JP7036433B2 - 杭打装置 - Google Patents

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Description

本発明は杭打装置に関し、より詳細には鋼管杭の地中への回転貫入において鋼管杭の高止まりを好適に防止しながら、支持層上端確認管理および鋼管杭の打ち止め管理を適切に遂行し、これにより鋼管杭を円滑かつ自動的に支持層に根入れさせることを可能にする杭打装置に関するものである。
構造物支持用の杭(鋼管杭)を地中に回転貫入する鋼管杭打設装置が広く利用されている(例えば特許文献1を参照。)。通常、鋼管杭はリーダの上端に設けられたウィンチによって吊り上げられ、スイベルヘッドのスピンドルと係合する「ヤットコ」と呼ばれる回転ロッドにアタッチメントを介して取り付けられる。スイベルヘッドは、鋼管杭を回転させるための回転モータと、リーダに沿って昇降させるための送りモータ(フィードモータ)を個別に備えており、鋼管杭は回転モータによって回転させられながら自重とスイベルヘッドの重量によって地中に回転貫入し、地盤の固い支持層へ所定の深さ根入れする。
杭打ちの本施工の前に、標準貫入試験を含む地盤調査を予め実施する必要がある。この地盤調査においては、鋼管杭が支持層に根入れするまでの間、地盤の強度の指標となるN値を計測し、支持層上端の深度(設計深度)等を把握する。そして、本施工においては、地盤調査位置近傍に試験杭として、地盤調査と同じ鋼管杭の本数を打ち込み、鋼管杭が支持層に根入れするまでの間計測される鋼管杭の1回転当たりの地中への貫入量(以下「PR値」という。)とトルクをそれぞれ計測し、これらPR値とトルクが地盤調査で計測したN値と同じ傾向であることを確認し、その後、本杭として鋼管杭の打設を開始する。
ところで、地盤調査から離れた位置での鋼管杭の打設において、地表から支持層上端の間に地盤調査によっては検出されなかった地盤の固い中間層が存在する場合がある。中間層の強度によっては、通常の鋼管杭の回転貫入動作によっては鋼管杭がこれ以深貫入することができずに高止まりする場合が起こり得る。このような場合に、鋼管杭の回転貫入動作を一旦停止し、鋼管杭を逆転させることにより鋼管杭が中間層を貫通できるように構成された鋼管杭打設装置が知られている(例えば特許文献2の[0055]を参照。)。また、同様な場合、鋼管杭に逆転急上昇動作を間欠的に付与することにより鋼管杭が中間層を貫通できるように構成された基礎杭施工方法が知られている(例えば、特許文献3の86頁の[実施例]を参照。)。
特開2006-132118号公報 特開2017-89363号公報 特開平3-194017号公報
図11は、鋼管杭の回転羽根の中心からの距離がrである定点についての螺旋状の軌跡を円周方向に沿って平面展開したときの1回転当たりの貫入量(PR値)と周方向回転移動量CPとの相関を示す概念図である。図11(a)は鋼管杭が正転・下降しているときのPR値と周方向回転移動量CPとの相関を表している。図11(b)は鋼管杭が逆転・上昇しているときのPR値と周方向回転移動量CPとの相関を表している。
図11から明らかな通り、鋼管杭が正転・下降(フリー降下を含む)しているときに正転・下降を停止し、逆転・上昇させることは、結局、鋼管杭が螺旋状の軌跡を逆に辿って行くことに相当し、地盤の固い中間層を軟化させる(中間層を打ち抜く)効果において更なる改善の余地があった。
また、鋼管杭が高止まりする場合において使用される打ち抜き工程についても、作業者(オペレータ)の技能・経験に依存するところが依然として大きく、これにより鋼管杭を回転貫入によって円滑かつ自動的に支持層に根入れさせることは極めて難しいという問題があった。
そこで、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであり、その目的は、鋼管杭の地中への回転貫入において鋼管杭の高止まりを好適に防止しながら、支持層上端確認管理および鋼管杭の打ち止め管理を適切に遂行し、これにより鋼管杭を円滑かつ自動的に支持層に根入れさせることを可能にする杭打装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る杭打装置は、前記杭(1)を地中に回転貫入させる杭打手段(40)と、前記杭打手段を所定の方向に誘導する誘導手段(30)と、前記杭(1)の回転貫入動作を制御する杭打ち制御手段(70)とを備えた杭打装置(100)であって、前記杭打ち制御手段(70)は、事前の地盤調査において計測された支持層の深度に相当する設計深度(dt)より浅い地点で前記杭(1)の1回転当たりの貫入量が所定の第1閾値(PR_C1)を下回る場合、前記杭(1)の昇降動作と回転動作の組合せ選定において一方の動作を通常・中立の動作とし他方の動作を通常とは逆の動作となる組合せを少なくとも1つ含むように選定すると共に、選定された当該昇降動作及び当該回転動作とこれらの動作時間とに基づいて構成された1又は複数の打設モードを一連の動作とし、当該一連の動作を所定の回数(f)にわたり繰り返し実施することを特徴とする。
上記構成では、昇降動作と回転動作の組合せ選定において、一方の動作が通常・中立の動作であれば他方の動作は通常とは逆の動作となる組合せを少なくとも1つ含む打設モードが構成されている。これにより、固い地盤を通常とは異なる軌跡で切り込むことが可能となる。また、上記1又は複数の打設モードを一連の動作とし、その一連の動作を所定の回数(f)にわたり繰り返し実行することにより、固い地盤を効率良く短時間で軟化させることが可能となる。その結果、杭(1)が地盤の固い中間層に貫入した場合に、杭(1)の高止まりを防止することが可能となる。
本発明に係る杭打装置の第2の特徴は、前記昇降動作は、前記杭(1)の「上昇」、「下降」及び「昇降制止」から成る一方、前記回転動作は、前記杭(1)の「正転」、「逆転」及び「回転制止」から成り、前記杭打ち制御手段(70)は、前記「下降」と前記「逆転」、前記「上昇」と前記「正転」、又は前記「昇降制止」と前記「逆転」の組合せを少なくとも1つ含む前記打設モードを構成することである。
上記構成では、一方の動作が通常・中立の動作であり他方の動作が通常とは逆の動作となる組合せを少なくとも1つ含む打設モードを好適に構成することが可能となる。これにより、杭(1)が地盤の固い中間層に貫入した場合に、杭(1)を効率良く短時間に貫通させることが可能となる。
本発明に係る杭打装置の第3の特徴は、前記杭打ち制御手段(70)は、前記一連の動作を前記回数(f)にわたり繰り返し実施した後、前記杭(1)の前記貫入量が前記第1閾値(PR_C1)を上回る場合、又は当該杭(1)のトルクが所定の第2閾値(Tr_C1)を下回る場合、或いは前記貫入量が前記第1閾値(PR_C1)を上回り且つ前記トルクが所定の第2閾値(Tr_C1)を下回る場合に、通常の回転貫入に係る打設モードを実施することである。
上記構成では、杭(1)が地盤の固い中間層を貫通したことを好適に判定することができる。これにより、支持層上端確認管理、及び杭(1)の支持層根入れ判定(打ち止め管理)を適切に遂行することが可能となる。
本発明に係る杭打装置の第4の特徴は、前記杭打ち制御手段(70)は、前記昇降動作の内の何れか1つを選択するための昇降動作選択モードと、前記回転動作の内の何れか1つを選択するための回転動作選択モードと、前記動作時間(t1、t2、t3、t4)を入力するための時間設定モードと、選択された1又は複数の前記打設モードを一連の動作とし、当該一連の動作を所定の回数(f)にわたり繰り返し実施する前記回数を入力するための回数設定モードと、を備えた入力部(71)を有することである。
上記構成では、地盤の固い中間層を効率良く短時間で杭(1)を貫通させることができる打設モードの作成において、オペレータの技能・経験を予め杭打ち制御手段(70)に反映させることができる。
本発明に係る杭打装置の第5の特徴は、前記杭打手段(40)は、前記杭(1)をその軸方向回りに回転させる第1回転機(42)と、前記杭(1)をその軸方向に沿って昇降させる第2回転機(44)とを有し、前記杭打ち制御手段(70)は、前記第1回転機(42)のトルク及び回転速度を増減させるための第1回転機設定モード、ならびに前記第2回転機(44)のトルク及び回転速度を増減させるための第2回転機設定モードを備えた入力部(71)を有することである。
上記構成では、杭(1)が今まで経験したことがない地盤の固い中間層に貫入した場合であっても、その中間層を貫通させる打設モードを好適に作成することができる。
本発明に係る杭打装置の第6の特徴は、前記杭打ち制御手段(70)は、前記杭(1)の深度(d)を計測する杭深度計測部(72)と、前記杭(1)の回転数(Rev)を計測する杭回転数計測部(73)と、前記杭(1)のトルク(Tr)を計測する杭トルク計測部(74)とを備えることである。
上記構成では、杭(1)が回転貫入している時の杭(1)の1回転当たりの貫入量(PR値)とトルクを正確に計測することが可能となる。従って、例えば最初の4つの杭打ちにおいて計測された杭(1)のPR値の各実測値(PR1,PR2,PR3,PR4)及びトルクの各実測値(Tr1,Tr2,Tr3,Tr4)を基にして、杭(1)が支持層上端に貫入したことを判定する支持層上端確認PR値(PR_C1)、及び支持層上端確認トルク(Tr_C1)を規定することが可能となる。これにより、杭(1)が支持層上端に貫入したこと、並びに杭(1)が支持層に根入れしたことを自動的に判定することが可能となる。これにより、杭(1)の地中への回転貫入から支持層への根入れまでの一連の回転貫入動作を自動的に安定に実施することが可能となる。
本発明に係る杭打装置によれば、杭(1)の回転貫入動作を制御する杭打ち制御手段(70)は、杭(1)が地盤の固い中間層に貫入した場合、杭(1)の所定の昇降動作と、杭(1)の所定の回転動作と、選定された前記昇降動作と前記回転動作を実施する動作時間(t1、t2、t3、t4)とに基づいて構成された1又は複数の打設モードを一連の動作とし、その一連の動作を所定の回数(f)にわたり繰り返し実施するように構成されている。特に、上記打設モードについての昇降動作と回転動作の組合せ選定においては、一方の動作が通常・中立の動作であれば他方の動作は通常とは逆の動作になる組合せを少なくとも1つ含むように構成されている。これにより、固い地盤を通常とは異なる軌跡で切り込むことが可能となる。従って、杭(1)が地盤の固い中間層に貫入し高止まりする場合、上記打設モードを一連の動作とし、その一連の動作を所定の回数(f)にわたり繰り返し実施することにより、地盤の固い中間層を効率良く短時間で杭(1)を貫通させることが可能となる。
また、上記杭打ち制御手段(70)は、杭(1)の深度(d)を計測する杭深度計測部(72)と、杭(1)の回転数(Rev)を計測する杭回転数計測部(73)と、杭(1)のトルクを計測する杭トルク計測部(74)とを備えている。そのため、支持層上端確認管理値として支持層上端における杭(1)のPR値の各実測値(PR1,PR1,PR3,PR4)とトルクの各実測値(Tr1,Tr2,Tr3,Tr4)に基づいて、杭(1)が支持層上端に貫入したことを判定する支持層上端確認PR値(PR_C1)、及び支持層上端確認トルク(Tr_C1)を規定することができ、これにより、中間層の検出及び打ち抜き工程、並びに支持層上端の確認と杭(1)の打ち止め管理を適切に遂行することが可能となる。
本発明に係る杭打ち制御部が搭載された鋼管杭打設装置のリーダが起立した状態を示す説明図である。 本発明に係る杭打ち制御部が搭載された鋼管杭打設装置のリーダが傾倒した状態を示す説明図である。 鋼管杭の回転貫入動作を制御する杭打ち制御部の構成を示すブロック図である。 入力部における機能設定画面の一例を示す説明図である。 入力部における支持層上端判定および根入れ判定のための各支持層確認管理値の設定画面の一例を示す説明図である。 入力部における中間層打ち抜き動作に係る設定画面の一例を示す説明図である。 本発明に係る鋼管杭の回転羽根の中心からの距離がrである定点についての螺旋状の軌跡を周方向に沿って平面展開したときの1回転当たりの貫入量と周方向回転移動量との相関関係を示す概念図である。 本発明に係る杭打ち制御部による杭打ち自動貫入プロセスの一例を示すフロー図である。 N値と鋼管杭のトルクと深度との相関関係を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る入力部の中間層打ち抜き動作に係る設定画面の一例を示す説明図である。 従来技術に係る鋼管杭の回転羽根の中心からの距離がrである定点についての螺旋状の軌跡を周方向に沿って平面展開したときの1回転当たりの貫入量と周方向回転移動量との相関関係を示す概念図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明に係る杭打ち制御部70が搭載された鋼管杭打設装置100を示す説明図である。図1はリーダ32が起立した状態を表し、図2はリーダ32が傾倒した状態を表している。従って、図2では鋼管杭1、回転ロッド46及びアタッチメント47は図示されてはいない。
この鋼管杭打設装置100は、車体20を前後進させるクローラ装置10と、オペレータを収容するための操作室22ならびにエンジン、油圧ポンプ及びこれらの制御機器等を収容する動力室23が配置された車体20と、スイベルヘッド(打設装置)40を昇降させるためのリーダ装置(誘導手段)30と、鋼管杭1に回転トルクを与えるスイベルヘッド(杭打手段)40とを具備して構成される。以下、各構成について説明する。
図2に示されるように、クローラ装置10は、左右独立の走行モータ(図示せず)を有し、各走行モータに直結した左右独立の起動輪11,11と、回転自在な左右独立の遊動輪12,12と、起動輪11と遊動輪12との間に巻き掛けられる左右独立の無限履帯13,13と、起動輪11と遊動輪12との間に配置され無限履帯13の張りを保持する回転自在な左右独立の複数の転輪14とを具備しながら、車体20を前後進させる。
車体20は、上記操作室22及び上記動力室23以外にも、リーダ32を起立又は傾倒させるリーダ起倒機構24と、油圧ホース(図示せず)を高い位置で支持するためのリレーブラケット26を起立又は傾倒させるリレーブラケット起倒機構25と、車体20を地面に押し付ける推力を発生させる4個のアウトリガ27と、鋼管杭1の打設時において車体20に作用する転倒モーメントを打ち消すためのカウンターウェイト28とを備えている。また、図示されてはいないが、車体20を鉛直方向回りに旋回させる旋回モータを別途備え、車体20は左右方向に旋回することができる。
図2に示されるように、リーダ起倒機構24は、リーダ32の起立又は傾倒の支点となるリーダ揺動軸24aを回転自在(フリー)に軸受けするリーダ固定ブラケット24bと、リーダ揺動軸24aを支点にして、第1リーダ32aを除いたリーダ32と一緒に揺動するリーダ揺動ブラケット24cと、第1リーダ32aと第2リーダ32bをヒンジ結合するリーダヒンジ軸24dと、リーダヒンジ軸24dが取り付けられたリーダヒンジ板24eと、第1リーダ32aの揺動を規制する第1揺動規制ボス24fおよび第2揺動規制ボス24gと、第1揺動規制ボス24fと第2揺動規制ボス24gに係合する揺動規制プレート24h(図1)と、リーダ32を起立又は傾倒させる第1シリンダ24i(図1)とから構成される。なお、リーダ固定ブラケット24bは後述する構造フレーム21に固定されている。また、リーダ揺動ブラケット24cは、第2リーダ32bに固定されている。
従って、第1シリンダ24i(図1)に油圧が供給される場合、第1シリンダ24iが軸方向に伸びて、第1リーダ32aを除いたリーダ32がリーダ揺動軸24aを支点として起立し、第1リーダ32aに接合する。第1リーダ32aは揺動規制プレート24hによって姿勢を固定される。これとは逆に、第1シリンダ24i(図1)の油圧が減圧される場合、第1シリンダ24iが軸方向に収縮して、リーダ32がリーダ揺動軸24aを支点として傾倒するとともに、リーダ32がリーダヒンジ軸24dを支点として折れ曲がる。その結果、第1リーダ32aは起立した姿勢を取り、第1リーダ32aを除いたリーダ32aは傾倒した姿勢を取る。
同様に、リレーブラケット26を起立又は傾倒させるリレーブラケット起倒機構25は、リレーブラケット26の起立又は傾倒の支点となるリレー揺動軸25aと、リレー揺動軸25aを回転自在(フリー)に軸受けするリレー固定ブラケット25bと、リレーブラケット26に一体化されリレー揺動軸25aを支点に揺動するリレー揺動ブラケット25cと、リレーブラケット26を起立又は傾倒させる第2シリンダ25dとから構成される。
図1に戻って、リーダ装置30は、鋼管杭1をクランプするためのクランプ機構31と、スイベルヘッド40が鉛直方向に沿って昇降するための移動レールとなるリーダ32と、鋼管杭1をつり上げるためのウィンチ33とを備えている。
リーダ32は分割式リーダである。本実施形態のリーダ32は8個の分割リーダによって構成されている。説明の都合上、各分割リーダは、下から順に、第1リーダ32a、第2リーダ32b、第3リーダ32c、第4リーダ32d、第5リーダ32e、第6リーダ32f、第7リーダ32g、及び第8リーダ32hとして区別している。各分割リーダはボルト及びナットによって強固に締結されている。
また、各分割リーダには、スイベルヘッド40を鉛直方向(上下方向)に案内するためのガイドレール34a、34b、34c、34d、34e、34f、34g、34hが各分割リーダの両側にそれぞれ設けられている。
また、各分割リーダには、スイベルヘッド40の送りモータ44(図2)と係合するラックギヤ35a、35b、35c、35d、35e、35f、35g、35hが両側のガイドレールに挟まれた中央部にそれぞれ設けられている。
本実施形態では、比較的長い鋼管杭1の場合、第1シリンダ24iのロッドの先端は第4リーダ32dに係合されている。他方、比較的短い鋼管杭1の場合は、第1シリンダ24iのロッドの先端は第2リーダ32bに係合されている。
図2に戻って、スイベルヘッド40は、ボディ41と、回転ロッド46(図1)を回転させる回転トルクを発生する左右独立の回転モータ42,42と、回転トルクを鋼管杭1に伝達するスピンドル43と、スイベルヘッド40を支持する支持力(軸力)を発生する左右の送りモータ44,44と、リーダ32の凸状のガイドレール34a,・・・,34hに嵌合する左右独立の凹状のスライダ45,45と、回転トルクを鋼管杭1に伝達する回転ロッド46(図1)とを備えている。なお、回転ロッド46は、油圧チャック43aによってスピンドル43に一体化されている。また、回転ロッド46はアタッチメント47(図1)を介して鋼管杭1に接続される。
図3は、鋼管杭1の回転貫入動作を制御する杭打ち制御部70の構成を示すブロック図である。
この杭打ち制御部70は、鋼管杭1の回転貫入動作に関する支持層上端の確認および鋼管杭1の打ち止め管理のための必要データをオペレータが入力するための入力部71と、鋼管杭1の深度dを計測する杭深度計測部72と、鋼管杭1の回転数Revを計測する杭回転数計測部73と、鋼管杭1のトルクTrを計測する杭トルク計測部74と、入力部71によって設定された各種データ、鋼管杭1の深度d、回転数Rev及びトルクTrに基づいて、回転モータ42及び送りモータ44を制御するコントローラ75とを具備して構成される。コントローラ75としては、例えば機器組み込み型のプログラマブル論理制御装置(PLC)又はマイクロコンピュータを使用することができる。また、コントローラ75は、各種制御プログラム並びに、各計測部が計測した鋼管杭1の深度d、回転数Rev及びトルクTr等を格納する記憶部75aを備えている。以下各構成について説明する。
入力部71は、例えば液晶のパネルコンピュータをユーザーインターフェースとしている。図4は、入力部71における機能設定画面の一例を示す説明図である。設定項目の選択及び決定の各操作については、オペレータが画面上の所望の項目を指でタップ或いはカーソルを移動させることにより設定項目を選択し、画面右下の決定ボタンをタップ又は決定キー(図示せず)を押すことにより、設定項目についての画面が表示される。必要なデータの入力については、仮想キーボード(図示せず)又は実装キーボード(図示せず)を介して行われる。
杭深度計測部72は、送りモータ44に取り付けられているロータリーエンコーダ(図示せず)の出力値を積算することにより鋼管杭1の深度dを計測している。
杭回転数計測部73は、回転モータ42に取り付けられているロータリーエンコーダ(図示せず)の出力値から鋼管杭1の回転数Revを計測している。
杭トルク計測部74は、回転モータ42に取り付けられている圧力センサの出力値(油圧)から鋼管杭1のトルクTrを計測している。
図5は、入力部71における支持層上端判定および根入れ判定のための各支持層確認管理値の設定画面の一例を示す説明図である。ここでは、鋼管杭1が支持層上端に貫入したことを判定するための「支持層上端確認管理値」として、鋼管杭1の支持層上端におけるPR値(以下「支持層上端確認PR値PR_C1」という。)と、鋼管杭1の支持層上端におけるトルク(以下「支持層上端確認トルクTr_C1」という。)を使用して支持層上端を判定している。同様に、鋼管杭1が支持層に根入れしたことを判定するための「支持層根入れ(打ち止め)確認管理値」として、鋼管杭1の支持層上端以深への貫入量(以下「根入れ確認長ΔL_C2」という。)を使用し、或いは支持層上端以深における鋼管杭1の1回転当たりの貫入量(以下「根入れ確認PR値PR_C2」という。)を使用し、或いは支持層上端以深における鋼管杭1のトルク(以下「根入れ確認トルクTr_C2」という。)を使用して鋼管杭1の支持層根入れを判定している。
先ず、支持層上端判定のための支持層上端確認PR値PR_C1及び支持層上端確認トルクTr_C1の設定に必要な入力データとして、1本(組)の試験杭と3本(組)の管理値設定杭による各杭打ち工程において実際に計測された支持層上端PR値の実測値PR1,PR2,PR3,PR4を対応する矩形枠にオペレータがそれぞれ入力する。同様に、各杭打ち工程において実際に計測された支持層上端トルクの実測値Tr1,Tr2,Tr3,Tr4を対応する矩形枠にオペレータがそれぞれ入力する。その結果、支持層上端PR値の実測値の平均値PR_ave、及び支持層上端トルクの実測値の最小値Tr_minが自動的に算出される。
出力画面において、算出された支持層上端PR値の実測値の平均値PR_aveは、K1倍された後に支持層上端判定のための支持層上端確認PR値PR_C1として設定される。更に、支持層上端確認PR値PR_C1は、K2倍された後に支持層根入れ(打ち止め)判定のための根入れ確認PR値PR_C2として設定される。同様に、算出された支持層上端トルクの最小値Tr_minは、支持層上端判定のための支持層上端確認トルクTr_C1として設定される。
次に、支持層根入れ判定のための根入れ確認長ΔL_C2及び根入れ確認トルクTr_C2を設定するための必要な入力データとして、施工に使用される鋼管杭1の杭径Dp及び杭の肉厚tを対応する矩形枠にオペレータがそれぞれ入力する。オペレータが施工に使用される鋼管杭1の杭径Dpと肉厚tを入力する場合、杭打ち制御部70は許容トルクTr_aを算出する。算出された許容トルクTr_aは、支持層根入れ判定のための根入れ確認トルクTr_C2として設定される。また、杭径Dpは、支持層根入れ判定のための根入れ確認長ΔL_C2として設定される。なお、杭径Dpと肉厚t及び許容トルクTr_a(許容ねじり強さ)の相関データはコントローラ75の記憶部75aに予め保存されている。
その他の必要なデータとして、設計深度dt及び設計N値を対応する矩形枠にオペレータがそれぞれ入力する。これらは、後述する中間層の検出のために使用されるデータでもある。設計深度dtとは、地盤調査において計測された支持層上端の深度である。N値とは、質量63.5kg±0.5kgのドライブハンマーを76cm±1cmの高さから自由落下させてボーリングロッド頭部に取り付けたノッキングブロックを打撃し、ボーリングロッドの先端に取り付けられた標準貫入試験用サンプラーを30cm打ち込むのに要する打撃回数のことである。
オペレータが画面右下の決定ボタンをタップすることにより、上記支持層上端確認PR値PR_C1、支持層上端確認トルクTr_C1、根入れ確認長ΔL_C2、根入れ確認トルクTr_C2、及び根入れ確認PR値PR_C2が、各確認管理値として設定される。以下に中間層打ち抜きの設定について説明する。
図6は、入力部71における中間層打ち抜き動作に係る設定画面の一例を示す説明図である。この中間層打ち抜き動作とは、地表と支持層との間に地盤の固い中間層が存在し、鋼管杭1が中間層によって貫入を阻まれ高止まりしている場合に、コントローラ55によって実行される打ち抜き工程である。
中間層打ち抜き動作は、昇降動作と回転動作と動作時間とによって規定される1又は複数(本実施形態では4パターン)の打ち抜き工程と、これら打ち抜き工程を一連の動作としその動作を繰り返す回数fとによって規定される。昇降動作又は回転動作の選択については、打ち抜き工程番号5にて示されるように、オペレータが各矩形枠の右端の黒塗り逆三角ボタン▼をタップすることにより、動作のリストがプルダウンされるようになっている。オペレータはリスト中の動作を1つ選択することができる。昇降動作の「下降」とは送りモータ44によって鋼管杭1を地中に押し下げる通常の動作であり、「上昇」とは送りモータ44によって鋼管杭1を地表に向けて引き上げる通常とは逆の動作である。また、「昇降制止」とは制動装置(図示せず)によって送りモータ44の回転を強制的に停止させスイベルヘッド40の高さ位置を固定する中立の動作である。
他方、回転動作の「正転」とは鋼管杭1が地中に回転貫入する通常の回転動作である。「逆転」とは「正転」の逆の回転動作である。「回転制止」とは制動装置(図示せず)によって回転モータ42の回転を強制的に停止させ鋼管杭1が無回転状態になる中立の動作である。
打ち抜き工程のパターンについては、地盤の固い中間層を効率的かつ短時間に軟化させるために、昇降動作と回転動作において、一方の動作が通常・中立の動作であれば他方の動作は通常とは逆の動作になるように構成されている。例えば、打ち抜き工程番号1において昇降動作が「下降」という通常の動作であれば、回転動作は「逆転」という通常とは逆の動作になっている。同様に、打ち抜き工程番号2において昇降動作が「上昇」という通常とは逆の動作であれば、回転動作は「正転」という通常の動作になっている。同様に、打ち抜き工程番号3において昇降動作が「下降」という通常の動作であれば、回転動作は「逆転」という通常とは逆の動作になっている。同様に、打ち抜き工程番号4において「昇降制止」という中立の動作であれば、回転動作は「逆転」という通常とは逆の動作になっている。
そして、鋼管杭1を下降させながら逆転させる動作をt1秒間行う打ち抜き工程番号1、鋼管杭1を上昇させながら正転させる動作をt2秒間行う打ち抜き工程番号2、鋼管杭1を下降させながら逆転させる動作をt3秒間行う打ち抜き工程番号3、並びに鋼管杭1を昇降制止させながら逆転させる動作をt4秒間行う打ち抜き工程番号4を一連の動作として、その一連の動作をf回繰り返すこととしている。なお、一連の動作に含まれる打ち抜き工程(昇降動作、回転動作、動作時間)及び一連の動作の繰り返し回数fについては、デフォルト値としてコントローラ75の記憶部75aに予め保存されているようにしても良い。或いは、例えば鋼管杭1のPR値またはトルク等の計測値を基にコントローラ75が自動的に構成するようにしても良い。
図7は、本発明に係る中間層打ち抜き動作を示す概念図である。縦軸は鋼管杭1の回転羽根上の中心から半径rの定点についてのPR値を示し、横軸は上記定点についての周方向回転移動量CPを表している。周方向回転移動量CPは半径rと中心角θとの積に等しく、鋼管杭1が1回転する場合の周方向回転移動量CPは2πrに等しくなる。
説明の都合上、点Aにおいて中間層打ち抜き動作が実行されたとする。打ち抜き工程番号1は下降・逆転より、定点は点Aから左下の点Bまで移動する。続いて打ち抜き工程番号2は上昇・正転より、定点は点Bから右上の点Aまで移動する。続いて打ち抜き工程番号3は下降・逆転より、定点は再び点Aから左下の点Bまで移動する。続いて打ち抜き工程番号4は昇降制止・逆転より、点Bから左方の点Cまで移動する。結局、点A→点B→点A→点B→点Cという軌跡を定点は辿ることになる。従って、再度打ち抜き工程番号1から4を実施すると、点C→点D→点C→点D→点Eという軌跡を定点は辿ることになる。結局、打ち抜き工程番号1から4を4回繰り返すと、定点は4つの段差を経て点Aから点Iに到ることになる。特に区間AB、区間CD、区間EF及び区間GHは定点が往復移動することになる。従って、回転羽根全体がこのような軌跡を辿るため、中間層を好適に軟化させることが可能となる。以下に上記杭打ち制御部70による杭打ちプロセスについて説明する。
図8は、本発明に係る杭打ち制御部70による杭打ち自動貫入プロセスの一例を示すフロー図である。
ステップS1として、回転数頭打ち制御(図4のe)を行う。この回転数頭打ち制御とは、鋼管杭1の鉛直性を保つために、地表から所定の深さd1(例えば0.5m)に貫入するまでは、鋼管杭1が通常の回転数Rev_Nより低い回転数(例えば、通常の回転数Rev_Nの30%)で動作するように回転モータ42の回転数Revを制御する。
ステップS2として、鋼管杭1を回転貫入させて地中に埋設させる。ここでは、送りモータ44は回転させずに回転モータ42の回転トルクTrのみによって鋼管杭1を回転させ、鋼管杭1及びスイベルヘッド40の自重と鋼管杭1の先端に設けられた回転羽根の推進力によって鋼管杭1を地中に回転貫入(フリー降下)させる。
ステップS3として、鋼管杭1のPR値が支持層上端確認PR値PR_C1以下であるか否かを判定する。鋼管杭1のPR値が支持層上端確認PR値PR_C1以下である場合(YES)は、ステップS4へ進む。鋼管杭1のPR値が支持層上端確認PR値PR_C1を上回っている場合(NO)は、ステップS2に戻り鋼管杭1を回転貫入させる。
ステップS4として、鋼管杭1のトルクが支持層上端確認トルクTr_C1以上であるか否かを判定する。鋼管杭1のトルクが支持層上端確認トルクTr_C1以上である場合(YES)は、ステップS5へ進む。他方、鋼管杭1のトルクが支持層上端確認トルクTr_C1を下回っている場合(NO)は、ステップS2に戻り鋼管杭1を回転貫入させる。
ステップS5として、設計深度dtと鋼管杭1の深度dとの深度差dt-dが所定の閾値Δd以下であるか否かを判定する。つまり、このステップは、鋼管杭1が支持層上端近傍に位置している否かを判定する。図9に示されるように、事前の地盤調査によって設計N値Ntにおける設計深度dtからΔd浅い位置に支持層上端があると推定することができる。従って、深度差dt-dが閾値Δd以下である場合(YES)は、ステップS9へ進み支持層根入れモードを実行する。深度差dt-dが閾値Δdを上回る場合(NO)は、ステップS6に進み中間層打ち抜き動作を実行する。
ステップS6として、図6に示される打ち抜き工程(中間層打ち抜きモード)を実行する。打ち抜き工程番号1から4の動作を一連の動作として、その動作をf回繰り返す。その後ステップS7へ進み、打ち抜き完了か否かを判定する。打ち抜き完了か否かの判定は、ステップS3とステップS4と同様に、鋼管杭1のPR値とトルクによる二重判定(ダブルチェック)としている。
先ず、ステップS7において鋼管杭1のPR値が支持層上端確認PR値PR_C1を上回っているか否かを判定する。鋼管杭1のPR値が支持層上端確認PR値PR_C1以下である場合(NO)は、中間層の打ち抜きは完了していないと判断してステップS5に戻って、設計深度dtと鋼管杭1の深度dとの深度差dt-dが所定の閾値Δd以下であるか否かを再び判定する。深度差dt-dが閾値Δd以下である場合(YES)は、ステップS9へ進み支持層根入れモードを実行する。深度差dt-dが閾値Δdを上回る場合(NO)は、ステップS6に進み、図6に示される中間層打ち抜きモードを再度実行する。鋼管杭1のPR値が支持層上端確認PR値PR_C1を上回っている場合(YES)は、ステップS8に進み、打ち抜き完了か否かを判定する。
ステップS8として、鋼管杭1のトルクが支持層上端確認トルクTr_C1以上である場合(NO)は、中間層の打ち抜きは完了していないと判断してステップS5に戻って、設計深度dtと鋼管杭1の深度dとの深度差dt-dが所定の閾値Δd以下であるか否かを再び判定する。深度差dt-dが閾値Δd以下である場合(YES)は、ステップS9へ進み支持層根入れモードを実行する。深度差dt-dが閾値Δdを上回る場合(NO)は、ステップS6に進み、図6に示される中間層打ち抜きモードを再度実行する。鋼管杭1のトルクが支持層上端確認トルクTr_C1を下回っている場合(YES)は、中間層の打ち抜きが完了したと判断し、ステップS2へ戻って鋼管杭1の回転貫入動作を継続する。
ステップS9として、支持層根入れモードを実行する。支持層確認管理値が、支持層上端判定の管理値から根入れ判定の管理値に変更になる。これにより、ステップS10からS12に示されるように、根入れ長が根入れ確認長ΔL_C2(=杭径Dp)以上であること、PR値が根入れ確認PR値PR_C2(=K2・PR_C1)以下であること、或いはトルクが根入れ確認トルク(=許容トルクTr_a)以上になることの何れかが成立する場合(YES)は、鋼管杭1の打設に係る施工は完了となる。
なお、ステップS10からS12において、いずれも成立しない場合(NO)は、ステップS9に戻り鋼管杭1の回転貫入を継続する。
以上の通り、上記本発明に係る鋼管杭打設装置100によれば、鋼管杭1の回転貫入動作を制御する杭打ち制御部70が、鋼管杭1が地盤の固い中間層に貫入した場合、鋼管杭1の所定の昇降動作と、鋼管杭1の所定の回転動作と、これら昇降動作と回転動作を実施する動作時間(t1、t2、t3、t4)とに基づいて予め作成された1又は複数の打ち抜き工程を一連の動作とし、その一連の動作を所定の回数fにわたり繰り返し実施するように構成されている。特に、上記打ち抜き工程についての昇降動作と回転動作の組合せにおいては、一方の動作が通常の動作であれば他方の動作は通常とは逆の動作になる組合せを少なくとも1つ含むように構成されている。これにより、鋼管杭1が地盤の固い中間層に貫入し高止まりする場合、上記打ち抜き工程を一連の動作とし、その一連の動作を所定の回数fにわたり繰り返し実施することにより、地盤の固い中間層を効率良く短時間で鋼管杭1を貫通させることが可能となる。
また、上記杭打ち制御部70は、鋼管杭1の深度dを計測する杭深度計測部72と、鋼管杭1の回転数Revを計測する杭回転数計測部73と、鋼管杭1のトルクを計測する杭トルク計測部74とを備えている。そのため、支持層上端確認管理値として支持層上端における鋼管杭1のPR値の各実測値PR1,PR1,PR3,PR4とトルクの各実測値Tr1,Tr2,Tr3,Tr4に基づいて、鋼管杭1が支持層上端に貫入したことを判定する支持層上端確認PR値PR_C1、及び支持層上端確認トルクTr_C1を規定することができ、これにより、中間層の検出及び打ち抜き工程、並びに支持層上端の確認と鋼管杭1の打ち止め管理を適切に遂行することが可能となる。
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態に係る入力部71の中間層打ち抜き動作に係る設定画面の一例を示す説明図である。
この設定画面では、追加設定として、昇降動作に係る送りモータ44のトルク及びフィード速度と、回転モータ42のトルク及び回転速度についてオペレータが所望の値を個別に設定することができるように構成されている。或いは、オペレータは送りモータ44及び回転モータ42について自動モードを選択することができる。オペレータが自動モードを選択する場合、コントローラ75は、例えば送りモータ44又は回転モータ42についてのトルク及びフィード速度又は回転速度の各履歴データの中から最大値を抽出し、その値を既定値として設定するように構成されている。従って、図6に示される既定モード(デフォルトモード)によっては中間層を打ち抜くことが難しい場合は、各モータのトルクを増大させることにより、或いはフィード速度又は回転速度を上昇させることにより、或いはトルクと速度の両方を増大させることにより、中間層を効率よく打ち抜くことができるようになる。
なお、図3から図10を参照しながら本発明に係る上記杭打ち制御部70について説明してきたが、本発明の技術的特徴は上記実施例のみに限定されない。例えば、図8に示される自動貫入プロセスにおいて、鋼管杭1のPR値(ステップS3)とトルク(ステップS4)と設計深度(ステップS5)に基づいて中間層を検出しているが、鋼管杭1のPR値(ステップS3)と設計深度(ステップS5)に基づいて中間層を検出するようにしても良い。
同様に、鋼管杭1のPR値(ステップS7)とトルク(ステップS8)に基づいて鋼管杭1が中間層を打ち抜いた否かを判定しているが、鋼管杭1のPR値(ステップS7)のみに基づいて鋼管杭1が中間層を打ち抜いた否かを判定するようにしても良い。
また、図6に示される打ち抜き工程の昇降動作と回転動作の組合せ選定において、一方の動作が通常・中立の動作で他方の動作は通常とは逆の動作になる組合せは少なくとも1つ存在すれば良い。例えば、打ち抜き工程番号1については、昇降動作が「下降」であり回転動作は「逆転」である。打ち抜き工程番号2については、昇降動作が「上昇」であり回転動作は「逆転」である。そして、打ち抜き工程番号3については、昇降動作が「昇降制止」であり回転動作は「正転」である。
1 鋼管杭(杭)
10 クローラ装置
11 起動輪
12 遊動輪
13 無限履帯
14 転輪
20 車体
21 構造フレーム
22 操作室
23 動力室
24 リーダ起倒機構
25 リレーブラケット起倒機構
26 リレーブラケット
27 アウトリガ
28 カウンターウェイト
30 リーダ装置(誘導手段)
31 クランプ機構
32 リーダ
33 ウィンチ
34 凸ガイドレール
40 スイベルヘッド(杭打手段)
41 ボディ
42 回転モータ(第1回転機)
43 スピンドル
44 送りモータ(第2回転機)
45 スライダ
46 回転ロッド
47 アタッチメント
70 杭打ち制御部(杭打ち制御手段)
71 入力部
72 杭深度計測部
73 杭回転数計測部
74 杭トルク計測部
75 コントローラ
75a 記憶部
100 鋼管杭打設装置(杭打装置)

Claims (5)

  1. 杭(1)を地中に回転貫入させる杭打手段(40)と、前記杭打手段を所定の方向に誘導する誘導手段(30)と、前記杭(1)の回転貫入動作を制御する杭打ち制御手段(70)とを備えた杭打装置(100)であって、
    前記杭打ち制御手段(70)は、事前の地盤調査において計測された支持層の深度に相当する設計深度(dt)より浅い地点で前記杭(1)の1回転当たりの貫入量が所定の第1閾値(PR_C1)を下回る場合、
    前記杭(1)の「上昇」、「下降」及び「昇降制止」から成る昇降動作と前記杭(1)の「正転」、「逆転」及び「回転制止」から成る回転動作の組合せ選定において
    前記「下降」と前記「逆転」、前記「上昇」と前記「正転」、又は前記「昇降制止」と前記「逆転」の組合せを少なくとも1つ含むように選定すると共に、選定された当該昇降動作及び当該回転動作とこれらの動作時間とに基づいて構成された1又は複数の打設モードを一連の動作とし、当該一連の動作を所定の回数(f)にわたり繰り返し実施することを特徴とする杭打装置。
  2. 請求項に記載の杭打装置において、
    前記杭打ち制御手段(70)は、前記一連の動作を前記回数(f)にわたり繰り返し実施した後、前記杭(1)の前記貫入量が前記第1閾値(PR_C1)を上回る場合、又は当該杭(1)のトルクが所定の第2閾値(Tr_C1)を下回る場合、或いは前記貫入量が前記第1閾値(PR_C1)を上回り且つ前記トルクが所定の第2閾値(Tr_C1)を下回る場合に、通常の回転貫入に係る打設モードを実施することを特徴とする杭打装置。
  3. 請求項1又は2に記載の杭打装置において、
    前記杭打ち制御手段(70)は、前記昇降動作の内の何れか1つを選択するための昇降動作選択モードと、前記回転動作の内の何れか1つを選択するための回転動作選択モードと、前記動作時間(t1、t2、t3、t4)を入力するための時間設定モードと、選択された1又は複数の前記打設モードを一連の動作とし、当該一連の動作を所定の回数(f)にわたり繰り返し実施する前記回数を入力するための回数設定モードと、を備えた入力部(71)を有することを特徴とする杭打装置。
  4. 請求項1からの何れか1項に記載の杭打装置において、
    前記杭打手段(40)は、前記杭(1)をその軸方向回りに回転させる第1回転機(42)と、前記杭(1)をその軸方向に沿って昇降させる第2回転機(44)とを有し、
    前記杭打ち制御手段(70)は、前記第1回転機(42)のトルク及び回転速度を増減させるための第1回転機設定モード、ならびに前記第2回転機(44)のトルク及び回転速度を増減させるための第2回転機設定モードを備えた入力部(71)を有することを特徴とする杭打装置。
  5. 請求項1からの何れか1項に記載の杭打装置において、
    前記杭打ち制御手段(70)は、前記杭(1)の深度(d)を計測する杭深度計測部(72)と、前記杭(1)の回転数(Rev)を計測する杭回転数計測部(73)と、前記杭(1)のトルク(Tr)を計測する杭トルク計測部(74)とを備えることを特徴とする杭打装置。
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