JP7034026B2 - 撓み噛合い式歯車装置 - Google Patents

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Description

本発明は、撓み噛合い式歯車装置に関する。
特許文献1には、回転運動を伝達するために可撓性を有する外歯歯車と剛性を有する内歯歯車とが噛合う撓み噛合い式歯車装置が開示されている。この撓み噛合い式歯車装置において、外歯歯車を撓み変形させる波動発生器は、起振体に相当する剛性プラグと、起振体軸受に相当するウェーブベアリングとを備える。剛性プラグは、楕円形状の外周面を有し、ウェーブベアリングを介して外歯歯車に内嵌され、外歯歯車を楕円形状に撓み変形させる。ウェーブベアリングは、総玉タイプの軸受である。ウェーブベアリングの複数の転動体(玉)は、内外輪の間にタイト状態に挟まれる転動体と、ルーズ状態に挟まれる転動体とを含む。
特許文献1の撓み噛合い式歯車装置は、さらに、転動体に制動力を与えて、内外輪の間でタイト状態に挟まれる複数の転動体の間に、間隔を確保する間隔確保部材が開示されている。
国際公開第2018/025296号
特許文献1の撓み噛合い式歯車装置では、間隔確保部材により転動体(玉)の公転運動に制動力が与えられる。しかしながら、このような間隔確保部材を、コロ軸受に適用した場合、片側から加えられる制動力によってコロにスキュー(斜めになること)が生じてしまうという課題が生じる。スキューが生じるとコロの正常な転動が阻害され、起振体軸受の寿命が短くなる。
本発明は、起振体軸受にコロ軸受が適用された撓み噛合い式歯車装置において、コロにスキューが生じてしまうことを抑制しつつ、コロの間隔を適切に確保できるようにすることを目的とする。
本発明に係る一つの撓み噛合い式歯車装置は、
内歯歯車と、前記内歯歯車と噛合う外歯歯車と、前記外歯歯車を撓み変形させる起振体と、前記起振体と前記外歯歯車との間に配置される起振体軸受と、を備えた撓み噛合い式歯車装置であって、
前記起振体と一体的に回転する間隔確保部材を更に備え、
前記起振体軸受は、内周側の第1転走面と外周側の第2転走面の間にルーズ状態に挟まれるコロ及びタイト状態に挟まれるコロを含んだ複数のコロを有し、
前記複数のコロのうち、隣接するルーズ状態のコロとタイト状態のコロとをそれぞれ第1コロ及び第2コロと呼ぶと、
前記間隔確保部材は、前記第1コロと前記第2コロとの間に間隔を確保するために、前記第1コロに対して前記第2コロへ向かう方向の公転運動に対して制動力を与える部材であり、かつ、前記コロの軸方向両端部に対向し、
前記間隔確保部材は、前記第1転走面における前記コロの外周面と対向する位置に配置され、前記第1転走面よりもヤング率が小さく、
さらに、前記間隔確保部材は、前記第1転走面よりも前記コロが転動する空間側へ突出している構成とした。
本発明に係るもう一つの撓み噛合い式歯車装置は、
内歯歯車と、前記内歯歯車と噛合う外歯歯車と、前記外歯歯車を撓み変形させる起振体と、前記起振体と前記外歯歯車との間に配置される起振体軸受と、を備えた撓み噛合い式歯車装置であって、
前記起振体と一体的に回転する間隔確保部材を更に備え、
前記起振体軸受は、内周側の第1転走面と外周側の第2転走面の間にルーズ状態に挟まれるコロ及びタイト状態に挟まれるコロを含んだ複数のコロを有し、
前記複数のコロのうち、隣接するルーズ状態のコロとタイト状態のコロとをそれぞれ第1コロ及び第2コロと呼ぶと、
前記間隔確保部材は、前記第1コロと前記第2コロとの間に間隔を確保するために、前記第1コロに対して前記第2コロへ向かう方向の公転運動に対して制動力を与える部材であり、かつ、前記コロの軸方向両端部に対向し、
前記間隔確保部材は、前記コロの軸方向の全域に対向する構成とした。
本発明に係るもう一つの撓み噛合い式歯車装置は、
内歯歯車と、前記内歯歯車と噛合う外歯歯車と、前記外歯歯車を撓み変形させる起振体と、前記起振体と前記外歯歯車との間に配置される起振体軸受と、を備えた撓み噛合い式歯車装置であって、
前記起振体と一体的に回転する間隔確保部材を更に備え、
前記起振体軸受は、内周側の第1転走面と外周側の第2転走面の間にルーズ状態に挟まれるコロ及びタイト状態に挟まれるコロを含んだ複数のコロを有し、
前記複数のコロのうち、隣接するルーズ状態のコロとタイト状態のコロとをそれぞれ第1コロ及び第2コロと呼ぶと、
前記間隔確保部材は、前記第1コロと前記第2コロとの間に間隔を確保するために、前記第1コロに対して前記第2コロへ向かう方向の公転運動に対して制動力を与える部材であり、かつ、前記コロの軸方向両端部に対向し、
前記間隔確保部材は、弾性を有し、前記コロの軸方向の端面に接触可能に配置され、
前記コロの軸方向の一端面に接触可能な前記間隔確保部材の接触部位と前記コロの軸方向の他端面に接触可能な前記間隔確保部材の接触部位との間の距離が、前記コロの軸方向長さよりも短い構成とした。
本発明に係るもう一つの撓み噛合い式歯車装置は、
内歯歯車と、前記内歯歯車と噛合う外歯歯車と、前記外歯歯車を撓み変形させる起振体と、前記起振体と前記外歯歯車との間に配置される起振体軸受と、を備えた撓み噛合い式歯車装置であって、
前記起振体と一体的に回転する間隔確保部材を更に備え、
前記起振体軸受は、内周側の第1転走面と外周側の第2転走面の間にルーズ状態に挟まれるコロ及びタイト状態に挟まれるコロを含んだ複数のコロを有し、
前記複数のコロのうち、隣接するルーズ状態のコロとタイト状態のコロとをそれぞれ第1コロ及び第2コロと呼ぶと、
前記間隔確保部材は、前記第1コロと前記第2コロとの間に間隔を確保するために、前記第1コロに対して前記第2コロへ向かう方向の公転運動に対して制動力を与える部材であり、かつ、前記コロの軸方向中心を含む範囲に対向する構成とした。
本発明によれば、起振体軸受にコロ軸受が適用された撓み噛合い式歯車装置において、コロにスキューが生じてしまうことを抑制しつつ、コロの間隔を適切に確保できるという効果が得られる。
本発明の実施形態1の撓み噛合い式歯車装置を示す断面図である。 実施形態1の歯車機構を軸方向から見た図である。 実施形態1の間隔確保部材の周辺を示す拡大図である。 本発明の実施形態2の撓み噛合い式歯車装置を示す断面図である。 実施形態2の間隔確保部材の周辺を示す拡大図である。 本発明の実施形態3の撓み噛合い式歯車装置を示す断面図である。 実施形態3の間隔確保部材の周辺を示す拡大図である。 本発明の実施形態4の撓み噛合い式歯車装置を示す断面図である。 実施形態4の歯車機構を軸方向から見た図である。 実施形態4の間隔確保部材の周辺を示す拡大図である。
以下、本発明の各実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本明細書では、特に断りなく軸方向、径方向、周方向と言ったときには、それぞれ回転軸O1に沿った方向(軸方向)、回転軸O1から垂直な方向(径方向)、回転軸O1を中心とする回転方向(周方向)を意味する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1の撓み噛合い式歯車装置を示す断面図である。図2は、実施形態1の歯車機構を軸方向から見た図である。図2は、起振体軸10、外歯歯車12、起振体軸受15及び第1内歯歯車22gを模式的に示した図であり、これらのうち起振体軸10のみを間隔確保部材19aの箇所で断面にして示している。図3は、実施形態1の間隔確保部材の周辺を示す拡大図である。
実施形態1の撓み噛合い式歯車装置1は、図1に示すように、起振体軸10、撓み変形される外歯歯車12、外歯歯車12と噛合う第1内歯歯車22g及び第2内歯歯車23g、起振体軸受15、並びに、間隔確保部材19a~19dを備える。さらに、撓み噛合い式歯車装置1は、第1ケーシング22、第2内歯歯車23gを有する内歯歯車部材23、第2ケーシング24、第1カバー26、第2カバー27、軸受31、32及び主軸受33を備える。さらに、撓み噛合い式歯車装置1は、スペーサリング35a、35b、36a、36b、37a、37bを備える。なお、スペーサリング36a、37a及び37bをなくして、コロ15Aの軸方向長さを大きくしてもよい。
起振体軸10は、中空軸状であり、回転軸O1に垂直な断面の外形が楕円状である起振体10Aと、起振体10Aの軸方向の両側に設けられ回転軸O1に垂直な断面の外形が円形である軸部10B、10Cとを有する。楕円状は、幾何学的に厳密な楕円である必要はなく、略楕円を含む。起振体軸10は、回転軸O1を中心に回転する。
外歯歯車12は、可撓性を有する円筒状の金属であり、外周に歯が設けられている。
第1内歯歯車22gと第2内歯歯車23gとは、軸方向に並んで外歯歯車12と噛合う。第1内歯歯車22gは、第1ケーシング22の内周の一部に歯が設けられて構成される。第2内歯歯車23gは、内歯歯車部材23の内周の一部に歯が設けられて構成される。
起振体軸受15は、複数の転動体である複数のコロ15Aと、外輪15Bとを有する。起振体軸受15は、総コロタイプの軸受であり、複数のコロ15Aと共に周方向に移動して複数のコロ15Aの間隔を保持する保持器を有さない。保持器が省略される分、コロ15Aの個数を増やして、1つのコロ15Aが受ける荷重を減らし、起振体軸受15の寿命を延ばすことができる。起振体軸受15は、起振体10Aと外歯歯車12との間に配置される。複数のコロ15Aは、起振体10Aの外周面と外輪15Bの内周面とを転走面S1、S2(図2、図3を参照)として転動する。転走面は軌道面と呼んでもよい。なお、これらの構成に限られず、起振体軸受15は、起振体10Aとは別体の内輪を有していてもよい。また、外輪15Bを有さず、外歯歯車12の内周面を転走面としてもよい。また、起振体軸受15は、完全に保持器を有さない構成である必要はなく、一部の範囲に保持器が設けられていてもよい。
複数のコロ15Aは、第1内歯歯車22gの内周に沿って移動する第1列のコロ15Aと、第2内歯歯車23gの内周に沿って移動する第2列のコロ15Aとを含む。実施形態1の各コロ15Aは、円柱形状とされ、軸方向両端部にクラウニング部を有し、コロ15Aのエッジに過大な応力が集中することを抑制している。クラウニング部とは、コロ15Aの軸方向両端部の外周面が転走面S1、S2からなだらかに離れるように曲率を設けた形状部分を意味する。コロ15Aの軸方向とは、コロ15Aの回転中心軸に沿った方向を意味する。なお、本発明のコロは、ニードルコロを含む概念である。
第1ケーシング22及び第2ケーシング24は、第1内歯歯車22g及び第2内歯歯車23gと外歯歯車12とが噛合う部分の外周側を覆う。第2ケーシング24は第1内歯歯車22gと一体化された第1ケーシング22と連結される。第2ケーシング24は、主軸受33を介して内歯歯車部材23と相対的に回転可能に、内歯歯車部材23を支持する。主軸受33は、例えばクロスローラ軸受である。
第1カバー26は、第1ケーシング22と連結され、起振体軸10の反負荷側の外周部を覆う。反負荷側とは、軸方向のうち、被駆動部材が連結される側の反対側を意味する。第1カバー26は、軸受31を介して相対的に回転可能に起振体軸10の軸部10Bを支持する。第2カバー27は、内歯歯車部材23と連結され、起振体軸10の負荷側の外周部を覆う。負荷側とは、軸方向のうち、被駆動部材が連結される側を意味する。第2カバー27は、軸受32を介して相対的に回転可能に起振体軸10の軸部10Cを支持する。軸受31、32は、例えば玉軸受である。
スペーサリング35a、35bは、それぞれ、外歯歯車12及び外輪15Bの軸方向の両側に配置され、外歯歯車12及び外輪15Bが軸方向に変位することを抑制する。
スペーサリング36a、36bは、起振体軸受15の第1列の複数のコロ15Aの軸方向の両側にそれぞれ配置され、第1列の複数のコロ15Aが軸方向に移動することを抑制する。スペーサリング37a、37bは、起振体軸受15の第2列の複数のコロ15Aの軸方向の両側にそれぞれ配置され、第2列の複数のコロ15Aが軸方向に移動することを抑制する。
<減速動作の説明>
図示略のモータ等から回転運動が入力され、起振体軸10が回転すると、起振体10Aの運動が外歯歯車12に伝わる。図2に示すように、外歯歯車12の内側には、起振体軸受15を介して起振体10Aが嵌合されており、外歯歯車12は、起振体10Aの外周形状に規制されて、長軸部分と短軸部分とを有する楕円形状に撓んでいる。さらに、外歯歯車12は、固定された第1内歯歯車22gと長軸部分で噛合っている。このため、外歯歯車12は起振体10Aと同じ回転速度で回転することはなく、外歯歯車12の内側で起振体10Aが相対的に回転する。そして、この相対的な回転に伴って、外歯歯車12は長軸位置と短軸位置とが周方向に移動するように撓み変形する。この変形の周期は、起振体軸10の回転周期に比例する。
外歯歯車12が撓み変形する際、その長軸位置が移動することで、外歯歯車12と第1内歯歯車22gとの噛合う位置が回転方向に変化する。ここで、外歯歯車12の歯数が100で、第1内歯歯車22gの歯数が102だとすると、噛合う位置が一周するごとに、外歯歯車12と第1内歯歯車22gとの噛合う歯がずれていき、これにより外歯歯車12が回転(自転)する。上記の歯数であれば、起振体軸10の回転運動は減速比100:2で減速されて外歯歯車12に伝達される。
一方、外歯歯車12は第2内歯歯車23gとも噛合っているため、起振体軸10の回転に伴って外歯歯車12と第2内歯歯車23gとの噛合う位置も回転方向に変化する。ここで、第2内歯歯車23gの歯数と外歯歯車12の歯数とが同数であるとすると、外歯歯車12と第2内歯歯車23gとは相対的に回転せず、外歯歯車12の回転運動が減速比1:1で第2内歯歯車23gへ伝達される。これらによって、起振体軸10の回転運動が減速比100:2で減速され、例えば内歯歯車部材23及び第2カバー27から被駆動部材へ出力される。
<間隔確保部材と起振体軸受の詳細>
起振体軸受15の複数のコロ15Aは、図2に示すように、起振体10Aの長軸部分に近い範囲W1と、起振体10Aの短軸部分に近い範囲W2とで、受ける荷重の大きさが異なる。範囲W1では、コロ15Aは起振体10Aの外周面と外輪15Bの内周面とから大きな荷重を受け、これらの間にタイト状態に挟まれる。以下、このコロ15Aを、タイト状態のコロ15Aとも呼ぶ。範囲W2では、コロ15Aは起振体10Aの外周面と外輪15Bの内周面との間から大きな荷重を受けず、これらの間にルーズ状態に挟まれる。以下、このコロ15Aを、ルーズ状態のコロ15Aとも呼ぶ。
図2において、タイト状態のコロ15Aを白色で表わし、ルーズ状態のコロ15Aを濃い色で表わしている。タイト状態のコロ15Aは、内周側と外周側の両転走面S1、S2に接触(線接触)した状態で転動する。一方、ルーズ状態のコロ15Aは、内周側と外周側の両転走面S1、S2の間において、隙間があり、転がり運動が自在な状態にある。起振体軸10の回転方向に応じて複数のコロ15Aの移動方向も図2における時計方向と反時計方向とに切り替えられる。
間隔確保部材19a~19dは、例えばゴム又は樹脂などの素材、すなわち、コロ15Aが転動する転走面S1を構成する素材(鋼鉄)よりもヤング率の低い素材から構成される。間隔確保部材19a~19dは、起振体10Aに取り付けられ、起振体10Aと共に回転する。すなわち、複数のコロ15Aは間隔確保部材19a~19dが配置される箇所を通過して周回する。間隔確保部材19a~19dは、例えば起振体10Aの外周面に設けられた溝10ma~10md(図3を参照)に接着されて固定される。
間隔確保部材19a~19dは、範囲W1と範囲W2との間の複数箇所(例えば4箇所)、より詳細には、範囲W2の周方向の両端区間をそれぞれ含んだ複数箇所(例えば4箇所)に配置される(図2を参照)。図2では、間隔確保部材19aを示しているが、他の間隔確保部材19b~19dも、周方向において同じ位置に配置されている。
間隔確保部材19a、19bは、図3に示すように、第1列のコロ15Aの軸方向の両端部(の外周)に、径方向から対向する。さらに、間隔確保部材19a、19bは、コロ15Aがここを通過する際に、コロ15Aの両端部(の外周)に接触するよう、起振体10Aの外周面(転走面S1)よりも径方向に突出して設けられている。さらに、間隔確保部材19a、19bは、転走面S1から離れたコロ15Aのクラウニング部に接触するように突出して設けられている。コロ15Aの軸方向における両端部とは、コロ15Aを軸方向において3等分したうちの両側の部分と見なしてもよく、両端部に対向するとは、両端部の少なくとも一部の範囲に対向していればよい。すなわち、両端部に対向するという構成には、両端点を含まない範囲に対向する構成も含まれる。コロ15Aの軸方向とは、回転軸O1の軸方向とほぼ一致する。
間隔確保部材19a、19bは、第1列のコロ15Aの中心を挟んで軸方向の一方と他方とで対称的な形状を有し、対称的に配置されている。なお、これらの対称性は完全なものでなくてもよいし、あるいは非対称であってもよい。
間隔確保部材19c、19dは、第2列のコロ15Aに対応して配置される他は、間隔確保部材19a、19bと同様である。
<間隔確保部材の作用>
先ず、起振体軸10が図2の時計方向に継続的に回転する場合を想定する。この場合、複数のコロ15Aは起振体10Aに対して相対的に反時計方向に移動する。すなわち、複数のコロ15Aの各々は、その位置に応じて、大きな荷重が加わらない範囲W2から大きな荷重が加わる範囲W1へ移動したり、逆に、大きな荷重が加わる範囲W1から大きな荷重が加わらない範囲W2へ移動したりする。
これらのうち、範囲W2から範囲W1へ移動するコロ15Aは、その移動中、間隔確保部材19a~19dから制動力が与えられる。範囲W2において、コロ15Aはルーズ状態に挟まれ、転走面S1、S2の間で転がり自在な状態にあるため、上記の制動力によって範囲W1への進入に遅延が及ぼされる。これにより、先に範囲W1へ進入していたコロ15Aとの間に間隔が確保される。言い換えれば、隣接するルーズ状態の1つのコロ15Aとタイト状態の1つのコロ15Aとをそれぞれ第1コロ及び第2コロと呼ぶと、間隔確保部材19a~19dは、第1コロに対して第2コロへ向かう方向の公転運動に対して制動力を与える。これにより、第1コロと第2コロとの間に間隔が確保される。
さらに、間隔確保部材19a~19dからコロ15Aに制動力が与えられる際、間隔確保部材19a~19dは、コロ15Aの軸方向の両端部から制動力を与える。これにより、コロ15Aにスキューが生じてしまうことが抑制される。
そして、範囲W1へ進入したコロ15Aは、内周側と外周側の転走面S1、S2に接触した状態で転動するため、1つ先のコロ15Aとの間隔が保たれたまま範囲W1を移動する。間隔が確保されることで、大きな荷重が生じる範囲W1において、互いに隣接するコロ15A同士が大きな抵抗で擦れ合うという事態が回避され、起振体軸受15の疲労寿命を延ばすことができる。また、スキューの生じたコロ15Aに大きな荷重が加わると、コロ15A及び転走面S1、S2に劣化が生じる。しかし、本実施形態では、スキューの発生が抑制されるので、コロ15A及び転走面S1、S2の劣化が抑制され、起振体軸受15の疲労寿命を延ばすことができる。
その後、コロ15Aが範囲W1から範囲W2へ進むと、コロ15Aは転走面S1、S2の間で転がり自在な状態となり、1つ先のコロ15Aとの間隔が詰められて範囲W2を移動する。
起振体軸10が時計方向と反時計方向とに不規則に回転する場合においても、範囲W1と範囲W2との間を移動するコロ15Aに対して、間隔確保部材19a~19dが同様に作用し、範囲W1において複数のコロ15Aの間隔が適宜に確保される。さらに、間隔確保部材19a~19dからコロ15Aに制動力が与えられるときに、コロ15Aにスキューが生じることが抑制される。
以上のように、実施形態1の撓み噛合い式歯車装置1によれば、起振体10Aと一体的に回転する間隔確保部材19a~19dが設けられる。そして、起振体軸受15の複数のコロ15Aのうち、隣接するルーズ状態の1つのコロ15Aとタイト状態の1つのコロ15Aとを第1コロと第2コロと呼ぶと、間隔確保部材19a~19dは、第1コロに対して第2コロへ向かう方向の公転運動に制動力を与える。これにより、範囲W1において複数のコロ15Aの間隔を確保できる。さらに、間隔確保部材19a~19dは、コロ15Aの軸方向両端部に対向(径方向に対向)するように配置され、制動力を与える際にコロ15Aにスキューが生じることを抑制できる。したがって、コロ15Aに荷重が加えられる範囲W1において、複数のコロ15Aが衝突することを抑制でき、さらに、コロ15Aにスキューが生じることを抑制でき、起振体軸受15の疲労寿命を延ばすことができる。
さらに、実施形態1の撓み噛合い式歯車装置1によれば、間隔確保部材19a~19dは、コロ15Aが転動する転走面S1においてコロ15Aの端部外周面と対向する位置に配置され、転走面よりもヤング率が小さい。この構成により、コロ15Aにスキューが生じないようにコロ15Aに安定した制動力を与えることができる。また、間隔確保部材19a~19dがコロ15Aに接触する際に、擦れによるコロ15Aの劣化が生じにくい。
さらに、実施形態1の撓み噛合い式歯車装置1によれば、間隔確保部材19a~19dが、転走面S1よりもコロ15Aが転動する空間側に突出している。この構成により、コロ15Aにスキューが生じないように間隔確保部材19a~19dから安定した制動力を与えることができる。
さらに、実施形態1の撓み噛合い式歯車装置1によれば、コロ15Aがクラウニング部を有し、クラウニング部が転走面S1と接触しない一方、間隔確保部材19a~19dはクラウニング部と接触する。このような構成により、クラウニング部によってコロ15Aのエッジに応力が集中してしまうことを抑制でき、かつ、クラウニング部があっても間隔確保部材19a~19dによってスキューを抑制しつつコロ15Aに制動力を与えることができる。
(実施形態2)
図4は、本発明の実施形態2の撓み噛合い式歯車装置を示す断面図である。図5は、実施形態2の間隔確保部材の周辺を示す拡大図である。
実施形態2の撓み噛合い式歯車装置1Aは、主に、間隔確保部材19e、19fが、実施形態1と異なり、他の構成要素は実施形態1と同様である。同様の構成要素については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
間隔確保部材19e、19fは、起振体10Aに取り付けられ、起振体10Aと共に回転する。間隔確保部材19e、19fは、例えば起振体10Aに設けられた溝10me、10mf(図5)に接着されて固定される。周方向における間隔確保部材19e、19fの配置は、実施形態1の間隔確保部材19a~19d(図2を参照)と同様である。
間隔確保部材19e、19fは、例えばゴム又は樹脂などの素材、すなわち、コロ15Aが転動する転走面S1(鋼鉄)よりもヤング率の低い素材から構成される。
間隔確保部材19e、19fは、コロ15Aの外周面の軸方向における中心を含む範囲に対向するように配置される。具体的には、間隔確保部材19e、19fは、コロ15Aの外周面の軸方向における中央の範囲に、径方向から対向する。さらに、間隔確保部材19e、19fは、コロ15Aがここを通過する際に、コロ15Aの外周面に接触するよう、起振体10Aの外周面(転走面S1、図5を参照)よりも径方向に突出して設けられている。
間隔確保部材19e、19fは、コロ15Aのクラウニング部に対応して、コロ15Aに対向する面に軸方向における曲率を有してもよいし、撓むことでコロ15Aの外周面に面接触する構成としてもよい。間隔確保部材19e、19fは、コロ15Aの軸方向の両端部を除いて中央部分にのみ対向する範囲に設けられていてもよい。
間隔確保部材19e、19fは、実施形態1と同様に、範囲W2(図2を参照)から範囲W1へ移動するコロ15Aに接触し、コロ15Aに制動力を与え、範囲W1へ進入するコロ15Aとその先のコロ15Aとの間に間隔を確保する。また、制動力を与える際、間隔確保部材19e、19fは、コロ15Aの軸方向の中心を含む範囲に接触するため、コロ15Aにスキューが生じてしまうことを抑制できる。
以上のように、実施形態2の撓み噛合い式歯車装置1Aによれば、コロ15Aにスキューが生じることを抑制しつつ、範囲W1において複数のコロ15Aの間隔を確保できる。したがって、起振体軸受15の疲労寿命を延ばすことができる。
さらに、実施形態2の撓み噛合い式歯車装置1Aによれば、間隔確保部材19e、19fが、コロ15Aの軸方向の中心を含む範囲に対向するように配置されている。したがって、間隔確保部材19e、19fが、コロ15Aに接触する際に、コロ15Aにスキューが生じることを抑制できる。さらに、実施形態1の構成と比較して、間隔確保部材19e、19fの部品点数を減らして、間隔確保部材19e、19fの組み付け工程数の削減を図ることができる。
(実施形態3)
図6は、本発明の実施形態3の撓み噛合い式歯車装置を示す断面図である。図7は、実施形態3の間隔確保部材の周辺を示す拡大図である。
実施形態3の撓み噛合い式歯車装置1Bは、主に、間隔確保部材19g、19hが異なり、他の構成要素は実施形態1と同様である。同様の構成要素については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
実施形態3のコロ15Aaは、中心軸に沿った断面の外形において、軸方向の端部に曲率を有するクラウニング部の範囲が狭く、同断面において、起振体10Aと接触する面が直線状の形態を有する。なお、実施形態3のコロ15Aaは、実施形態1のコロ15Aと同様の形態を有していてもよい。
間隔確保部材19g、19hは、例えばゴム又は樹脂などの素材、すなわち、コロ15Aaが転動する転走面S1(鋼鉄)よりもヤング率の低い素材から構成される。間隔確保部材19g、19hは、起振体10Aに取り付けられ、起振体10Aと共に回転する。間隔確保部材19g、19hは、例えば起振体10Aに設けられた溝10mg、10mh(図7を参照)に接着されて固定される。周方向における間隔確保部材19g、19hの配置は、実施形態1の間隔確保部材19a~19d(図2を参照)と同様である。
実施形態3の間隔確保部材19g、19hは、コロ15Aaの軸方向の全域に対して、径方向から対向するように設けられている。間隔確保部材19g、19hは、起振体10Aの外周面よりも径方向に突出し、コロ15Aaが通過したときに、コロ15Aaの軸方向のほぼ全域に接触する。具体的には、間隔確保部材19g、19hは、転走面S1から離れたコロ15Aaの両端の縁部を除いて、コロ15Aaの軸方向の中央部と、軸方向のうち一方の端部の一範囲と、他方の端部の一範囲とに接触する。
上記の構成により、間隔確保部材19g、19hは、実施形態1と同様に、範囲W2(図2を参照)から範囲W1へ移動するコロ15Aaに接触し、コロ15Aaに制動力を与え、範囲W1へ進入するコロ15Aaとその先のコロ15Aaとの間に間隔を確保する。また、制動力を与える際、間隔確保部材19g、19hは、コロ15Aaの軸方向の中央及び両端部に接触するため、コロ15Aaにスキューが生じてしまうことを抑制できる。
以上のように、実施形態3の撓み噛合い式歯車装置1Bによれば、コロ15Aaにスキューが生じることを抑制しつつ、範囲W1において複数のコロ15Aaの間隔を確保できる。したがって、起振体軸受15の疲労寿命を延ばすことができる。
さらに、実施形態3の撓み噛合い式歯車装置1Bによれば、間隔確保部材19g、19hが、コロ15Aの軸方向の全域に対向するように配置されている。したがって、間隔確保部材19g、19hが、コロ15Aaに接触する際に、コロ15Aaにスキューが生じることを抑制できる。さらに、実施形態1の構成と比較して、間隔確保部材19g、19hの部品点数を減らして、間隔確保部材19g、19hの組み付け工程数の削減を図ることができる。
(実施形態4)
図8は、本発明の実施形態4の撓み噛合い式歯車装置を示す断面図である。図9は、実施形態4の歯車機構を軸方向から見た図である。図9は、起振体軸10、外歯歯車12、起振体軸受15及び第1内歯歯車22gを模式的に示した図であり、これらのうち起振体軸10のみを間隔確保部材19nの箇所で断面にして示している。図10は、実施形態4の間隔確保部材の周辺を示す拡大図である。
実施形態4の撓み噛合い式歯車装置1Cは、主に、間隔確保部材19n~19qが異なり、他の構成要素は実施形態3と同様である。同様の構成要素については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
間隔確保部材19n~19qは、例えば、ゴム、樹脂、バネ(板バネ等)などの弾性部材から構成される。ゴム又は樹脂等が適用された場合、間隔確保部材19n~19qは、コロ15Aaが転動する転走面S1よりもヤング率が低い。板バネから構成される場合、間隔確保部材19n~19qは、転走面S1と比較してヤング率が同等又は高くてもよい。
間隔確保部材19n~19qは、起振体10Aに取り付けられ、起振体10Aと共に回転する。間隔確保部材19n~19qは、例えば起振体10Aに設けられた溝10mn~10mq(図10を参照)に接着されて固定される。溝10mn~10mqは、起振体10Aの外周に沿って環状の形態を有し、軸方向においてはコロ15Aaの両端部の近傍の位置に設けられている。
間隔確保部材19n~19qの各々は、溝10mn~10mq内に少なくとも一部が収容される基部Bと、溝10mn~10mqの外部へ突出した突出部Tとを備える。基部Bは、図9に示すように環状に連なった形態を有する。基部Bの一部は、コロ15Aaに接触しない範囲で、起振体10Aの外周面より外方に張り出していてもよい。突出部Tは、起振体軸10の周方向において、範囲W1と範囲W2との間の複数箇所(例えば4箇所)に配置される。より詳細には、突出部Tは、範囲W2の周方向の両端区間をそれぞれ含んだ複数箇所(例えば4箇所)に配置される。
突出部Tは、図10に示すように、そこを通るコロ15Aaの両端部(軸方向端面)に、軸方向から対向し、コロ15Aaの両端部に接触する。言い換えれば、1つのコロ15Aaに対向する一対の突出部Tのうち、コロ15Aaの軸方向の一端面に接触可能な突出部Tの接触部位と、他端面に接触可能な突出部Tの接触部位との間の距離L1が、コロ15Aaの軸方向の長さL2よりも短い。距離L1は、コロ15Aaが間に進入していないときの突出部T(図10の二点鎖線で示す)についての距離である。
なお、図8と図9においては、複数のコロ15Aaが軸方向に移動することを抑制するスペーサリング36a、36b、37a、37b(図1を参照)が省略されている。しかし、突出部Tを避けるように、スペーサリング36a、36b、37a、37bが、周方向において複数の区間に分割され、あるいは切欠きが設けられ、突出部Tと重ならない範囲で、コロ15Aaの軸方向の両側に配置されてもよい。
上記の構成により、間隔確保部材19n~19qの各突出部Tは、範囲W2(図9を参照)から範囲W1へ移動するコロ15Aaに接触し、コロ15Aaに制動力を与え、範囲W1へ進入するコロ15Aaとその先のコロ15Aaとの間に間隔を確保する。また、制動力を与える際、間隔確保部材19n~19qの各突出部は、コロ15Aaの軸方向の両端面に接触するため、コロ15Aaにスキューが生じてしまうことを抑制できる。
以上のように、実施形態4の撓み噛合い式歯車装置1Cによれば、コロ15Aaにスキューが生じることを抑制しつつ、範囲W1において複数のコロ15Aaの間隔を確保できる。したがって、起振体軸受15の疲労寿命を延ばすことができる。
さらに、実施形態4の撓み噛合い式歯車装置1Cによれば、間隔確保部材19n~19qが、コロ15Aの軸方向の両端面に接触するように配置されている。したがって、間隔確保部材19n~19qが、コロ15Aaに接触する際に、コロ15Aaにスキューが生じることを安定的に抑制できる。さらに、間隔確保部材19n~19qは、周方向に連なる形態を有するため、実施形態1の構成と比較して、部品点数が減って、間隔確保部材19n~19qの組み付け工程数の削減を図ることができる。
以上、本発明の各実施形態について説明した。しかし、本発明は上記の実施形態に限られない。例えば、実施形態1~3では、間隔確保部材19a~19hとして転走面S1よりもヤング率の低い構成を示し、実施形態4では、間隔確保部材19n~19qとして弾性を有する構成を示した。しかし、これに限定されるものではなく、間隔確保部材は、第1コロと第2コロとの間に間隔を確保するために、第1コロに対して第2コロへ向かう方向の公転運動に対して制動力を与える部材であればよく、例えば国際公開第2018/025296号に記載された間隔確保部材を適用することもできる。例えば、実施形態1~3の間隔確保部材19a~19hについても、板バネ、スプリングバネなどを適用してもよい。また、実施形態1~4の間隔確保部材19a~19h、19n~19qを磁石から構成し、磁力によって磁性を有するコロ15A、15Aaに制動力を与える構成としてもよい。この場合、間隔確保部材は、実施形態1~3の配置で、かつ、コロ15A、15Aaの転動を妨げないように、転走面S1よりも内側に凹むように設けるか、外面が転走面S1と面一になるように設けてもよい。あるいは、実施形態4の配置の場合、磁石から構成した間隔確保部材は、コロ15Aaの転動を妨げないように、コロ15Aaとの間にクリアランスが生じるように設けてもよい。さらに、上記実施形態の図面では、間隔確保部材19a~19h、19n~19qのコロ15A、15Aaと接触する部位が平坦な形状としたが、接触する部位に鋭角に飛び出た爪を設けてもよい。また、本発明に係る間隔確保部材は、コロ15A、15Aaと接触する部位がコロ15A、15Aaの進行方向に揺動するように、コロ15A、15Aaに接触する部位よりも、起振体10Aへ固定され接触部位を支持する固定部を、幅小に構成してもよい。
また、上記実施形態1~4では、起振体10Aの断面外形を楕円状とし、外歯歯車12が楕円状に撓む構成を示した。しかし、起振体10Aの形状はこれに制限されず、例えば断面外形が正三角形の角と辺になだらかな曲率を付加した3ローブ形状としてもよい。この場合、正三角形の角に相当する部分でコロがタイト状態に挟まれるので、間隔確保部材は周方向の6箇所に設ければよい。
また、上記実施形態1~4では、間隔確保部材が、起振体10Aに取り付けられた構成を示したが、別の箇所に取り付けられて起振体10Aと一体的に回転してもよい。例えば、起振体軸受が内輪を有する場合、間隔確保部材は、内輪に取り付けられてもよい。
また、上記実施形態1~4では、起振体軸受のコロが軸方向に二列に並んだ構成を示したが、コロは一列であってもよい。また、コロの軸方向の両端面は、平面状の端面としてもよいし、実施形態で示したような曲面状の端面としてもよい。
また、上記実施形態1~4では、本発明を、所謂筒型の撓み噛合い式歯車装置に適用した例を示したが、これに限定されず、本発明は、所謂カップ型の撓み噛合い式歯車装置、又はシルクハット型の撓み噛合い式歯車装置にも同様に適用可能である。その他、実施の形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1、1A、1B、1C 撓み噛合い式歯車装置
10 起振体軸
10A 起振体
12 外歯歯車
15 起振体軸受
15A、15Aa コロ
22g 第1内歯歯車
23g 第2内歯歯車
19a~19h、19n~19q 間隔確保部材
S1、S2 転走面

Claims (5)

  1. 内歯歯車と、前記内歯歯車と噛合う外歯歯車と、前記外歯歯車を撓み変形させる起振体と、前記起振体と前記外歯歯車との間に配置される起振体軸受と、を備えた撓み噛合い式歯車装置であって、
    前記起振体と一体的に回転する間隔確保部材を更に備え、
    前記起振体軸受は、内周側の第1転走面と外周側の第2転走面の間にルーズ状態に挟まれるコロ及びタイト状態に挟まれるコロを含んだ複数のコロを有し、
    前記複数のコロのうち、隣接するルーズ状態のコロとタイト状態のコロとをそれぞれ第1コロ及び第2コロと呼ぶと、
    前記間隔確保部材は、前記第1コロと前記第2コロとの間に間隔を確保するために、前記第1コロに対して前記第2コロへ向かう方向の公転運動に対して制動力を与える部材であり、かつ、前記コロの軸方向両端部に対向し、
    前記間隔確保部材は、前記第1転走面における前記コロの外周面と対向する位置に配置され、前記第1転走面よりもヤング率が小さく、
    さらに、前記間隔確保部材は、前記第1転走面よりも前記コロが転動する空間側へ突出している、
    撓み噛合い式歯車装置。
  2. 前記複数のコロは軸方向両端にクラウニング部を有し、前記クラウニング部は前記第1転走面と接触しない一方、前記間隔確保部材と接触する、
    請求項記載の撓み噛合い式歯車装置。
  3. 内歯歯車と、前記内歯歯車と噛合う外歯歯車と、前記外歯歯車を撓み変形させる起振体と、前記起振体と前記外歯歯車との間に配置される起振体軸受と、を備えた撓み噛合い式歯車装置であって、
    前記起振体と一体的に回転する間隔確保部材を更に備え、
    前記起振体軸受は、内周側の第1転走面と外周側の第2転走面の間にルーズ状態に挟まれるコロ及びタイト状態に挟まれるコロを含んだ複数のコロを有し、
    前記複数のコロのうち、隣接するルーズ状態のコロとタイト状態のコロとをそれぞれ第1コロ及び第2コロと呼ぶと、
    前記間隔確保部材は、前記第1コロと前記第2コロとの間に間隔を確保するために、前記第1コロに対して前記第2コロへ向かう方向の公転運動に対して制動力を与える部材であり、かつ、前記コロの軸方向両端部に対向し、
    前記間隔確保部材は、前記コロの軸方向の全域に対向する、
    撓み噛合い式歯車装置。
  4. 内歯歯車と、前記内歯歯車と噛合う外歯歯車と、前記外歯歯車を撓み変形させる起振体と、前記起振体と前記外歯歯車との間に配置される起振体軸受と、を備えた撓み噛合い式歯車装置であって、
    前記起振体と一体的に回転する間隔確保部材を更に備え、
    前記起振体軸受は、内周側の第1転走面と外周側の第2転走面の間にルーズ状態に挟まれるコロ及びタイト状態に挟まれるコロを含んだ複数のコロを有し、
    前記複数のコロのうち、隣接するルーズ状態のコロとタイト状態のコロとをそれぞれ第1コロ及び第2コロと呼ぶと、
    前記間隔確保部材は、前記第1コロと前記第2コロとの間に間隔を確保するために、前記第1コロに対して前記第2コロへ向かう方向の公転運動に対して制動力を与える部材であり、かつ、前記コロの軸方向両端部に対向し、
    前記間隔確保部材は、弾性を有し、前記コロの軸方向の端面に接触可能に配置され、
    前記コロの軸方向の一端面に接触可能な前記間隔確保部材の接触部位と前記コロの軸方向の他端面に接触可能な前記間隔確保部材の接触部位との間の距離が、前記コロの軸方向長さよりも短い、
    撓み噛合い式歯車装置。
  5. 内歯歯車と、前記内歯歯車と噛合う外歯歯車と、前記外歯歯車を撓み変形させる起振体と、前記起振体と前記外歯歯車との間に配置される起振体軸受と、を備えた撓み噛合い式歯車装置であって、
    前記起振体と一体的に回転する間隔確保部材を更に備え、
    前記起振体軸受は、内周側の第1転走面と外周側の第2転走面の間にルーズ状態に挟まれるコロ及びタイト状態に挟まれるコロを含んだ複数のコロを有し、
    前記複数のコロのうち、隣接するルーズ状態のコロとタイト状態のコロとをそれぞれ第1コロ及び第2コロと呼ぶと、
    前記間隔確保部材は、前記第1コロと前記第2コロとの間に間隔を確保するために、前記第1コロに対して前記第2コロへ向かう方向の公転運動に対して制動力を与える部材であり、かつ、前記コロの軸方向中心を含む範囲に対向する、
    撓み噛合い式歯車装置。
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