JP7029901B2 - 解体方法 - Google Patents
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Description
また、地下壁部を土圧に対して支持する支持手段を設けることにより、例えば、支持手段を用いて確実に土圧を支持することができるので、安全性を確保することが可能となる。
また、地下壁部に対する切梁の水平方向に沿った位置を調整することにより、例えば、切梁を用いて確実に土圧を支持することができるので、安全性を確保することが可能となる。
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、補強方法、及び解体方法に関する。
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
まず、本実施の形態に係る補強方法及び解体方法が適用される建物等について説明する。図1は、本実施の形態に係る既存建物と建設予定の新設建物を示す平面図であり、図2は、既存建物の断面図であり、図3は、切梁等が設けられた状態の既存建物の断面図であり、図4は、解体用開口部が形成された状態の既存建物の断面図であり、図5は、既存杭を取り除いている状態の既存建物の断面図であり、図6は、既存杭が取り除かれた状態の既存建物の断面図である。
まず、補強方法及び解体方法の適用対象例について説明する。本願の補強方法及び解体方法は、図1に示すように、既存建物100の壁よりも当該既存建物100の内側に新設建物200の壁が設けられる領域に適用することができ、例えば、3つの既存建物100の壁100a~100dと対向する領域であり、且つ、3つの既存建物100の内側の領域に適用することができる。ここでは、例えば、図1の領域Ar1に着目して説明する。
次に、既存建物100について説明する。なお、既存建物100については、公知の建物を含む任意の建物と同様にして構成することができるので、ここでは、本願の特徴に特に関連する構成のみについて説明する。図2の既存建物100は、例えば、地下壁部11地上1階床部12、地下1階床部13、地下2階床部14、底盤部15、及び既存杭16を備える。
図2の地下壁部11は、既存建物100の地下に設けられているものである。この地下壁部11の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、水平方向(X軸方向)において既存建物100の内外を相互に区分しているものであり、また、高さ方向(Z軸方向)にわたって設けられているものである。
図2の地上1階床部12は、装置設置床部材であり、また、除去対象床部材である。この地上1階床部12の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、高さ方向(Z軸方向)において既存建物100の地上1階部分と地下1階部分を相互に区分しているものであり、また、水平方向(XY平面に平行な方向)にわたって設けられているものである。
図2の地下1階床部13は、除去対象床部材である。この地下1階床部13の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、高さ方向(Z軸方向)において既存建物100の地下1階部分と地下2階部分を相互に区分しているものであり、また、水平方向(XY平面に平行な方向)にわたって設けられているものである。
図2の地下2階床部14は、除去対象床部材である。この地下2階床部14の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、高さ方向(Z軸方向)において既存建物100の地下2階部分と地下2階部分よりも下の部分を相互に区分しているものであり、また、水平方向(XY平面に平行な方向)にわたって設けられているものである。
図2の底盤部15は、既存建物100の底を形成しているものである。この底盤部15の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、高さ方向(Z軸方向)において既存建物100の内外を相互に区分しているものであり、また、水平方向(XY平面に平行な方向)にわたって設けられているものである。
図2の既存杭16は、既存建物100を支持するものである。この既存杭16の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、底盤部15から下方(-Z方向)に向かって突出しているものであり、また、複数の既存杭161~165を備えるものである。なお、ここでは、図示されている既存杭161~165のうちの図面最左側の既存杭161が、新設建物200の地下工事を行うために障害となることとし、当該既存杭161を解体する場合について説明する(つまり、既存杭161が地下障害物になる場合について説明する)。
次に、既存建物100に適用される要素の構成について説明する。既存建物100に適用される要素とは、後述する撤去方法を実行することにより、既存建物100に設けられる要素、あるいは、既存建物100に対して用いられる要素であり、例えば、図4の切梁31、位置調整装置32、切梁固定部33、解体用開口部34、図5の補強床35、補強柱36、及び解体装置41を備える。なお、切梁31、位置調整装置32、及び切梁固定部33の組み合わせは、例えば、地下1階部分及び地下2階部分に各々設けられるが、相互に同様な構成であるので、地下1階部分のものについて主に説明する。また、解体用開口部34は、地上1階床部12、地下1階床部13、及び地下2階床部14に各々設けられるが、相互に同様な構成であるので、地下1階床部13のものについて主に説明する。
図4の切梁31は、支持手段であり、具体的には、地下壁部11を支持するものである。この切梁31の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、水平方向(X軸方向)において地下壁部11と切梁固定部33との間の隙間に設けられているものであり、また、水平方向(X軸方向)において延在している棒状のものであり、また、金属製のものであり、また、一例としては、いわゆるH鋼である。
図4の位置調整装置32は、支持手段であり、具体的には、地下壁部11に対する切梁31の水平方向(X軸方向)に沿った位置を調整する調整手段である。この位置調整装置32の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、水平方向(X軸方向)において切梁31と切梁固定部33との間に設けられているものであり、また、隣接する切梁31の水平方向(X軸方向)に沿った位置を調整する調整機構を備えるものである。また、この位置調整装置32は、一例としては、公知のジャッキ(つまり、対象物の下に置かれてその物を支えたり、持ち上げたりするために使われる機械装置)の技術を用いて構成される調整機構を採用して構成されているものである。
図4の切梁固定部33は、切梁31を支持するものであり、具体的には、既存建物100における地下壁部11以外の一部に固定されているものである。この切梁固定部33の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、図4(b)に示すように、水平方向(Y軸方向)に沿って延在しているスラブの如きものであり、また、地下1階床部13等に固定されているものであり、また、金属製又はコンクリート製等の強固なものである。なお、切梁固定部33については、既存建物100に適用される要素としてここでは説明したが、既存建物100に新たに設けることを要さずに既存建物100の一部分(例えば、既存建物の躯体の一部等)を切梁固定部33の如き要素として用いることができる場合、この一部分にて切梁固定部33と同様な機能を発揮するように構成してもよい。
図4の解体用開口部34は、地下障害物を解体するために除去対象部材に形成される開口部であり、例えば、図5の解体装置41のケーシング部411が既存杭161にアクセスするルートを形成するものである。この解体用開口部34の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、解体装置41おけるケーシング部411よりも大径の開口であり、また、円形の開口である。
図5の補強床35は、装置設置床部材を補強する床部材補強手段であり、例えば、荷重を水平方向(XY平面に平行な方向)において分散させるものである。この補強床35の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、地上1階床部12における少なくとも解体装置41が載置される部分に設けられるものであり、また、水平方向(XY平面に平行な方向)にわたって設けられるものである。また、この補強床35は、一例としては、コンクリートにて形成される補強床、鋼板、あるいは、その他の任意の補強床として構成することができるが、ここでは、鋼板として構成されているものとする。
図5の補強柱36は、装置設置床部材を補強する床部材補強手段であり、例えば、荷重を高さ方向(Z軸方向)において支持するものである。この補強柱36の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、既存建物100に複数設けられものであり、また、高さ方向(Z軸方向)に延在しているものである。また、この補強柱36は、一例としては、いわゆる強力サポート(例えば、既存建物100の地下1階部分及び地下2階部分各々に設けられて高さ方向(Z軸方向)において延在して支持する金属製の伸縮及び固定自在の棒状機器)、あるいは、高さ方向(Z軸方向)において地下2階床部14から地上1階床部12に連続的に延在する(縦断する)仮設柱として構成することができるが、ここでは、強力サポートとして構成されているものとする。
図5の解体装置41は、地下障害物を解体して撤去する解体撤去手段である。この解体装置41の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、前述のCD機であり、公知のCD機として構成することができるものであるが、一例としては、ケーシング部411及び不図示のハンマーグラブ部を備えるものである。ケーシング部411は、円筒状の部分であり、ケーシング部411の下端(-Z方向)の縁に沿って回転するカッターを備えており、当該カッターを回転させることにより掘削(又は、地下障害物の解体)を行うことが可能となっているものである。不図示のハンマーグラブ部は、ケーシング部411の内部に設けられている物であり、ケーシング部411の内部にて地下障害物を解体したり保持したりすることが可能となっているものである。
次に、このように構成される既存建物100に適用される撤去方法について説明する。図7は、撤去方法のフローチャートである。「撤去方法」とは、補強方法及び解体方法であり、例えば、既存建物100の地下に設けられている地下壁部11を補強し、地下障害物である既存杭161を解体する方法である。ここでは、特に、図2~図6に示すように、既存建物100の地上部分が取り壊された後に、既存杭161を解体して撤去する場合について説明する。
本実施の形態によれば、地下壁部11を土圧に対して支持する切梁31及び位置調整装置32を設けることにより、新設建物200の地下工事(具体的には、新設建物200を建設するために既存建物100の既存杭161を解体して撤去する工事)を行うための山留壁部を既存建物100の地下壁部11にて形成することで、例えば、既存建物100の地下壁部11を山留壁部として用いることができるので、山留壁部を形成する時間及び手間を削減することができ、新設建物200の地下工事に要する時間及び手間を削減することが可能となる。特に、例えば、コンクリートによるバットレスを形成したり、ガラ材を用いたりする必要がないので、バットレスを形成するコンクリートの固化を待つ必要がなく、また、ガラ材の搬入出が不要となるので、また、ガラ材と共に底盤を掘削する必要がないので、新設建物200の地下工事に要する時間及び手間を削減することが可能となる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。特に、切梁31及び補強柱36の設置個数については、実施の形態で図示したものよりも多くしてもよく、少なくしてもよい。
また、上記実施の形態においては、位置調整装置32を切梁31の切梁固定部33側に設ける場合について説明したが、これに限らず、位置調整装置32を切梁31の地下壁部11側に設けてもよいし、位置調整装置32を切梁31の両側に設けてもよい。
また、上記実施の形態においては、解体装置41としてCD機のみを用いる場合について説明したが、これに限らず、BG機のみを用いてもよいし、あるは、CD機及びBG機を混在させて用いてもよい。また、解体装置41については、地上1階床部12の上に設けるのみでなく、下すことが可能である場合には、地下1階床部13、あるいは、地下2階床部14に下して用いてもよい。
また、図7の撤去方法の任意のステップを組み替えたり、削除したり、あるいは、他のステップを追加してもよい。具体的には、例えば、解体用開口部34を設けたとしても崩壊の可能性が無い場合には、つまり、地下壁部11に支持手段を設けずに地下壁部11にて土圧を支持できる場合には、SA1及びSA2を省略して、地下壁部11に支持手段を設けずに解体用開口部34を形成して解体を行ってもよい。また、例えば、解体装置41を設置したとしても崩壊の可能性が無い場合には、SA5及びSA6を省略して補強を行わずに、解体装置41を設置してもよい。
また、上記実施の形態においては、切梁31及び位置調整装置32の両方にて地下壁部11を支持する場合について説明したが、これに限らず、切梁31のみにて支持してもよい。また、例えば、切梁31を用いずに、いわゆるバックアンカーを地下壁部11に打ち込むことにより、地下壁部11を支持してもよい。このように構成した場合、バックアンカーが支持手段に相当する。
付記1の補強方法は、既存建物の地下に設けられている地下壁部を補強する補強方法であって、前記地下壁部を土圧に対して支持する支持手段を設けることにより、新設建物の地下工事を行うための山留壁部を前記地下壁部にて形成するステップ、を含む。
付記1に記載の補強方法によれば、地下壁部を土圧に対して支持する支持手段を設けることにより、新設建物の地下工事を行うための山留壁部を既存建物の地下壁部にて形成することで、例えば、既存建物の地下壁部を山留壁部として用いることができるので、山留壁部を形成する時間及び手間を削減することができ、新設建物の地下工事に要する時間及び手間を削減することが可能となる。特に、例えば、コンクリートによるバットレスを形成したり、ガラ材を用いたりする必要がないので、バットレスを形成するコンクリートの固化を待つ必要がなく、また、ガラ材の搬入出が不要となるので、また、ガラ材と共に底盤を掘削する必要がないので、新設建物の地下工事に要する時間及び手間を削減することが可能となる。
12 地上1階床部
13 地下1階床部
14 地下2階床部
15 底盤部
16 既存杭
31 切梁
32 位置調整装置
33 切梁固定部
34 解体用開口部
35 補強床
36 補強柱
41 解体装置
100 既存建物
100a 壁
100b 壁
100c 壁
100d 壁
161 既存杭
162 既存杭
163 既存杭
164 既存杭
165 既存杭
200 新設建物
411 ケーシング部
Ar1 領域
Claims (2)
- 既存建物の地下障害物を解体する解体方法であって、
新設建物の地下工事を行うための山留壁部を、前記既存建物の地下に設けられている地下壁部にて形成するステップと、
前記地下障害物よりも上方の前記既存建物の除去対象床部材の少なくとも一部を除去することにより、前記地下障害物を解体するための解体用開口部を形成するステップと、
形成した前記解体用開口部を介して、前記除去対象床部材よりも上方から解体装置にて前記地下障害物を解体するステップと、を含み、
前記山留壁部を前記地下壁部にて形成するステップは、前記地下壁部を土圧に対して支持する支持手段を設けることにより、前記山留壁部を前記地下壁部にて形成するステップ、を含み、
前記支持手段は、
前記地下壁部を支持する切梁と、
前記地下壁部に対する前記切梁の水平方向に沿った位置を調整する調整手段と、を備え、
前記調整手段は、前記切梁を前記地下壁部に押し付ける、
解体方法。 - 前記既存建物における前記解体装置が設けられる装置設置床部材を補強するステップ、を含む、
請求項1に記載の解体方法。
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