以下に、本発明の一実施形態に係るシート加工装置1について、図1乃至14を参照しながら詳細に説明する。(第1の実施形態)図1の全体構成図に示すように、シート加工装置1は、装置本体2のシートSの搬送路5の上流側に供給部3が設けられる。搬送路5の下流側にはスタッカ部6が設けられる。
装置本体2内には、シートSを搬送する搬送部4が設けられる。搬送部4は、所定の領域毎に独立した複数個の第1~4搬送用モータ41~44によって駆動される複数個の対のローラを備える。したがって、複数個の対のローラ10~17がシートSの搬送方向Fに並んで配置される。
シートSの搬送路5に沿って適宜の位置には、加工部19が配置されている。加工部19は、搬送部4により搬送されるシートSの所定位置に加工処理を施す。図1に示した実施形態では、シートSの搬送路5の上流側から下流側に向けて、加工部19として3つの縦裁断部20、クリース部21及び横裁断部22を、それぞれ備えている。
これらの加工部19は、装置本体2に対して固定的に設置されてもよいが、フレキシブルな対応、装置の小型化及び交換作業の容易化のために、装置本体2に対してユニットとして着脱自在に設置されている。これらの加工ユニット20~22は、いずれの設置場所にも着脱できるように、外観上同じ寸法や形状を有するように構成されている。
供給部3は、供給台36、送風機38、吸引式搬送機構31、斜行補正機構32、供給ローラ33,34を備える。供給台36は、シートSが載置される。供給台36は図示しない昇降手段により昇降自在に構成される。送風機38は、供給台36の前方に設けられ、供給台36上に複数のシートSが載置されたとき、複数のシートSの束を分離する。吸引式搬送機構31は、供給台36に載置されているシートSを図示しない吸引手段によって、1枚ずつ引き付けて吸着させ、搬送する。吸引式搬送機構31は、一対のローラ311、312に掛け渡された周回走行する無端状のベルト313を備える。
図1に示す縦裁断部20は、シートSを搬送方向Fに裁断する。縦裁断部20の各加工ユニットは、上下一対の裁断刃201が左右に離間して1組と、スリッタ用モータ48とを備える。裁断刃201は、図示しない裁断刃保持部に保持されつつシートSの幅方向Wの適宜の位置に移動可能に構成される。シートSの裁断を必要としないときには、裁断刃201がシートSの搬送路5の外側に退避している。なお、裁断刃201のシートSの幅方向Wの移動及び位置決めは、制御部45としてのCPUによって制御される。スリッタ用モータ48は、搬送方向Fに沿った裁断を行うときに裁断刃201を回転駆動するための駆動源である。
裁断屑落し部27は、縦裁断部20における裁断によって生じた裁断屑をシートSの搬送路5の下方に排除するためのものである。裁断屑落し部27は、複数個の裁断屑落しデバイスと図示しない幅方向W位置決め軸とデバイス移動用モータとを備える。裁断屑落しデバイスは、幅方向W位置決め軸の回転に伴ってシートSの幅方向Wに移動可能に構成させる。所定位置に配置された裁断屑落しデバイスがシートSの搬送路5上の障害物になるために、シートSが裁断屑落し部27を通過する際に、シートSに含まれる裁断屑を落下させて屑箱23で回収する。
クリース部21は、シートSに対してシートSの幅方向Wに沿った折り型を形成する。クリース部21では、シートSの幅方向Wに延在する上型211及び下型212が配置されている。クリース用モータ49は、上型211を上下方向に駆動するための駆動源である。上型211と下型212との間にシートSを挟んだ状態で、上型211を下向きに駆動させて、シートSを上型211の凸部で下型212の凹部に押し込むことによって、シートSに断面が略半円状の折り型を形成する。
横裁断部22は、シートSを幅方向Wに沿って切断する。横裁断部22は、シートSの幅方向Wに延在する上刃221及び下刃222と、カッタ用モータ50とを備える。カッタ用モータ50は、上刃221と下刃222との間にシートSを挟んだ状態で、上刃221を下向きに駆動させて、シートSを上刃221と下刃222とで裁断する。裁断により生じた裁断屑は、下方へ落下して屑箱23で回収される。なお、シートSの搬送方向Fの裁断すべき余白部が広い場合には、複数のシートSの搬送方向Fの狭い領域に分割して、狭い幅で細かく裁断することができる。
シート加工装置1内に設置されるシートSの搬送用駆動源や加工用駆動源は、ステッピングモータやDCモータが用いられる。ステッピングモータは、パルス信号を与えることによって所定のステップ単位で回転する。搬送用駆動源及び加工用駆動源のいずれかまたは双方をステッピングモータとすることで、シートSの搬送位置や、各種加工デバイスの移動位置を高速且つ高精度に制御できる。
シートSの搬送路5に沿って適宜の位置には、複数個の検出部28が配置されている。図1に示した実施形態では、検出部28として、シート検出部91~95及び読取部26が配置されている。シート検出部91~95は、対の発光素子と受光素子を備える。シート検出部91~95は、シートSがこれらの素子の間を通過して検出光を遮ることによってシートSの通過を検出する透過型の光センサである。
上記センサ群のうちシートSの搬送路5の最も上流側に設置されたシート検出部91は、供給台36から供給されたあと供給ローラ33,34で把持されたシートSの前端縁Sf又は後端縁Seを検出する。シート検出部91で検出されたシート位置は、基準となり、搬送路5上で搬送されている各シートSの位置を一義的に検出する。
このように上流側のシート検出部91によってシートSの搬送路5上で搬送されている各シートSの位置を一義的に検出することができる。しかし、下流側の他のシート検出部92~95は、シートSの搬送路5が長くなってシートSの搬送路5上のシートSの搬送方向Fの位置ズレ(搬送誤差)の累積が起こった場合に備えて、シート検出部91で得られたシートSの位置情報を修正して、当該シートSの位置情報をより正確なものにするために補助的に設置している。シート検出部91は、シートSの加工情報としての搬送方向Fの長さを設定する設定部を構成する。
読取部26は、シートSに形成された画像の印刷位置に関する情報を読み取る。読取部26は、シートSの加工位置を含む加工を行うために必要な各種情報を設定する設定部を構成する。
読取部26は、供給ローラ34と搬送部4のローラ10の間であって、最上流のシート検出部91の下流側に設置される。読取部26は、一次元のCCDイメージセンサまたは平面の画像を読み取る2次元CCDイメージセンサのいずれも使用可能である。一次元のCCDは、画像をラインスキャンで読み取る。一次元のCCDは低コストであるために好適に使用される。また、読取部26は、CCDイメージセンサに替えてCMOSイメージセンサ等を用いることもできる。読取部26で読み取る画像が磁気成分を含むインクで印刷されている場合には、当該磁気成分を検出するための磁気センサを、情報読取手段として用いることもできる。
また、読取部26は、シートSに施されるべき各種処理動作に関する情報を読み取る。図2では、処理動作に関する情報がシートSに画像として形成されたバーコードM2により構成される場合を示す。バーコードM2は、シートSの下流側の前端部分に、位置マークM1に隣接して設けられる。
読取部26は、シートSの上に印刷された位置マークM1の画像を読み取って位置マークM1のシートSの搬送方向Fの位置とシートSの幅方向Wの位置とを検出する。また読取部26は、シートSの上に印刷されたバーコードM2の画像を読み取ってシートSに施されるべき各種加工情報を取得する。読取部26は、シートSの加工位置を含む加工情報を設定する設定部を構成する。
図2は、シートSに施される加工情報の一例を示す。同図では、シートSの下流側の前端部分に画像形成された位置マークM1を有する。位置マークM1は、加工部19でシートSに施される加工位置の基準を指し示す。
バーコードM2は、シートSの搬送方向Fや幅方向Wの長さに関する情報、位置マークM1のシートSにおける位置に関する情報、搬送方向Fの各種加工(裁断、ミシン目、コーナーカット、クリース, エンボス、ダイカット)のための位置情報、幅方向の各種加工(裁断、ミシン目、コーナーカット、クリース, エンボス、ダイカット)のための位置情報等の各種情報を表現するマークである。 なお、加工を行うために必要な情報は、操作パネル46やPC(パーソナルコンピュータ)を介して使用者が入力することも可能である。操作パネル46やPCは、シートSの加工位置を含む加工情報を設定する設定部を構成する。操作パネル46やPCは、シートの画像形成後の実寸法を入力する実寸法入力部を構成する。
例えば、あるシートSに画像形成されたバーコードM2には、図2に示すような加工を行うことを指示する加工情報が記録されている。すなわち、シートSの搬送方向Fの長さLfが297mmであり、幅方向Lwの長さが210mmであることやT1~T4の所定の各縦裁断位置に沿って搬送方向Fの裁断加工を行うこと、K1~K10の所定の各横裁断位置に沿って幅方向Wの裁断加工を行い、1枚のシートSから横2行、縦5列の合計10枚の加工処理物Qを得ること等がバーコードM2に記録されている。
搬送部4のローラ10の下流側には、リジェクト機構25が設けられる。リジェクト機構25は、回動部材251、リジェクトトレイ252を備える。回動部材251は、作動時に搬送路5を遮る姿勢となる。
シートSの位置マークM1やバーコードM2が不鮮明である等何らかの理由によりリジェクトすべきシートSがある場合、回動部材251が回動され、当該シートSを搬送路5の下方へ落下させ、リジェクトトレイ252で回収する。
シート加工装置1は、装置における各種動作を制御するための制御部45を装置本体2に備えている。制御部45としてのCPU(中央処理演算装置)は、各種プログラムが格納されているROM(リード・オンリー・メモリ)と、各種情報が格納されているRAM(ランダム・アクセス・メモリ)と、各種の入力デバイスや出力デバイスと、を通じて各種の演算処理や加工処理や判断動作の制御を行っている。
CPUには、ROM(フラッシュROM)、RAM等の記憶部、入力デバイスとしての各種センサ26、91~95、出力デバイスとしての各種モータ41~44、47~49及び、入力デバイスとしての操作パネル46が、それぞれ電気的に接続されている。読取部26で検出される位置マークM1の画像やバーコードM2の画像に基づく、シートSのサイズ情報や位置マークM1の位置情報や各種加工情報、及び、シートSの前端縁Sf又は後端縁Seがシート検出部91~95を通過することによって得られるシートSの位置情報がCPUに入力され、それらの各種情報がRAMに一時的に格納される。
バーコードM2からのサイズ情報や操作パネル46からの入力情報によってシートSの搬送方向Fの長さがRAMに記憶されている。したがって、シートSの下流側の前端縁Sf又は上流側の後端縁Seのいずれか一方を検出することによって、シート検出部91の設置位置を基準にして、シートSの搬送路5上におけるシートSの位置、特に各シートSの後端位置を一義的に規定することができる。
制御部45は、設定部で設定された加工位置においてシートSに加工処理を施し、加工処理物Qを得るよう搬送部4及び加工部19を制御する。制御部45は、設定部で設定された加工位置のうちの一部を入力された実寸法に基づいて補正し、他の加工位置を設定部で設定された加工処理物Qの寸法に基づいて補正するよう制御する。また、制御部45は、実寸法に基づき補正を行った一部の加工位置を基準とし、他の加工位置を設定部で設定された加工処理物Qの寸法を用いて補正する。制御部45は、実寸法に基づく補正を、搬送部4の搬送方向Fまたは前記搬送方向に直交する幅方向Wの少なくともいずれかにおける加工処理物Qの所定位置または一の端辺について行うことができる。制御部45は、設定部で設定されたシートSの加工位置が、隣接する2つの加工処理物Qを分離する一の裁断線を含むとともに、画像形成後のシートの実寸法が、設定部で設定されたシートの寸法より大きいとき、前記隣接する2つの加工処理物の間に、裁断後除去する不要な裁断屑を形成するための新たな裁断線を追加するよう加工位置を補正する。
次に、シート加工装置1の動作について説明する。まず、主電源スイッチを入れシート加工装置1を立ち上げると、各種の内部動作チェックを行う。そして、使用者は、設定部を用いてシートSの加工情報を設定する。その際使用者は、設定部としての操作パネル46を用いて加工情報を入力するか記憶部から呼び出し、設定する。そして、使用者は、供給台36に、加工処理すべきシートSの束を載置する。
図3はシート加工装置1の制御フローを示す。同図のステップ1で、制御部45は、使用者の設定によりシートSの加工情報を取得する。加工処理すべきシートSが、画像形成後のシートSである場合、画像形成の際にシートSが加熱されるために、シートSに含まれる水分量が変化し、使用者が設定部で設定した寸法に比して縮小又は拡大した寸法を有していることがある。そのような場合には、シートSの全長の長さLf及び全幅の長さLwも画像位置もいずれも設定値に比して小さく又は大きくなっている。
そこで、使用者は、シートSの画像形成後の実寸法である全長の長さLf、全幅の長さLw、シートSの前端縁Sfや後端縁Seから所定の加工位置までの長さ等を、スケール等を用いて計測する。そして、使用者は計測により得られた画像形成後のシートSの実寸法に関する情報を、実寸法入力部としての操作パネル46等を用いて入力する。ステップ2において、制御部45は、実寸法入力部により入力されたシートSの画像形成後の実寸法に関する情報と、設定部により設定されたシートSの加工位置や搬送方向F及び幅方向Wの長さに関する情報を含む加工情報とからシートSの伸縮率を算出する。
そして、制御部45は、設定部で設定された加工位置を入力された実寸法に基づいて補正を行う。例えば、設定部で設定されたシートSの加工情報によれば、シートSの搬送方向Fの長さLfが297mmであるところ、使用者によって入力された搬送方向Lsの長さの実測値が300mmであったとする。この場合、伸縮率は1%となる。
得られた伸縮率を用いて、制御部45は、シートSの加工位置を補正する。制御部45は、シートSの前端縁Sfからの各裁断位置K1~K10まで、搬送部4によって搬送すべき長さL1~L10の補正後の値を算出する。例えば、図4に示すように、設定されたシートSの前端縁Sfから第1行目の加工処理物Q1の前端縁Q1fを形成するための第1裁断線K1までの長さL1が図5に示すように、10mmであったとすると、補正後の裁断線K1までの長さは、10×1.01=10.1mmとなる(図6参照)。
同様にシートSの前端縁Sfから第2,3,4裁断線K2,K3,K4までの設定値が60mm,70mm,120mmであったとすると、補正後の長さは、それぞれ60.6mm、70.7mm、121.2mmとなる。
これより、画像形成によるシートSの伸縮に応じて、該シートSを加工処理すること可能となる。シートSに形成された画像の境界線に対応した位置で、裁断、クリース形成、ミシン目形成等各種処理をシートSに施すことができる。
一方、加工処理の内容によっては、シートSに形成された画像からの加工位置のずれを低減しつつも、得られる加工処理物Qの精度を重視し、設定部で設定された大きさの加工処理物Qが要求されるときもある。また、同じ画像、同じ加工処理を異なる日に実行するような場合、画像形成時の環境温度や環境湿度、シートSの保管環境によって、シートSの伸縮率が異なることがある。このようなとき、伸縮率を用いて加工位置を補正したために、設定部で設定された加工情報が同じでも得られる加工処理物Qの大きさが異なってしまうこととなるかもしれない。
このような場合、使用者の選択によりシートSの画像形成位置に応じて伸縮率により全ての加工位置を補正するのか、または加工位置の一部については画像形成位置に合わせ補正しつつ、他の加工位置についてはその補正後の加工位置に対し、設定部で設定した設定値を用いて加工処理するかのいずれかを選択可能となっている。使用者は、所望する処理を、操作パネル46等の設定部を用いて選択し、設定を行う。また、使用者は、どの加工位置について伸縮率を用いた補正を行うのかを選択することができる。
使用者が加工位置の一部については画像形成位置に合わせ伸縮率で補正しつつ、他の加工位置については当該補正後の加工位置に対し、設定部で設定した設定値を用いて加工処理することを選択した場合、まず、制御部45は、シートSに形成された画像に応じた位置での加工処理を行うために、設定部で設定された加工位置のうちの一部を入力された実寸法に基づいて補正する。その際、制御部45は、搬送部4の搬送方向または前記搬送方向Fに直交する幅方向Wの少なくともいずれかにおける加工処理物Qの所定位置または一の端辺について実寸法に基づく補正を行うよう制御することができる。そして、実寸法に基づき補正を行った一部の加工位置を基準として、他の加工位置を設定部で設定された設定値で補正する。
例えば、加工処理物Qの一の端辺である搬送方向F前端縁Q1fを基準とする場合、加工情報から、シートSの前端縁Sfからの第1行目の加工処理物Q1の前端縁Q1fを形成するための第1裁断線K1までの長さL1が10mmであったとし、シートSの伸縮率が1%であったとき、補正後の裁断線K1までの長さは、上記と同様に、10×1.01=10.1mmとなる。
そして、加工処理物Qの大きさを設定値と等しくするために、制御部45は、上記加工処理物Qの前端縁Q1f以外の加工位置を設定部で設定された加工処理物Qの寸法に基づいて補正するよう制御する。例えば、設定部で設定された加工処理物Qの搬送方向Fの長さL1となる第1裁断線K1から第2裁断線K2までの長さが50mmであるとする。第2裁断線K2の位置は、10.1mm+50mm=60.1mmの位置に補正される(図7参照)。
第3裁断線K3は、シートSの第2行目の加工処理物Q2の前端縁Q2fに該当する。よって、第1裁断線K1と同様に、実寸法に基づく補正を行うこととする。シートSの前端縁Sfから第3裁断線K4までの設定値が,70mmであったとすると、補正後の長さは、70mm×1.01=70.7mmとなる。
第4裁断線K4は、第2裁断線K2と同様に、設定部で設定された加工処理物Qの寸法に基づいて補正される。よって、例えば、設定部で設定された加工処理物Qの搬送方向Fの長さLQが50mmであるとする。第4裁断線K4の位置は、70.7mm+50mm=120.7mmに補正される。
同様に、幅方向Wの加工処理物Qの一の端辺、例えば、搬送方向Fを向いたときの加工処理物Qの右端縁Qrまたは左端縁QLについて、実寸法に基づき補正を行い、当該実寸法に基づき補正を行った一部の加工位置を基準とし、残りの幅方向Wの横裁断部22による加工位置を設定部で設定された加工処理物Qの寸法を用いて補正する。
次に、実寸法に基づき補正を行う一部の加工位置を加工処理物Qの後端縁Qeとする場合について説明する。加工処理物Qの後端縁Qeを基準とする場合、設定部で設定されたシートSの前端縁Sfから加工処理物Qの後端縁Qeを形成するための第2裁断線K2までの長さが60mmであり、シートSの伸縮率が1%である場合、第2裁断線K2の加工位置は60mm×1.01=60.6mmとなる(図8参照)。
そして、加工処理物Qの前端縁Qfを形成するための第1裁断線K1の位置は、60.6mm-50mm=10.6mmとなる。
設定部で設定された第4裁断線K4の位置がシートSの前端縁Sfから120mmの長さの位置であるとき、実寸法を基に補正を行うと、120mm×1.01=121.20mmとなる。第3裁断線K3の位置は第4裁断線K4の加工位置から設定部で設置された加工処理物Qの長さを減算し、120.12mm-50mm=71.2mmとなる。
次に、実寸法に基づく補正を、加工処理物Qの所定位置について行う場合について説明する。例えば、設定部で設定された第1行目の加工処理物Q1の中央線C1が、シートSの前端縁Sfから35mmであったとする。シートSの伸縮率が1%のとき中央線は35mm×1.01=35.35mmの位置に補正される(図9参照)。
この中央線C1を基準とし、設定部で設定された第1行目の加工処理物Q1の搬送方向Fの長さの半分の25mmを差し引くと、第1裁断線K1は、35.35mm-25mm=10.35mmとなる。第2裁断線K2の位置は、中央線C1に加工処理物Qの搬送方向Fの長さLQの半分を加算し、35.35mm+25mm=60.35mmとなる。
同様に、第2行目の加工処理物Q2の中央線C2が、シートSの前端縁Sfから95mmであったとする。シートSの伸縮率が1%のとき中央線は95mm×1.01=95.95mmの位置に補正される。第3裁断線K3は、95.95mm-25mm=70.95mm,第4裁断線K4は、95.95mm+25mm=120.95mmとなる。
図3のステップ3において、制御部45は、処理開始の準備を行う。ステップ3の処理開始の準備では、複数の動作を並行して実行する。制御部45は、供給台36を上昇させるため、昇降手段を駆動制御する。そして、供給台36上のシートSを搬送路5へ供給可能な供給位置まで供給台36を移動する。
また、制御部45は送風機38を駆動する。供給台36上の複数のシートSが積載される場合、送風機38によってシートSの前端縁Sfに向けて送風し、これより、各シートSを分離することができる。
制御部45は、裁断刃201を搬送路5の幅方向W外側のホームポジションへ移動する。シートSの加工処理開始の操作を行った時には、裁断刃201は、先行してスタッカ部6へ排出された加工処理物Qの加工処理パターンにおける加工位置にある。この裁断刃201を、加工位置からホームポジションへ移動し、更に加工位置へ移動する。また、カッタ用モータ50を駆動し、上刃221を上限位置へ移動する。また、搬送部4の搬送駆動部41~44の励磁を開始する。
図3のステップ4において、制御部45はシートSの搬送路5への供給動作を開始する。その際、制御部45は、送風機38を駆動するとともに、吸引式搬送機構31により最上位のシートSのみを吸引し、下流側へ供給する。斜行補正機構32によりシートSの斜行が矯正される。供給ローラ33,34がシートSをニップした後は、供給ローラ33,34及び吸引式搬送機構31の双方で、シートSが搬送され、搬送路5に供給される。
搬送路5上へ供給されたシートSは、搬送部4によって下流側へ搬送され、読取部26に至る。読取部26によってシートSの位置マークM1並びに、必要に応じてバーコードM2が読み取られてシートSに施されるべき各種加工処理情報が取得される。
リジェクト機構25では、仮に、読取部26による位置マークM1の読取が適正に行えなかったり、加工処理情報の設定または呼出がされていないときにバーコードM2の読取が行えなかったために加工条件が不明であったりした場合に、そのような読取不能のシートSに対して作動し、該シートSを落下させてトレイ252で回収する。
スリッター処理部20では、回転する裁断刃201によってシートSが裁断される。最上流のユニット20では、図6において右端及び左端に示す第1,4裁断線T1,T4が形成される。裁断刃201によって切り取られた左右両端縁の裁断屑Jは、図示しないマージン落し部材によって下方へ案内され、ガイド59に導かれて、裁断屑収容箱23に収容される。
搬送方向F中央のユニット20は、加工処理の必要がないために搬送路5の外側で待機される。搬送方向Fで最下流に設置されたユニット20では、第2、3裁断線T2、T3が形成される。第2裁断線T2と第3裁断線T3の間の帯状の裁断屑Jは、図1に示す裁断屑落とし機構27によって下方へ案内され、裁断屑収容箱23に収容される。
ステップ5で、シートSの横加工位置である裁断線Kが上刃221及び下刃222の設置位置に到達するタイミングで供給部3、搬送部4及び回転駆動部48を停止し、シートSの搬送を停止させる。ステップ6で、制御部45は裁断駆動部50を駆動し、上刃221が下刃222に近接し、シートSを幅方向Wに沿って裁断する。これより横加工処理が実行される。裁断後の裁断駆動部50の駆動により上刃221は上昇して下刃222から離間する。裁断処理によりシートSから切り取られた裁断屑Jは下向きに移動し、ガイド60により案内され、裁断屑回収部23に回収される。
ステップ7で、搬送部4の搬送を再開する。ステップ8で、次の横加工位置である裁断線Kがあるかどうかを判断する。次の裁断線Kがある場合、ステップ5に戻る。全ての裁断線Kを形成するまでステップ5~ステップ8を繰り返す。処理すべきシートSの全ての裁断線Kが形成されると、ステップ9に進む。横裁断部22で裁断され、得られた加工処理物Qがスタッカ部2に排出された後、搬送を停止する。以上で、一連のシートSの加工処理が終了する。
以上より、制御部45は、設定部で設定された加工位置のうちの一部を入力された実寸法に基づいて補正し、他の加工位置を設定部で設定された加工処理物Qの寸法に基づいて補正するよう制御するので、画像形成によりシートSが伸縮する場合であっても所望する加工処理物Qを得ることができる。
また、制御部45は、実寸法に基づき補正を行った一部の加工位置を基準とし、他の加工位置を設定部で設定された加工処理物Qの寸法を用いて補正する場合は、シートSに形成された画像位置に一部の加工位置を合わせつつ、必要な他の加工位置を設定部で設定された加工位置で加工処理することができる。
また、制御部45は、実寸法に基づく補正を、搬送部4の搬送方向Fまたは前記搬送方向に直交する幅方向Wの少なくともいずれかにおける加工処理物Qの所定位置または一の端辺について行う場合は、シートSに形成された画像位置に合わせつつ、設定部で設定された加工処理物を得ることができる。
シートSは印刷装置で印刷処理が施され、順次の紙受台39上に排出される。紙受台39上のシートSは、走行されるベルト56によって、最下位のシートSから順に供給台36に向けて搬送される。供給台36上のシートSは検出部90によってシートSの前端及び後端縁Seが検出され、検出信号が制御部45に送信される。
制御部45では、検出部90の検出信号及び吸引搬送機構32によるシートSの搬送速度からシートSの搬送方向の実寸法を算出する。制御部45は算出により得られた実寸法を加工情報から取得した設定値と比較する。そして、制御部45は、実測値と設定値との差が予め設定された所定範囲内かどうかを判断する。実測値と設定値の差が所定範囲を超える場合、制御部45は、設定値に対する実測値の伸縮率を算出する。
そして、仕上がりサイズを優先する設定が行われている場合、制御部45は、実寸法に基づき補正を行った一部の加工位置を基準とし、他の加工位置を設定部で設定された加工処理物の寸法を用いて補正する。制御部45は、実寸法に基づく補正を、搬送部4の搬送方向または前記搬送方向Fに直交する幅方向Wの少なくともいずれかにおける加工処理物Qの所定位置または一の端辺について行う。加工処理物Qの所定位置として、例えば、の加工処理物Qの中央を選択できる。また、加工処理物Q一の端辺として、先端、または後端が選択できる。
また、印刷後にシートSが縮小し、その後水分を含んでシートSが伸長する場合には、縮小した絵柄に合わせて加工sh濾位位置を
制御部45は、得られた伸縮率を基に、加工処理部における加工位置を調整する。
(第2の実施形態)
図10は、本第2の実施形態に係るシートSaの加工情報の一例を拡大して示す。本第2の実施形態に係るシート加工装置は、上記第1の実施形態と同一の構成を有し、処理を行うシートSの加工情報のみが異なる。上記第1の実施形態に係るシートSの加工情報は、搬送方向Fに沿って隣接する2つの加工処理物Qの間に、裁断後除去する不要な裁断屑Jが設定されていた。本第2の実施形態では、この不要な裁断屑Jが設定されていない。このため、第1行目の加工処理物Q1aと第2行目の加工処理物Q2aとが一の裁断線K2aによって分離される。
図10に示すようなシートSを加工処理する際、使用者がシートSaの全ての加工位置を画像形成後の実寸法に合わせ補正することを選択した場合、制御部45は、実寸法入力部により入力されたシートSの画像形成後の実寸法と、設定部により設定されたシートSの加工情報とからシートSの伸縮率を算出し、得られた伸縮率を用いて加工位置を補正する。
例えば、シートSaの伸縮率が1%であって、シートSaの前端縁Sfからの第1~3裁断位置K1a~K3aまでの設定長さが図10に示す10mm、60mm、110mmであるとき、設定値に伸縮率を乗算することで得られる補正後のシートSaの前端縁Sfから各裁断線K1a~K3aまでの長さは、図11に示すように、10.1mm、60.6mm、111.1mmとなる。
そして、使用者が、一部の加工位置について画像形成後の実寸法に合わせた補正を行うとともに、補正後の加工位置を基準として他の加工位置を設定部で設定された値を用いることを選択する場合には、制御部45は、画像形成後のシートSaの実寸法が、設定部で設定されたシートSaの寸法より大きいかどうかを判断する。
画像形成後のシートSaの実寸法が、設定部で設定されたシートSaの寸法より大きいとき、制御部45は、隣接する2つの加工処理物Qaの間に、裁断後除去する不要な裁断屑Jを形成するための新たな裁断線Kを追加するよう加工位置を補正する。
図12は、2つの加工処理物Q1a,Q2aの間に、不要な裁断屑Jを形成するための新たな裁断線K2aを追加する場合を示す。特に、実寸法に基づき補正を行った各加工位置のうち、加工処理物Qaの搬送方向F前端縁Q1fを基準として加工処理物Qa1の後端縁Q1eを形成する加工位置を設定部で設定された加工処理物Qaの寸法を用いて補正する場合を示す。シートSaの前端縁Sfから第1裁断線K1aまでの長さが10mmであったとし、シートSaの伸縮率が1%であったとき、補正後の裁断線K1aまでの長さは、図11と同様に、10×1.01=10.1mmとなる。
そして、設定部で設定された加工処理物Qa1の搬送方向Fの長さLQとなる第1裁断線K1aから第2裁断線K2aまでの長さが50mmであるとき、第2裁断線K2aの位置は、10.1mm+50mm=60.1mmの位置に補正される。
第3裁断線K3aは、シートSaの第2行目の加工処理物Q2aの前端縁Q2fに該当する。このとき、制御部45は、第1裁断線K1aと同様に、実寸法に基づく補正を行うこととする。シートSaの前端縁Sfから第2行目の加工処理物Q2aの前端縁Q2fまでの設定値が60mmであったとすると、第2行目の加工処理物Q2a前端縁Q2fまでの長さは、60mm×1.01=60.6mmに補正される。この補正後の加工位置は、s第1行目の加工処理物Q1aの後端縁Q1eを形成するために形成する第2裁断線K2aの位置である60.1mmより後方に0.5mmずれた位置となる。
第1行目の加工処理物Q1aの後端縁Q1eを形成するための裁断線K2aは、補正により新たに追加される加工位置となる。裁断線K2aが追加されることで、隣接する2つの加工処理物Q1a,Q2aの間に、裁断後除去する不要な裁断屑Jが形成される。
そして、図12に示す第4裁断線K4aは、第3裁断線K3aに、設定部で設定された加工処理物Qの搬送方向Fの長さLQを加算することで得られ、60.6mm+50mm=110.6mmとなる。
同様に、幅方向Wの加工処理物Qの一の端辺、例えば、搬送方向Fを向いたときの加工処理物Qの右端縁Qrまたは左端縁QLについて、実寸法に基づき補正を行い、当該実寸法に基づき補正を行った一部の加工位置を基準とし、残りの幅方向Wの縦裁断部20による加工位置を設定部で設定された加工処理物Qの寸法を用いて補正する。
次に、実寸法に基づき補正を行う一部の加工位置を加工処理物Qaの後端縁Qeとする場合について説明する。加工処理物Qaの後端縁Qeを基準とする場合、設定部で設定されたシートSaの前端縁Sfから加工処理物Qaの後端縁Qeを形成するための第2裁断線K2aまでの長さが60mmであり、シートSの伸縮率が1%である場合、第2裁断線K2aの加工位置は60mm×1.01=60.6mmとなる(図13参照)。
そして、加工処理物Qaの前端縁Qfを形成するための第1裁断線K1aの位置は、60.6mm-50mm=10.6mmとなる。
同様に、設定部で設定された加工処理物Q2aの後端縁Q2eの位置がシートSaの前端縁から110mmであるとき、実寸法を基に補正を行うと、110mm×1.01=111.11mmとなる。この場合、加工処理物Q2aの前端縁Q2fは、加工処理物Q2aの後端縁Q2eから設定部で設置された加工処理物Qaの長さLfを減算し、111.1mm-50mm=61.1mmとなる。
第2行目の加工処理物Q2aの前端縁Q2fのシートSaの前端縁Sfからの長さである61.1mmは、第1行目の加工処理物Q1aの後端縁Q1eの前端縁Sfからの長さである60.6mmより後方に0.5mmずれた位置となる。よって、補正により新たに第2行目の加工処理物Q2aの前端縁Q2fを形成するため第3裁断線K3aが追加されたこととなる。そして、隣接する2つの加工処理物Q1a,Q2aの間に、裁断後除去する不要な裁断屑Jが形成される。
次に、実寸法に基づく補正を、加工処理物の所定位置について行う場合について説明する。例えば、設定部で設定された第1行目の加工処理物Q1aの中央線C1aが、シートSaの前端縁Sfから35mmであったとする。シートSの伸縮率が1%のとき中央線は図11に示す第1行目の加工処理物Q1と同様に、35mm×1.01=35.35mmの位置に補正される。
この中央線C1を基準とし、設定部で設定された第1行目の加工処理物Q1aの搬送方向F長さの半分の25mmを差し引くと、第1裁断線K1は、35.35mm-25mm=10.35mmとなる。第2裁断線K2の位置は、中央線C1に加工処理物Qの搬送方向Fの長さLQの半分を加算し、35.35mm+25mm=60.35mmとなる。
第2行目の加工処理物Q2aの中央線C2aは、シートSの前端縁Sfから85mmであるとし、シートSの伸縮率が1%のとき中央線は85mm×1.01=85.85mmの位置に補正される。第2行目の加工処理物Q2aの前端縁Sfは、85.85mm-25mm=60.85mm,後端縁Q2eは、85.85mm+25mm=110.85mmとなる。
第2行目の加工処理物Q2aの前端縁Q2fのシートSaの前端縁Sfからの長さである60.85mmは、第1行目の加工処理物Q1aの後端縁Q1eの前端縁Sfからの長さである60.35より後方に0.5mmずれた位置となる。よって、補正により新たに第3裁断線K3aが追加され、隣接する2つの加工処理物Q1a,Q2aの間に、裁断後除去する不要な裁断屑Jが形成される。
(第3の実施形態)図15に第3の実施形態に係るシート加工装置1の供給部3bの一部と、上段の画像形成装置Gの紙受台39と、受渡装置Bとの模式縦断面を示す。本第3の実施形態に係るシート加工装置1は、前段に画像形成装置Gが設置される。また、画像形成装置Gの紙受台39とシート加工装置1の供給部3の間には、受渡装置Bが設置される。なお、シート加工装置1自体の構成は上記第1の実施形態に係るシート加工装置を同じである。
受渡装置Bは、画像形成装置Gの紙受台37上に載置された画像形成後のシートSを供給台36へ搬送する。受渡装置Bは、受渡用コンベアー54を備える。受渡用コンベアー54は、所定距離離間し、異なる高さに位置する一対のローラ55と、前記一対のローラ55に掛け渡された無端状のベルト56を備える。
供給部3bには、上記第1の実施形態の吸引式搬送機構31に替えて、供給ローラ58が設置される。また、供給部3bには、検出部90が設置される。検出部90は、シート検出部91~95と同様に、対の発光素子と受光素子を備える透過型の光センサにより構成される。検出部90は、供給台36上のシートSbの前端縁Sf、及び後端縁Seを検出し、制御部45に送信する。
検出部90は、前段である画像形成装置Gにおいて画像が形成されたシートSの画像形成後の実寸法に関する情報を入力する実寸法入力部を構成する。実寸法入力部は、シートSの前端縁Sf、及び後端縁Seを検出し、シートSbの実寸法の全長Lfを算出するのに替えて、シートSbに画像として形成されたトンボ線または位置マークM1を読み取る読取部26により構成してもよい。この場合、複数のドンボ線の間の長さを算出するか、または前端縁Sfとドンボ線またはマークM1との間の長さを算出する。
制御部45は、搬送ローラ55に設置した図示しないエンコーダ、またはパルスモータのパルス数から画像形成後のシートSの供給方向の長さ、またはシートSbにおける所定位置間の長さを算出する。そして、得られたシートSbの実寸法に関する情報と、設定部で設定された加工情報とを用いて伸縮率を算出する。
次に、本第3の実施形態に係るシート加工装置1の動作について説明する。まず制御部45は、昇降手段を駆動する。そして、供給台36上に受け渡し装置Bから1枚のシートSbが搬送され、載置されたとき、供給ローラ58によってこの1枚のシートSbを搬送路5へ供給可能な高さまで供給台36を上昇させておく。
図16はシート加工装置1bの制御フローを示す。図16のステップ11で、制御部45は、受渡用コンベアー54を駆動する。そして、画像形成装置Gで画像が形成されたシートSbを紙受台39から、受渡用コンベアー54によって供給台36へ搬送開始する。
また、制御部45は、裁断刃201を搬送路5の幅方向W外側のホームポジションへ移動する。そして、カッタ用モータ50を駆動し、上刃221を上限位置へ移動する。更に、搬送部4の搬送駆動部41~44の励磁を開始する。
ステップ12で、受渡用コンベアー54によってシートSbが供給台36に搬送され、シートSbの前端縁Sfが供給台36の上方に設置されたシート検出部90で検出によって検出されたどうかを判断する。シート検出部90がシートSbの前端縁Sfを検出すると、ステップ13へ進み、制御部45は、シートSbの全長Lfを計測するためのカウンタをクリアする。
ステップ14でシート検出部90がシートSbの後端縁Seを検出したかどうかを判断する。シートSbの後端縁Seを検出するまでの間シートSbの全長Lfを計測するためのカウンタを加算する。
シート検出部90がシートSbの後端縁Seを検出すると、ステップ16において、制御部45は、計測カウンタのカウント値からシートSの実寸法を算出する。ステップ17で、加工情報及び実寸法から加工位置を補正する。ステップ18で制御部45は裁断刃201をホームポジションから補正後の加工位置へ移動する。そして、搬送部4によってシートSbを搬送し、縦裁断部20でシートSbに補正後の加工位置で搬送方向Fに沿った裁断線T1~T4を形成する。ステップ19で、シートSbの横加工位置である裁断線Kが上刃221及び下刃222設置位置に到達するタイミングで供給部3、搬送部4及び回転駆動部48を停止し、シートSの搬送を停止させる。
ステップ20で、制御部45はシートSbを幅方向Wに沿って加工処理する。ステップ21で、搬送部4の搬送を再開する。ステップ22で、次の幅方向Wに沿った裁断線Kがあるかどうかを判断する。次の裁断線Kがある場合、ステップ19に戻る。全ての裁断線Kを形成するまでステップ19~ステップ22を繰り返す。全ての裁断線Kが形成されると、ステップ23に進み、得られた加工処理物Qがスタッカ部6に排出された後搬送部4を停止する。ステップ24で受渡装置Bを停止する。
本第3の実施形態では、シートの画像形成後の実寸法に関する情報を入力するとしてシート検出部90が構成され、シート検出部90の検出信号を基に、制御部45がシートSeの実寸法を算出するので、使用者による実寸法の計測の困難な状況であっても実寸法を入力することができる。よって、画像形成装置Gによる画像形成直後、受渡装置BによってシートSbがシート加工装置1bへ搬送され、シートSbに加工処理が施される場合であっても、画像形成に伴うシートSbの拡大または縮小に応じて適正な位置で加工処理することができる。
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様で実施可能である。例えば、シートSに対してシートSの搬送方向Fの加工を施す加工手段として5つの着脱自在な加工ユニット20,21、22を用いたが、シートSの搬送方向Fの加工手段の配置数やそれらの配置順番やそれらの加工デバイスは、所望とする加工内容に応じて、適宜変更することができる。シートSの幅方向Wの加工部19についても、同様である。
また、シート検出部90~95の配置場所や配置数も、使用する加工手段に応じて適宜変更することができる。また、上記実施形態では、シート検出部91~95を設けて、シートSの搬送方向Fの搬送誤差を検出したが、これらのシート検出部90~95を設けずに、シート検出部91で検出されたシート位置だけを基準にして、シートSの搬送路5上で搬送されている各シートSのそれぞれのシート位置を一義的に検出するように構成することができる。
また、加工位置が補正される加工処理が裁断処理である場合を示したが、裁断処理に替えて、搬送方向Fのミシン目加工、搬送方向Fのクリース加工、又は、被加工対象物のコーナー部分への丸め加工等他の加工処理についての加工位置を補正してもよい。画像形成に伴うシートS、Sa,Sbの伸縮によって1mmに満たない長さの加工位置の補正を行う場合、ミシン目やクリースの形成に比較して裁断処理を実施する加工位置について補正する場合に、加工処理物Q、Qa,Qbの大きさの違いは見た目にわかりやすいため、補正の効果が大きくなる。