JP7038575B2 - 封止用シート - Google Patents

封止用シート Download PDF

Info

Publication number
JP7038575B2
JP7038575B2 JP2018041967A JP2018041967A JP7038575B2 JP 7038575 B2 JP7038575 B2 JP 7038575B2 JP 2018041967 A JP2018041967 A JP 2018041967A JP 2018041967 A JP2018041967 A JP 2018041967A JP 7038575 B2 JP7038575 B2 JP 7038575B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
semiconductor element
less
cured
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018041967A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019160869A (ja
Inventor
智絵 飯野
剛志 土生
祐作 清水
康路 大原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2018041967A priority Critical patent/JP7038575B2/ja
Priority to SG10201901846W priority patent/SG10201901846WA/en
Priority to CN201910167086.XA priority patent/CN110246809A/zh
Priority to TW108107368A priority patent/TWI805702B/zh
Publication of JP2019160869A publication Critical patent/JP2019160869A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7038575B2 publication Critical patent/JP7038575B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L23/00Details of semiconductor or other solid state devices
    • H01L23/28Encapsulations, e.g. encapsulating layers, coatings, e.g. for protection
    • H01L23/29Encapsulations, e.g. encapsulating layers, coatings, e.g. for protection characterised by the material, e.g. carbon

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

本発明は、封止用シートに関する。
従来、封止樹脂シートにより、複数の半導体チップを埋め込んで封止することが知られている。
例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、エラストマー、無機充填剤、および、硬化促進剤を含む封止樹脂シートが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2014-15490号公報
しかるに、封止樹脂シートは、複数の半導体チップを埋設して、加熱により硬化して硬化体シートを形成する。その後、硬化体シートが、吸引孔を有する吸着ステージに設置されて、吸引孔に接続される吸引装置の駆動によって、硬化体シートが吸着ステージに固定される(密着する)。続いて、硬化体シートをダイシングして、複数の半導体チップを個片化する。その際、硬化体シートは、吸引孔により吸引されながら、ダイシングソーとの接触により加熱されても破断しない、加熱時の柔軟性が求められる。
一方、硬化体シートが過度に柔軟であれば、半導体チップに対する封止性の低下、ひいては、半導体チップおよび硬化体シートを備える半導体装置の信頼性の低下を生じるという不具合がある。
さらに、硬化体シートには、優れた靱性も求められる。
本発明は、加熱時の柔軟性、および、半導体チップの封止性、および、靱性に優れる封止用シートを提供する。
本発明(1)は、熱硬化性成分と、無機フィラーとを含有する封止用シートであり、前記無機フィラーの前記封止用シートにおける割合が、50%以上、95%以下であり、前記封止用シートの硬化物である硬化体シートの80℃におけるショアD硬度の、前記硬化体シートの25℃におけるショアD硬度に対する比が、0.5以上、1.0未満である、封止用シートを含む。
本発明(2)は、前記無機フィラーの前記封止用シートにおける割合が、70%未満である、(1)に記載の封止用シートを含む。
本発明(3)は、前記硬化体シートの25℃における前記ショアD硬度が、50以上、80以下である、(1)または(2)に記載の封止用シートを含む。
本発明(4)は、前記硬化体シートのガラス転移温度Tgが、100℃以下である、(1)~(3)のいずれか一項に記載の封止用シートを含む。
本発明(5)は、前記硬化体シートの25℃における引張貯蔵弾性率E’の、前記硬化体シートの260℃における引張貯蔵弾性率E’に対する比が、10以上、500以下である、(1)~(4)のいずれか一項に記載の封止用シートを含む。
本発明の封止用シートでは、無機フィラーの封止用シートにおける割合が、50%以上、95%以下と高いので、靱性に優れる。
また、封止用シートの硬化物である硬化体シートの80℃におけるショアD硬度の、硬化体シートの25℃におけるショアD硬度に対する比が1.0未満であるので、硬化体シートは、加熱時の柔軟性に優れる。
一方、上記した比が、0.5以上であるので、硬化体シートは、封止性に優れる。
図1は、本発明の封止用シートの一実施形態である半導体素子封止用シートの断面図を示す。 図2A~図2Bは、図1に示す半導体素子封止用シートを用いて、半導体素子を封止して、半導体素子パッケージ集合体を製造する方法の工程図を示し、図2Aが、半導体素子封止用シートを、複数の半導体素子に対して対向配置する工程、図2Bが、半導体素子封止用シートによって、複数の半導体素子を封止して、半導体素子パッケージ集合体を得る工程を示す。 図3は、図2Bに示す半導体素子パッケージ集合体を個片化して、半導体素子パッケージを得る工程を示す。 図4は、図3に示す工程の変形例を示す。
本発明の封止用シートの一実施形態である半導体素子封止用シートを、図1~図3を参照して説明する。
この半導体素子封止用シート1は、基板2に実装されている半導体素子3を封止するための封止用シートである。
また、半導体素子封止用シート1は、後述する半導体素子パッケージ集合体35(図2B参照)および半導体素子パッケージ5(図3参照)を製造するための部品であって、半導体素子パッケージ集合体35および半導体素子パッケージ5そのものではなく、半導体素子封止用シート1は、半導体素子3、および、半導体素子3を実装する基板2を含まず、具体的には、部品単独で流通し、産業上利用可能なデバイスである。
なお、半導体素子封止用シート1は、半導体素子3を封止した後の硬化体シート20ではなく、つまり、半導体素子3を封止する前のシートである。
図1に示すように、半導体素子封止用シート1は、厚み方向に直交する方向(面方向)に延びる略板形状(フィルム形状)を有する。また、半導体素子封止用シート1は、厚み方向一方側に位置する第1面6と、第1面6と厚み方向に対向する第2面7とを備える。第1面6および第2面7は、ともに平坦面を有しており、互いに平行する。
第2面7は、半導体素子封止用シート1における厚み方向他方側に位置する面(下面)であって、図2Bに示すように、半導体素子封止用シート1が半導体素子3を封止するときに、半導体素子3および基板2に接触する接触面(厚み方向他方面)である。
第1面6は、半導体素子封止用シート1が半導体素子3を封止するときに、基板2の対向面8(後述)と厚み方向に間隔を隔てて対向配置される対向面(厚み方向一方面)(上面)である。また、図3に示すように、第1面6は、半導体素子パッケージ5が吸着ステージ30に配置されるときに、吸着ステージ30の吸引面(吸着)31に接触する面である。
半導体素子封止用シート1の材料は、熱硬化性成分と、無機フィラーとを含む封止組成物である。
熱硬化性成分は、半導体素子封止用シート1(封止組成物)において、無機フィラーを互いに結合させるバインダー成分であって、熱によって硬化して、封止組成物の硬度を向上させる。
熱硬化性成分は、例えば、封止樹脂(主剤)、硬化剤および硬化促進剤を含む。
封止樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ビニルエステル樹脂、シアノエステル樹脂、マレイミド樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。封止樹脂としては、耐熱性などの観点から、好ましくは、エポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などの2官能エポキシ樹脂、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂などの3官能以上の多官能エポキシ樹脂などが挙げられる。これらエポキシ樹脂は、単独で使用または2種以上を併用することができる。
好ましくは、2官能エポキシ樹脂の単独使用が挙げられ、具体的には、ビスフェノールF型エポキシ樹脂の単独使用が挙げられる。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、例えば、10g/eq.以上、好ましくは、100g/eq.以上であり、また、例えば、300g/eq.以下、好ましくは、250g/eq.以下である。
エポキシ樹脂の軟化点は、例えば、50℃以上、好ましくは、70℃以上であり、また、例えば、110℃以下、好ましくは、90℃以下である。
エポキシ樹脂の割合は、封止組成物において、例えば、1質量%以上、好ましくは、2質量%以上であり、また、例えば、30質量%以下、好ましくは、10質量%以下である。また、エポキシ樹脂の割合は、熱硬化性成分において、例えば、50質量%以上、好ましくは、60質量%以上であり、また、例えば、90質量%以下、好ましくは、10質量%以下である。
硬化剤は、加熱によって、上記した封止樹脂(主剤)を硬化させる成分(好ましくは、エポキシ樹脂硬化剤)である。硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂などのフェノール樹脂が挙げられる。
硬化剤の割合は、封止樹脂がエポキシ樹脂であり、硬化剤がフェノール樹脂であれば、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対して、フェノール樹脂中の水酸基の合計が、例えば、0.7当量以上、好ましくは、0.9当量以上、例えば、1.5当量以下、好ましくは、1.2当量以下となるように、調整される。具体的には、硬化剤の配合部数は、封止樹脂100質量部に対して、例えば、30質量部以上、好ましくは、50質量部以上であり、また、例えば、75質量部以下、好ましくは、60質量部以下である。
硬化促進剤は、加熱によって、封止樹脂の硬化を促進する触媒(熱硬化触媒)(好ましくは、エポキシ樹脂硬化促進剤)であって、例えば、有機リン系化合物、例えば、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール(2P4MHZ)などのイミダゾール化合物などが挙げられる。好ましくは、イミダゾール化合物が挙げられる。硬化促進剤の配合部数は、封止樹脂100質量部に対して、例えば、0.05質量部以上であり、また、例えば、5質量部以下である。
無機フィラーは、半導体素子封止用シート1の強度を向上させる無機粒子である。無機フィラーの材料としては、例えば、石英ガラス、タルク、シリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素などの無機化合物が挙げられる。これらは、単独使用または2種以上併用することができる。好ましくは、シリカが挙げられる。
無機フィラーの形状は、特に限定されず、例えば、略球形状、略板形状、略針形状、不定形状などが挙げられる。好ましくは、略球形状が挙げられる。
無機フィラーの最大長さの平均値(略球形状であれば、平均粒子径)Mは、例えば、50μm以下、好ましくは、20μm以下、より好ましくは、10μm以下であり、また、例えば、0.1μm以上、好ましくは、0.5μm以上である。なお、平均粒子径Mは、例えば、レーザー散乱法における粒度分布測定法によって求められた粒度分布に基づいて、D50値(累積50%メジアン径)として求められる。
また、無機フィラーは、第1フィラーと、第1フィラーの最大長さの平均値M1より小さい最大長さの平均値M2を有する第2フィラーとを含むことができる。
第1フィラーの最大長さの平均値(略球形状であれば、平均粒子径)M1は、例えば、1μm以上、好ましくは、3μm以上であり、また、例えば、50μm以下、好ましくは、30μm以下である。
第2フィラーの最大長さの平均値(略球形状であれば、平均粒子径)M2は、例えば、1μm未満、好ましくは、0.8μm以下であり、また、例えば、0.01μm以上、好ましくは、0.1μm以上である。
第1フィラーの最大長さの平均値の、第2フィラーの最大長さの平均値に対する比(M1/M2)は、例えば、2以上、好ましくは、5以上であり、また、例えば、50以下、好ましくは、20以下である。
第1フィラーおよび第2フィラーの材料は、ともに同一あるいは相異っていてもよい。好ましくは、第1フィラーおよび第2フィラーの材料は、ともに同一、具体的には、シリカである。
さらに、無機フィラーは、その表面が、部分的あるは全体的に、シランカップリング剤などで表面処理されていてもよい。好ましくは、表面処理されていない第1フィラーと、表面処理されている第2フィラーとの併用が挙げられる。
無機フィラー(第1フィラーおよび第2フィラーの併用であれば、それらの総量)の割合は、半導体素子封止用シート1(封止組成物)中、50質量%以上、好ましくは、50質量%超過、より好ましくは、55質量%以上、さらに好ましくは、60質量%以上であり、また、95質量%以下、例えば、90質量%以下、好ましくは、85質量%以下、より好ましくは、75質量%以下、さらに好ましくは、70質量%以下、とりわけ好ましくは、70質量%未満である。
無機フィラーの割合が上記した下限を下回ると、半導体素子封止用シート1の靱性を確保できない。
一方、無機フィラーの割合が上記した上限を上回ると、半導体素子封止用シート1が脆性を有し、半導体素子3を確実に封止できない。
無機フィラーが上記した第1無機フィラーと第2無機フィラーとを含む場合には、第1無機フィラーの割合は、封止組成物中、例えば、40質量%以上、好ましくは、50質量%超過であり、また、例えば、80質量%以下、好ましくは、70質量%以下である。
無機フィラーが上記した第1無機フィラーと第2無機フィラーとを含む場合には、第2無機フィラーの配合部数は、第1無機フィラー100質量部に対して、例えば、30質量部以上、好ましくは、50質量部以上、より好ましくは、50質量部超過であり、また、例えば、100質量部未満、好ましくは、80質量部以下、より好ましくは、70質量部以下である。
なお、封止組成物に、熱可塑性樹脂、顔料、シランカップリング剤などの添加剤を適宜の割合で添加することもできる。
熱可塑性樹脂は、加熱時の硬化体シート20における柔軟性を向上させる成分である。
熱可塑性樹脂としては、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂(6-ナイロンや6,6-ナイロンなど)、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、飽和ポリエステル樹脂(PETなど)、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂、スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体などが挙げられる。これら熱可塑性樹脂は、単独使用または2種以上併用することができる。
熱可塑性樹脂として、好ましくは、封止樹脂(好ましくは、エポキシ樹脂)との分散性を向上させる観点から、アクリル樹脂が挙げられる。
アクリル樹脂としては、例えば、直鎖または分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1種または2種以上をモノマー成分とし、そのモノマー成分を重合することにより得られるアクリル系ポリマーなどが挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」は、「アクリルおよび/またはメタクリル」を表す。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、ヘキシル、へプチル、シクロヘキシル、2-エチルヘキシル、オクチル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ラウリル、トリデシル、テトラデシル、ステアリル、オクタデシル、ドデシルなどの炭素数1~20のアルキル基が挙げられる。好ましくは、炭素数1~6のアルキル基が挙げられる。
アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとその他のモノマー(共重合性モノマー)とのコポリマーであってもよい。
その他のモノマー(共重合性モノマー)としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのグリシジル基含有モノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8-ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10-ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12-ヒドロキシラウリルまたは(4-ヒドロキシメチルシクロヘキシル)-メチルアクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどリン酸基含有モノマー、例えば、スチレンモノマー、例えば、アクリロニトリルなどが挙げられる。これらモノマーは、単独で使用または2種以上を併用することができる。これらの中でも、好ましくは、カルボキシル基含有モノマーが挙げられる。
熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、例えば、10万以上、好ましくは、30万以上であり、また、例えば、100万以下、好ましくは、80万以下である。なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトフラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算値に基づいて測定される。
熱可塑性樹脂の割合(固形分割合)は、封止組成物の熱硬化を阻害しないように調整されており、具体的には、封止組成物に対して、例えば、1質量%以上、好ましくは、2質量%以上、より好ましくは、3.5質量%以上であり、また、例えば、10質量%以下、好ましくは、5質量%以下、より好ましくは、5質量%以下である。
なお、熱可塑性樹脂は、適宜の溶媒で希釈されて調製されていてもよい。
顔料としては、例えば、カーボンブラックなどの黒色顔料が挙げられる。顔料の平均粒子径は、例えば、0.001μm以上、例えば、1μm以下である。顔料の割合は、封止組成物に対して、例えば、0.1質量%以上、また、例えば、2質量%以下である。
シランカップリング剤は、無機フィラーの表面を処理(表面処理)するために配合される。シランカップリング剤としては、例えば、エポキシ基を含有するシランカップリング剤が挙げられる。エポキシ基を含有するシランカップリング剤としては、例えば、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどの3-グリシドキシジアルキルジアルコキシシラン、例えば、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどの3-グリシドキシアルキルトリアルコキシシランが挙げられる。好ましくは、3-グリシドキシアルキルトリアルコキシシランが挙げられる。シランカップリング剤の配合割合は、無機フィラー100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、1質量部以上であり、また、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
封止組成物を調製するには、熱硬化性成分と、無機フィラーと、必要により、添加剤とを配合して、それらを混合する。
次に、半導体素子封止用シート1の製造方法を説明する。
半導体素子封止用シート1を製造するには、例えば、封止組成物を溶媒(例えば、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチルなど)に溶解および/または分散させて、ワニスを調製し、これを、図1に示すように、第1剥離シート15に塗布し、乾燥させる。これによって、半導体素子封止用シート1を、第1剥離シート15に支持された状態で、製造する。その後、第2剥離シート16を、半導体素子封止用シート1に対して第1剥離シート15の反対側に配置する。つまり、半導体素子封止用シート1を、第1剥離シート15および第2剥離シート16で厚み方向に挟み込んだ状態で、製造する。半導体素子封止用シート1の第1面6および第2面7のそれぞれは、第2剥離シート16および第1剥離シート15のそれぞれに接触している。
第1剥離シート15および第2剥離シート16のそれぞれは、可撓性を有し、面方向に延びるシート形状を有する。第1剥離シート15および第2剥離シート16の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミドなどの樹脂、例えば、ステンレスなどの金属などが挙げられ、好ましくは、樹脂が挙げられる。また、第1剥離シート15および第2剥離シート16の表面(半導体素子封止用シート1に接触する接触面)は、剥離処理が施されていてもよい。第1剥離シート15および第2剥離シート16のそれぞれの厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、1000μm以下、好ましくは、500μm以下である。
他方、ワニスを調製せず、混練押出によって、封止組成物から半導体素子封止用シート1を製造することもできる。第1剥離シート15および第2剥離シート16は、押出後の半導体素子封止用シート1に配置される。
半導体素子封止用シート1における熱硬化性成分は、例えば、Bステージ(完全硬化ではない半硬化)である。Bステージは、熱硬化性成分が、液状であるAステージと、完全硬化したCステージとの間の状態であって、硬化およびゲル化がわずかに進行し、圧縮弾性率がCステージの弾性率よりも小さい状態である。
これにより、半導体素子封止用シート1を、第1面6および第2面7のそれぞれが、第2剥離シート16および第1剥離シート15で支持(保護)された状態で、製造する。
半導体素子封止用シート1の厚みは、特に限定されず、例えば、100μm以上であり、また、例えば、2000μm以下である。
次に、この半導体素子封止用シート1を用いて、複数の半導体素子3を封止し、続いて、複数の半導体素子3を個片化するように、硬化体シート20および基板2を切断して、半導体素子パッケージ5を製造する方法を説明する。
半導体素子パッケージ5を製造する方法は、複数の半導体素子3を準備する工程(図2A参照)、半導体素子封止用シート1を準備する工程(図1参照)、半導体素子封止用シート1によって複数の半導体素子3を封止して、半導体素子封止用シート1から硬化体シート20を調製するとともに、半導体素子パッケージ集合体35を得る工程(図2B参照)、および、半導体素子パッケージ集合体35を切断加工して、半導体素子パッケージ5を得る工程(図3参照)を備える。
この方法では、図2Aに示すように、まず、半導体素子3を準備する。
半導体素子3は、例えば、半導体チップであり、面方向に延びる略平板形状を有する。半導体素子3としては、特に限定されない。半導体素子3の厚み方向他方面(下面)には、端子(図示せず)が設けられている。
半導体素子3は、基板2の対向面8(上面)(後述)に実装されている。具体的には、半導体素子3は、例えば、基板2に対してフリップチップ実装されている。
また、半導体素子3は、基板2において、面方向に互いに間隔を隔てて複数配置されている。
基板2は、面方向に延びる略平坦形状を有する。また、基板2は、複数の半導体素子3に対向する対向面8(上面)と、対向面8と厚み方向に間隔を隔てて配置される第2対向面9とを有する。
対向面8は、面方向に沿う平面を有する。また、対向面8は、平面視において、複数の半導体素子3全部を囲む大きさを有する。つまり、基板2の対向面8は、平面視において、複数の半導体素子3と重複する重複領域11と、複数の半導体素子3と重複せず、基板2から露出する露出領域12とを有する。対向面8は、重複領域11において、半導体素子3の端子(図示せず)に対応する基板端子(図示せず)を備える。
第2対向面9は、対向面8に平行しており、面方向に沿う平面を有する。
この方法では、別途、図1に示すように、半導体素子封止用シート1を準備する。具体的には、図1の矢印で示すように、第1剥離シート15を、半導体素子封止用シート1の第2面7から剥離する。
図2Aの矢印で示すように、その後、半導体素子封止用シート1を、その第2面7が、半導体素子3の厚み方向一方面(上面)に接触するように、複数の半導体素子3に配置する。
図2Bに示すように、次いで、半導体素子封止用シート1によって複数の半導体素子3を封止する。
例えば、下板および上板を備える平板プレス(図示せず)を用いて、半導体素子封止用シート1を加熱および加圧して、半導体素子封止用シート1で複数の半導体素子3を封止する。
また、上記した加熱によって、半導体素子封止用シート1は、熱硬化する。具体的には、一旦、軟化後、半導体素子封止用シート1の封止組成物が完全硬化する(Cステージ化する)。
加熱条件は、封止組成物が完全硬化する条件である。具体的には、加熱温度が、例えば、85℃以上、好ましくは、100℃以上であり、また、例えば、125℃以下、好ましくは、110℃以下である。加熱時間が、例えば、10分間以上、好ましくは、30分間以上であり、また、例えば、300分間以下、好ましくは、180分間以下である。圧力は、特に限定されず、例えば、0.1MPa以上、好ましくは0.5MPa以上であり、また、例えば、10MPa以下、好ましくは、5MPa以下である。
半導体素子封止用シート1は、一旦軟化して、複数の半導体素子3を埋設する。換言すれば、複数の半導体素子3が半導体素子封止用シート1に埋め込まれる。
続いて、半導体素子封止用シート1は、半導体素子3の周側面を被覆するとともに、対向面8における露出領域12に接触する。
これによって、複数の半導体素子3が半導体素子封止用シート1によって封止される。また、基板2における露出領域12は、半導体素子封止用シート1によって接触(密着)されている。
なお、複数の半導体素子3を封止し、基板2の露出領域12に接触する半導体素子封止用シート1は、すでに加熱により熱硬化(完全硬化)(Cステージ)状態となっている。そのため、半導体素子封止用シート1は、硬化体シート20となる。硬化体シート20は、半導体素子封止用シート1の硬化物である。
図2Bの矢印および仮想線で示すように、その後、第2剥離シート16を硬化体シート20の第1面6から剥離する。
その後、半導体素子封止用シート1(あるいは硬化体シート20)は、熱硬化をより一層進行させたい場合には、平板プレスから下ろし、別の加熱炉に投入する。
硬化体シート20の25℃におけるショアD硬度は、例えば、50以上、好ましくは、55以上であり、また、例えば、80以下、好ましくは、70以下、より好ましくは、65以下である。
硬化体シート20の25℃におけるショアD硬度が上記した下限以上であれば、硬化体シート20の半導体素子3に対する封止性の低下を抑制でき、ひいては、半導体素子パッケージ集合体35および半導体素子パッケージ5の信頼性の低下を抑制できる。硬化体シート20の25℃におけるショアD硬度が上記した上限以下であれば、硬化体シート20の損傷を抑制することができる。
硬化体シート20の80℃におけるショアD硬度は、例えば、25以上、好ましくは、30以上であり、また、例えば、75以下、好ましくは、70以下、より好ましくは、55以下である。硬化体シート20の80℃におけるショアD硬度が上記した下限以上、上限以下であれば、半導体素子パッケージ集合体35および半導体素子パッケージ5の信頼性の低下を抑制しつつ、硬化体シート20の損傷を抑制することができる。
なお、硬化体シート20の80℃におけるショアD硬度は、次に説明する半導体素子パッケージ集合体35を切断する工程において、ダイシングソー25との接触により硬化体シート20が加熱される際の想定温度(80℃前後)におけるショアD硬度を意味する。
硬化体シート20の80℃におけるショアD硬度の、硬化体シート20の25℃におけるショアD硬度に対する比(硬化体シート20の80℃におけるショアD硬度/硬化体シート20の25℃におけるショアD硬度)は、0.5以上であり、好ましくは、0.55以上であり、また、1.0未満、好ましくは、0.99以下、より好ましくは、0.97以下、さらに好ましくは、0.95以下、さらに好ましくは、0.9以下であり、好ましくは、0.8以下、より好ましくは、0.7以下である。
また、ショアD硬度は、JIS K 6253-3(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-硬さの求め方-第3部:デュロメータ硬さ、2012年)に従って測定される、タイプDデュロメータ硬さである。
上記した比が上記した上限を上回れば、半導体素子パッケージ集合体35を切断する工程において、ダイシングソー25との接触により加熱されるときに、硬化体シート20が硬すぎるため、吸着ステージ30における吸引孔32内の低圧(負圧、あるいは、真空圧)に起因して、硬化体シート20に損傷(折れあるいはひび割れ)を生じる。
一方、上記した比が上記した下限を下回れば、硬化体シート20の半導体素子3に対する封止性が低下し、ひいては、半導体素子パッケージ集合体35および半導体素子パッケージ5の信頼性が低下する。
硬化体シート20のガラス転移温度Tgは、例えば、150℃以下、より好ましくは、110℃以下、さらに好ましくは、100℃以下、とりわけ好ましくは、90℃以下、最も好ましくは、85℃以下であり、また、例えば、70℃以上、好ましくは、75℃以上である。
硬化体シート20のガラス転移温度Tgは、モード:引張、走査温度:0~260℃、周波数:1Hz、昇温速度:10℃/分で動的粘弾性測定を実施して、引張貯蔵弾性率E’および引張損失弾性率E’’を得、これらからtanδ(=E’’/E’)の曲線を求め、tanδのピーク値として、ガラス転移温度Tgが求められる。
硬化体シート20のガラス転移温度Tgが上記した上限以下であれば、半導体素子パッケージ集合体35を切断する工程において、硬化体シート20がダイシングソー25などの切断装置との接触によって加熱されても、硬化体シート20が損傷(折れあるいはひび割れ)することを抑制できる。
一方、硬化体シート20のガラス転移温度Tgが上記した下限以上であれば、硬化体シート20の半導体素子3に対する封止性の低下を抑制でき、ひいては、半導体素子パッケージ集合体35および半導体素子パッケージ5の信頼性の低下を抑制できる。
硬化体シート20の25℃における引張貯蔵弾性率E’は、例えば、0.1GPa以上、好ましくは、0.5GPa以上であり、また、例えば、20GPa以下、好ましくは、10GPa以下、より好ましくは、20GPa以下、さらに好ましくは、10GPa以下、とりわけ好ましくは、5GPa以下、最も好ましくは、2.5GPa以下である。
硬化体シート20の260℃における引張貯蔵弾性率E’は、例えば、0.001GPa以上、好ましくは、0.003GPa以上であり、また、例えば、5GPa以下、好ましくは、3GPa以下、より好ましくは、1GPa以下、さらに好ましくは、0.1GPa以下、とりわけ好ましくは、0.01GPa以下である。
硬化体シート20の25℃および260℃のそれぞれの引張貯蔵弾性率E’は、モード:引張、走査温度:0~260℃、周波数:1Hz、昇温速度:10℃/分で動的粘弾性測定を実施して求められる。
硬化体シート20の25℃における引張貯蔵弾性率E’の、硬化体シート20の260℃における引張貯蔵弾性率E’に対する比(硬化体シート20の25℃における引張貯蔵弾性率E’/硬化体シート20の260℃における引張貯蔵弾性率E’)は、例えば、5以上、好ましくは、10以上、より好ましくは、50以上、さらに好ましくは、150以上、とりわけ好ましくは、200以上、最も好ましくは、250以上であり、また、例えば、500以下、好ましくは、400以下である。
硬化体シート20の引張貯蔵弾性率E’の比が上記した下限以上であれば、硬化体シート20の損傷を抑制することができる。硬化体シート20の引張貯蔵弾性率E’の比が上記した上限以下であれば、硬化体シート20の半導体素子3に対する封止性の低下を抑制でき、ひいては、半導体素子パッケージ5の信頼性の低下を抑制できる。
これにより、図2に示すように、基板2、複数の半導体素子3および硬化体シート20を備える半導体素子パッケージ集合体35を得ることができる。
なお、図2Bに示す半導体素子パッケージ集合体35は、図3に示し、次に説明する切断後の半導体素子パッケージ5ではなく、具体的には、基板2および硬化体シート20を切断する前であり、複数の半導体素子3が個片化される前であり、つまり、複数の半導体素子3を有する。
その後、半導体素子パッケージ集合体35を、複数の半導体素子3のそれぞれに対応して、個片化する。
具体的には、まず、図2Bの矢印で示すように、第2剥離シート16を、硬化体シート20の第1面6から剥離する。続いて、図3に示すように、半導体素子パッケージ集合体35を上下反転して、吸着ステージ30に対して対向配置する。
吸着ステージ30は、面方向に板形状を有しており、平坦な吸着面31を有する。また、吸着ステージ30は、厚み方向に貫通する吸引孔32を有する。吸引孔32の吸引方向上流側端部(図3における上端部)は、吸着面31に面している。吸引孔32は、面方向に間隔を隔てて複数配置されている。複数の吸引孔32の吸引方向下流側端部(図3における下端部)は、吸引装置(図示せず)に接続されている。また、吸着面31は、上記した硬化体シート20より大きい寸法を有する。
そして、半導体素子パッケージ集合体35における硬化体シート20の第1面6を、吸着ステージ30の吸着面31に接触させる。具体的には、硬化体シート20の第1面6を、吸引孔32の吸引方向上流側端部を閉塞するように、吸着ステージ30の吸着面31に密着(吸着)させる。
続いて、吸引装置を駆動させて、吸引孔32内を減圧して(低圧、負圧、あるいは、真空圧とし)、これにより、半導体素子パッケージ集合体35が吸着ステージ30に固定される。
続いて、複数の半導体素子3のそれぞれの周囲の硬化体シート20および基板2を、例えば、ダイシングソー25などによって、切断(ダイシング)する。ダイシングソー25は、例えば、基板2の第2面7から硬化体シート20の第1面6に向かって、基板2および硬化体シート20に進入する。
その後、個片化された半導体素子パッケージ5を、ピックアップ装置(図示せず)などを用いて、別の箇所に搬送する。具体的には、ピックアップ装置によって、半導体素子パッケージ5を、吸着ステージ30から引き上げる。
そして、この半導体素子封止用シート1では、無機フィラーの半導体素子封止用シート1における割合が、50%以上、95%以下と高いので、硬化体シート20は、靱性に優れる。
また、硬化体シート20の80℃におけるショアD硬度の、硬化体シート20の25℃におけるショアD硬度に対する比が1.0未満であるので、硬化体シート20は、加熱時の柔軟性に優れる。
すると、図3に示すように、半導体素子パッケージ集合体35における硬化体シート20は、吸着ステージ30の吸着面31に固定されながら、ダイシングソー25との接触により加熱されても、上記したように、硬化体シート20が加熱時の柔軟性に優れるので、折れ、ひび割れなどの損傷を抑制することができる。
一方、硬化体シート20の80℃におけるショアD硬度の、硬化体シート20の25℃におけるショアD硬度に対する比が、0.5以上であるので、硬化体シート20は、封止性に優れる。つまり、硬化体シート20は、加熱時においても、ショア硬度Dの低下が少ないので、半導体素子3を確実に封止して、半導体素子3を保護することができる。そのため、信頼性に優れる半導体素子パッケージ5を得ることができる。
<変形例>
以下の各変形例において、上記した一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、各変形例は、特記する以外、一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、一実施形態および変形例は、適宜組み合わせることができる。
図3では、複数の半導体素子3を個片化する工程において、硬化体シート20を、吸着ステージ30に接触させている。
しかし、図4に示すように、例えば、基板2を吸着ステージ30に接触させることもできる。複数の半導体素子3を個片化する工程では、基板2の第2対向面9を、吸着ステージ30の吸着面31に密着させて、半導体素子パッケージ集合体35を吸着ステージ30に固定する。そして、半導体素子パッケージ集合体35を個片化する。
また、図示しないが、半導体素子封止用シート1により、単数の半導体素子3を封止することもできる。この場合には、単数の半導体素子3を封止した硬化体シート20を、吸着ステージ30で固定(密着)しながら、半導体素子3に対応するように、硬化体シート20および基板2を、ダイシングソー25などで、外形加工する。
また、一実施形態では、封止用シートの一例として半導体素子封止用シート1を挙げて、半導体素子3を封止しているが、これに限定されず、例えば、図示しないが、他の電子素子を封止する電子素子封止用シートであってもよい。この場合には、電子素子封止用シートを用いて、電子素子を封止して、電子素子パッケージを製造することができる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。また、以下の記載において用いられる配合割合(割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
実施例および比較例で使用した各成分を以下に示す。
エポキシ樹脂:新日鐵化学社製のYSLV-80XY(ビスフェノールF型エポキシ樹脂(2官能エポキシ樹脂)、エポキシ当量200g/eq.軟化点80℃)
硬化剤:群栄化学社製のLVR-8210DL(ノボラック型フェノール樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、水酸基当量:104g/eq.、軟化点:60℃)
硬化促進剤:四国化成工業社製の2PHZ-PW(2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール)、エポキシ樹脂硬化促進剤
第1フィラー:デンカ社製のFB-8SM(球状溶融シリカ粉末(無機フィラー)、平均粒子径15μm)
第2フィラー:アドマテックス社製のSC220G-SMJ(平均粒径0.5μm)を3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製の製品名:KBM-503)で表面処理した無機フィラー。SC220G-SMJ 100質量部に対して1質量部のシランカップリング剤で表面処理した無機フィラー。
熱可塑性樹脂:根上工業社製のHME-2006M、カルボキシル基含有のアクリル酸エステルコポリマー、重量平均分子量:60万、固形分濃度20質量%のメチルエチルケトン溶液
顔料:三菱化学社製の#20(カーボンブラック)
シランカップリング剤:信越化学社製のKBM-403(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
実施例1~および比較例1~2
表1に記載の配合処方に従い、各成分をメチルエチルケトンに溶解および分散させ、ワニスを得た。ワニスの固形分濃度は、80質量%であった。
ワニスを第1剥離シート15の表面に塗布した後、110℃で、5分間乾燥させた。これにより、厚み260μmの半導体素子封止用シート1を製造した。その後、半導体素子封止用シート1の第1面6に、第2剥離シート16を配置した。
その後、半導体素子封止用シート1を、150℃で、1時間加熱して、硬化体シート20を調製した。
[物性]
硬化体シート20について、下記の物性を評価した。その結果を表1に記載する。
(ショアD硬度)
硬化体シート20を、縦10cm、横10cmに外形加工して、25℃、および、80℃のそれぞれにおいて、JIS K 6253-3(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-硬さの求め方-第3部:デュロメータ硬さ、2012年)に従って、タイプDデュロメータ硬さを、ショアD硬度として算出した。
測定装置および測定方法の詳細は、以下の通りである。
測定装置:デュロメータ(モデル:HD-1120(スプリング式硬度計)、上島製作所社製)
測定方法:10個のサンプルで10回測定した値の平均値を、ショアD硬度として得る。
(引張貯蔵弾性率E’およびガラス転移温度Tg)
硬化体シート20を、縦0.1cm、横5cmに外形加工して、25℃および260℃のそれぞれにおける引張貯蔵弾性率E’を求めた。
併せて、引張損失弾性率E’’を得、これらからtanδ(=E’’/E’)の曲線を求め、tanδのピーク値として、ガラス転移温度Tgを求めた。
測定装置および測定条件の詳細は、以下の通りである。
測定装置:固体粘弾性測定装置(形式:RSA-G2、ティー・エイ・インスツルメンツ社製)
モード:引張
走査温度:0~260℃
周波数:1Hz
歪み:0.05%
昇温速度:10℃/分
[硬化体シートの評価]
硬化体シート20について、下記の試験をして、評価した。
(加熱時損傷試験)
硬化体シート20を、縦10cm、横10cmに外形加工して、これを100個用意した。
次いで、大きな吸着ステージ30に、100個の硬化体シート20を整列配置して、これらを80℃に加熱して、続いて、吸引装置(図示せず)を駆動した。その後、以下の基準で、加熱時の柔軟性を評価した。

◎:100個全ての硬化体シート20について、割れ、折れなどの損傷が確認されなかった。
○:1個以上、2個以下の硬化体シート20について、割れ、折れなどの損傷が確認された。
△:3個以上、5個以下の硬化体シート20について、割れ、折れなどの損傷が確認された。
×:6個以上の硬化体シート20について、割れ、折れなどの損傷が確認された。
Figure 0007038575000001
表1中、特記しない場合には、数値は、配合部数である。
1 半導体素子封止用シート(封止用シートの一例)
20 硬化体シート

Claims (4)

  1. 熱硬化性成分と、無機フィラーとを含有する封止用シートであり、
    前記無機フィラーの前記封止用シートにおける割合が、50%以上、95%以下であり、
    前記封止用シートの硬化物である硬化体シートの80℃におけるショアD硬度の、前記硬化体シートの25℃におけるショアD硬度に対する比が、0.5以上、1.0未満であり、
    前記硬化体シートの25℃における引張貯蔵弾性率E’の、前記硬化体シートの260℃における引張貯蔵弾性率E’に対する比が、10以上、500以下であることを特徴とする、封止用シート。
  2. 前記無機フィラーの前記封止用シートにおける割合が、70%未満であることを特徴とする、請求項1に記載の封止用シート。
  3. 前記硬化体シートの25℃における前記ショアD硬度が、50以上、80以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の封止用シート。
  4. 前記硬化体シートのガラス転移温度Tgが、100℃以下であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の封止用シート。
JP2018041967A 2018-03-08 2018-03-08 封止用シート Active JP7038575B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018041967A JP7038575B2 (ja) 2018-03-08 2018-03-08 封止用シート
SG10201901846W SG10201901846WA (en) 2018-03-08 2019-03-01 Sealable sheet
CN201910167086.XA CN110246809A (zh) 2018-03-08 2019-03-05 密封用片
TW108107368A TWI805702B (zh) 2018-03-08 2019-03-06 封裝用薄片

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018041967A JP7038575B2 (ja) 2018-03-08 2018-03-08 封止用シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019160869A JP2019160869A (ja) 2019-09-19
JP7038575B2 true JP7038575B2 (ja) 2022-03-18

Family

ID=67882979

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018041967A Active JP7038575B2 (ja) 2018-03-08 2018-03-08 封止用シート

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP7038575B2 (ja)
CN (1) CN110246809A (ja)
SG (1) SG10201901846WA (ja)
TW (1) TWI805702B (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002060716A (ja) 2000-08-24 2002-02-26 Hitachi Chem Co Ltd 低弾性接着剤、低弾性接着部材、低弾性接着部材を備えた半導体搭載用基板及びこれを用いた半導体装置
JP2014015490A (ja) 2012-07-05 2014-01-30 Nitto Denko Corp 封止樹脂シート、電子部品パッケージの製造方法及び電子部品パッケージ
JP2015082606A (ja) 2013-10-23 2015-04-27 日東電工株式会社 半導体パッケージの製造方法
JP2016175975A (ja) 2015-03-19 2016-10-06 日東電工株式会社 封止用シートおよびパッケージの製造方法
JP2017092103A (ja) 2015-11-04 2017-05-25 日東電工株式会社 中空型電子デバイス封止用シート、及び、中空型電子デバイスパッケージの製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61112612A (ja) * 1984-11-07 1986-05-30 Nippon Polyurethan Kogyo Kk 樹脂ロ−ルの製造方法
JP2842226B2 (ja) * 1994-06-13 1998-12-24 信越化学工業株式会社 半導体装置
JP5640050B2 (ja) * 2009-01-30 2014-12-10 日東電工株式会社 半導体装置の製造方法
JP5930625B2 (ja) * 2011-08-03 2016-06-08 日東電工株式会社 ダイボンドフィルム、ダイシング・ダイボンドフィルム、及び、半導体装置
TWI723093B (zh) * 2015-12-03 2021-04-01 日商三井化學東賽璐股份有限公司 製程用離型薄膜,其用途,及使用其的樹脂封裝半導體的製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002060716A (ja) 2000-08-24 2002-02-26 Hitachi Chem Co Ltd 低弾性接着剤、低弾性接着部材、低弾性接着部材を備えた半導体搭載用基板及びこれを用いた半導体装置
JP2014015490A (ja) 2012-07-05 2014-01-30 Nitto Denko Corp 封止樹脂シート、電子部品パッケージの製造方法及び電子部品パッケージ
JP2015082606A (ja) 2013-10-23 2015-04-27 日東電工株式会社 半導体パッケージの製造方法
JP2016175975A (ja) 2015-03-19 2016-10-06 日東電工株式会社 封止用シートおよびパッケージの製造方法
JP2017092103A (ja) 2015-11-04 2017-05-25 日東電工株式会社 中空型電子デバイス封止用シート、及び、中空型電子デバイスパッケージの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN110246809A (zh) 2019-09-17
JP2019160869A (ja) 2019-09-19
SG10201901846WA (en) 2019-10-30
TW201939623A (zh) 2019-10-01
TWI805702B (zh) 2023-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI714540B (zh) 導電性膜狀接著劑、附有膜狀接著劑之切晶帶及半導體裝置之製造方法
JP6393092B2 (ja) 中空型電子デバイス封止用樹脂シート及び中空型電子デバイスパッケージの製造方法
JP5917215B2 (ja) 接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法
JP6282626B2 (ja) 中空型電子デバイス封止用シート、及び、中空型電子デバイスパッケージの製造方法
WO2014192745A1 (ja) 接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法
JP6029544B2 (ja) 接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法
WO2015079870A1 (ja) 中空封止用樹脂シート、及び、中空パッケージの製造方法
JP2019160868A (ja) 封止用シート
JP7038575B2 (ja) 封止用シート
JP6283624B2 (ja) 中空型電子デバイス封止用シート、中空型電子デバイスパッケージの製造方法、及び、中空型電子デバイスパッケージ
JP2021197497A (ja) 封止用樹脂シート
TWI802720B (zh) 密封用薄片及電子元件裝置之製造方法
JP7173740B2 (ja) 封止用シート
JP6997654B2 (ja) 封止用シート
TWI849066B (zh) 密封用薄片
JP7166090B2 (ja) 封止用シートおよび電子素子装置の製造方法
JP7166091B2 (ja) 封止用シートおよび電子素子装置の製造方法
TW202427707A (zh) 封閉薄片及電子裝置
WO2015079871A1 (ja) 中空封止用樹脂シート、及び、中空パッケージの製造方法
JP2021197495A (ja) 封止用樹脂シート
JP2022103721A (ja) 封止用樹脂シート
JP6029536B2 (ja) 接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法
JP2020155535A (ja) 封止用シート
JP2020004853A (ja) 封止用シートおよび電子素子装置の製造方法
JP2019160867A (ja) 封止用接着シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220308

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7038575

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150