JP7037275B2 - ロバストな抗体精製 - Google Patents

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Description

本発明は、抗体を含む溶液からの宿主細胞タンパク質(HCP)、抗体フラグメントおよび低分子物質の分離のための方法に言及する。
技術の水準
プロテインAおよびモノクローナル抗体の精製
抗体(mAb)は薬学的適用のために用いられるため、例外的に高い純度において必要とされる(A. Jungbauer, G. Carta;Protein Chromatography, Process Development and Scale-Up中;WILEY-VCH Verlag, Weinheim (Germany) 2010)。
プロテインAは、元々は細菌Staphylococcus aureusの細胞壁中に見出された56kDaの表面タンパク質である。プロテインAはspa遺伝子によりコードされ、その調節は、DNAトポロジー、細胞浸透圧およびArlS-ArlRと呼ばれる二成分系により制御される。プロテインAは、免疫グロブリンに結合するその能力のために、生化学的研究において用途を見出す。プロテインAは、元々は、3ヘリックスの束に折り畳まれる5個の相同なIg結合ドメインからなる。各ドメインは、多くの哺乳動物種からのタンパク質、最も注目すべきことにはIgGに、結合することができる。それはほとんどの免疫グロブリンのFc領域内、およびまたヒトVH3ファミリーの場合にはFab領域内の、重鎖を結合させる。血清中でのこれらの相互作用において、IgG分子は(正常な抗体機能に関して)誤った方向に結合し、これらの相互作用を通して、細菌は、オプソニン化および食作用を妨害する。
一般的に、現在市販されている治療用モノクローナル抗体(mAb)の多くを製造するために、哺乳動物細胞培養物が用いられる。これらの薬物抗体の生成は、典型的には、抗体を細胞外液中に分泌するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞の懸濁液を含むバイオリアクター中で開始する。生じる抗体を、次いで、細胞、細胞デブリ、宿主細胞タンパク質(HCP)、脂質、DNA、ウイルス、細菌、抗体凝集体などを取り除く、清澄化、濾過および精製を含む一連のプロセスに供する。この一連のプロセスは、しばしば、下流プロセス(DSP)として言及される。
最も一般的に用いられるDSPは、1回または2回の結合-溶離クロマトグラフィー精製ステップと、その後の1回または2回のフロースルー仕上げステップを含む。典型的な下流精製プロセスは、多孔質ビーズベースのクロマトグラフィー媒体を満たした充填カラム、またはメンブレンベースのデバイスを使用する。これらの単位操作は、連続的に使用され、各々は、フロースルー仕上げまたは結合/溶離キャプチャーのいずれかの様式において、粒子状の不純物を除去することを標的とする。仕上げ媒体の主要な目的の一つは、不純物の濃度を低下させることである(例えば、mAb濃度に関して<10ppmまで低いHCP)。
要約すると、典型的な抗体精製プロセスは、初めのプロテインAアフィニティーキャプチャーステップと、その後の1回または2回以上のイオン交換仕上げステップを含み、その目的は、1または2以上の重大な不純物、例えば宿主細胞タンパク質(HCP)、抗体フラグメントおよび他の低分子物質などのレベルを低下させることである。抗体フラグメントは、抗体からの分離が特に難しい。なぜならば、それらは類似の特性を有するからである(FC含有フラグメントは特にそうである)。後者は一般に、プロテインAクロマトグラフィーを用いては分離されない。
一般的に、プロテインAキャプチャーステップの後で、残留不純物を除去するための特定の条件において、さらなる抗体精製ステップ(例えばCEX、AEX)を行う。これは、それらの精製ステップの前に、抗体を保持する溶液の調整を多数必要とする(例えばpHの調整、誘電率の調整)。さらに、これらのpHおよび誘電率のシフトが、目的の分子にストレスを与え、抗体に関連する不純物が生成される(例えば抗体凝集体、抗体フラグメント)。
近年、産業において、生成物の質的な性質を維持しつつ精製ステップの数を減少させるよう試みる顕著な傾向が存在している。また、バイオリアクターを用いてより高い発現力価を得るための技術の使用も、産業において上昇している傾向である。これら二つの傾向の組み合わせは、より多くの生成物をカラムにロードすることをもたらし、それによりかなり高価なクロマトグラフィー媒体の負荷の増大ならびにより低い生成物の純度をもたらしており、これらはいずれも望ましくない。
抗体または特別なタンパク質フラグメントのような所望のタンパク質性生成物のクロマトグラフィー精製の選択性を改善するために、精製方法の変更と並行して、多様なクロマトグラフィー材料が開発されてきた。特に、分離材料の表面の特異的な誘導体化は、清澄化された細胞培養培地中での所望の生成物からの望ましくない不純物のより選択的な分離をもたらすはずである。しかし、これらの特別かつ複雑な表面誘導体化は、これらのクロマトグラフィー材料の生成を、市販の製品よりもはるかにより高価にし、したがって、産業的スケールにおけるそれらの使用はあまり魅力的ではない。
クロマトグラフィー材料の分野における他の開発は、有機基質に基づく分離材料に注目した。なぜならば、シリカ材料に基づく市販の材料は、一般に(特に再生の間に)塩基性環境において影響を受けて安定性を失うからである。
有機ポリマーに基づく固定相は、広い範囲のpH条件にわたって操作することができる。したがって、ポリマー性樹脂は、高pH条件下において激しく洗浄することができる。しかし、現在のポリマー性固定相は、高性能生体分子分離において用いられる高圧条件において、媒体中でいくらか圧縮性がある。
非溶媒の存在下においてジビニルベンゼン(DVB)含有混合物の懸濁重合から生成される従来のマクロ多孔質コポリマーは、広範囲の孔サイズ分布および表面積を有するポリマーを代表とする。かかるポリマービーズは、例えばUS 4,686,269において開示される。これらのポリマービーズは、ビニル-芳香族モノマーから調製され、0.5~50μmの平均粒子径を有する。しかし、それらは、製造スケールのクロマトグラフィーカラムにおいて一般的に用いられる高圧条件下において硬性ではない。クロマトグラフィーにおいて用いられるポリマービーズの硬性は、多孔質ポリマー固定相と共に分離の間に必要な圧力および流動特性を提供するので、必須である。
目的
解決されるべき問題は、フロースルーモードにおける広範な条件において効果的に適用可能であり、HCPおよび抗体フラグメントなどの重大な不純物のレベルが軽減されている、ロバストかつ信頼しうる抗体精製ステップについての必要性である。
本発明は、抗体を含む溶液からの宿主細胞タンパク質(HCP)、抗体フラグメントおよび低分子物質の分離のための方法に関し、該方法においては、抗体を含む溶液を好適な期間にわたり疎水性クロマトグラフィー材料と接触させることにより、前記抗体は主に溶液中に残留し、HCP、抗体フラグメントおよび低分子物質は疎水性クロマトグラフィー材料に吸着する。
詳細には、疎水性クロマトグラフィー材料は、粒子状であり、架橋ビニルベンゼン、エチルスチレン、ポリ(エチル)スチレン-ジビニルベンゼンからなるか、またはポリ(エチル)スチレン-ジビニルベンゼンエチレングリコール-ジメチルアクリラート樹脂からなる。好ましくは、樹脂は、98:2から10:90重量%までの比におけるスチレンとジビニルベンゼンからなる架橋ポリマーからなる。修飾された形態において、粒子状材料はポリスチレンからなり、これは、98:2から10:90重量%までの比におけるジビニルベンゼンとエチレングリコールジメタクリラートとのコポリマーで架橋されている。
所望の抗体からの宿主細胞タンパク質(HCP)、抗体フラグメントおよび低分子物質の除去および分離を行うために、2~11の範囲、好ましくは5~9の範囲のpH値、1~150mS/cmの範囲、好ましくは2~50mS/cmの範囲の誘電率を有する水性の清澄化された細胞培養溶液を、疎水性クロマトグラフィー材料と接触させる。好ましくは、水溶液は、150~1000cm/分の範囲、好ましくは300~900cm/分の範囲の流速で通過する。特に好ましい態様において、宿主細胞タンパク質(HCP)、抗体フラグメントおよび低分子物質の分離は、プロテインAアフィニティー結合ステップの後で処理される。必要とされる場合、精製順序は、イオン交換樹脂による処置を含む。
通常は、分離は、10μm~600μmの範囲、好ましくは20μm~150μmの範囲、最も好ましくは20μm~63μmの範囲の平均粒子径を有する粒子状の疎水性クロマトグラフィー分離材料を用いて処理される。このサイズの好適な疎水性多孔質ポリマービーズは、好ましくは4~500nmの範囲、より好ましくは10~30nmの範囲、最も好ましくは13nm~25nmの範囲の孔サイズを有する。
上で示されるとおり、精製順序は、好ましくはプロテインAの分離について特異的な、イオン交換樹脂による少なくとも1つの処置を含む。かかるイオン交換樹脂による処置と、多孔質疎水性ポリマービーズによる処置との組み合わせ処置は、有利なことに、<10ngまでのHCPの枯渇と濾過されたプロテインAの除去とを同時にもたらす。特に良好な洗浄効果は、疎水性ポリマー粒子が架橋されたビニルベンゼン、ポリ(エチル)スチレン-ジビニルベンゼンからなるか、またはポリ(エチル)スチレン-ジビニルベンゼンエチレングリコール-ジメチルアクリラート樹脂からなる場合に得られる。
本発明の目的は、特に、抗体を含む溶液からの宿主細胞タンパク質(HCP)、抗体フラグメントおよび低分子物質の分離のための、4nm~500nmの範囲、好ましくは10nm~30nmの範囲、最も好ましくは13nm~25nmの範囲の孔サイズを有する疎水性クロマトグラフィー分離材料の使用である。用いられる本発明の疎水性クロマトグラフィー分離材料は、好ましくは、架橋されたビニルベンゼン、架橋されたエチルスチレン、ポリスチレン/ポリエチルスチレン-ジビニルベンゼンからなるか、またはポリスチレン/ポリエチルスチレン-ジビニルベンゼンエチレングリコール-ジメチルアクリラートからなる。特に好ましい態様において、本明細書において記載される用いられる疎水性の硬性ポリマービーズは、10μm~600μmの範囲、好ましくは20μm~150μmの範囲、最も好ましくは20μm~63μmの範囲の平均粒子径、および4nm~500nmの範囲、好ましくは10nm~30nmの範囲、最も好ましくは13nm~25nmの範囲の孔サイズを有する。
発明の詳細な説明
本明細書において記載される多様な実験において、多孔質ポリ(ジ)ビニル芳香族ビーズなどの多孔質疎水性相互作用材料が、細胞培養溶液からの大規模な抗体精製のために有用であることを見出した。これらの精製ステップは、目的のタンパク質を含む試料(例えば清澄化された細胞培養溶液)中に存在する1または2以上の不純物のレベルを低下させるために、キャプチャークロマトグラフィーステップの上流または下流のいずれかにおいて行うことができる。
この目的のために、清澄化された細胞培養溶液を、疎水性相互作用材料と接触させ、例えば多孔質疎水性ポリスチレンビーズと接触させ、低分子物質のレベルを選択的に低下させるために、一定期間にわたりインキュベートする。この手法により、望ましくない抗体フラグメントおよびHCPを、目的の抗体を含む培養溶液から選択的に減少させることが可能である。前記疎水性相互作用材料は、プロテインAキャプチャー後の抗体溶液に供するために、および、清澄化された細胞培養溶液を材料と好適な期間にわたり接触させることにより低分子物質(例えば、抗体フラグメント、HCP)のレベルを選択的に低下させるために、特に好適である。この精製プロセスを行うために、疎水性相互作用材料(例えばポリスチレンビーズ)を、1つまたはいくつかのクロマトグラフィーカラムまたはフィルタハウジングなどの他のデバイス中に組み込む。これらの充填カラムを、次いで、フロースルーモードにおけるタンパク質精製プロセスのために用い、それにより、培養溶液の抗体フラグメントおよびHCPなどの低分子物質が、カラムを通過する間に疎水性の多孔質相互作用材料と相互作用し、低分子物質(例えば、抗体フラグメント、HCP)のレベルが低下する。この場合、流動速度を150cm/分~1000cm/分、および特に300~900cm/分の範囲に調整すると、良好な精製結果が得られる。
さらに、本明細書において記載される実験において、清澄化された培養ブロスのpHを、2~11の範囲、および好ましくは3~9の範囲に調整すると、良好な精製結果が達成可能であることが見出された。
同時に、溶液の誘電率が1mS/cm~50mS/cmの範囲、および特に2~50mS/cmの範囲である場合、有利であることを証明した。
本明細書における実験により実証されるとおり、小さい多孔質ポリマービーズの形態における疎水性相互作用材料の使用により、高純度の清澄化された細胞培養培地を達成することができることは、特に驚くべきことであることを見出した。いくつかの態様において、この材料は、主にポリスチレンまたはポリエチルスチレンからなり、疎水性モノマーと親水性モノマーとの混合物、例えばジビニルベンゼン(DVB)およびエチレングリコールジメタクリラート(EGDMA)により架橋されていてもよい。
多孔質ポリマービーズは、典型的には、懸濁重合により生成される。それらは、例えばUS 4,382,124において開示されるものに類似するプロセスにおいて生成することができ、ここで、多孔性は、モノマーについての溶媒であるがポリマーについては非溶媒であるポロゲン(「相増量剤(phase extender)」または「賦形剤」としても知られる)の存在下における懸濁重合により、コポリマービーズ中に導入される。US 4,382,124により調製されるもののような従来の多孔質ポリマーは、典型的には、広範なポロゲン型、モノマー相に対して相対的なポロゲン濃度、モノマーの型、架橋モノマーの型、クロスリンカーのレベル、重合開始剤および開始剤の濃度の使用を包含する。本発明は、しかし、疎水性モノマーの比が特別な範囲にある場合、これらのポリマービーズが細胞培養液からの抗体の精製において特に好適かつ有効であるという、予想外の知見に基づく。
理論に拘束されることは望まないが、本発明の場合においては、標的分子についての能力の増大は、主に、ポリマー中の疎水性分子の含有占有率を増大させることによりポリマーマトリックスを変化させた場合に達成されると考えられる。この変化は、ポリマーを構築するモノマーのバランス、およびポロゲンの量のバランス、およびクロスリンカーのレベルのバランスを考慮して行った。これらは一緒になって、多孔性、硬性および標的分子の結合能力のパラメーターに影響を及ぼす。
驚くべきことに、これらの選択された開放型多孔質疎水性ポリマービーズにより、著しく改善されたHCPの分離を達成することができる。多孔質構造は、ポリマーマトリックス中への、およびポリマーマトリックスからの分子の迅速な拡散を可能にし、ポリマービーズの多孔性に起因して、大きな表面積が、細胞培養培地中に含まれる望ましくないタンパク質および不純物との相互作用のために利用可能である。したがって、これらの材料は、固定相において生体分子を分離することにおいて、非常に効果的である。最新の市販のポリマー逆相クロマトグラフィー固定相は、これらの基準の周辺において設計されると考えられ、より低い圧力条件下において用いられる。しかし、より高い圧力条件(典型的には10~100バールの範囲)において、これらの材料は圧縮性である。幸運なことに、本発明によるポリマービーズは、増大した硬性を有し、同時に高い多孔度を有するので、粒子内拡散のための高い能力を提供する。
本発明において用いられる疎水性多孔質ポリマービーズは、モノクローナル抗体を含む溶液を、1~100cmの範囲、好ましくは5~50cmの範囲の直径を有する液体クロマトグラフィーカラム中のポリマービーズと接触させることによる、当該溶液からの宿主細胞タンパク質(HCP)、抗体フラグメントおよび低分子物質の除去のために有用であり、ここで、カラムは、100バールまでの圧力、好ましくは0.2~80バールの範囲の圧力において操作される。典型的には、調製スケールのカラムは10~50cmの範囲であり、0.2~80バールの範囲の圧力において操作される。
本発明による多孔質ポリマービーズは、典型的には、直径200μmまでの平均粒子サイズを有する球状コポリマービーズであって、これは、高速逆相液体クロマトグラフィー(直径1~100cmの範囲のカラムにおけるものなど)を介する生体分子の分離および精製のために有用なポリマービーズについての典型的なサイズである。
一般的に、多孔質分離材料は、10~600μmの範囲、好ましくは20~150μmの範囲の平均粒子サイズ直径(d50)を有する場合に特に効果的であることを見出し、一方で、20~63μmの範囲の平均粒子サイズを有するかかる材料が、特に効果的であることを示した。
かかる疎水性分離材料、好ましくはポリスチレンビーズは、所望される分離効果のために好適であると考えられ、4~500nmの範囲の孔サイズを有する。精製実験は、10~30nmの平均孔サイズを有する疎水性相互作用材料が、望ましい分離結果をもたらすことを示した。これらの望ましい分離結果は、好適な材料からなる平均孔サイズが13~25nmの範囲の球状の疎水性ポリマービーズを用いた場合にさらに改善される。本発明の好適な多孔質ポリマービーズは、好ましくは、300~1000m/g(グラムあたりの平方メートル)、より好ましくは450~850m/gの範囲、最も好ましくは500~800m/gの範囲の表面積(BET)を有する。
本明細書において記載される多孔質ポリマービーズの調製において用いることができる好適な一不飽和ビニル芳香族モノマーとして、限定されないが、スチレン、C1~C4-アルキル置換スチレン、ビニルナフタレンおよびビニルアントラセンが挙げられる。好ましくは、一不飽和ビニル芳香族モノマーは、スチレンおよびC1~C4-アルキル置換スチレンのうちの1または2以上から選択される。好適なC1~C4-アルキル置換スチレンの群に含まれるのは、エチルビニルベンゼン、ビニルトルエン、ジエチルスチレン、エチルメチルスチレンおよびジメチルスチレンである。前述のビニル芳香族モノマーの各々の多様な位置異性体のうちの任意のものが好適であることが理解される。
このことは、本発明において好適な多孔質ポリマービーズが、特に、ビニルベンゼン(スチレン)、エチルスチレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルナフタレン、ジビニルアントラセン、ジビニルキシレン、およびこれらのモノマーの任意の構造異性体からなる群より選択される1または2以上のモノマーを用いて調製することができることを意味する。
好ましくは、多孔質ポリマーは、ビニルベンゼン(スチレン)とジビニルベンゼンとの、またはエチルスチレンとジビニルベンゼンとのコポリマーを用いて調製される。本発明の好ましい態様において、適用される架橋多孔質ポリマービーズは、スチレン/およびジビニルベンゼンを、98:2~10:90%の互いに対する重量比において含む。
任意に、脂肪族の不飽和モノマー、例えば(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸のアルキルエステルもまた、ビニル芳香族モノマーに加えて、本明細書において記載される前記の疎水性の多孔質ポリマービーズの調製のために用いることができる。これらの脂肪族不飽和モノマーは、所望されるポリマービーズの調製において架橋剤として用いることができる。
好適な脂肪族架橋モノマーは、エチレングリコールジアクリラート、エチレングリコールジメタクリラート、トリメチロールプロパントリアクリラート、トリメチロールプロパントリメタクリラート、ジエチレングリコールジビニルエーテル、およびトリビニルシクロヘキサンからなる群より選択され、これは、本発明による架橋された疎水性多孔質ポリマービーズの調製のために用いることができる。脂肪測モノマーは、単独で、または上で架橋モノマーとして言及されたポリビニル芳香族モノマーと組み合わせて、用いることができる。
いずれの変化形(variant)においても、エチレングリコールジメタクリラート、グリシジルメタクリラート、およびジエチレングリコールジビニルエーテルが、多孔質ビーズの分離のために特に好適である。好ましくは、これらの脂肪族架橋モノマーは、ポリビニル芳香族架橋モノマーと組み合わせて用いる。これらの条件下において、脂肪族モノマーは、典型的には、硬性の多孔質ポリマービーズを形成するために用いられる全モノマー重量に基づいて、0~50%の範囲の量において、好ましくは0~30%の範囲の量において含まれる。
本明細書において記載される多孔質ポリマー粒子の本発明の使用において、ジビニルベンゼンまたはその誘導体とエチレングリコールジメタクリラートおよびジエチレングリコールジビニルエーテルからなる群より選択されるモノマーとのコポリマーで架橋されたポリスチレンからなる多孔質ポリマービーズを用いて、優れた分離結果が達成され、ここで、ポリスチレンと架橋コポリマーとの比は、98:2~10:90重量%の範囲である。好ましい態様において、ポリ(エチル)スチレンからなる多孔質粒子が用いられ、これらは、98:2~14:86重量%の比において、ジビニルベンゼンとエチレングリコールメタクリラートとのコポリマーで架橋されている。このことに関して、抗体を含む溶液からの宿主細胞タンパク質(HCP)、抗体フラグメントおよび低分子物質の分離のために、(ジ)ビニル芳香族モノマーが50重量%より多い量で含まれる多孔質ビーズが、より良好に適していることを見出した。したがって、約10:90~98:2重量%の比においてジビニルベンゼンとエチレングリコールメタクリラートとのコポリマーで架橋されたモノビニル芳香族のポリマーからなる多孔質ビーズが好ましい。より好ましいのは、比が重量により約14:86である多孔質ビーズである。
好ましい疎水性多孔質ポリマーは、ビニルベンゼン(スチレン)コポリマー、エチルビニルベンゼン(エチルスチレン)コポリマー、ジビニルベンゼンコポリマー、架橋ポリスチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、架橋ポリスチレンエチレングリコール-ジメタクリラート、架橋ポリジビニルベンゼンエチレングリコール-ジメタクリラートの1または2以上から選択される。最も好ましいのは、架橋ポリ(エチル)スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、およびジビニルベンゼンとエチレングリコール-ジメタクリラートとのコポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレンである。
多孔質ポリマーを調製するために有用なポロゲンとして、(C~C10)芳香族炭化水素および(C~C12)飽和炭化水素などの疎水性ポロゲン、および(C~C10)アルカノールおよびポリアルキレングリコールなどの親水性ポロゲンが挙げられる。したがって、好適なポロゲンは、例えば、トルエン、エチルベンゼン、オルト-キシレン、メタ-キシレン、パラ-キシレンからなる群より選択することができる。前述の炭化水素のうちの任意のものの多様な位置異性体のうちの任意のものが好適であることが理解される。好ましくは、芳香族炭化水素はトルエンまたはキシレンまたはキシレン類の混合物またはトルエンとキシレンの混合物である。さらに、上で示されるとおり、飽和炭化水素もまた、ポロゲンとして用いることができる。好適な例として、限定されないが、例えばヘキサン、ヘプタンまたはイソオクタンが挙げられる。本発明のこの場合における好ましい飽和炭化水素は、イソオクタンである。好適なアルカノールとして、限定されないが、イソブチルアルコール、tert-アミルアルコール、n-アミルアルコール、イソアミルアルコール、メチルイソブチルカルビノール、(4-メチル-2-ペンタノール)、ヘキサノールおよびオクタノールが挙げられる。好ましくは、ポロゲン混合物は、1または2以上の(C~C)アルカノールから選択される親水性ポロゲン、および1または2以上の(C~C10)芳香族炭化水素から選択される疎水性ポロゲンを含む。
典型的には、ポロゲンは、過剰量において、通常はモノマーの重量に基づいて100~170%、好ましくは115~150、より好ましくは120~140%の合計量において、重合懸濁物に添加される。加えて、本発明によるポリマーを調製するために用いられるポロゲンは、溶媒系と混合され、これは少なくとも疎水性溶媒を含み、任意により疎水性が低い溶媒(「親水性」溶媒)を含み、これらはいずれも多孔質ビーズの構築を支持する。より疎水性が低い(または上述のとおり「親水性」の)溶媒は、少なくともいくらかの、例えば0.5~5%の範囲の、限定された水溶性を有するが、一方、疎水性溶媒は、10~100ppmまたはそれより低い水溶性を示すことは、自明である。
一般に、低疎水性を有するポロゲン(すなわち,「親水性ポロゲン」)の疎水性ポロゲンに対する比は、0.7:1~3:1の範囲、好ましくは0.8:1~2.5:1の範囲、最も好ましくは0.9:1~2.4:1の範囲である。
本発明において好適なポリマーを調製することにおいて有用な重合開始剤は、当業者に周知であり、ペルオキシド、ヒドロペルオキシドおよび関連する開始剤のようなモノマー溶解性開始剤を含む。これらの開始剤は市販されている。また有用であるのは、アゾジイソブチロニトリル、アゾジイソブチルアミドなどのアゾ開始剤である。開始剤の性質に依存して、使用レベルは、含まれるビニルモノマーの全重量に基づいて0.5~10%の範囲である。
さらに、多孔質ポリマービーズを調製するために有用な分散剤または懸濁剤は、通例の界面活性剤であってもよく、これは、イオン性であり、1~24個の炭素原子を含む疎水性アルキル鎖を含んでもよい。懸濁重合において好適な別の市販の群の分散剤は、非イオン性界面活性剤であり、これはエポキシ化ヒドロキシアルキルセルロース誘導体に基づく。典型的には、これらの添加物は、水相の全重量に基づいて約0.01~4%のレベルにおいて用いられる。
好適である場合、他の分散剤を用いてもよく、上記の界面活性剤および分散剤と一緒に適用してもよい。例えば、セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デンプンなどを含むポリマー性分散剤を、本明細書において用いられる他の界面活性剤または分散剤との混合物において用いてもよい。しかし、最も好ましいものは、イオン性界面活性剤の添加であり、これは、水でリンスすることにより、調製されたポリマービーズから容易に取り除くことができる。
本明細書において開示される多孔質疎水性ポリマービーズの調製のために、懸濁補助剤を含む連続的な水相溶液を調製し、次いでこの溶液を、ポリビニル芳香族モノマー、フリーラジカル開始剤、および、例えば一部のモノマー混合物あたり1~1.7部の(混合)ポロゲン(疎水性および親水性ポロゲン)を含むモノマー混合物と混合する。モノマー/ポロゲンの組み合わせを、次いで、高温において(典型的には40~100℃において、例えば1~約15時間にわたり)重合し、その後、例えば蒸留または溶媒洗浄により、生じたポリマービーズからポロゲンを除去する。生じた多孔質ポリマービーズを、次いで、脱水および乾燥などの慣用的な手段により単離する。
任意に、ポリマービーズの調製は、ポリマー表面から重合の間に用いられた分散剤および懸濁剤の残渣を洗浄するための処置を含んでもよい。この処置は、特許文献(JP 61-141704またはJP 57-98504またはEP 1 179 732 B1)において開示されるような酵素処置を含んでもよい。
調製されたポリマービーズは、それらの多孔性および機械的強度のために、充填カラムにおいて特に好適である。有利なことに、これらの多孔質かつ硬性のポリマービーズは、抗体を含む溶液を液体クロマトグラフィーカラム中のこれらのポリマービーズと接触させることによる(高圧においても)、当該溶液からの宿主細胞タンパク質(HCP)、抗体フラグメントおよび低分子物質の分離のために、有用である。これらのビーズは、長期の使用による圧力増大を伴わないハイスループット速度における、生体分子の高性能の分離および精製のために、特に好適である。
本発明において用いられる多孔質ポリマービーズは、選択された多孔度および孔サイズ分布により特徴づけられ、これらは逆相分子ふるいクロマトグラフィー(iSEC)により決定することができる。本発明において好適なポリマービーズは、典型的には、0.4~1.0の範囲、好ましくは0.45~0.75の範囲の多孔度εを有する。これらのビーズは、300~100m/gの範囲[BET]、より好ましくは450~850m/g、最も好ましくは500~800m/gの非常に狭い範囲の表面積を有する。
ここで開示されるポリマービーズは、モノクローナル抗体を含有する溶液からの宿主細胞タンパク質(HCP)、抗体フラグメントおよび低分子物質の分離のために、予想外に良好に好適である。それらの化学的性質およびナノ多孔質構造に起因して、これらの材料は、低分子タンパク質との疎水性相互作用のために特に好適であり、フロースルーモードにおけるクロマトグラフィーカラムベースのタンパク質精製プロセス中に組み込むことができる。これらの多孔質ポリマービーズの特性およびプロセス制御の型が、クロマトグラフィーカラムの負荷の軽減をもたらし、その結果、クロマトグラフィーカラムの寿命を延長しつつ、HCPおよび抗体フラグメントなどの重大な不純物のレベルを低下させる。有利なことに、適用されたポリスチレンビーズは、誘導体化される必要がなく、したがって、この精製ステップにおいて一般に用いられるクロマトグラフィーゲルよりもはるかに費用効果が高い。本明細書において記載される分離材料は、かなり安価であり、再生することができ、したがって、抗体精製プラットフォームその他の全体的な費用を軽減する。
さらに、驚くべきことに、本明細書において記載される疎水性材料は、キャプチャークロマトグラフィーステップの上流または下流のいずれかにおいて、1または2以上の不純物のレベルを低下させるために用いることができる。請求される方法によるいくつかの態様において、試料を、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーステップの前に、疎水性材料と接触させる。一般的に、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーステップは、試料を疎水性材料と接触させる前に用いる。
加えて、疎水性材料の適用は、分子ふるい機構、および低分子物質、特に<70kDaの分子質量の化合物の疎水性吸着に基づくので、示した例に限定されない。これは、抗体フラグメントまたはHCPなどのモノクローナル抗体関連分子の選択的除去をもたらす。
さらに、本発明は、クロマトグラフィーに基づく抗体精製ステップを提供し、ここで、本明細書において記載されるクロマトグラフィー材料は再生することができ、広い操作ウィンドウにおいて適用可能である(例えばpH3~11;誘電率1mS/cm~50mS/cm、操作速度150cm/分~1000cm/分)。特に低および高pH値における多孔質ポリマービーズの耐性は、ここでの多大な利点である。なぜならば、十分な再生が可能であり、これらの材料が著しくより長い寿命を有するからである。
既に上で示したとおり、本明細書において記載される疎水性多孔質ポリマービーズを用いての、清澄化された細胞培養ブロスからの低分子物質、特に<70kDaの分子質量の化合物の除去は、工業的スケールならびに微小スケールの両方において行うことができる。なぜならば、選択された分離材料は、圧力に対して安定であり、高圧において変形しにくいからである。使用者は、クロマトグラフィー精製を行う様式において自由である。適用される細胞培養の、および低分子タンパク質の性質に依存して、多孔質ポリマー粒子のいずれか一方の組成物が、精製ステップのために有利であり得ることは、自明である。ここで、専門家は、純粋な(ビニル)アルキル芳香族からできた多孔質ポリマー、または好適なアクリラートにより架橋されたものからできた多孔質ポリマーの間で選択肢を有する。この場合、最も好適なポリマービーズは、当業者のうちの一人により容易に同定され得る。
しかし、これらの材料は、低分子物質、特に抗体フラグメントまたはHCPのような<70kDaの分子質量の化合物の除去のために使用されることに限定されない。驚くべきことに、以前の精製ステップにおいて分離されないかまたは洗い流されるプロテインAを、本発明による多孔質疎水性ポリマービーズを用いて細胞培養培地から容易に分離することができることを見出した。驚くべきことに、多孔質ポリマービーズを用いると、細胞培養培地からのプロテインAの分離を、培地のpH値に非依存的に行うことができる。実験において、例えばPS-DVB-EGDMA樹脂が、静的結合条件下において、pH4.00およびpH8.00の溶液においてプロテインAを吸着することができることを示すことができる。
プロテインAの分離に特異的な市販のイオン交換樹脂による処置と多孔質疎水性ポリマービーズによる処置との組み合わせ処置の場合、およびデバイスが順番に互いに連結されている場合(例えばイオン交換樹脂で充填されたカラム、例えばEshmuno(登録商標)CPXに続いてEshmuno(登録商標)Q、これに続いてPS-DVB-EGDMAで充填されたカラム)、<10ngまでのHCPの枯渇が容易に達成され、これは浸出したプロテインAの除去を含む。
本記載は、当業者が本発明を包括的に実施することを可能にする。したがって、さらなるコメントを伴わずとも、当業者が上の記載を最も広い範囲において利用することができるであろうことが想定される。
何らかが不明瞭である場合、引用される刊行物および特許文献を参照すべきである。したがって、これらの文書は、本記載の開示内容の一部とみなされる。
よりよい理解のために、および本発明を説明するために、以下に本発明の保護の範囲内である例を記載する。これらの例はまた、可能な変化形を説明するためにも役立つ。
さらに、当業者には言うまでもないことであるが、示される例において、およびまた記載の残りにおいて、組成物中に存在する成分の量は、常に、全体としての組成物に基づいて、100重量%またはモル%までのみ添加され、示されたパーセント範囲からより高い値が生じ得る場合であっても、このパーセンテージを超えることはできない。他に示されない限り、したがって、%データは、重量%またはモル%であり、ただし比は例外とし、これは体積データにおいて示される。
明細書を通して用いられる場合、文脈が明らかに他を示さない限り、以下の用語は、以下の意味を有するべきである:
用語「アルキル(メタ)アクリラート」とは、対応するアクリラートまたはメタクリラートエステルのいずれかを指す;同様に、用語「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸またはメタクリル酸のいずれか、およびエステルまたはアミドなどの対応する誘導体を指す。上で示されるとおり、言及される全てのパーセンテージは、他に特定されない限り、含まれるポリマーまたは組成物(溶液)の全重量に基づく重量パーセント(%)において表されるであろう。用語「コポリマー」とは、位置異性体を含む、2または3以上の異なるモノマーの単位を含むポリマー組成物を指す。
以下の略語が、本明細書において用いられる:
g=グラム、
ppm=重量/体積による百万分率、
m=メートル、
cm=センチメートル、
mm=ミリメートル、
μm=マイクロメートル(ミクロン)=10-6m、
nm=ナノメートル=10-9m、
ml=ミリリットル、L=リットル。他に特定されない限り、列記される範囲は、境界を含み、組み合わせ可能であるものとして判断されるべきである。
例および説明において、ならびに請求の範囲において示される温度は、常に摂氏(℃)である。
方法:
粒子の特徴:
粒子の特徴づけは、当該分野において公知であり、I. C. Edmundson, Particle-size analysis, H. S. Bean, A. H. Beckett and J. E. Carles (編):Advances in Pharmaceutical Sciences、第2巻中、Academic Press, London 1967, 95-174より記載される。
粒子サイズ分布および平均直径は、Mastersizer 2000E(Malvern Instruments Ltd., UK)を用いるレーザー回析測定により、またはレーザー遮光技術(Accusizer(商標)、モデル770、Particle Sizing Systems、Santa Barbara, Calif., USA)により測定することができる。
マイクロスフェアの形状および表面の特徴(多孔度)は、走査型電子顕微鏡(SEM)分析により確立することができる。
孔サイズは、当該分野において公知の方法により決定する。マクロ孔は、水銀ポロシメトリーを用いて決定することができる。この場合、用いられる水銀ポロシメトリー分析器(例えばAutoPore IV 9500、Micromeritics、USA)のプロトコルに従って、孔サイズを分析するための実験を行う。また、走査型電子顕微鏡(SEM)(JSM-6700F. JEOL、Japan)により、乾燥後にポリマーマイクロスフェアの直径および表面の特徴を観察する走査型電子顕微鏡像(SEM)から、孔の寸法を概算することも可能である。マイクロスフェアを蒸留水中で再懸濁し、分散をアルミニウムホイル片の上に滴下し、環境大気において乾燥させる。試料を、両面伝導性粘着テープを用いて金属断片上に置き、JFC-1600ファインコーター(JEOL、Japan)を用いて5Paより低い減圧下において薄金フィルムでコートする。
メソ孔の孔サイズおよびそれらの具体的な表面積もまた、窒素吸着/脱着測定(BET法)を用いて決定することができ、これは標準的なプロトコルに従って行う。この後者の方法はまた、BET表面積を決定するためにも用いることができる。
HCP ELISA試験
精製されたタンパク質は、常に発現生物からの少量の混入タンパク質を含み、これは宿主細胞タンパク質(HCP)として言及される。生体産物中のこれらの宿主細胞タンパク質(Host Cell Protein:HCP)は、プロセスに関連する不純物であって、これは同定して定性的かつ定量的に評価しなければならない。本明細書において開示される分離方法の精製有効性を定量するために、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)試験系が用いられる。ELISA試験系は、特定の細菌からのまたは特定の培養細胞株(例えばチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞培養物)からのHCPの検出について、プロセス特異的である。
例えばCHO HCP ELISAキットの原理は、一方はマイクロウェル上に固定され、他方はセイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)に抱合した2つの抗体への、試料中のCHOタンパク質の結合に基づく。インキュベーションおよび洗浄ステップの後で、発色基質(TMB)を添加し、基質上のHRPの酵素反応により発色させる。これは試料中に存在する抗原の量に直接比例する。反応を停止させるために停止溶液を添加し、次いでELISAマイクロウェルリーダーを用いて450nmにおける吸光度を測定する。CHO HCPの標準曲線から、試料および対照中のCHOタンパク質の濃度を計算する。
分離されたHCPの定量のための別の方法は、SDS-PAGEと、その後のBioDocゲル分析ソフトウェアを介するバンドの分析により行う。
SDS-PAGE分析の原理は、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)からなり、サイズに基づいたタンパク質の分離を含む。試料を変性および還元条件下において加熱することにより、タンパク質は展開し、SDS洗剤分子で被覆され、ポリペプチド鎖の長さに比例する高い正味の負の電荷を獲得する。ゲルマトリックス上にロードされ、電場に置かれた場合、負に荷電されたタンパク質分子は、正に荷電された電極へと移動し、分子ふるい効果により分離される。タンパク質特異的染色技術による可視化の後で、タンパク質のサイズは、その移動距離と既知の分子量の標準の移動距離との比較により、概算することができる。また、ウェスタンブロットと称される手法において、分離されたタンパク質を、正に荷電されたメンブレン上にブロットして、タンパク質特異的抗体でプローブすることも可能である。
分離されたタンパク質の記述およびその後の分析は、BioDocAnalyzeシステム(科学グレードのデジタルカメラならびに含まれるゲルおよびブロットの分析のためのソフトウェア)を介して行うことができる。このシステムは市販されている。
図面のリスト
様々な条件における処置の後の多様な抗体のプロテインAキャプチャー後のプールにおけるmAb03の減少およびHCPの減少(%)。 様々な条件における処置の後の多様な抗体のプロテインAキャプチャー後のプールにおけるmAb05の減少およびHCPの減少(%)。 様々な条件における処置の後の多様な抗体のプロテインAキャプチャー後のプールにおけるmAb07の減少およびHCPの減少(%)。 様々な条件における処置の後の多様な抗体のプロテインAキャプチャー後のプールにおけるmAb08の減少およびHCPの減少(%)。 様々な条件における直径31.4nmの平均孔を有する多孔質PS-DVB粒子状材料による処置の後のmAb05の減少およびHCPの減少(%)。 様々な条件における直径20.4nmの平均孔を有するPS-DVB粒子状材料による処置の後のmAb05の減少およびHCPの減少(%)。 様々な条件における直径15.8nmの平均孔を有するPS-DVB粒子状材料による処置の後のmAb05の減少およびHCPの減少(%)。 直径15.8nmの平均孔を有するPS-DVB粒子状材料での処置の後のmAbの減少およびHCPの減少(%)。 直径15.8nmの平均孔を有し、>63μm(上の行)から40~63μm(中の行)および20~40μm(下の行)の範囲の異なる粒子サイズに分類されるPS-DVB粒子状材料による処置の後のmAbの減少およびHCPの減少(%)。 PS-DVB(PS01)-平均孔サイズ31.4nmの粒子状材料に対して、PS-DVB(PS02)-平均孔サイズ20.4nmの粒子状材料に対して、およびPS-DVB(PS03)-平均孔サイズ15.8nmの粒子状材料に対しての、異なるローディング量における、mAb03のレベルおよびFC含有フラグメントブレークスルーレベル。 PS-DVB-EGDMA粒子状材料に対する様々なローディングにおけるmAb03レベルおよびHCPブレークスルーレベル;ここで、30422(d50-36.1μm)およびPS02(d50-40.9μm)材料は、ジビニルベンゼンコポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなり、30410(d50-35.2μm)材料は、ジビニルベンゼン(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(30%)コポリマーで架橋された、ポリ(エチル)スチレン(m)からなり、30423(d50-35.5μm)は、ジビニルベンゼン(50%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(50%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる。 PS-DVB-EGDMA粒子状材料に対する様々なローディングにおけるmAb06 HCPブレークスルーレベル;ここで、30422(d50-36.1μm)およびPS02(d50-40.9μm)材料は、ジビニルベンゼンコポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなり、30410(d50-35.2μm)材料は、ジビニルベンゼン(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる。Run 3およびRun 5は、プロテインA処理後のmAb06のプール(pH5.0、誘電率-1.4mS/cm)を用いて行い、Run 4、Run 7およびRun 9は、プロテインA処理後のmAb06のプールを用いて、ここでプール誘電率を3mS/cmまで増大させるためにNaClを添加して行った。 PS-DVB-EGDMA粒子状材料に対する様々なローディングにおけるmAb06 LMW(%)ブレークスルーレベル;ここで、30422(d50-36.1μm)およびPS02(d50-40.9μm)材料は、ジビニルベンゼンコポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなり、30410(d50-35.2μm)材料は、ジビニルベンゼン(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる。Run 3およびRun 5は、プロテインA処理後のmAb06のプール(pH5.0、誘電率-1.4mS/cm)を用いて行い、Run 4、Run 7およびRun 9は、プロテインA処理後のmAb06のプールを用いて、ここでプール誘電率を3mS/cmまで増大させるためにNaClを添加して行った。 PS-DVB-EGDMA粒子状材料に対する様々なローディングにおけるmAb05 LMW(%)ブレークスルーレベル;ここで、PS02(d50-40.9μm)材料は、ジビニルベンゼンコポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなり、MS39(d50-35.2μm)材料は、ジビニルベンゼン(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなり、ACは天然活性炭(Nuchar HD)である。 PS-DVB-EGDMA粒子状材料に対する様々なローディングにおけるmAb05 HCPブレークスルーレベル;ここで、PS02(d50-40.9μm)材料は、ジビニルベンゼンコポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなり、MS39(d50-35.2μm)材料は、ジビニルベンゼン(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなり、ACは天然活性炭(Nuchar HD)である。 PS-DVB-EGDMA粒子状材料に対する様々なローディングにおけるmAb03 HCPブレークスルーレベル;ここで、30410材料は、ジビニルベンゼン(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる。Run 1~3は、カラムのクリーニングおよび再平衡化の後の連続Runを表す。 PS-DVB-EGDMA粒子状材料に対する様々なローディングにおけるmAb03 HCPブレークスルーレベル;ここで、30410材料は、ジビニルベンゼン(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる。P242は競合疎水性材料であり、P248は競合疎水性材料であり、Nuchar HDは活性炭材料であり、これは40~63μmにサイズ分類される。 PS-DVB-EGDMA粒子状材料に対する様々なローディングの後の多様なmAb03のプロテインA(例えば、Prosep Ultra Plus(PUP)、Mab Select Sure, Eshmuno A)処理後のプール中のHCPレベル;ここで、この材料は、ジビニルベンゼン(70%)およびエチレングリコールジメタクリラート(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる。 PS-DVB-EGDMA粒子状材料に対する様々なローディングの後の、多様なmAb07プロテインA(例えば、PUP、MAB Select Sure Eshmuno A)プール中のHCPレベル;ここで、この材料は、ジビニルベンゼン(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる。 PS-DVB-EGDMA粒子状材料に対する様々なローディングにおけるmAb03 HCPブレークスルーレベル;ここで、一実験において、NaClを0.5Mの濃度まで添加した。30451材料は、ジビニルベンゼンコポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなり、30410材料は、ジビニルベンゼン(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる。 PS-DVB-EGDMA粒子状材料に対する様々なローディングについての、900cm/hで操作されたmAb03 HCPブレークスルーレベル;ここで、30410材料は、ジビニルベンゼン(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる。P242は競合疎水性材料であり、P248もまた競合疎水性材料である。 DVB-EGDMA、Eshmuno(登録商標)SおよびEshmuno(登録商標)Q樹脂上でのプロテインA吸着の還元SDS PAGE分析。

ベースビーズ:
ポリスチレンベースの材料の合成(P353、P374およびP375など)
25.6gのポリビニルアルコールおよび0.38gのSDSを614.2gの水に溶解して、以下の懸濁重合のための水相を形成させる。19,94gのエチルビニルベンゼン、75gのジビニルベンゼン、41.57gのエチレングリコールジメタクリラート、90.24gのトルエン、90.24gの2-エチル-1-ヘキサノールおよび0.96gのAIBNの均一な溶液により、有機相を形成させる。リアクター容器中で有機相を水相に加えて、2つの相を、25℃において480rpmで攪拌しながら、期待される粒子サイズ分布に達するまで乳化する。60分後、640gの水を添加し、反応混合物を72℃まで加熱する。2時間にわたり温度を72℃に維持し、次いで82℃に上昇させる。混合物を82℃でさらに2時間にわたり重合させる。重合の後で、懸濁液を濾過用漏斗で濾過し、粒子を1.5リットルの60℃の水で洗浄し、その後、60℃で5リットルのメタノールで、40℃で5リットルのトルエンおよび2リットルのメタノールで洗浄する。最終生成物を真空オーブン中で24時間50℃および50mbarにおいて乾燥させる。乾燥質量に関する収率は定量的である。期待される粒子サイズ分布に依存して、最終生成物を、当該分野における最高水準の手法によるふるい分けにより分類する。
例1
この実験において、異なる材料を、プロテインAキャプチャー後のプールから不純物を取り除くそれらの能力について評価する。2種の疎水性材料:
a)ジビニルベンゼンコポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)(PS-DVB)からなる粒子状材料
および
b)ジビニルベンゼンコポリマーおよびエチレングリコールジメチルアクリラートコポリマーで架橋されたポリスチレン(m)(PS-DVB-EGDMA)からなる粒子状材料を、静的様式における不純物除去について試験する。リン酸緩衝化食塩水(PBS、10mMのリン酸、pH7.4)は、それらをプロテインAキャプチャー後のプールに供する前の試験材料のための平衡および洗浄バッファーとして用いられる。試料は、2つの異なるプロテインAキャプチャー後のプールに、一晩、激しい振盪下において、および粒子状材料の体積あたりの抗体ローディング(重量比)に対応するローディングのセット下において供する。これらのローディングは、0.5、1および2kg/Lである。一晩のインキュベーションの後で、粒子状材料を濾過し、分子ふるいクロマトグラフィー、HCP ELISAおよびHPLC Prot A法を用いて試料を分析し、性能データを収集する。この実験の結果は、本実験において用いられる両方の粒子状材料が、HCPおよび抗体フラグメントを吸着することを示す(表1、2を参照)。
Figure 0007037275000001
Figure 0007037275000002
抗体の収率は、それらの実験の全てにおいて、80%より高かった。
例2
この実験において、様々な材料を、プロテインAキャプチャー後のプールから添加された抗体フラグメントを除去するそれらの能力について評価する。
疎水性材料:
a)ジビニルベンゼンコポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)(PS-DVB)からなる粒子状材料
および
b)ジビニルベンゼンコポリマーおよびエチレングリコールジメチルアクリラートコポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)(PS-DVB-EGDMA)からなる粒子状材料
を、静的様式において不純物を取り除くそれらの能力について試験する。
リン酸緩衝化食塩水(PBS、10mMのリン酸、pH7.4)を、試験される材料を、モデルのプロテインAキャプチャー後のプール(これらはパパイン消化された抗体溶液が濃縮されている)に供する前に平衡化および洗浄するためのバッファーとして用いる。試料を、一晩、激しく撹拌しながら、粒子状材料の体積あたりの抗体ローディング(重量比)に対応するローディングのセットの下で、生成されたプロテインAキャプチャー後のプールに供する。ローディングは、0.5および1kg/Lである。一晩のインキュベーションの後で、粒子状材料を濾過し、分子ふるいクロマトグラフィーおよびHPLC Prot A法を用いて試料を分析し、性能データを収集する。用いられた粒子状材料はいずれも添加された抗体フラグメントを吸着したことに注目する(以下の表3を参照)。
Figure 0007037275000003
全実験において、抗体の収率は、80%よりも高い。
例3
この実験において、ジビニルベンゼンコポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)(PS-DVB)からなる粒子状材料を、多様な抗体のプロテインAキャプチャー後のプールからHCPを取り除くその能力について評価し、ここで、プロテインA処理後のプールは、広範なpHおよび誘電率の条件について調整される。測定は2回の複製において行い、25μlの粒子状材料と1000μlのPPP(ホスビチンリンペプチド(phosvitin phosphopeptide);様々なpHおよびNaCl濃度のバッファー中で1:4に希釈したもの)とを混合し、30分間インキュベートする。HCPの減少はELISAアッセイを介して定量し、一方で、mAbの減少はSDS-PAGEを介して定量し、その後のバンドの分析は、BioDocゲル分析ソフトウェアを介して行う(図1a~dを参照)。
図1a:様々な条件における処置の後のmAb03の減少およびHCPの減少(%)。
図1b:様々な条件における処置の後のmAb05の減少およびHCPの減少(%)。
図1c:様々な条件における処置の後のmAb07の減少およびHCPの減少(%)。
図1d:様々な条件における処置の後のmAb08の減少およびHCPの減少(%)。
例4
この実験において、様々な平均孔サイズ(逆相SEC(inverse SEC)およびPSSソフトウェアにより概算される)を有するジビニルベンゼンコポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)(PS-DVB)からなる粒子状材料を、広範なpHおよび誘電率の条件に調整された清澄化細胞培養プールからHCPを取り除くそれらの能力について評価する。測定は2回の複製において行い、25μlの粒子状材料と1000μlのPPP(様々なpHおよびNaCl濃度のバッファー中で1:4に希釈したもの)とを混合し、30分間インキュベートする。HCPの減少はELISAアッセイを介して定量し、一方で、mAbの減少はSDS-PAGEを介して定量し、その後のバンドの分析は、BioDocゲル分析ソフトウェアを介して行う(図2a~cを参照):
図2a:様々な条件における、直径31.4nmの平均孔サイズを有するPS-DVB粒子状材料による処置の後の、mAb05の減少およびHCPの減少(%)。
図2b:様々な条件における、直径20.4nmの平均孔サイズを有するPS-DVB粒子状材料による処置の後の、mAb05の減少およびHCPの減少(%)。
図2c:様々な条件における、直径15.8nmの平均孔サイズを有するPS-DVB粒子状材料による処置の後の、mAb05の減少およびHCPの減少(%)。
例5
この実験において、15.8nmの平均孔サイズ(逆相SECおよびPSSソフトウェアにより概算される)を有するジビニルベンゼンコポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)(PS-DVB)からなる粒子状材料を、清澄化された細胞培養プールからHCPを取り除くその能力について評価する。
測定は2回の複製において行い、25μlの粒子状材料と1000μlのPPP(50mMのTRIS(pH9)、0.5MのNaCl中で1:4に希釈したもの)とを混合し、30分間インキュベートする。HCPの減少はELISAアッセイを介して定量し、一方で、mAbの減少はSDS-PAGEを介して定量し、その後のバンドの分析は、BioDocゲル分析ソフトウェアを介して行う(図3を参照):
図3:直径15.8nmの平均孔サイズを有するPS-DVB粒子状材料による処置の後でのmAbの減少およびHCPの減少(%)。
例6
この実験において、15.8nmの平均孔サイズ(逆相SECおよびPSSソフトウェアにより概算される)を有し様々な粒子状材料サイズ範囲に分類される(湿式ふるい分け(wet sieving))ジビニルベンゼンコポリマーで架橋された、ポリ(エチル)スチレン(m)(PS-DVB)からなる粒子状材料を、プロテインAキャプチャー後のプールからHCPを取り除くその能力について評価する。測定は2回の複製において行い、25μlの粒子状材料と1000μlのPPP(50mMのTRIS(pH9)、0.5MのNaCl中で1:4に希釈したもの)とを混合し、30分間インキュベートする。HCPの減少はELISAアッセイを介して定量し、一方で、mAbの減少はSDS-PAGEを介して定量し、その後のバンドの分析は、BioDocゲル分析ソフトウェアを介して行う(図4を参照):
図4:直径15.8nmの平均孔を有し、>63μm(上の行)から40~63μm(中の行)および20~40μm(下の行)の範囲の様々な粒子サイズに分類されるPS-DVB粒子状材料による処置の後での、mAbの減少およびHCPの減少(%)。
例7
この実験において、様々な平均孔サイズ(逆相SECおよびPSSソフトウェアにより概算される)を有するジビニルベンゼンコポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)(PS-DVB)からなる粒子状材料を、パパイン消化およびProt Aアフィニティー精製の後で、プロテインA処理後の抗体プールから、導入された重鎖(FC)含有抗体フラグメントを除去するそれらの能力について評価する。ここで、既知の量の消化および精製されたFC含有抗体フラグメントを、プロテインA処理後の抗体のプール中に添加する。測定は、粒子状材料をクロマトグラフィーカラム中に充填し、50mM酢酸バッファーをpH5.0で用いて平衡化した後で、それに調製済のフィードを300cm/hにおいて流す、動的モードにおいて行う。SEC-HPLCを介してフラグメントのレベルを定量する(図5を参照):
図5:PS-DVB(PS01)-平均孔サイズ31.4nmの粒子状材料に対する、PS-DVB(PS02)-平均孔サイズ20.4nmの粒子状材料に対する、およびPS-DVB(PS03)-平均孔サイズ15.8nmの粒子状材料に対する様々なローディングにおける、mAb03レベルおよびFC含有フラグメントのブレークスルーレベル。
例8
この実験において、多様な比におけるジビニルベンゼン(PS-DVB)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(PS-DVB-EGDMA)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる粒子状材料を、プロテインA処理後の抗体プールからHCPを取り除くそれらの能力について評価する。測定は、粒子状材料をクロマトグラフィーカラム中に充填し、50mM酢酸バッファー(pH5.0)で、LF~2mS/cmで、>20CVにわたり平衡化した後で、それにプロテインA処理後のmAb03のフィード(pH5.0、LF~3mS/cm)を350cm/hにおいて流す、動的モードにおいて行う。開始時のHCP濃度は900ng/mlであり、mAb濃度は8.4mg/mlである。全ての材料は、粒子サイズ20~40μmにサイズ分類され、平均粒子サイズ分布は、Accusizerを用いて概算する。抗体レベルはSEC-HPLCを介して、HCPの量はELISA測定を介して定量した(図6を参照):
図6:PS-DVB-EGDMA粒子状材料に対する様々なローディングにおけるmAb03レベルおよびHCPのブレークスルーレベル;ここで、30422(d50-36.1μm)およびPS02(d50-40.9μm)材料は、ジビニルベンゼンコポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなり、30410(d50-35.2μm)材料は、ジビニルベンゼン(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなり、30423(d50-35.5μm)は、ジビニルベンゼン(50%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(50%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる。
例9
この実験において、多様な比においてジビニルベンゼン(PS-DVB)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(PS-DVB-EGDMA)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる粒子状材料を、多様なプロテインA処理後の抗体プールからHCPおよび低分子物質(例えば、抗体フラグメント)を取り除くそれらの能力について評価する。測定は、粒子状材料をクロマトグラフィーカラムに充填し、50mM酢酸バッファー(pH5.0)で、LF~2mS/cmで、>20CVにわたり平衡化した後で、それにプロテインA処理後の抗体フィード(pH5.0)を300cm/hで流す、動的モードにおいて行う。全ての材料は、粒子サイズ20~40μmにサイズ分類され、平均粒子サイズ分布は、Accusizerを用いて概算する。抗体レベルはSEC-HPLCを介して、HCPの量はELISA測定を介して定量する(図7a~dを参照):
図7a:PS-DVB-EGDMA粒子状材料に対する様々なローディングにおけるmAb06 HCPブレークスルーレベル;ここで30422(d50-36.1μm)およびPS02(d50-40.9μm)材料は、ジビニルベンゼンコポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなり、30410(d50-35.2μm)材料は、ジビニルベンゼン(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる。Run 3およびRun 5は、プロテインA処理後のmAb06のプール(pH5.0、誘電率-1.4mS/cm)を用いて行い、Run 4、Run 7およびRun 9は、プロテインA処理後のmAb06のプールにおいて、プール誘電率を3mS/cmまで増大させるためにNaClを添加して行う。
図7b:PS-DVB-EGDMA粒子状材料に対する様々なローディングにおけるmAb06 LMW(%)ブレークスルーレベル;ここで、30422(d50-36.1μm)およびPS02(d50-40.9μm)材料は、ジビニルベンゼンコポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなり、30410(d50-35.2μm)材料は、ジビニルベンゼン(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる。Run 3およびRun 5は、プロテインA処理後のmAb06のプール(pH5.0、誘電率-1.4mS/cm)を用いて行い、Run 4、Run 7およびRun 9は、プロテインA処理後のmAb06のプールにおいて、プール誘電率を3mS/cmまで増大させるためにNaClを添加して行う。
図7c:PS-DVB-EGDMA粒子状材料に対する様々なローディングにおけるmAb05 LMW(%)ブレークスルーレベル;ここで、PS02(d50-40.9μm)材料は、ジビニルベンゼンコポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなり、MS39(d50-35.2μm)材料は、ジビニルベンゼン(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなり、ACは天然活性炭(Nuchar HD)である。
図7d:PS-DVB-EGDMA粒子状材料に対する様々なローディングにおけるmAb05 HCPブレークスルーレベル;ここでPS02(d50-40.9μm)材料は、ジビニルベンゼンコポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなり、MS39(d50-35.2μm)材料は、ジビニルベンゼン(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなり、ACは天然活性炭(Nuchar HD)である。
例10
この実験において、ジビニルベンゼン(PS-DVB)(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(PS-DVB-EGDMA)(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる粒子状材料を、多様なプロテインA処理後の抗体プールからHCPを取り除き、クリーニングの後で粒子状材料を再使用するそれらの能力について評価する。測定は、粒子状材料をクロマトグラフィーカラム中に充填し、50mM酢酸バッファー(pH5.0)で、LF~2mS/cmで、>20CVにわたり平衡化した後で、それにプロテインA抗体処理後のフィード(pH5.0)を300cm/hで流す、動的モードにおいて行う。材料は、粒子サイズ40~63μmにサイズ分類され、平均粒子サイズ分布はAccusizerを用いて概算する。使用後に、カラムを60%のDPG溶液で20CVにわたり溶離させ、50mM酢酸バッファー(pH5.0)で、LF~2mS/cmで、>20CVにわたり再平衡化する。抗体レベルはSEC-HPLCを介して、HCPの量はELISA測定を介して定量する(図8を参照):
図8:PS-DVB-EGDMA粒子状材料に対する様々なローディングにおけるmAb03 HCPブレークスルーレベル;ここで30410材料は、ジビニルベンゼン(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる。Run 1~3は、カラムのクリーニングおよび再平衡化の後の連続Runを表す。
例11
この実験において、ジビニルベンゼン(PS-DVB)(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(PS-DVB-EGDMA)(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる粒子状材料を、市販の疎水性材料と比較して、多様なプロテインA処理後の抗体プールからHCPを取り除くそれらの能力について評価する。測定は、粒子状材料をクロマトグラフィーカラム中に充填し、50mM酢酸バッファー(pH5.0)で、LF~2mS/cmで、>20CVにわたり平衡化した後で、それにプロテインA抗体処理後のフィード(pH5.0)を600cm/hで流す、動的モードにおいて行う。抗体レベルはSEC-HPLCを介して、HCPの量はELISA測定を介して定量する(図9を参照):
図9:PS-DVB-EGDMA粒子状材料に対する様々なローディングにおけるmAb03 HCPブレークスルーレベル;ここで、30410材料は、ジビニルベンゼン(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる。P242は、競合疎水性材料であり、P248は競合疎水性材料であり、Nuchar HDは活性炭材料であり、これは40~63μmにサイズ分類された。
例12:
静的条件下におけるモノクローナル抗体の溶液からのモノクローナル抗体フラグメントの除去のための様々な型の活性炭または疎水性樹脂の適用
この代表例は、様々な型の活性炭および様々な型の疎水性樹脂による静的処置により、モノクローナル抗体フラグメントがモノクローナル抗体の溶液から選択的に取り除かれ得ることを実証する。
約1.7%のモノクローナル抗体フラグメントを用いてMAB08の溶液を調製し、次いで、3種の異なる型の活性炭または2種の異なる型の疎水性樹脂のうちの1つで、静的条件下において、以下に記載されるように処置する。
精製モノクローナル抗体をパパイン酵素でフラグメントへと消化する処置により、MAB08ストック溶液を調製する。消化の後で、0.3Mのヨード酢酸の溶液を添加することにより、酵素を不活化する。消化されたモノクローナル抗体溶液を、透析チューブ(Standard RC Dialysis Trial Kits、Spectra/Por 1-3、3.5K MWCO、54 mm FLAT WIDTH、シリアルナンバー:132725、Spectrum Laboratories, Inc., Rancho Dominguez, CA, 90220 USA)を用いて水中へ透析し、バッファー塩を取り除く。約0.15Lの消化されたモノクローナル抗体溶液を含む透析チューブを、4.0Lの水中に24時間にわたり浸漬する。透析チューブを、次いで、4.0Lの新しい水を含む新しい容器中に移し、ここでそれをさらに24時間にわたり浸漬し続ける。
モノクローナル抗体フラグメントを添加されたMAB08溶液を、18.0mLの消化されたMAB II、72.0mLの水中の未消化MAB08、および9.0mLの250mMのTrisから、pH7において調製する。溶液を、次いで0.22μmのメンブレン(0.22μmのMillipore Express(登録商標)PLUSメンブレンを備えたStericup(登録商標)-GP、250mL、カタログ番号:SCGPU02RE、EMD Millipore Corp. Billerica, MA, 01821, USA)を通して濾過する。
次いで、15mLの遠心管に5mgもしくは10mgのMeadWestVaco Nuchar HD活性炭(MeadWestVaco Corporation, Richmond, VA, USA)、10mgのNorit Darco KB-G活性炭(Norit Americas Inc., Marshall, Texas, USA)、または10mgのNorit CGP Super活性炭(Norit Americas Inc., Marshall, Texas, USA)をロードする。15mLの遠心管の第2のセットに、25μLまたは50μLのDVB疎水性樹脂またはDVB-EGDMA疎水性樹脂のいずれかをロードする。対照として用いる15mLの遠心管の第3のセットには、媒体は加えない。次いで、5.0mLの、1.7%のフラグメントを含むフラグメント添加MAB08溶液を、遠心管に加える。管を20時間にわたり回転させる。次いで、全ての管を遠心分離に供し、0.22ミクロンのメンブレン(Millex(登録商標)Syringe Filter Units, Millex(登録商標)-GV、0.22μm、PVDF、33mm、ガンマ滅菌済、カタログ番号:SLGV033RB、EMD Millipore Corporation, Billerica, MA, 01821, USA)を通して濾過して溶液中に懸濁されて残っている可能性がある任意の粒子を取り除く。試料中に残るMAB08の量は、プロテインA HPLCによるIgG定量により決定する。試料中に残るフラグメントのパーセンテージは、分子ふるいクロマトグラフィーにより決定する。
以下の表4においてまとめられるとおり、本実験は、様々な型の活性炭および様々な型の疎水性樹脂による静的処置により、モノクローナル抗体を含む溶液からモノクローナル抗体フラグメントを選択的に取り除くことが可能であることを実証する。モノクローナル抗体溶液に添加される活性炭または疎水性樹脂の量が増大するほど、フラグメントのパーセンテージは減少する。データは、いずれの樹脂も、静的結合条件下において、モノクローナル抗体の溶液からモノクローナル抗体フラグメントを選択的に取り除くために用いることができるという予想外の結果を示す。
Figure 0007037275000004
例13:
静的条件下におけるモノクローナル抗体の溶液からのモノクローナル抗体フラグメントおよびHCPの除去のための疎水性樹脂の適用
この代表例は、様々な型の疎水性樹脂による静的処置により、モノクローナル抗体の溶液からモノクローナル抗体フラグメントおよびHCPの両方を選択的に取り除くことができることを実証する。
約1.99%のモノクローナル抗体フラグメントおよび21ppmのHCPにより、MAB04の溶液を調製する。この溶液を、次いで、2種の異なる疎水性樹脂のうちの一方で、静的条件下において、以下に記載されるように処置する。
MAB04を、CHO細胞培養物により産生させ、プロテインAクロマトグラフィーキャプチャープロセスに供し、50mMの酢酸によりpH3.5において生成物を溶離させる。溶液のpHを、1.8MのTris塩基を用いてpH7.5に調整し、次いで0.22μmのメンブレン(0.22μmのMillipore Express(登録商標)PLUSメンブレンを備えたStericup(登録商標)-GP、250mL、カタログ番号:SCGPU02RE、EMD Millipore Corp. Billerica, MA, 01821, USA)を通して濾過する。生じる溶液を、分子ふるいクロマトグラフィーにより、1.99%のフラグメントを有するものと決定し、ELISA HCPアッセイにより21ppmのHCPを有するものと決定する。
次いで、15mlの遠心管に、12.5μL、25μLまたは50μLの、架橋ジビニルベンゼン(DVB)樹脂または架橋ジビニルベンゼン-エチレングリコールジメタクリラート(DVB-EGDMA)樹脂のいずれかをロードする。対照として用いる15mLの遠心管の第2のセットには、媒体を加えない。次いで、1.99%のフラグメントを含む5.0mLのMAB04溶液を、遠心管に加える。管を24時間にわたり回転させる。次いで、全溶液を0.22ミクロンのメンブレン(Millex(登録商標)Syringe Filter Units、Millex(登録商標)-GV、0.22μm、PVDF、33mm、ガンマ滅菌済、カタログ番号:SLGV033RB、EMD Millipore Corporation, Billerica, MA, 01821, USA)を通して濾過して、溶液中に懸濁されて残っている可能性がある任意の樹脂粒子を取り除く。試料中に残るMAB04の濃度を、UV分光光度計により280nmにおいて決定する。試料中に残るフラグメントのパーセンテージは、分子ふるいクロマトグラフィーにより決定する。試料中に残るHCP濃度は、ELISAアッセイにより決定する。
以下の表5aおよび5bにおいて、疎水性樹脂による処置の前の溶液中のモノクローナル抗体の回収率およびフラグメントのパーセンテージをまとめて示す。実験は、疎水性樹脂によるモノクローナル抗体溶液の静的処置が、モノクローナル抗体フラグメントを選択的に取り除くことを実証する。モノクローナル抗体溶液に添加される疎水性樹脂の量が増大するほど、溶液中に残るフラグメントのパーセンテージは減少する。データは、静的結合条件下においてモノクローナル抗体の溶液からモノクローナル抗体フラグメントを選択的に取り除くために疎水性樹脂を用いることができるという、予想外の結果を示す。
Figure 0007037275000005
Figure 0007037275000006
例14:
静的条件下におけるモノクローナル抗体の溶液からのモノクローナル抗体フラグメントおよびHCPの除去のための疎水性樹脂の適用
この代表例は、様々な型の疎水性樹脂による静的処置により、モノクローナル抗体の溶液からモノクローナル抗体フラグメントを選択的に取り除くことができることを実証する。
約0.31%のモノクローナル抗体フラグメントおよび578ppmのHCPにより、MAB05の溶液を調製する。この溶液を、次いで2種の異なる疎水性樹脂の一方により、静的条件下において、以下に記載されるように処置する。
MAB05を、CHO細胞培養物により産生させ、プロテインAクロマトグラフィーキャプチャープロセスに供し、50mMの酢酸によりpH3.5において生成物を溶離させる。溶液のpHを、1.8MのTris塩基を用いてpH7.5に調整し、次いで0.22μmのメンブレン(0.22μmのMillipore Express(登録商標)PLUSメンブレンを備えたStericup(登録商標)-GP、250mL、カタログ番号:SCGPU02RE、EMD Millipore Corp. Billerica, MA, 01821, USA)を通して濾過する。生じる溶液を、分子ふるいクロマトグラフィーにより0.31%のフラグメントを有するものと決定し、ELISA HCPアッセイにより578ppmのHCPを有するものと決定する。
次いで、15mLの遠心管に、25μL、50μLまたは100μLの架橋ジビニルベンゼン(DVB)樹脂または架橋ジビニルベンゼン-エチレングリコールジメタクリラート(DVB-EGDMA)樹脂のいずれかをロードする。対照として用いる15mLの遠心管の第2のセットには、媒体を加えない。次いで、5.0mLの、1.99%のフラグメントを含むMAB05溶液を、遠心管に加える。管を24時間にわたり回転させる。次いで、全溶液を、0.22ミクロンのメンブレン(Millex(登録商標)Syringe Filter Units, Millex(登録商標)-GV、0.22μm、PVDF、33mm、ガンマ滅菌済、カタログ番号:SLGV033RB、EMD Millipore Corporation, Billerica, MA, 01821, USA)を通して濾過して、溶液中に懸濁されて残っている可能性がある任意の樹脂粒子を取り除く。試料中に残るMAB05の濃度は、UV分光光度計により280nmにおいて決定する。試料中に残るフラグメントのパーセンテージは、分子ふるいクロマトグラフィーにより決定する。試料中に残るHCP濃度は、ELISAアッセイにより決定した。
表6a、6bおよび6cにおいてまとめられるとおり、モノクローナル抗体の回収率、フラグメントのパーセンテージ、および疎水性樹脂による処置の前の溶液中のHCPの濃度が示される。実験は、疎水性樹脂によるモノクローナル抗体溶液の静的処置が、モノクローナル抗体フラグメントおよびHCPを選択的に取り除くことを実証する。モノクローナル抗体溶液に添加される疎水性樹脂の量が増大するほど、溶液中に残るフラグメントのパーセンテージは減少する。データは、静的結合条件下においてモノクローナル抗体の溶液からモノクローナル抗体フラグメントおよびHCPを選択的に取り除くために、疎水性樹脂を用いることができるという、予想外の結果を示す。
Figure 0007037275000007
Figure 0007037275000008
Figure 0007037275000009
例15:
動的条件下における多様なProt A処理後のモノクローナル抗体の溶液からのHCPの除去のための疎水性樹脂の適用
この実験において、ジビニルベンゼン(PS-DVB)(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(PS-DVB-EGDMA)(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる粒子状材料を、多様なプロテインA処理後の抗体のプールからHCPを取り除くその能力について評価した。Prot A処理後のプールは、市販のProsep(登録商標)Ultra PlusまたはMab Select Sure(登録商標)またはEshmuno(登録商標)A材料を用いて生成し、ここで、目的の抗体を含む清澄化された細胞培養を、再平衡化されたProt Aカラムに、40mg/mlの結合能力値まで600cm/hでロードし、次いで、50mMのグリシンおよび50mMの酢酸バッファーを用いてpH3.5で5CV溶離を行った後、再平衡化バッファーおよび0.5MのNaCl溶液で5CVにわたり洗浄する。収集されたプールを、次いでジビニルベンゼン(PS-DVB)(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(PS-DVB-EGDMA)(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる粒子状材料に流す。測定は、粒子状材料をクロマトグラフィーカラム中に充填し、50mMの酢酸バッファー(pH5.0)で、LF~2mS/cmで、>20CVにわたり平衡化した後で、それにプロテインA処理後の抗体フィード(pH5.0)を600cm/hで流す、動的モードにおいて行う。抗体レベルはSEC-HPLCを介して、HCPの量はELISA測定を介して定量した(図10を参照):
図10a:PS-DVB-EGDMA粒子状材料に対する様々なローディングの後の、多様なmAb03のプロテインA(例えば、Prosep(登録商標)Ultra Plus(PUP)、Mab Select Sure(登録商標)、Eshmuno(登録商標)A)処理後のプールにおけるHCPレベル;この材料は、ジビニルベンゼン(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる。
図10b:PS-DVB-EGDMA粒子状材料に対する様々なローディングの後の多様なmAb07のプロテインA(例えば、Prosep(登録商標)Ultra Plus (PUP)、Mab Select Sure(登録商標)、Eshmuno(登録商標)A)処理後のプールにおけるHCPレベル;ここで、この材料は、ジビニルベンゼン(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる。
例16:
動的条件下における、塩を含有するProt A処理後のモノクローナル抗体の溶液からのHCPの除去のための疎水性樹脂の適用
以下の実験において、ジビニルベンゼン(PS-DVB)(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(PS-DVB-EGDMA)(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる粒子状材料を、塩を含むプロテインA処理後の抗体プールからHCPを取り除くそれらの能力について評価する。測定は、粒子状材料をクロマトグラフィーカラム中に充填し、50mMの酢酸バッファー(pH5.0)で、LF~2mS/cmで>20CVにわたり平衡化した後で、それに塩(例えば0.5mのNaCl)を含むプロテインA処理後の抗体フィード(pH5.0)を600cm/hで流す、動的モードにおいて行う。抗体レベルはSEC-HPLCを介して、HCPの量はELISA測定を介して定量する(図11を参照):
図11:PS-DVB EGDMA粒子状材料についての様々なローディングにおけるmAb03 HCPブレークスルーレベル;ここで、一実験において、NaClを0.5Mの濃度まで添加した。30451材料は、ジビニルベンゼンコポリマーで架橋されたポリスチレン(m)からなり、30410材料は、ジビニルベンゼン(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(30%)コポリマーで架橋されたポリスチレン(m)からなる。
例17
この実験において、ジビニルベンゼン(PS-DVB)(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(PS-DVB-EGDMA)(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる粒子状材料を、市販の疎水性材料と比較して、多様なプロテインA処理後の抗体のプールからHCPを取り除くそれらの能力について評価する。測定は、粒子状材料をクロマトグラフィーカラムに充填し、50mMの酢酸バッファー(pH5.0)で、LF~2mS/cmで、>20CVにわたり平衡化した後で、それにプロテインA抗体処理後のフィード(pH5.0)を900cm/hで流す、動的モードにおいて行う。抗体レベルはSEC-HPLCを介して、HCPの量はELISA測定を介して定量する(図12を参照):
図12:PS-DVB-EGDMA粒子状材料に対する様々なローディングにおけるmAb03 HCPブレークスルーレベル;ここで、30410材料は、ジビニルベンゼン(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(30%)コポリマーで架橋された、ポリ(エチル)スチレン(m)からなる。P242は、競合疎水性材料であり、P248は競合疎水性材料である。
例18
静的条件下におけるプロテインAの除去のためのPS-DVB-EGDMA樹脂の適用
この例は、PS-DVB-EGDMA樹脂による静的処置により、多様なpH条件において、溶液からプロテインAを選択的に取り除くことができることを実証する。
プロテインAを含む2種の溶液を調製する:
a)約2mg/mlのプロテインAを、50mMのNaClを含む25mMの酢酸-リン酸バッファー中で溶解する(pH4.00)。
b)約2mg/mlのプロテインAを、50mMのNaClを含む50mMのTRISバッファー中で溶解する(pH8.00)。
調製された溶液を、次いで0.22μmのメンブレン(0.22μmのMillipore Express(登録商標)PLUSメンブレンを備えたStericup(登録商標)-GP、250mL、カタログ番号:SCGPU02RE、EMD Millipore Corp. Billerica, MA, 01821, USA)を通して濾過し、次いで、3種の異なる型の樹脂(例えば、DVB-EGDMA樹脂、Eshmuno(登録商標)S、Eshmuno(登録商標)Q)のうちの1つで、静的条件下において、以下に記載されるように処置する。
1.5mlのエッペンドルフバイアルに、200μlのPS-DVB-EGDMA樹脂、200μlのEshmuno(登録商標)S、200μlのEshmuno(登録商標)Q(Merck KGaA, Darmstadt, Germany)をロードする。次いで、調製されたプロテインA溶液のうちの1mLを、調製されたエッペンドルフバイアルに加える。バイアルを20時間にわたり振盪させる。次いで、全ての管を遠心分離に供し、0.22ミクロンのメンブレン(Millex(登録商標)Syringe Filter Units、Millex(登録商標)-GV、0.22μm、PVDF、33mm、ガンマ滅菌済、カタログ番号:SLGV033RB、EMD Millipore Corporation, Billerica, MA, 01821, USA)を通して濾過して、溶液中に懸濁されて残っている可能性がある任意のビーズを取り除く。試料中に残るプロテインAの量は、吸光度測定により280nmにおいて決定し、さらにSDS-Page分析に供する。
以下の表7においてまとめられるとおり、本実験は、異なるpH値に調整された溶液から、異なる型のビーズによる静的処置によりプロテインAを選択的に吸着することができることを実証する。Eshmuno(登録商標)Sは、pH4.00の溶液においてプロテインAを吸着したが、pH8.00の溶液においてプロテインAを吸着することに失敗した。加えて、Eshmuno(登録商標)Qは、pH8.00の溶液においてプロテインAを吸着することができたが、pH4.00においては失敗した。驚くべきことに、データは、PS-DVB-EGDMA樹脂が、pH4.00およびpH8.00の溶液中で、静的結合条件下において、プロテインAを吸着することができるという予想外の結果を示す。
Figure 0007037275000010
図13:例18によるDVB-EGDMA、Eshmuno(登録商標)S、およびEshmuno(登録商標)Q樹脂上でのプロテインA吸着の還元SDS PAGE分析
ここで、
M=PerfectProtein(商標)マーカー、
PA=開始溶液(2mg/mlのプロテインA)、
S=Eshmuno(登録商標)S上での吸着後の上清、
Q=Eshmuno(登録商標)Q上での吸着後の上清、
P=DVB-EGDMA上での吸着後の上清。
例19:
動的条件下における、イオン交換材料と組み合わせての、Prot A処理後のモノクローナル抗体の溶液からのHCPの除去のための疎水性樹脂の適用
この実験において、ジビニルベンゼン(PS-DVB)(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(PS-DVB-EGDMA)(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる粒子状材料(686.75m2/gの表面積、14nmの平均孔サイズ、および41μmの平均粒子サイズ)を、プロテインA処理後の抗体プールからHCPを取り除くその能力について評価する。Prot A処理後のプールは、市販のProsep(登録商標)Ultra Plusを用いて作製し、ここで、目的の抗体を含む清澄化された細胞培養を、再平衡化されたProt Aカラムに40mg/mlの結合能力値まで600cm/hでロードし、次いで、50mMのグリシンおよび50mMの酢酸バッファーを用いてのpH3.5での5CVの溶離の後、再平衡化バッファーで5CVにわたり洗浄する。収集されたプールを、次いで、ジビニルベンゼン(PS-DVB)(70%)およびエチレングリコールジメチルアクリラート(PS-DVB-EGDMA)(30%)コポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレン(m)からなる粒子状材料、Eshmuno(登録商標)CPX、Eshmuno(登録商標)Qに、個別に、および組み合わせにおいて、全てのデバイスを直接的に連結して流す。測定は、粒子状材料をクロマトグラフィーカラム中に充填し、20mMのリン酸バッファー(pH6.75)で、LF~4mS/cmで>20CVにわたり平衡化した後、それにプロテインA処理後の抗体フィード(pH6.75、誘電率~2.7mS/cm、~1000ng/mlのHCP量)を600cm/hで流す、動的モードにおいて行う。組み合わせた例の場合、全てのデバイスを、以下の順番に互いに連結した:PS-DVB-EGDMAの後でEshmuno(登録商標)CPX、その後でEshmuno(登録商標)Q。抗体レベルはSEC-HPLCを介して、HCPの量はELISA測定を介して定量した(表8を参照):
Figure 0007037275000011

Claims (11)

  1. 抗体を含む溶液からの宿主細胞タンパク質(HCP)、抗体フラグメントおよび<70kDaの分子量を有する低分子物質の分離のための方法であって、
    抗体を含む溶液を、1~100cmの範囲の直径を有する液体クロマトグラフィーカラム中で一定期間にわたり疎水性クロマトグラフィー材料と接触させ、それにより、前記抗体は溶液中に残留し、HCP、抗体フラグメントおよび低分子物質は前記疎水性クロマトグラフィー材料に吸着することを特徴とし、
    ここで、前記溶液は、2~11の範囲のpH値および1~150mS/cmの範囲の誘電率を有し、
    ここで、疎水性クロマトグラフィー材料は、ポリ(エチル)スチレン-ジビニルベンゼンまたはポリ(エチル)スチレン-ジビニルベンゼンエチレングリコール-ジメチルアクリラートから成っており、10μm~600μmの範囲の平均粒子径および15.8~31.4nmの範囲の孔サイズを有し、
    ここで、前記カラムは、100barまでの圧力で操作され、
    ここで、溶液が600~900cm/時の範囲の流速において通過する、前記方法。
  2. 前記ポリ(エチル)スチレン-ジビニルベンゼンエチレングリコール-ジメチルアクリラートが、ジビニルベンゼンとエチレングリコールジメタクリラートとのコポリマーで架橋されたポリ(エチル)スチレンであることを特徴とし、ここで前記ポリ(エチル)スチレンと前記コポリマーは、98:2~10:90の重量%で架橋されている、請求項1に記載の方法。
  3. 5~9の範囲のpH値および2~50mS/cmの範囲の誘電率を有する溶液が適用されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記分離がプロテインAアフィニティー結合ステップの後で処理されることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  5. オン交換樹脂による処置をさらに含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記疎水性クロマトグラフィー材料が、20μm~150μmの範囲の平均粒子径を有することを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記疎水性クロマトグラフィー材料が、20μm~63μmの範囲の平均粒子径を有することを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記疎水性クロマトグラフィー材料が、15.8~20.4nmの範囲の孔サイズを有することを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記疎水性クロマトグラフィー材料が、20.4~31.4nmの範囲の孔サイズを有することを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  10. プロテインAの分離について特異的なイオン交換樹脂による少なくとも1の分離処置をさらに含み、<10ngまでのHCPの枯渇および濾過されたプロテインAの除去をもたらすことを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記疎水性クロマトグラフィー材料がビーズ状である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
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