JP7033920B2 - セルロースナノファイバー分散液及びその製造方法 - Google Patents

セルロースナノファイバー分散液及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、少ない電力消費量で製造される、透明度の高いセルロースナノファイバー分散液及びその製造方法に関する。
セルロースを微細化して得られたセルロースナノファイバーは、1~100nm程度のナノレベルの繊維径を有する繊維であり、その分散液は高い透明性を有している。このため透明性を求められる用途、例えば光学フィルム、フィルム用のコーティング剤、ガラスへの複合化、等への応用が期待される。そのため、セルロースナノファイバーの製造方法に関して種々の検討が行われている(特許文献1)。
特開2008-001728号公報
しかしながら、従来のセルロースナノファイバーの製造方法では、一般的に超高圧ホモジナイザーのようなせん断力の強い分散機により複数回、微細化の処理を行うため、製造に莫大な電力を使用する。また、超高圧ホモジナイザーは、非常に細い間隙に、サンプルを押し込み高圧とするため、パルプのような大きな繊維を処理する場合、詰まりなどを発生させ、非常に生産性、作業性が劣ることなどが問題であった。
そこで、本発明は、少ない電力消費量で、透明度の高いセルロースナノファイバーを効率よく製造する方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。
[1] 下記の工程(A)~(B)の工程を備える、平均繊維幅3~100nmであるセルロースナノファイバー分散液の製造方法。
工程(A):水を分散媒とする濃度が3%(v/w)のパルプスラリーとした場合にB型粘度が50mPa・s以上となるまで原料パルプを叩解処理する予備解繊工程
工程(B):前記予備解繊工程(A)で得られたパルプを繊維幅3~100nmになるまで解繊する本解繊工程
[2] 前記予備解繊工程(A)で得られたパルプのろ水度が1~30ml、平均繊維径が30~1000nmである、前記[1]に記載のセルロースナノファイバー分散液の製造方法。
[3] 前記の機械的叩解処理がリファイナー、ビーター、又は離解機から選ばれる少なくとも1つの解繊装置を用いる、前記[1]又は[2]に記載のセルロースナノファイバー分散液の製造方法。
[4] 前記の叩解処理がリファイナー、ビーター、又は離解機から選ばれる少なくとも1つの叩解装置を用いるこ、前記[1]乃至[3]のいずれか一つに記載のセルロースナノファイバー分散液の製造方法。
[5] 前記原料パルプが、化学変性パルプである、前記[1]乃至[4]のいずれか一つに記載のセルロースナノファイバー分散液の製造方法。
[6] 前記[1]乃至[5]のいずれか一つに記載の製造方法により得られるセルロースナノファイバー分散液。
本発明によれば、少ない電力消費量で、透明度の高いセルロースナノファイバーを効率よく製造する方法を提供することができる。また、本発明によれば、ナノファイバー化する本解繊工程において、生産性を悪化させる解繊機での詰りの発生を抑制することができる。
本発明のセルロースナノファイバー分散液の製造方法は、工程(A):水を分散媒とする濃度が3%(v/w)のパルプスラリーとした場合にB型粘度が50mPa・s以上になるまで原料パルプを叩解処理する予備解繊工程、及び、工程(B):前記予備解繊工程(A)で得られたパルプを平均繊維幅3~100nmになるまで解繊する本解繊工程、を有することを特徴とする。本発明において「X~Y」はその端値であるXおよびYを含む。
本発明は、従来の機械的叩解装置を用いた機械的叩解処理による予備解繊と、本解繊とを組み合わせることにより、各々異なる機構によってセルロース繊維の解繊が行われるため、消費電力を抑えながら、透明度の高いセルロースナノファイバーを製造することができる。
本発明により透明度の高いセルロースナノファイバーが得られる理由は以下のように推察される。予備解繊では、この予備解繊の工程で、原料となるパルプは最初に微細化され、パルプ繊維の外側がほぐされるため、若干の粘度の上昇が起こる。その後の本解繊を行う際に、超高圧ホモジナイザー等の比較的せん断力の強い装置を使用する場合、予備解繊による粘度上昇によって、本解繊機によるせん断エネルギーをロスすることなくパルプに作用し本解繊を行うことができため、効率的に高透明度のセルロースナノファイバーを製造することができる。
(1)パルプ原料
本発明において、パルプ原料とは、晒又は未晒木材パルプ、晒又は未晒非木材パルプ、精製リンター、ジュート、マニラ麻、ケナフ等の草本由来のパルプなど、及び上記パルプ原料に加水分解、アルカリ加水分解、酵素分解、爆砕処理、振動ボールミル等の機械的処理等をすることによってセルロースを解重合した微細セルロースなどが例示される。
(2)化学変性処理
上記のセルロース原料に化学処理を施すことで、平均繊維幅3~100nmになるまで解繊する本解繊工程(B)における負荷が小さくなる好ましい。また、化学変性処理の方法は問わないが、酸化、エーテル化、カチオン化、エステル化などがあげられる。
(2-1)酸化
上記のセルロース原料を、N-オキシル化合物、及び、臭化物、ヨウ化物若しくはこれらの混合物からなる群から選択される化合物の存在下で酸化剤を用いて水中で酸化することでカルボキシル基をセルロースに導入した酸化セルロースを得ることができる。他の方法としてオゾン酸化も挙げられる。
N-オキシル化合物とは、ニトロキシラジカルを発生しうる化合物である。本発明で用いるN-オキシル化合物としては、目的の酸化反応を促進する化合物であれば、いずれの化合物も使用できる。
N-オキシル化合物の使用量は、セルロースをナノファイバー化できる触媒量であれば特に制限されない。例えば、絶乾1gのセルロース原料に対して、0.01~10mmolが好ましく、0.01~1mmolがより好ましく、0.05~0.5mmolがさらに好ましい。
臭化物とは臭素を含む化合物であり、その例には、水中で解離してイオン化可能な臭化アルカリ金属が含まれる。また、ヨウ化物とはヨウ素を含む化合物であり、その例には、ヨウ化アルカリ金属が含まれる。臭化物またはヨウ化物の使用量は、酸化反応を促進できる範囲で選択できる。臭化物およびヨウ化物の合計量は、例えば、絶乾1gのセルロース原料に対して、0.1~100mmolが好ましく、0.1~10mmolがより好ましく、0.5~5mmolがさらに好ましい。
酸化剤としては、公知のものを使用でき、例えば、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、過ハロゲン酸またはそれらの塩、ハロゲン酸化物、過酸化物などを使用できる。中でも、コストの観点から、現在工業プロセスにおいて最も汎用されている安価で環境負荷の少ない次亜塩素酸ナトリウムが特に好ましい。酸化剤の適切な使用量は、例えば、絶乾1gのセルロース原料に対して、0.5~500mmolが好ましく、0.5~50mmolがより好ましく、1~25mmolがさらに好ましく、3~10mmolが最も好ましい。
セルロースの酸化工程は、比較的温和な条件であっても反応を効率よく進行させられる。よって、反応温度は15~30℃程度の室温であってもよい。反応の進行に伴ってパルプを構成するセルロース中にカルボキシル基が生成するため、反応液のpHの低下が認められる。酸化反応を効率よく進行させるためには、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性溶液を添加して、反応液のpHを9~12、好ましくは10~11程度に維持することが好ましい。反応媒体は、取扱い性の容易さや、副反応が生じにくいこと等から、水が好ましい。
酸化反応における反応時間は、酸化の進行の程度に従って適宜設定することができ、通常は0.5~6時間、好ましくは2~6時間、さらに好ましくは4~6時間程度である。しかしながら本発明においては、前述のとおり酸化時間を低減できるので、反応時間は30分以上120分が好ましく、30~100分がより好ましく、30~70分がさらに好ましい。
また、酸化反応に用いる酸化剤は、一度に添加しても良いし、逐次添加を行っても良い。逐次添加の方がセルロース原料に効率よくカルボキシル基を導入でき、セルロース原料の酸化を促進することができる。酸化反応の終了は酸化剤の色味が無くなることで確認することが出来るが、チオ硫酸ナトリウム等で酸化剤を分解し、反応を止めても良い。酸化反応の終了後、そのまま脱液処理を行っても良いが、pHが高い状態では酸化セルロースの分解が起こりやすいため、塩酸などで中性にしてから脱液を行うことが望ましい。
酸化セルロースのカルボキシル基量が、セルロースの絶乾質量に対して、0.2mmol/g以上となるように条件を設定することが好ましい。この場合のカルボキシル基量は、より好ましくは0.6mmol/g~2.0mmol/g、さらに好ましくは1.0mmol/g~1.8mmol/gである。カルボキシル基量は、酸化反応時間の調整、酸化反応温度の調整、酸化反応時のpHの調整、N-オキシル化合物や臭化物、ヨウ化物、酸化剤の添加量の調整などを行なうことにより調製できる。
なお、酸化セルロース中のカルボキシル基量は、以下の手順で測定することができる:
酸化セルロースの0.5質量%スラリーを60ml調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式を用いて算出する:
カルボキシル基量〔mmol/g酸化セルロース〕= a〔ml〕× 0.05/酸化セルロース質量〔g〕。
(2-2)エーテル化
セルロースのエーテル化物としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、シアノエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースや、これらの塩が挙げられるが、その一例として次のようなカルボキシメチル化の製造方法を述べる。
<カルボキシメチル化>
上記のセルロース原料を発底原料にし、溶媒として3~20重量倍の低級アルコール、具体的にはメタノール、エタノール、N-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N-ブタノール、イソブタノール、第3級ブタノール等の単独、又は2種以上の混合物と水の混合媒体を使用する。なお、低級アルコールの混合割合は、60~95重量%である。マーセル化剤としては、発底原料のグルコース残基当たり0.5~20倍モルの水酸化アルカリ金属、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを使用する。発底原料と溶媒、マーセル化剤を混合し、反応温度0~70℃、好ましくは10~60℃、かつ反応時間15分~8時間、好ましくは30分~7時間、マーセル化処理を行う。その後、カルボキシメチル化剤をグルコース残基当たり0.05~10.0倍モル添加し、反応温度30~90℃、好ましくは40~80℃、かつ反応時間30分~10時間、好ましくは1時間~4時間、エーテル化反応を行う。
本発明において、セルロース原料をカルボキシメチル化する場合、セルロースのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.01~0.50であることが好ましい。セルロースにカルボキシメチル置換基を導入することで、セルロース同士が電気的に反発する。このため、カルボキシメチル置換基を導入したセルロースは容易にナノ解繊することができる。なお、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換基が0.01より小さいと、十分にナノ解繊することができない。一方、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換基が0.50より大きいと、膨潤あるいは溶解するため、ナノファイバーとして得られなくなる場合がある。
なお、カルボキシメチル置換度は、以下の方法により測定できる。
試料約2.0gを精秤して、300ml共栓三角フラスコに入れる。硝酸メタノール(無水メタノール1Lに特級濃硝酸100mlを加えた液)100mlを加え、3時間振盪して、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Na-CMC)をカルボキシメチルセルロース(H-CMC)にする。その絶乾H-CMC1.5~2.0gを精秤し、300ml共栓三角フラスコに入れる。80%メタノール15mlでH-CMCを湿潤し、0.1NのNaOH100mlを加えて室温で3時間振盪する。指示薬としてフェノールフタレインを用いて、0.1NのHSOで過剰のNaOHを逆滴定する。次式:
[{100× F’-(0.1NのHSO(ml))×F}/(H-CMCの絶乾質量(g))]×0.1=Aカルボキシルメチル置換度=0.162A/(1-0.058A)
A:1gのH-CMCを中和するのに必要な1NのNaOHの量(ml)
F’:0.1NのHSOのファクター
F:0.1NのNaOHのファクター
(2-3)カチオン化
本発明において、セルロース原料のカチオン化は公知の方法を用いて行うことができ、特に限定されないが、その一例として、セルロース原料にグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド、3-クロロ-2ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウムハイドライト又はそのハロヒドリン型などのカチオン化剤と触媒である水酸化アルカリ金属(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)を水及び/又は炭素数1~4のアルコールの存在下で反応させることによって、カチオン変性されたセルロースを得ることができる。なお、この方法において、得られるカチオン変性されたセルロースのグルコース単位当たりのカチオン置換度は、反応させるカチオン化剤の添加量、水及び/又は炭素数1~4のアルコールの組成比率をコントロールすることによって、調整することができる。
本発明において、カチオン化されたセルロースのグルコース単位当たりのカチオン置換度が0.012~0.450であることが好ましい。セルロースにカチオン置換基を導入することで、セルロース同士が電気的に反発する。このため、カチオン置換基を導入したセルロースは容易にナノ解繊することができる。なお、グルコース単位当たりのカチオン置換度が0.012より小さいと、十分にナノ解繊することができない。一方、グルコース単位当たりのカチオン置換度が0.450より大きいと、膨潤あるいは溶解するため、繊維形態を維持できなくなり、ナノファイバーとして得られなくなる場合がある。
(2-4)エステル化
エステル化の例としては、チオエステル化、リン酸エステル化、硫酸エステル化、硝酸エステル化、炭酸エステル化などがあげられる。
本発明において、機械的叩解処理とは、リファイナー、ビーター、PFIミル、ニーダー、ディスパーザーなど回転軸を中心として金属または刃物とパルプ繊維を作用させるもの、あるいはパルプ繊維同士の摩擦によるものなど、一般的に知られている装置を使用することができる。
本発明において、リファイナーとしては公知の装置を用いることができ、例えば、シングルディスクリファイナー、コニカルディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナー、ツインディスクリファイナー等を用いることができる。
本発明において、ビーターは原料がローターの回転によってローター、ステーター間に引き込まれ、双方の刃で叩かれて回流槽を循環する装置で、公知の装置を用いることができる。
本発明において、PFIミルはJIS P 8221で規定される装置を用いることができる。
本発明において、ニーダー或いはディスパーザーは、パルプに圧縮力を与えるか、繊維同士が適度の摩擦を受けるように設計した機械的撹拌装置であり、1軸又は2軸の構造をとり、ローター刃とステーター刃間に適度の食い込みがあり、低速回転でも十分繊維にせん断力を与えられ、公知の装置を用いることができる。
(3)予備解繊維:工程(A)
本発明において、予備解繊を行って上記した原料パルプに叩解処理を施すことが重要である。叩解は、処理したパルプを水に分散させて濃度3%(w/v)のパルプスラリーとしたときに、B型粘度が50mPa・s以上、好ましくは1000mPa・s以上、さらに好ましくは2000mPa・s以上になるように行う。予備解繊により原料パルプが当該B型粘度を呈するほどに叩解されるので、次の本解繊工程での負荷を大幅に低減させることができる。当該B型粘度の上限は限定されないが、作業性等の観点から、100,000mPa・s以下であることが好ましい。
予備解繊で使用される叩解処理に使用される装置は特に限定されないが、リファイナー、ビーター、又は離解機から選ばれる少なくとも1つの叩解装置を用いると、パルプ繊維の外層をほぐすことや内部のフィブリル化につながり、本解繊工程でナノファイバーが得やすくなり負荷が低減されるので好ましい。
予備解繊工程(A)でのパルプ濃度は0.5%(w/v)~10%(w/v)、より好ましくは1%(w/v)~5%(w/v)である。当該濃度が0.5%(w/v)より低いと分散液の濃度が低すぎて効率的ではなく、10%(w/v)を超えると粘度が高くなりすぎて効率的でない。
予備解繊工程(A)で、リファイナーを用いる場合、プレートのクリアランスは0.01mm~3mm、より好ましくは0.1mm~1mmである。0.01mm以下だとプレートの摩耗が激しくなり、また3mm以上だとクリアランスが広すぎて処理が進みにくい。
予備解繊工程(A)で、リファイナーを用いる場合、一般的なプレートで問題なく処理ができるが、粘状叩解に適したプレートが好ましい。
本工程では、水を分散媒とする濃度が3%(v/w)のパルプスラリーとした場合にB型粘度が50mPa・s以上となるように、原料パルプに叩解処理を施す。パルプの叩解が進めばパルプスラリーの粘度は上昇するので、当該粘度はパルプの叩解状態の目安となる。B型粘度は、粘度に適したローターを選択し、回転速度60rpm、温度25℃で測定される。工程(A)で得られたパルプスラリーの濃度が3%(w/v)を超える場合は、水で希釈して濃度を3%(w/v)に調製した後に粘度を測定する。一方、工程(A)で得られたパルプスラリーの濃度が3%(w/v)未満である場合は、水で除去して濃度を3%(w/v)に調製した後に粘度を測定する。あるいは、叩解処理を施したパルプを一度単離してから水に再分散させて濃度が3%(w/v)のスラリーを調製して粘度を測定してもよい。ただし、水に再分散させる際には工程(B)で実施する本解繊が生じないようにする必要がある。
(4)本解繊:工程(B)
本発明において、本解繊とは、予備解繊によって得られたパルプを、高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式などの装置を用いて強力なせん断力を印加して、平均繊維幅3~100nmまで解繊を行うことをいう。特に、セルロースナノファイバーを効率よく得るには、前記分散液に50MPa以上の圧力を印加し、かつ強力なせん断力を印加できる湿式の高圧または超高圧ホモジナイザーを用いることが好ましい。前記圧力は、より好ましくは100MPa以上であり、さらに好ましくは140MPa以上である。この処理により、酸化パルプが解繊してセルロースナノファイバーが形成され、かつセルロースナノファイバーが媒体中に分散する。媒体としては、取扱い容易性から、水を用いることが好ましい。
本発明のセルロースナノファイバーは、平均繊維長が0.1~5μm程度であることが好ましく、0.5~5μm程度であることがより好ましい。繊維長は工程(B)において調整することもできるし、別の工程を設けて繊維長を調整してもよい。
<平均繊維長及び平均繊維幅の測定方法>
セルロースナノファイバーの平均繊維長及び平均繊維幅は原子間力顕微鏡(AFM)を用いてセルロースナノファイバーを観察することで、測定することができる。
次に実施例に基づき、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
[実施例1]
(パルプ原料の調整:酸化パルプ)
針葉樹由来の漂白済み未叩解パルプ(日本製紙社製)5g(絶乾)を、TEMPO(東京化成社製)78mg(0.5mmol)と臭化ナトリウム(和光純薬社製)756mg(7.35mmol)を溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで攪拌した。ここに次亜塩素酸ナトリウム(和光純薬社製)2.3mmolを水溶液の形態で加え、次いで、次亜塩素酸ナトリウムをパルプ1g当たり0.23mmol/分の添加速度となるように送液ポンプを用いて徐々に添加し、パルプの酸化を行った。次亜塩素酸ナトリウムの全添加量が22.5mmolとなるまで添加を継続した。反応中は系内のpHは低下するが、3N水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。水酸化ナトリウム水溶液を添加し始めてから(すなわち、酸化反応が開始されてpHの低下が見られた時点から)、添加を終了するまで(すなわち、酸化反応が終了してpHの低下が見られなくなった時点まで)の時間を反応時間とした。この反応液を塩酸にて中性になるまで中和した後、反応後の液をガラスフィルターで濾過し、十分に水洗することで酸化処理したパルプを得た。
(酸化パルプのカルボキシル基量の測定)
酸化パルプのカルボキシル基量は、次の方法で測定した:
酸化パルプの0.5質量%スラリーを60ml調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式を用いて算出した:
カルボキシル基量〔mmol/g酸化パルプ〕=a〔ml〕×0.05/酸化パルプ質量〔g〕。
この測定の結果、得られた酸化パルプのカルボキシル基量は1.60mmol/gであった。
(酸化パルプの予備解繊)
上記酸化処理を経た濃度3%(w/v)の酸化パルプのスラリーをナイアガラビータ(熊谷理機工業株式会社製)で叩解処理を施した。なお、この叩解処理におけるパルプ1kgあたりの電力消費量は0.5Kwhであった。また、得られたパルプスラリー(濃度3%(w/v))の25℃、60rpmの条件で、B型粘度は、2000mPa・sであった。
また、得られたパルプスラリーの濾水度は、10mLであった。
(酸化パルプの本解繊)
上記予備解繊処理を施したパルプスラリーを濃度1%(w/v)に希釈後、超高圧ホモジナイザーによる処理を処理圧140MPaでおこなった。この時のパルプ1kgの消費電力は7.5Kwhであった。なお、分散ノズルの詰まりは発生しなかった。また、得られたセルロースナノファイバー分散液を超音波装置にて脱泡した後、紫外可視分光光度計(UV-1800、島津製作所製)の660nmの波長にて測定した透過度(%)を透明度は、60%であった。また、得られたセルロース分散液を原子間力顕微鏡(AFM)を用いて観察したところ、ランダムに選んだ50本の繊維の平均繊維長は2μm、平均繊維幅は10nmであった。
[実施例2]
予備解繊をリファイナー(熊谷理機工業株式会社製)での処理に変更し、2パス処理した以外は、実施例1と同様にセルロースナノファイバーを製造した。なお、この叩解処理におけるパルプ1kgあたりの電力消費量は0.5Kwhであり、得られたパルプスラリー(濃度3%(w/v))のB型粘度は2900mPa・sであった。また、濾水度は3mLであった。また、本解繊後の透明度は58%で、平均繊維長は1.9μm、平均繊維幅は5nmであった。分散ノズルの詰まりは発生しなかった。
[実施例3]
予備解繊をリファイナーの1パス処理に変更した以外は、実施例1と同様にセルロースナノファイバーを製造した。なお、この叩解処理におけるパルプ1kgあたりの電力消費量は0.3Kwhであり、得られたパルプスラリー(濃度3%(w/v))のB型粘度は1500mPa・sであった。また、濾水度は25mLであった。また、本解繊の透明度は55%、平均繊維長は2μm、平均繊維幅は10nmであった。分散ノズルの詰まりは発生しなかった。
[比較例1]
予備解繊を行わずに、本解繊のみを超高圧ホモジナイザーを用いてパルプ1kgの消費電力が、8.0Kwhとなるように処理を行った以外は、実施例1と同様に製造した。その結果、本解繊前のパルプスラリー(濃度3%(w/v))のB型粘度は40mPa・sであった。また、ろ水度は500mLであった。本解繊後の透明度は34%、平均繊維長は3μm、平均繊維幅は110nmであり、分散ノズルの詰まりが5回発生した。
比較例1に対して、実施例1~3では透明度が高い高品質なセルロースナノファイバーが製造できた。また、本解繊の操業性は良好で、分散ノズルの詰まりは発生しなかった。
実施例1~3及び比較例1で得られたナノファイバーの消費電力及び透明度等の測定結果は表1の通りであった。
Figure 0007033920000001
表1から、予備解繊と本解繊に要する電力消費の総和は、実施例1~3及び比較例1では同じであり、実施例1~3では、効率よく高明度の高いセルロースなセルロースナノファイバーを製造することができることがわかる。
また、比較例1では本解繊時に解繊機のノズルの詰まりが発生することから、操業性に劣ることがわかる。

Claims (6)

  1. 下記の工程(A)~(B)の工程を備える、平均繊維幅3~100nmであるセルロースナノファイバー分散液の製造方法。
    工程(A):水を分散媒とする濃度が3%(v/w)のパルプスラリーとした場合にB型粘度が1000mPa・s以上となるまで原料パルプを叩解処理する叩解工程
    工程(B):前記叩解工程(A)で得られたパルプを繊維幅3~100nmになるまで解繊する本解繊工程。
  2. 前記叩解工程(A)で得られたパルプのろ水度が1~30ml、平均繊維径が30~1000nmである、請求項1に記載のセルロースナノファイバー分散液の製造方法。
  3. 工程(A)において前記粘度が2000mPa・s以上となるまで原料パルプを叩解処理する、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記叩解処理がリファイナー、ビーター、又は離解機から選ばれる少なくとも1つの叩解装置を用いる、請求項1~3のいずれか一項に記載のセルロースナノファイバー分散液の製造方法。
  5. 前記原料パルプが、化学変性パルプである、請求項1~4のいずれか一項に記載のセルロースナノファイバー分散液の製造方法。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の製造方法により得られるセルロースナノファイバー分散液。
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