JP7034039B2 - アシスト器具 - Google Patents

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Description

本発明は、作業者が装着して使用するもので、作業者の作業(動作)を補助するアシスト器具に関する。
前述のようなアシスト器具として、特許文献1に開示されているようなものがある。
特許文献1では、作業者に取り付けられる本体部、本体部から前側に延出された右及び左のアーム部が備えられている。本体部に昇降装置が設けられて、昇降装置から右及び左のワイヤ(吊り下げ機構に相当)が延出されている。ワイヤがアーム部から下方に延出されており、ワイヤの延出端に右及び左のハンド部が接続されている。
右のハンド部により荷物の右の横側部を保持し、左のハンド部により荷物の左の横側部を保持することによって、荷物を保持する。ハンド部に荷物を保持した状態で、昇降装置によりワイヤを巻き取ることによりハンド部(荷物)を上昇させ、昇降装置によりワイヤを繰り出すことによりハンド部(荷物)を下降させる。
特開2015-182832号公報
アシスト器具において、右及び左のハンド部により荷物を保持して吊り下げた場合、ワイヤは鉛直姿勢になることが多く、ハンド部の荷物支持部(特許文献1の図5及び図6の20c参照)は、水平姿勢となって荷物を支持することが多い。
前述の状態から、例えば荷物を棚やトラックの荷台等に置く為に、作業者がハンド部を持って荷物を前側に移動させると、ワイヤは鉛直姿勢から傾斜した姿勢になる。
これにより、傾斜した姿勢のワイヤの張力によって、ハンド部の荷物支持部が水平姿勢から傾斜した姿勢に変えられようとして、ワイヤとハンド部との接続部分に大きな負荷が掛かることがあるので、ワイヤとハンド部との接続部分の耐久性の低下を招く可能性がある。
本発明は、右及び左のハンド部を吊り下げ機構によって吊り下げたアシスト器具において、吊り下げ機構とハンド部との接続部分の耐久性の向上を図ることを目的としている。
本発明のアシスト器具は、
作業者に取り付けられる本体部と、前記本体部から前側に延出されたアーム部と、前記アーム部から下側に延出された吊り下げ機構と、前記吊り下げ機構に接続されて荷物を保持する右及び左のハンド部とが備えられ、
前記ハンド部に、
横向きに配置されて、荷物を支持する荷物支持部と、
前記荷物支持部の横外側に配置され、前記荷物支持部よりも高い位置に配置された上側部を有して、作業者が持つ持ち手部とが設けられ、
前記吊り下げ機構の下部が、前記ハンド部において、前記上側部と前記荷物支持部との間の上下方向での中央位置と、前記荷物支持部との間の部分に、右及び左の前記ハンド部に荷物が保持された状態での左右方向に沿った軸芯周りに揺動自在に取り付けられている。
本発明によると、右及び左のハンド部により荷物を保持して吊り下げた状態において、作業者がハンド部を持って荷物を前側に移動させて、吊り下げ機構が鉛直姿勢から傾斜した姿勢になった場合、吊り下げ機構の下部がハンド部に対して後側(作業者側)に揺動する。
これにより、傾斜した姿勢の吊り下げ機構によって、ハンド部の荷物支持部が水平姿勢から傾斜した姿勢に変えられようとすることは少なく、吊り下げ機構の下部とハンド部との接続部分に大きな負荷が掛かることが少なくなり、吊り下げ機構の下部とハンド部との接続部分の耐久性の低下を抑えることができる。
本発明によると、ハンド部において、吊り下げ機構の下部がハンド部の荷物支持部に近い位置に取り付けられている。
これにより、前述のように吊り下げ機構が鉛直姿勢から傾斜した姿勢になった状態において、ハンド部の荷物支持部を水平姿勢から傾斜した姿勢に変えようとする作用(モーメント)が小さくなるのであり、吊り下げ機構の下部とハンド部との接続部分の耐久性の低下をさらに抑えることができる。
本発明において、
前記吊り下げ機構の下部に接続された取付部と、前記軸芯周りに揺動自在に前記ハンド部に支持された接続部とが備えられ、
前記取付部が前記接続部に取り付け及び取り外し自在であると好適である。
本発明によると、ハンド部のメンテナンス作業や、異なる形状の荷物支持部を有するハンド部に交換する場合等において、吊り下げ機構の取付部から、ハンド部の接続部を取り外すことによって、ハンド部のメンテナンス作業や交換作業が容易に行えるようになる。
本発明において、
前記ハンド部において、前記荷物支持部と前記持ち手部との間に、上下方向に沿って配置された横側部が設けられ、
前記持ち手部と前記横側部との間に、前記接続部が配置されて前記軸芯周りに揺動自在に前記ハンド部に支持されていると好適である。
本発明によると、右及び左のハンド部により荷物を保持して吊り下げた状態において、ハンド部の接続部と荷物とがハンド部の横側部により隔てられているので、ハンド部の接続部が揺動しても、ハンド部の接続部が荷物に接触することは少ない。
これにより、ハンド部の接続部の揺動が無理なく行われるのであり、ハンド部の接続部が荷物に接触して荷物を破損するようなことも少ない。
本発明において、
前記荷物支持部に対する荷物の滑りを防止する滑り止め部材が、前記荷物支持部に取り付けられていると好適である。
本発明によると、右及び左のハンド部により荷物を保持して吊り下げた状態において、作業者がハンド部を持って荷物を前側に移動させて、吊り下げ機構が鉛直姿勢から傾斜した姿勢になっても、ハンド部の荷物支持部が荷物に対して滑ることは少なく、ハンド部により荷物を安定して保持することができる。
作業者がアシスト器具を装着した状態での右側面図である。 作業者がアシスト器具を装着した状態での背面図である。 アシスト器具の斜視図である。 取付部の側面図である。 取付部の正面図である。 取付部にハンド部の接続部を取り付けた状態を示す側面図である。 ハンド部の背面図である。 ハンド部を上側から視た斜視図である。 ハンド部を上側から視た分解斜視図である。 ハンド部及びスイッチ操作部を上側から視た分解斜視図である。 ハンド部により荷物を保持している状態での背面図である。 ハンド部により荷物を保持している状態での右側面図である。
図1~図12に、作業者が装着して使用するアシスト器具が示されている。
本発明の実施形態における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、以下のように記載している。作業者がアシスト器具を装着した状態において、作業者から視て前側が「前」であり、後側が「後」であり、右側が「右」であり、左側が「左」である。
(アシスト器具の全体構成及び本体部)
図1,2,3に示すように、アシスト器具には、作業者の背中部に取り付けられる本体部1、本体部1の上部から上側に延出され前側に延出された右及び左のアーム部2、本体部1の下部に設けられた右及び左の脚作用部3が備えられており、作業者への装着用の取付ベルト4、右及び左の肩ベルト5が備えられている。
本体部1は、右及び左の縦フレーム6、右及び左の縦フレーム6に亘って連結された支持板7等を備えて、枠状となっている。支持板7の後面の上下中間部に制御装置8が取り付けられており、支持板7の後面の下部にバッテリー9が取り付けられている。
本体部1の下部に取付ベルト4が取り付けられ、支持板7の前面の上部及び下部に肩ベルト5が取り付けられている。右及び左の肩ベルト5の上部に亘って、固定ベルト5aが取り付けられている。固定ベルト5aは、中間部分のバックル部材により左右に分離可能で、長さ調節自在である。
作業者の腕部及び肩部を肩ベルト5に入れ、取付ベルト4を作業者の腰部に巻き付けて固定することにより、作業者の背中部に本体部1を取り付ける。肩ベルト5の固定ベルト5aを連結状態としておくことにより、右及び左の肩ベルト5が、作業者の腕部側に移動して肩部から外れるような状態が防止される。
(脚作用部)
図1,2,3に示すように、脚作用部3は、基部10、伝動ケース11、操作アーム12及び脚ベルト13等を備えている。基部10が、支持板7の下部の前部に、左右方向に取付位置を変更自在に支持されており、基部10の外端部に伝動ケース11が前向きに連結されている。
伝動ケース11の前部の左右方向の軸芯P1周りに、操作アーム12が揺動自在に支持されており、幅広のベルト状の脚ベルト13が操作アーム12に取り付けられている。複数の平ギヤにより構成された伝動機構(図示せず)が、伝動ケース11の内部に備えられて、電動モータ(図示せず)が基部10の内部に備えられており、電動モータにより伝動機構を介して操作アーム12が軸芯P1周りに揺動操作される。
作業者は脚ベルト13を太腿部に巻き付けて、面ファスナ(図示せず)(マジックテープ(登録商標))により、脚ベルト13を太腿部に取り付ける。作業者がアシスト器具を装着した状態において、作業者の腰部の右側に右の脚作用部3(伝動ケース11)が位置し、作業者の腰部の左側に左の脚作用部3(伝動ケース11)が位置する。
(アーム部及びワイヤ)
図1,2,3に示すように、右及び左の縦フレーム6の上部が、作業者の右及び左の肩部を越えて斜め上側に延出され斜め前側に延出されて、右及び左のアーム部2となっている。アーム部2の上端部に支持部材16が取り付けられており、プーリー(図示せず)が支持部材16に回転自在に支持されている。
支持板7の後面の上部に昇降装置17が取り付けられており、昇降装置17から、右の2本のワイヤ18,19(吊り下げ機構に相当)、及び左の2本のワイヤ18,19(吊り下げ機構に相当)が延出されている。
支持板7の上部にアウター支持部15が連結され、支持部材16にアウター支持部16aが備えられている。ワイヤ18,19のアウター18b,19bの端部が、アウター支持部15及び支持部材16のアウター支持部16aに接続されて、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが昇降装置17に接続されている。
右の2本のワイヤ18,19のインナー18a,19aが、右の支持部材16のプーリーに掛けられて下側に延出されている。右の2本のワイヤ18,19のインナー18a,19aの下部に取付部21が接続されており、取付部21に右のハンド部20が接続されている。
左の2本のワイヤ18,19のインナー18a,19aが、左の支持部材16のプーリーに掛けられて下側に延出されている。左の2本のワイヤ18,19のインナー18a,19aの下部に取付部21が接続されており、取付部21に左のハンド部20が接続されている。
(取付部)
図4及び図5に示すように、取付部21は平板状であり、ワイヤ18,19のインナー18a,19aの下部が、取付部21に揺動自在に接続されている。取付部21に、2本の頭付きのピン22が横向きに連結されており、ピン22に、丸棒状の軸部22aと、軸部22aよりも大径の頭部22bとが備えられている。
取付部21におけるピン22の間の部分に、開口部21aが開口されている。外れ止め部材28が、取付部21におけるピン22の間の部分に、連結ピン29により連結されている。
外れ止め部材28は、板バネを折り曲げて形成されており、取付部21に連結ピン29によって連結される基部28aと、基部28aから延出された凸部28bとが備えられている。外れ止め部材28の凸部28bが、取付部21の開口部21aに入り込んで、ピン22の頭部22b側に突出している。
(昇降装置)
図1及び図2に示すように、昇降装置17は支持板7に連結されている。伝動機構(図示せず)を内装する上下向きの伝動ケース25、伝動ケース25の上部に横向きに連結された支持ケース26、伝動ケース25の下部に横向きに連結された電動モータ27、支持ケース26の内部で横向きの軸芯周りに回転自在に支持された4個の回転体(図示せず)が、昇降装置17に備えられている。
ワイヤ18,19のアウター18b,19bの端部がアウター支持部15に接続され、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが、支持ケース26の内部の4個の回転体の各々に接続されている。
制御装置8により、電動モータ27が作動操作される。電動モータ27の動力が伝動ケース25の内部の伝動機構を介して、支持ケース26の内部の回転体に伝達されるのであり、回転体が巻き取り側及び繰り出し側に回転駆動される。
(ハンド部)
図7~図10に右及び左のハンド部20が示されており、右及び左のハンド部20は同じ形状となっている。
図7~図10に示すように、板材が折り曲げられて、横向きに配置された荷物支持部30、及び、荷物支持部30から上側に延出された横側部31が形成されており、荷物支持部30の端部30aが斜め上向きに折り曲げられている。
滑り止め部材33が、荷物支持部30に取り付けられている。滑り止め部材33は、軟質のゴム製や粘着性を有する合成樹脂製で、薄い平板状に形成されており、多数の凹凸が上面に形成されている。荷物支持部30の端部30bに削り加工が施されており、荷物支持部30の端部30bのバリやカエリが処理されている。
板材が折り曲げられて、持ち手部32が形成されている。持ち手部32に、上側部32a、内側部32b、外側部32c及び連結部32dが設けられており、上側部32a及び外側部32cに面ファスナ36(マジックテープ(登録商標))が取り付けられている。
持ち手部32の連結部32dが荷物支持部30の下面に連結されて、持ち手部32の上側部32aが荷物支持部30よりも高い位置に配置されており、横側部31と持ち手部32の内側部32bとの間に、空間が形成されている。
図7に示すように、正面視(背面視)において、持ち手部32の上側部32aと荷物支持部30との間の上下方向での中央位置A1と、荷物支持部30との間の部分に、支持軸35が、横側部31と持ち手部32の内側部32bとに亘って取り付けられている。
縦長状の接続部34の下部が、支持軸35の軸芯P2(右及び左のハンド部20に荷物Bが保持された状態での左右方向に沿った軸芯に相当)周りに、揺動自在に取り付けられている。接続部34が、横側部31と持ち手部32の内側部32bとの間の空間を、横側部31及び持ち手部32の内側部32bに沿って、正方向及び逆方向に揺動する状態となっている。
図8,9,10に示すように、接続部34の上部は、横側部31の上端部及び持ち手部32の上側部32aよりも上側に位置している。
接続部34の上部に、2個の第1開口部38が開口されている。第1開口部38の下側に位置して第1開口部38に接続されるように、第1開口部38よりも大径の第2開口部39が開口されている。第1開口部38及び第2開口部39の間に開口部34aが開口されている。
(スイッチ操作部)
図7及び図10に示すように、ハンド部20の面ファスナ36に取り付け及び取り外し自在なスイッチ操作部40が備えられている。スイッチ操作部40に、合成樹脂により一体的に形成された外側部41と、金属製の内側部42とが備えられており、外側部41の内面に内側部42がビスにより連結されている。
内側部42は、金属製の板材を折り曲げて形成されており、上下方向に配置される横側部43、横側部43の上部から横向きに延出される上側部44、上側部44の端部から上側に延出される横側部45が備えられている。内側部42において、横側部43における上側部44側の面に、面ファスナ37(マジックテープ(登録商標))が取り付けられており、上側部44の下面に、面ファスナ37が取り付けられている。
右のハンド部20に取り付けられる右のスイッチ操作部40、及び、左のハンド部20に取り付けられるスイッチ操作部40は、左右対称の形状となっている。右のスイッチ操作部40(外側部41)に、上昇操作スイッチ23が取り付けられ、左のスイッチ操作部40(外側部41)に、下降操作スイッチ24が取り付けられている。
図1,2 3に示すように、制御装置8に接続された右及び左のハーネス14が、右及び左のアーム部2の内部に入っており、アーム部2の内部を通ってアーム部2の上端部に延出されている。アーム部2の上端部の開口部から、ハーネス14が出て下側に延出されており、右のハーネス14が上昇操作スイッチ23に接続され、左のハーネス14が下降操作スイッチ24に接続されている。
(ハンド部(接続部)の取付部への取り付け及び取り外し)
図8,9,10に示す接続部34の第1開口部38及び第2開口部39と、図4及び図5に示す取付部21のピン22の軸部22a及び頭部22bとにおいて、第1開口部38はピン22の軸部22aよりも少し大径であり、ピン22の頭部22bよりも小径である。第2開口部39はピン22の頭部22bよりも大径である。
図4,5,8,9,10に示す状態は、ハンド部20(接続部34)が取付部21から取り外された状態である。
図6及び図7に示すように、外れ止め部材28の凸部28bを、手で押して取付部21の開口部21aに入り込ませながら、ピン22(軸部22a及び頭部22b)を第2開口部39に入り込ませる。
次に、取付部21を少し上側に移動させて、ピン22の軸部22aを、第2開口部39から第1開口部38に入り込ませる。ピン22の軸部22aを第1開口部38に入り込ませると、外れ止め部材28の凸部28bが、ハンド部20の開口部34aに入り込んでピン22の頭部22b側に突出し、外れ止め部材28の凸部28bが、接続部34の開口部34aの下辺部に当たる状態となる。
以上の状態が、ハンド部20(接続部34)を取付部21に取り付けた状態である。
ピン22の軸部22aが第1開口部38から第2開口部39に移動しようとしても、ハンド部20の開口部34aの下辺部が、外れ止め部材28の凸部28bに当たることによって、ピン22の軸部22aの第2開口部39への移動が止められて、ハンド部20(接続部34)は取付部21から外れ難いものとなる。
ハンド部20により荷物Bを保持した場合、荷物Bの重量がハンド部20に下向きに掛かることにより、ピン22の軸部22aが、第1開口部38に保持されて、第1開口部38から第2開口部39に移動し難くなるのであり、ハンド部20(接続部34)は取付部21から外れ難いものとなる。
ピン22の軸部22aが第1開口部38から抜け出そうとしても、ピン22の頭部22bによって、ピン22の軸部22aは、第1開口部38から抜け出すことはできないのであり、ハンド部20(接続部34)は取付部21から外れ難いものとなる。
ハンド部20(接続部34)を取付部21から取り外す場合、図6及び図7に示す状態において、外れ止め部材28の凸部28bを取付部21の開口部21aに押し込むことにより、外れ止め部材28の凸部28bを接続部34の開口部34aの下辺部から外した状態とする。
この状態において、ピン22の軸部22aを第1開口部38から第2開口部39に移動させ、ピン22の頭部22bを第2開口部39から抜き出すことにより、ハンド部20(接続部34)を取付部21から取り外すことができる。
図7では、取付部21を接続部34に対して持ち手部32とは反対側に位置させた状態で、ハンド部20(接続部34)を取付部21に取り付けた状態となっている。
この場合、取付部21を接続部34に対して持ち手部32側に位置させた状態で、前述と同じ操作を行うことにより、ハンド部20(接続部34)を取付部21に取り付けることができる。
(スイッチ操作部のハンド部への取り付け及び取り外し)
図7及び図10に示すように、スイッチ操作部40の面ファスナ37を、ハンド部20の面ファスナ36に当て付けて接続することにより、スイッチ操作部40をハンド部20に取り付けることができるのであり、上昇操作スイッチ23(下降操作スイッチ24)がスイッチ操作部40を介してハンド部20に取り付けられる。
面ファスナ36,37の接続範囲は比較的広いものであるので、ハンド部20におけるスイッチ操作部40の取付位置を、面ファスナ36,37の接続範囲において任意に変更することができる。
スイッチ操作部40の面ファスナ37をハンド部20の面ファスナ36から離すことにより、スイッチ操作部40がハンド部20から取り外されるのであり、上昇操作スイッチ23(下降操作スイッチ24)がハンド部20から取り外される。
前項の(ハンド部)(ハンド部(接続部)の取付部への取り付け及び取り外し)に記載のように、図8,9,10に示す第1開口部38及び第2開口部39、面ファスナ36等の構成を備えたハンド部20であれば、図7~図10に示すハンド部20に代えて、別のハンド部20(接続部34)を取付部21に取り付けることができる(交換することができる)。
前述のように、取付部21に各種のハンド部20(接続部34)を取り付けた場合(交換した場合)、スイッチ操作部40の面ファスナ37を、交換されたハンド部20の面ファスナ36に接続することにより、スイッチ操作部40(上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24)を、各種のハンド部20に共用することができる。
(制御装置による脚作用部及び昇降装置の作動)
図1及び図2に示すように、上昇操作スイッチ23を押し操作した場合、後述する(アシスト器具の作業形態)に記載のように、上昇操作スイッチ23を押し操作している間、脚作用部3において、電動モータにより操作アーム12が下側に揺動操作されて、作業者の太腿部が下側に操作される。
脚作用部3の操作アーム12が下側に揺動操作された後において、上昇操作スイッチ23を押し操作した場合、後述する(アシスト器具の作業形態)に記載のように、上昇操作スイッチ23を押し操作している間、昇降装置17において、電動モータ27により回転体が巻き取り側に回転駆動され、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが回転体に巻き取られて、ハンド部20が上昇する。
下降操作スイッチ24を押し操作した場合、下降操作スイッチ24を押し操作している間、昇降装置17において、電動モータ27により回転体が繰り出し側に回転駆動され、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが回転体から繰り出されて、ハンド部20が下降する。
上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24の押し操作を止めると、昇降装置17において、電動モータ27が停止する。
電動モータ27に電磁ブレーキ(図示せず)が備えられており、電動モータ27の作動時に電磁ブレーキは自動的に解除状態となり、電動モータ27の停止時及び非通電時に電磁ブレーキは自動的に制動状態となる。
これにより、電動モータ27が停止した状態において、昇降装置17からワイヤ18,19のインナー18a,19aが繰り出されることはなく、ハンド部20に荷物Bの重量が掛かっても、ハンド部20が下降することはない。
脚作用部3において、電動モータが停止状態になると、電動モータは自由回転状態となる。これにより、作業者が歩行する場合や、作業者が腰部を下に曲げたり、膝部を曲げて腰部を落としたりする場合、作業者の太腿部に追従するように操作アーム12が揺動するのであり、作業者の動作が妨げられることはない。
(ハンド部による荷物の保持操作)
図11及び図12に示すように、合成樹脂製で上部が開放された箱状(ケース状)の荷物Bが想定されており、荷物Bの上部の外周部の縁部B1が下向きに延出されている。
図1及び図2に示すように、アシスト器具を装着した作業者が、右手及び左手を前に出して、ハンド部20の持ち手部32(スイッチ操作部40)を持つと、ハンド部20の横側部31及び持ち手部32が上下方向に向き、ハンド部20の荷物支持部30が左右方向に向く状態となる。
図11及び図12に示すように、作業者は、右及び左のハンド部20の荷物支持部30に、荷物Bの縁部B1に下端部を載せて、前述の(制御装置による脚作用部及び昇降装置の作動)に記載のように、ハンド部20を上昇操作して荷物Bを持ち上げると、ハンド部20により荷物Bを保持して吊り下げた状態となる。
荷物Bを吊り下げた状態から例えば荷物Bを棚やトラックの荷台等に置く為に、作業者がハンド部20を持って荷物Bを前側に移動させると、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが、アーム部2の上部から斜め前側の下側に延出される傾斜した状態となる。
これに伴なって、ハンド部20の接続部34(ワイヤ18,19のインナー18a,19aの下部、取付部21)が、ハンド部20に対して後側(作業者側)に、軸芯P2周りに揺動する。
以上のように、ハンド部20の接続部34がハンド部20に対して後側(作業者側)に揺動する点、並びに、ハンド部20の接続部34(ワイヤ18,19のインナー18a,19aの下部、取付部21)が、ハンド部20の荷物支持部30に近い位置に取り付けられている点により、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが、アーム部2の上部から斜め前側の下側に延出される傾斜した状態において、ハンド部20の荷物支持部30が水平姿勢から傾斜した姿勢に変えられようとすることは少ない。
ワイヤ18,19のインナー18a,19aが、アーム部2の上部から斜め前側の下側に延出される傾斜した状態になっても、ハンド部20の荷物支持部30に取り付けられた滑り止め部材33により、ハンド部20の荷物支持部30が荷物B(縁部B1)に対して滑ることは少ない。
ハンド部20の接続部34が軸芯P2周りに揺動する場合、ハンド部20の接続部34と荷物B(縁部B1)とが、ハンド部20の横側部31により隔てられた状態で、ハンド部20の接続部34は、ハンド部20の横側部31と持ち手部32の内側部32bとの間の空間を揺動する。
これにより、ハンド部20の接続部34が揺動しても、ハンド部20の接続部34が荷物B(縁部B1)に接触することは少ない。
(アシスト器具の作業形態)
例えば、パレットや床に置かれた荷物Bを高い棚やトラックの荷台に置くような場合、作業者が腰部を下に曲げたり、膝部を曲げて腰部を落としたりして、パレットや床の荷物Bを手で持ち、次に手を下に延ばした状態で荷物Bを持ちながら、腰部を上側に延ばしたり、立ち上がったりした後、次に手で荷物Bを持ち上げて、荷物Bを高い棚やトラックの荷台に置くような状態が想定される。
アシスト器具を装着した作業者が前述のような作業を行う状態において、上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24の押し操作に基づいて、制御装置8により脚作用部3及び昇降装置17が作動する状態について説明する。
図1及び図2に示すように、作業者がアシスト器具を装着した状態において、作業者が上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24の両方を押し操作していないと、昇降装置17の電動モータ27は停止して、脚作用部3の電動モータは停止状態(自由回転状態)となる。
作業者が腰部を下に曲げて(膝部を曲げて腰部を落として)、パレットや床の荷物Bを持つ場合、作業者が下降操作スイッチ24を押し操作すると、昇降装置17において電動モータ27が繰り出し側に作動し、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが繰り出されて、ハンド部20が下降する。
下降操作スイッチ24の押し操作を止めると、電動モータ27が停止して、ハンド部20が停止するので、作業者は、前述の(ハンド部による荷物の保持操作)に記載のように右及び左のハンド部20により荷物Bを保持する。
作業者は、右及び左のハンド部20により荷物Bを保持した状態で、腰部を上に延ばすことにより(立ち上がることにより)、荷物Bを持ち上げる。作業者が上昇操作スイッチ23を押し操作すると、脚作用部3において操作アーム12が下側に揺動操作され、作業者の太腿部が下側に操作されて、作業者が腰部を上に延ばすこと(立ち上がること)が補助される。
作業者が上昇操作スイッチ23を押し操作した状態で立ち上がった後に、脚作用部3において、操作アーム12が略真下に向く位置に達したことが検出されると、作業者が起立した(立ち上がった)と判断されて、脚作用部3の電動モータは停止状態(自由回転状態)となる。
次に作業者が上昇操作スイッチ23を押し操作すると、昇降装置17において、電動モータ27が巻き取り側に作動し、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが巻き取られて、ハンド部20が上昇する。所望の位置までハンド部20が上昇すると、上昇操作スイッチ23の押し操作を止めることにより、電動モータ27が停止してハンド部20が停止する。
作業者は、荷物Bを置くべき高い棚やトラックの荷台等へ歩いて移動する。作業者が高い棚やトラックの荷台等に到着して、作業者が下降操作スイッチ24を押し操作すると、昇降装置17において、電動モータ27が繰り出し側に作動し、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが繰り出されて、ハンド部20が下降する。
作業者は、前述の(ハンド部による荷物の保持操作)に記載のように、ハンド部20を持って荷物Bを前側に移動させ、ワイヤ18,19のインナー18a,19aを、アーム部2の上部から斜め前側の下側に延出される傾斜した状態として、荷物Bを高い棚やトラックの荷台等に置き、ハンド部20を荷物Bから取り外す。荷物Bを高い棚やトラックの荷台等に置くと、最初の状態に戻るので、次の荷物Bに対して同様な操作を行う。
(発明の実施の第1別形態)
上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24を、取付部21に設けてもよい。この構造によると、スイッチ操作部40は不要になる。
上昇操作スイッチ23を左のスイッチ操作部40又は取付部21に設け、下降操作スイッチ24を右のスイッチ操作部40又は取付部21に設けてもよい。
上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24の両方を、右又は左の一方のスイッチ操作部40又は取付部21に設けてもよい。
(発明の実施の第2別形態)
右及び左のアーム部2を廃止して、1本のアーム部2を備えてもよい。
この構造によると、1本のアーム部2から2本のワイヤ18を延出して、2本のワイヤ18の一方に右の取付部21(ハンド部20)を接続し、2本のワイヤ18の他方に左の取付部21(ハンド部20)を接続する。又は、1本のアーム部2から1本のワイヤ18を延出し、1本のワイヤ18の端部を二股状に分岐させて、分岐部分の一方に右の取付部21(ハンド部20)を接続し、分岐部分の他方に左の取付部21(ハンド部20)を接続する。
(発明の実施の第3別形態)
昇降装置17、上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24を廃止して、ワイヤ18,19を本体部1やアーム部2に連結し、ハンド部20の位置を固定して、ハンド部20の昇降を行わないように構成してもよい。
(発明の実施の第4別形態)
脚作用部3を備えないように構成してもよい。本体部1を、作業者の背中部ではなく、作業者の肩部に取り付けるように構成してもよい。
ワイヤ18,19に代えて、合成樹脂製のベルト(図示せず)(吊り下げ機構に相当)や、金属製のチェーン(図示せず)(吊り下げ機構に相当)を使用してもよい。
本発明は、作業者に装着されて作業者による荷物の保持を補助するアシスト器具に適用できる。
1 本体部
2 アーム部
18 ワイヤ(吊り下げ機構)
19 ワイヤ(吊り下げ機構)
20 ハンド部
21 取付部
30 荷物支持部
31 横側部
32 持ち手部
32a 上側部
33 滑り止め部材
34 接続部
A1 中央位置
B 荷物
P2 軸芯

Claims (4)

  1. 作業者に取り付けられる本体部と、前記本体部から前側に延出されたアーム部と、前記アーム部から下側に延出された吊り下げ機構と、前記吊り下げ機構に接続されて荷物を保持する右及び左のハンド部とが備えられ、
    前記ハンド部に、
    横向きに配置されて、荷物を支持する荷物支持部と、
    前記荷物支持部の横外側に配置され、前記荷物支持部よりも高い位置に配置された上側部を有して、作業者が持つ持ち手部とが設けられ、
    前記吊り下げ機構の下部が、前記ハンド部において、前記上側部と前記荷物支持部との間の上下方向での中央位置と、前記荷物支持部との間の部分に、右及び左の前記ハンド部に荷物が保持された状態での左右方向に沿った軸芯周りに揺動自在に取り付けられているアシスト器具。
  2. 前記吊り下げ機構の下部に接続された取付部と、前記軸芯周りに揺動自在に前記ハンド部に支持された接続部とが備えられ、
    前記取付部が前記接続部に取り付け及び取り外し自在である請求項1に記載のアシスト器具。
  3. 前記ハンド部において、前記荷物支持部と前記持ち手部との間に、上下方向に沿って配置された横側部が設けられ、
    前記持ち手部と前記横側部との間に、前記接続部が配置されて前記軸芯周りに揺動自在に前記ハンド部に支持されている請求項2に記載のアシスト器具。
  4. 前記荷物支持部に対する荷物の滑りを防止する滑り止め部材が、前記荷物支持部に取り付けられている請求項1~3のうちのいずれか一項に記載のアシスト器具。
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