JP7035807B2 - 部品の製造方法 - Google Patents
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- C21D10/00—Modifying the physical properties by methods other than heat treatment or deformation
- C21D10/005—Modifying the physical properties by methods other than heat treatment or deformation by laser shock processing
Description
好ましくは、前記照射ステップにおいては、前記横孔ミラーを前記横孔の中心軸まわりに回転させるか、又は、前記横孔ミラーを前記横孔の中心軸に沿って移動させる。以上の方法によれば、レーザピーニングを実施する箇所を変更するために前記中空円柱体自体を回転させる必要がなくなるので、前記部品の製造に要する時間を短縮することができる。
好ましくは、前記照射ステップにおいては、前記レーザビームを前記横孔の前記内面のうち、少なくとも、前記外周面から前記横孔の最小内径分だけ径方向内方に離れた領域に照射する。以上の方法によれば、前記横孔の前記内面のうち前記外周面から大きく離れた部分に残留圧縮応力が付与されることになる。
好ましくは、前記照射ステップにおいては、前記横孔の2つの開口のうち前記外周面における開口から、前記横孔ミラーに向けて前記レーザビームを照射する。以上の方法によれば、前記横孔ミラーに向けてレーザビームを外側から照射することができる。
好ましくは、前記中空円柱体が、前記横孔と前記軸孔の中心軸を挟んで反対側に形成され、前記横孔の中心軸と同一の中心軸を有し、前記中空円柱体の前記内周面及び前記外周面に開口する対向孔を更に有する場合は、前記配置ステップにおいては、先端に前記横孔ミラーを有する棒状の横孔ミラー棒を前記対向孔の前記外周面における開口から前記横孔に向かって挿入することで、前記横孔の中に前記横孔ミラーを配置する。以上の方法によれば、容易に、前記横孔の中に前記横孔ミラーを配置することができる。
好ましくは、前記照射ステップにおいては、前記横孔の2つの開口のうち前記内周面における開口から、前記横孔ミラーに向けて前記レーザビームを照射する。以上の方法によれば、前記横孔ミラーに向けてレーザビームを内側から照射することができる。
好ましくは、前記配置ステップにおいては、更に、前記軸孔の中に軸孔ミラーを配置し、前記照射ステップにおいては、前記中空円柱体の長手方向における前記軸孔の開口から前記軸孔ミラーに向けて前記レーザビームを照射し、前記レーザビームを前記軸孔ミラーと前記横孔ミラーをこの記載順に反射させることで、前記レーザビームを前記横孔の前記内面に照射する。以上の方法によれば、簡素な構成で、前記横孔ミラーに向けてレーザビームを内側から照射することができる。
好ましくは、前記配置ステップにおいては、先端に前記軸孔ミラーを有する棒状の軸孔ミラー棒を前記中空円柱体の長手方向における前記軸孔の開口から前記軸孔に挿入することで、前記軸孔の中に前記軸孔ミラーを配置する。以上の方法によれば、容易に、前記軸孔の中に前記軸孔ミラーを配置することができる。
好ましくは、前記配置ステップにおいては、先端に前記横孔ミラーを有する棒状の横孔ミラー棒を前記横孔の前記外周面における開口から挿入することで、前記横孔の中に前記横孔ミラーを配置する。以上の方法によれば、容易に、前記横孔の中に前記横孔ミラーを配置することができる。
好ましくは、前記横孔ミラーは、凹面鏡とする。以上の方法によれば、前記横孔の前記内面におけるビームスポットのスポット径を小さくすることができる。
図1には、例えば自動車の駆動ユニットにおいて動力を伝達するのに用いられるシャフト1を示している。シャフト1は、動力伝達部材の一具体例である。動力伝達部材は、シャフト1に限定されない。シャフト1は、部品の一具体例である。部品は、シャフト1に限定されない。シャフト1は、ワーク2をレーザピーニングにより加工することで製造される。
図1に示すように、ワーク2は、中空円柱体である。ワーク2は、パイプ状である。ワーク2は、中心軸2Cを有する。ワーク2は、軸孔3を有する。軸孔3は、ワーク2の内部空間であってワーク2の長手方向に延びている。軸孔3の中心軸は、ワーク2の中心軸2Cと一致している。ワーク2は、内周面2aと外周面2bを有する。内周面2aは、ワーク2の径方向内方を向く面である。内周面2aは、軸孔3の外周を区画している。外周面2bは、ワーク2の径方向外方を向く面である。
ここで、図2を参照して、前方横孔4の内面4pにレーザピーニングにより残留圧縮応力を付与する際の問題点を説明する。即ち、典型的なレーザピーニングにおいては、図2に示すように、前方横孔4の内面4pにレーザビームLを直接的に照射する。この場合、レーザビームLは、前方横孔4の内面4pに対して斜めに照射するようにしている。従って、前方横孔4の内面4pにおいてレーザビームLのスポット径を小さくすることが困難であり、レーザビームLのビームスポットが楕円状に間延びしてしまう問題があった。レーザビームLを前方横孔4の外側開口4bから照射する場合、外側開口4bに近い領域a1にレーザビームLを照射する場合であれば大きな問題となることはないが、外側開口4bから離れた領域a2にレーザビームLを照射する場合、上記の間延びが顕著となり、レーザピーニングの加工時間が長くなったり、レーザピーニング自体が不可能となる。
以下、図3から図9を参照して、シャフト1の製造方法を説明する。シャフト1は、ワーク2の複数の前方横孔4の内面4p及び複数の後方横孔5の内面5pをレーザピーニングにより加工することで製造する。図5及び図9には、シャフト1の製造フローを示しているので、適宜参照されたい。以下、先ず、複数の前方横孔4の内面4pをレーザピーニングにより加工し、次に、複数の後方横孔5の内面5pをレーザピーニングにより加工する順番で説明する。なお、実際の製造においては、複数の後方横孔5の内面5pを複数の前方横孔4の内面4pよりも先に加工してもよい。
先ず、図3に示すように、ワーク2を水槽10に浸漬させる。このとき、ワーク2の中心軸2Cが鉛直となるような姿勢でワーク2を水槽10に浸漬させる。
次に、図示しないワーク位置決め装置を用いて、4つの前方横孔4のうち何れか1つの前方横孔4にレーザ発信器11から出力されたレーザビームLが、前方横孔4の長手方向に沿って入射するように、ワーク2を位置決めする。ここで、位置決めには、ワーク2を上下方向に移動させること、ワーク2を水平方向に移動させること、ワーク2を中心軸2Cまわりに回転させること、を含む。以下、加工対象とする前方横孔4を対象前方横孔4とも称する。
次に、図4に示すように、対象前方横孔4と中心軸2Cを挟んで対向する前方横孔4の外側開口4bから対象前方横孔4に向かって横孔ミラー棒14を挿入し、横孔ミラー棒14の横孔ミラー14aを対象前方横孔4の中に配置する。このとき、対象前方横孔4と中心軸2Cを挟んで対向する前方横孔4の外側開口4b近傍においてワーク2の外周面2bに滑り軸受16を予め配置しておく。そして、滑り軸受16を通して横孔ミラー棒14を挿入することにより、横孔ミラー棒14の中心軸と、対象前方横孔4の中心軸を安定的に一致させることが可能となる。
次に、レーザ発信器11にレーザビームLを出力させる。すると、レーザ発信器11から出力されたレーザビームLは、対象前方横孔4の外側開口4bから対象前方横孔4内に入射し、横孔ミラー棒14の横孔ミラー14aで反射して、対象前方横孔4の内面4pに対して垂直に照射される。このように、前方横孔4の内面4pに対してレーザビームLが垂直に照射されるので、レーザビームLのビームスポットのスポット径を小さくすることができ、効率よくレーザピーニングにより加工できるようになる。
次に、レーザビームLのビームスポットを移動させるべく、横孔ミラー棒駆動部15により横孔ミラー棒14の横孔ミラー14aを移動させる。例えば、横孔ミラー棒14を回転させれば、ビームスポットを内面4pの周方向に移動させることができる。また、例えば、横孔ミラー棒14を横孔ミラー棒14の長手方向に進退させれば、ビームスポットを内面4pの中心軸方向に移動させることができる。このように、横孔ミラー棒14を回転させたり進退させたりするだけでレーザビームLの内面4pにおけるビームスポットを自在に移動させることができるので、ワーク2全体を回転させたり移動させたりする場合と比較して、加工時間を短縮化することができるし、ビームスポットの位置決め精度も容易に確保できるようになる。
図2に示す領域a1及び領域a2に対してレーザピーニングによる加工が完了したか判定し、まだ完了していなかったら(S150:NO)、処理をS140に戻してレーザピーニングによる加工を継続する。既に完了していたら(S150:YES)、処理をS160に進める。
4つの前方横孔4のすべてに対して所望のレーザピーニングによる加工が完了したか判定し、まだ完了していなかったら(S160:YES)、処理をS110に戻して、残りの前方横孔4に対するレーザピーニングによる加工を継続する。既に完了していたら(S160:NO)、処理を終了する。
先ず、ワーク2を水槽に浸漬させる。このとき、ワーク2の中心軸2Cが水平となるような姿勢でワーク2を水槽に浸漬させる。
次に、図示しないワーク位置決め装置を用いて、4つの後方横孔5のうち何れか1つの後方横孔5が横孔ミラーユニット20と対向するように、ワーク2を位置決めする。ここで、位置決めには、ワーク2を上下方向に移動させること、ワーク2を水平方向に移動させること、ワーク2を中心軸2Cまわりに回転させること、を含む。以下、加工対象とする後方横孔5を対象後方横孔5とも称する。
次に、図8に示すように、対象後方横孔5の外側開口5bから横孔ミラー棒22を挿入し、横孔ミラー棒22の横孔ミラー22aを対象後方横孔5の中に配置する。このとき、対象後方横孔5の外側開口5b近傍においてワーク2の外周面2bに滑り軸受24を予め配置しておく。そして、滑り軸受24を通して横孔ミラー棒22を挿入することにより、横孔ミラー棒22の中心軸と、対象後方横孔5の中心軸を安定的に一致させることが可能となる。
次に、ワーク2の軸孔3に軸孔ミラー棒25を挿入し、軸孔ミラー棒25の軸孔ミラー25aをワーク2の軸孔3の中に配置する。具体的には、軸孔ミラー棒25の軸孔ミラー25aを対象後方横孔5の真下に配置する。また、軸孔ミラー25aが上向きとなるように軸孔ミラー25aを配置する。更に具体的には、ワーク2の軸孔3の長手方向に沿ってワーク2の軸孔3に入射したレーザビームLが軸孔ミラー25aで直角に反射して横孔ミラー22aに入射するように軸孔ミラー25aを配置する。
次に、レーザ発信器にレーザビームLを出力させる。すると、レーザ発信器から出力されたレーザビームLは、ワーク2の長手方向における軸孔3の開口から軸孔3内に入射し、軸孔ミラー棒25の軸孔ミラー25aと横孔ミラー棒22の横孔ミラー22aでこの記載順に反射して、後方横孔5の内面5pに対して垂直に照射される。このように、後方横孔5の内面5pに対してレーザビームLが垂直に照射されるので、レーザビームLのビームスポットのスポット径を小さくすることができ、効率よくレーザピーニングにより加工できるようになる。
次に、レーザビームLのビームスポットを移動させるべく、横孔ミラー棒駆動部23により横孔ミラー棒22の横孔ミラー22aを移動させる。例えば、横孔ミラー棒22を回転させれば、ビームスポットを内面5pの周方向に移動させることができる。また、例えば、横孔ミラー棒22を横孔ミラー棒22の長手方向に進退させれば、ビームスポットを内面5pの中心軸方向に移動させることができる。このように、横孔ミラー棒22を回転させたり進退させたりするだけでレーザビームLの内面5pにおけるビームスポットを自在に移動させることができるので、ワーク2全体を回転させたり移動させたりする場合と比較して、加工時間を短縮化することができるし、ビームスポットの位置決め精度も容易に確保できるようになる。
図2に示す領域a1及び領域a2に対してレーザピーニングによる加工が完了したか判定し、まだ完了していなかったら(S260:NO)、処理をS250に戻してレーザピーニングによる加工を継続する。既に完了していたら(S260:YES)、処理をS270に進める。
4つの後方横孔5のすべてに対して所望のレーザピーニングが完了したか判定し、まだ完了していなかったら(S270:YES)、処理をS220に戻して、残りの後方横孔5に対するレーザピーニングによる加工を継続する。既に完了していたら(S270:NO)、処理を終了する。
2 ワーク
2a 内周面
2b 外周面
2C 中心軸
3 軸孔
4 前方横孔
4 対象前方横孔
4a 内側開口
4b 外側開口
4d 内径
4p 内面
5 後方横孔
5 対象後方横孔
5a 内側開口
5b 外側開口
5p 内面
10 水槽
11 レーザ発信器
12 レンズ
13 横孔ミラーユニット
14 横孔ミラー棒
14a 横孔ミラー
15 横孔ミラー棒駆動部
16 滑り軸受
20 横孔ミラーユニット
21 軸孔ミラーユニット
22 横孔ミラー棒
22a 横孔ミラー
23 横孔ミラー棒駆動部
24 滑り軸受
25 軸孔ミラー棒
25a 軸孔ミラー
26 軸孔ミラー棒駆動部
100 製造装置
101 製造装置
a1 領域
a2 領域
L レーザビーム
Claims (8)
- 中空円柱体であって、前記中空円柱体は、前記中空円柱体の内部空間であって前記中空円柱体の長手方向に延びる軸孔と、前記中空円柱体の内周面及び外周面に開口する横孔と、を有する前記中空円柱体の、前記横孔の内面にレーザピーニングにより残留圧縮応力を付与することで部品を製造する方法であって、
前記横孔の中に横孔ミラーを配置する配置ステップと、
前記横孔の2つの開口のうち何れか一方から、前記横孔ミラーに向けてレーザビームを照射し、前記レーザビームを前記横孔ミラーで反射させることで、前記レーザビームを前記横孔の前記内面に照射する照射ステップと、
を含み、
前記照射ステップにおいては、前記横孔の2つの開口のうち前記外周面における開口から、前記横孔ミラーに向けて前記レーザビームを照射し、
前記中空円柱体が、前記横孔と前記軸孔の中心軸を挟んで反対側に形成され、前記横孔の中心軸と同一の中心軸を有し、前記中空円柱体の前記内周面及び前記外周面に開口する対向孔を更に有する場合は、
前記配置ステップにおいては、先端に前記横孔ミラーを有する棒状の横孔ミラー棒を前記対向孔の前記外周面における開口から前記横孔に向かって挿入することで、前記横孔の中に前記横孔ミラーを配置する、
部品の製造方法。 - 中空円柱体であって、前記中空円柱体は、前記中空円柱体の内部空間であって前記中空円柱体の長手方向に延びる軸孔と、前記中空円柱体の内周面及び外周面に開口する横孔と、を有する前記中空円柱体の、前記横孔の内面にレーザピーニングにより残留圧縮応力を付与することで部品を製造する方法であって、
前記横孔の中に横孔ミラーを配置する配置ステップと、
前記横孔の2つの開口のうち何れか一方から、前記横孔ミラーに向けてレーザビームを照射し、前記レーザビームを前記横孔ミラーで反射させることで、前記レーザビームを前記横孔の前記内面に照射する照射ステップと、
を含み、
前記照射ステップにおいては、前記横孔の2つの開口のうち前記内周面における開口から、前記横孔ミラーに向けて前記レーザビームを照射する、
部品の製造方法。 - 請求項2に記載の製造方法であって、
前記配置ステップにおいては、更に、前記軸孔の中に軸孔ミラーを配置し、
前記照射ステップにおいては、前記中空円柱体の長手方向における前記軸孔の開口から前記軸孔ミラーに向けて前記レーザビームを照射し、前記レーザビームを前記軸孔ミラーと前記横孔ミラーをこの記載順に反射させることで、前記レーザビームを前記横孔の前記内面に照射する、
部品の製造方法。 - 請求項3に記載の製造方法であって、
前記配置ステップにおいては、先端に前記軸孔ミラーを有する棒状の軸孔ミラー棒を前記中空円柱体の長手方向における前記軸孔の開口から前記軸孔に挿入することで、前記軸孔の中に前記軸孔ミラーを配置する、
部品の製造方法。 - 請求項3又は4に記載の製造方法であって、
前記配置ステップにおいては、先端に前記横孔ミラーを有する棒状の横孔ミラー棒を前記横孔の前記外周面における開口から挿入することで、前記横孔の中に前記横孔ミラーを配置する、
部品の製造方法。 - 請求項1から請求項5までの何れかに記載の製造方法であって、
前記横孔ミラーは、凹面鏡とする、
部品の製造方法。 - 請求項1から請求項6までの何れかに記載の製造方法であって、
前記照射ステップにおいては、前記横孔ミラーを前記横孔の中心軸まわりに回転させるか、又は、前記横孔ミラーを前記横孔の中心軸に沿って移動させる、
部品の製造方法。 - 請求項1から請求項7までの何れかに記載の製造方法であって、
前記照射ステップにおいては、前記レーザビームを前記横孔の前記内面のうち、少なくとも、前記外周面から前記横孔の最小内径分だけ径方向内方に離れた領域に照射する、
部品の製造方法。
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