JP7032755B2 - 断熱床構造体およびその施工方法 - Google Patents

断熱床構造体およびその施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、断熱床構造体およびその施工方法に関する。
従来の断熱性を持たせた床下地構造として特許文献1に示される構造のものがある。この床下地構造においては、例えば図11に示すように、べた基礎等の床基盤50上に支持脚51を所定間隔おきに立設し、その支持脚51の列に目地部架設材52を装着した後、この目地部架設材52の間に断熱パネル53を架け渡し、これら断熱パネル53の上にベースパネル54、床仕上げ材55を敷設した構成とされている。
ベースパネル54は目地部架設材52の上に配されているため、ベースパネル54の荷重は目地部架設材52にかかり、断熱パネル53には殆どかからない。
特開2000-1940号公報
しかしながら、この構造では、目地部架設材52の部分では断熱パネル53が張られない部分が存在し、断熱性能が十分ではなかった。
そこで、床の全面に断熱パネル53を張ろうとすると、その上に配されるベースパネル54の荷重が断熱パネル53に加わり、断熱パネル53が潰れてしまう、といった問題が発生する。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、本発明の目的は、床の全面に断熱材を敷設するとともに、断熱材にかかる荷重を低減することが可能な、断熱床構造体およびその施工方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、断熱材中に、断熱材と略同じ高さを有する荷重受け具を埋め込み、荷重をこの荷重受け具で受けることで、断熱材にかかる荷重を低減し、上記目的を達成できることに想到し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
複数の基礎の立ち上がり部にそれぞれ配された横架材と、
隣接する前記横架材間に架け渡された床材と、
前記床材上の略全面に配され、所定の圧縮強度を持った断熱材と、
前記断熱材と略同じ高さを有し、該断熱材中に部分的に埋め込まれた複数の荷重受け具と、
前記断熱材上に配された床下地材と、
を備えることを特徴とする、断熱床構造体。
[2]
荷重受け具は、筒状の部材である、[1]に記載の断熱床構造体。
[3]
前記床下地材の端部に相当する位置に、前記荷重受け具が少なくとも配されている、[1]または[2]に記載の断熱床構造体。
[4]
床にかかる荷重の大きさに応じて、前記荷重受け具の配置間隔が変えられている、[1]ないし[3]のいずれかに記載の断熱床構造体。
[5]
複数の基礎の立ち上がり部にそれぞれ横架材を配する工程と、
隣接する横架材間に、床材を架け渡す工程と、
前記床材上の略全面に、所定の圧縮強度を持った断熱材を配する工程と、
前記断熱材と略同じ高さを有する複数の荷重受け具を、該断熱材中に埋め込む工程と、
前記断熱材上に床下地材を配する工程と、
を備えることを特徴とする、断熱床構造体の施工方法。
[6]
荷重受け具は、筒状の部材である、[5]に記載の断熱床構造体の施工方法。
[7]
前記荷重受け具を、前記断熱材中に埋め込む工程は、
断熱材の一部を、前記荷重受け具の形状に合わせて抜き取る工程と、
前記断熱材の、前記一部が抜き取られた穴に、前記荷重受け具を埋め込む工程と、
前記加重受け具の内部に、前記抜き取った断熱材の一部を埋め戻す工程と、
を備える、[5]に記載の断熱床構造体の施工方法。
本発明によれば、床の全面に断熱材を敷設するとともに、断熱材にかかる荷重を低減することが可能な、断熱床構造体およびその施工方法を提供することができる。
本実施の形態にかかる断熱床構造体の一構成例を示す部分解斜視図である。 断熱床構造体の一構成例を示す部分解斜視図である。 本実施形態で用いられる荷重受け具の一例を示す斜視図である。 断熱床構造体の施工方法を説明するための図である。 断熱床構造体の施工方法を説明するための図である。 断熱床構造体の施工方法を説明するための図である。 断熱床構造体の施工方法を説明するための図である。 断熱床構造体の施工方法を説明するための図である。 断熱床構造体の施工方法を説明するための図である。 断熱床構造体の他の構成例を示す部分解斜視図である。 従来の床下地構造を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1および図2は、本実施の形態にかかる断熱床構造体の一構成例を示す部分解斜視図である。
本実施の形態に係る断熱床構造体は、複数の基礎10の立ち上がり部10aまたは鋼製束10bにそれぞれ配された横架材11と、隣接する横架材11間に架け渡された床材12と、床材12上の略全面に配され、所定の圧縮強度を持った断熱材13と、断熱材13と略同じ高さを有し、断熱材13中に部分的に埋め込まれた複数の荷重受け具20と、断熱材13上に配された床下地材14と、を備えることを特徴とする。
すなわち、本実施の形態に係る断熱床構造体では、断熱材13に荷重受け具20が部分的に埋め込まれており、この荷重受け具20が、断熱材13上に配された床下地材14を支持しているので、床上の荷重が断熱材13に直接作用することがない。このため、繰り返し荷重を受ける等により破壊されるような断熱材13であっても床下に適用することが可能になる。
荷重受け具20で荷重を支えることで、断熱材13を、潰れることなく床の全面に配することができ、断熱性能を向上することができる。
なお、通常は断熱材13の上に床下地材14を介して床仕上げ材15が敷設される。
基礎10は、床材12およびその上に配される断熱材13等を支持、固定するものであり、この機能を有するものであれば、材料や構造を限定するものではなく、コンクリート基礎或いは鉄骨基礎であってよい。
横架材11は、例えば、基礎10の立ち上がり部10aまたは鋼製束10b上に配される木材製の土台である。
なお、基礎10の立ち上がり部10aは、例えば、べた基礎等の床基盤上に所定間隔おきに立設された支持脚のようなものであってもよい。
床材12は、幅方向の両端が横架材11に載置されて支持されており、予め設定された負担荷重に充分に耐え得る曲げ強度と剛性を有している。即ち、床材12としては前記条件を満足するものであればよく、コンクリート系の床材、木質系の床材、或いは鋼板等を選択的に採用することが可能である。
断熱材13は、長方形の平面形状を有しており、床材12の下面側と該床材12を含む室内側とを熱的に遮断する機能を有するものであり、高い断熱性を有し且つ所定の圧縮強度を有するものが用いられている。高い断熱性能を有する断熱材13としては、ポリスチレン(PS)やフェノール樹脂(PF)等の発泡体からなるパネルを用いることができる。
断熱材13に必要な厚みとしては、一般的には25~50mm程度である。
なお、断熱材13は、厚いほど曲げ強度が高くなり好ましいが、厚いほど階高(天井高)が低くなる。
断熱材13は、厚さが10mm以上の例えばフェノールフォームによって形成されていることが好ましい。
フェノールフォームは、フェノール樹脂に種々の変性を行い、発泡硬化させて得られたものであり、100ミクロン未満の極めて微細な独立した気泡を包含している。この独立気泡を包含していることにより、その熱伝導率は、長期間にわたってほとんど変化しないという特長を有している。
断熱材13としてはフェノールフォームを用いることにより、断熱性能をさらに向上させることができるので、床を薄くして居室空間体積を増大させることが可能になる。
このようなフェノールフォームからなる断熱材13として、旭化成建材株式会社製の「ネオマフォーム(商品名)」が好適に使用される。この「ネオマフォーム」は、フェノールフォームの有する特長をさらに高性能に発揮させたもので、熱伝導率λが、λ=0.020W/m・K(JIS A 1412「熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法」に定められる測定手順に従って測定)という高レベルの断熱性能を有している。
断熱材13の種類としては、上述したフェノールフォーム以外にも、XPS(押し出し法ポリエチレンフォーム)なども用いることができる。しかし、圧縮強度がフェノールフォームより弱いEPS(ビーズ法ポリエチレンフォーム)や繊維系断熱材(グラスウールやロックウールなど)は、本実施形態の断熱床構造体への使用は想定していない。
断熱材13中には、荷重受け具20が部分的に埋め込まれている。
荷重受け具20としては、塩化ビニル製の円管(塩ビ管)を所定の長さ(高さ)に切断した円筒状の部材を用いることができる。この円筒状の部材には、例えば呼び径30mm(外径38mm、内径31mm)の一般的な塩ビ管を用いることができる。この径であれば、後述するように断熱材13に穴をあける工具の径との適合性がよい。荷重受け具20の高さ(長さ)は、断熱材13の厚さに合わせて切断して使用される。塩ビ管であれば現場で切断する為、何mmでも対応可能である。
断熱材13に係る荷重を荷重受け具20が支えるためには、荷重受け具20の断面積(樹脂部)が大きいほどよいが、断熱欠損が大きくなる。また、荷重受け具20の圧縮強度も高いことが好ましいがが、断面積を小さくし過ぎると支圧により下地合板にめり込む可能性がある。これらの観点から、荷重受け具20の厚みは1~2mm程度とすることが好ましい。
図3は、本実施形態で用いられる荷重受け具20の他の一例を示す斜視図である。
荷重受け具20は、筒状に形成された筒状部21を有し、筒状部21の下部は、下方を開放状態とした窪み部22が形成されている。また、窪み部22の最も凹んだ部位から、筒状部21に対して外方に突出して形成されたフランジ部23を有している。図3に示す例では、フランジ部23は、筒状部21の周囲に90°の間隔で4か所設けられている。これら荷重受け具20の筒状部21およびフランジ部23は一体的に形成され、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂から構成されている。さらに、荷重受け具20には、作業時等の持ち手になる片持ち部分24が突出するように設けられている。
荷重受け具20の筒状部21は、円筒形状であることが好ましい。これにより横方向の支持耐力の異方性がなくなり、より強固に、荷重を支持することができる。
荷重受け具20が完全な円筒体ではなく、筒状部21の下部の一部を凹ませて窪み部22とすることにより、荷重受け具20を断熱材13に埋め込む際の作業性を向上することができる。すなわち、図3に示す荷重受け具20は、下部の一部を凹ませて窪み部22とされているので、断熱材13に事前に穴あけをせずに、荷重受け具20を直接、断熱材13に叩き込むことができる。また、90°ごとに設けられたフランジ部23があることにより、荷重受け具20を断熱材13に埋め込む際の位置合わせが容易となるほか、埋め込んだ後のズレが防止される。また、フランジ部23があることにより、荷重受け具20の耐荷重をさらに向上することができる。
図3に示す荷重受け具20は、例えば内径が26mmであり、高さが25mm~40mmである。金型のサイズを変えることにより、様々な大きさの荷重受け具20を作製することができる。
荷重受け具20の高さは、断熱材13の厚さとほぼ同じであることが好ましい。荷重受け具20の高さが、断熱材13の厚みに対して低すぎても、断熱材13中に埋まってしまい、本発明の目的を達成できない。一方、高すぎても、断熱材13上に配される床下地材14が、断熱材13に対して浮いた状態になってしまう。
荷重受け具20の筒状部21の中にも、断熱材13がはめ込まれていることが好ましい(図8(d)参照)。これにより、耐荷重を確保することができるとともに、断熱材13の抜けがなく、断熱材13の面積を確保して、断熱性能をさらに十分なものとすることができる。
各荷重受け具20の配置としては、特に限定されるものではないが、荷重受け具20一つ当たりの負担荷重と設置数とのバランスで決定される。例えば303mm以上455mm以下の相互間隔で配置される。この荷重受け具20の相互間隔は、床下地材14の曲げ強度、剛性を規準として設定され、いわゆる尺モジュールの場合は、断熱材131枚が3尺×6尺あるいは1尺×6尺であることから、荷重受け具20の相互間隔は1尺すなわち303mm間隔が好ましい。
後述する床下地材14の端部に相当する位置に、荷重受け具20が少なくとも配されていることが好ましい。これにより床下地材14および床仕上げ材15にかかる荷重を、床下地材14の端部に配された荷重受け具20によって、より確実に支持することができ、床全体の耐力を向上することができる。床下地材14の端部から内側に荷重受け具20が寄ると、荷重受け具20より外側の片持ち(持ち出し)部分の合板が曲げに弱くなってしまう。
床にかかる荷重の大きさに応じて、荷重受け具20の配置間隔が変えられていることが好ましい。人間の動線、家具の配置、等によって、床にかかる荷重も変わってくるため、より大きな荷重かかかることが想定される部分では、荷重受け具20の配置間隔を密に(荷重受け具20の数を多く)することが好ましい。
例えば図2に示すように、基本的に、平部では荷重受け具20の配置間隔を455mm間隔とする。しかし、階段前の床では、子供がジャンプしたりして飛び降りるなど、より大きな荷重がかかるので、補強するために荷重受け具20の配置間隔を密に(荷重受け具20の数を多く)することが好ましい。例えば、荷重受け具20の配置間隔を303mm間隔とすることが好ましい。これにより、かかる荷重を荷重受け具20によって、より確実に支持することができる。
床下地材14は、床仕上げ材15と断熱材13との間に配置される。 床下地材14があることにより、床仕上げ材15から伝わる荷重を荷重受け具20に伝達する為、床下地材14の曲げ強度、剛性が高いほど荷重受け具20の間隔を広く(設置個数を少なく)できる。なお、床下地材14は、厚いほど曲げ強度が高くなり好ましいが、厚いほど階高(天井高)が低くなる。また、床下地材14は、床仕上げ材15の施工下地(床仕上げ材15を留めるビスや釘の受け材、カーペットなどの場合は接着剤下地として)となる。
床下地材14,床仕上げ材15は一義的に設定されるものではなく、対応する床上空間の機能や、住む人の嗜好等に合わせて適宜設定されるものである。
また、床下地材14としては例えばパーティクルボード、構造用合板が使用され、床仕上げ材15としては例えばフローリング板が使用される。
上述したような断熱床構造体では、床材12の上面に、全面にわたって断熱材13が配置されており、床材12は断熱材13を介して基礎10に固定されているため、床下と室内との断熱は床の全面にわたって連続した断熱材13によって実行される。このため、均等な断熱性能を発揮することが可能である。
このような断熱床の施工方法について、以下説明する。
図4~図8は、本実施形態にかかる断熱床の施工方法を説明するための斜視図である。
本発明の断熱床の施工方法は、複数の基礎10の立ち上がり部10aまたは鋼製束10bにそれぞれ横架材11を配する工程と、隣接する横架材11間に、床材12をかけ渡す工程と、床材12上の略面に、所定の圧縮強度を持った断熱材13を配する工程と、断熱材13と略同じ高さを有する荷重受け具20を、断熱材13中に埋め込む工程と、断熱材13上の全面に床下地材14を配する工程と、を備える。
(1)複数の基礎10の立ち上がり部10aまたは鋼製束10bに横架材11を配する。
図4に示すように、建築物躯体の基礎10の等の上に、横架材11を配していく。
(2)隣接する横架材11間に、床材12を架け渡す。
図5に示すように、隣接する横架材11間に、合板等からなる床材12を、架け渡す。このとき、隣接する床材12の端部同士は、横架材11上で互いに突き合わせられて、基礎10の床下空間を塞ぐように隙間なく配される。
(3)床材12上の全面に、所定の圧縮強度を持った断熱材13を配する。
図6に示すように、床材12上に、パネル状の断熱材13を縦横に並べる。このとき、断熱材13は、床材12の全面にわたって配置される。
(4)断熱材13と略同じ高さを有する荷重受け具20を、断熱材13中に埋め込む(図7)。
この工程は、荷重受け具20に塩ビ管を用いた場合、例えば以下の手順により行われることが好ましい。
まず図8(a)に示すように、断熱材13の一部13aを、荷重受け具20の形状に合わせて抜き取る。例えば断熱材13を貫通するように貫通穴13bをあける。この貫通穴13bの直径は、荷重受け具20とほぼ同じ大きさとする。貫通穴13bの形成には、通常用いられている穴あけ用工具を用いることができる。
このとき、断熱材13の側部に貫通穴13bを形成する場合は、断熱材13の側部に貫通穴13bの半分を形成し、隣接する断熱材13の側部に貫通穴13bの半分を形成し、突き合わせられることにより一つの貫通穴13bとして形成される。隣接する2枚の断熱材13にわたって形成される貫通穴13bは、作業の手間と正確性の観点から一度に形成されることが好ましい。これにより、床面に平面的に並べられた各断熱材13に、貫通穴13bが一定の間隔で配置された状態となる。
図8(b)に示すように、断熱材13の貫通穴13bに、荷重受け具20を埋め込む。
これら貫通穴13bに図8(b)に示すように1個ずつ荷重受け具20を配置する。
このように、断熱材13に荷重受け具20を配置するための貫通穴13bを開け、その貫通穴13bに荷重受け具20を設置することにより、簡単に荷重受け具20を所望の位置に配置することができる。
図8(c),(d)に示すように、荷重受け具20の筒状部21の内部に、抜き取った断熱材13の一部13aを埋め戻す。抜き取った断熱材13の一部13aは、断熱材13を抜き取る際の削りしろで少し小さくなるため、筒状部21の内部に容易にはめ込むことができる。
荷重受け具20の筒状部21の中にも、断熱材13の一部13aをはめ込むことにより、貫通穴13bの部分での断熱材13の抜けがなくなり、全面に断熱材13を配することができ、断熱性能をさらに十分なものとすることができる。
(5)断熱材13上の全面に床下地材14を配する。
図9に示すように、これら荷重受け具20の上に床下地材14を載せ、平面的に並べる。このとき、荷重受け具20が配置されている位置で各床下地材14の上からビス(図示略)を打ち込み、荷重受け具20を床下地材14に固定することが行われる。最後に床下地材14の上に床仕上げ板を敷設して終了する。
このような施工において、荷重受け具20は例えば303mm~455mm間隔で設置されるため、多数の荷重受け具20が使用されるが、これら荷重受け具20は、断熱材13を並べた後に、断熱材13に複数の貫通穴13bをい形成し、その貫通穴13bに1個ずつ配置していくだけで、縦横に整列した様態とすることができる。
本発明の断熱床構造体及びその施工方法によれば、床下の全面に断熱材13を並べているので、優れた断熱性を発揮することができるのはもちろん、床下地材14を荷重受け具20によって支持しているので、床上の荷重が断熱材13に直接作用することがなく、このため、繰り返し荷重を受ける等により破壊されるような断熱材13であっても床下に適用することができ、断熱性能のより高いものを使用することが可能になる。荷重受け具20を設置するだけで荷重受け具20を所望間隔で配置することができ、その施工を容易にすることができる。特に、図3に示す荷重受け具20を用いることで、断熱材13に事前に穴あけをせずに、荷重受け具20を直接、断熱材13に叩き込むことができ、塩ビ管を用いた場合と比べて施工を容易にすることができる。
なお、前記実施形態においては、断熱材として、高性能のフェノールフォームを適用したが、本発明においては、求められる断熱性能に応じて、発泡ポリスチレンや一般的なウレタンフォーム等を使用してもよい。さらに、荷重受け具として、円筒形状の筒状部とフランジ部とが一体に形成されてなる構成としたが、他の構成を採用してもよい。
また、施工方法によっては、図10に示すように、床材12と断熱材13を上下逆にすることで、床材12が床下地材14を兼ねる構成にもすることができる。この場合、大引きの高さを、断熱材13の厚さ分下げる工夫が必要になる。このようにすることで、階高(天井高)が低くなることを防止できる。
その他、本発明の具体的な構成に関しては、前記実施形態のものに限られることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明による断熱床構造体を用いることで、床の全面にわたって均一に断熱性能が確保されたものとなり、家屋等の断熱床として広く利用することができる。
10 :基礎
10a :立ち上がり部
10b :鋼製束
11 :横架材
12 :床材
13 :断熱材
13a :断熱材の一部
13b :貫通穴
14 :床下地材
15 :床仕上げ材
20 :荷重受け具
21 :筒状部
22 :窪み部
23 :フランジ部
24 :持ち出し部分

Claims (7)

  1. 複数の基礎の立ち上がり部にそれぞれ配された横架材と、
    隣接する前記横架材間に架け渡された床材と、
    前記床材上の略全面に配され、所定の圧縮強度を持った断熱材と、
    前記断熱材と略同じ高さを有し、該断熱材中に部分的に埋め込まれた複数の荷重受け具と、
    前記断熱材上に配された床下地材と、
    を備えることを特徴とする、断熱床構造体。
  2. 荷重受け具は、筒状の部材である、請求項1に記載の断熱床構造体。
  3. 前記床下地材の端部に相当する位置に、前記荷重受け具が少なくとも配されている、請求項1または2に記載の断熱床構造体。
  4. 床にかかる荷重の大きさに応じて、前記荷重受け具の配置間隔が変えられている、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の断熱床構造体。
  5. 複数の基礎の立ち上がり部にそれぞれ横架材を配する工程と、
    隣接する横架材間に、床材を架け渡す工程と、
    前記床材上の略全面に、所定の圧縮強度を持った断熱材を配する工程と、
    前記断熱材と略同じ高さを有する複数の荷重受け具を、該断熱材中に埋め込む工程と、
    前記断熱材上に床下地材を配する工程と、
    を備えることを特徴とする、断熱床構造体の施工方法。
  6. 荷重受け具は、筒状の部材である、請求項5に記載の断熱床構造体の施工方法。
  7. 前記荷重受け具を、前記断熱材中に埋め込む工程は、
    断熱材の一部を、前記荷重受け具の形状に合わせて抜き取る工程と、
    前記断熱材の、前記一部が抜き取られた穴に、前記荷重受け具を埋め込む工程と、
    前記加重受け具の内部に、前記抜き取った断熱材の一部を埋め戻す工程と、
    を備える、請求項5に記載の断熱床構造体の施工方法。
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