JP7030587B2 - 内燃機関及び内燃機関の制御方法 - Google Patents

内燃機関及び内燃機関の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関及び内燃機関の制御方法に関するものである。
副室式ガスエンジンは、天然ガス等の燃料ガスを燃料として運転され、燃焼室として主室の他に副室を有している。主室内には燃料ガスと空気とが混合された予混合気が供給さるとともに、副室内にも別系統から予混合気が供給される。そして、副室において混合気に対して点火プラグによって点火を行うことでトーチ火炎を生成し、このトーチ火炎を主室に向かって噴出することにより、主室内の予混合気を燃焼するようになっている。
このような副室式ガスエンジンにおいては、サイクル間における燃焼変動が問題となっている。サイクル間における燃焼変動が発生すると、各サイクルにおける筒内の最高圧力のバラつきが大きくなる。内燃機関を設計する際には、想定される最高圧力を許容できるような設計が必要である。よって、筒内の圧力に影響を及ぼす点火タイミングは、最も高い圧力となるサイクルの最高圧力を許容できる範囲で決定される。したがって、各サイクルにおける筒内最高圧力のバラつきが大きくなると、最も高い圧力となるサイクルの最高圧力を許容できる範囲にまでしか、点火タイミングを進角することができず、内燃機関の燃焼効率を十分に向上させることができない。
ガスエンジンの燃焼状態を安定化させる装置として、例えば、特許文献1の装置がある。
特許文献1の装置では、ガス燃料のメタン価を算出し、算出されたガス燃料のメタン価に応じて給気圧又は給気温を補正するように給気調整部を制御している。
国際公開第2014/054081号
副室式ガスエンジンでは、主室を区画する壁部の温度と、主室内のガス温度との温度差が大きくなると、主室内に、温度差によるガスの対流が発生する。ガスの対流が発生すると、ガスの対流が副室内まで及び、対流により点火プラグ周辺のガスの流動がサイクル毎に変化する。これにより、サイクル毎にプラグ周りの当量比が不安定になるので、サイクル毎に燃焼が一定にならず、サイクル間における燃焼変動が発生してしまう可能性がある。
上記特許文献1の装置では、主室の壁部の温度と主室内のガス温度との温度差については考慮されておらず、サイクル間における燃焼変動が発生してしまう可能性がある。
なお、このような問題は、副室式のガスエンジンのみではなく、ガスエンジン全般において生じ得る問題である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、サイクル間における燃焼変動を抑制することができる内燃機関及び内燃機関の制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の内燃機関及び内燃機関の制御方法は以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係る内燃機関は、壁部によって区画され、内部に予混合気が供給される燃焼室と、前記燃焼室内の前記予混合気を燃焼させるための点火を行う点火部と、流通する冷却水によって前記壁部を冷却する冷却部と、前記壁部の温度を計測する壁部温度計測部と、前記燃焼室内の前記予混合気の温度を導出する予混合気温度導出部と、前記壁部温度計測部が計測した前記壁部の温度と、前記予混合気温度導出部が導出した前記燃焼室内の前記予混合気の温度との温度差を算出する算出部と、前記算出部によって算出された温度差に基づいて、該温度差が所定の値となるように、前記冷却部を流通する前記冷却水の流量を調整する冷却水流量制御部と、を備えている。
上記構成では、燃焼室の壁部の温度と燃焼室内の燃量ガスの温度との温度差が所定の値となるように冷却部を流通する冷却水の流量を調整している。これにより、壁部の温度と予混合気の温度との温度差が所望の値となるので、壁部の温度と予混合気の温度との温度差に起因する予混合気の対流を安定させ、所望の対流とすることができる。予混合気の対流が安定すると、サイクル間における点火プラグ周辺のガスの流動の変動が抑制されるとともに、点火プラグ周辺の当量比の変動も抑制される。したがって、各サイクルの燃焼が安定化され、サイクル間における燃焼変動を抑制することができる。
なお、所定の値をゼロもしくは、小さな値とした場合には、壁部の温度と予混合気の温度との温度差を低減することができるので、燃焼室内における温度差に起因する予混合気の対流を抑制することができる。
また、本発明の一態様に係る内燃機関は、前記壁部と前記燃焼室内の前記予混合気の温度との温度差と、前記点火部が点火を行う点火タイミングと、の関係に基づいて、前記算出部によって算出された温度差から点火タイミングを導出する点火タイミング導出部と、
前記点火タイミング導出部が導出した点火タイミングで点火するように前記点火部を制御する点火タイミング制御部と、を備えていてもよい。
上述のように、壁部と燃焼室内の予混合気との温度差に応じて、燃焼室内の燃焼変動の程度が変化する。予混合気供給量等の条件に変化がない場合には、燃焼室内の圧力変化は、燃焼変動の程度及び点火のタイミングに基づいて変化する。また、内燃機関では、許容可能な燃焼室内の最高圧力が設定されているので、常時最高圧力を超えないようにされる。
上記構成では、燃焼室の壁部の温度と燃焼室内の予混合気の温度との温度差に基づいて、点火タイミングを決定している。これにより、燃焼変動の程度に応じて、点火のタイミングを決定することができる。したがって、燃焼室内の圧力を、設定されている最高圧力を超えない範囲において、所望の圧力とすることができるので、燃焼効率を向上させることができる。
本発明の一態様に係る内燃機関の制御方法は、燃焼室を区画する壁部の温度を計測する壁部温度計測工程と、前記燃焼室内の予混合気の温度を導出する予混合気温度導出工程と、前記壁部温度計測工程で計測した前記壁部の温度と、前記予混合気温度導出工程で導出した前記予混合気の温度との温度差を算出する温度差算出工程と、前記温度差算出工程で算出された温度差に基づいて、該温度差が所定の値となるように、前記壁部を冷却する冷却水の流量を調整する冷却水調整工程と、を備えている。
また、本発明の一態様に係る内燃機関の制御方法は、前記壁部と前記燃焼室内の予混合気の温度との温度差と、点火部が点火を行う点火タイミングと、の関係に基づいて、前記温度差算出工程で算出された温度差から点火タイミングを導出する点火タイミング導出工程と、前記点火タイミング導出工程で導出された点火タイミングで、前記燃焼室内の前記予混合気を燃焼させるための点火を行う点火工程と、を備えていてもよい。
本発明によれば、サイクル間における燃焼変動を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るガスエンジンの概略を示す模式図である。 図1のガスエンジンを示すブロック図である。 図1の制御装置が行う処理を示すフローチャートである。 シリンダの温度と主室における予混合気の温度との温度差と、点火プラグによって副室内の予混合気に点火してから、主室において燃焼が開始される時期について示したグラフである。 図3の変形例を示すフローチャートである。
以下に、本発明に係る内燃機関及び内燃機関の制御方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について、図1を用いて説明する。本実施形態では、本発明に係る内燃機関を副室式のガスエンジン1に適用した例について説明する。
ガスエンジン1は、メイン燃焼室である主室(燃焼室)2と、副室3とを備えている。ガスエンジン1は、副室3において点火プラグ(点火部)4により予混合気を着火して副室内部の予混合気を火炎伝播にて燃焼させる。副室内予混合気の燃焼により生じた主室と副室の圧力差により、トーチ火炎が主室2に向かって噴出する。このトーチ火炎により主室2にある希薄予混合気を燃焼するようになっている。なお、ガスエンジン1は、一例として、発電機に連結されて発電に用いられる。
主室2は、円筒状のシリンダ(壁部)5とシリンダ5内を昇降するピストン6とによって区画されている。詳細には、主室2は、シリンダ5によって側方及び上方を規定されるとともに、ピストン6の上面によって下方を規定されている。
シリンダ5には、冷却水が流通する図示しない冷却水流路(冷却部)が形成されている。シリンダ5は、冷却水流路を流通する冷却水と熱交換することによって冷却される。冷却水流路には、冷却水供給ポンプ7から供給される冷却水が、冷却水供給路8を介して流入する。冷却水流路を流通した冷却水は、冷却水排出路9から排出される。
シリンダ5の上部であるシリンダヘッド5aには、シリンダ5の温度を計測する熱電対(壁部温度計測部)15(図2参照)が設けられている。熱電対15は、シリンダヘッド5aの略中央領域であって、後述する副室構成部材16の近傍である計測部分Pの温度を計測する。
また、シリンダヘッド5aには、主室2と連通する給気管10及び排気管11が接続されている。給気管10は、燃料ガスと空気とを予め混合した予混合気が内部を流通しており、この予混合気を主室2に供給している。また、給気管10には、給気管10内を流通する予混合気の温度を計測する給気ガス温度計測部12が設けられている。給気ガス温度計測部12としては、例えば、給気管10内を流通する予混合気の温度を直接計測する温度計測器が挙げられる。また、給気ガス温度計測部12は、給気管10に設けられた熱電対によって、給気管10の温度を計測し、給気管10の温度から給気管10内の流通する予混合気の温度を導出してもよい。
また、給気管10には、給気管10内を流通する予混合気の流量を計測する流量計測器13が設けられている。給気管10から主室2に供給される予混合気の量は、給気管10に設けられた給気弁(図示省略)によって調整される。
給気管10を介して主室2へ流入した予混合気は、上昇するピストン6により圧縮され、前述の副室より噴出されるトーチ火炎により燃焼される。燃焼によりピストン6が押し下げられた後に、クランク軸(図示省略)によってピストン6が再度上昇し、排気管11から燃焼ガスが排気される。すなわち、排気管11は、燃焼後の予混合気(以下、「既燃ガス」という。)が内部を流通しており、既燃ガスを主室2から排出している。また、排気管11には、排気管11内を流通する既燃ガスの温度を計測する既燃ガス温度計測部14が設けられている。既燃ガス温度計測部14としては、例えば、排気管11内を流通する既燃ガスの温度を直接計測する温度計測器が挙げられる。また、既燃ガス温度計測部14は、排気管11に設けられた熱電対によって、排気管11の温度を計測し、排気管11の温度から排気管11内の流通する既燃ガスの温度を導出してもよい。主室2から排出される既燃ガスの量は、排気管11に設けられた排気弁(図示省略)によって調整される。
副室3は、副室構成部材16によって構成されている。副室構成部材16は、シリンダヘッド5aの略中央に、主室2に突出するように設けられている。また、副室3は、副室構成部材16の内部に形成されている。副室構成部材16の上部には、副室3に燃料ガスを送り込むための予混合気供給管17が設けられている。また、副室構成部材16の上部には、副室3内の燃料ガスに点火するための点火プラグ4が設けられている。また、副室構成部材16の下部には、副室3と主室2とを連通する噴孔18が複数設けられている。この噴孔18によってトーチ火炎を主室2に向かって噴出する。
このように構成されたガスエンジン1は、主室2内に予混合空気を吸入する給気工程、ピストン6により主室2内の予混合気を圧縮する圧縮工程、点火プラグ4によって点火された副室3内の燃料ガスの燃焼により主室に噴出されるトーチ火炎が主室2内の予混合気を燃焼させ、燃焼した予混合気が膨張することでピストン6を押し下げる燃焼工程及び慣性力によりピストン6が上昇し既燃ガスを主室2から排出する排出工程の四つの工程で一サイクルを完了する。
また、ガスエンジン1は、各種機器を制御する制御装置20を備えている。
制御装置20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
また、制御装置20は、図2に示すように、主室2内の予混合気の温度を導出する温度導出部(予混合気温度導出部)21と、シリンダ5の温度と主室2内の予混合気の温度との温度差を算出する算出部22と、算出部22によって算出された温度差に基づいて冷却水流路を流通する冷却水の流量を調整する流量制御部(冷却水流量制御部)23と、を備える。また、制御装置20は、シリンダ5壁面と主室2内の予混合気との温度差から、点火プラグ4が点火を行う点火タイミングを導くことができるマップを記憶する記憶部24を備える。また、制御装置20は、記憶部24が記憶するマップに基づいて算出部22によって算出された温度差から点火タイミングを導出する点火タイミング導出部25と、点火タイミング導出部25が導出した点火タイミングで点火するように点火プラグ4を制御する点火タイミング制御部26と、を備える。
温度導出部21は、下記の式(1)を用いて、給気弁が閉状態(IVC)における主室2内の温度(すなわち、主室2内の予混合気の温度)である主室2内温度TIVCの値を算出する。温度導出部21は算出したデータを算出部22に送信する。
Figure 0007030587000001
但し、min:給気ガス量
in:給気ガス組成
in:給気ガス温度
res:残留ガス量
res:残留ガス組成
res:残留ガス温度
給気ガス量minは、燃焼室内に流入する予混合気の量であり、給気管流量計測部が計測した流量に基づいて算出する。また、給気ガス組成Rinは、供給される予混合気の組成であり、予混合気の設定値を用い、所定の空気過剰率λ等を参照して算出する。給気ガス温度Tinは、主室2内に流入する予混合気の温度であり、給気ガス温度計測部12が計測した温度に基づいて算出する。残留ガス量mresは、排出工程後に主室2内に残留した既燃ガスの量であり、掃気効率により算出する。残留ガス組成Rresは、主室2内に残留した既燃ガスの組成であり、完全燃焼を仮定して算出する。残留ガス温度Tresは、主室2内に残留した既燃ガスの温度であり、排気管温度計測部が計測した温度に基づいて導出する。
算出部22は、熱電対15が計測したシリンダ5の温度と温度導出部21が導出した主室2内の予混合気の温度との温度差を算出する。具体的には、シリンダ5の温度から主室2内の予混合気の温度を減算して温度差を算出する。または、主室2内の予混合気の温度からシリンダ5の温度を減算して温度差を算出する。算出部22は算出したデータを流量制御部23及び点火タイミング導出部25に送信する。
流量制御部23は、算出部22によって算出された温度差に基づいて冷却水ポンプの回転数を調整することで、冷却水流路を流通する冷却水の流量を調整する。詳細には、温度差が所定の値となるように、冷却水の流量を調整する。すなわち、冷却水の流量を調整することで、シリンダ5の温度を調整する。
具体的には、例えば、シリンダ5の温度が主室2内の予混合気の温度よりも高い場合であって、予混合気の温度に所定の値を足した温度がシリンダ5の温度よりも低い場合には、冷却水ポンプの回転数を上げる制御を行い、冷却水流路を流通する冷却水の流量を増大させる。これにより、シリンダ5の温度が低下し、温度差が所定の温度に近づく。また、例えば、シリンダ5の温度が主室2内の予混合気の温度よりも低い場合であって、予混合気の温度から所定の値を引いた温度がシリンダ5の温度よりも高い場合には、冷却水ポンプの回転数を下げる制御を行い、冷却水流路の流通する冷却水の流量を低減させる。これにより、シリンダ5の温度が上昇し、温度差が所定の温度に近づく。
記憶部24は、壁部と燃焼室内の予混合気との温度差と点火プラグ4が点火を行う点火タイミングとの対応関係を定めたマップを記憶している。
記憶部24は、壁部と燃焼室内の予混合気との温度差と燃焼変動の程度(Pmax-COV)との対応関係を定めた第1マップを記憶している。また、記憶部24は、燃焼変動の程度と、点火プラグ4が点火を行う点火タイミングとの対応関係を定めた第2マップを記憶している。第2マップは、所定の燃焼変動の程度の場合に、どの程度進角できるか(換言すれば、どの程度点火タイミングを早めることができるか)を定めている。なお、第1マップと第2マップとを合わせた一つのマップとして、記憶部24が記憶していてもよい。
記憶部24は記憶しているマップを点火タイミング導出部25に送信する。
点火タイミング導出部25は、記憶部24が記憶する第1マップ及び第2マップに基づいて、温度差から点火タイミングを導出する。点火タイミング導出部25は、導出したデータを点火タイミング制御部26に送信する。
点火タイミング制御部26は、点火プラグ4に対して、点火タイミング導出部25が導出した点火タイミングで点火するように信号を送信する。
次に、制御装置20が行う処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。
まず、制御装置20は、給気ガス温度計測部12から給気管10内の予混合気の温度を取得し、給気ガス温度を算出する(S1)。次に、制御装置20は、流量計測器13から給気管10内の予混合気の流量を取得し、給気ガス量を算出する(S2)。次に、制御装置20は、既燃ガス温度計測部14から排気管11内の既燃ガスの温度を取得し、残留ガス温度を算出する(S3)。次に、制御装置20は、主室2内に残留する既燃ガス量を掃気効率により算出することで取得する(S4)。
次に、制御装置20は、S5に進み、給気弁が閉状態(IVC)における主室2内の温度(すなわち、主室2内の予混合気の温度)を、上記(1)式を用いて導出する(予混合気温度導出工程)。次に、制御装置20は、S6に進み、熱電対15からのシリンダ5の温度を取得する(壁部温度計測工程)。次に、制御装置20は、S7に進み、S5で導出した主室2内の温度と、S6で取得したシリンダ5の温度との温度差を算出する(温度差算出工程)。次に、制御装置20は、S8に進み、S7で算出した温度差に基づいて、流量制御部23によって冷却水ポンプを制御し、冷却水流路を流通する冷却水の流量を調整する(冷却水調整工程)。冷却水の流量を調整すると、制御装置20は、本処理を終了する。
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態では、シリンダ5の温度と主室2内の予混合気の温度との温度差が所定の値となるように冷却水流路を流通する冷却水の流量を調整している。これにより、シリンダ5の温度と予混合気の温度との温度差が所望の値となるので、温度差に起因する予混合気の対流を安定させ、所望の対流とすることができる。
対流が安定しないと、主室2における予混合気の対流の影響が副室3内まで及び、点火プラグ4周辺のガスの流動がサイクル毎に変化してしまう可能性がある。本実施形態では、上述のように、温度差を所望の値(すなわち一定)とすることで、予混合気の対流を安定させることができるので、副室3内の点火プラグ4周辺のガス流動のサイクル毎における変動が抑制される。換言すれば、ガスエンジン1のサイクル間における点火プラグ4周辺のガスの流動の変動が抑制される。これにより、点火プラグ4周辺の当量比の変動も抑制される。したがって、各サイクルの燃焼が安定化され、サイクル間における燃焼変動を抑制することができる。
シリンダ5の温度と主室2における予混合気の温度との温度差が、ガスエンジン1の副室3に与える影響について、図4のグラフを用いて説明する。図4のグラフの横軸はシリンダ5の温度と主室2における予混合気の温度(すなわち、シリンダ5の筒内ガス温度)との温度差を示し、右に行くほど温度差が大きいことを示す。また、図4のグラフの縦軸は、点火プラグ4によって副室3内の予混合気に点火してから、主室2において燃焼が開始される時期を角度で示し、上に行くほど時期が遅くなっていることを示す。図4からも明らかなように、温度差が小さくなるほど燃焼開始が遅れ、温度差が大きくなるほど燃焼開始が速まる。このように、図4からも、シリンダ5の温度と主室2における予混合気の温度との温度差が、主室2内の燃焼変動に影響を与えていることがわかる。
〔変形例〕
なお、制御装置20は、図5に示すように、上述の処理に加えて、点火タイミングを導出する処理等を行ってもよい。すなわち、制御装置20は、S1~S8の処理を行った後に、処理を終了させずに、以下の処理を行ってもよい。
詳細には、図5に示すように、S8で冷却水流路を流通する冷却水の流量を調整する処理を行った後に、制御装置20は、記憶部24から第1マップ及び第2マップを取得する(S9)。次に、制御装置20は、S10に進み、S7で算出した温度差から、S9で取得した第1マップ及び第2マップに基づいて、点火タイミング導出部25によって点火タイミングを導出する(点火タイミング導出工程)。次に、制御装置20は、S11に進み、点火タイミング制御部26によって、S10で導出した点火タイミングで、副室3内の予混合気に点火を行う(点火工程)。点火を行うと、本処理は終了する。
このような構成とすることで、以下の効果を奏する。
上述のように、シリンダ5と主室2内の予混合気との温度差に応じて、主室2内の燃焼変動の程度が変化する。予混合気供給量等の条件に変化がない場合には、燃焼室内の圧力変化は、燃焼変動の程度及び点火のタイミングに基づいて変化する。また、内燃機関では、許容可能な燃焼室内の最高圧力が設定されているので、常時最高圧力を超えないようにされる。
本実施形態では、壁部と燃焼室内の予混合気との温度差と燃焼変動の程度(Pmax-COV)との対応関係を定めた第1マップ及び、所定の燃焼変動の程度の場合に、どの程度進角できるか(換言すれば、どの程度点火タイミングを早めることができるか)を定めている第2マップに基づいて、点火タイミングを決定している。したがって、主室2内の圧力を、設定されている最高圧力を超えない範囲において、所望の圧力とすることができるので、燃焼効率を向上させることができる。
なお、本開示は、上記各実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。
例えば、上記各実施形態では、本発明を副室式のガスエンジンに適用した例について説明したが、本発明はこれに限定されない。予混合気を燃焼させる内燃機関であればよく、例えば、副室を有さないエンジンに適用してもよい。
また、上記各実施形態では、副室式のガスエンジンを発電用の内燃機関に適用する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、車両等の船舶以外の機器に搭載されてもよく、また、発電用以外の用途に用いられてもよい。
1 ガスエンジン
2 主室(燃焼室)
3 副室
4 点火プラグ(点火部)
5 シリンダ(壁部)
6 ピストン
7 冷却水供給ポンプ
8 冷却水供給路
9 冷却水排出路
10 給気管
11 排気管
12 給気ガス温度計測部
13 流量計測器
14 既燃ガス温度計測部
15 熱電対
16 副室構成部材
17 予混合気供給管
18 噴孔
20 制御装置
21 温度導出部(予混合気温度導出部)
22 算出部
23 流量制御部(冷却水流量制御部)
24 記憶部
25 点火タイミング導出部
26 点火タイミング制御部

Claims (4)

  1. 壁部によって区画され、内部に予混合気が供給される燃焼室と、
    前記燃焼室内の前記予混合気を燃焼させるための点火を行う点火部と、
    流通する冷却水によって前記壁部を冷却する冷却部と、
    前記壁部の温度を計測する壁部温度計測部と、
    前記燃焼室内の前記予混合気の温度を導出する予混合気温度導出部と、
    前記壁部温度計測部が計測した前記壁部の温度と、前記予混合気温度導出部が導出した前記燃焼室内の前記予混合気の温度との温度差を算出する算出部と、
    前記算出部によって算出された温度差に基づいて、該温度差が所定の値となるように、前記冷却部を流通する前記冷却水の流量を調整する冷却水流量制御部と、を備えた内燃機関。
  2. 前記壁部と前記燃焼室内の前記予混合気の温度との温度差と、前記点火部が点火を行う点火タイミングと、の関係に基づいて、前記算出部によって算出された温度差から点火タイミングを導出する点火タイミング導出部と、
    前記点火タイミング導出部が導出した点火タイミングで点火するように前記点火部を制御する点火タイミング制御部と、を備えた請求項1に記載の内燃機関。
  3. 燃焼室を区画する壁部の温度を計測する壁部温度計測工程と、
    前記燃焼室内の予混合気の温度を導出する予混合気温度導出工程と、
    前記壁部温度計測工程で計測した前記壁部の温度と、前記予混合気温度導出工程で導出した前記予混合気の温度との温度差を算出する温度差算出工程と、
    前記温度差算出工程で算出された温度差に基づいて、該温度差が所定の値となるように、前記壁部を冷却する冷却水の流量を調整する冷却水調整工程と、を備えた内燃機関の制御方法。
  4. 前記壁部と前記燃焼室内の予混合気の温度との温度差と、点火部が点火を行う点火タイミングと、の関係に基づいて、前記温度差算出工程で算出された温度差から点火タイミングを導出する点火タイミング導出工程と、
    前記点火タイミング導出工程で導出された点火タイミングで、前記燃焼室内の前記予混合気を燃焼させるための点火を行う点火工程と、を備えた請求項3に記載の内燃機関の制御方法。
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