JP7033708B2

JP7033708B2 - 人造大理石成形品の製造方法

Info

Publication number: JP7033708B2
Application number: JP2018057521A
Authority: JP
Inventors: 智明磯部; 拓正山田
Original assignee: Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Current assignee: Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date: 2018-03-26
Filing date: 2018-03-26
Publication date: 2022-03-11
Anticipated expiration: 2038-03-26
Also published as: JP2019166755A

Description

本発明は人造大理石成形品の製造方法に関する。

従来、人造大理石は、裏面に接合された材料が透けて見えるという問題を解決すべく、裏面に光隠蔽層を設けることが種々提案されている（たとえば、特許文献１参照）。特許文献１に開示された技術は、樹脂成形品本体（表面部材）の裏面に、光隠蔽層を塗装により塗膜として形成したものである。

特開２００６－２４８０１３号公報

しかしながら、上記文献技術では、工程の増加により生産効率が低下するおそれがある。また、樹脂成型品本体を型成形した後に光隠蔽層を付加する手順とされているため、両者の密着性を良好にすることができるとは言いがたい。なお、同文献には、生産性を上げるために表面部材と光隠蔽層とを一体成形で構成することも可能であるとの記載はあるが、具体的な方法の開示はない。

本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的は、人造大理石成形品本体の裏面に光隠蔽層を効率よくかつ密着性よく設けることができる、人造大理石成形品の製造方法を提供することにある。

上記目的を達成するために、本発明の人造大理石成形品の製造方法は、低隠蔽性の人造大理石成形品本体の裏面に光隠蔽層を設けた人造大理石成形品の製造方法であって、型の内面に光隠蔽性の塗料を塗布した後、前記人造大理石成形品本体の材料をなす樹脂組成物を前記型内に注入して加熱成形する手順とされ、前記光隠蔽性の塗料を、前記樹脂組成物の前記型内への注入時において半硬化させておくことを特徴とする。

本発明の人造大理石成形品の製造方法は、上述した手順とされているため、人造大理石成形品本体の裏面に光隠蔽層を効率よくかつ密着性よく設けることができる。

本発明の一実施形態に係る人造大理石成形品の製造方法の一例を示す図である。

以下に、本発明の実施の形態について、添付図を参照しながら説明する。まず、概略の基本手順について説明する。

本人造大理石成形品の製造方法（以下、「成形品製造方法」と略す）は、低隠蔽性の人造大理石成形品本体１１の裏面に光隠蔽層１２を設けた人造大理石成形品１０の製造方法である。この成形品製造方法は、型３０の内面に光隠蔽性の塗料２２を塗布した後、人造大理石成形品本体１１の材料をなす樹脂組成物２１を型３０内に注入して加熱成形する手順とされる。

人造大理石成形品本体１１は、主成分とされる合成樹脂に、充填材、硬化剤、着色剤、柄剤、その他添加材を配合した樹脂組成物２１を硬化させて形成されてなる。合成樹脂としては、光透過性（上記の光隠蔽層１２よりは低隠蔽性とされる）を有する樹脂であれば特に限定されず、人造大理石成形品１０の用途等に応じて適宜選定され得る。

例えば合成樹脂として、ビニルエステル、不飽和ポリエステル、エポキシ、アクリル、メラミン等の熱硬化性樹脂や、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは１種単独で用いてもよく、２種以上を混合して用いてもよい。

充填材としては、一般に人造大理石の製造に用いられる、例えば炭酸カルシウム、ガラスパウダー、シリカ、水酸化カルシウム等の無機物を採用することができる。また、必要に応じて表面処理がなされていてもよい。

硬化剤は、一般に人造大理石の製造に用いられる有機過酸化物等をはじめとする種々のものであってもよく、例えば、人造大理石の所要の成形温度に応じて半減期温度を考慮して選定することができる。

また、着色剤、柄剤や、その他の添加材は、人造大理石の用途等に応じて適宜選定すればよい。

光隠蔽性の塗料２２としては、金型３０内で硬化するものであればよく、例えばアクリル系、ウレタン系、シリコン系、エポキシ系等の塗料が用いられる。特に、熱硬化性の塗料が好適に使用され得る。

つぎに、図１に示した成形品製造方法の詳細について説明する。

まず、光隠蔽性の塗料２２を金型３０内の下型３２の上面に塗布する。金型３０は、目的とする人造大理石成形品１０の形状に応じた下型３２を有する。例えば、一対の対向する板状部材の内側に下型３２を設けた平板状のものを用いることができる。また、金型３０による注型成形の方法としては、金属や樹脂などを材料とする所望の形状に注型し重合する方法を用いることができる。

なお、塗料２２を塗布する部位は、金型３０内であれば上型３１、下型３２のいずれでもよいが、効率よく塗布するためには、下型３２に塗布することが望ましい。また、塗料２２を塗布する型３０の内面は、雌型、雄型のいずれであってもよい。

塗料２２の塗装方法としては、例えばスプレー３５による塗装や、ローラー３６による塗装などを選択できるが、ローラー３６で塗装することがより望ましい。塗料２２の膜厚は、目的の隠蔽率に合わせて調整可能であるが、成形される人造大理石成形品本体１１の厚みに影響しない、厚みが１０μｍ以上、１ｍｍ以下とすることが望ましい。また、光隠蔽層１２が剥離しない程度に、さらに光隠蔽層１２として機能が発揮され得る程度に、好ましくは５０μｍ以上、２００μｍ以下に塗装されることが、望ましい。

また、塗料２２としては、４０～１００℃の温度で、５～３０分間加熱することにより硬化するものが望ましいが、これには限られない。加熱の方法としては、特に限定されないが、公知の方法、例えば温風、温水、赤外線ヒーター等の熱源により加熱する方法などが採られる。図例の場合、塗料２２は、樹脂組成物２１の注入時において、約５０℃の温度で半硬化状態にされるように温度調整されている。

その後、樹脂組成物２１を金型３０内に注入し、上型３１、下型３２間で成形する。樹脂組成物２１は、例えば５０～１１０℃の温度で、３０～１５０分間加熱することにより硬化するものが望ましい。図例の場合、樹脂組成物２１を５０℃から、９０℃まで加熱し、硬化させるようにしている。

樹脂組成物２１が硬化していく過程において、樹脂組成物２１と硬化した塗料２２（塗膜２２）とが密着する。そして、金型３０内で樹脂組成物２１が硬化し、金型３０より、硬化した樹脂組成物２１が取り出されると、それに伴って密着した塗膜２２が下型３２より剥がれるように取り出される。このようにして、樹脂組成物２１（人造大理石成形品本体１１）の裏面に光隠蔽層１２を有した人造大理石成形品１０が得られる。

このように、金型３０内で硬化させながら樹脂組成物２１と塗料２２とを密着、一体化させる手順とされているため、人造大理石成形品本体１１の裏面に光隠蔽層１２を強固に形成することができる。

塗料２２が半硬化のときには、樹脂組成物２１が注入されることによって塗料２２の表面に凹凸が形成される可能性が高い。そのため、塗料２２が半硬化状態のときに、樹脂組成物２１を金型３０内へ注入すれば、接触面積が増えて樹脂組成物２１と塗料２２との密着性が増大する。そして、樹脂組成物２１（人造大理石成形品本体１１）と、塗膜２２（光隠蔽層１２）とは強固な固定関係を形成する。また、光隠蔽性の塗料２２として熱硬化性のものを用いれば、硬化により架橋反応を起こし、架橋密度が高まり、樹脂組成物２１とさらに強固に密着する。

また、上述した成形品製造方法によれば、光隠蔽層１２が硬化形成済みの人造大理石成形品本体１１に後付けされるのではなく、人造大理石成形品本体１１と光隠蔽層１２とが同じ金型成形工程にて一体的に成形され得る。したがって、この成形品製造方法によれば、効率のよい人造大理石成形品１０の製造を実施することができる。

以上のように形成した、人造大理石成形品本体１１の裏面に光隠蔽層１２を有した人造大理石成形品１０は、光隠蔽層１２により、表面側より人造大理石成形品１０の下方が透けて見えることを防止することができる。この人造大理石成形品１０は、例えば浴槽や洗面台、キッチンカウンターの天板などに使用され得る。

１０人造大理石成形品
１１人造大理石成形品本体
１２光隠蔽層
２１樹脂組成物
２２光隠蔽性の塗料（塗膜）
３０金型（型）
３１上型
３２下型
３５スプレー
３６ローラー

Claims

低隠蔽性の人造大理石成形品本体の裏面に光隠蔽層を設けた人造大理石成形品の製造方法であって、
型の内面に光隠蔽性の塗料を塗布した後、前記人造大理石成形品本体の材料をなす樹脂組成物を前記型内に注入して加熱成形する手順とされ、
前記光隠蔽性の塗料を、前記樹脂組成物の前記型内への注入時において半硬化させておくことを特徴とする人造大理石成形品の製造方法。
請求項１において、
前記光隠蔽性の塗料が熱硬化性の塗料であることを特徴とする人造大理石成形品の製造方法。
請求項１または２において、
前記樹脂組成物を注入することにより、前記光隠蔽性の塗料の表面に凹凸を形成させることを特徴とする人造大理石成形品の製造方法。