を保持する剛性を確保しながら、摺接部523a、523b、525a、525bに摺接する可動接点8a、8bとしての弾性を確保することができるものとなっている。
なお、連結部材10を構成する樹脂は、LCP(Liquid Crystal Polymer)樹脂のような高い制振性を有する樹脂であるのが好ましいが、PBT(Polybutylene terephthalate)樹脂やポリアミド樹脂であってもよい。
第2駆動体11は、例えば、金属材料を機械加工して形成される。第2駆動体11は、図7に示すように、概して長尺形状を有している。第2駆動体11の一端側は、上方側に折り曲げられており、その上端部で操作部材6の押圧を受ける被押圧部111を構成している。この被押圧部111の下方部分には、開口部112が設けられている。この開口部112は、第1駆動体9bの補強部材96の孔96bに一端が取り付けられた引っ張りばね12の他端が取り付けられるものとなっている。開口部112に取り付けられた引っ張りばね12の他端の一部は、被押圧部111に設けられた凹部111aにより係止されている。なお、第2駆動体11は、金属材料に限定されるものではなく、剛性を有する材料で構成するようにしても良い。
第2駆動体11における被押圧部111と反対側の端部には、その端面に第1駆動体9bの補強部材96の係合片96aと係合する係合凹部113が設けられている。この係合凹部113は、係合手段の一部として機能するものであり、係合片96aのT字形状の腕部を下方側に配置すると共にその基部を収容することで係合するものとなっている。
また、第2駆動体11の中央には、その側方側に突出する突出片114a、114bが設けられている。これらの突出片114a、114bにおける被押圧部111の反対側の端部側(係合凹部113側の端面)には、支点部115a、115bが設けられている。これらの支点部115a、115bは、上述した支持体4a、4bの突出片422a、422bに設けられた凹部425a、425bに当接し、第2駆動体11の回動支点を構成するものとなっている。
実施の形態1に係るスイッチ装置1においては、これらの第1駆動体部材90と第2駆動体11とを一体化させて、図3に示す状態の下部ケース22に組み付けることで、スナップアクション機構7が組み立てられるように構成されている。以下、第1駆動体部材90と第2駆動体11とを一体化させた状態について説明すると共に、一体化させた第1駆動体部材90及び第2駆動体11を図3に示す状態の下部ケース22に組み付ける際の動作について説明する。図8は、実施の形態1に係るスイッチ装置1の第1駆動体部材90と第2駆動体11とを一体化させた状態の斜視図である。図9~図11は、図3に示す状態の下部ケース22に一体化させた第1駆動体部材90及び第2駆動体11を組み付ける際の工程を示す側面図(同図(a))及び側断面図(同図(b))である。
図8に示すように、引っ張りばね12の一端は、第1駆動体部材90における連結部材10から露出した補強部材96の孔96bに取り付けられている。一方、引っ張りばね12の他端は、第2駆動体11の開口部112に取り付けられている。そして、第2駆動体11は、第1駆動体部材90の下方側で補強部材96と対向するように配置されており、その係合凹部113で補強部材96の係合片96aの一部を収容した状態とされている。この場合、係合片96aにより第2駆動体11の一端側の下方側への移動が規制され、引っ張りばね12により第2駆動体11の他端側の下方側への移動が規制され、第2駆動体11が第1駆動体部材90と一体化された状態となっている。そして、一体化された状態の第1駆動体部材90及び第2駆動体11が下部ケース22に組み付けられる。この場合、第1駆動体部材90及び第2駆動体11を一体化させた状態で取り扱うことができるので、これを組み付ける際の作業効率を向上させることが可能となる。
このように一体化された第1駆動体部材90及び第2駆動体11を組み付ける際には、図9に示すように、まず、第2駆動体11の突出片114a、114bを支持体4a、4bの突出片422a、422bの上面に載置するように配置する。この場合、第1駆動体部材90及び第2駆動体11は、可動接点8a、8bのそれぞれの接点部83a、83bの間に切換接点52a、52bが収容されるように配置される。この場合、可動接点8a、8bにおいては、上述したように、その下方側部分を開放した構成とされていることから、切換接点52a、52bと可動接点8a、8bの接点部83a、83bとの当接により接点部83a、83bが破損することはない。可動接点8a、8bの接点部83a、83bは、切換接点52a、52bの摺接部523a、523b等に摺接した状態とされる。また、第1駆動体9a、9bの突出片91a、91bは、コモン接点51a、51bの凹部513a、513bの僅かに上方側に配置されている。
次に、図10に示すように、第1駆動体9a、9bの突出片91a、91bに設けられた支点部92a、92bをコモン接点51a、51bの凹部513a、513bに当接させる。そして、第2駆動体11における図10に示す左方側端部を、引っ張りばね12の付勢力に抗して右方側に押し込んで係合片96aと係合凹部113との係合を解除すると共に、第2駆動体11の突出片114a、114bを、支持体4a、4bの突出片422a、422bの凹部425a、425b側に移動させる。
次に、図11に示すように、第2駆動体11の突出片114a、114bの支点部115a、115bを、支持体4a、4bの突出片422a、422bの凹部425a、425bに当接させる。このように支点部115a、115bを凹部425a、425bに当接させた状態で手を離すと、引っ張りばね12によって互いに引き合う付勢力が作用する第1駆動体部材90と第2駆動体11とが、それぞれ凹部513a、513bに当接する支点部92a、92b、並びに、凹部425a、425bに当接する支点部115a、115bにおいて回動可能に保持されることとなる。スイッチ装置1においては、このように下部ケース22に組み付けられた状態の第1駆動体部材90、第2駆動体11及び引っ張りばね12によりスナップアクション機構7が構成されるものとなっている。
ここで、このようにスナップアクション機構7が組み付けられた下部ケース22の構成について図11を参照しつつ、図12~図14を用いて説明する。図12及び図13は、それぞれ実施の形態1に係るスイッチ装置1において、スナップアクション機構7が組み付けられた下部ケース22の斜視図及び上面図である。図14は、実施の形態1に係るスイッチ装置1において、スナップアクション機構7が組み付けられた下部ケース22の側面図である。図14(a)においては、図13に示す右方側から見た側面を示し、図14(b)においては、図13に示す左方側から見た側面を示している。
図11及び図12に示すように、下部ケース22に組み付けられた状態において、第1駆動体部材90は、同図に示す左方側に向けて上向いた状態で保持される一方、第2駆動体11は、同図に示す右方側に向けた上向いた状態で保持される。第1駆動体部材90の下面に配置された可動接点8a、8bは、図11及び図12に示す左上方側に延出しており、その接点部83a、83bは、切換接点52a、52bの摺接部523a、523bに摺接した状態とされている。この場合、図11に示すように、切換接点52a、52bは、第1駆動体部材90の支点部92a、92bの配置位置からの第2駆動体11の支点部115a、115bの配置位置よりも遠い位置に配置されていることから、可動接点8a、8bの移動距離を多く取ることができるので、接点切換を容易に行うことができるものとなっている。
また、図13及び図14に示すように、固定接点5a、5b(コモン接点51a、51b及び切換接点52a、52b)は、下部ケース22に所定間隔を有して並設されている。第1駆動体部材90は、第1駆動体9a、9bをそれぞれ固定接点5a、5bに対応する位置に配置すると共に、可動接点8a、8bをそれぞれ切換接点52a、52bを挟み込む位置に配置している。また、第2駆動体11は、第1駆動体部材90の下方側であって、その中央部分を通過するように配置され、補強部材96に設けられた孔96bと引っ張りばね12を介して接続されている。
実施の形態1に係るスイッチ装置1においては、このようにスナップアクション機構7が組み付けられた下部ケース22に対して、操作部材6を収納部内に配置した状態で上部ケース21が取り付けられる。ここで、実施の形態1に係るスイッチ装置1の内部構成について説明する。図15は、実施の形態1に係るスイッチ装置1の内部構成を説明するための側断面図である。
図15に示すように、操作部材6は、押圧部61の下面に設けられた収容部611で第2駆動体11の被押圧部111を収容すると共に、軸部62を開口部211に挿通させた状態でハウジング2内の収納部に配置される。開口部211から突出した軸部62には、その下端部に設けられた外縁部が溝部212に取り付けられたカバー3が取り付けられる。なお、軸部62の上端部は、カバー3の孔31から突出した状態となっている。
また、上部ケース21の内壁面(天井面)の所定位置には、下方側に僅かに突出する突出壁213a、214aが設けられている。これらの突出壁213a、214aは、コモン接点51aの上端部を収容する位置に設けられており、引っ張りばね12のばね荷重が加わる方向側にコモン接点51aと隣接して対向して設けられた突出壁214aによりコモン接点51aが倒れるのを抑止する役割を果たすものである。このようにハウジングの内壁面に設けた突出壁213a、214aによりコモン接点51aの先端を収容するので、常時、引っ張りばね12のばね荷重が加わるコモン接点51aが、基板に対する端子の固定作業等に伴って発生する熱に起因して倒れる事態を抑止することが可能となる。なお、図15においては、図示していないが、上部ケース21の内壁面(天井面)には、コモン接点51bに対応する位置に突出壁213b、214bも設けられている。実施の形態1では、突出壁213a、213bと突出壁214a、214bを設けているが、引っ張りばね12のばね荷重が加わる方向側の突出壁214a、214bだけでもよい。
さらに、上部ケース21の内壁面(天井面)であって、突出壁213aよりも、第2切換接点522a側の位置には、突出壁215が設けられている。この突出壁215は、第1駆動体部材90の連結部材10の上方側に配置され、連結部材10の上面に当接して引っ張りばね12のばね荷重による第1駆動体部材90の上方側への回動を規制する役割を果たす。このように連結部材10の上面と突出壁215との当接によって第1駆動体部材90の上方側への回動を規制することができるので、所定範囲で第1駆動体部材90を回動させることができ、一定位置以上に第1駆動体部材90が上方側に回動して可動接点8等が破損する事態を防止できるものとなっている。なお、突出壁215は、可動接点8a、8bの間に位置するように設けられているが、可動接点8a、8bにそれぞれ対応するような位置に2つ設けてもよいものである。
実施の形態1に係るスイッチ装置1においては、このように被押圧部111上に配置された操作部材6で押圧操作を受け付けると、被押圧部111が下方側に押し込まれる。これに伴い、第2駆動体11は、引っ張りばね12の付勢力に抗して、支点部115a、115bを回動支点として矢印A方向に回動する。一方、操作部材6に対する押圧操作が解除されると、引っ張りばね12の付勢力に応じて、支点部115a、115bを回動支点として矢印B方向に回動する。この場合、第1駆動体部材90は、第2駆動体11の回動位置に応じて支点部92a、92bを回動支点として矢印C、D方向に回動するものとなっている。
以下、実施の形態1に係るスイッチ装置1における操作部材6に対する押圧操作に伴う動作について説明する。図16~図18は、実施の形態1に係るスイッチ装置1における押圧操作に伴う動作について説明するための側面図である。なお、図16~図18においては、説明の便宜上、上部ケース21、カバー3及び操作部材6を省略している。
操作部材6に押圧操作が行われていない状態(初期状態)においては、スイッチ装置1は、図11及び図15に示す状態となっており、可動接点8a、8bは、図11及び図12に示す左上方側に延出しており、その接点部83a、83bは、切換接点52a、52bの摺接部523a、523bを挟み込んで摺接した状態となっている。この場合、ノーマルクローズ接点としての第1切換接点521a、521bと、コモン接点51a、51bとを有する回路が導通した状態となっている。
操作部材6で押圧操作を受け付け、被押圧部111が下方側に押し込まれると、図16に示すように、引っ張りばね12の付勢力に抗して、第2駆動体11が支点部115a、115bを回動支点として矢印A方向に回動していく。しかしながら、所定の限界位置まで第2駆動体11が回動するまでは、第1駆動体部材90は、初期位置(図11及び図15に示す位置)に停止したままの状態となっている。従って、可動接点8a、8bの接点部83a、83bは、摺接部523a、523bに摺接した状態を維持している。なお、図16においては、所定の限界位置に到達する直前の第2駆動体11の状態について示している。
そして、所定の限界位置まで第2駆動体11が回動すると、第1駆動体部材90及び第2駆動体11に作用する引っ張りばね12の付勢力の方向が反転し、第1駆動体部材90が下方側に引っ張られ、図17に示すように、瞬時に第1駆動体部材90が支点部92a、92bを回動支点として矢印C方向に回動する。この場合、可動接点8a、8bの接点部83a、83bは、絶縁片424bを通過して摺接部525a、525bに摺接した状態となる。これにより、ノーマルオープン接点としての第2切換接点522a、522bと、コモン接点51a、51bとを有する回路が導通した状態に切り換えられることとなる。この場合において、可動接点8a、8bは、連結部材10で連結された第1駆動体9a、9bに設けられていることから、実質的に同一のタイミングで切換接点52a、52b上を摺動し、摺接部525a、525bに摺接することとなる。
一方、操作部材6に対する押圧操作が解除されると、図18に示すように、引っ張りばね12の付勢力に応じて、支点部115a、115bを回動支点として第2駆動体11が矢印B方向に回動していく。しかしながら、所定の限界位置まで第2駆動体11が回動するまでは、第1駆動体部材90は、図17に示す位置に停止したままの状態となっている。従って、可動接点8a、8bの接点部83a、83bは、摺接部525a、525bに摺接した状態を維持している。なお、図18においては、所定の限界位置に到達する直前の第2駆動体11の状態について示している。
そして、所定の限界位置まで第2駆動体11が回動すると、第1駆動体部材90及び第2駆動体11に作用する引っ張りばね12の付勢力の方向が反転し、引っ張りばね12を介して第1駆動体部材90が上方側に引っ張られ、瞬時に第1駆動体部材90が支点部92a、92bを回動支点として矢印D方向に回動し、初期位置に復帰する(図15参照)。この場合、可動接点8a、8bの接点部83a、83bは、絶縁片424bを通過して摺接部523a、523bに摺接した状態となる。これにより、ノーマルクローズ接点としての第1切換接点521a、521bと、コモン接点51a、51bとを有する回路が導通した状態に切り換えられることとなる。この場合においても、可動接点8a、8bは、実質的に同一のタイミングで切換接点52a、52b上を摺動し、摺接部523a、523bに摺接することとなる。
以上説明したように、実施の形態1に係るスイッチ装置1によれば、可動接点8a、8bが設けられた第1駆動体部材90を駆動するスナップアクション機構7を備えたことから、操作部材6が所定の限界位置まで押圧されると、引っ張りばね12の付勢力によって、一体的に連結された第1駆動体9a、9bに設けられた可動接点8a、8bを瞬時に駆動することができるので、複数回路を同期させて切り換える場合においても、回路切換えの同期タイミングのバラつきを低減することが可能となる。
また、実施の形態1に係るスイッチ装置1においては、連結部材10から露出した補強部材96に設けられた孔96bに引っ張りばね12の一端を取り付け、引っ張りばね12の付勢力により連結部材10が変形する事態を発生し難くしていることから、一体的に連結された第1駆動体9a、9bに設けられた可動接点8a、8bの位置精度を確保して適切なタイミングで複数回路を切り換えることが可能となる。
さらに、実施の形態1に係るスイッチ装置1においては、第1駆動体9a、9bに対する可動接点8a、8bの取付部分を連結部材10に埋設し、可動接点8a、8bを強固に第1駆動体9a、9bに固定していることから、可動接点8a、8bが外れたり、ずれたりする事態を防止でき、一体的に連結された第1駆動体9a、9bに設けられた可動接点8a、8bの位置精度を確保して適切なタイミングで複数回路を切り換えることが可能となる。
さらに、実施の形態1に係るスイッチ装置1においては、引っ張りばね12を第1駆動体9aと第1駆動体9bの間の位置で第2駆動体11に取り付けていることから、第1駆動体9a、9bに設けられた可動接点8a、8bを同一の引っ張りばね12の付勢力により駆動することができるので、回路切換えの同期タイミングのバラつきをより低減することが可能となる。
さらに、実施の形態1に係るスイッチ装置1においては、挟持部101a、101bで挟持することにより、可動接点8a、8bの連結部86a、86bを第1駆動体9a、9bに強固に固定し、可動接点8a、8bの破断寿命を長期化(可動接点8a、8bが破断するまでの操作回数を大きく)することができる。理由は以下の通りである。
引っ張りばね12の付勢力により第1駆動体部材90が移動し、回路が切り替わると、第1駆動体部材90の停止位置において、可動接点8a、8bに衝撃が加わり、片85a、85bが上下方向に振動し、連結部86a、86bに応力が加わり、連結部86a、86bに金属疲労が蓄積される。第1駆動体9a、9bに対する連結部86a、86bの固定が弱いほど、片85a、85bの振動が大きくなり、連結部86a、86bに加わる応力が大きくなり、金属疲労が蓄積されやすくなるため、連結部86a、86bの破断寿命が短くなる。言い換えると、第1駆動体9a、9bに対する連結部86a、86bの固定が強固なほど、片85a、85bの振動が小さくなり、連結部86a、86bに加わる応力が小さくなり、金属疲労が蓄積されにくくなるため、連結部86a、86bの破断寿命が長くなる。実施の形態1では、挟持部101a、101bにより、連結部86a、86bが第1駆動体9a、9bに強固に固定されるため、連結部86a、86bの破断寿命を長くすることができる。特に、挟持部101a、101bは、連結部86a、86b及び第1駆動体9a、9bを、片85a、85bの振動方向から挟持するため、片85a、85bの振動を効果的に抑制することができる。
さらに、実施の形態1に係るスイッチ装置1においては、孔87a、87bを、可動接点8a、8bの長手方向に延びる長孔とすることにより、孔87a、87bと連結部86a、86bの側端部との間の距離を長くする、すなわち、連結部86a、86bの板幅を広くすることができる。これにより、連結部86a、86bが破断しにくくなるため、連結部86a、86bの破断寿命をより長くすることができる。
さらに、実施の形態1に係るスイッチ装置1においては、連結部材10をLCP樹脂により構成することにより、片85a、85bの振動を挟持部101a、101bによって効果的に抑制し、連結部86a、86bの破断寿命をさらに長くすることができる。
ここで、図19は、実施の形態1に係るスイッチ装置1における、連結部86a、86bに加わる応力の実験結果を示す図である。図19(a)は、挟持部101a、101bの代わりに連結部86a、86bをかしめで固定した場合の実験結果を示し、図19(b)は、実施の形態1の実験結果を示す。また、図19(b)の破線は、連結部材10がPBT樹脂により形成された場合を示し、図19(b)の実線は、連結部材10がLCP樹脂により形成された場合を示す。
図19(a)、(b)に示すように、連結部86a、86bを挟持部101a、101bで固定した場合、連結部86a、86bをかしめで固定した場合に比べて、連結部86a、86bに加わる応力が小さくなる。また、図19(b)に示すように、連結部材10をLCP樹脂により形成した場合、連結部材10をPBT樹脂により形成した場合に比べて、連結部86a、86bに加わる応力が小さくなる。このように、実施の形態1によれば、連結部86a、86bに加わる応力を小さくすることができるため、連結部86a、86bの破断寿命を長くすることができる。図19(a)、(b)に示す実験結果に基づくSN線図によれば、連結部86a、86bを挟持部101a、101bで固定した場合、連結部86a、86bをかしめで固定した場合に比べて、連結部86a、86bの破断寿命が10倍以上になると推定される。
(実施の形態2)
図20は、本発明の実施の形態2に係るスイッチ装置100の分解斜視図である。なお、図20に示すスイッチ装置100において、実施の形態1に係るスイッチ装置1と共通する構成については、同一の符号を付与し、その説明を省略する。図20に示すように、実施の形態2に係るスイッチ装置100は、実施の形態1に係るスイッチ装置1と同様に、ハウジング2、カバー3、支持体4、固定接点5、操作部材6及びスナップアクション機構7を備えている。
実施の形態2に係るスイッチ装置100を組み立てた場合の構成についても、実施の形態1に係るスイッチ装置1と同様に、箱状のハウジング2の上面の一部から後述する操作部材6の一部を突出させ、当該突出部分で操作者等からの押圧操作を受け付けるように構成されている。ハウジング2から突出した操作部材6の一部には、ハウジング2内への埃や水等の異物の侵入を防止するためのカバー3が取り付けられている(図1参照)。
実施の形態2に係るスイッチ装置100においては、概して、支持体4a、4b、固定接点5(第2切換接点522a、522b)及び第1駆動体部材90の構成において、実施の形態1に係るスイッチ装置1と相違している。以下、実施の形態1に係るスイッチ装置1との相違点を中心に実施の形態2に係るスイッチ装置100の要部の構成について説明する。
図21は、実施の形態2に係るスイッチ装置100における支持体4及び固定接点5が固定された下部ケース22の斜視図である。図22及び図23は、実施の形態2に係るスイッチ装置100が有する第1駆動体部材90の斜視図である。なお、図22においては、第1駆動体部材90から連結部材10を省略している。図24は、実施の形態2に係るスイッチ装置100が有する第2駆動体11の斜視図である。なお、図21~図24において、図3~図7に示す構成と共通する構成については、同一の符号を付与し、その説明を省略する。
図21に示すように、実施の形態2に係る支持体4a、4bにおいては、突出片423a、423bに、それぞれ後述する第2駆動体11の第1載置部を支持する支持部426a、426bが設けられている点で、実施の形態1に係る支持体4a、4bと相違する。また、突出片422a、422bの上面が、後述する第2駆動体11の第2載置部を支持する支持部として機能する点で、実施の形態1に係る支持体4a、4bと相違する。さらに、突出片422a、422bの外側(側方側)に、スナップアクション機構7を組み立てる際に第1駆動体部材90の連結部材10の下面を支持する支持壁部427a、427bが設けられている点で、実施の形態1に係る支持体4a、4bと相違する。
これらの支持壁部427a、427bは、スナップアクション機構7を組み立てる際に後述する連結部材10のガイド部10c、10dを案内する機能を果たすと共に、引っ張りばね12のばね荷重による第1駆動体部材90の下方側への回動を規制する役割を果たす。このように連結部材10の下面と支持壁部427a、427bとの当接によって第1駆動体部材90の下方側への回動を規制することができるので、所定範囲で第1駆動体部材90を回動させることができ、一定位置以上に第1駆動体部材90が下方側に回動して可動接点8等が破損する事態を防止することが可能となる。なお、この支持部426a、426bの上面に緩衝材を付加することは実施の形態として好ましい。
また、実施の形態2に係る固定接点5(第2切換接点522a、522b)においては、突出片421a、421bから突出片422a、422b側に露出した摺接部525a、525bの側面に、スナップアクション機構7を組み立てる際に第2駆動体11の支点部115a、115bの先端部を収容する許容部としての凹部527a、527bが設けられている点で、実施の形態1に係る摺接部525a、525bと相違する。
実施の形態2に係る第1駆動体部材90においては、図22(a)、(b)に示すように、補強部材96に係合片96aが設けられておらず、その先端部が可動接点8a、8bの接点部83a、83bと同程度の位置まで延出する点で、実施の形態1に係る第1駆動体部材90と相違する。なお、実施の形態2に係る第1駆動体9a、9bにおいては、切り欠き部93a、93bの形状など、実施の形態1に係る第1駆動体9a、9bとの相違点が存在するが、実質的な相違ではない。
また、実施の形態2に係る第1駆動体部材90においては、図23(a)に示すように、連結部材10における突出片91a、91b側の端部上面に回動規制部としての当接片10a、10bが設けられている点で、実施の形態1に係る第1駆動体部材90と相違する。これらの当接片10a、10bは、スナップアクション機構7を組み立てる際に、引っ張りばね12のばね荷重による回動をコモン接点51a、51bの接触部511a、511bと当接して規制する役割を果たす。このように実施の形態2に係るスイッチ装置100においては、第1駆動体部材90の当接片10a、10bとコモン接点51a、51bとの当接により第1駆動体部材90の回動を規制できるので、組立て作業の過程で第1駆動体部材90と第2駆動体11とを安定した状態に保持することができ、組立て作業の作業効率を向上できるものとなっている。
さらに、実施の形態2に係る第1駆動体部材90においては、図23(b)に示すように、連結部材10における可動接点8a、8bの接点部83a、83b側の端部下面にガイド部10c、10dが設けられている点で、実施の形態1に係る第1駆動体部材90と相違する。これらのガイド部10c、10dは、スナップアクション機構7を組み立てる際に、支持壁部427a、427bと摺接し、第1駆動体部材90を案内する役割を果たすものとなっている。
また、実施の形態2に係る第2駆動体11においては、図24に示すように、第2駆動体11の突出片114a、114bが、その側方側端部で屈曲した形状を有し、その屈曲した部分の先端に支点部115a、115bが設けられている点で、実施の形態1に係る第1駆動体部材90と相違する。これらの支点部115a、115bと、第2駆動体11の本体部との間には、一定の空間部116a、116bが形成されている。これらの空間部116a、116bは、スナップアクション機構7を組み立てる際に、可動接点8a、8bの内側の接点部83a、83bを収容する役割を果たすものとなっている。
なお、実施の形態2に係る第2駆動体11において、突出片114a、114bの一部は、スナップアクション機構7を組み立てる際に、第2駆動体11の第2載置部として機能する。このように実施の形態2に係るスイッチ装置100においては、第2駆動体11を載置可能とするための第2載置部の一部に支点部115a、115bを形成していることから、当該第2載置部に支点部115a、115bとしての機能を具備することができ、第2駆動体11の構成を簡素化することが可能となる。
さらに、実施の形態2に係る第2駆動体11においては、第2駆動体11に係合凹部113が設けられておらず、この係合凹部113の代わりに下方側に突出する当接片117が設けられている点で、実施の形態1に係る第1駆動体部材90と相違する。この当接片117は、スナップアクション機構7を組み立てる際に、引っ張りばね12のばね荷重による回動をハウジング2の下部ケース22と当接して規制する回動規制部としての役割を果たす。このように実施の形態2に係るスイッチ装置100においては、第2駆動体11の当接片117と下部ケース22との当接により第2駆動体11の回動を規制できるので、組立て作業の過程で第1駆動体部材90と第2駆動体11とを安定した状態に保持することができ、組立て作業の作業効率を向上できるものとなっている。
さらに、実施の形態2に係る第2駆動体11においては、第2駆動体11の開口部112の近傍に、側方側に突出する突出片118a、118bが設けられている。これらの突出片118a、118bは、被押圧部111よりも僅かに側方側に突出した形状を有しており、第2駆動体11の第1載置部として機能する。このように実施の形態2に係るスイッチ装置100においては、コモン接点51a、51b側の第1載置部と、切換接点52a、52b側の第2載置部とで載置部を構成していることから、安定して支持体4a、4bの支持部426a、426b、並びに、突出片422a、422bの上面に載置できるものとなっている。特に、第2載置部を構成する突出片114a、114bを、コモン接点51a、51bから切換接点52a、52bに向けての方向において第1戴置部よりも長く形成していることから、支持体4a、4bの支持部426a、426b、並びに、突出片422a、422bの上面に第2駆動体11を支持させた状態を維持しつつ、安定して第2駆動体11をスライド移動させることが可能となる。
実施の形態2に係るスイッチ装置100においては、このような実施の形態1との相違点を有する第1駆動体部材90及び第2駆動体11を、図21に示す状態の下部ケース22に組み付けることで、スナップアクション機構が組み立てられるように構成されている。実施の形態2に係るスイッチ装置100においては、第1駆動体部材90及び第2駆動体11をそれぞれ下部ケース22に組み付ける点で、これらを一体化させた後に下部ケース22に組み付ける実施の形態1に係るスイッチ装置1と相違する。
以下、実施の形態2に係るスイッチ装置100において、第1駆動体部材90及び第2駆動体11を、図21に示す状態の下部ケース22に組み付ける際の動作について説明する。図25~図28は、図21に示す状態の下部ケース22に第1駆動体部材90及び第2駆動体11を組み付ける際の工程を示す側面図(同図(a))及び側断面図(同図(b))である。
図21に示す状態の下部ケース22に第1駆動体部材90及び第2駆動体11を組み付ける際には、まず、図25に示すように、支持体4a、4bに第2駆動体11を載置すると共に、第1駆動体部材90を載置する。この場合において、第2駆動体11は、第2載置部として機能する突出片114a、114bが、突出片422a、422bの上面に載置されると共に、第1載置部として機能する突出片118a、118bが支持部426a、426bの上面に載置される。また、第2駆動体11は、支点部115a、115bの先端が、第2切換接点522a、522bに形成された許容部としての凹部527a、527bに収容された状態に配置されている。このとき、第2駆動体11の空間部116a、116bは、可動接点8a、8bの内側の接点部83a、83bを収容した状態となっている。
一方、第1駆動体部材90は、このように下部ケース22に載置された第2駆動体11に対して平行に載置される。この場合において、第1駆動体部材90は、支点部92a、92bがコモン接点51a、51bに形成された凹部513a、513bに収容された状態に配置されると共に、ガイド部10c、10dが支持部426a、426bの外側に配置された状態となっている。
そして、このように配置された第1駆動体部材90と、第2駆動体11とに引っ張りばね12が取り付けられる。具体的には、第1駆動体部材90を構成する補強部材96の孔96bに引っ張りばね12の一端が係止される一方、第2駆動体11の開口部112に引っ張りばね12の他端が係止されるように取り付けられる。この場合において、引っ張りばね12は、第2駆動体11に重ねられた第1駆動体部材90の上方側から取り付けられる。すなわち、引っ張りばね12は、第1駆動体部材90と第2駆動体11とを平行にされた状態で取り付けられることから、これらを所定の状態に保持する治具等を別途用意することなく取り付けることができるので、スナップアクション機構7の組立て作業の作業効率を向上できるものとなっている。なお、図25においては、引っ張りばね12を取り付ける前の状態について示している。
図25に示す状態の第1駆動体部材90及び第2駆動体11に引っ張りばね12を取り付けた後、図26に示すように、第1駆動体部材90を手で下方側に押さえながら、引っ張りばね12の付勢力に抗して第2駆動体11をコモン接点51a、51b側、すなわち、同図に示す矢印E方向に押し込む。この場合、第1駆動体部材90は、支点部92a、92bが凹部513a、513bに収容されていることから、図25に示す状態を維持し、第2駆動体11のみが移動することとなる。このとき、第2駆動体11は、突出片114a、114bが、突出片422a、422bの上面に摺接した状態で移動する。第2駆動体11が矢印E方向に移動すると、支点部115a、115bが凹部527a、527bから出て、図26に示す右方側に退避した状態となる。
そして、突出片114a、114bが、突出片422a、422bの上面よりも図26に示す右方側に到達する位置まで移動させた後、第2駆動体11の当接片117の端部を下方側に移動させる。このとき、引っ張りばね12の付勢力に応じて僅かに第2駆動体11を図26に示す左方側に移動させながら、第2駆動体11の当接片117の端部を下方側に移動させる。これにより、第2駆動体11の支点部115a、115bが突出片422a、422bの凹部425a、425bに配置された状態となる(図27(b)参照)。このとき、第2駆動体11は、その右方側端部が僅かに上方側に延出した状態となっており、引っ張りばね12の右方側端部も僅かに上方側に延出した状態となっている。
図27に示す状態から、第1駆動体部材90を押さえていた手を離すと、引っ張りばね12の付勢力により第1駆動体部材90の左方側部分が持ち上げられる。この場合、第1駆動体部材90は、図28(a)に示すように、連結部材10の上面に設けられた当接片10a、10bがコモン接点51a、51bの接触部511a、511bに当接する位置まで持ち上げられ、当接した位置で停止した状態となる。第2駆動体11は、図28(b)に示すように、当接片117が下部ケース22の下面に当接した状態なっており、これ以上の第2駆動体11の回動を規制している。このように当接片10a、10bにより第1駆動体部材90の回動が規制され、当接片117により第2駆動体11の回動が規制されることとなり、組立て作業過程で第1駆動体部材90と第2駆動体11とを安定した状態に保持できるものとなっている。このとき、第1駆動体部材90は、その左方側端部が僅かに上方側に延出した状態となっている。
第1駆動体部材90が図28に示す状態とされると、引っ張りばね12によって互いに引き合う付勢力が作用する第1駆動体部材90と第2駆動体11とが、それぞれ凹部513a、513bに当接する支点部92a、92b、並びに、凹部425a、425bに当接する支点部115a、115bにおいて回動可能に保持されることとなる。実施の形態2に係るスイッチ装置100においては、このように下部ケース22に組み付けられた状態の第1駆動体部材90、第2駆動体11及び引っ張りばね12によりスナップアクション機構7が構成されるものとなっている。
このように実施の形態2に係るスイッチ装置100が有するスナップアクション機構7の組立て方法においては、支持体4a、4bに第2駆動体11及び第1駆動体部材90を載置して両者に引っ張りばね12を取り付けた後、第2駆動体11の支点部115a、115bを突出片422a、422bの凹部425a、425bに配置するだけで、ハウジング2の所定位置に第1駆動体部材90及び第2駆動体11を組み付けることができるので、煩雑な作業を必要とすることなく簡単にスナップアクション機構7を組み立てることが可能となる。
ここで、このようにスナップアクション機構7が組み付けられた下部ケース22の構成について図28を参照しつつ、図29~図31を用いて説明する。図29及び図30は、それぞれ実施の形態2に係るスイッチ装置100において、スナップアクション機構7が組み付けられた下部ケース22の斜視図及び上面図である。図31は、実施の形態2に係るスイッチ装置100において、スナップアクション機構7が組み付けられた下部ケース22の側面図である。図31(a)においては、図30に示す右方側から見た側面を示し、図31(b)においては、図30に示す左方側から見た側面を示している。
図28及び図29に示すように、下部ケース22に組み付けられた状態において、第1駆動体部材90は、同図に示す左方側に向けて上向いた状態で保持される一方、第2駆動体11は、同図に示す右方側に向けた上向いた状態で保持されている。第1駆動体部材90の下面に配置された可動接点8a、8bは、図28及び図29に示す左上方側に延出しており、その接点部83a、83bは、切換接点52a、52bの摺接部523a、523bに摺接した状態とされている。第1駆動体部材90の上面に設けられた当接片10a、10bがコモン接点51a、51bに当接して第1駆動体部材90の回動を規制し、第2駆動体11の当接片117が下部ケース22の上面に当接して第2駆動体11の回動を規制した状態となっている。
また、図30及び図31に示すように、固定接点5a、5b(コモン接点51a、51b及び切換接点52a、52b)は、下部ケース22に所定間隔を有して並設されている。第1駆動体部材90は、第1駆動体9a、9bをそれぞれ固定接点5a、5bに対応する位置に配置すると共に、可動接点8a、8bをそれぞれ切換接点52a、52bを挟み込む位置に配置している。また、第2駆動体11は、第1駆動体部材90の下方側であって、その中央部分を通過するように配置され、補強部材96に設けられた孔96bと引っ張りばね12を介して接続されている。
実施の形態2に係るスイッチ装置100においては、このようにスナップアクション機構7が組み付けられた下部ケース22に対して、操作部材6を収納部内に配置した状態で上部ケース21が取り付けられる。ここで、実施の形態2に係るスイッチ装置100の内部構成について説明する。図32は、実施の形態2に係るスイッチ装置100の内部構成を説明するための側断面図である。
図32に示すように、操作部材6は、押圧部61の下面に設けられた収容部611で第2駆動体11の被押圧部111を収容すると共に、軸部62を開口部211に挿通させた状態でハウジング2内の収納部に配置される。開口部211から突出した軸部62には、その下端部に設けられた外縁部が溝部212に取り付けられたカバー3が取り付けられる。なお、軸部62の上端部は、カバー3の孔31から突出した状態となっている。
また、上部ケース21の内壁面(天井面)の所定位置には、実施の形態1に係るスイッチ装置1と同様に、突出壁215が設けられている。この突出壁215は、第1駆動体部材90の連結部材10の上方側に配置され、初期状態の第1駆動体部材90の上面(連結部材10の上面)に当接して第1駆動体部材90の回動のストッパとして機能する。なお、実施の形態2に係るスイッチ装置100においては、実施の形態1に係るスイッチ装置1と異なり、上部ケース21の内壁面に突出壁213a、214aが設けられていないが、これらを設けるようにしても良い。
実施の形態2に係るスイッチ装置100においては、このように被押圧部111上に配置された操作部材6で押圧操作を受け付けると、実施の形態1に係るスイッチ装置1と同様の要領で動作する。すなわち、被押圧部111が下方側に押し込まれるのに伴い、第2駆動体11は、引っ張りばね12の付勢力に抗して、支点部115a、115bを回動支点として矢印A方向に回動する。一方、操作部材6に対する押圧操作が解除されると、引っ張りばね12の付勢力に応じて、支点部115a、115bを回動支点として矢印B方向に回動する。この場合、第1駆動体部材90は、第2駆動体11の回動位置に応じて支点部92a、92bを回動支点として矢印C、D方向に回動するものとなっている。
以下、実施の形態2に係るスイッチ装置100における操作部材6に対する押圧操作に伴う動作について説明する。図33及び図34は、実施の形態2に係るスイッチ装置100における押圧操作に伴う動作について説明するための側面図である。なお、図33及び図34においては、説明の便宜上、上部ケース21、カバー3及び操作部材6を省略している。
操作部材6に押圧操作が行われていない状態(初期状態)においては、スイッチ装置100は、図33に示す状態となっており、可動接点8a、8bは、図33に示す左上方側に延出しており、その接点部83a、83bは、切換接点52a、52bの摺接部523a、523bを挟み込んで摺接した状態となっている。この場合、ノーマルクローズ接点としての第1切換接点521a、521bと、コモン接点51a、51bとを有する回路が導通した状態となっている。
操作部材6で押圧操作を受け付け、被押圧部111が下方側に押し込まれると、引っ張りばね12の付勢力に抗して、第2駆動体11が支点部115a、115bを回動支点として矢印A方向に回動していく。しかしながら、所定の限界位置まで第2駆動体11が回動するまでは、第1駆動体部材90は、初期位置(図33に示す位置)に停止したままの状態となっている。従って、可動接点8a、8bの接点部83a、83bは、摺接部523a、523bに摺接した状態を維持している。
そして、所定の限界位置まで第2駆動体11が回動すると、第1駆動体部材90及び第2駆動体11に作用する引っ張りばね12の付勢力の方向が反転し、第1駆動体部材90が下方側に引っ張られ、図34に示すように、瞬時に第1駆動体部材90が支点部92a、92bを回動支点として矢印C方向に回動する。この場合、可動接点8a、8bの接点部83a、83bは、絶縁片424bを通過して摺接部525a、525bに摺接した状態となる。これにより、ノーマルオープン接点としての第2切換接点522a、522bと、コモン接点51a、51bとを有する回路が導通した状態に切り換えられることとなる。この場合において、可動接点8a、8bは、連結部材10で連結された第1駆動体9a、9bに設けられていることから、実質的に同一のタイミングで切換接点52a、52b上を摺動し、摺接部525a、525bに摺接することとなる。
一方、操作部材6に対する押圧操作が解除されると、引っ張りばね12の付勢力に応じて、支点部115a、115bを回動支点として第2駆動体11が矢印B方向に回動していく。しかしながら、所定の限界位置まで第2駆動体11が回動するまでは、第1駆動体部材90は、図34に示す位置に停止したままの状態となっている。従って、可動接点8a、8bの接点部83a、83bは、摺接部525a、525bに摺接した状態を維持している。
そして、所定の限界位置まで第2駆動体11が回動すると、第1駆動体部材90及び第2駆動体11に作用する引っ張りばね12の付勢力の方向が反転し、引っ張りばね12を介して第1駆動体部材90が上方側に引っ張られ、瞬時に第1駆動体部材90が支点部92a、92bを回動支点として矢印D方向に回動し、初期位置に復帰する(図33参照)。この場合、可動接点8a、8bの接点部83a、83bは、絶縁片424bを通過して摺接部523a、523bに摺接した状態となる。これにより、ノーマルクローズ接点としての第1切換接点521a、521bと、コモン接点51a、51bとを有する回路が導通した状態に切り換えられることとなる。この場合においても、可動接点8a、8bは、実質的に同一のタイミングで切換接点52a、52b上を摺動し、摺接部523a、523bに摺接することとなる。
以上説明したように、実施の形態2に係るスイッチ装置100によれば、可動接点8a、8bが設けられた第1駆動体部材90を駆動するスナップアクション機構7を備えたことから、操作部材6が所定の限界位置まで押圧されると、引っ張りばね12の付勢力によって、一体的に連結された第1駆動体9a、9bに設けられた可動接点8a、8bを瞬時に駆動することができるので、複数回路を同期させて切り換える場合においても、回路切換えの同期タイミングのバラつきを低減することが可能となる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記実施の形態においては、第1駆動体部材90において、2つの第1駆動体9a、9bを備える場合について説明しているが、第1駆動体9の個数についてはこれに限定されるものではなく、切換対象となる回路の数量に応じて3つ以上の第1駆動体9を備えるようにしても良い。なお、この場合には、第1駆動体9の個数に応じた個数の可動接点8を備える必要がある。このように第1駆動体9の個数を増やした場合においても、上記実施の形態と同様の効果を得ることが可能である。
また、上記実施の形態においては、可動接点8a、8bは切換接点と、所謂、両面摺接する形状としているが、本発明においては片面摺接する形状であってもよい。
さらに、上記実施の形態においては、第1駆動体9a、9bを連結部材10により連結して構成された第1駆動体部材90と、第2駆動体11とを有するスナップアクション機構7の組立て方法について示している。しかしながら、本発明に係るスナップアクション機構7の組立て方法については、これらの構成部品を有するスナップアクション機構7に限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、それぞれ単一の第1駆動体9と、第2駆動体11とを有するスナップアクション機構7やクリップ状以外の可動接点8を有するスナップアクション機構7にも適用することが可能である。このようにそれぞれ単一の第1駆動体9と、第2駆動体11とを有するスナップアクション機構7に適用する場合にも、上記実施の形態と同様に、煩雑な作業を必要とすることなく簡単にスナップアクション機構7を組み立てることが可能となる。
さらに、上記実施の形態においては、コモン接点51a、51bと、ノーマルクローズ接点としての第1切換接点521a、521bと、ノーマルオープン接点としての第2切換接点522a、522bとを有する固定接点5を備える場合について示しているが、固定接点5a、5bの構成はこれに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、コモン接点を備えず、ノーマルオープンで操作されると可動接点8a、8bの接点部83a、83bにより固定接点5a、5bの2つの接点間を導通させるような構成であっても良い。
また、本国際出願は、2018年5月29日に出願した日本国特許出願第2018-102721号に基づく優先権を主張するものであり、当該出願の全内容を本国際出願に援用する。