JP7032795B2 - 1ビットオーディオ信号生成装置、プログラム - Google Patents
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Description
<無音検出部11>
無音検出部11は、信号源から入力されたPCM信号から無音部を検出する(S11)。例えば音楽CDの場合、PCM信号のサンプリング周波数は44.1kHz、量子化ビット数は16ビットである。無音検出自体は、従来の様々な手法を利用することができる。
検出の結果、PCM信号が有音部であった場合(「無音?」→N)1次アップコンバート処理部12は、PCM信号の有音部を所定の周波数(CPU性能に依存する、例えば44.1kHz×8=352.8kHz)にアップコンバートして1次アップコンバート済みPCM信号を出力する(S12)。
音加工部13は、1次アップコンバート済みPCM信号を加工して音加工済みPCM信号を出力する(S13)。例えばステップS13では、イコライザ、コンプレッサなどの処理が実行される。1次アップコンバート済みのPCM信号に対して音加工を行うため、高品位な信号処理が可能である。
2次アップコンバート処理部14は、音加工済みPCM信号を所定の周波数(CPU性能を考慮し、ΔΣ変調が可能な範囲で設定、例えば352.8kHz×32=11.2896MHz)にアップコンバートして2次アップコンバート済みPCM信号を出力する(S14)。
ΔΣ変調部15は、2次アップコンバート済みPCM信号をΔΣ変調して1ビットオーディオ信号を1ビット型DAC(図示略)に出力する(S15)。図3を参照して、ΔΣ変調部15の詳細な構成について説明する。同図に示すように、ΔΣ変調部15は、減算器Δ151と、積分器Σ152と、量子化器Q153と、遅延器Z154を含む構成である。なお、同図の構成は、ΔΣ変調における一般的な回路構成である。ΔΣ変調部15に信号Vaが入力されると、減算器Δ151は、遅延器Z154から出力されたV0を信号Vaから減算する。積分器Σ152は、以前の減算結果Δと今回の減算結果Δ’を加算する。例えば減算処理が最初の1回目である場合、以前の減算結果として積分器Σ152の初期値(例えば0)が使用される。量子化器Q153は、加算結果と基準値(基準電圧、例えば0V)を比較し、加算結果が基準値より小さい値の場合0を、加算結果が基準値より大きい値の場合1を、出力する。遅延器Z154は、量子化器Q153からの量子化値が0である場合に、V0=-Vrefを出力し、量子化値が1である場合に、V0=Vrefを出力する。このように、元の信号Vaに対して、減算、加算、比較を繰り返すことにより、デジタル値の1,0による数列を得ることができ、この数列が、元の信号Vaの特徴を表しているといえる。元の信号Vaに対して量子化された1,0による数列を取得することをΔΣ変調と呼ぶ。
一方、ステップS11の検出の結果、PCM信号が無音部であった場合(「無音?」→Y)ミュート信号生成部16は、PCM信号の無音部に対応し、1ビットオーディオ信号における無音信号であって、1バイトデータを構成するデジタル値「0」と「1」の数が同数の1バイトデータを循環的に出力するミュート信号を生成して1ビット型DAC(図示略)に出力する(S16)。例えば、音楽再生アプリケーションの場合、楽音再生中でない場合(例えば一時停止状態、停止状態)にも、無音信号が継続的に再生され続ける動作をとっているものがある。これは、一時停止状態または停止状態から楽音再生状態とする場合のレスポンスを良くして、ユーザビリティを改善するためである。楽音再生中でない場合の無音部についても、1次アップコンバート→音加工→2次アップコンバート→ΔΣ変調の手続きを経由すると、本来不必要であると考えられる処理に多大なリソースが振り分けられることになってしまう。本実施例の1ビットオーディオ信号生成装置1は、ステップS11において無音検出を行い、無音部と判定された楽音信号に関しては、処理コストが大きいステップS12~S15を行うことなく、その代用として生成した1バイトデータを構成するデジタル値「0」と「1」の数が同数の1バイトデータを循環的に出力するミュート信号を挿入するため、無音部におけるCPUへの負荷を低減することができる。
無音検出部11は、予め定めた一定時間に渡り無音が継続した場合に、これを有音部として検出し(「無音?」→N)、それ以降もさらに無音が継続した場合に、これを無音部として検出してもよい(「無音?」→Y)。すなわち、ステップS11の無音検出の直後にY→Nの切り替えを行わず、一定時間無音が継続したことを検出してから処理を切り替えることもできる。一定時間経過することにより、ΔΣ変調部15に無音信号が入力され、出力が1バイトデータを構成するデジタル値「0」と「1」の数が同数の1バイトデータを循環的に出力するミュート信号になることで、ミュート信号生成部16に切り替えることができる状態となる。
(参考特許文献1:特開2011-221322号公報)
無音部→有音部の境界において、各部は、保有しているパラメータなどを初期化する。例えば、1次アップコンバート処理部12は、PCM信号の有音部の先頭フレーム(ステップS11の後の「無音?」の判断において、Y→Nに切り替わった後に処理する最初のフレーム)を処理する場合に、1次アップコンバート処理のために使用するバッファ12aを初期化してから先頭フレームの1次アップコンバート処理を実行するものとする。
以下、図4を参照して実施例1の構成の一部を省略した変形例1に係る1ビットオーディオ信号生成装置を説明する。同図に示すように、本変形例の1ビットオーディオ信号生成装置1Aは、無音検出部11と、アップコンバート処理部12Aと、ΔΣ変調部15と、ミュート信号生成部16と、信号切り替え部17を含む構成である。また、アップコンバート処理部12Aは対応するバッファ12aを備えているものとする。
無音検出部11は、信号源から入力されたPCM信号から無音部を検出する(S11)。例えば音楽CDの場合、PCM信号のサンプリング周波数は44.1kHz、量子化ビット数は16ビットである。無音検出自体は、従来の様々な手法を利用することができる。
検出の結果、PCM信号が有音部であった場合(「無音?」→N)、アップコンバート処理部12Aは、PCM信号の有音部を所定の周波数(CPU性能に依存する、例えば44.1kHz×128=5.6448MHz)にアップコンバートしてアップコンバート済みPCM信号を出力する(S12A)。アップコンバート処理部12Aは、実施例1と同様に、PCM信号の有音部の先頭フレームを処理する場合、アップコンバート処理のために使用するバッファ12aを初期化してから当該処理を実行する。
ΔΣ変調部15は、アップコンバート済みPCM信号をΔΣ変調して1ビットオーディオ信号(有音部)を信号切り替え部17に出力する(S15)。実施例1と同様に、ΔΣ変調部15は、アップコンバート済みPCM信号の先頭フレームを処理する場合に、ΔΣ変調部15の遅延器を初期化してから当該処理を実行する。
一方、検出の結果、PCM信号が無音部であった場合(「無音?」→Y)、ミュート信号生成部16は、1ビットオーディオ信号における無音信号であって、1バイトデータを構成するデジタル値「0」と「1」の数が同数の1バイトデータを循環的に出力するミュート信号を生成して、信号切り替え部17に出力する(S16)。
ステップS11の検出の結果、PCM信号が有音部であった場合(「無音?」→N)、信号切り替え部17は、1ビットオーディオ信号(有音部)を1ビット型DAC(図示略)に出力する(S17A)。一方、ステップS11の検出の結果、PCM信号が無音部であった場合(「無音?」→Y)、信号切り替え部17は、ミュート信号を1ビット型DAC(図示略)に出力する(S17B)。
本発明の装置は、例えば単一のハードウェアエンティティとして、他のコンピュータやスマートフォンなどが接続可能な入力部、イヤホンやヘッドホンやスピーカなどが接続可能な出力部、ハードウェアエンティティの外部に通信可能な通信装置(例えば通信ケーブル)が接続可能な通信部、CPU(Central Processing Unit、キャッシュメモリやレジスタなどを備えていてもよい)、メモリであるRAMやROM、ハードディスクである外部記憶装置並びにこれらの入力部、出力部、通信部、CPU、RAM、ROM、外部記憶装置の間のデータのやり取りが可能なように接続するバスを有している。また必要に応じて、ハードウェアエンティティに、CD-ROMなどの記録媒体を読み書きできる装置(ドライブ)などを設けるか、あるいは接続可能に構成してもよい。このようなハードウェア資源を備えた物理的実体としては、汎用コンピュータなどがある。
Claims (5)
- PCM信号から無音部を検出する無音検出部と、
前記PCM信号の有音部を所定の周波数にアップコンバートしてアップコンバート済みPCM信号を出力するアップコンバート処理部と、
前記アップコンバート済みPCM信号をΔΣ変調して1ビットオーディオ信号を出力するΔΣ変調部と、
前記PCM信号の前記無音部に対応し、1ビットオーディオ信号における無音信号であって、1バイトデータを構成するデジタル値「0」と「1」の数が同数の1バイトデータを循環的に出力するミュート信号を生成して出力するミュート信号生成部を含み、
前記アップコンバート処理部は、
前記PCM信号の有音部の先頭フレームを処理する場合に、アップコンバート処理のために使用するバッファを初期化してから前記先頭フレームのアップコンバート処理を実行する
1ビットオーディオ信号生成装置。 - PCM信号から無音部を検出する無音検出部と、
前記PCM信号の有音部を所定の周波数にアップコンバートしてアップコンバート済みPCM信号を出力するアップコンバート処理部と、
前記アップコンバート済みPCM信号をΔΣ変調して1ビットオーディオ信号を出力するΔΣ変調部と、
前記PCM信号の前記無音部に対応し、1ビットオーディオ信号における無音信号であって、1バイトデータを構成するデジタル値「0」と「1」の数が同数の1バイトデータを循環的に出力するミュート信号を生成して出力するミュート信号生成部を含み、
前記ΔΣ変調部は、
前記アップコンバート済みPCM信号の先頭フレームを処理する場合に、前記ΔΣ変調部の遅延器を初期化してから前記先頭フレームのΔΣ変調処理を実行する
1ビットオーディオ信号生成装置。 - 請求項1または2に記載の1ビットオーディオ信号生成装置であって、
1ビット型DACを含み、
前記1ビット型DACは、前記1ビットオーディオ信号または前記ミュート信号をアナログ信号に変換する
1ビットオーディオ信号生成装置。 - 請求項1から3の何れかに記載の1ビットオーディオ信号生成装置であって、
前記無音検出部は、
予め定めた一定時間に渡り無音が継続した場合に、これを前記有音部として検出し、それ以降もさらに無音が継続した場合に、これを前記無音部として検出する
1ビットオーディオ信号生成装置。 - コンピュータを請求項1から4の何れかに記載の1ビットオーディオ信号生成装置として機能させるプログラム。
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