JP7034078B2 - セラストロールの類似体 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2015年10月23日に出願された米国仮出願第62/245,356号に対する優先権、およびその恩典を主張するものであり、その内容全体は、参照によってそれらの全体が本明細書に組み入れられる。
発明の背景
2008年に、世界保健機関(WHO)は、全世界で14億の成人が過体重であると推定した;このうち、男性2億人および女性3億人が肥満であった。2030年には、世界で10億を超える人々が肥満になると予測されている。肥満は、2型糖尿病、心血管疾患、骨関節炎(1つ以上の関節において疼痛、腫れ、および凝りを引き起こす健康問題)、脳卒中、高血圧、がん(乳房、結腸、子宮内膜(子宮の内層に関連する)、および腎臓)、および非アルコール性脂肪性肝炎などの消耗性状態の発生の主な原因であり、その全てが寿命だけでなく生活の質も低減する。
世界中の健康管理の専門家の間で、肥満の世界的な蔓延は、この障害の有病率の容赦のない増大が反転しない限り、現世代および次世代の疾病率および死亡率の主要原因の1つになるということで現在一致している。かつては主に西欧文化における問題であると見なされていたが、今や発展途上国も、肥満の問題を抱える国となっている。1999年に、国連調査は、発展途上の地域全て(飢餓も存在している国でさえも)において肥満が存在し、急激に増加していることを見いだした。肥満は、世界保健機関(WHO)によって、ボディマス指数(BMI=体重kg/(身長m)2)値>30kg m-2(正常BMI=20~25kg m-2)を有する対象であると定義されている。
過体重および肥満は、エネルギーの不均衡から生じる。身体は、基本的な生命機能を維持するために食物から特定量のエネルギー(カロリー)を必要とする。摂取されたカロリー数が、身体が使用または「消費」するカロリー数と等しいとき、体重は同じままの傾向にある。長期間、自らが消費するよりも多くのカロリーを人が飲食すれば、エネルギーの均衡は、体重増加、過体重、および肥満の方向へ傾く。
肥満の急速な増加について考えられる説明は、肥満が、遺伝的、社会的および環境的な要因の組み合わせによって引き起こされているということである。大部分の人は、徹底した食事療法に従うことおよび適正レベルの運動をすることによって健康的な体重の維持をうまく行っているが、多くの他のものにとって、この計画は、所望の健康的結果をもたらしていない。肥満集団の一部にとっては、>5%の臨床的に有益な体重低下を実現する、食生活、運動および生活様式の改善に対しての、必要とされる補助的な援助を提供する薬物療法が必要となる。
あらゆる過体重および肥満の原因が1つというわけではない。過体重および肥満を防止または処置するのを助けることができるアプローチは1つではない。処置は、行動療法、食生活、運動、およびしばしば体重減少薬の組み合わせを含み得る。極度の肥満のいくつかの場合には、体重減少手術が選択肢となり得る。過去15年間、わずか4つの新薬、すなわちデクスフェンフルラミン(Redux(登録商標))、シブトラミン(Meridia(登録商標)、Reductil(登録商標))、オルリスタット(Xenical(登録商標))およびリモナバン(Acomplia(登録商標))しか、肥満の処置に承認されていない。これらの薬物のうち、デクスフェンフルラミン、シブトラミンおよびオルリスタットの3つだけが、国際(日本を除く)登録を達成している。安全でかつ効果的な追加の抗肥満薬を開発する大きな必要性がある。
本明細書において、とりわけ、本明細書に開示の化合物を含む組成物およびそれを使用する方法が提供される。
種々の態様において、本明細書に提供される化合物は、セラストロールと比較して構造的改変を含む。
一局面において、前記組成物は、体重減少を促進し得るか、体脂肪を低下させ得るか、食物摂取を低下させ得るか、恒常性を改善し得るか、またはこれらの組み合わせをもたらし得る。前記化合物は、式(I):
Figure 0007034078000001
[式中、
C1とC2との間、C2とR3との間、C3とR4との間、C5とC6との間、C5とC7との間、C1とC6との間、およびC3とC4との間の点線は、原子価が許容する範囲で、単結合が存在しても二重結合が存在してもよいことを示し;
R1は、-CN、-COOH、-COOCH2CH3、-CONHR5、-CONR5R5、-COOR5、-COOCH3、-CH2NR5R5、-CH2OCONR5R5、-CH2NR5COOR5、-CH2R5、-CH2NR5CONR5R5、-CH2OH、-CH2OR5、硫酸アルキル、スルホン酸アルキル、リン酸アルキル、-CH2OSO3R5、-CH2OSO2R5、-CH2OPO3R5R5、-CH2OPO3HR5、-CH2OPO3H2、-C(=NR5)NR5R5、-NR5C(=NR5)NR5R5、-CONH2、-CH2CONR5R5、-SR5、-SO3R5、-SO2R5、-CH2NHCOR5、-CH2NHCNR5NR5R5、-CH2COSR5、CH2NR5COR5、-CH2NR5CNR5NR5R5、-CH2NR5COSR5、-CH2NHSO2R5、-CH2N R5SO2R5、-CHNR5、-CHNOR5、-H、-NH2、-NHR5、-NR5R5、-OH、-OR5、ホスファート、-OPO3R5R5、-OPO3HR5、-OPO3H2、-NCO、-NCS、-N3、-R5、-C≡CR5、-(CH=CH)R5、-SH、-SR5、-SO2H、-SO3H、-SO2NR5R5、-SO3R5、-NHCOR5、-NHCNR5NR5R5、-NHCOSR5、第二級アミド、第三級アミド、-NR5COR5、-NR5C(=NH)NR5R5、-NR5COSR5、-NHC(=NR5)R5、-NR5C(=NR5)R5、-NHSO2(NH2)、-NHSO2R5、-NR5SO2R5、-NR5SO2NR5R5、-OCOR5、-OCONR5R5、-O(C=O)OR5、-SCOR5、-O(C=NH)NR5R5、-OCSNHR5、-OS(=O2)R5、-OS(=O2)NR5R5、-SCONR5R5、-CH2-アリール、-CH2-ヘテロアリール、
Figure 0007034078000002
であり、
R2は、-H、-CH3、-SCH(CH32、-SC(=O)CH3、-SC(=O)R5、-SCH2CH2OCOCH3、-SR5、-SO R5、-SOOR5、-SCONR5R5
Figure 0007034078000003
であり、
R3は、C1とC2との間、C3とC4との間、およびC5とC6との間に二重結合が存在するとき、-OCOCH3、-OCOOCH2CH3、-OR7、-R7、または-NR5R5であり、
R4は、C1とC2との間、C3とC4との間、およびC5とC6との間に二重結合が存在するとき、-OCOCH3、-OCOOCH2CH3、-OR7、-R7、または-NR5R5であり;
R3は、R4がOでありかつC2とR3との間およびC3とR4との間に二重結合が存在するとき、Oであり;
R4は、R3がOでありかつC2とR3との間に二重結合が存在するとき、-OCH3、-OP(=O)(OCH32、-OH、-OCOOCH2CH3、-OCONHCH2CH3、-OCOOCH(CH32、-OR7、-R7、または-NR5R5であり;R3およびR4はまた、合わさって複素環式または炭素環式環を形成してよく;
R5は、出現毎に独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヘテロシクロアルキル、アルキルアリール、アルケニル、アルキニル、アリール、アミン、またはヘテロアリール(アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、エーテル、1つ以上のアルキルで置換されていてもよいアミン、ハロゲン、ヒドロキシル、エーテル、シアノ、ニトリル、CF3、エステル、アミド、シクロアルキルアミド、糖、アルキルおよび/またはアルコキシで置換されていてもよいヘテロアリールアミド、尿素、カルバマート、チオエーテル、スルファート、スルホニル、スルホン酸カルボン酸、ならびにアリールから個別に選択される置換基で置換されていてもよい)から選択されるか、または、2つのR5基は、一緒になって、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基(アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヘテロシクロアルキル、アルキルアリール、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アミン、ハロゲン、ヒドロキシル、エーテル、ニトリル、シアノ、ニトロ、CF3、エステルアミド、尿素、カルバマート、チオエーテル、またはカルボン酸基から個別に選択される置換基で置換されていてもよい)を形成し;かつ
R7は、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルアリール、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール(アルキル、シクロアルキル、エーテル、アミン、ハロゲン、ヒドロキシル、エーテル、ニトリル、シアノ、ニトリル、CF3、エステル、アミド、尿素、カルバマート、チオエーテル、またはカルボン酸から個別に選択される置換基で置換されていてもよい)である]
で示される構造、またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグを有する。いくつかの態様において、R1は、-NR5C(=NR5)NR5R5、-SR5、-SO3R5、-SO2R5、-NH2、-NHR5、-NR5R5、-OH、-OR5、-NCO、-NCS、-N3、-SH、-SR5、-SO2H、-SO3H、-SO2NR5R5、-SO3R5、-NHCOR5、-NHCNR5NR5R5、-NHCOSR5、-NR5COR5、-N R5C(=NH)NR5R5、-NR5COSR5、-NHC(=NR5)R5、-NR5C(=NR5)R5、-NHSO2(NH2)、-NHSO2R5、-NR5SO2R5、-NR5SO2NR5R5、-OCOR5、-OCONR5R5、-O(C=O)OR5、-SCOR5、-O(C=NH)NR5R5、-OCSNHR5、-OS(=O2)R5、-OS(=O2)NR5R5、または-SCONR5R5である。
いくつかの態様において、R2は、Hである。
いくつかの態様において、R4は、R3がOでありかつC2とR3との間に二重結合が存在するとき、-OH、-OR7、または-R7である。
一局面において、前記組成物は、式(II):
Figure 0007034078000004
[式中、R1は、ORaまたはNRaRbであり、ここで、各RaおよびRbは、独立して、水素、R5、C(=NR5)NR5R5、-CO、-CS、-COR5、-CNR5NR5R5、-COSR5、-C(=NH)NR5R5、-C(=NR5)R5、-SO2(NH2)、-SO2R5、-SO2R5、-SO2NR5R5、-COR5、-CONR5R5、-(C=O)OR5、-(C=NH)NR5R5、-CSNHR5、-S(=O2)R5、または-S(=O2)NR5R5であり、そして
R5は各々、式(I)に記載される]
で示される構造の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグを含む。
いくつかの態様において、R1は、NRaRbであり、これは、式(II)-a:
Figure 0007034078000005
で表すことができる。
特定の態様において、R1は、NH(CO)R5[式中、R5は、好ましくは、アルキル、シクロアルキル、またはアリールである]である。
特定の態様において、R1は、NHAcである。
例示的な化合物は、限定されないが、以下の化合物を含む:
Figure 0007034078000006
Figure 0007034078000007
ある局面において、本明細書に開示の化合物、例えば式(I)および式(II)の化合物(その態様を含む)と薬学的に許容される賦形剤とを含む薬学的組成物が提供される。
ある局面において、その必要性のある対象において肥満を処置する方法が提供される。該方法は、対象に、有効量の式(I)で示される化合物(その態様を含む)を含む組成物を投与する工程を含む。あるいは、その必要性のある対象において肥満を処置する方法は、対象に、有効量の式(II)で示される化合物(その態様を含む)を含む組成物を投与する工程を含む。追加的に、その必要性のある対象において肥満を処置する方法は、対象に、有効量の式(I)で示される化合物、式(II)で示される化合物またはこれらの組み合わせ(その態様を含む)を含む組成物を投与する工程を含む。
いくつかの態様において、対象は、レプチン抵抗性を含む。いくつかの態様において、対象は、増加したレベルのレプチン(例えば、血中)を有する。特定の態様において、対象は、レプチン投与に良好な応答(例えば、低減された食欲、改善されたBMI、および/または少なくとも約5%、4%、3%、2%、もしくは1%の体重の低下)を示すことがなかった、ならびに/または、レプチン投与の有効性は、経時的に減少していく(例えば、体重減少の反転または対象が空腹をより頻繁に感じることで判断される通り)。いくつかの態様において、対象は、約10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100ng/mL以上の血中または血清レプチン濃度を含む。いくつかの態様において、対象は、男性であり、かつ、約10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50ng/mL以上の血中または血清レプチン濃度を有する。いくつかの態様において、対象は、女性であり、かつ、約30、35、40、45、50、75、100ng/mL以上の血中または血清レプチン濃度を有する。
一局面において、組成物を投与する工程は、経口投与、静脈内投与、局所投与、非経口投与、腹腔内投与、筋肉内投与、髄腔内投与、病巣内投与、頭蓋内投与、鼻腔内投与、眼内投与、心臓内投与、硝子体内投与、骨内投与、脳内投与、動脈内投与、関節内投与、皮内投与、経皮投与、経粘膜投与、舌下投与、腸内投与、口唇下投与、吹送投与、坐剤投与、吸入投与、または皮下投与を含む。
いくつかの態様において、その必要性のある対象において肥満を処置する方法は、本明細書に開示の化合物のうちの1つまたは複数の化合物の有効量を含む組成物を経口投与する工程を含む。
いくつかの態様において、その必要性のある対象において肥満を処置する方法は、本明細書に開示の化合物のうちの1つまたは複数の化合物の有効量を含む組成物を腹腔内に投与する工程を含む。
いくつかの態様において、その必要性のある対象において肥満を処置する方法は、本明細書に開示の化合物のうちの1つまたは複数の化合物の有効量を含む組成物を腹腔内に投与する工程を含む。
一局面において、組成物であって、肥満関連疾患または障害を処置するために使用される組成物が本明細書において提供される。肥満関連疾患または障害は、肥満、前肥満、病的肥満、プラダー・ウィリー症候群、視床下部傷害性肥満、非アルコール性脂肪性肝炎、高脂血症、高血圧、糖尿病、脂肪異栄養症、脂肪肝、バルデー・ビードル症候群、コーエン症候群、心血管疾患、関節炎、脳卒中、メタボリックシンドロームおよびMOMO(巨躯症-肥満-巨頭-眼異常)症候群を含む群から選択される。
ある局面において、肥満関連疾患または障害を処置する方法であって、肥満関連疾患または障害に罹患しているまたは罹患するリスクのある対象に、式(I)、式(II)またはこれらの組み合わせの1つまたは複数の組成物を投与する工程を含む前記方法が本明細書において提供される。肥満関連疾患または障害は、肥満、前肥満、病的肥満、プラダー・ウィリー症候群、視床下部傷害性肥満、非アルコール性脂肪性肝炎、高脂血症、高血圧、糖尿病、脂肪異栄養症、脂肪肝、バルデー・ビードル症候群、コーエン症候群、心血管疾患、関節炎、脳卒中、メタボリックシンドロームおよびMOMO症候群を含む群から選択される。
ある局面において、前記組成物は、別の治療と組み合わせて投与される。
いくつかの局面において、投与する工程は、経口投与、静脈内投与、局所投与、非経口投与、腹腔内投与、筋肉内投与、髄腔内投与、病巣内投与、頭蓋内投与、鼻腔内投与、眼内投与、心臓内投与、硝子体内投与、骨内投与、脳内投与、動脈内投与、関節内投与、皮内投与、経皮投与、経粘膜投与、舌下投与、腸内投与、口唇下投与、吹送投与、坐剤投与、吸入投与、または皮下投与をさらに含む。
ある局面において、前記組成物は、丸剤、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、粉剤、塩、結晶、液剤、血清、シロップ剤、懸濁剤、ゲル剤、クリーム剤、ペースト剤、フィルム剤、パッチ剤、および吸入剤を含む群から選択される形態で投与される。
ある局面において、対象は、哺乳動物である。さらに、対象は、ヒトである。なお別の局面において、対象は、30kg/m2超のボディマス指数(BMI)を有するヒトである。
ある局面において、その必要性のある対象において悪性腫瘍を処置する方法が提供される。該方法は、対象に、本明細書に開示される1つまたは複数の化合物の有効量を投与する工程を含む。
一局面において、組成物であって、悪性腫瘍関連疾患または障害を処置するために使用される組成物が提供される。悪性腫瘍関連疾患または障害は、胃癌、多発性骨髄腫、黒色腫、白血病、リンパ腫、腎細胞癌、肝細胞癌、乳癌、前立腺癌、頭頸部癌、非小細胞肺癌、脳がん、および多形性膠芽腫(GBM)を含む群から選択される。
ある局面において、悪性腫瘍関連疾患または障害を処置する方法であって、悪性腫瘍関連疾患または障害に罹患しているまたは罹患するリスクのある対象に、式(I)の1種類以上の組成物を投与する工程を含む前記方法が本明細書に含まれる。悪性腫瘍関連疾患または障害は、胃癌、多発性骨髄腫、黒色腫、白血病、リンパ腫、腎細胞癌、肝細胞癌、乳癌、前立腺癌、頭頸部癌、非小細胞肺癌、脳がん、および多形性膠芽腫(GBM)を含む群から選択される。
ある局面において、本明細書に記載の肥満を処置するために使用される組成物と肥満の処置における使用のための説明書とを含むキットが本明細書において提供される。いくつかの態様において、キットは、肥満を処置する組成物の経口投与または腹腔内投与に使用され得る。
[本発明1001]
式(I):
Figure 0007034078000008
[式中、
C 1 とC 2 との間、C 2 とR 3 との間、C 3 とR 4 との間、C 5 とC 6 との間、C 5 とC 7 との間、C 1 とC 6 との間、およびC 3 とC 4 との間の点線は、原子価が許容する範囲で、単結合が存在しても二重結合が存在してもよいことを示し;
R 1 は、-CN、-COOH、-COOCH 2 CH 3 、-CONHR 5 、-CONR 5 R 5 、-COOR 5 、-COOCH 3 、-CH 2 NR 5 R 5 、-CH 2 OCONR 5 R 5 、-CH 2 NR 5 COOR 5 、-CH 2 R 5 、-CH 2 NR 5 CONR 5 R 5 、-CH 2 OH、-CH 2 OR 5 、硫酸アルキル、スルホン酸アルキル、リン酸アルキル、-CH 2 OSO 3 R 5 、-CH 2 OSO 2 R 5 、-CH 2 OPO 3 R 5 R 5 、-CH 2 OPO 3 HR 5 、-CH 2 OPO 3 H 2 、-C(=NR 5 )NR 5 R 5 、-NR 5 C(=NR 5 )NR 5 R 5 、-CONH 2 、-CH 2 CONR 5 R 5 、-SR 5 、-SO 3 R 5 、-SO 2 R 5 、-CH 2 NHCOR 5 、-CH 2 NHCNR 5 NR 5 R 5 、-CH 2 COSR 5 、CH 2 NR 5 COR 5 、-CH 2 NR 5 CNR 5 NR 5 R 5 、-CH 2 NR 5 COSR 5 、-CH 2 NHSO 2 R 5 、-CH 2 N R 5 SO 2 R 5 、-CHNR 5 、-CHNOR 5 、-H、-NH 2 、-NHR 5 、-NR 5 R 5 、-OH、-OR 5 、ホスファート、-OPO 3 R 5 R 5 、-OPO 3 HR 5 、-OPO 3 H 2 、-NCO、-NCS、-N 3 、-R 5 、-C≡CR 5 、-(CH=CH)R 5 、-SH、-SR 5 、-SO 2 H、-SO 3 H、-SO 2 NR 5 R 5 、-SO 3 R 5 、-NHCOR 5 、-NHCNR 5 NR 5 R 5 、-NHCOSR 5 、第二級アミド、第三級アミド、-NR 5 COR 5 、-NR 5 C(=NH)NR 5 R 5 、-NR 5 COSR 5 、-NHC(=NR 5 )R 5 、-NR 5 C(=NR 5 )R 5 、-NHSO 2 (NH 2 )、-NHSO 2 R 5 、-NR 5 SO 2 R 5 、-NR 5 SO 2 NR 5 R 5 、-OCOR 5 、-OCONR 5 R 5 、-O(C=O)OR 5 、-SCOR 5 、-O(C=NH)NR 5 R 5 、-OCSNHR 5 、-OS(=O 2 )R 5 、-OS(=O 2 )NR 5 R 5 、-SCONR 5 R 5 、-CH 2 -アリール、-CH 2 -ヘテロアリール、
Figure 0007034078000009
であり;
R 2 は、-H、-CH 3 、-SCH(CH 3 2 、-SC(=O)CH 3 、-SC(=O)R 5 、-SCH 2 CH 2 OCOCH 3 、-SR 5 、-SOR 5 、-SOOR 5 、-SCONR 5 R 5
Figure 0007034078000010
であり;
R 3 は、C 1 とC 2 との間、C 3 とC 4 との間、およびC 5 とC 6 との間に二重結合が存在するとき、-OCOCH 3 、-OCOOCH 2 CH 3 、-OR 7 、-R 7 、または-NR 5 R 5 であり;
R 4 は、C 1 とC 2 との間、C 3 とC 4 との間、およびC 5 とC 6 との間に二重結合が存在するとき、-OCOCH 3 、-OCOOCH 2 CH 3 、-OR 7 、-R 7 、または-NR 5 R 5 であり;
R 3 は、R 4 がOでありかつC 2 とR 3 との間およびC 3 とR 4 との間に二重結合が存在するとき、Oであり;
R 4 は、R 3 がOでありかつC 2 とR 3 との間に二重結合が存在するとき、-OCH 3 、-OP(=O)(OCH 3 2 、-OH、-OCOOCH 2 CH 3 、-OCONHCH 2 CH 3 、-OCOOCH(CH 3 2 、-OR 7 、-R 7 、または-NR 5 R 5 であり;R 3 およびR 4 はまた、合わさって複素環式または炭素環式環を形成してよく;
R 5 は、出現毎に独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヘテロシクロアルキル、アルキルアリール、アルケニル、アルキニル、アリール、アミン、またはヘテロアリール(アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、エーテル、1つ以上のアルキルで置換されていてもよいアミン、ハロゲン、ヒドロキシル、エーテル、シアノ、ニトリル、CF 3 、エステル、アミド、シクロアルキルアミド、糖、アルキルおよび/またはアルコキシで置換されていてもよいヘテロアリールアミド、尿素、カルバマート、チオエーテル、スルファート、スルホニル、スルホン酸カルボン酸、ならびにアリールから個別に選択される置換基で置換されていてもよい)から選択されるか、または、2つのR 5 基は、一緒になって、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基(アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヘテロシクロアルキル、アルキルアリール、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アミン、ハロゲン、ヒドロキシル、エーテル、ニトリル、シアノ、ニトロ、CF 3 、エステルアミド、尿素、カルバマート、チオエーテル、またはカルボン酸基から個別に選択される置換基で置換されていてもよい)を形成し;かつ
R 7 は、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルアリール、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール(アルキル、シクロアルキル、エーテル、アミン、ハロゲン、ヒドロキシル、エーテル、ニトリル、シアノ、ニトリル、CF 3 、エステル、アミド、尿素、カルバマート、チオエーテル、またはカルボン酸から個別に選択される置換基で置換されていてもよい)である]
の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
[本発明1002]
R 1 が、-NR 5 C(=NR 5 )NR 5 R 5 、-SR 5 、-SO 3 R 5 、-SO 2 R 5 、-NH 2 、-NHR 5 、-NR 5 R 5 、-OH、-OR 5 、-NCO、-NCS、-N 3 、-SH、-SR 5 、-SO 2 H、-SO 3 H、-SO 2 NR 5 R 5 、-SO 3 R 5 、-NHCOR 5 、-NHCNR 5 NR 5 R 5 、-NHCOSR 5 、-NR 5 COR 5 、-N R 5 C(=NH)NR 5 R 5 、-NR 5 COSR 5 、-NHC(=NR 5 )R 5 、-NR 5 C(=NR 5 )R 5 、-NHSO 2 (NH 2 )、-NHSO 2 R 5 、-NR 5 SO 2 R 5 、-NR 5 SO 2 NR 5 R 5 、-OCOR 5 、-OCONR 5 R 5 、-O(C=O)OR 5 、-SCOR 5 、-O(C=NH)NR 5 R 5 、-OCSNHR 5 、-OS(=O 2 )R 5 、-OS(=O 2 )NR 5 R 5 、-SCONR 5 R 5 である、本発明1001の化合物。
[本発明1003]
R 1 が、NH(CO)R 5 である、本発明1001の化合物。
[本発明1004]
R 5 が、アルキル、シクロアルキル、またはアリールである、本発明1003の化合物。
[本発明1005]
R 5 が、CH 3 である、本発明1003の化合物。
[本発明1006]
R 2 が、Hであり;かつ、R 4 が、R 3 がOでありかつC 2 とR 3 との間に二重結合が存在するとき、-OH、-OR 7 、または-R 7 である、本発明1003の化合物。
[本発明1007]
以下からなる群より選択される、本発明1002の化合物:
Figure 0007034078000011

[本発明1008]
本発明1001の化合物と薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物。
[本発明1009]
R 1 が、NHCOR 5 である、本発明1008の薬学的組成物。
[本発明1010]
R 5 が、アルキル、シクロアルキル、またはアリールである、本発明1008の薬学的組成物。
[本発明1011]
経口投与される、本発明1008の薬学的組成物。
[本発明1012]
以下からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を含む、本発明1011の薬学的組成物:
Figure 0007034078000012

[本発明1013]
腹腔内に投与される、本発明1008の薬学的組成物。
[本発明1014]
少なくとも以下からなる群より選択される化合物を含む、本発明1013の薬学的組成物:
Figure 0007034078000013
Figure 0007034078000014
Figure 0007034078000015

[本発明1015]
セラストロールよりも高い経口バイオアベイラビリティを有する、本発明1008の薬学的組成物。
[本発明1016]
その必要性のある対象において肥満を処置する方法であって、対象に有効量の本発明1001の化合物を投与する工程を含む、前記方法。
[本発明1017]
肥満関連疾患または障害を処置する方法であって、肥満関連疾患または障害に罹患しているまたは罹患するリスクのある対象に本発明1008~1015のいずれかの組成物を投与する工程を含む、前記方法。
[本発明1018]
肥満関連疾患または障害が、肥満、前肥満、病的肥満、プラダー・ウィリー症候群、視床下部傷害性肥満、非アルコール性脂肪性肝炎、高脂血症、高血圧、糖尿病、脂肪異栄養症、脂肪肝、バルデー・ビードル症候群、コーエン症候群、心血管疾患、関節炎、脳卒中、メタボリックシンドロームおよびMOMO症候群を含む群から選択される、本発明1017の方法。
[本発明1019]
前記化合物または組成物が、別の治療と組み合わせて投与される、本発明1016~1017のいずれかの方法。
[本発明1020]
投与する工程が、経口投与、静脈内投与、局所投与、非経口投与、腹腔内投与、筋肉内投与、髄腔内投与、病巣内投与、頭蓋内投与、鼻腔内投与、眼内投与、心臓内投与、硝子体内投与、骨内投与、脳内投与、動脈内投与、関節内投与、皮内投与、経皮投与、経粘膜投与、舌下投与、腸内投与、口唇下投与、吹送投与、坐剤投与、吸入投与、または皮下投与を含む、本発明1016~1017のいずれかの方法。
[本発明1021]
前記組成物が、丸剤、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、粉剤、塩、結晶、液剤、血清、シロップ剤、懸濁剤、ゲル剤、クリーム剤、ペースト剤、フィルム剤、パッチ剤、および吸入剤を含む群から選択される形態で投与される、本発明1016~1017のいずれかの方法。
[本発明1022]
前記対象が、哺乳動物である、本発明1016~1017のいずれかの方法。
[本発明1023]
前記対象が、ヒトである、本発明1022の方法。
[本発明1024]
前記対象が、30kg/m 2 超のボディマス指数(BMI)を有するヒトである、本発明1023の方法。
[本発明1025]
前記化合物または組成物が、経口投与される、本発明1016~1017のいずれかの方法。
[本発明1026]
前記化合物または組成物が、約0.1~約0.5mg/kg、約0.1~約1mg/kg、約0.1~約5mg/kg、約0.1~約10mg/kgの用量で経口投与される、本発明1016~1017のいずれかの方法。
[本発明1027]
式(II):
Figure 0007034078000016
[式中、R 1 は、OR a またはNR a R b であり、ここで、各R a およびR b は、独立して、水素、R 5 、C(=NR 5 )NR 5 R 5 、-CO、-CS、-COR 5 、-CNR 5 NR 5 R 5 、-COSR 5 、-C(=NH)NR 5 R 5 、-C(=NR 5 )R 5 、-SO 2 (NH 2 )、-SO 2 R 5 、-SO 2 R 5 、-SO 2 NR 5 R 5 、-COR 5 、-CONR 5 R 5 、-(C=O)OR 5 、-(C=NH)NR 5 R 5 、-CSNHR 5 、-S(=O 2 )R 5 、または-S(=O 2 )NR 5 R 5 であり;かつ
R 5 は、出現毎に独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヘテロシクロアルキル、アルキルアリール、アルケニル、アルキニル、アリール、アミン、またはヘテロアリール(アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、エーテル、1つ以上のアルキルで置換されていてもよいアミン、ハロゲン、ヒドロキシル、エーテル、シアノ、ニトリル、CF 3 、エステル、アミド、シクロアルキルアミド、糖、アルキルおよび/またはアルコキシで置換されていてもよいヘテロアリールアミド、尿素、カルバマート、チオエーテル、スルファート、スルホニル、スルホン酸カルボン酸、ならびにアリールから個別に選択される置換基で置換されていてもよい)から選択されるか、または、2つのR 5 基は、一緒になって、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基(アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヘテロシクロアルキル、アルキルアリール、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アミン、ハロゲン、ヒドロキシル、エーテル、ニトリル、シアノ、ニトロ、CF 3 、エステルアミド、尿素、カルバマート、チオエーテル、またはカルボン酸基から個別に選択される置換基で置換されていてもよい)を形成する]
の化合物、およびその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグを含む、組成物。
[本発明1028]
R 1 が、NR a R b である、本発明1027の組成物。
[本発明1029]
R 1 が、NHCOR 5 である、本発明1027の組成物。
[本発明1030]
R 5 が、アルキル、シクロアルキル、またはアリールである、本発明1029の組成物。
[本発明1031]
以下からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を含む、本発明1027の組成物:
Figure 0007034078000017

[本発明1032]
肥満関連疾患または障害を処置する方法であって、肥満関連疾患または障害に罹患しているまたは罹患するリスクのある対象に本発明1027~1031のいずれかの組成物を投与する工程を含む、前記方法。
[本発明1033]
肥満関連疾患または障害が、肥満、前肥満、病的肥満、プラダー・ウィリー症候群、視床下部傷害性肥満、非アルコール性脂肪性肝炎、高脂血症、高血圧、糖尿病、脂肪異栄養症、脂肪肝、バルデー・ビードル症候群、コーエン症候群、心血管疾患、関節炎、脳卒中、メタボリックシンドロームおよびMOMO症候群を含む群から選択される、本発明1032の方法。
[本発明1034]
前記組成物が、別の治療と組み合わせて投与される、本発明1032の方法。
[本発明1035]
投与する工程が、経口投与、静脈内投与、局所投与、非経口投与、腹腔内投与、筋肉内投与、髄腔内投与、病巣内投与、頭蓋内投与、鼻腔内投与、眼内投与、心臓内投与、硝子体内投与、骨内投与、脳内投与、動脈内投与、関節内投与、皮内投与、経皮投与、経粘膜投与、舌下投与、腸内投与、口唇下投与、吹送投与、坐剤投与、吸入投与、または皮下投与を含む、本発明1032の方法。
[本発明1036]
前記組成物が、丸剤、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、粉剤、塩、結晶、液剤、血清、シロップ剤、懸濁剤、ゲル剤、クリーム剤、ペースト剤、フィルム剤、パッチ剤、および吸入剤を含む群から選択される形態で投与される、本発明1032の方法。
[本発明1037]
前記対象が、哺乳動物である、本発明1032の方法。
[本発明1038]
前記対象が、ヒトである、本発明1037の方法。
[本発明1039]
前記対象が、30kg/m 2 超のボディマス指数(BMI)を有するヒトである、本発明1038の方法。
[本発明1040]
前記組成物が、経口投与される、本発明1032の方法。
[本発明1041]
前記組成物が、約0.1~約0.5mg/kg、約0.1~約1mg/kg、約0.1~約5mg/kg、または約0.1~約10mg/kgの用量で経口投与される、本発明1032の方法。
[本発明1042]
本発明1001~1007のいずれかの化合物を含む、キット。
[本発明1043]
経口アプリケーターをさらに含む、本発明1042のキット。
[本発明1044]
腹腔内アプリケーターをさらに含む、本発明1042のキット。
[本発明1045]
本発明1027~1031のいずれかの組成物を含む、キット。
[本発明1046]
経口アプリケーターをさらに含む、本発明1045のキット。
[本発明1047]
腹腔内アプリケーターをさらに含む、本発明1045のキット。
本明細書に開示の各態様は、他の開示の態様の各々に適用可能であると企図される。したがって、本明細書に記載の種々の要素の全ての組み合わせが本発明の範囲内である。他の局面が以下に開示される。
表13に列挙される通りの化合物の用量2,000μg/kgでの11日間の経口投与による処置の間の食餌性肥満(DIO)マウスの毎日の体重のグラフである。 表13に列挙される通りの化合物の用量2,000μg/kgでの11日間の経口投与による処置の間の食餌性肥満(DIO)マウスの毎日の体重変化の曲線下面積(AUC)のグラフである。 表13に列挙される通りの化合物の用量2,000μg/kgでの11日間の経口投与による処置の間の食餌性肥満(DIO)マウスの累積体重変化のグラフである。 表13に列挙される通りの化合物の用量2,000μg/kgでの11日間の経口投与による処置の間の食餌性肥満(DIO)マウスの累積体重変化の曲線下面積(AUC)のグラフである。 表13に列挙される通りの化合物の用量2,000μg/kgでの11日間の経口投与による処置の間の食餌性肥満(DIO)マウスの累積体重変化のグラフである。 表13に列挙される通りの化合物の用量2,000μg/kgでの11日間の経口投与による処置の間の食餌性肥満(DIO)マウスの累積食物摂取のグラフである。 表13に列挙される通りの化合物の用量2,000μg/kgでの11日間の経口投与による処置の間の食餌性肥満(DIO)マウスの累積体重変化の曲線下面積(AUC)のグラフである。 表13に列挙される通りの化合物の用量2,000μg/kgでの11日間の経口投与による処置の間の食餌性肥満(DIO)マウスの1日目~11日目の間の全血血糖変化(%)のグラフである。 表13に列挙される通りの化合物の用量2,000μg/kgでの11日間の経口投与による処置の間の食餌性肥満(DIO)マウスの1日目~11日目の間のグルコース値のグラフである。 表13に列挙される通りの化合物の用量2,000μg/kgでの11日間の経口投与による処置の間の食餌性肥満(DIO)マウスの毎日の体重のデータを示す。 図10-1の説明を参照のこと。 図10-1の説明を参照のこと。 表13に列挙される通りの化合物の用量2,000μg/kgでの11日間の経口投与による処置の間の食餌性肥満(DIO)マウスの毎日の体重変化のデータを示す。 図11-1の説明を参照のこと。 図11-1の説明を参照のこと。 表13に列挙される通りの化合物の用量2,000μg/kgでの11日間の経口投与による処置の間の食餌性肥満(DIO)マウスの累積体重変化のデータを示す。 図12-1の説明を参照のこと。 図12-1の説明を参照のこと。 表13に列挙される通りの化合物の用量2,000μg/kgでの11日間の投与による処置後の食餌性肥満(DIO)マウスの毎日の食物摂取のデータを示す。 図13-1の説明を参照のこと。 図13-1の説明を参照のこと。 表13に列挙される通りの化合物の用量2,000μg/kgでの11日間の経口投与による処置の間の食餌性肥満(DIO)マウスの累積の毎日の食物摂取のデータを示す。 図14-1の説明を参照のこと。 図14-1の説明を参照のこと。 表13に列挙される通りの化合物の用量2,000μg/kgでの11日間の経口投与による処置の間の食餌性肥満(DIO)マウスの1日目のグルコースデータを示す。 図15-1の説明を参照のこと。 表13に列挙される通りの化合物の用量2,000μg/kgでの11日間の経口投与による処置の間の食餌性肥満(DIO)マウスの11日目のグルコースデータを示す。 図16-1の説明を参照のこと。 表13に列挙される通りの化合物の用量2,000μg/kgでの11日間の経口投与による処置の間の食餌性肥満(DIO)マウスのグルコース変化のデータを示す。 図17-1の説明を参照のこと。
発明の詳細な説明
I. 定義
本明細書において使用される略称は、化学分野および生物学分野の範囲内のそれらの従来の意味を有する。本明細書に示される化学構造および化学式は、化学分野において公知の化学結合価の標準規則に従って構築される。
本明細書において使用される場合、用語「約」は、数値または範囲の文脈において、その文脈がより限定された範囲を必要しない限り、列挙または請求された数値または範囲の±10%を意味する。
パラメーター範囲が提供される場合には、その範囲内の全ての整数、およびその10分の1もまた本発明によって提供されるものと理解される。例えば、「0.2~5mg」とは、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mgなど~5.0mg以下であることの開示である。
置換基が、左から右に記された、それらの従来の化学式によって特定されている場合、それらは、その構造を右から左に記すことにより得られるであろう化学的に同一の置換基をも同等に包含し、例えば、-CH2O-は、-OCH2-と同等である。
本発明の特定の化合物は、非溶媒和形態ならびに溶媒和形態(水和形態を含む)で存在することができる。一般に、溶媒和形態は、非溶媒和形態と等価であり、かつ、本発明の範囲内に包含される。本発明の特定の化合物は、多様な結晶形態または非晶質形態で存在し得る。一般に、全ての物理的形態は、本発明によって企図される使用にとって等価であり、かつ、本発明の範囲内にあると意図される。
本明細書において使用される場合、用語「塩」は、酸および塩基の中和反応から生じるイオン化合物を指す。これらは、生成物が電気的に中性(正味電荷なし)になるように、相関する数の陽イオン(正に荷電されたイオン)および陰イオン(負イオン)から構成される。これらの構成イオンは、無機、例えば塩化物(Cl-)、または有機、例えば酢酸(C2H3O2 -)のイオンであることができ;かつ、単原子、例えばフッ化物(F-)、または多原子、例えば硫酸(SO4 2-)のイオンであることができる。
本発明の特定の化合物は、不斉炭素原子(光学中心またはキラル中心)または二重結合を保有する;エナンチオマー、ラセミ体、ジアステレオマー、互変異性体、幾何異性体、立体異性体の形態(絶対立体化学の用語では、(R)-もしくは(S)-として、または、アミノ酸では(D)-もしくは(L)-として定義され得る)、および個別の異性体が、本発明の範囲内に包含される。本発明の化合物は、不安定すぎて合成および/または単離できないことが当技術分野において知られているものは含まない。本発明は、ラセミ形態および光学的に純粋な形態の化合物を含むことを意味する。光学的に活性な(R)-および(S)-異性体、または(D)-および(L)-異性体を、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して調製しても、従来技術を使用して分割してもよい。本明細書に記載の化合物がオレフィン結合または他の幾何学的非対称中心を含有するとき、そして、特に指定のない限り、該化合物は、E幾何異性体およびZ幾何異性体の両方を含むことが意図される。
本明細書において使用される場合、用語「異性体」は、同じ数および種類の原子、よって同じ分子量を有するが、原子の構造的配列または立体配置に関して異なる、化合物を指す。
用語「互変異性体」は、本明細書において使用される場合、平衡で存在しかつ一方の異性体形態から他方のものに容易に変換される、2つ以上の構造異性体の1つを指す。
当業者には、本発明の特定の化合物が互変異性体形態で存在してよく、該化合物のそのような互変異性体形態の全てが本発明の範囲内であることが明らかであろう。
特に明記のない限り、本明細書に描写される構造はまた、その構造の全ての立体化学形態;すなわち、各不斉中心に対してRの立体配置およびSの立体配置を含むことを意味する。それ故、本化合物の単一の立体化学異性体ならびにエナンチオマー混合物およびジアステレオマー混合物が本発明の範囲内である。
特に明記のない限り、本明細書に描写される構造はまた、1つ以上の同位体濃縮原子の存在だけが異なる化合物を含むことを意味する。例えば、ある水素が重水素もしくは三重水素により置き換えられている、またはある炭素が13Cもしくは14C濃縮炭素により置き換えられている以外は本構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。
本発明の化合物はまた、このような化合物を構成する原子のうちの1つ以上に、天然には存在しない割合の原子同位体を含有し得る。例えば、該化合物は、例えば三重水素(3H)、ヨウ素125(125I)、または炭素14(14C)などの放射性同位体で放射性標識され得る。本発明の化合物の全ての同位体の変動は、放射性であるか否かにかかわらず、本発明の範囲内に包含される。
本出願を通して、選択肢がマーカッシュ群(例えば、可能性のある2つ以上のアミノ酸を含有する各アミノ酸位置)で記されることに留意すべきである。マーカッシュ群の各メンバーが別個に考慮されるべきであり、それによって別の態様を含むこと、そして、マーカッシュ群が単一単位として解釈されるべきではないことが具体的に企図される。
用語「a」または「an」は、本明細書において使用される場合、1つ以上を意味する。加えて、語句「a(n)…で置換されている」は、本明細書において使用される場合、指定の基が、名を挙げられた置換基のいずれか1つ以上、または全てで置換されていてよいことを意味する。例えば、アルキルまたはヘテロアリール基などの基が「非置換のC1~C20アルキル、または非置換の2~20員ヘテロアルキルで置換されている」場合、その基は、1つ以上の非置換のC1~C20アルキル、および/または1つ以上の非置換の2~20員ヘテロアルキルを含有してよい。さらに、ある部分がR置換基で置換されている場合、その基は、「Rで置換されている」と称されてよい。ある部分がRで置換されている場合、その部分は、少なくとも1つのR置換基で置換されており、そして、各R置換基は、異なっていてもよい。
用語「アルキル」は、それ自体でまたは別の置換基の一部として、特に明記のない限り、指定の炭素原子数を有する(すなわち、C1~C10は、1~10の炭素を意味する)、完全飽和でも、一価または多価不飽和でもよく、かつ、二価基および多価基を含むことができる、直鎖(すなわち、未分岐)もしくは分岐の非環式炭素鎖(または炭素)、またはこれらの組み合わせを意味する。飽和炭化水素基の例は、限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、(シクロヘキシル)メチルなどの基、同族体および異性体、例えばn-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチルなどの同族体および異性体を含む。不飽和アルキル基は、1つ以上の二重結合または三重結合を有するものである。不飽和アルキル基の例は、限定されないが、ビニル、2-プロペニル、クロチル、2-イソペンテニル、2-(ブタジエニル)、2,4-ペンタジエニル、3-(1,4-ペンタジエニル)、エチニル、1-および3-プロピニル、3-ブチニル、ならびにより高級な同族体および異性体を含む。アルコキシは、酸素リンカー(-O-)を介して分子の残部に結合しているアルキルである。アルキル部分は、アルケニル部分であってよい。アルキル部分は、アルキニル部分であってよい。アルキル部分は、完全に飽和されていてよい。
用語「硫酸アルキル」は、それ自体でまたは別の置換基の一部として、特に明記のない限り、スルファートO(SO2)O-またはその塩で置換されているアルキルを意味する。
用語「スルホン酸アルキル」は、それ自体でまたは別の置換基の一部として、特に明記のない限り、スルホナート(SO2)O-またはその塩で置換されているアルキルを意味する。
用語「リン酸アルキル」は、それ自体でまたは別の置換基の一部として、特に明記のない限り、ホスファートPO4--またはその塩で置換されているアルキルを意味する。
用語「シクロアルキル」は、それ自体でまたは別の置換基の一部として、特に明記のない限り、炭素-炭素結合の全てが単結合である単一の環または複数の環を含有する構造中に配置された水素および炭素原子からなる、単環式または多環式(例えば、二環式または三環式)飽和炭化水素を意味する。単環式アルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含み、そして、多環式アルキルの例は、ノルボルニル、アダマンチルなどを含む。
用語「炭素環式」は、それ自体でまたは別の置換基の一部として、特に明記のない限り、指定の炭素原子数を有する(すなわち、C1~C10は、1~10の炭素を意味する)、完全飽和でも、一価または多価不飽和でもよく、かつ、二価基および多価基を含むことができる、環式炭素鎖(または炭素)を意味する。炭素環は、非限定的に単一の環または複数の環を含有する構造を有してよい。飽和環式アルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含み、そして、不飽和炭素環式基の例は、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどを含む。
用語「ヘテロアルキル」は、それ自体でまたは別の用語との組み合わせで、特に明記のない限り、少なくとも1つの炭素原子および少なくとも1つのヘテロ原子(O、N、P、Si、およびSからなる群より選択される)を含み、そして、窒素および硫黄原子が酸化されていてもよく、かつ、窒素ヘテロ原子が四級化されていてもよい、安定な直鎖もしくは分岐の非環式鎖、またはこれらの組み合わせを意味する。ヘテロ原子O、N、P、S、およびSiは、ヘテロアルキル基のいずれかの内部位置にあってもアルキル基が分子の残部に結合している位置にあってもよいがそれに限定されない。例は、限定されないが、-CH2-CH2-O-CH3、-CH2-CH2-NH-CH3、-CH2-CH2-N(CH3)-CH3、-CH2-S-CH2-CH3、-CH2-CH2、-S(O)-CH3、-CH2-CH2-S(O)2-CH3、-CH=CH-O-CH3、-Si(CH33、-CH2-CH=N-OCH3、-CH=CH-N(CH3)-CH3、-O-CH3、-O-CH2-CH3、および-CNを含む。例えば、-CH2-NH-OCH3および-CH2-O-Si(CH33のように、最大で2つまたは3つのヘテロ原子が連続的であってよい。ヘテロアルキル部分は、1つのヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si、またはP)を含んでよい。ヘテロアルキル部分は、2つの異なっていてもよいヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si、またはP)を含んでよい。ヘテロアルキル部分は、3つの異なっていてもよいヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si、またはP)を含んでよい。ヘテロアルキル部分は、4つの異なっていてもよいヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si、またはP)を含んでよい。ヘテロアルキル部分は、5つの異なっていてもよいヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si、またはP)を含んでよい。ヘテロアルキル部分は、最大で8つの異なっていてもよいヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si、またはP)を含んでよい。
用語「複素環式」は、それ自体でまたは別の用語との組み合わせで、特に明記のない限り、少なくとも1つの炭素原子および少なくとも1つのヘテロ原子(O、N、P、Si、およびSからなる群より選択される)を含み、そして、窒素および硫黄原子が酸化されていてもよく、かつ、窒素ヘテロ原子が四級化されていてもよい、環式鎖を意味する。ヘテロ原子O、N、P、S、およびSiは、環式ヘテロアルキル基のいずれかの内部位置にあっても複素環式基が分子の残部に結合している位置にあってもよい。例は、限定されないが、-CO-、-OCOO-、-CH2-CH2-O-CH3、-CH2-CH2-NH-CH3、-CH2-CH2-N(CH3)-CH3、-CH2-S-CH2-CH3、-CH2-CH2、-S(O)-CH3、-CH2-CH2-S(O)2-CH3、-CH=CH-O-CH3、-Si(CH33、-CH2-CH=N-OCH3、-CH=CH-N(CH3)-CH3、-O-CH3、-O-CH2-CH3、および-CNを含む。例えば、-CH2-NH-OCH3および-CH2-O-Si(CH33のように、最大で2つまたは3つのヘテロ原子が連続的であってよい。ヘテロアルキル部分は、1つのヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si、またはP)を含んでよい。ヘテロアルキル部分は、2つの異なっていてもよいヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si、またはP)を含んでよい。ヘテロアルキル部分は、3つの異なっていてもよいヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si、またはP)を含んでよい。ヘテロアルキル部分は、4つの異なっていてもよいヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si、またはP)を含んでよい。ヘテロアルキル部分は、5つの異なっていてもよいヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si、またはP)を含んでよい。ヘテロアルキル部分は、最大で8つの異なっていてもよいヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si、またはP)を含んでよい。
用語「第二級アミド」は、それ自体でまたは別の置換基の一部として、特に明記のない限り、窒素原子が2つの炭素原子に直接結合しているアミドを意味する。
用語「第三級アミド」は、それ自体でまたは別の置換基の一部として、特に明記のない限り、窒素原子が3つの炭素原子に直接結合しているアミドを意味する。
本発明の化合物の説明は、当業者に公知の化学結合の原理に律則される。したがって、ある基が、複数の置換基のうちの1つ以上によって置換されていてよい場合、このような置換は、化学結合の原理に準拠するように、かつ、本質的に不安定でない化合物、ならびに/または、周囲条件、例えば水性、中性、およびいくつかの公知の生理学的条件下で不安定である可能性が高いとして当業者に公知であろう化合物をもたらすように選択される。例えば、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールは、当業者に公知の化学結合の原理に準拠して、環ヘテロ原子を介して分子の残部に結合され、それによって本質的に不安定な化合物を回避する。
用語「処置すること」または「処置」は、軽減;寛解;症状の減少、または傷害、病変もしくは病態を患者にとってより耐容可能にすること;変性または減退の速度を遅らせること;変性の最終点をより消耗性の低いものにすること;患者の身体的または精神的健康を改善することなどのあらゆる客観的または主観的パラメーターを含む、傷害、疾患、病変または病態の処置または改良のあらゆる成功の兆候を指す。症状の処置または改良は、客観的または主観的パラメーター(身体的検査、神経精神医学的検査、および/または精神医学的評価の結果を含む)に基づくことができる。例えば、本明細書における特定の方法は、肥満などの体重増加と関連する疾患を処置する。
「有効量」は、ある化合物について、その化合物が存在しない場合と比べて、言及された目的を成し遂げる(例えば、効果(そのために化合物が投与される)を生み出す、疾患を処置する、酵素活性を低減させる、酵素活性を増加させる、シグナル伝達経路を低減させる、疾患または病態の1つ以上の症状を低減させる)のに十分である量である。「有効量」の一例は、疾患の1つ以上の症状の処置、防止、または低減に寄与するのに十分な量であり、これは「治療有効量」と称することもできる。1つ以上の症状の「低減」(およびこの語句の文法上の等価体)は、症状の重症度もしくは頻度の減少、または症状の排除を意味する。薬物の「予防有効量」は、対象に投与されると、意図される予防的効果、例えば、傷害、疾患、病変もしくは病態の発症(もしくは再発)を防止もしくは遅延させる効果、または、傷害、疾患、病変、もしくは病態、またはそれらの症状の発症(もしくは再発)の可能性を低減させる効果を有するだろう薬物の量である。十分な予防的効果は、一用量の投与によって生じる必要はなく、一連の用量の投与後に初めて生じるものであってよい。したがって、予防有効量は、1回以上の投与で投与されてよい。「活性を減少させる量」は、本明細書において使用される場合、アンタゴニストが存在しない場合と比べて、酵素の活性を減少させるのに必要なアンタゴニストの量を指す。正確な量は、処置の目的に左右されるだろうし、かつ、公知の技術を使用して当業者によって確かめることができよう(例えば、Lieberman, Pharmaceutical Dosage Forms(vols. 1-3, 1992); Lloyd, The Art, Science and Technology of Pharmaceutical Compounding (1999); Pickar, Dosage Calculations (1999); および Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition, 2003, Gennaro, Ed., Lippincott, Williams & Wilkinsを参照のこと)。
用語「関連する(associated)」または「と関連する(associated with)」は、疾患(例えば、肥満)と関連する物質または物質の活性もしくは機能の文脈において、物質または物質の活性もしくは機能によって、疾患が(全体的または部分的に)引き起こされること、または疾患の症状が(全体的または部分的に)引き起こされることを意味する。本明細書において使用される場合、疾患と関連するとして記載されているものは、原因作用物質の場合、疾患の処置の標的でもありうる。例えば、肥満などの体重増加と関連する疾患は、体重増加を減少させるのに有効な作用物質(例えば、本明細書に記載の化合物)で処置され得る。
「対照」または「対照実験」または「標準対照」は、そのごく当たり前の意味に従って使用され、かつ、実験のある手順、試薬、または可変部が省略されている以外は並列実験と同様に実験の対象または試薬が処理される実験を指す。いくつかの例において、対照は、実験の効果を評価する際の比較の標準として使用される。
本明細書において定義される場合、用語「阻害」、「阻害する」、「阻害すること」などは、タンパク質-阻害剤(例えば、アンタゴニスト)相互作用に関して、阻害剤が存在しない場合のタンパク質の活性または機能のレベルと比べて、タンパク質の活性または機能のレベルに負の影響を及ぼすこと(例えば、減少させること)を意味する。いくつかの態様において、阻害は、疾患または疾患の症状の低減を指す。したがって、阻害は、少なくとも部分的に、部分的にまたは完全に、刺激を遮断すること、活性化を減少させること、防止すること、もしくは遅延させること、または、シグナル伝達もしくは酵素活性もしくはタンパク質の量を不活性化すること、脱感作すること、もしくはダウンレギュレーションすることを含み得る。
本明細書において定義される場合、用語「活性化」、「活性化する」、「活性化すること」などは、タンパク質-活性化因子(例えば、アゴニスト)相互作用に関して、活性化因子(例えば、本明細書に記載の化合物)が存在しない場合のタンパク質の活性または機能と比べて、タンパク質の活性または機能に正の影響を及ぼすこと(例えば、増加させること)を意味する。したがって、活性化は、少なくとも部分的に、部分的にまたは完全に、刺激を増加させること、活性化を増加させることもしくは可能にすること、または、疾患において減少されたシグナル伝達もしくは酵素活性もしくは有害なメディエーター/物質の量を活性化すること、感作すること、もしくはアップレギュレーションすることを含み得る。活性化は、少なくとも部分的に、部分的にまたは完全に、刺激を増加させること、活性化を増加させることもしくは可能にすること、または、シグナル伝達もしくは酵素活性もしくは有害なメディエーター/物質の量を活性化すること、感作すること、もしくはアップレギュレーションすることを含み得る。
用語「モジュレーター」は、標的分子のレベルまたは標的分子の機能を増加または減少させる組成物を指す。態様において、モジュレーターは、抗炎症剤である。態様において、モジュレーターは、レプチンの阻害剤である。態様において、モジュレーターは、レプチンリガンドである。
「抗肥満剤」は、体重増加を低減させかつ体重減少を促進する、物質または処置の性質を指す。抗肥満剤の例は、シブトラミン、フェンテルミン、マジンドール、ジエチルプロピオン、レプチン、オルリスタット、ベータ-3 アゴニスト、およびリモナバンであろう。
用語「肥満」は、本明細書において使用される場合、30kg/m2超のボディマス指数を有する患者を指す。「過体重」および「前肥満」は、本明細書において使用される場合、25kg/m2超のボディマス指数を有する患者を指す。「病的肥満」は、本明細書において使用される場合は、40mg/m2超のBMI、1つ以上の併存疾患と組み合わせて35kg/m2超のBMI、制御できない糖尿病と組み合わせて30kg/m2超のBMI、またはこれらの組み合わせを有する患者を指す。
用語「プロドラッグ」は、対象に不活性な(または活性が著しく低い)形態で投与される、薬理学的物質、例えば薬物を指す。投与されると、プロドラッグは、体内(インビボ)で、所望の薬理学的活性を有する化合物へと代謝される。
用語「患者」、「対象」、「個体」などは、本明細書に提供される通りの化合物または薬学的組成物の投与によって処置できる疾患または病態に罹患しているまたは感受性である生体を指す。非限定例は、ヒト、他の哺乳動物、ウシ(bovine)、ラット、マウス、イヌ、ネコ、類人猿、サル、ヤギ、ヒツジ、ウシ(cow)、シカ、および他の非哺乳動物を含む。いくつかの態様において、対象は、イヌまたはネコなどのコンパニオンアニマルである。いくつかの態様において、患者は、ヒトである。いくつかの態様において、患者は、前肥満、肥満または病的肥満である。特定の態様において、患者は、前肥満、肥満、または病的肥満ではないが、以前は前肥満、肥満、または病的肥満であった。いくつかの態様において、患者は、体重減少または食欲減少を望む。あるいはまたは加えて、患者は、肥満関連疾患または障害を有する。これらの例は、非限定的である。用語「対象」、「患者」、「個体」などは、本明細書において使用される場合、限定することを意図しないものとし、一般に互いに置き換えることができる。すなわち、「患者」と記載される個体は、必ずしも所与の疾患を有する必要も医療専門家の看護下にある必要もなく、医学的助言なしにただ処置を求めるまたは処置を受けること(自己処置など)を望んでいればよい。「疾患」または「病態」は、本明細書に提供される化合物、薬学的組成物、または方法で処置できる患者または対象の状態または健康状態を指す。いくつかの態様において、疾患は、体重の増加を有する疾患である。いくつかの態様において、疾患は、肥満である。肥満は、処置されるべき疾患および/または障害の第一要因であっても、原発性の疾患および/または障害の結果によるものであってもよい。
「薬学的に許容される賦形剤」および「薬学的に許容される担体」は、対象への活性剤の投与および対象による吸収を助ける、ならびに、患者に対して顕著な毒物学的悪影響を引き起こすことなしに本発明の組成物に含めることができる、物質を指す。薬学的に許容される賦形剤の非限定例は、水、NaCl、生理食塩液、乳酸リンゲル液、通常スクロース、通常グルコース、結合剤、充填剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤、甘味料、香味剤、塩溶液(リンゲル液など)、アルコール、油、ゼラチン、炭水化物、例えばラクトース、 アミロースまたはデンプン、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリジン、および着色剤などを含む。このような調製物を、滅菌することができ、かつ、所望であれば、本発明の化合物と有害に反応しない助剤、例えば滑沢剤、保存料、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を及ぼす塩、緩衝剤、着色剤、および/または芳香族物質などと混合することができる。当業者は、他の薬学的賦形剤が本発明において有用であることを認識するだろう。
用語「調製物」は、活性化合物とカプセルを提供する担体としての封入材料との製剤を含むことを意図しており、そのカプセル内では、活性成分(他の担体を伴うまたは伴わない)が担体で取り囲まれて、したがって担体が活性成分と結びついている。同様に、カシェ剤およびトローチ剤も含まれる。錠剤、粉剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤、およびトローチ剤を、経口投与に好適な固体剤形として使用することができる。
本明細書において使用される場合、用語「投与すること(工程)」は、経口投与、坐剤としての投与、局所接触、静脈内、非経口、腹腔内、筋肉内、病巣内、髄腔内、頭蓋内、鼻腔内もしくは皮下投与、または遅延放出デバイス、例えば、浸透圧ミニポンプの対象へのインプランテーションを意味する。投与は、非経口および経粘膜(例えば、口腔、舌下、口蓋、歯肉、鼻、膣、直腸、または経皮)を含む任意の経路による。非経口投与は、例えば、静脈内、筋肉内、動脈内(intra-arteriole)、皮内、皮下、腹腔内、心室内、および頭蓋内を含む。他の送達様式は、限定されないが、リポソーム製剤、静脈内注入、経皮パッチ剤などの使用を含む。「同時投与する」とは、本明細書に記載の組成物が、1つ以上の追加の治療薬(例えば、抗肥満剤)の投与と同時に、その直前に、またはその直後に投与されることを意味する。化合物を、患者に、単独で投与することも、同時投与することもできる。同時投与は、化合物の個別または組み合わせ(2種類以上の化合物または薬剤)での同時投与または逐次的投与を含むことを意味する。したがって、調製物はまた、望まれるとき、他の活性物質と組み合わせることもできる(例えば、代謝分解を低減させるために、プロドラッグの分解、および薬物、検出可能な薬剤の放出を増加させるために)。該組成物を、経皮的に、局所経路によって送達することができ、アプリケータースティック、液剤、懸濁剤、乳剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、ペースト剤、ゼリー剤、ペイント剤、粉剤、およびエアロゾル剤として製剤化することができる。経口調製物は、患者による摂取に好適な、錠剤、丸剤、粉剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、トローチ剤、カシェ剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤などを含む。固体形態調製物は、粉剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、および分散性顆粒剤を含む。液体形態調製物は、液剤、懸濁剤、および乳剤、例えば、水または水/プロピレングリコール溶液を含む。該組成物は、持続放出および/または快適性を提供する成分を追加的に含んでよい。このような成分は、高分子量の陰イオン性粘膜模倣ポリマー、ゲル化多糖類および微粉化した薬物担体物質を含む。これらの成分は、米国特許第4,911,920号;第5,403,841号;第5,212,162号;および第4,861,760号においてより詳細に考察されている。これらの特許の内容全体は、全ての目的で参照によってそれらの全体が本明細書に組み入れられる。また、該組成物を、体内での遅延放出のためにミクロスフェアとして送達することもできる。例えば、ミクロスフェアを、皮下的に遅延放出される薬物含有ミクロスフェアの皮内注射を介して、投与することができる(Rao, J. Biomater Sci. Polym. Ed. 7:623-645, 1995を参照のこと;生分解性で注射可能なゲル製剤として(例えば、Gao Pharm. Res. 12:857-863, 1995を参照のこと);または、経口投与用のミクロスフェアとして(例えば、Eyles, J. Pharm. Pharmacol. 49:669-674, 1997を参照のこと)。別の態様において、該組成物の製剤を、細胞膜と融合されているかまたはエンドサイトーシスされるリポソームの使用によって、すなわち、細胞の表面膜タンパク質受容体に結合してエンドサイトーシスをもたらすリポソームに結合した受容体リガンドを利用することによって、送達することができる。リポソームを使用することによって、特に、リポソーム表面が標的細胞に特異的な受容体リガンドを担持しているか、そうでなければ特定の臓器に優先的に指向される場合、該組成物の標的細胞へのインビボ送達に焦点を合わせることができる(例えば、Al-Muhammed, J. Microencapsul. 13:293-306, 1996; Chonn, Curr. Opin. Biotechnol. 6:698-708, 1995; Ostro, Am. J. Hosp. Pharm. 46:1576-1587, 1989を参照のこと)。また、該組成物をナノ粒子として送達することもできる。
II. 化合物
本明細書において、とりわけ、体重減少を促進する、体脂肪を低減させる、食物摂取を低減させる、恒常性を改善する、またはこれらの組み合わせをもたらす組成物が提供される。
好ましい一局面において、前記組成物は、式(I):
Figure 0007034078000018
[式中、
C1とC2との間、C2とR3との間、C3とR4との間、C5とC6との間、C5とC7との間、C1とC6との間、およびC3とC4との間の点線は、原子価が許容する範囲で、単結合が存在しても二重結合が存在してもよいことを示し;
R1は、-CN、-COOH、-COOCH2CH3、-CONHR5、-CONR5R5、-COOR5、-COOCH3、-CH2NR5R5、-CH2OCONR5R5、-CH2NR5COOR5、-CH2R5、-CH2NR5CONR5R5、-CH2OH、-CH2OR5、硫酸アルキル、スルホン酸アルキル、リン酸アルキル、-CH2OSO3R5、-CH2OSO2R5、-CH2OPO3R5R5、-CH2OPO3HR5、-CH2OPO3H2、-C(=NR5)NR5R5、-NR5C(=NR5)NR5R5、-CONH2、-CH2CONR5R5、-SR5、-SO3R5、-SO2R5、-CH2NHCOR5、-CH2NHCNR5NR5R5、-CH2COSR5、CH2NR5COR5、-CH2NR5CNR5NR5R5、-CH2NR5COSR5、-CH2NHSO2R5、-CH2N R5SO2R5、-CHNR5、-CHNOR5、-H、-NH2、-NHR5、-NR5R5、-OH、-OR5、ホスファート、-OPO3R5R5、-OPO3HR5、-OPO3H2、-NCO、-NCS、-N3、-R5、-C≡CR5、-(CH=CH)R5、-SH、-SR5、-SO2H、-SO3H、-SO2NR5R5、-SO3R5、-NHCOR5、-NHCNR5NR5R5、-NHCOSR5、第二級アミド、第三級アミド、-NR5COR5、-NR5C(=NH)NR5R5、-NR5COSR5、-NHC(=NR5)R5、-NR5C(=NR5)R5、-NHSO2(NH2)、-NHSO2R5、-NR5SO2R5、-NR5SO2NR5R5、-OCOR5、-OCONR5R5、-O(C=O)OR5、-SCOR5、-O(C=NH)NR5R5、-OCSNHR5、-OS(=O2)R5、-OS(=O2)NR5R5、-SCONR5R5、-CH2-アリール、-CH2-ヘテロアリール、
Figure 0007034078000019
であり、
R2は、-H、-CH3、-SCH(CH32、-SC(=O)CH3、-SC(=O)R5、-SCH2CH2OCOCH3、-SR5、-SOR5、-SOOR5、-SCONR2
Figure 0007034078000020
であり、
R3は、C1とC2との間、C3とC4との間、およびC5とC6との間に二重結合が存在するとき、-OCOCH3、-OCOOCH2CH3、-OR7、-R7、または-NR5R5であり、
R4は、C1とC2との間、C3とC4との間、およびC5とC6との間に二重結合が存在するとき、-OCOCH3、-OCOOCH2CH3、-OR7、-R7、または-NR5R5であり;
R3は、R4がOでありかつC2とR3との間およびC3とR4との間に二重結合が存在するとき、Oであり;
R4は、R3がOでありかつC2とR3との間に二重結合が存在するとき、-OCH3、-OP(=O)(OCH32、-OH、-OCOOCH2CH3、-OCONHCH2CH3、-OCOOCH(CH32、-OR7、-R7、または-NR5R5であり;R3およびR4はまた、合わさって複素環式または炭素環式環を形成してよく;
R5は、出現毎に独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヘテロシクロアルキル、アルキルアリール、アルケニル、アルキニル、アリール、アミン、またはヘテロアリール(アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、エーテル、1つ以上のアルキルで置換されていてもよいアミン、ハロゲン、ヒドロキシル、エーテル、シアノ、ニトリル、CF3、エステル、アミド、シクロアルキルアミド、糖、アルキルおよび/またはアルコキシで置換されていてもよいヘテロアリールアミド、尿素、カルバマート、チオエーテル、スルファート、スルホニル、スルホン酸カルボン酸、ならびにアリールから個別に選択される置換基で置換されていてもよい)から選択されるか、または、2つのR5基は、一緒になって、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基(アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヘテロシクロアルキル、アルキルアリール、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アミン、ハロゲン、ヒドロキシル、エーテル、ニトリル、シアノ、ニトロ、CF3、エステルアミド、尿素、カルバマート、チオエーテル、またはカルボン酸基から個別に選択される置換基で置換されていてもよい)を形成し;
そして
R7は、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルアリール、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール(アルキル、シクロアルキル、エーテル、アミン、ハロゲン、ヒドロキシル、エーテル、ニトリル、シアノ、ニトリル、CF3、エステル、アミド、尿素、カルバマート、チオエーテル、またはカルボン酸から個別に選択される置換基で置換されていてもよい)である]
で示される構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグを含み得る。
いくつかの態様において、式(I)で示される化合物は、プロドラッグである化合物を含む。
いくつかの態様において、式(I)で示される化合物は、R1が-CONH2である化合物を含み、これは、式(I)-a:
Figure 0007034078000021
[式中、R2、R3、およびR4は各々、式(I)において定義される]
で表すことができる。
いくつかの態様において、R2は、-H、-SCH(CH32、-SC(=O)CH3
Figure 0007034078000022
である。
いくつかの態様において、R3は、-OC(=O)CH3または-OC(=O)OCH2CH3である。
いくつかの態様において、R4は、-OC(=O)CH3または-OC(=O)OCH2CH3である。
式(I)で示される化合物の1つのサブセットは、以下に示される化合物を含む。
Figure 0007034078000023
なお他の態様において、式(I)で示される化合物は、R1が-COOHまたは-COOCH3である化合物を含む。
いくつかの態様において、R2は、-CH3、-SC(=O)CH3、-SCH(CH32、または-SCH2CH2OCOCH3である。
いくつかの態様において、R3は、-OCOCH3または-OHである。
いくつかの態様において、R4は、-OCOCH3または-OHである。
式(I)で示される化合物の1つのサブセットは、以下に示される化合物を含む。
Figure 0007034078000024
いくつかの態様において、式(I)で示される化合物は、R1が-CNまたは-CH2NR5R5、例えば-CH2N(CH32である化合物を含み、これは、以下のそれぞれ、式(I)-bまたは式(I)-cとして表すことができる:
Figure 0007034078000025
[式中、R2、R3、R4およびR5は各々、式(I)において定義される]。
いくつかの態様において、R2は、-SCH(CH32、-SC(=O)CH3、-H、
Figure 0007034078000026
である。
いくつかの態様において、R3は、-OCOCH3である。
いくつかの態様において、R4は、-OCOCH3である。
いくつかの態様において、R3およびR4は、-OCOO-を含む五員複素環を形成する。
いくつかの態様において、R5は、アルキル、好ましくはCH3である。
式(I)で示される化合物の1つのサブセットは、以下に示される化合物を含む。
Figure 0007034078000027
Figure 0007034078000028
いくつかの態様において、式(I)で示される化合物は、R3がOでありかつC2とR3との間およびC3とC4との間に二重結合が存在する化合物を含む。
いくつかの態様において、R1は、-C(=O)OCH2CH3、-CN、-CONH2、-CH2N(CH32
Figure 0007034078000029
である。
いくつかの態様において、R2は、-Hである。
いくつかの態様において、R4は、-OCH3、-OP(=O)(OCH32、-OCH2CH3、-OH、-OCONHCH2CH3、-OCH2COOCH3、-OCOOCH2CH3、-OCH2CH2OH、-OCOOCH(CH32、または-OCH(CH32である。
式(I)で示される化合物の1つのサブセットは、以下に示される化合物を含む。
Figure 0007034078000030
Figure 0007034078000031
いくつかの態様において、式(I)で示される化合物は、R3およびR4がOでありかつC2とR3との間およびC3とR4との間に二重結合が存在する化合物を含む。
いくつかの態様において、R1は、COOH、COOCH3、または
Figure 0007034078000032
である。
いくつかの態様において、R2は、CH3である。
式(I)で示される化合物の1つのサブセットは、以下に示される化合物を含む。
Figure 0007034078000033
いくつかの態様において、R1は、-NR5C(=NR5)NR5R5、-SR5、-SO3R5、-SO2R5、-NH2、-NHR5、-NR5R5、-OH、-OR5、-NCO、-NCS、-N3、-SH、-SR5、-SO2H、-SO3H、-SO2NR5R5、-SO3R5、-NHCOR5、-NHCNR5NR5R5、-NHCOSR5、-NR5COR5、-N R5C(=NH)NR5R5、-NR5COSR5、-NHC(=NR5)R5、-NR5C(=NR5)R5、-NHSO2(NH2)、-NHSO2R5、-NR5SO2R5、-NR5SO2NR5R5、-OCOR5、-OCONR5R5、-O(C=O)OR5、-SCOR5、-O(C=NH)NR5R5、-OCSNHR5、-OS(=O2)R5、-OS(=O2)NR5R5、-SCONR5R5である。
いくつかの態様において、R2は、Hである。
いくつかの態様において、R4は、R3がOでありかつC2とR3との間に二重結合が存在するとき、OH、-OR7、または-R7である。
式(I)で示される化合物の1つのサブセットは、以下に示される化合物を含む。
Figure 0007034078000034
Figure 0007034078000035
いくつかの態様において、前記化合物は、以下を含み得る。
Figure 0007034078000036
別の好ましい局面において、前記組成物は、式(II):
Figure 0007034078000037
[式中、R1は、ORaまたはNRaRbであり、ここで、各RaおよびRbは、独立して、水素、R5、C(=NR5)NR5R5、-CO、-CS、-COR5、-CNR5NR5R5、-COSR5、-C(=NH)NR5R5、-C(=NR5)R5、-SO2(NH2)、-SO2R5、-SO2R5、-SO2NR5R5、-COR5、-CONR5R5、-(C=O)OR5、-(C=NH)NR5R5、-CSNHR5、-S(=O2)R5、または-S(=O2)NR5R5であり、
R5は、式(I)に記載される]
で示される構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグを含み得る。
いくつかの態様において、R1は、NRaRbであり、それは、式(II)-aで表すことができる:
Figure 0007034078000038
[式中、各RaまたはRbは、式(II)において定義される]。
特定の態様において、R1は、NH(CO)R5[式中、R5は、好ましくは、アルキル、シクロアルキル、またはアリールである]であり、それは、式(II)-bで表すことができる:
Figure 0007034078000039
[式中、各RaまたはRbは、式(II)において定義される]。
式(II)で示される例示的な化合物は、以下に示される化合物を含む。
Figure 0007034078000040
Figure 0007034078000041
式(I)および式(II)によって記載される化合物を、当技術分野において公知の方法および本明細書に記載の方法を使用して調製することができる。例えば、セラストロールを、商業的供給源から入手することも、植物、例えばタイワンクロヅル(Tripterygium)から、当技術分野において公知の方法によって単離することもできる(Kutney et al, Can. J. Chem. 59:2677, 1981 および Zhang et al, Acta Pharm. Sin. 212: 592, 1986)。セラストロールを修飾して、式(I)または式(II)で示される化合物にすることができる。調製された化合物は、従来の方法を使用して精製され、不純物を含まない化合物が得られる。調製された化合物は、>75、>80、>85、>90、>95、>96、>97、>98、>99、>99.5%純粋である。任意で、好ましい化合物は、>99%純粋である。
増加されたまたは実質的に増加された経口バイオアベイラビリティのための特性を付与する、式(I)および式(II)で示される化合物がさらに提供される。
いくつかの態様において、式(I)および式(II)で示される化合物は、水、水溶液および/または生理学的溶液中、商業的供給源から入手可能なまたは植物から単離されたセラストロールよりも高いまたはより低い溶解度を有し得る。例えば、該化合物は、水溶液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、例えば、約7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、または7~8のpH)中、約.001μM~約150μM、.01μM~約100μM、0.1μM~約100μM、1μM~約100μM、10μM~約100μM、1μM~約50μM、10μM~約50μM、10μM~約80μM、10μM~約25μM、25μM~約50μM、50μM~約100μM、50μM~約75μM、25μM~約75μMの範囲内の溶解度、または少なくとも約0.1、1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、もしくは100μMである溶解度、または約少なくとも約0.1、1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、もしくは100μM未満の溶解度を有し得る。
いくつかの態様において、式(I)および式(II)で示される化合物は、水、水溶液または生理学的溶液中、増加されたまたは実質的に増加された安定性または半減期を有する。例として、該化合物は、上部もしくは中部胃腸管(GI)、または消化管中、2~8の範囲の種々のpH条件において、実質的に増加された安定性または耐性を有し得る。
いくつかの態様において、式(I)および式(II)で示される化合物は、対象に投与されたとき、増加されたまたは実質的に増加された取り込みを付与する。例として、該化合物は、生体膜を横断する実質的に改善された透過性を有し得る。該化合物は、局所イオン電荷によって疎水性(脂溶性)と親水性の間で好適な均衡を示し得る。
一局面において、本発明の組成物は、肥満を処置するための経口有効性を有する少なくとも1つの化合物を含む。
肥満を処置するための経口有効性を有する例示的な化合物は、以下の化合物を含み得る。
Figure 0007034078000042
別の局面において、前記組成物は、肥満を処置するための腹腔内有効性を有する化合物を含む。
肥満を処置するための腹腔内有効性を有するこれらの化合物の例は、以下の化合物を含み得る。
Figure 0007034078000043
Figure 0007034078000044
III. 処置および診断の方法
上記の化合物を、その必要性のある対象における肥満の処置において使用することができ、この処置は、対象に有効量の式(I)で示される化合物を投与する工程を含む。肥満は、疾患および/または障害の第一要因であっても、疾患および/または障害の結果として引き起こされてもよい。
いくつかの場合において、有効量の式(I)で示される化合物は、前肥満、肥満または病的肥満患者における体重増加を処置する方法として投与され得る。
いくつかの場合において、前肥満、肥満または病的肥満患者における体脂肪を低減させる方法は、有効量の式(I)で示される化合物を投与する工程を含む。体質量または体脂肪は、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、もしくは50%、約5~10%、5~25%、10~25%、10~50%、25~50%、または少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、もしくは50%だけ減少され得る。
いくつかの場合において、前肥満、肥満または病的肥満患者における食物摂取を低減させる方法は、有効量の式(I)で示される化合物を投与することによって成し遂げられる。毎日の平均食物摂取(カロリー換算)は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%以上、または約5~10%、5~25%、10~25%、10~50%、25~50%だけ低減され得る。
いくつかの場合において、有効量の式(I)で示される化合物は、肥満に罹患している患者のボディマス指数(BMI)を低減させるために投与され得る。患者のBMIは、<30kg m-2(正常BMI=20~25kg m-2)の値まで低減され得る。
最後に、前肥満、肥満、または病的肥満患者におけるグルコース恒常性を改善する方法は、式(I)で示される化合物を投与することによって成し遂げられ得る。平均空腹時血漿血糖値は、少なくとも10%、12%、15%、18%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、もしくは50%以上、または約5~10%、5~25%、10~25%、10~50%、25~50%だけ低減され得る。
肥満
肥満は、健康に負の効果を及ぼし得る程度まで過剰な体脂肪が蓄積され、低減された平均余命および/または増加された健康問題へと導く、医学的状態である(Haslam et al., Lancet (Review) 366 (9492): 1197-209, 2005)。西欧諸国では、BMI(人の体重を人の身長の2乗で割ることによって得られる尺度)が30kg/m2を超えると人は肥満と見なされ、25~30kg/m2の範囲で過体重であると定義される。肥満は、種々の疾患、特に心疾患、2型糖尿病、閉塞性睡眠時無呼吸、特定の種類のがん、および骨関節炎の可能性を増加させる(Haslam et al., Lancet (Review) 366 (9492): 1197-209, 2005)。肥満は、過度の食物エネルギー摂取、身体的活動の欠如、および遺伝的感受性の組み合わせによって通常引き起こされるが、主に遺伝子、内分泌障害、薬物治療、または精神病によって引き起こされる例も少数ある。ほとんど食べないが遅い代謝のために体重が増加するという肥満の人が一部いるとの見解を支持する証拠はわずかである。大抵、肥満の人は、増加した体質量を維持するのに必要とされるエネルギーが原因で、痩せた対照体よりも高いエネルギー消費を有する(Kushner, Treatment of the Obese Patient, 2007)。
肥満は、健康に悪影響を及ぼし得る程度まで過剰な体脂肪が蓄積された医学的状態である。それは、BMIによって定義され、かつ、ウエスト-ヒップ比を介した脂肪分布および総心血管リスク因子の観点からさらに評価される(Sweeting et al., Nutr. J. 6 (1): 32, 2007)。BMIは、体脂肪率および総体脂肪の両方に密接に関連している(Gray et al., J. Clin. Epidemiol. 44 (6): 545-50, 1991)。
BMIは、対象の体重を彼らの身長の2乗で割ったものとして定義される。BMIは、通常、体重がキログラム単位で身長がメートル単位で測定されたときに得られる、1平方メートル当たりのキログラム単位で表される。その定義に対しては幾らかの変更がなされており、外科学文献は肥満をさらなるカテゴリーに分類しているが、その正確な値は今も議論されている(Sturm et al., Public Health 121 (7): 492-6, 2007)。BMI≧35または40kg/m2のいずれも重度の肥満である。肥満関連健康状態を経験中の≧35kg/m2、または≧40~44.9kg/m2のBMIは、病的肥満である。≧45または50kg/m2のBMIは、超肥満である。世界保健機関(WHO)は、18.5未満のBMIを低体重と位置付け、栄養失調、摂食障害、または他の健康問題を示す可能性があるとしている一方で、25以上のBMIは過体重と見なされ、30超は肥満と見なされる(World Health Organization, Global Database on Body Mass Index (2006))。WHOのBMI分類スキームの概要は、以下の表1に概説される。
(表1)ボディマス指数分類スキーム
Figure 0007034078000045
視床下部傷害性肥満
視床下部性肥満は、稀有な脳腫瘍の成長から、また他の種類の視床下部への傷害から生じうる複雑な医学的状態である。頭蓋咽頭腫は、視床下部傷害性肥満を引き起こすことがある腫瘍の1つである。視床下部への損傷は、消化管と脳との間の情報伝達を崩壊させ、絶えず空腹感を引き起こす。
視床下部および脳下垂体は、緊密に統合されている。視床下部への損傷は、下垂体の応答性および正常機能に影響を及ぼすだろう。視床下部疾患は、下垂体への不十分なまたは阻害されたシグナル伝達を引き起こし、以下のホルモンのうちの1つ以上の欠乏を導き得る:甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、ベータ-エンドルフィン、黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン、およびメラニン細胞刺激ホルモン。下垂体機能低下症の処置は、ホルモン補充療法を包含する(Pinkney, Pituitary News 17, 2000)。
甲状腺ホルモンは、代謝活性に関与している。甲状腺ホルモンの不十分な産生は、抑制された代謝活性および体重増加をもたらす。視床下部疾患は、それ故、肥満に対して影響を有し得る(Pinkney, Pituitary News 17, 2000);(Ling, Trends in Obesity Research, 2004)。
脂肪肝/NASH
非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)は、過度のアルコール摂取以外の原因で肝臓に脂肪が沈着(脂肪変性)したときに生じる、脂肪肝の原因の1つである。NAFLDは、インスリン抵抗性およびメタボリックシンドロームに関連し、かつ、減量、メトホルミンおよびチアゾリジンジオン類などの、元来は他のインスリン抵抗性状態(例えば、2型真性糖尿病)用に開発された処置に応答し得る(Adams et al. Postgrad. Med. J. 82 (967): 315-22, 2006)。非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、NAFLDの最も極端な形態であり、かつ、原因不明の肝硬変の主な原因と見なされている(Clark et al. JAMA 289 (22):3000-4, 2003)。
NAFLDを有する人の大部分は、症状をほとんど、または全く示さない。患者は、倦怠感、不快感、および鈍い右上腹部不快感を訴え得る。軽度の黄疸が見られることもあるが、これは稀である。通常、NAFLDは、定期血液検査の中の異常肝機能検査を受けて診断される。NAFLDは、インスリン抵抗性およびメタボリックシンドローム(肥満、複合型高脂血症、真性糖尿病(II型)および高血圧)と関連する(Adams et al. Postgrad. Med. J. 82 (967): 315-22, 2006)。
一般的な所見は、上昇した肝酵素および脂肪変性を示す肝臓の超音波検査である。また、胆石の問題(胆石症)を排除するために超音波を使用してもよい。肝生検(組織検査)は、NASHを他の形態の肝疾患から明確に区別するとして広く受け入れられている唯一の検査であり、これを使用して炎症および生じた線維症の重症度を評価することができる(Adams et al. Postgrad. Med. J. 82 (967): 315-22, 2006)。
他の診断検査が利用可能である。関連する血液検査は、赤血球沈降速度、グルコース、アルブミン、および腎機能を含む。肝臓は、血液凝固に使用されるタンパク質を生成するために重要であるので、いくつかの血液凝固に関する研究が頻繁に行われている(とりわけ、INR(国際標準比))。通常、ウイルス性肝炎(A、B、C型肝炎およびEBVまたはCMVのようなヘルペスウイルス)、風疹、および自己免疫関連疾患を除外するために血液検査(血清学)が使用される。甲状腺機能低下症は、NASH患者においてよく見られ、TSHを測定することによって検出されるだろう(Liangpunsakul et al. J. Clin. Gastroenterol. 37(4):340-3, 2003)。
メタボリックシンドローム
メタボリックシンドロームは、以下の医学的状態の5つのうち3つの同時発生によって診断される、エネルギー利用および貯蔵の障害である:腹部(中心性)肥満、血圧の上昇、空腹時血漿グルコースの上昇、高い血清トリグリセリド、および低い高密度リポタンパク質(HDL)レベル。メタボリックシンドロームは、心血管疾患および糖尿病を発症するリスクを増加させる(Kaur, Cardiology Research and Practice, 2014)(Felizola, “Ursolic acid in experimental models and human subjects: potential as an anti-obesity/overweight treatment?” ResearchGate, 2015)。
メタボリックシンドロームの主な兆候は、中心性肥満(内臓男性型またはリンゴ型脂肪症としても公知)、脂肪組織蓄積(特に、ウエスト・胴回りの)を伴う過体重である。メタボリックシンドロームの他の兆候は、高血圧、空腹時血清HDLコレステロールの減少、空腹時血清トリグリセリドレベル(VLDLトリグリセリド)の上昇、空腹時グルコースの異常、インスリン抵抗性、または前糖尿病を含む。関連する病態は、高尿酸血、非アルコール性脂肪肝疾患へと進行する脂肪肝(とりわけ、同時肥満における)、多嚢胞性卵巣症候群(女性における)、勃起機能不全(男性における)、および黒色表皮症を含む。
国際糖尿病連合の疫学と予防に関する特別委員会(International Diabetes Federation Task Force on Epidemiology and Prevention);国立心肺血液研究所(National Heart, Lung, and Blood Institute);米国心臓協会(American Heart Association);世界心臓連合(World Heart Federation);国際動脈硬化学会(International Atherosclerosis Society);および国際肥満研究連合(International Association for the Study of Obesity)の共同暫定声明は、メタボリックシンドロームの定義を統一する指針を発表した(Alberti et al., Circulation 120 (16): 1640-5, 2009)。この定義は、特定のウエストサイズと関連するリスクが集団によって異なるだろうということを認めている。
脳卒中
脳卒中は、脳血管障害(CVA)、脳血管発作(CVI)、または脳発作としても公知であり、脳への血流不足が細胞死をもたらす場合のものである。脳卒中には、主に、血流の欠如が原因の虚血性脳卒中と出血が原因の出血性脳卒中の2種類がある。これらは、脳の一部が正常に機能しない状態をもたらす。脳卒中の兆候および症状は、とりわけ、体の片側の動作もしくは感覚の消失、理解もしくは会話の問題、世界が回転しているような感覚、または片側の視力喪失を含み得る(Donnan et al., Lancet 371 (9624): 1612-23, 2008)。兆候および症状は、脳卒中が生じた直後に現れることが多い。症状が続くのが1または2時間未満の場合、一過性虚血性発作(TIA)として公知である。また、出血性脳卒中は激しい頭痛も伴い得る。
脳卒中の主要なリスク因子は、高血圧である。他のリスク因子は、とりわけ、喫煙、肥満、高い血中コレステロール、真性糖尿病、過去のTIA、および心房細動を含む(Donnan et al., Lancet 371 (9624): 1612-23, 2008)。虚血性脳卒中は、典型的には、血管の閉塞によって引き起こされる。出血性脳卒中は、脳への直接的な出血または脳周辺の空間への出血のいずれかによって引き起こされる(Feigin et al., Stroke 36 (12): 2773-80, 2005)。出血は、脳動脈瘤が原因で生じ得る。診断は、典型的には、身体検査と併せたCTスキャンまたはMRIスキャンなどの医用画像診断による。リスク因子を決定し、他の潜在的な原因を除外するために、心電図(ECG)および血液検査などの他の検査が行われる。
脳卒中は、いくつかの技術を通して診断される:神経学的検査(NIHSSなど)、CTスキャン(ほとんどの場合、コントラスト促進なし)またはMRIスキャン、ドップラー超音波検査、および動脈造影。脳卒中それ自体の診断は、画像診断技術の助けを借りた臨床的な診断である。画像診断技術はまた、脳卒中の亜型および原因の決定にも役立つ。脳卒中の診断それ自体に一般的に使用されている血液検査はまだないが、血液検査は脳卒中の推定原因を見つける助けとなり得る(Hill et al., Clin. Chem. 51 (11): 2001-2, 2005)。
心血管疾患
心血管疾患(CVD)は、心臓または血管が関与する疾患の一種である。心血管疾患は、冠動脈疾患(CAD)、例えばアンギナおよび心筋梗塞(一般に心臓発作として公知)を含む(Shanthi et al., Global Atlas on Cardiovascular Disease Prevention and Control 3-18, 2011)。他のCVDは、脳卒中、高血圧性心疾患、リウマチ性心疾患、心筋症、心房細動、先天性心疾患、心内膜炎、大動脈瘤、および末梢動脈疾患である。
発症機序は、問題となっている疾患に依存して変動する。冠動脈疾患、脳卒中、および末梢動脈疾患は、アテローム性動脈硬化を伴う。これは、とりわけ、高血圧、喫煙、糖尿病、運動不足、肥満、高い血中コレステロール、質の悪い食生活、および過度のアルコール摂取によって引き起こされ得る。高血圧は、CVD死の13%をもたらすが、タバコは9%、糖尿病は6%、運動不足は6%、そして、肥満は5%をもたらす。リウマチ性心疾患は、未処置の連鎖球菌性咽頭炎に続いて起こり得る(Shanthi et al., Global Atlas on Cardiovascular Disease Prevention and Control 3-18, 2011)。
心血管疾患の標準的な検査は、冠動脈石灰化、頸動脈の総プラーク面積、低密度リポタンパク質-pの上昇、および脳性ナトリウム利尿ペプチド(B型としても公知)(BNP)の血中レベルの上昇を含む(Bertazzo et al., Nat. Mat. 12, 576-583, 2013)(Inaba et al., Atherosclerosis 220 (1): 128-33, 2012)(J. Clin. Lipidol. Dec;1(6) 583-92, 2007)(Wang et al., N. Engl. J. Med. 350(7): 655-63, 2004)。
糖尿病
真性糖尿病(DM)は、一般に糖尿病と称され、長期にわたり高い血糖レベルが存在する代謝性疾患の一群である。高血糖の症状は、頻尿、口渇感の増加、および空腹の増加を含む。処置しないで放置すると、糖尿病は、多くの合併症を引き起こしうる(Diabetes Fact sheet No 312”. WHO, 2013)。急性合併症は、糖尿病性ケトアシドーシスおよび非ケトン性高浸透圧性昏睡を含む(Kitabchi, et al., Diabetes Care 32 (7): 1335-43, 2009)。重篤な長期合併症は、心血管疾患、脳卒中、慢性腎不全、足部潰瘍、および目への損傷を含む。
糖尿病は、十分なインスリンを産生しない膵臓または産生されたインスリンに正常に応答しない体細胞のいずれかに起因する(Shoback, Greenspan's Basic & Clinical Endocrinology (9th ed.) (2011))。
真性糖尿病は、再発性または持続性の高血糖によって特徴付けられ、以下のいずれか1つを示すことによって診断される:空腹時血漿グルコースレベル≧7.0mmol/l(126mg/dl);グルコース負荷試験の、75gの経口グルコース負荷の2時間後の血漿グルコース≧11.1mmol/l(200mg/dl);高血糖の症状および随時血漿グルコース≧11.1mmol/l(200mg/dl);ならびに糖化ヘモグロビン(HbA1C)≧48mmol/mol(≧6.5DCCT %)(National Diabetes Clearinghouse (NDIC): National Diabetes Statistics 2011” U.S. Department of Health and Human Services, 2011)(“Diabetes Care” American Diabetes Association, 2010)。
陽性結果は、明確な高血糖がない場合には、上記方法のいずれかを別の日に繰り返すことによって確認されるべきである。測定の容易さからおよび正式なグルコース負荷試験にかなりの時間がかかる(完了に2時間を要し、かつ、空腹時検査に勝る予測上の利点はない)ことから、空腹時グルコースレベルを測定することが好ましい(Saydah et al., Diabetes Care 24 (8): 1397-402, 2001)。現在の定義によれば、2回の空腹時グルコース測定値が126mg/dl(7.0mmol/l)を超えると真性糖尿病と診断されるとしている。
世界保健機関によれば、空腹時グルコースレベルが6.1~6.9mmol/l(110~125mg/dl)である人は、空腹時グルコースの異常を有すると見なされる;75gの経口グルコース負荷の2時間後の血漿グルコースが7.8mmol/l(140mg/dl)以上であるが11.1mmol/l(200mg/dl)を超えない人は、耐糖能異常を有すると見なされる(Definition and diagnosis of diabetes mellitus and intermediate hyperglycemia: report of a WHO/IDF consultation. World Health Organization p. 21, 2006)。これらの2つの前糖尿病状態のうち、特に後者は、末期真性糖尿病、ならびに心血管疾患への進行の主要なリスク因子である。米国糖尿病学会(American Diabetes Association)は、2003年から、空腹時グルコースの異常について5.6~6.9mmol/l(100~125mg/dl)のわずかに異なる範囲を使用している(Bartoli et al., Eur. J. Int. Med. 22 (1): 8-12, 2011)。あらゆる原因の心血管疾患および死のリスクの決定に、糖化ヘモグロビンは空腹時グルコースよりも優れている(Selvin et al., N. Engl. J. Med. 362 (9): 800-11, 2010)。
稀な疾患である尿崩症は、真性糖尿病と類似した症状を有するが、糖代謝の障害がなく(無味(insipidus)は、ラテン語で「味覚なし」を意味する)、かつ、同じ疾患機序を伴わない。糖尿病は、メタボリックシンドロームとして公知の広範な病態の一部である。
高血圧
高血圧は、持続的に高い血圧に基づいて診断される。伝統的に、英国国立医療技術評価機構(National Institute of Clinical Excellence)は、月1回の間隔で3回の別々の血圧計測定を推奨している。米国心臓協会(American Heart Association)は、少なくとも2回の別々の訪問看護毎に少なくとも3回の測定を推奨している(Aronow et al., J. Am. Soc. Hypertension: JASH 5 (4): 259-352, 2011)。これの例外は、とりわけ臓器機能が低下しているときに、非常に高い血圧表示がある場合である。高血圧の人の初期評価は、全病歴および身体検査を含むべきである。24時間携帯型血圧モニターおよび家庭血圧装置が利用可能になり、白衣高血圧を有するものを誤診しないということの重要性から、プロトコルの変化がもたらされた。英国では、現行の成功実践例は、単一の上昇した臨床表示を外来測定で、またはより非理想的になるが、家庭血圧モニタリングで、7日間にわたって追跡調査することである。また、高齢者における偽性高血圧または非圧縮性動脈症候群も考慮する必要があり得る。この病態は、血圧の動脈内測定が正常である一方で血圧計カフで異常に高い血圧表示をもたらす、動脈石灰化に起因すると考えられる(Franklin et al., Hypertension 59 (2): 173-8, 2012)。起立性高血圧は、起立時に血圧が増加する場合のものである。
高脂血症
高脂血症は、血中の脂質および/またはリポタンパク質のいずれかまたは全ての異常に上昇したレベルを伴う(Dorland’s Medical Dictionary for Health Consumers, 2007)。それは、脂質異常症の最も一般的な形態である(あらゆる異常な脂質レベルを含む)。脂質(脂溶性分子)は、タンパク質カプセル中に輸送される。そのカプセルのサイズ、すなわちリポタンパク質のサイズがその密度を決める。リポタンパク質密度およびそれが含有するアポリポタンパク質の種類は、粒子の運命および代謝に対するその影響を決定する。
高脂血症は、一次性および二次性の亜型に分類される。一次性高脂血症は、通常、遺伝的原因(受容体タンパク質の突然変異など)に起因するが、二次性高脂血症は、糖尿病などの他の根本原因に起因して生じる。脂質およびリポタンパク質の異常は、一般集団においてよく見られ、かつ、アテローム性動脈硬化へのその影響に起因して修正可能な心血管疾患のリスク因子と見なされている。加えて、いくつかの形態は、急性膵炎を起こし易い場合がある。
高脂血症は、血清コレステロールの過剰、とりわけ過剰なLDL-Cおよび/または過剰なトリグリセリドによって特徴付けられる障害の一群である。高コレステロール血症は、一般に無症状である。高トリグリセリド血症は、一般に、トリグリセリドレベルが1000mg/dL超で持続するまで無症状である-その後、症状は、皮膚科学的兆候、例えば発疹状黄色腫、および消化管の兆候、例えば膵炎を含む。高脂血症は、ほとんどの場合、遺伝的に決定されるが、異常な食生活、薬物、および特定の疾患状態によって引き起こされることも増幅されることもある。高脂血症と関連する薬物は、免疫抑制療法、チアジド利尿薬、プロゲスチン、レチノイド、アナボリックステロイド、糖質コルチコイド、HIVプロテアーゼ阻害剤、アルコール、レチノイン酸、およびベータ遮断薬を含む。二次性高脂血症と関連する疾患は、真性糖尿病(I型およびII型)、甲状腺機能低下症、クッシング症候群、慢性腎臓疾患、ネフローゼ症候群、および胆汁鬱滞性障害を含む。高脂血症は、アテローム性動脈硬化および心血管疾患(冠動脈心疾患を含む)の主要な修正可能なリスク因子である(Dorland’s Medical Dictionary for Health Consumers, 2007)。
プラダー・ウィリー症候群
プラダー・ウィリー症候群は、大体、新生児10,000人に1人~25,000人に1人が罹る(Killeen, Principles of Molecular Pathology 2004)。プラダー・ウィリー症候群を患う人は世界で400,000人を超える(Tweed, AOL Health, September 2009)。それは、伝統的に、低血圧、低身長、過食、肥満、挙動に関する問題(具体的には、OCDに似た挙動)、小さな手足、性腺機能低下、および軽度の知的障害によって特徴付けられる(Killeen, Principles of Molecular Pathology 2004)。自閉症と同じく、プラダー・ウィリー症候群はスペクトラム障害であり、そして、症状は、軽度から重度の範囲にわたるものでありえ、かつ、人の一生を通して変化し得る。
伝統的に、プラダー・ウィリー症候群は、臨床所見によって診断されてきた。現在は、その症候群は、遺伝子検査を通して診断されており;試験は、顕著な低血圧を有する新生児に対して推奨されている。プラダー・ウィリー症候群の早期診断は、早期介入を可能にする。診断の中心は遺伝子検査、具体的には、15q11~q13染色体上に父親から付与されるプラダー・ウィリー症候群/アンジェルマン症候群(PWS/AS)領域が存在しないことを検出する、DNAベースのメチル化検査である。このような検査は、症例の97%超を検出する。メチル化特異的検査は、全ての個体において、PWSの診断を確定するのに重要ではあるが、とりわけ、臨床的根拠に基づいた診断を行うには若すぎて十分な特徴を現さないもの、または非定型の所見を有する個体においてそうである(Buiting et al., Nat. Genet. 9(4):395-400, 1995)。
バルデー・ビードル症候群
バルデー・ビードル症候群(BBS)は、多くの影響をもたらし、多くの体組織を冒す、ヒト遺伝性繊毛病である。それは主に、肥満、網膜色素変性、多趾症、性腺機能低下、および場合により腎不全によって特徴付けられる(Beales et al., J. Med. Genet. 36(6):437-46, 1999)。
バルデー・ビードル症候群は、家族内および家族間で表現度の差異および広範な臨床上のばらつきが観察される多面的な障害である。主要な臨床的特徴は、桿体錐体ジストロフィー(夜盲症より始まる小児期に発症する視力喪失を伴う);軸後性多趾症;乳児期に現れ成人期を通して問題を抱え続ける体幹の肥満;全てではないが一部の個体における特定の学習困難;男性の性器発育不全症および複雑な女性の泌尿生殖器奇形;ならびに腎機能不全(疾病率および死亡率の主な原因である)である。言語障害/遅延、斜視/白内障/乱視、手足両方の短指症/合指症、部分的な合指症(第二の足指と第三の足指の間が最も一般的)、発達遅延、多尿症/多渇症(腎性尿崩症)、運動失調/協調運動不良/平衡失調、軽度の筋緊張亢進(とりわけ下肢)、真性糖尿病、歯の密生/歯数不足/小さな歯根;高口蓋、心血管奇形、肝臓障害、嗅覚障害、聴覚の欠陥、およびヒルシュスプリング病を含む、BBSと関連していることがある広範な二次的特徴がある(Ross et al. The Clinical, Molecular, and Functional Genetics of Bardet-Biedl Syndrome, in Genetics of Obesity Syndromes, 2008)。
コーエン症候群
この症候群は、8番染色体8q22遺伝子座のCOH1遺伝子の遺伝子突然変異であると考えられている(Kolehmainen et al, Am. J. Hum. Genet. 72(6):1359-69, 2003)。コーエン症候群は、肥満、精神遅滞および頭蓋顔面異形症などのいくつかの特徴を有する。それは、発現にばらつきのある常染色体劣性遺伝性伝達を有する(Kivitie-Kallio et al. Am. J. Med. Genet. 102(2):125-35, 2001)。
コーエン症候群は、臨床検査によって診断されるが、発現のばらつきのため困難であることが多い。眼合併症は、稀ではあるが、視神経萎縮、小眼球症、色素性脈絡網膜炎、昼盲症(明るい光の下で視力減退)、近視、斜視、眼振および虹彩/網膜欠損が挙げられる。一般的な外観は、腕および脚が細い/伸びた肥満である。小顎症、短い人中、および高いアーチ型の口蓋が共通する。また、偶発的発作および難聴を伴う変動性の精神遅滞もコーエン症候群の特徴である。
MOMO症候群
MOMO症候群は、過成長症候群に属しかつ世界中でわずか6例のみが診断されている、極めて稀な遺伝性障害であり、出生1億人に対して1人で生じる。名称は、疾患の4つの主要な局面:巨躯症(Macrosomia)(過度の出生体重)、肥満(Obesity)、巨頭症(Macrocephaly)(過度の頭囲)および眼球異常(Ocular abnormalities)の頭字語である(Moretti-Ferreira et al. Am. J. Med. Genet. 46(5):555-8, 1993)。また、他の共通する症状もある:前額部の下方への傾斜、遅延した骨成熟、精神遅滞。眼球異常は、一般に、網膜欠損および眼振である。
がん
がんは、悪性腫瘍(malignancy)、悪性新生物、または悪性の腫瘍(malignant tumor)としても公知であり、身体の他の部分へ侵入または広がる可能性のある異常な細胞成長を伴う疾患の一群である(Cancer Fact sheet No 297. World Health Organization. February 2014; Defining Cancer. National Cancer Institute. 2014)。良性腫瘍は広がらないため、全ての腫瘍ががん性であるわけではない(Defining Cancer. National Cancer Institute. 2014)。考えられる兆候および症状は、とりわけ、新しい瘤、異常な出血、長引く咳、原因不明の体重減少、および排便の変化を含む(Cancer-Signs and symptoms. NHS Choices. 2014)。これらの症状はがんの徴候でもあり得るが、他の問題によっても生じ得る(Cancer-Signs and symptomss. NHS Choices. 2014)。ヒトが罹る100を超える異なる公知のがんがある(Defining Cancer. National Cancer Institute. 2014)。がんは、身体の他の部分へ侵入または広がる可能性のある異常な細胞成長を伴う疾患の大きな一群である(Cancer Fact sheet No 297. World Health Organization. February 2014; Defining Cancer. National Cancer Institute. 2014)。新生物または腫瘍は、無秩序に成長しかつしばしば塊または瘤を形成するがびまん性に分布することもある、細胞の一群である(Cancer Glossary. cancer.org. American Cancer Society. 2013; What is cancer? cancer.gov. National Cancer Institute.2013)。提唱されているがんの特徴は、1)抗成長シグナルへの非感受性;2)成長シグナル伝達の自給自足;3)血管新生の誘導および持続;4)アポトーシスの回避;5)無限の複製能が可能;ならびに6)転移の活性化および組織の浸潤を含む(Hanahan, Douglas; Weinberg, Robert A.(January 7, 2000). “The hallmarks of cancer”. Cell 100 (1): 57-70)。悪性進行は、正常細胞を、識別可能な塊を形成してがんになることができる細胞にする、多段階プロセスである(Hanahan, Douglas; Weinberg, Robert A. (January 7, 2000). “The hallmarks of cancer”. Cell 100 (1): 57-70; Hanahan, Douglas; Weinberg, Robert A. (2011). “Hallmarks of Cancer: The Next Generation”. Cell 144 (5): 646-74)。
がんは、組織の成長制御不全の疾患である。正常細胞ががん性になるためには、細胞の成長および分化を制御する遺伝子が変更されなければならない(Croce CM (January 2008). “Oncogenes and cancer”. N. Engl. J. Med. 358 (5): 502-11)。影響を受ける遺伝子は、2つの広義のカテゴリーに分類される-腫瘍抑制遺伝子およびがん遺伝子。腫瘍抑制遺伝子は、細胞の分裂および生存を阻害する。がん遺伝子は、細胞の成長および繁殖を促進する。腫瘍抑制遺伝子は、細胞の分裂および生存を阻害する遺伝子である。悪性形質転換は、腫瘍抑制遺伝子の過小発現もしくは無効、正常ながん遺伝子の不適切な過剰発現、または新規がん遺伝子の形成を通して生じうる(Knudson AG (November 2001). “Two genetic hits (more or less) to cancer”. Nature Reviews Cancer 1 (2): 157-62)。がんは、がん遺伝子や腫瘍抑制遺伝子の突然変異、染色体異常およびエピジェネティック変化を含む進行性の遺伝的異常によって駆動される(Baylin SB, Ohm JE (February 2006). “Epigenetic gene silencing in cancer - a mechanism for early oncogenic pathway addiction?”. Nature Reviews Cancer 6 (2): 107-16)。
ほとんどのがんは、兆候もしくは症状の出現によってまたはスクリーニングを通して最初に認識される。確定診断は、病理学者による組織試料の検査を必要とする。がんの疑いのある患者は、CTスキャン、血液検査、内視鏡検査およびX線を含む診断検査を受ける。
本明細書に記載の方法および組成物によって処置される悪性がんは、胃癌、多発性骨髄腫、白血病、リンパ腫、肝細胞癌、腎細胞癌、前立腺癌、脳がん、膠芽腫、黒色腫、乳癌、頭頸部癌、および非小細胞肺癌を含む。
膠芽腫は、多形性膠芽腫(GBM)および悪性度IVの星状細胞腫としても公知であり、最も一般的でかつ最も侵攻性の悪性の一次脳腫瘍である。それは、グリア細胞が関与し、かつ、全ての脳組織腫瘍例の52%および全ての頭蓋内腫瘍の20%を占めている(“Glioblastoma and Malignant Astrocytoma”. American Brain Tumour Association (ABTA) 2014)。GBMと診断された人の約50%が1年以内に、90%が3年以内に死亡する。処置は、化学療法、放射線療法および外科手術を包含することができる。標準治療の放射線療法およびテモゾロミドによる化学療法の生存期間中央値は、15か月である(Johnson, Derek R.; O'Neill, Brian Patrick (2011). “Glioblastoma survival in the United States before and during the temozolomide era”. Journal of Neuro-Oncology 107 (2): 359-64)。処置なしの生存期間中央値は、4 1/2か月である。ランダム化比較試験は行われておらず、外科手術が依然として標準治療である(Van Meir, E. G.; Hadjipanayis, C. G.; Norden, A. D.; Shu, H. K.; Wen, P. Y.; Olson, J. J. (2010). “Exciting New Advances in Neuro-Oncology: The Avenue to a Cure for Malignant Glioma”. CA: A Cancer Journal for Clinicians 60 (3): 166-93)。
その疾患の共通の症状は、てんかん、吐き気および嘔吐、頭痛、記憶喪失、ならびに片側不全麻痺を含むが、1つの最も多く見られる症状は、側頭葉および前頭葉の障害に起因する、進行性の記憶、人格、または神経学的欠損である。生じる症状の種類は、その病理学的特性よりも腫瘍の位置に大きく依存する。腫瘍は、症状を急速に生じ始めることもある、巨大なサイズに達するまで無症状状態のこともある。
MRIで見ると、膠芽腫は、リング状増強病変として現れることが多い。しかしながら、その外観は、他の病変、例えば膿瘍、転移、隆起型多発性硬化症、および他の実体が類似の外観を有し得るので、特異的ではない(Smirniotopoulos, J. G.; Murphy, F. M.; Rushing, E. J.; Rees, J. H.; Schroeder, J. W. (2007). “>From the Archives of the AFIP: Patterns of Contrast Enhancement in the Brain and Meninges”. Radiographics 27 (2): 525-51)。疑いのあるGBMのCTまたはMRIでの確定診断は、定位生検術または開頭術(腫瘍切除および病理学的確認を伴う)を必要とする。腫瘍の悪性度は、腫瘍の最も悪性の部分に基づくため、生検または腫瘍亜全摘は、病変の過小評価をもたらすことができる。灌流MRIを使用した腫瘍血流の画像診断およびMR分光法での腫瘍代謝物濃度の測定は、それぞれ増加した相対脳血液量および増加したコリンピークを示すことによって、膠芽腫の診断における標準MRIに付加価値を与えるだろうが、病理学が依然として黄金基準である(Weerakkody, Yuranga; Gaillard, Frank. “Glioblastoma”. Radiopaedia.org. 2014)。
膠芽腫の診断は、原発性膠芽腫と二次性膠芽腫を区別することに依存する。これらの腫瘍は、それぞれ、自然発生的に生じる(デノボ)または低悪性度神経膠腫から進行する(Bleeker, FE; Molenaar, RJ; Leenstra, S (May 2012). “Recent advances in the molecular understanding of glioblastoma.”. Journal of neuro-oncology 108 (1): 11-27)。原発性膠芽腫は予後が悪く、腫瘍生物学が異なると治療に対する応答も異なり得るので、これが患者の予後および治療を決定するための重要な評価になっている(Weerakkody, Yuranga; Gaillard, Frank. “Glioblastoma”. Radiopaedia.org 2014)。二次性膠芽腫の80%超は、IDH1の突然変異を保有するが、この突然変異は原発性膠芽腫では稀である(5~10%)。したがって、これらの膠芽腫が病理組織学的に非常に類似していることおよび分子バイオマーカーなしでの区別が信頼できないことから、IDH1の突然変異は、将来、原発性膠芽腫と二次性膠芽腫を区別する有用なツールとなり得る(The driver and passenger effects of isocitrate dehydrogenase 1 and 2 mutations in oncogenesis and survival prolongation.”. Biochim Biophys Acta 1846 (2): 326-41. Dec 2014)。
IV. 薬学的組成物
上記の体重減少剤を、本方法における使用に好適な薬学的組成物へと製剤化することができる。このような組成物は、活性剤(式(I)で示される化合物)を薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤と一緒に含む。
いくつかの場合において、薬学的組成物は、式(I)で示される化合物、その薬学的に許容される塩またはプロドラッグと1つ以上の薬学的に許容される賦形剤の組み合わせとを含む。
いくつかの場合において、式(I)で示される化合物を含有する薬学的組成物は、経口投与され、かつ、セラストロールと比較してより高いバイオアベイラビリティを示す。経口バイオアベイラビリティは、セラストロールと比較して少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、80%、90%、または95%以上高くあり得る。さらに、経口バイオアベイラビリティは、式(I)で示される化合物の静脈内バイオアベイラビリティと比較して少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、7%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%高く、かつ/または、該化合物が静脈内に投与されたときのバイオアベイラビリティのレベルの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、7%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%であり得る。
本明細書に提供される薬学的組成物は、治療有効量、すなわち、その意図する目的を達成するのに有効な量で活性成分が含有される組成物を含む。特定の用途に有効な実際の量は、とりわけ、処置されている病態に依存するだろう。疾患を処置する方法で投与されるとき、このような組成物は、所望の結果を達成する、例えば、体重減少を誘導するのに有効な活性成分の量を含有するだろう。化合物の治療有効量の決定は、とりわけ本明細書の詳細な開示に照らして、十分に当業者の技能の範囲内である。
薬学的に許容される塩は、上記の化合物の遊離酸または塩基形態と化学量論量の適切な塩基または酸との、水、有機溶媒、またはその2つの混合物中での反応によって調製することができる。好適な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 20th ed., Lippincott Williams & Wilkins, Baltimore, MD, 2000, p.704; and Handbook of Pharmaceutical salts; Properties, Selection, and Use, P. Heinrich Stahl and Camille G. Wermuth, Eds., Wiley-VCH, Weinheim, 2002に見いだされる。
体重減少剤はまた、上記の化合物のいずれかの薬学的に許容されるプロドラッグであることもできる。プロドラッグは、インビボで代謝されると所望の薬理学的活性を有する化合物へと変換される化合物である。プロドラッグは、上記の化合物中に存在する適切な官能性を、例えば、H. Bundgaar, Design of Prodrugs (1985)に記載の通り「プロ部分」と交換することによって調製することができる。プロドラッグの例は、上記の化合物のエステル、エーテルまたはアミド誘導体を含む。プロドラッグのさらなる考察については、Rautio, J. et al. Nat. Rev. Drug Disc. 7:255-270, 2008を参照されたい。
本明細書に開示の化合物を含む薬学的組成物を調製するため、薬学的に許容される担体は、固体または液体のいずれかであることができる。固体形態調製物は、粉剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、および分散性顆粒剤を含む。固体担体は、希釈剤、着香剤、結合剤、保存料、錠剤崩壊剤、または封入材料としても作用し得る1つ以上の物質であることができる。
粉剤では、担体は、微粉化された活性成分(例えば、本明細書に提供される化合物)との混合物の微粉化固体である。錠剤では、活性成分を、必要な結合特性を有する担体と好適な比率で混合し、所望の形状およびサイズに圧縮する。粉剤および錠剤は、好ましくは、5%~70%の活性化合物を含有する。
好適な固体賦形剤は、限定されないが、炭酸マグネシウム;ステアリン酸マグネシウム;タルク;ペクチン;デキストリン;デンプン;トラガカント;低融点ロウ;ココアバター;炭水化物;ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを非限定的に含む糖、トウモロコシ、コムギ、コメ、ジャガイモ、または他の植物由来のデンプン;セルロース、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはカルボキシメチルセルロースナトリウム;ならびにアラビアおよびトラガカントを含むゴム;ならびに、ゼラチンおよびコラーゲンを非限定的に含むタンパク質を含む。所望であれば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸、またはその塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)などの崩壊剤または可溶化剤を加えてよい。
糖衣錠の核には、好適な被膜、例えば、濃縮糖溶液(アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタンも含有し得る)、ラッカー溶液、および好適な有機溶媒または溶媒混合物が施される。染料または顔料を、生成物同定のためにまたは活性化合物の量(すなわち、投与量)を特徴付けるために、錠剤または糖衣錠の被膜に加えてよい。また、薬学的調製物を、例えば、ゼラチン製の押し込み型カプセル、ならびに、ゼラチンとグリセロールまたはソルビトールなどの被膜とから製造された軟性密封カプセルを使用して、経口使用することもできる。
坐剤を調製するために、低融点ロウ、例えば脂肪酸グリセリドの混合物またはココアバターを最初に溶融し、そして、撹拌することによるなどして活性成分をその中に均一に分散させる。次いで、溶融された均一な混合物を、簡便なサイズの鋳型に注ぎ、放冷し、それによって固化させる。
液体形態調製物は、液剤、懸濁剤、および乳剤、例えば、水または水/プロピレングリコール溶液を含む。非経口注射については、ポリエチレングリコール水溶液中の液剤で液体調製物を製剤化することができる。
非経口適用が必要とされるかまたは望まれるとき、本明細書に開示の塩のための特に好適な混合物は、注射可能な滅菌液剤、好ましくは油性または水性の液剤、ならびに懸濁剤、乳剤、またはインプラント(坐剤を含む)である。特に、非経口投与のための担体は、デキストロースの水溶液、生理食塩水、純水、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ピーナッツ油、ゴマ油、ポリオキシエチレン-ブロックポリマーなどを含む。アンプルは、簡便な単位投与量である。塩はまた、リポソームに組み込むことも、経皮ポンプまたはパッチ剤を介して投与することもできる。本明細書に開示の種々の態様における使用に好適な薬学的混合物は、当業者に周知であり、例えば、Pharmaceutical Sciences (17th Ed., Mack Pub. Co., Easton, PA) および国際公開公報第96/05309号(両方の教示は、参照により本明細書に組み入れられる)に記載されている。
経口使用に好適な水性液剤は、活性塩(例えば、本明細書(態様および例を含む)に記載の化合物)を水に溶解して、所望により好適な着色剤、香味剤、安定剤、および増粘剤を加えることによって調製することができる。経口使用に好適な水性懸濁剤は、微粉化された活性成分を、粘性物質、例えば天然または合成ガム、樹脂、メチルセルロース、シクロデキストリン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアカシアガム、ならびに分散剤または湿潤剤、例えば天然のリン脂質(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール)、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)と共に水に分散させることによって製造することができる。水性懸濁剤はまた、1つ以上の保存料、例えばp-ヒドロキシ安息香酸エチルまたはn-プロピル、1つ以上の着色剤、1つ以上の着香剤および1つ以上の甘味料、例えばスクロース、アスパルテームまたはサッカリンを含有することもできる。製剤をモル浸透圧濃度について調整することができる。
また、使用直前に経口投与用の液体形態調製物へと変換されることが意図される、固体形態調製物も含まれる。このような液体形態は、液剤、懸濁剤、および乳剤を含む。これらの調製物は、活性成分に加えて、着色剤、香味剤、安定剤、緩衝剤、人口および天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含有し得る。
油性懸濁剤は、増粘剤、例えばミツロウ、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含有することができる。甘味料、例えばグリセロール、ソルビトールまたはスクロースを加えて、口当たりの良い経口調製物を提供することができる。アスコルビン酸などの酸化防止剤の添加によって、これらの製剤を保存することができる。注射可能な油性ビヒクルの一例として、Minto, J. Pharmacol. Exp. Ther. 281:93-102, 1997を参照されたい。薬学的製剤はまた、水中油型乳剤の形態であることもできる。油相は、上記の植物油または鉱油、またはこれらの混合物であることができる。好適な乳化剤は、天然ガム(例えば、アラビアガムおよびトラガカントガム)、天然リン脂質(例えば、ダイズレシチン)、脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導されるエステルまたは部分エステル(例えば、モノオレイン酸ソルビタン)、およびこれらの部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)を含む。乳剤はまた、シロップ剤およびエリキシル剤の製剤と同様に、甘味料および着香剤を含有することもできる。このような製剤はまた、粘滑剤、保存料、または着色剤を含有することもできる。
本明細書に開示の化合物を、患者に、単独で投与することも、同時投与することもできる。同時投与は、該化合物の個別または組み合わせ(2つ以上の化合物)での同時投与または逐次的投与を含むことを意味する。したがって、調製物はまた、望まれるとき、他の活性物質と組み合わせることもできる(例えば、体重減少を誘導するために)。
化合物を、経口投与、静脈内投与、局所投与、非経口投与、腹腔内投与、筋肉内投与、髄腔内投与、病巣内投与、頭蓋内投与、鼻腔内投与、眼内投与、心臓内投与、硝子体内投与、骨内投与、脳内投与、動脈内投与、関節内投与、皮内投与、経皮投与、経粘膜投与、舌下投与、腸内投与、口唇下投与、吹送投与、坐剤投与、吸入投与、または皮下投与を非限定的に含む、様々な経路およびアプローチを介して投与することができる。
化合物を、多種多様な経口、非経口および局所剤形で調製および投与することができる。経口調製物は、患者による摂取に好適な、錠剤、丸剤、粉剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、トローチ剤、カシェ剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤などを含む。本明細書に開示の化合物の塩をまた、注射によって、すなわち、静脈内に、筋肉内に、皮内に、皮下に、十二指腸内に、または腹腔内に投与することもできる。また、本明細書に記載の塩を、吸入によって、例えば、鼻腔内に投与することもできる。追加的に、塩を経皮的に投与することができる。また、本明細書に開示の化合物の塩を投与するために複数の投与経路(例えば、筋肉内、経口、経皮)を使用できることも想定される。したがって、薬学的に許容される賦形剤と本明細書に開示される1つまたは複数の化合物の1つ以上の塩とを含む薬学的組成物もまた提供される。
薬学的調製物は、好ましくは単位剤形である。このような形態では、調製物は、適切な量の活性成分を含有する単位用量に細分化される。単位剤形は、パッケージ化された調製物であることができ、そのパッケージは、パッケージ化された錠剤、カプセル剤、およびバイアルまたはアンプル中の粉剤などの、分割量の調製物を含有する。また、単位剤形は、それ自体カプセル剤、錠剤、カシェ剤、もしくはトローチ剤であることも、これらのいずれかが適切な数パッケージ化された形態のものであることもできる。
単位用量調製物中の活性成分の量は、特定の用途および活性成分の効力に従って、体重1kg当たり約0.1μg/kg~約100,000μg/kg、1.0μg/kg~10,000μg/kg、または1μg/kg~5,000μg/kgで変更または調整され得る。単一の単位用量の例は、1、10、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、または5000μg/kgであり得る。前記組成物はまた、所望であれば、他の適合可能な治療剤を含有することもできる。複数の単位用量を24時間の期間内に投与してよい。用量は、経口投与されてよいが、患者の疾患/障害の重症度に応じて他の投与経路を使用してもよい。
いくつかの態様において、式(I)または式(II)で示される化合物の量は、経口投与によって肥満を処置するために、約1.0μg~10,000μg、例えば、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、または5000μg/kg(体重)で変更または調整され得る。いくつかの態様において、式(I)または式(II)で示される化合物の量は、腹腔内投与によって肥満を処置するために、例えば、約1.0μg~10,000μg、例えば、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、または5000μg/kg(体重)で変更または調整され得る。
種々の実施は、本明細書に開示される化合物の経口投与を含む。いくつかの態様において、該化合物は、約0.05~約100mg/kg、約0.1~約0.5mg/kg、約0.1~約1mg/kg、約0.1~約5mg/kg、約0.1~約10mg/kg、約0.1~約25mg/kg、約1~約5mg/kg、約1~約25mg/kg、約5~約25mg/kg、約10~約25mg/kg、約10~約50mg/kg、約25~約50mg/kg、約25~約75mg/kg、または約50~約100mg/kgの用量で投与される。特定の態様において、該化合物は、約0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、または100mg/kgの用量で投与される。用量は、1日当たりまたは1週間当たり、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15回以上投与され得る。例えば、化合物は、1日当たり1回、2回、または3回投与され得る。いくつかの態様において、該化合物は、食事の前(例えば、約1、2、3、4、5、または6時間前)または食事と共に投与される。用量をマウスなどの動物からヒト等価用量へ変換するための方法の非限定例は、当技術分野において公知である。例えば、U.S. Food and Drug Administration Center for Drug Evaluation and Research (CDER) (2005) Guidance For Industry: Estimating the Maximum Safe Starting Dose in Initial Clinical Trials for Therapeutics in Adult Healthy Volunteers(www.fda.gov/downloads/drugs/guidances/ucm078932.pdfから入手可能)を参照されたい。例えば、体表面積に基づいてマウス用量に0.08を掛けることによって、マウス用量(mg/kg)はヒト等価用量(60kgのヒトと仮定)へ変換され得る。
いくつかの化合物は、限定された水溶解度を有し得るので、前記組成物中に界面活性剤または他の適切な共溶媒を必要とし得る。このような共溶媒は、Polysorbate 20、60および80;Pluronic F-68、F-84およびP-103;シクロデキストリン;ポリオキシル35ヒマシ油;または当業者に公知の他の薬剤を含む。このような共溶媒は、典型的には、約0.01重量%~約2重量%の間のレベルで用いられる。
製剤の分注の変動性を減少させ、製剤の懸濁剤もしくは乳剤の成分の物理的分離を減少させ、かつ/または、その他の点で製剤を改善するために、単純な水溶液の粘度よりも高い粘度が望ましい場合がある。このような粘度増強剤は、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸およびその塩、ヒアルロン酸およびその塩、前述の組み合わせ、ならびに当業者に公知の他の薬剤を含む。このような薬剤は、典型的には、約0.01重量%~約2重量%の間のレベルで用いられる。上記補助剤のいずれかの許容量の決定は、当業者によって容易に確認される。
組成物は、持続放出および/または快適性を提供する成分を追加的に含み得る。このような成分は、高分子量の陰イオン性粘膜模倣ポリマー、ゲル化多糖類および微粉化された薬物担体物質を含む。これらの成分は、米国特許第4,911,920号;第5,403,841号;第5,212,162号;および第4,861,760号においてより詳細に考察されている。これらの特許の内容全体は、全ての目的で参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる。
哺乳動物に投与される投与量および頻度(単回または多数回用量)は、様々な要因、例えば、哺乳動物が別の疾患に罹患しているかどうか、ならびに、その投与経路;レシピエントのサイズ、年齢、性別、健康、体重、ボディマス指数、および食生活;処置されている疾患(例えば、肺気腫、喘息、酸素毒性を含むARDS、肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫、嚢胞性線維症、気管支肺異形成症、慢性副鼻腔炎、肺線維症)の症状の性質および程度、同時処置の種類、処置されている疾患由来の合併症、または他の健康関連問題に応じて変動しうる。疾患は、体重増加疾患および/または障害の第一要因であり得る。疾患は、原発性の体重増加疾患および/または障害によって引き起こされ得る。他の治療計画または薬剤を、本明細書に開示の方法および化合物と併せて使用することができる。確立された投与量の調整および操作(例えば、頻度および継続期間)は、十分に当業者の能力の範囲内である。
本明細書に記載の任意の化合物について、その治療有効量を最初に細胞培養アッセイから決定することができる。標的濃度は、本明細書に記載の方法または当技術分野において公知の方法を使用して測定した場合の、本明細書に記載の方法を達成することができる活性化合物の濃度であろう。
当技術分野において周知である通り、ヒトに使用するための治療有効量はまた、動物モデルから決定することもできる。例えば、動物において有効であると見いだされている濃度を達成するように、ヒト用の用量を処方することができる。ヒトにおける投与量は、化合物の有効性をモニタリングし、投与量を上方または下方に調整することによって上記のように調整することができる。上記の方法および他の方法に基づいてヒトにおいて最大効果を達成するよう用量を調整することは、十分に当業者の技能の範囲内である。
投与量は、患者の要件および用いられる化合物に応じて変更され得る。患者に投与される用量は、本開示の文脈において、患者において経時的に有益な治療応答をもたらすのに十分であるべきである。用量のサイズはまた、任意の有害な副作用の存在、性質、および程度によっても決定されるだろう。特定の状況における適正な投与量の決定は、施術者の技術の範囲内である。一般に、処置は、化合物の最適用量未満のより小さい投与量で開始される。その後、その状況下で最適な効果に達するまで投与量を少しずつ増加させる。態様において、投与量範囲は、0.001%~10%(w/v)である。別の態様において、投与量範囲は、0.1%~5%(w/v)である。
投与量および間隔は、投与された化合物のレベルが処置されている特定の臨床適応症に有効となるように個別に調整することができる。これは、個体の疾患状態の重症度に見合った治療計画を提供するだろう。
本明細書に提供される教示を利用して、重大な毒性を引き起こすことなくなおかつ特定の患者が示す臨床症状を治療するのに有効である、有効な予防的または治療的処置計画を立てることができる。この計画は、化合物の効力、相対バイオアベイラビリティ、患者の体重、有害な副作用の存在および重症度、好ましい投与様式ならびに選択された薬剤の毒性プロファイルなどの要因を考慮した活性化合物の慎重な選択を包含すべきである。
特定の化合物についての毒性と治療効果との間の比は、その治療指数であり、LD50(集団の50%において致死的である化合物の量)とED50(集団の50%において有効である化合物の量)との間の比として表すことができる。高い治療指数を示す化合物が好ましい。細胞培養アッセイおよび/または動物研究から得られる治療指数データを、ヒトに使用するための様々な投与量を処方する際に使用することができる。このような化合物の投与量は、好ましくは、毒性をほとんど、または全く伴わないED50を含む、様々な血漿濃度の範囲内にある。投与量は、用いられる剤形および利用される投与経路に応じてこの範囲内で変動し得る。例えば、Fingl et al., In: The Pharmacological Basis of Therapeutics, Ch.1, p.l, 1975を参照されたい。正確な処方、投与経路および投与量は、個々の医師が、患者の状態および化合物が使用される特定の方法に照らして選択することができる。
V. キット
一局面において、本明細書に記載の肥満を処置するために使用される組成物と肥満の処置における使用説明書とを含むキットが本明細書において提供される。いくつかの態様において、キットは、肥満を処置する組成物の経口投与に使用され得、例えば、キットは、経口投与用のアプリケーターをさらに含み得る。いくつかの態様において、キットは、肥満を処置する組成物の腹腔内投与に使用され得る。
以下の実施例は、本発明の特定の具体的な態様を説明するものであり、本発明の範囲を限定することを意味するものではない。
本明細書における態様は、以下の実施例および詳細なプロトコルによってさらに説明される。しかしながら、この実施例は、態様を単に説明するためのものであり、本明細書における範囲を限定するものと解釈されるべきではない。本出願を通して引用される全ての参考文献ならびに公開された特許および特許出願の内容は、参照により本明細書に組み入れられる。
化学
以下の実施例は、本発明の特定の具体的な態様を説明するものであり、本発明の範囲を限定することを意味するものではない。
本明細書における態様は、以下の実施例および詳細なプロトコルによってさらに説明される。しかしながら、この実施例は、態様を単に説明するためのものであり、本明細書における範囲を限定するものと解釈されるべきではない。本出願を通して引用される全ての参考文献ならびに公開された特許および特許出願の内容は、参照により本明細書に組み入れられる。
実施例1
Figure 0007034078000046
DMF(3mL)中のセラストロール(150mg、0.33mmol)の溶液に、EtI(104mg、0.054mL、0.67mmol)およびNa2CO3(70.6mg、0.67mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)によって精製して、生成物(70mg、0.146mmol、収率=44%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000047
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA) B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.2分で5%~95%;流速:2.2ml/分;カラム:Poroshell 120 EC-C18,4.6*30mm,2.7um):rt=2.20分、m/z=479.3 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例2
Figure 0007034078000048
THF(3mL)中のセラストロール(150mg、0.333mmol)の溶液に、EtNH2.HCl(40mg、0.50mmol)、HATU(190mg、0.5mmol)、続いてNEt3(101mg、0.14ml、1mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)によって精製して、生成物(23.5mg、0.0492mmol、収率=15%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000049
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA);B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.7分で5%~95%;流速:2.2ml/分;カラム:SunFire C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.33分、m/z=478.3 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例3
Figure 0007034078000050
THF(5mL)中のセラストロール(200mg、0.44mmol)の溶液に、モルホリン(78mg、0.88mmol)、HATU(254mg、0.66mmol)、続いてDIPEA(114mg、0.16ml、0.88mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)によって精製して、生成物(74mg、0.142mmol、収率=32%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000051
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA);B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.4分で5%~95%;流速:2.3ml/分;カラム:SunFire C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.36分、m/z=520.3 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例4
Figure 0007034078000052
THF(3mL)中のセラストロール(150mg、0.333mmol)の溶液に、1-メチルピペラジン(50mg、0.055mL、0.50mmol)、HATU(190mg、0.5mmol)、続いてNEt3(67.4mg、0.093mmol、0.666mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2/MeOH=10:1)によって精製して、生成物(25.2mg、0.0473mmol、収率=14.2%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000053
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA);B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.7分で5%~95%;流速:2.2ml/分;カラム:SunFire C18,4.6*50mm,3.5um):rt=1.88分、m/z=533.3 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例5
Figure 0007034078000054
THF(3mL)中のセラストロール(200mg、0.44mmol)およびMeNO2(54mg、0.88mmol)の溶液に、THF中1M TBAF溶液(0.22mL、0.22mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。H2O(50mL)の添加によって反応をクエンチした。次いで、溶液をEt2O(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/EtOAc=1:1)によって精製して、生成物(139.6mg、0.273mmol、収率=62%)を淡黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000055
LC-MS(勾配:Bを1.2分で5%~95%;流速:2.2ml/分;カラム:Poroshell 120 EC-C18,4.6*30mm,2.7um):rt=1.86分、m/z=451.2 [M-CH2NO2]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例6
Figure 0007034078000056
DMF(10mL)中のセラストロール(225mg、0.5mmol)の溶液に、NH4Cl(80mg、1.5mmol)、HATU(209mg、0.55mmol)、続いてDIPEA(129mg、0.18mL、1.0mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/EtOAc=1:1)によって精製して、生成物(200mg、0.445mmol、収率=89%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000057
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA);B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.2分で5%~95%;流速:2.2ml/分;カラム:Poroshell 120 EC-C18,4.6*30mm,2.7um):rt=1.81分、m/z=450.4 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例7
Figure 0007034078000058
CH2Cl2(4mL)中のセラストロール(100mg、0.222mmol)の溶液に、NEt3(45mg、0.062mL、0.444mmol)、続いてAcCl(20.9mg、0.019mmol、0.266mmol)を加えた。反応物を0℃で1時間撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(100mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1:1、次いでCH2Cl2/酢酸エチル=1:1)によって精製して、生成物(17.3mg、0.0351mmol、収率=15.8%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000059
LC-MS(移動相:A:H2O(0.01%TFA);B:MeCN(0.01%TFA);勾配:Bを1.2分で5%~95%;流速:2ml/分;カラム:SunFire C18 50*4.6mm, 3.5um):rt=2.19分、m/z=493.2 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例8
Figure 0007034078000060
THF(5mL)中のセラストロール(200mg、0.444mmol)の溶液に、Me2NH.HCl(72.4mg、0.888mmol)、HATU(338mg、0.888mmol)、続いてNEt3(134.8mg、0.186mmol、1.332mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/EtOAc=1:1)によって精製して、生成物(101.4mg、0.212mmol、収率=48%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000061
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA);B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.2分で5%~95%;流速:2.2ml/分;カラム:Poroshell 120 EC-C18,4.6*30mm,2.7um):rt=1.96分、m/z=478.4 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例9
Figure 0007034078000062
アセトン(4mL)中のセラストロールエチルエステルERX1001(200mg、0.418mmol)の溶液に、K2CO3(115mg、0.836mmol)、続いてMeI(1mL)を加えた。反応物を40℃で一晩加熱した。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/EtOAc=2:1)によって精製して、生成物(120mg、0.244mmol、収率=58%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000063
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA);B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.4分で5%~95%;流速:2.3ml/分;カラム:SunFire C18,4.6*50mm, 3.5um):rt=2.78分、m/z=493.3 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例10
Figure 0007034078000064
THF(20mL)中のセラストロールエチルエステルERX1001(160mg、0.33mmol)の溶液に、LiAlH4(50.8mg、1.33mmol)を少量ずつ加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。H2O(5mL)の添加によって反応をクエンチし、0.1M HClによってpH6~7に酸性化した。次いで、溶液をEtOAc(200mL)で希釈し、濾過して、固体を除去した。濾液をブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮して、粗中間体を得た。粗中間体をMeOH(10mL)に溶解し、40℃で加熱しながらO2バルーンにて一晩酸化した。溶液を真空下で濃縮し、残渣を分取TLC(石油エーテル/EtOAc=2:1)によって精製して、生成物(58.5mg、0.134mmol、収率=41%(2工程))を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000065
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA)、B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.7分で5%~95%;流速:2.2ml/分;カラム:SunFire C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.48分、m/z=437.3 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例11
Figure 0007034078000066
EtOH(10mL)中のセラストロール(500mg、1.11mmol)の溶液に、H2O 5mL中のNaHSO3(127mg、1.22mmol)溶液を加えた。反応物を室温で3時間撹拌した。溶液は、ほぼ無色透明になった。溶液を真空下40℃で濃縮乾固して、白色の粉末を得た。十分なEtOHを加えて、粗生成物を溶解した。溶液を濾過し、濾液を真空下(<40℃)で約10mLまで濃縮した。溶液を冷蔵庫で一晩保持した。固体を濾過し、水に溶解した。凍結乾燥後、純粋な生成物(114.7mg、0.207mmol、収率=18.6%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000067
LC-MS(移動相:A:水(10mM炭酸水素アンモニウム);B:CAN;勾配:Bを1.5分で5%~95%;流速:2.0ml/分;カラム:XBridge C18,4.6*50mm,3.5um):rt=1.48分、m/z=530.8 [M-Na]-(陰イオン)、純度=95.47%(214nm)。
実施例12
Figure 0007034078000068
EtOH(10mL)中のセラストロールエチルエステル(500mg、1.045mmol)の溶液に、H2O 5mL中のNaHSO3(119.6mg、1.149mmol)溶液を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。溶液は、淡黄色になった。溶液を真空下40℃で濃縮乾固した。残渣をCH2Cl2(4×10mL)で洗浄し、十分な水に溶解し、一晩凍結乾燥して、生成物(487.6mg、0.837mmol、収率=80%)を淡黄色の固体として得た。生成物は、大気中で徐々に酸化される場合があった。
Figure 0007034078000069
LC-MS(移動相:A:水(10mM炭酸水素アンモニウム);B:ACN;勾配:Bを1.5分で5%~95%;流速:2.0ml/分;カラム:XBridge; C18,4.6*50mm,3.5um):rt=1.83分、m/z=558.8 [M-Na]-(陰イオン)、純度=95.93%(214nm)。
実施例13
Figure 0007034078000070
アセトン(5mL)中のセラストロール(200mg、0.444mmol)の溶液に、K2CO3(184mg、1.332mmol)、続いてPhCH2Br(83.5mg、0.058mL、0.488mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=3:1)によって精製して、粗生成物を得た。しかし、それは十分に純粋ではなかった。次いで、粗生成物を、60℃で加熱しながら石油エーテルでさらに2回洗浄して、生成物(40.6mg、0.0751mmol、収率=17%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000071
LC-MS:(移動相:A:水(0.01%TFA);B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.4分で5%~95%;流速:2.3ml/分;カラム:SunFire C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.91分、m/z=541.3 [M+H]+、純度=97.41%(214nm)、100%(254nm)。
実施例14
Figure 0007034078000072
DMF(2mL)中のセラストロール(200mg、0.444mmol)の溶液に、K2CO3(123mg、0.888mmol)、続いてMeOCH2Br(61mg、0.04mL、0.488mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=5:2)によって精製して、生成物(10.0mg、0.0202mmol、収率=4.6%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000073
LC-MS(移動相:A:水(10mM炭酸水素アンモニウム);B:ACN;勾配:Bを1.5分で5%~95%;流速:2.0ml/分;カラム:XBridge C18,4.6*50mm,3.5um;rt=2.75分、m/z=463.3 [M-OMe]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例15
Figure 0007034078000074
CH2Cl2(10mL)中のERX1006(1.0g、2.22mmol)の溶液に、NEt3(449mg、0.62mL、4.44mmol)、続いてAcCl(261mg、0.24mL、3.33mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。H2O(5mL)の添加によって反応をクエンチした。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=5:1)によって精製して、中間体(910mg、1.92mmol、収率=90%)を黄色の固体として得た。
CH2Cl2(20mL)中の中間体(590mg、1.2mmol)の溶液に、ClCO2CCl3(475mg、2.4mmol)、続いてNEt3(242mg、0.33mL、2.4mmol)を滴下した。反応物を室温で一晩撹拌した。H2O(5mL)の添加によって反応をクエンチした。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=2:1)、次いで逆相分取HPLCによって精製して、中間体(120mg、0.278mmol、収率=23%)を赤色の固体として得た。
CH2Cl2(20mL)中のERX1006(650mg、1.446mmol)の溶液に、(MeO)2P(O)Cl(1044mg、0.78mL、7.23mmol)、続いてNEt3(732mg、0.726mL、7.23mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。H2O(5mL)の添加によって反応をクエンチした。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2/MeOH=30:1)によって精製して、生成物(321mg、0.744mmol、収率=51%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000075
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA);B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.4分で5%~95%;流速:2.3ml/分;カラム:SunFire C18,4.6*50mm, 3.5um):rt=2.38分、m/z=432.3 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例16
Figure 0007034078000076
DMF(4mL)中のセラストロール(300mg、0.666mmol)の溶液に、K2CO3(184mg、1.332mmol)、続いて炭酸1-クロロエチルシクロヘキシルエステル(151mg、0.134mL、0.732mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=5:2)によって2回精製して、異性体1(極性が低い、29.7mg、0.0478mmol、収率=7.2%)および異性体2(極性が高い、20.0mg、0.0322mmol、収率=4.8%)を黄色の固体として得た。異性体1:
Figure 0007034078000077
LC-MS:SP-0012508-089-1-01262-LCMSA043 移動相:A:水(10mM炭酸水素アンモニウム);B:ACN;勾配:Bを1.5分で5%~95%;流速:2.0ml/分;カラム:XBridge C18,4.6*50mm,3.5um):rt=3.11分、m/z=477.4 [M-C6H11OCO2]+、純度=100%(214、254nm)。異性体2:
Figure 0007034078000078
LC-MS(移動相:A:水(10mM炭酸水素アンモニウム);B:ACN;勾配:Bを1.5分で5%~95%;流速:2.0ml/分;カラム:XBridge C18,4.6*50mm,3.5um):rt=3.12分、m/z=477.3 [M-C6H11OCO2]+、純度=94.91%(254nm)。
実施例17
Figure 0007034078000079
MeOH(20mL)中のセラストロール(1.8g、4.0mmol)の溶液に、NaBH4(1.52g、40mmol)を少量ずつ0℃で加えた。反応物を室温で30分間撹拌した。溶液は、赤みがかった色から無色に変化した。0.1M HClによって反応をクエンチし、pH=7に中和した。次いで、混合物をCH2Cl2(2×100mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮して、粗中間体(500mg、1.104mmol、Yd=28%)を白色の固体として得た。
CH2Cl2(20mL)中の粗中間体(300mg、0.66mmol)の溶液に、(MeO)2CMe2(690mg、6.6mmol)、続いてTsOH(12mg、0.066mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、Mg2SO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)によって精製して、生成物(230mg、0.467mmol、収率=71%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000080
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA);B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.2分で5%~95%;流速:2.2ml/分;カラム:Poroshell 120 EC-C18,4.6*30mm,2.7um):rt=2.34分、m/z=493 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例18
Figure 0007034078000081
DMF(10mL)中のセラストロール(200mg、0.444mmol)の溶液に、ピロリジン(63mg、0.074mL、0.888mmol)、HATU(185mg、0.48mmol)、続いてDIPEA(115mg、0.16mL、0.88mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、H2O(2×100mL)、続いてブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)によって精製して、生成物(140mg、0.278mmol、収率=63%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000082
LC-MS:移動相:A:水(0.01%TFA):B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.2分で5%~95%;流速:2.2ml/分;カラム:Poroshell 120 EC-C18,4.6*30mm,2.7um):rt=2.01分、m/z=504.4 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例19
Figure 0007034078000083
DMF(10mL)中のセラストロール(200mg、0.444mmol)の溶液に、ピペリジン(76mg、0.088mL、0.888mmol)、HATU(185mg、0.48mmol)、続いてDIPEA(115mg、0.16mL、0.88mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、水(2×100mL)、続いてブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)によって精製して、生成物(95mg、0.188mmol、収率=42%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000084
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA);B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.4分で5%~95%;流速:2.3ml/分;カラム:SunFire C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.63分、m/z=518.5 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例20
Figure 0007034078000085
THF(5mL)中のセラストロール(200mg、0.444mmol)の溶液に、3-ヒドロキシアゼチジン塩酸塩(97mg、0.888mmol)、HATU(338mg、0.888mmol)、続いてNEt3(180mg、0.25mL、1.776mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1:4)および逆相分取HPLCによって精製して、生成物(80.5mg、0.159mmol、収率=36%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000086
LC-MS(移動相:A:水(10mM炭酸水素アンモニウム);B:ACN;勾配:Bを1.5分で5%~95%;流速:2.0ml/分;カラム:XBridge C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.34分、m/z=556.4 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例21
Figure 0007034078000087
THF(7.5mL)中のセラストロール(300mg、0.666mmol)の溶液に、4-ヒドロキシピペリジン(135mg、1.33mmol)、HATU(507mg、1.33mmol)、続いてNEt3(202mg、0.28mL、2.0mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(300mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1:3)および逆相分取HPLCによって精製して、生成物(34.8mg、0.0652mmol、収率=9.8%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000088
LC-MS(移動相:A:水(10mM炭酸水素アンモニウム);B:ACN;勾配:Bを1.5分で5%~95%;流速:2.0ml/分;カラム:XBridge C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.41分、m/z=534.3 [M+H]+、純度=96.7%(214nm)、100%(254nm)。
実施例22
Figure 0007034078000089
DMF(10mL)中のセラストロール(150mg、0.33mmol)の溶液に、アゼチジン塩酸塩(62mg、0.67mmol)、HATU(139mg、0.36mmol)、続いてDIPEA(86mg、0.12mL、0.67mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1:4)および逆相分取HPLCによって精製して、生成物(96mg、0.196mmol、収率=52%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000090
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA);B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.4分で5%~95%;流速:2.3ml/分;カラム:SunFire C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.38分、m/z=490.4 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例23
Figure 0007034078000091
DMF(10mL)中のセラストロール(300mg、0.666mmol)の溶液に、3-ヒドロキシピロリジン(116mg、1.33mmol)、HATU(279mg、0.73mmol)、続いてDIPEA(172mg、0.24mL、1.33mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(300mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1:5)によって精製して、生成物(110mg、0.212mmol、収率=32%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000092
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA);B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.4分で5%~95%;流速:2.3ml/分;カラム:SunFire C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.23分、m/z=520.3 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例24
Figure 0007034078000093
DMF(15mL)中のセラストロール(200mg、0.444mmol)の溶液に、N-ヒドロキシスクシンイミド(153mg、1.33mmol)、HATU(185mg、0.48mmol)、続いてDIPEA(115mg、0.16mL、0.89mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(300mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2/MeOH=40:1)によって精製して、生成物(80mg、0.146mmol、収率=33%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000094
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA);B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.2分で5%~95%;流速:2.2ml/分;カラム:Poroshell 120 EC-C18,4.6*30mm,2.7um):rt=1.97分、m/z=548.3 [M+H]+、純度=100%(214nm)、97.26%(254nm)。
実施例25
Figure 0007034078000095
CH2Cl2(10mL)中のERX1005(500mg、0.97mmol)の溶液に、(MeO)2CMe2(1.01g、9.7mmol)、続いてp-TsOH.H2O(18mg、0.1mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、飽和NaHCO3(100mL)、続いてブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10:1)によって精製して、中間体(350mg、0.635mmol、収率=65%)を白色の固体として得た。
EtOH(20mL)中の中間体(300mg、0.54mmol)の溶液に、Pd/C(50mg)、続いてH2NNH2.H2O(270mg、5.4mmol)を加えた。反応物を75℃で一晩撹拌した。反応溶液を濾過し、そして、真空下で濃縮した。残渣をCH2Cl2(200mL)で希釈し、水(2×100mL)、続いてブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH=30:1)によって精製して、生成物(160mg、0.29mmol、収率=57%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000096
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA);B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.7分で5%~95%;流速:2.2ml/分;カラム:SunFire C18,4.6*50mm,3.5um):rt=1.98分、m/z=522.3 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例26
Figure 0007034078000097
CH2Cl2(10mL)中のERX1025(90mg、0.17mmol)の溶液に、NEt3(34mg、0.34mmol)、続いてAcCl(20mg、0.26mmol)を加えた。反応物を室温で30分間撹拌した。溶液をCH2Cl2(100mL)で希釈し、飽和NaHCO3(50mL)、続いてブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/EtOAc=10:1)によって精製して、生成物(60mg、0.106mmol、収率=63%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000098
LC-MS(移動相:A:水(10mM炭酸水素アンモニウム);B:ACN;勾配:Bを1.5分で5%~95%;流速:2.0ml/分;カラム:XBridge C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.17分、m/z=564.4 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例27
Figure 0007034078000099
CH2Cl2(20mL)中のSM(860mg、1.746mmol)の溶液に、3,5-ジメチルピラゾール(336mg、3.492mmol)、続いてPDC(647mg、1.746mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。溶液をセライトに通して濾過し、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=4:1)によって精製して、生成物(410mg、0.809mmol、収率=46%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000100
LC-MS(移動相:A:H2O(0.01%TFA);B:MeCN(0.01%TFA);勾配:Bを1.2分で5%~95%;流速:2ml/分;カラム:SunFire C18 50*4.6mm,3.5um):rt=2.39分、m/z=507.3 [M+H]+、純度=99.28%(214nm)、100%(254nm)。
実施例28
Figure 0007034078000101
THF(10mL)中のERX1017(300mg、0.61mmol)の溶液に、LiAlH4(70mg、1.83mmol)を少量ずつ加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。水(5mL)の添加によって反応をクエンチした。溶液をEtOAc(200mL)で希釈し、濾過した。濾液を分離し、そして、有機層をブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10:1)によって精製して、中間体(180mg、0.376mmol、収率=62%)を白色の固体として得た。
CH2Cl2(10mL)中の中間体(150mg、0.31mmol)の溶液に、NEt3(63mg、0.62mmol)、続いてMsCl(71mg、0.62mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10:1)によって精製して、中間体(160mg、0.287mmol、収率=93%)を白色の固体として得た。
DMF(5mL)中の中間体(170mg、0.305mmol)の溶液に、KCN(99mg、1.528mmol)および18-クラウン-6(403mg、1.528)を加えた。反応物を、マイクロ波反応器内、120℃で6時間加熱した。溶液をEtOAc(200mL)で希釈し、水(2×100mL)、続いてブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製して、生成物(110mg、0.226mmol、収率=74%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000102
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA);B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.2分で5%~95%;流速:2.2ml/分;カラム:Poroshell 120 EC-C18,4.6*30mm,2.7um):rt=2.35分、積分されたMSピークなし、純度=100%(214、254nm)。
実施例29
Figure 0007034078000103
DMF(10mL)中のセラストロール(150mg、0.33mmol)の溶液に、2-アミノ-1,3-プロパンジオール(91mg、1.0mmol)、HATU(139mg、0.36mmol)、続いてDIPEA(129mg、0.17mL、1.0mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、水(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2/MeOH=8:1)によって精製して、生成物(60mg、0.115mmol、収率=35%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000104
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA) B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.4分で5%~95%;流速:2.3ml/分;カラム:SunFire C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.08分、m/z=524.3 [M+H]+、純度=95.73%(214nm)。
実施例30
Figure 0007034078000105
THF(5mL)中のSM(90mg、0.178mmol)の溶液に濃HCl(1mL)を加えた。反応物を70℃で2日間撹拌した。次いで、大部分のTHF溶媒を真空下で除去した。残渣をCH2Cl2(200mL)で希釈し、水層を分離し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2/MeOH=10:1)によって精製して、生成物(4.4mg、0.00943mmol、収率=5.3%)を淡黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000106
LC-MS(移動相:A:H2O(0.01%TFA);B:MeCN(0.01%TFA);勾配:Bを1.2分で5%~95%;流速:2ml/分;カラム:SunFire C18 50*4.6mm,3.5um):rt=2.05分、m/z=467 [M+H]+、純度=97.30% 9214nm)、97.25%(254nm)。
実施例31
Figure 0007034078000107
アセトン(2mL)中のERX1006(60mg、0.133mmol)の溶液に、K2CO3(37mg、0.267mmol)、続いてMeI(1mL)を加えた。反応物を40℃で一晩撹拌した。混合物をCH2Cl2(300mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1:2)によって精製して、生成物(38.4mg、0.0826mmol、収率=62%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000108
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA);B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.4分で5%~95%;流速:2.3ml/分;カラム:SunFire C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.16分、m/z=464.3 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例32
Figure 0007034078000109
THF(15mL)中のERX1006(100mg、0.22mmol)の溶液に、K2CO3(46mg、0.33mmol)、続いてBrCH2CO2Me(51mg、0.032mL、0.33mmol)を加えた。反応物を50℃で一晩撹拌した。混合物をCH2Cl2(200mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/EtOAc=1:1)によって精製して、生成物(40mg、0.077mmol、収率=35%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000110
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA);B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.4分で5%~95%;流速:2.3ml/分;カラム:SunFire C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.16分、m/z=522.3 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例33
Figure 0007034078000111
CH2Cl2(5mL)中のERX1006(300mg、0.667mmol)の溶液に、Et3N(135mg、0.19mL、1.334mmol)、続いてClCO2Et(145mg、0.13mL、1.334mmol)を0℃で滴下した。反応物を室温で一晩撹拌した。混合物をCH2Cl2(300mL)で希釈し、ブライン(200mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2/MeOH=10:1)によって精製して、生成物(150.6mg、0.289mmol、収率=43%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000112
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA);B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.4分で5%~95%;流速:2.3ml/分;カラム:SunFire C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.15分、m/z=522.3 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例34
Figure 0007034078000113
(CH2Cl)2(10mL)中のERX1006(300mg、0.667mmol)の溶液に、Et3N(202mg、0.28mL、2.0mmol)、続いてEtNCO(142mg、0.158mL、2.0mmol)を加えた。反応物を55℃で一晩撹拌した。混合物をCH2Cl2(300mL)で希釈し、ブライン(200mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2/MeOH=20:1)によって精製して、未反応のSMを除去した。次いで、粗生成物を酢酸エチル20mLと共に80℃で加熱した。固体を濾過し、分取TLC(酢酸エチル/CH2Cl2=3:1)によってさらに精製して、生成物(74.7mg、0.143mmol、収率=22%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000114
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA);B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.4分で5%~95%;流速:2.3ml/分;カラム:SunFire C18,4.6*50mm,3.5um;rt=2.06分、m/z=521.4 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例35
Figure 0007034078000115
CH2Cl2(5mL)中のSM(160mg、0.345mmol)の溶液に、ClCO2CCl3(341mg、0.21mL、1.725mmol)、続いてNEt3(175mg、0.24mL、1.725mmol)を0℃で滴下した。反応物を室温で一晩撹拌した。混合物をCH2Cl2(300mL)で希釈し、ブライン(200mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2/MeOH=30:1)によって精製して、生成物(71mg、0.159mmol、収率=46%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000116
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA);B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.4分で5%~95%;流速:2.3ml/分;カラム:SunFire C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.33分、m/z=446.3 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例36
Figure 0007034078000117
アセトン(2mL)中のSM(100mg、0.232mmol)の溶液に、K2CO3(64mg、0.463mmol)、続いてBrCH2CO2Me(71mg、0.044mL、0.463mmol)を加えた。反応物を55℃で一晩撹拌した。混合物をCH2Cl2(200mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2/EtOAc=10:1)によって精製して、粗生成物を得た。粗生成物を、Et2O(2×2mL)でさらに洗浄して、純粋な生成物(55mg、0.109mmol、収率=47%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000118
LC-MS(移動相:A:水(0.1%TFA);B:ACN(0.1%TFA);勾配:Bを1.2分で5%~95%;流速:2.2ml/分;カラム:Poroshell 120 EC-C18,4.6*30mm,2.7um):rt=1.94分、m/z=504.3 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例37
Figure 0007034078000119
CH2Cl2(5mL)中のERX1015(120mg、0.278mmol)の溶液に、Et3N(84mg、0.12mL、0.834mmol)、続いてClCO2Et(91mg、0.834mL、0.834mmol)を0℃で滴下した。反応物を室温で一晩撹拌した。混合物をCH2Cl2(300mL)で希釈し、ブライン(200mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2/MeOH=50:1)によって精製して、生成物(97.3mg、0.193mmol、収率=69%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000120
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA);B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.2分で5%~95%;流速:2.2ml/分;カラム:Poroshell 120 EC-C18,4.6*30mm,2.7um):rt=1.92分、m/z=504.4 [M+H]+、純度=98.02%(214nm)、97.42%(254nm)。
実施例38
Figure 0007034078000121
(CH2Cl)2(5mL)中のERX1015(100mg、0.232mmol)の溶液に、Et3N(117mg、0.16mL、1.158mmol)、続いてEtNCO(82mg、0.0917mL、1.158mmol)を加えた。反応物を50℃で一晩撹拌した。混合物をCH2Cl2(300mL)で希釈し、ブライン(200mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2/MeOH=20:1)によって精製して、生成物(59.6mg、0.119mmol、収率=51%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000122
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA);B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.2分で5%~95%;流速:2.2ml/分;カラム:Poroshell 120 EC-C18,4.6*30mm,2.7um):rt=1.83分、m/z=503.4 [M+H]+、純度=95.00%(214nm)、98.55%(254nm)。
実施例39
Figure 0007034078000123
CH2Cl2(10mL)中のERX1015(100mg、0.23mmol)の溶液に、NEt3(47mg、0.065mL、0.46mmol)、続いて(MeO)2P(O)Cl(70mg、0.052mL、0.46mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。混合物をCH2Cl2(200mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/EtOAc=2:1)によって精製して、生成物(28mg、0.0519mmol、収率=23%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000124
LC-MS(移動相:A:水(0.1%TFA);B:ACN(0.1%TFA);勾配:Bを1.2分で5%~95%;流速:2.2ml/分;カラム:Poroshell 120 EC-C18,4.6*30mm,2.7um):rt=1.82分、m/z=540.3 [M+H]+、純度=94.11%(254nm)。
実施例40
Figure 0007034078000125
THF(15mL)中のERX1006(250mg、0.56mmol)の溶液に、1M BH3.THF(1.67mL、1.67mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。水(5mL)の添加によって反応をクエンチした。大部分の溶媒を真空下で除去し、そして、0.1M HClによって溶液をpH5~6に酸性化した。混合物をCH2Cl2(200mL)で希釈し、濾過した。濾液をブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮して、粗生成物(250mg、0.554mmol、Yd=100%)を白色の固体として得た。粗物質をさらに精製することなく次の工程に使用した。
CH2Cl2(15mL)中の中間体(250mg、0.56mmol)の溶液に、NEt3(224mg、0.31mL、2.21mmol)、続いてAcCl(174mg、2.21mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。水(5mL)の添加によって反応をクエンチした。混合物をCH2Cl2(200mL)で希釈し、飽和Na2CO3(2×100mL)、続いてブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/EtOAc=10:1)によって精製して、生成物(40mg、0.0773mmol、Yd=14%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000126
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA);B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.2分で5%~95%;流速:2.2ml/分;カラム:Poroshell 120 EC-C18,4.6*30mm,2.7um):rt=2.06分、m/z=518.3 [M+H]+、純度=97.21%(214nm)。
実施例41
Figure 0007034078000127
CH2Cl2(10mL)中の中間体(300mg、0.66mmol)の溶液に、NEt3(134mg、0.18mL、1.32mmol)、続いて(Cl3CO)2CO(395mg、1.32mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。水(5mL)の添加によって反応をクエンチした。混合物をCH2Cl2(200mL)で希釈し、飽和Na2CO3(2×100mL)、続いてブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/EtOAc=10:1)によって精製して、生成物(70mg、0.152mmol、Yd=18%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000128
LC-MS(移動相:A:水(0.1%TFA);B:ACN(0.1%TFA);勾配:Bを1.2分で5%~95%;流速:2.2ml/分;カラム:Poroshell 120 EC-C18,4.6*30mm,2.7um):rt=2.23分、m/z=460.3 [M+H]+、純度=97.77%(214nm)。
実施例42
Figure 0007034078000129
無水THF(40mL)中のERX1008(477mg、1.0mmol)の溶液に、LiAlH4(2.38g、75mmol)を加えた。混合物を一晩還流した。飽和NH4Cl溶液によって反応をクエンチした。混合物を50℃で2時間加熱し、シリカゲルの薄層に通して濾過した。固体をTHF(3×50mL)で洗浄した。合わせた濾液を真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2:MeOH=10:1)によって精製して、生成物(23.9mg、0.0515mmol、Yd=5%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000130
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA) B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.4分で5%~95%;流速:2.3ml/分;カラム:SunFire C18,4.6*50mm,3.5um):rt=1.83分、m/z=480.4 [M+H]+、純度=98.20%(214nm)、99.51%(254nm)。
実施例43
Figure 0007034078000131
MeOH(3mL)中のセラストロール(100mg、0.222mmol)の溶液に、i-C3H7SH(84.5mg、0.10mL、1.11mmol)を加えた。反応物を室温で3時間撹拌した。溶液は、赤色から淡い赤みがかった黄色に変化した。次いで、溶液を真空下で濃縮して粗混合物を得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
Ac2O(4mL)中の粗混合物(117mg、0.222mmol、理論量)にピリジン(0.5mL)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=5:2)によって精製して、生成物(85.2mg、0.139mmol、全収率=63%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000132
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA) B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.7分で5%~95%;流速:2.2ml/分、カラム:SunFire C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.68分、m/z=535.2 [M-C3H7S]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例44
Figure 0007034078000133
MeOH(10mL)中のセラストロール(50mg、0.111mmol)の溶液に、i-C3H7SH(44mg、0.58mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。溶液は、赤色からほぼ無色に変化した。次いで、溶液を真空下で濃縮して粗混合物を得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
Ac2O(3mL)中の粗混合物(56.3mg、0.111mmol、理論量)にピリジン(91mg、1.2mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=4:1)によって精製して、生成物(35mg、0.059mmol、全収率=49%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000134
LC-MS(移動相:A:水(0.1%TFA) B:ACN(0.1%TFA);勾配:Bを1.2分で5%~95%;流速:2.2ml/分;カラム:Poroshell 120 EC-C18, 4.6*30mm,2.7um):rt=2.11分、m/z=516.3 [M-C3H7S]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例45
Figure 0007034078000135
THF(3mL)中のSM(50mg、0.116mmol)の溶液に、4-メチルベンゼンチオール(144mg、1.16mmol)を加えた。反応物を室温で3時間撹拌した。溶液は、深い赤みがかった色から淡い赤みがかった色に変化した。次いで、溶液を真空下で濃縮して粗混合物を得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
Ac2O(2mL)中の粗混合物(64.5mg、0.116mmol、理論量)にピリジン(0.25mL)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=5:2)によって精製して、生成物(62.4mg、0.0975mmol、全収率=84%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000136
LC-MS(移動相:A:水(0.1%TFA) B:ACN(0.1%TFA);勾配:Bを1.2分で5%~95%;流速:2.2ml/分;カラム:Poroshell 120 EC-C18,4.6*30mm,2.7um):rt=2.17分、m/z=516.3 [M-C7H7S]+、純度=98.54%(214nm)、96.35%(254nm)。
実施例46
Figure 0007034078000137
THF(2mL)中のSM(50mg、0.116mmol)の溶液に、4-アセトアミドチオフェノール(58mg、0.348mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。溶液は、深い赤みがかった色から淡い赤みがかった色に変化した。次いで、溶液を真空下で濃縮して粗混合物を得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
Ac2O(2mL)中の粗混合物(69.4mg、0.116mmol、理論量)にピリジン(0.5mL)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/EtOAc=1:1)によって精製して、生成物(45.1mg、0.066mmol、全収率=57%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000138
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA) B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.4分で5%~95%;流速:2.3ml/分;カラム:SunFire C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.26分、m/z=684.4 [M+H]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例47
Figure 0007034078000139
MeOH(3mL)中のERX1006(90mg、0.2mmol)の溶液に、i-C3H7SH(23mg、0.3mmol)を加えた。反応物を室温で2時間撹拌した。溶液は、赤色から淡黄色に変化した。次いで、溶液を真空下で濃縮して、粗混合物を得た。
Ac2O(4mL)中の上で調製した粗混合物にピリジン(0.5mL)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLC(石油エーテル/アセトン=1:1)によって精製して、生成物(46.6mg、0.0764mmol、全収率=38%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000140
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA) B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.7分で5%~95%;流速:2.2ml/分;カラム:SunFire C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.50分、m/z=610.3 [M+H]+、純度=96.87%(214nm)。
実施例48
Figure 0007034078000141
MeOH(6mL)中のセラストロール(200mg、0.44mmol)の溶液にp-MeC6H4SH(82mg、0.66mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。溶液は、赤色から淡黄色に変化した。次いで、溶液を真空下で濃縮して、粗混合物を得た。
Ac2O(8mL)中の上で調製した粗混合物にピリジン(1mL)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)によって精製して、生成物(30mg、0.0457mmol、収率=10%)を白色の固体として得た。
DMF(10mL)中の化合物2(100mg、0.15mmol)の溶液に、NH4Cl(18mg、0.34mmol)、HATU(65mg、0.17mmol)、続いてDIPEA(39mg、0.3mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をEtOAc(200mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(EtOAc)によって精製して、生成物(30mg、0.0456mmol、収率=30%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000142
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA) B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.4分で5%~95%;流速:2.3ml/分;カラム:SunFire C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.47分、純度=98.43%(214nm)、100%(254nm)。
実施例49
Figure 0007034078000143
MeOH(15mL)中のERX1006(500mg、11.0mmol)の溶液に、4-アセトアミドチオフェノール(250mg、16.0mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。溶液は、深い赤みがかった色から淡い赤みがかった色に変化した。次いで、溶液を真空下で濃縮して、粗混合物を得た。
Ac2O(20mL)中の上で調製した粗混合物にピリジン(2.5mL)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(EtOAc)によって精製して、生成物(250mg、0.357mmol、収率=51%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000144
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA) B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.4分で5%~95%;流速:2.3ml/分;カラム:SunFire C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.13分、m/z=701.3 [M+H]+、純度=99.36%(214nm)、97.26%(254nm)。
実施例50
Figure 0007034078000145
THF(3mL)中のSM(50mg、0.116mmol)の溶液に、4-フルオロベンゼンチオール(74mg、0.579mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。溶液は、深い赤みがかった色から淡い赤みがかった色に変化した。次いで、溶液を真空下で濃縮して粗混合物を得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
Ac2O(2mL)中の粗混合物(74.7mg、0.116mmol、理論量)にピリジン(0.5mL)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/EtOAc=3:1)によって精製して、生成物(18.2mg、0.0283mmol、収率=24%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000146
LC-MS(移動相:A:水(0.1%TFA) B:ACN(0.1%TFA);勾配:Bを1.2分で5%~95%;流速:2.2ml/分;カラム:Poroshell 120 EC-C18,4.6*30mm,2.7um):rt=2.10分、m/z=516.3 [M-FC6H4S]+、純度=97.87%(214nm)、99.10%(254nm)。
実施例51
Figure 0007034078000147
MeOH(5mL)中のセラストロール(50mg、0.116mmol)の溶液に、4-ヒドロキシベンゼンチオール(44mg、0.348mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。溶液は、赤色からほぼ無色に変化した。次いで、溶液を真空下で濃縮して粗混合物を得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
Ac2O(3mL)中の粗混合物(61.9mg、0.116mmol、理論量)にピリジン(0.3mL)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=3:1)によって精製して、生成物(20mg、0.0292mmol、収率=18%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000148
LC-MS(移動相:A:水(0.1%TFA) B:ACN(0.1%TFA);勾配:Bを1.2分で5%~95%;流速:2.2ml/分;カラム:Poroshell 120 EC-C18,4.6*30mm,2.7um):rt=2.01分、m/z=516.3 [M-MeCO2C6H4S]+、純度=100%(214nm)、99.7%(254nm)。
実施例52
Figure 0007034078000149
MeOH(6mL)中のセラストロール(200mg、0.44mmol)の溶液に、HSCH2CH2OH(53mg、0.67mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。溶液は、赤色から淡黄色に変化した。次いで、溶液を真空下で濃縮して、粗混合物を得た。
Ac2O(8mL)中の上で調製した粗混合物にピリジン(1mL)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(EtOAc)によって精製して、生成物(20mg、0.0305mmol、収率=7%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000150
LC-MS:rt=2.33分、m/z=535.3 [M-MeCO2CH2CH2S]+、純度=95.75%(214nm)。
実施例53
Figure 0007034078000151
DMF(3mL)中のセラストロール(300mg、0.666mmol)の溶液に、K2CO3(184mg、1.332mmol)、続いてCH3I(141mg、0.061ml、0.732mmol)を加えた。反応物を室温で2時間撹拌した。大量の固体が出現した。混合物をH2O(30mL)で希釈し、濾過した。固体をCH2Cl2(300mL)で溶解し、H2O(2×100mL)、続いてブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=3:1)によって精製して、生成物(87.6mg、0.189mmol、収率=28%)を赤みがかった黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000152
LC-MS(移動相:A:水(10mM炭酸水素アンモニウム) B:ACN;勾配:Bを1.5分で5%~95%;流速:2.0ml/分;カラム:XBridge C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.77分、m/z=465.4 [M+H]+、純度=97.25%(214nm)、99.77%(254nm)。
実施例54
Figure 0007034078000153
MeOH(20mL)中のセラストロール(200mg、0.44mmol)の溶液に、MeCOSH(51mg、0.67mmol)を加えた。反応物を室温で0.5時間撹拌した。溶液は、赤色から淡黄色に変化した。次いで、溶液を真空下で濃縮して、粗混合物を得た。
Ac2O(8mL)中の上で調製した粗混合物にピリジン(1mL)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(EtOAc)によって精製して、生成物(131mg、0.214mmol、収率=49%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000154
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA) B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.7分で5%~95%;流速:2.2ml/分;カラム:SunFire C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.49 & 2.52分、2つのピーク。
実施例55
Figure 0007034078000155
MeOH(10mL)中のERX1006(200mg、0.445mmol)の溶液に、NaBH4(168mg、4.445mmol)を少量ずつ加えた。溶液は、赤みがかった色から無色に変化した。反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、0.1M HClによって反応をクエンチし、0.1M HClによってpH5~6に酸性化した。混合物をCH2Cl2(300mL)で希釈し、濾過し、分離した。有機層をブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮して粗中間体を得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
CH2Cl2(10mL)中の粗混合物(201mg、0.445mmol、理論量)に、NEt3(180mg、0.25mL、1.78mmol)、続いてEtCO2Cl(193mg、0.17mmol、1.78mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=2:3)によって精製して、生成物(89.3mg、0.150mmol、収率=34%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000156
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA) B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.4分で5%~95%;流速:2.3ml/分;カラム:SunFire C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.39分、m/z=596.3 [M+H]+、純度=97.29%(214nm)。
実施例56
Figure 0007034078000157
MeOH(10mL)中のERX1006(200mg、0.445mmol)の溶液に、i-PrSH(101.7mg、0.124mL、1.335mmol)を加えた。溶液は、赤みがかった色から淡黄色に変化した。反応物を室温で0.5時間撹拌した。溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、H2O(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮して粗中間体を得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
CH2Cl2(10mL)中の粗混合物(234mg、0.445mmol、理論量)に、NEt3(225mg、0.31mL、2.225mmol)、続いてEtCO2Cl(241mg、0.21mmol、2.225mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=2:3)によって精製して、生成物(145.6mg、0.217mmol、収率=49%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000158
LC-MS(移動相:A:水(10mM炭酸水素アンモニウム) B:ACN;勾配:Bを1.5分で5%~95%;流速:2.0ml/分;カラム:XBridge C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.69分、m/z=594.2 [M-C3H7S]+、純度=100%(214、254nm)。
実施例57
Figure 0007034078000159
MeOH(6mL)中のERX1036(329mg、0.631mmol)の溶液に、i-PrSH(144mg、0.176mL、1.892mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAc(300mL)で希釈し、水(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/EtOAc=1:3)によって2回精製して、分離されなかったAとBの3:1混合物(181.8mg、0.304mmol、収率=48%)を黄色の固体として得た。
1HNMR:C3-OCO2Et異性体:
Figure 0007034078000160
C2-OCO2Et異性体:
Figure 0007034078000161
LC-MS(移動相:A:水(10mM炭酸水素アンモニウム) B:ACN;勾配:Bを1.5分で5%~95%;流速:2.0ml/分;カラム:XBridge C18,4.6*50mm,3.5um):rt=2.58分、m/z=522.3 [M-C3H7S]+、純度=97.47%(214nm)。
実施例58
Figure 0007034078000162
MeOH(6mL)中のERX1090(277mg、0.517mmol)の溶液に、i-PrSH(118mg、0.144mL、1.551mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAc(300mL)で希釈し、水(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/EtOAc=1:3)によって2回精製して、分離されなかったAとBの3:1混合物(180.4mg、0.295mmol、収率=57%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000163
LC-MS(相:A:水(10mM炭酸水素アンモニウム) B:ACN;勾配:Bを1.5分で5%~95%;流速:2.0ml/分;カラム:XBridge C18,4.6*50mm,3.5um;rt=2.62分、m/z=536.4 [M-C3H7S]+、純度=95.39%(214nm)。
実施例59
Figure 0007034078000164
CH2Cl2(6mL)中のERX1006(300mg、0.667mmol)の溶液に、Et3N(135mg、0.19mL、1.334mmol)、続いてPhMe中1M ClCO2Pr-i溶液(163mg、1.33mL、1.334mmol)を0℃で滴下した。反応物を室温で一晩撹拌した。混合物をCH2Cl2(300mL)で希釈し、ブライン(200mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1:3)によって精製して、生成物(302.6mg、0.565mmol、収率=85%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000165
LC-MS(移動相:A:水(0.01%TFA) B:ACN(0.01%TFA);勾配:Bを1.4分で5%~95%;流速:2.3ml/分;カラム:Hypersil GOLD ,4.6*50mm,3um):rt=2.11分、m/z=536.3 [M+H]+、純度=97.63%(214nm)、100%(254nm)。
実施例60
Figure 0007034078000166
Me2CO(30mL)中のERX1074(2.05g、4.412mmol)の溶液に、K2CO3(3.05g、22.06mmol)、続いてPhCH2Br(3.77g、2.62mL、22.06mmol)を加えた。反応物を50℃で一晩加熱した。大部分のアセトンを真空下で除去した。残渣をEtOAc(300mL)に溶解し、H2O(200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3:1)によって精製して、生成物2(2.45g、4.416mmol、Yd=100%)を黄色の固体として得た。
無水THF(100mL)中の2(2.5g、4.51mmol)の溶液に、THF中3M MeMgBr溶液(7.5mL、22.5mmol)を0℃で滴下した。反応物を0℃で1時間撹拌した。H2O(50mL)の添加によって反応をクエンチし、CH2Cl2(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=2:1)によって精製して、粗生成物(2.0g、3.53mmol、Yd=78%)を白色の固体として得た。
溶液を水素バルーンにて水素化した。溶液をセライトで濾過した。濾液を真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/EtOAc=2:1)によって精製して、生成物ERX1095(1.5g、3.26mmol、Yd=89%)を白色の固体として得た。
ベンゼン(5mL)中のERX1095(130mg、0.27mmol)の溶液に、Ag2CO3(148mg、0.54mmol)を加えた。反応物を室温で一晩加熱した。溶液を濾過し、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/EtOAc=2:1)によって精製して、最終生成物(80mg、0.167mmol、Yd=62%)を赤色の固体として得た。
ERX1095データ:
Figure 0007034078000167
ERX1096データ:
Figure 0007034078000168
実施例61
Figure 0007034078000169
EtOH(50mL)中の ERX1018(503mg、1.0mmol)の溶液に、K2CO3(276mg、2.0mmol)、NaI(6mg、0.04mmol)、続いてPhCH2Br(187mg、1.1mmol)を加えた。反応物を80℃で一晩加熱した。大部分のEtOHを真空下で除去した。残渣をCH2Cl2(200mL)に溶解し、H2O(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)によって精製して、生成物2(255mg、0.43mmol、Yd=43%)を黄色の固体として得た。
無水THF(10mL)中の2(100mg、0.17mmol)の溶液に、THF中3M MeMgBr溶液(0.57mL、1.7mmol)を0℃で滴下した。反応物を0℃で1時間撹拌した。H2O(50mL)の添加によって反応をクエンチし、CH2Cl2(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮して、粗生成物(50mg、0.0824mmol、Yd=48%)を白色の固体として得た。
MeOH(10mL)中の粗物質3(50mg、0.0824mmol)の溶液に、10% Pd/C(5mg)を加えた。溶液を水素バルーンにて水素化した。溶液をセライトで濾過した。濾液を真空下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)によって精製して、生成物4(20mg、0.0385mmol、Yd=47%)を白色の固体として得た。
ベンゼン(10mL)中の4(40mg、0.0771mmol)の溶液に、Ag2CO3(43mg、0.154mmol)を加えた。反応物を60℃で1時間加熱した。H2O(50mL)によって反応をクエンチし、CH2Cl2(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2:MeOH=10:1)によって精製して、最終生成物(33mg、0.0637mmol、Yd=83%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000170
実施例62
Figure 0007034078000171
DMF(10mL)中のERX1001(478mg、1.0mmol)の溶液に、K2CO3(276g、2.0mmol)、続いてPhCH2Br(187mg、1.1mmol)を加えた。反応物を80℃で2時間加熱した。氷H2O(50mL)によって反応をクエンチし、濾過した。固体をCH2Cl2(200mL)に溶解し、H2O(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3:1)によって精製して、生成物2(300mg、0.528mmol、Yd=53%)を黄色の固体として得た。
無水THF(20mL)中の2(568g、1.0mmol)の溶液に、THF中3M MeMgBr溶液(2.33mL、7.0mmol)を0℃で滴下した。反応物を0℃で1時間撹拌した。H2O(50mL)の添加によって反応をクエンチし、CH2Cl2(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=2:1)によって精製して、粗生成物(400mg、0.685mmol、Yd=69%)を白色の固体として得た。
MeOH(10mL)中の粗物質3(584mg、1.0mmol)の溶液に、10% Pd/C(58mg)を加えた。溶液を水素バルーンにて水素化した。溶液をセライトで濾過した。濾液を真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/EtOAc=3:1)によって精製して、生成物ERX1100(450mg、0.911mmol、Yd=91%)を白色の固体として得た。
ベンゼン(20mL)中のERX1100(494mg、1.0mmol)の溶液に、Ag2CO3(548mg、2.0mmol)を加えた。反応物を60℃で一晩加熱した。溶液を濾過し、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/EtOAc=3:1)によって精製して、最終生成物(200mg、0.813mmol、Yd=81%)を赤色の固体として得た。
ERX1100データ:
Figure 0007034078000172
ERX1099データ:
Figure 0007034078000173
実施例63
Figure 0007034078000174
DMF(10mL)中のセラストロール(450mg、1.0mmol)の溶液に、K2CO3(276mg、2.0mmol)、続いてPhCH2Br(374mg、2.2mmol)を加えた。反応物を80℃で2時間加熱した。氷水(50mL)によって反応をクエンチした。混合物を濾過した。固体をCH2Cl2(200mL)に溶解し、H2O(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3:1)によって精製して、生成物2(400mg、0.635mmol、Yd=64%)を黄色の固体として得た。
無水THF(20mL)中の2(630mg、1.0mmol)の溶液に、THF中3M MeMgBr溶液(3.3mL、10mmol)を0℃で滴下した。反応物を0℃で1時間撹拌した。H2O(50mL)の添加によって反応をクエンチし、CH2Cl2(2×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=2:1)によって精製して、粗生成物(500mg、0.774mmol、Yd=77%)を白色の固体として得た。
MeOH(10mL)中の化合物3(64.6mg、0.1mmol)の溶液に、10% Pd/C(6mg)を加えた。溶液を水素バルーンにて水素化した。溶液をセライトで濾過した。濾液を真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/EtOAc=1:1)によって精製して、生成物ERX1101(30mg、0.0644mmol、Yd=64%)を白色の固体として得た。
ベンゼン(10mL)中のERX1101(47mg、0.1mmol)の溶液に、Ag2CO3(55mg、0.2mmol)を加えた。反応物を60℃で一晩加熱した。溶液を濾過し、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/EtOAc=1:1)によって精製して、最終生成物ERX1098(40mg、0.0862mmol、Yd=86%)を赤色の固体として得た。
ERX1101データ:
Figure 0007034078000175
ERX1098データ:
Figure 0007034078000176
実施例64
Figure 0007034078000177
MeOH(6mL)中のERX1006(200mg、0.44mmol)の溶液に、MeCOSH(51mg、0.67mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。溶液は、赤色から淡黄色に変化した。次いで、溶液を真空下で濃縮して、粗混合物を得た。
Ac2O(8mL)中の上で調製した粗混合物にピリジン(1mL)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(EtOAc)によって精製して、生成物(100mg、0.164mmol、収率=37%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000178
実施例65
Figure 0007034078000179
THF(5.0mL)中のERX1033(200mg、0.58mmol)の溶液に、LiAlH4(28mg、0.76mmol)を加えた。反応物を0℃で0.5時間撹拌した。飽和NH4Cl溶液によって反応をクエンチした。溶液を大気中50℃で2時間加熱した。混合物をCH2Cl2(200mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2/MeOH=10:1)によって精製して、生成物(6mg、0.0122mmol、収率=3%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000180
実施例66
Figure 0007034078000181
MeOH(20mL)中のERX1006(200mg、0.444mmol)の溶液に、N-アセチル-L-システインエチルエステル(157mg、0.888mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。溶液は、赤色から淡黄色に変化した。次いで、溶液を真空下で濃縮して、粗混合物を得た。
ピリジン(2mL)中の上で調製した粗混合物に、Ac2O(1mL)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物をH2O(100mL)に注ぎ、濾過した。固体をEtOAc(200mL)に溶解し、水(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(EtOAc)によって精製して、生成物(184.2mg、0.259mmol、全収率=58%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000182
実施例67
Figure 0007034078000183
MeOH(5.0mL)中のERX1033(52mg、0.1mmol)の溶液に、i-C3H7SH(11.4mg、0.15mmol)を加えた。反応物を室温で2.0時間撹拌した。溶液を真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2/MeOH=10:1)によって精製して、生成物(16mg、0.0268mmol、収率=27%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000184
実施例68
Figure 0007034078000185
DMF(5mL)中のERX1006(45mg、0.1mmol)の溶液に、K2CO3(28mg、0.2mmol)、続いてEtI(156mg、1.0mmol)を加えた。反応物を40℃で4時間撹拌した。氷水(50mL)によって反応をクエンチし、濾過した。固体をCH2Cl2(200mL)で溶解し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(酢酸エチル)によって精製して、生成物(25mg、0.0523mmol、収率=52%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000186
実施例69
Figure 0007034078000187
DMF(5mL)中のERX1006(45mg、0.1mmol)の溶液に、K2CO3(28mg、0.2mmol)、続いてi-C3H7I(170mg、1.0mmol)を加えた。反応物を40℃で4時間撹拌した。氷水(50mL)によって反応をクエンチし、濾過した。固体をCH2Cl2(200mL)で溶解し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(酢酸エチル)によって精製して、生成物(20mg、0.0407mmol、収率=41%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000188
実施例70
Figure 0007034078000189
EtI(1mL)およびDMF(2mL)中のERX1015(80mg、0.174mmol)の溶液に、K2CO3(72mg、0.522mmol)を加えた。反応物を50℃で一晩撹拌した。溶液をCH2Cl2(300mL)で希釈し、飽和LiCl.H2O(2×100mL)、H2O(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=2:1)によって精製して、生成物(33.5mg、0.0729mmol、収率=42%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000190
実施例71
Figure 0007034078000191
MeOH(1mL)中のERX1060(30mg、0.0647mmol)の溶液に、i-C3H7SH(7.6mg、0.1mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。溶液は、赤みがかった色から淡い赤黄色に変化した。次いで、溶液を真空下で濃縮して粗混合物を得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
Ac2O(4mL)中の上で調製した粗混合物にピリジン(0.5mL)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物をCH2Cl2(100mL)で希釈し、水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH=10:1)によって精製して、生成物(5mg、0.00801mmol、全収率=12%)を淡黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000192
実施例72
Figure 0007034078000193
MeOH(1mL)中のERX1060(70mg、0.15mmol)の溶液に、NaBH4(5.7mg、0.15mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。溶液は、赤みがかった色から淡黄色に変化した。次いで、溶液を真空下で濃縮して粗混合物を得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
Ac2O(0.5mL)中の上で調製した粗混合物にピリジン(0.5mL)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物をCH2Cl2(100mL)で希釈し、水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH=10:1)によって精製して、生成物(10mg、0.0182mmol、収率=12%)を淡黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000194
実施例73
Figure 0007034078000195
MeOH(1mL)中のERX1060(20mg、0.0431mmol)の溶液に、i-C3H7SH(5mg、0.0647mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。溶液は、赤みがかった色から淡い赤黄色に変化した。次いで、溶液を真空下で濃縮して粗混合物を得、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
Ac2O(0.5mL)中の上で調製した粗混合物にピリジン(0.5mL)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物をCH2Cl2(100mL)で希釈し、水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH=10:1)によって精製して、生成物(10mg、0.016mmol、全収率=37%)を淡黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000196
実施例74
Figure 0007034078000197
無水THF(15mL)中のERX1003(90mg、0.174mmol)の溶液に、LiAlH4(494mg、13mmol)を加えた。混合物を一晩還流した。飽和NH4Cl溶液によって反応をクエンチした。混合物を50℃で2時間加熱し、シリカゲルの薄層に通して濾過した。固体をTHF(3×50mL)で洗浄した。合わせた濾液を真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2:MeOH=10:1)によって精製して、生成物(10mg、0.0198mmol、Yd=11%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000198
実施例75
Figure 0007034078000199
無水THF(10mL)中のERX1004(150mg、0.282mmol)の溶液に、LiAlH4(54mg、1.5mmol)を加えた。混合物を一晩還流した。飽和NH4Cl溶液によって反応をクエンチした。混合物を50℃で2時間加熱し、シリカゲルの薄層に通して濾過した。固体をTHF(3×50mL)で洗浄した。合わせた濾液を真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2:MeOH=10:1)によって精製して、生成物(10mg、0.0193mmol、Yd=7%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000200
実施例76
Figure 0007034078000201
MeOH(10mL)中のERX1006(100mg、0.222mmol)の溶液に、PhCOSH(46mg、0.333mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。溶液は、赤色から淡黄色に変化した。次いで、溶液を真空下で濃縮して、粗混合物を得た。
Ac2O(4mL)中の上で調製した粗混合物にピリジン(0.5mL)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物をCH2Cl2(200mL)で希釈し、水(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2/MeOH=10:1)によって精製して、生成物(50mg、0.0744mmol、収率=34%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000202
LC-MS:rt=2.01分、積分されたマスピークなし、純度=99.59%(254nm)。
実施例77
Figure 0007034078000203
DMF(5mL)中のERX1006(200mg、0.445mmol)の溶液に、K2CO3(123mg、0.890mmol)、続いてCH3CH2CH2I(756mg、0.43mL、4.45mmol)を加えた。反応物を50℃で一晩撹拌した。混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、飽和LiCl.H2O溶液(3×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1:3、2回)によって精製して、生成物(101mg、0.205mmol、収率=46%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000204
実施例78
Figure 0007034078000205
DMF(5mL)中のERX1006(200mg、0.445mmol)の溶液に、K2CO3(123mg、0.890mmol)、続いてMe2CHCH2CH2I(881mg、0.59mL、4.45mmol)を加えた。反応物を50℃で一晩撹拌した。混合物をCH2Cl2(200mL)で希釈し、飽和LiCl.H2O溶液(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1:3)によって精製して、生成物(88.8mg、0.171mmol、収率=38%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000206
実施例79
Figure 0007034078000207
DMF(10mL)中のERX1006(100mg、0.222mmol)の溶液に、K2CO3(61mg、0.44mmol)、続いてヨードシクロペンタン(217mg、1.11mmol)を加えた。反応物を40℃で一晩撹拌した。混合物をCH2Cl2(100mL)で希釈し、飽和LiCl.H2O溶液(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(酢酸エチル)によって精製して、生成物(56mg、0.108mmol、収率=50%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000208
実施例80
Figure 0007034078000209
DMF(10mL)中のERX1006(180mg、0.4mmol)の溶液に、K2CO3(110mg、0.8mmol)、続いてアリルブロミド(242mg、2.0mmol)を加えた。反応物を40℃で一晩撹拌した。混合物をCH2Cl2(100mL)で希釈し、飽和LiCl.H2O溶液(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(酢酸エチル)によって精製して、生成物(98mg、0.2mmol、収率=50%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000210
実施例81
Figure 0007034078000211
DMF(10mL)中のERX1006(100mg、0.22mmol)の溶液に、K2CO3(61mg、0.44mmol)、続いて3,3-ジメチルアリルブロミド(217mg、1.11mmol)を加えた。反応物を40℃で一晩撹拌した。混合物をCH2Cl2(100mL)で希釈し、飽和LiCl.H2O溶液(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(酢酸エチル)によって精製して、生成物(56mg、0.11mmol、収率=50%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000212
実施例82
Figure 0007034078000213
DMF(10mL)中のERX1006(200mg、0.44mmol)の溶液に、K2CO3(121mg、0.88mmol)、続いてプロパルギルブロミド(263mg、2.23mmol)を加えた。反応物を40℃で一晩撹拌した。混合物をCH2Cl2(100mL)で希釈し、飽和LiCl.H2O溶液(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(酢酸エチル)によって精製して、生成物(100mg、0.205mmol、収率=47%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000214
実施例83
Figure 0007034078000215
EtOH(20mL)中のNaSH(2.0g、35.7mmol)の溶液に、Me2CHCOCl(4.0g、37.6mmol)を滴下した。溶液を室温で1時間撹拌した。溶液を真空下で濃縮し、さらに精製することなく次の工程に使用した。
MeOH(5mL)中のERX1006(50mg、0.11mmol)の溶液に、EtOH(2mL)中のMe2CHCOSH(23mg、0.22mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。溶液は、赤色から淡黄色に変化した。次いで、溶液を真空下で濃縮して、粗混合物(45mg、0.081mmol、Yd=74%)を得た。
Ac2O(1mL)中の上で調製した粗混合物(45mg、0.081mmol)にピリジン(1mL)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物をCH2Cl2(50mL)で希釈し、水(2×30mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)によって精製して、生成物(10mg、0.0157mmol、収率=20%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000216
実施例84
Figure 0007034078000217
DMF(5mL)中のERX1006(200mg、0.445mmol)の溶液に、K2CO3(123mg、0.890mmol)、続いてFCH2CH2I(774mg、0.36mL、4.45mmol)を加えた。反応物を50℃で1日間撹拌した。混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、飽和LiCl.H2O溶液(3×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(酢酸エチル)によって精製して、生成物(79.4mg、0.160mmol、収率=36%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000218
実施例85
Figure 0007034078000219
DMF(5mL)中のERX1006(200mg、0.445mmol)の溶液に、K2CO3(123mg、0.890mmol)、続いてF2CHCH2I(854mg、0.39mL、4.45mmol)を加えた。反応物を50℃で1日間撹拌した。混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、飽和LiCl.H2O溶液(3×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(酢酸エチル)によって精製して、生成物(72.2mg、0.141mmol、収率=32%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000220
実施例86
Figure 0007034078000221
DMF(5mL)中のERX1006(50mg、0.11mmol)の溶液に、K2CO3(45mg、0.33mmol)、続いてF3CCH2OSO2CF3(30mg、0.13mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。混合物をCH2Cl2(100mL)で希釈し、飽和LiCl.H2O溶液(3×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(酢酸エチル)によって精製して、生成物(30mg、0.0564mmol、収率=51%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000222
実施例87
Figure 0007034078000223
EtOH(5mL)中のNaSH(56mg、1.0mmol)の溶液に、CF3CH2COCl(161mg、1.1mmol)を0℃で滴下した。溶液を室温で1時間撹拌した。溶液を真空下で濃縮し、さらに精製することなく次の工程に使用した。
MeOH(5mL)中のERX1006(50mg、0.11mmol)の溶液に、EtOH(2mL)中のMe2CHCOSH(80mg、0.55mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。溶液は、赤色から淡黄色に変化した。次いで、溶液を真空下で濃縮して、粗混合物(50mg、0.0842mmol、Yd=77%)を得た。
Ac2O(1mL)中の上で調製した粗混合物(50mg、0.0842mmol)にピリジン(1mL)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物をCH2Cl2(50mL)で希釈し、水(2×30mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(PE:EA=1:1)によって精製して、生成物(11mg、0.0162mmol、全収率=20%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000224
実施例88
Figure 0007034078000225
DMF(5mL)中のセラストロール(200mg、0.44mmol)の溶液に、MeNHOMe.HCl(131mg、1.33mmol)、HATU(186mg、0.49mmol)、続いてDIPEA(115mg、0.89mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/EtOAc=1:1)によって精製して、生成物(150mg、0.304mmol、収率=69%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000226
実施例89
Figure 0007034078000227
MeOH(20mL)中のセラストロール(500mg、1.11mmol)の溶液に、N-アセチル-L-システインエチルエステル(393mg、2.22mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。溶液は、赤色から淡黄色に変化した。次いで、溶液を真空下で濃縮して、粗混合物を得た。
ピリジン(5mL)中の上で調製した粗混合物に、Ac2O(3mL)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物をH2O(100mL)に注ぎ、濾過した。固体をCH2Cl2(200mL)に溶解し、水(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(EtOAc)によって精製して、生成物(408mg、0.573mmol、全収率=52%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000228
実施例90
Figure 0007034078000229
MeOH(10mL)中のERX1128(125mg、0.252mmol)の溶液に、i-PrSH(77mg、1.01mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、溶液を真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1:3)によって精製して、生成物を得た。粗生成物は、大気中で出発物質まで部分的に酸化された。
MeOH(10mL)中の上で調製した粗混合物の溶液に、K2CO3(70mg、0.504mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。大部分のMeOHを真空下で除去した。次いで、混合物をCH2Cl2(200mL)に溶解し、水(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=1:2)によって精製して、生成物(29.4mg、0.0533mmol、2工程、全収率=21%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000230
実施例91
Figure 0007034078000231
CH2Cl2(10mL)中のERX1006(50mg、0.11mmol)の溶液に、Mg(ClO42(7.4mg、0.03mmol)、続いてBoc2O(84mg、0.39mmol)を加えた。反応物を40℃で一晩撹拌した。混合物をCH2Cl2(100mL)で希釈し、水(3×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(酢酸エチル)によって精製して、生成物(20mg、0.0364mmol、収率=33%)を黄色の固体として得た。
Figure 0007034078000232
実施例92
Figure 0007034078000233
アセトン(5mL)中のERX1008(800mg、1.68mmol)の溶液に、K2CO3(462mg、3.35mmol)、続いてMeI(1.2g、8.4mmol)を加えた。反応物を40℃で一晩加熱した。混合物を濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=1:1)によって精製して、生成物2(530mg、1.078mmol、収率=64%)を黄色の固体として得た。
THF(10mL)中の2(530mg、1.08mmol)の溶液に、THF中1.0M LiAlH4溶液(5.4mL、5.4mmol)を加えた。反応物を一晩還流した。飽和NH4Cl溶液によって反応をクエンチし、濾過し、そして、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=1:1)によって精製して、生成物3(400mg、0.834mmol、収率=77%)を白色の固体として得た。
CH2Cl2(10mL)中の3(400mg、0.84mmol)の溶液に、AcCl(651mg、8.4mmol)およびNEt3(840mg、8.4mmol)を加えた。次いで、混合物を室温で2時間撹拌した。水を加えて、反応をクエンチした。混合物をCH2Cl2(3×20mL)で抽出した。合わせた層をブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)によって精製して、生成物4(190mg、0.364mmol、収率=43%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000234
実施例93
Figure 0007034078000235
DMF(10mL)中のセラストロール(450mg、1.0mmol)の溶液に、Et2NH.HCl(241mg、2.2mmol)、HATU(418mg、1.1mmol)、続いてDIPEA(645mg、5.0mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、飽和LiCl.H2O溶液(2×200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)によって精製して、生成物(101mg、0.20mmol、収率=20%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000236
実施例94
Figure 0007034078000237
THF(20mL)中のERX1137(100mg、0.198mmol)の溶液に、LiAlH4(38mg、1.0mmol)を加えた。反応物を一晩還流した。飽和NH4Cl溶液によって反応をクエンチした。混合物を60℃で3時間加熱した。色が褐色に変化した。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、濾過した。濾液を真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2/MeOH=5:1)によって精製して、生成物(30mg、0.061mmol、収率=31%)を黒色の固体として得た。
Figure 0007034078000238
実施例95
Figure 0007034078000239
DMF(5mL)中のセラストロール(100mg、0.222mmol)の溶液に、HATU(101mg、0.266mmol)、続いてDIPEA(57mg、0.076mL、0.444mmol)を加えた。溶液を室温で1時間撹拌した。次いで、ピペラジン(23mg、0.266mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、飽和LiCl.H2O溶液(2×200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2/MeOH=10:1)によって精製して、生成物(35mg、0.0675mmol、収率=30%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000240
実施例96
Figure 0007034078000241
DMF(5mL)中のセラストロール(100mg、0.22mmol)の溶液に、2,6-ジメチルピペラジン(30mg、0.26mmol)、HATU(91mg、0.24mmol)、続いてDIPEA(57mg、0.44mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(100mL)で希釈し、飽和LiCl.H2O溶液(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2/MeOH=10:1)によって精製して、生成物(60mg、0.11mmol、収率=50%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000242
実施例97
Figure 0007034078000243
THF(10mL)中のERX1142(88mg、0.16mmol)の溶液に、LiAlH4(30mg、0.8mmol)を加えた。反応物を一晩還流した。飽和NH4Cl溶液によって反応をクエンチした。混合物を60℃で3時間加熱した。色が褐色に変化した。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、濾過した。濾液を真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2/MeOH=5:1)によって精製して、生成物(20mg、0.0375mmol、収率=23%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000244
実施例98
Figure 0007034078000245
DMF(10mL)中のセラストロール(500mg、1.11mmol)の溶液に、MeNH2.HCl(220mg、3.3mmol)、HATU(464mg、1.2mmol)、続いてDIPEA(287mg、2.2mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、飽和LiCl.H2O溶液(2×200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)によって精製して、生成物(420mg、0.906mmol、収率=82%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000246
実施例99
Figure 0007034078000247
DMF(10mL)中のセラストロール(450mg、1.0mmol)の溶液に、BnNHMe(363mg、3.0mmol)、HATU(420mg、1.1mmol)、続いてDIPEA(260mg、2.0mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、飽和LiCl.H2O溶液(2×200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)によって精製して、生成物(370mg、0.669mmol、収率=67%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000248
実施例100
Figure 0007034078000249
THF(5mL)中のERX1150(100mg、0.18mmol)の溶液に、LiAlH4(34mg、0.9mmol)を加えた。反応物を一晩還流した。飽和NH4Cl溶液によって反応をクエンチした。次いで、溶液をCH2Cl2(100mL)で希釈し、濾過した。濾液を分離し、そして、有機層をNa2SO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣をPhMe(5mL)に溶解し、そして、Ag2CO3(61mg、0.22mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、濾過し、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)によって精製して、生成物(15mg、0.0278mmol、収率=25%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000250
実施例101
Figure 0007034078000251
DMF(10mL)中のセラストロール(200mg、0.44mmol)の溶液に、2,2-ジメチルピペラジン(62mg、0.54mmol)、HATU(184mg、0.48mmol)、続いてDIPEA(114mg、0.88mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、飽和LiCl.H2O溶液(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2/MeOH=10:1)によって精製して、生成物(100mg、0.183mmol、収率=42%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000252
実施例102
Figure 0007034078000253
THF(10mL)およびH2O(1mL)中の1(240mg、0.54mmol)の溶液に、LiOH.H2O(113mg、2.68mmol)を加えた。反応物を50℃で4時間加熱した。大部分のTHFを真空下で除去した。残渣をCH2Cl2(100×3mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2:MeOH=5:1)によって精製して、生成物(120mg、0.284mmol、収率=53%)を褐色の固体として得た。
Figure 0007034078000254
実施例103
Figure 0007034078000255
MeCN(5mL)中のERX1146(80mg、0.18mmol)の溶液に、酢酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(112mg、0.72mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。溶液を濾過し、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル: EtOAc=1:1)によって精製して、生成物(32mg、0.065mmol、収率=36%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000256
実施例104
Figure 0007034078000257
PhMe(25mL)中のセラストロール(500mg、1.11mmol)の溶液に、DIPEA(430mg、0.57mL、3.33mmol)、続いて(PhO)2P(O)N3(458mg、0.36mL、1.66mmol)を加えた。反応物を100℃で一晩加熱した。溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、H2O(200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)によって精製して、粗生成物(342mg、0.764mmol、収率=69%)を赤色の固体として得た。
THF(20mL)中の粗物質2(342mg、0.764mmol)の溶液に、EtNH2.HCl(312mg、3.82mmol)およびDIPEA(494mg、0.65mL、3.82mmol)を加えた。反応物を50℃で3時間加熱した。大部分のTHFを真空下で除去した。残渣をCH2Cl2(200mL)に溶解し、H2O(200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2:MeOH=10:1)によって精製して、生成物(233.6mg、0.474mmol、収率=62%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000258
実施例105
Figure 0007034078000259
THF(2mL)中のイソシアナート(50mg、0.112mmol)の溶液に、EtONa(38mg、0.559mmol)を加えた。反応物を室温で1時間加熱した。NH4Cl(10mL)によって反応をクエンチした。混合物をCH2Cl2(100mL)中で希釈し、H2O(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2:MeOH=20:1)によって精製して、生成物(11.8mg、0.0239mmol、収率=21%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000260
実施例106
Figure 0007034078000261
THF(20mL)およびH2O(2mL)中のイソシアナート1(478mg、1.068mmol)の溶液に、LiOH.H2O(220mg、5.24mmol)を加えた。反応物を50℃で4時間加熱した。大部分のTHFを真空下で除去した。残渣をCH2Cl2(100mL)中で希釈し、0.1M HCl(100mL)で洗浄した。全ての溶液を濾過した。有機層をH2O(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣および濾過によって得られた固体を、CH2Cl2:MeOH=10:1溶液200mLに溶解し、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2:MeOH=5:1)によって精製して、中間体(50mg、0.119mmol、収率=11%)を褐色の固体として得た。
THF(3mL)中の中間体2(50mg、0.119mmol)の溶液に、酢酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(93mg、0.594mmol)およびDIPEA(77mg、0.10mL、0.594mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。大部分のTHFを真空下で除去した。残渣をCH2Cl2(100mL)中で希釈し、H2O(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1:3)によって精製して、生成物(17.5mg、0.0377mmol、収率=32%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000262
実施例107
Figure 0007034078000263
MeOH(5mL)中のERX1168(116mg、0.258mmol)の溶液に、PhCOSH(71mg、0.06mL、0.516mmol)を加えた。混合物は、直ちに赤みがかった色から明黄色に変化した。反応物を室温で10分間撹拌した。溶液を真空下で濃縮した。粗中間体2をさらに精製することなく次の工程に使用した。
ピリジン(3mL)中の中間体2(155mg、0.258mmol、理論量)の溶液に、Ac2O(1mL)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。次いで、溶液をCH2Cl2(100mL)で希釈し、飽和CuSO4.5H2O(2×100mL)、H2O(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=2:3)、続いてMeCN(5mL)からの再結晶化によって精製して、生成物(59.9mg、0.0873mmol、収率=34%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000264
実施例108
Figure 0007034078000265
CH2Cl2(10mL)中のERX1077(220mg、0.52mmol)の溶液に、NEt3(105mg、1.04mmol)、続いてMs2O(109mg、0.63mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。H2O(20mL)によって反応をクエンチした。溶液をCH2Cl2(3×20mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(ヘキサン:EtOAc=1:3)によって精製して、生成物(22mg、0.044mmol、収率=8.4%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000266
実施例109
Figure 0007034078000267
MeCN(20mL)中のERX1077(880mg、2.087mmol)の溶液に、37% HCHO溶液(7.0mL)、続いてNaBH3CN(656mg、10.44mmol)を少量ずつ加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。溶液をCH2Cl2(200mL)で希釈し、0.1M HCl(320mL)、H2O(3×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして、真空下で濃縮して、粗中間体2(653mg、1.446mmol、収率=69%)を白色の固体として得た。
Figure 0007034078000268
CH2Cl2(50mL)中の粗中間体2(600mg、1.328mmol)の溶液に、Ag2CO3(733mg、2.657mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。溶液を濾過し、そして、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(CH2Cl2:MeOH=5:1)によって精製して、生成物(86mg、0.191mmol、収率=14%)を赤色の固体として得た。
Figure 0007034078000269
生物学的研究:腹腔内投与
齧歯動物に投与したときの任意の抗肥満効果を明らかにするために以下の試験化合物を研究した。最初に、試験化合物を、50、100、200、400、500、1000および2000μg/kgの用量で製剤化し、2mL/kgの用量で複数日間にわたり1日1回腹腔内投与した。試験化合物を、マウスへのビヒクルの投与と比較した。実験は、投薬前段階および投薬段階である2段階から構成された。各試験群における動物の体重を毎日測定した。同じく流体試料も採取した。表2~5には、研究パラメーターをまとめている。表6は、試験された化合物、それらの投薬および抗肥満効果の結果を示す。
(表2)研究パラメーター
Figure 0007034078000270
Figure 0007034078000271
(表3)投薬前段階
Figure 0007034078000272
(表4)投薬段階
Figure 0007034078000273
(表5)流体試料収集
Figure 0007034078000274
略号:P=投薬前
動物は、最後の血液収集後または予定されていた終了時に確実に死亡させるために、二酸化炭素(または麻酔)で安楽死させ、続いて断頭、両側開胸、放血、または重要臓器の切除を行った。頸椎脱臼は、検査または強制栄養チェックを必要としない動物に許容された。
研究の終了まで生存しなかった動物はどれも、さらに評価することなしに廃棄した。
記述統計(n、平均、平均の標準誤差、標準偏差)を完遂した。追加的に、一元配置分散分析とそれに続くダネットのポストホック検定を、体重(累積体重変化)、グルコース(グルコース変化(%))、および摂餌量(累積摂餌量)に対して実施した。曲線下面積(体重、累積体重変化、毎日の体重変化、および摂餌量に関する)を処置群についてコンピューター計算した。適切な比較検定、例えば一元配置分散分析およびダネットの検定を、曲線下面積の計算のため群平均に対して実施した。
このプロトコルにおける全ての手順は、米国農務省(U.S. Department of Agriculture)(USDA)の動物保護法(Animal Welfare Act)(連邦規則第9条、第1、2、および3章);実験動物の管理と使用に関する指針(Guide for the Care and Use of Laboratory Animals)(実験動物研究協会(Institute for Laboratory Animal Research)、全米アカデミー出版局(The National Academies Press)、ワシントンD.C.(Washington, D.C.));および国立衛生研究所実験動物福祉局(National Institutes of Health, Office of Laboratory Animal Welfare)(NIHが資金援助した研究)に準拠した。可能な限り、動物への不快、苦悶、および苦痛を回避または最小限に抑えるように、この研究の手順が設計された。
この非臨床実験室研究は、米国食品医薬品局(United States Food and Drug Administration)(FDA)優良試験所規範(Good Laboratory Practice)(GLP)の規則、連邦規則第21条58章に完全に従って遂行する意図はなく、コーヴァンス社の標準的な操作手順に従って遂行した。
この研究は、実験動物の管理と利用のための指針(Guide for the Care and Use of Laboratory Animals)の全ての適用可能なセクションに準拠した。可能な限り、動物への不快、苦悶、および苦痛を回避または最小限に抑えるように、この研究において使用される手順が設計された。全ての手順は、この研究プロトコルでまたは記されている実験室手順で記載された。これらの手順は、適正な実験動物の使用および管理に関する最近の利用可能な技術に基づいた。
(表6-A)化合物のインビボ活性(腹腔内投与)
Figure 0007034078000275
Figure 0007034078000276
Figure 0007034078000277
Figure 0007034078000278
Figure 0007034078000279
Figure 0007034078000280
Figure 0007034078000281
Figure 0007034078000282
Figure 0007034078000283
Figure 0007034078000284
Figure 0007034078000285
Figure 0007034078000286
Figure 0007034078000287
Figure 0007034078000288
Figure 0007034078000289
Figure 0007034078000290
Figure 0007034078000291
Figure 0007034078000292
Figure 0007034078000293
Figure 0007034078000294
Figure 0007034078000295
Figure 0007034078000296
Figure 0007034078000297
Figure 0007034078000298
Figure 0007034078000299
Figure 0007034078000300
Figure 0007034078000301
Figure 0007034078000302
Figure 0007034078000303
Figure 0007034078000304
Figure 0007034078000305
Figure 0007034078000306
Figure 0007034078000307
Figure 0007034078000308
Figure 0007034078000309
Figure 0007034078000310
Figure 0007034078000311
Figure 0007034078000312
Figure 0007034078000313
Figure 0007034078000314
Figure 0007034078000315
(表6-B)化合物溶解度の概要
Figure 0007034078000316
N/A:未取得
試験濃度 100μM(1%のDMSO)
試験系 PBS(pH7.4)
インキュベーション条件 室温で1時間振盪(1000rpm)
試料サイズ 反復(n=2)
生物学的分析法 LC-MS/MS
注釈:
表6-Bにまとめられている通り、10μM未満の溶解度値は、これらの化合物が低い溶解度を示すことを示唆し;10μM~80μMの間の溶解度値は、これらの化合物が中程度の溶解度を示すことを示唆し;80μMより高い溶解度値は、これらの化合物が高い溶解度を示すことを示唆した。
(表6-C)化合物溶解度の概要
Figure 0007034078000317
試験濃度:100μM(1%のDMSO)
試験系:PBS(pH7.4)
インキュベーション条件:室温で1時間振盪(1000rpm)
試料サイズ:反復(n=2)
生物学的分析法:LC-MS/MS
注釈:
表6-Cにまとめられている通り、10μM未満の溶解度値は、これらの化合物が低い溶解度を示すことを示唆し;10μM~80μMの間の溶解度値は、これらの化合物が中程度の溶解度を示すことを示唆し;80μMより高い溶解度値は、これらの化合物が高い溶解度を示すことを示唆した。
(表6-D)化合物溶解度の概要
Figure 0007034078000318
生物学的研究:経口(P.O.)投与
1. 概要
この研究の目的は、食餌性肥満(DIO)マウスにおいて被験物質を評価することであった。
雄のC57BL/6 DIOマウスを12個の群に割り当て、そして、用量2mg/kgのセラストロール(ERX1000-4)、ERX1006、ERX1007、ERX1037、ERX1060、ERX1077、ERX1107、ERX1149、ERX1168、ERX1177、およびプリスチメリンをそれぞれ群2~12に投与した。動物に、強制経口投与を介して、2mL/kgの量で10日間にわたり1日1回投薬した。ビヒクル対照物質は、クエン酸およびリン酸緩衝液中1%メチルセルロース(400cps)であった。
評価されるパラメーターには、死亡率、臨床所見、体重ならびに摂餌量および血糖評価を含めた。
全ての動物は、予定されていた終了時まで生存していた。体重、摂餌量、およびグルコース値変化(%)の統計的に有意な変化は、ERX1000-4およびERX1168が投与された動物について顕著であった。体重の統計的に有意な変化は、ERX1006が投与された動物について顕著であった。
2. 方法
2.1 試験系および研究設計
2.1.1 動物の仕様および順化
雄のC57BL/6食餌性肥満(DIO)マウスは、タコニック社から入手した。ビヒクル順化投薬前の少なくとも1週間、動物を収容条件に順化させた。投薬前段階の11日目~14日目に1日1回、動物をビヒクルの強制経口投与に順化させた。
投薬の開始時、動物は21~22週齢であり、そして、それらの体重は29.8~40.1gの範囲であった。
2.1.2 環境条件、食餌、および水
2.1.2.1 収容
動物を、木屑寝床およびネストレットを備えたシューボックスケージング内に個別に収容した。
2.1.2.2 水
水を制約なしに提供した。
2.1.2.3 食餌
研究手順で絶食のない限りは、動物にTD95217を制約なしに供給した。
2.1.2.4 環境
環境管理は、以下の動物室条件を維持するように設定された:68~79°Fの温度範囲、30~70%の相対湿度範囲、および12時間明/12時間暗サイクル。これらの条件に対するいかなる変動も生データにおいて維持され、研究の結果に影響はなかった。
2.1.2.5 食餌栄養強化
動物に特別な食餌栄養強化は与えなかった。
2.1.3 動物の識別および研究への割り当て
尾上の不変色インクおよびケージカードを使用して動物を識別した。
群割り当てに関して体重が釣り合うよう設計されたコンピューター制御の手順を使用して動物を研究に割り当てた。
2.1.4 研究設計:
(表7)
Figure 0007034078000319
2.2 被験物質およびビヒクル
2.2.1 被験物質
Figure 0007034078000320
2.2.2 ビヒクル
ビヒクルは、クエン酸およびリン酸緩衝液中1%メチルセルロース(400cps)であった。
2.2.3 被験物質製剤
被験物質製剤を混合手順に従って2回調製した。用量濃度は、供給された被験物質に基づいた。
投与製剤を冷蔵保存して光から保護した。
2.3 生存中手順
2.3.1 用量投与
投与製剤を、強制経口投与によって、2mL/kgの用量で10日間にわたり1日1回投与した。用量は、直近の記録された所定の体重に基づいた。
2.3.2 体重
投薬前段階の11日目~14日目に毎日体重を記録した。投薬段階の間の投薬前に毎日、全ての動物に対して体重を収集した。
2.3.3 摂餌量
投薬前段階の11日目~14日目に毎日、そして投薬段階の間の投薬前に毎日、摂餌量の定量的評価を記録した。
2.3.4 血糖レベル
投薬前段階の14日目、および投薬段階の11日目に絶食の6時間後に、全ての動物からテールクリップを介して血糖のための血液を収集した。各動物からの血液の一滴を、2つの異なるAccu-Chek(登録商標)Aviva血糖計上に載せてグルコース値を評価した。必要に応じて第三の値を取得した。
2.4 終了手順
11日目に、全ての動物に二酸化炭素で麻酔をかけ、屠殺し、そしてさらに評価することなしに廃棄した。
2.5 データ評価および統計分析
記述統計(n、平均、平均の標準誤差、標準偏差)を完遂した。追加的に、一元配置分散分析とそれに続くダネットのポストホック検定を、体重(累積体重変化)、グルコース(グルコース変化(%))、および摂餌量(累積摂餌量)に対して実施した。曲線下面積(体重、累積体重変化、毎日の体重変化、および摂餌量に関する)を処置群に対してコンピューター計算した。適切な比較検定、例えば一元配置分散分析およびダネットの検定を、曲線下面積の計算のため群平均に対して実施した。任意の追加の統計分析および結果の解釈は、主宰者(sponsor)の責任とした。
3. 結果
3.1 生存中評価
3.1.1 動物の運命
動物の運命のデータは、表11-1~11-12に示されている。
全ての動物は、予定されていた終了時まで生存していた。
3.1.2 臨床所見
臨床状態の変化はいずれの試験群についても認められなかった。
3.1.3 体重
体重データは、表9-1~9-12および図1~5にまとめられ;個体のデータは、表12-1~12-36および図10~12に示されている(毎日の体重、毎日の体重変化、および累積体重変化)。
ERX1000-4は、対照と比較して、1日当たりおよび累積体重変化についての曲線下面積(AUC)において、ならびに累積体重変化において、統計的に有意な減少を有していた。
ERX1168は、対照と比較して、1日当たりおよび累積体重変化についての曲線下面積(AUC)において、ならびに累積体重変化において、統計的に有意な減少を有していた。
ERX1008は、対照と比較して、累積体重変化において統計的に有意な減少を有していた。
3.1.4 摂餌量
摂餌量データは、表10-1~10-6および図6~7にまとめられ;個体のデータは、図13~14に示されている。
ERX1000-4は、対照と比較して、累積食物摂取において統計的に有意な減少を有していた。
ERX1168は、対照と比較して、累積食物摂取についての曲線下面積(AUC)において、および累積食物摂取において、統計的に有意な減少を有していた。
3.1.5 血糖レベル
血糖データは、図8~9にまとめられ;個体のデータは、図15~17に示されている。
ERX1000-4は、対照と比較して、グルコース値変化(%)において統計的に有意な減少を有していた。
ERX1168は、対照と比較して、グルコース値変化(%)において統計的に有意な減少を有していた。
4. 関連研究情報
4.1 研究偏差
4.1.1 プロトコル偏差
(表8)
Figure 0007034078000321
これらの研究偏差は、研究所見の全体的な解釈に影響を及ぼすことも、研究の完全性を損なうこともなかった。
5. 結果の概要
(表9)化合物のインビボ活性の概要(P.O.投与)
Figure 0007034078000322
Figure 0007034078000323
Figure 0007034078000324
Figure 0007034078000325
5.1 体重の概要
(表9-1)
Figure 0007034078000326
(表9-2)
Figure 0007034078000327
(表9-3)
Figure 0007034078000328
(表9-4)
Figure 0007034078000329
(表9-5)
Figure 0007034078000330
(表9-6)
Figure 0007034078000331
(表9-7)
Figure 0007034078000332
(表9-8)
Figure 0007034078000333
(表9-9)
Figure 0007034078000334
(表9-10)
Figure 0007034078000335
(表9-11)
Figure 0007034078000336
(表9-12)
Figure 0007034078000337
5.2 摂餌量の概要
(表10-1)
Figure 0007034078000338
(表10-2)
Figure 0007034078000339
(表10-3)
Figure 0007034078000340
(表10-4)
Figure 0007034078000341
(表10-5)
Figure 0007034078000342
(表10-6)
Figure 0007034078000343
5.3 個々の動物データの表
(表11-1)個々の動物の運命
Figure 0007034078000344
(表11-2)個々の動物の運命
Figure 0007034078000345
(表11-3)個々の動物の運命
Figure 0007034078000346
(表11-4)個々の動物の運命
Figure 0007034078000347
(表11-5)個々の動物の運命
Figure 0007034078000348
(表11-6)個々の動物の運命
Figure 0007034078000349
(表11-7)個々の動物の運命
Figure 0007034078000350
(表11-8)個々の動物の運命
Figure 0007034078000351
(表11-9)個々の動物の運命
Figure 0007034078000352
(表11-10)個々の動物の運命
Figure 0007034078000353
(表11-11)個々の動物の運命
Figure 0007034078000354
(表11-12)個々の動物の運命
Figure 0007034078000355
(表12-1)個々の体重
Figure 0007034078000356
(表12-2)個々の体重
Figure 0007034078000357
(表12-3)個々の体重
Figure 0007034078000358
(表12-4)個々の体重
Figure 0007034078000359
(表12-5)個々の体重
Figure 0007034078000360
(表12-6)個々の体重
Figure 0007034078000361
(表12-7)個々の体重
Figure 0007034078000362
(表12-8)個々の体重
Figure 0007034078000363
(表12-9)個々の体重
Figure 0007034078000364
(表12-10)個々の体重
Figure 0007034078000365
(表12-11)個々の体重
Figure 0007034078000366
(表12-12)個々の体重
Figure 0007034078000367
(表12-13)個々の体重
Figure 0007034078000368
(表12-14)個々の体重
Figure 0007034078000369
(表12-15)個々の体重
Figure 0007034078000370
(表12-16)個々の体重
Figure 0007034078000371
(表12-17)個々の体重
Figure 0007034078000372
(表12-18)個々の体重
Figure 0007034078000373
(表12-19)個々の体重
Figure 0007034078000374
(表12-20)個々の体重
Figure 0007034078000375
(表12-21)個々の体重
Figure 0007034078000376
(表12-22)個々の体重
Figure 0007034078000377
(表12-23)個々の体重
Figure 0007034078000378
(表12-24)個々の体重
Figure 0007034078000379
(表12-25)個々の体重
Figure 0007034078000380
(表12-26)個々の体重
Figure 0007034078000381
(表12-27)個々の体重
Figure 0007034078000382
(表12-28)個々の体重
Figure 0007034078000383
(表12-29)個々の体重
Figure 0007034078000384
(表12-30)個々の体重
Figure 0007034078000385
(表12-31)個々の体重
Figure 0007034078000386
(表12-32)個々の体重
Figure 0007034078000387
(表12-33)個々の体重
Figure 0007034078000388
(表12-34)個々の体重
Figure 0007034078000389
(表12-35)個々の体重
Figure 0007034078000390
(表12-36)個々の体重
Figure 0007034078000391
6. プロトコル
6.1 被験物質および研究設計
(表13)研究設計
Figure 0007034078000392
ビヒクルは、クエン酸/リン酸緩衝液中1%メチルセルロース(400cps)を含有した
6.2. 投与製剤の詳細
(表14)
Figure 0007034078000393
6.3 試験動物および管理の詳細
(表15)
Figure 0007034078000394
6.4 生存中パラメーター
6.4.1 投薬前段階
(表16)
Figure 0007034078000395
6.4.2. 投薬段階
(表17)
Figure 0007034078000396

Claims (22)

  1. (II):
    Figure 0007034078000397
    式中
    R1-NHCOR5 -NR5COR5 、または-NHSO2R5 あり
    R5は、出現毎に独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、またはアリールから選択され
    の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  2. (II)において、R1が、NH(CO)R5である、請求項1記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  3. R5が、アルキルである、請求項2記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  4. R5が、CH3である、請求項2記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  5. 前記化合物が、以下からなる群より選択される、請求項1記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
    Figure 0007034078000398
  6. 請求項1~5のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物。
  7. R1が、NHCOR5である、請求項6記載の薬学的組成物。
  8. R5が、アルキル、シクロアルキル、またはアリールである、請求項6記載の薬学的組成物。
  9. 経口投与される、請求項6記載の薬学的組成物。
  10. 前記化合物が、以下の化合物である、請求項9記載の薬学的組成物:
    Figure 0007034078000399
  11. 腹腔内に投与される、請求項6記載の薬学的組成物。
  12. 請求項1~5のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む前記組成物が、セラストロールよりも高い経口バイオアベイラビリティを有する、請求項6記載の薬学的組成物。
  13. 請求項1~5のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、その必要性のある対象において肥満を処置するための薬学的組成物。
  14. 肥満関連疾患または障害を処置するための薬学的組成物であって、肥満関連疾患または障害に罹患しているまたは罹患するリスクのある対象に請求項6~12のいずれか一項記載の組成物が投与される、前記薬学的組成物。
  15. 肥満関連疾患または障害が、肥満、前肥満、病的肥満、プラダー・ウィリー症候群、視床下部傷害性肥満、非アルコール性脂肪性肝炎、高脂血症、高血圧、糖尿病、脂肪異栄養症、脂肪肝、バルデー・ビードル症候群、コーエン症候群、心血管疾患、関節炎、脳卒中、メタボリックシンドロームおよびMOMO症候群を含む群から選択される、請求項14記載の薬学的組成物。
  16. 前記組成物が、経口投与、静脈内投与、局所投与、非経口投与、腹腔内投与、筋肉内投与、髄腔内投与、病巣内投与、頭蓋内投与、鼻腔内投与、眼内投与、心臓内投与、硝子体内投与、骨内投与、脳内投与、動脈内投与、関節内投与、皮内投与、経皮投与、経粘膜投与、舌下投与、腸内投与、口唇下投与、吹送投与、坐剤投与、吸入投与、または皮下投与により投与される、請求項1314のいずれか一項記載の薬学的組成物。
  17. 前記組成物が、丸剤、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、粉剤、塩、結晶、液剤、血清、シロップ剤、懸濁剤、ゲル剤、クリーム剤、ペースト剤、フィルム剤、パッチ剤、および吸入剤を含む群から選択される形態で投与される、請求項1314のいずれか一項記載の薬学的組成物。
  18. 前記対象が、哺乳動物である、請求項1314のいずれか一項記載の薬学的組成物。
  19. 前記対象が、ヒトである、請求項18記載の薬学的組成物。
  20. 前記対象が、30kg/m2超のボディマス指数(BMI)を有するヒトである、請求項19記載の薬学的組成物。
  21. 前記組成物が、経口投与される、請求項1314のいずれか一項記載の薬学的組成物。
  22. 前記組成物が、0.1~0.5mg/kg、0.1~1mg/kg、0.1~5mg/kg、0.1~10mg/kgの化合物またはその薬学的に許容される塩の用量で経口投与される、請求項1314のいずれか一項記載の薬学的組成物。
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