JP7029799B2 - 打診装置 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 平成30年2月1日、日本建築学会東海支部研究報告集 第56号25~28ページ 平成30年2月19日、日本建築学会2017年度東海支部研究集会
本発明は、タイル壁のタイルの剥離等の打診装置に関する。
タイル張り外壁の打音検査は、建築基準法第12条の定期報告制度により建物所有者等に義務付けられている。現在の打音検査は、検査者がテストハンマーによりタイル張り外壁を叩き、微妙な音の変化を聞き分けてタイルの剥離等の異常の有無を判断する(非特許文献1、p48参照)。このため検査者には熟練した技能が必要で、スキルの差など人間による個人差が生じるという問題点がある。
特許文献1には、対象物を打撃して応答音の第1波に含まれる基本周波数を判断基準として、対象物の空洞を検出する方法が記載されている。よって、発明者らは、タイルの剥離の有り無しのタイル張り外壁を作り、打音し打音のFFT分析を行った。しかし、2種類の周波数領域の平均音圧レベルの差によるタイルの剥離の有り無しの判別は困難であった。これはタイル張り外壁の周囲環境(特に騒音)等によるバラツキが大きいことによる。
特開2005-207870号公報
タイル手帳、企画・編集 社団法人全国タイル業協会
本発明の課題は上記のような、打音によるタイル壁検査の問題を解決し、検査者の個人差、周囲環境等に依存せずタイル壁のタイルの剥離を検出するタイル壁の打診装置を提供することである。
課題を解決するための手段は以下である。
(1)タイルを打撃するハンマー部と、前記ハンマー部を付勢する付勢部と、前記タイルの前記ハンマー部の打撃による反発ごとの打撃前、および打撃後の前記ハンマー部の力学的エネルギーを計測する計測部と、タイル剥離判定のための判定基準データに関連付けして、前記計測された力学的エネルギーについてタイル壁の前記タイルの剥離の有無を判定する制御解析部と、を有するタイル壁の打診装置。
(2)前記判定基準データは、第1打撃前の力学的エネルギーと第1打撃以降の打撃後の力学的エネルギーとのエネルギー比もしくは差、または前記第1打撃前の力学的エネルギーと第2打撃以降の打撃前の力学的エネルギーとのエネルギー比もしくは差であること特徴とする上述の(1)に記載する打診装置。
(3)前記第1打撃以降の打撃後の力学的エネルギー、または前記第2打撃以降の打撃前の力学的エネルギーは、少なくとも2以上であることを特徴とする上述の(1)または
(2)に記載する打診装置。
(4)前記判定基準データは、剥離無データと剥離有データからなることを特徴とする上述の(1)乃至(3)のいずれか1つに記載する打診装置。
(5)反発ごとの前記打撃前、および打撃後の前記ハンマー部の力学的エネルギーは、前記ハンマー部の位置エネルギーから計測する前記計測部を有することを特徴とする上述の(1)乃至(4)のいずれか1つに記載する打診装置。
(6)反発ごとの前記打撃前、および打撃後の前記ハンマー部の力学的エネルギーは、前記ハンマー部の運動エネルギーから計測する前記計測部を有することを特徴とする上述の(1)乃至(5)のいずれか1つに記載する打診装置。
(7)前記力学的エネルギーは反発回数および/または反発時間で計測し、前記計測された反発回数および/または反発時間を、前記判定基準データの反発回数および/または反発時間と比較する前記計測部を有することを特徴とする上述の(1)乃至(6)のいずれか1つに記載する打診装置
(8)タイルを打撃するハンマー部と、前記ハンマー部を付勢する付勢部と、前記タイルの前記ハンマー部の打撃による反発ごとの音を計測する計測部と、タイル剥離判定のための音の判定基準データに関連付けして、計測された音についてタイル壁の前記タイルの剥離の有無を判定する制御解析部と、を有するタイル壁の打診装置。
(9)前記音の判定基準データは、第1打撃の反発で発生する音と、第2打撃以降の各反発で計測される音との音の比もしくは差であることを特徴とする上述の(8)に記載する打診装置。
(10)前記第2打撃以降の各反発で計測される音は、少なくとも2以上であることを特徴とする上述の(8)または(9)に記載する打診装置。
(11)前記音の判定基準データは、剥離無データと剥離有データからなることを特徴とする上述の(8)乃至(10)のいずれか1つに記載する打診装置。
(12)前記音は反発回数および/または反発時間で計測し、前記計測された反発回数および/または反発時間を、前記音の判定基準データの反発回数および/または反発時間と比較する前記計測部を有することを特徴とする上述の(8)乃至(11)のいずれか1つに記載する打診装置
本発明によれば、検査者の個人差、周囲環境等に依存せずタイル壁のタイルの剥離を検出するタイル壁の打診装置を提供することができる。
第1実施形態:位置エネルギーのみ(振り子) 第1実施形態の試験装置 試験結果 第2実施形態:運動エネルギー有り(振り子) ソレノイドを用いた打診装置の構成。 ハンマー部および付勢部の構成。 打診音の計測(実験の様子) ソレノイド打診装置の打撃音による波形(剥離無) ソレノイド打診装置の打撃音による波形(剥離無、剥離有) 判定基準データ(a)エネルギー差、(b)エネルギー比 実建物のタイル張り外壁の断面と切り込み位置 採取後の壁面と採取したタイル裏面 疑似剥離の試験体の疑似剥離の位置と打撃位置を示す図。 反発回数と疑似剥離の大きさの関係(疑似隔離の試験体) 反発時間と疑似剥離の大きさの関係(疑似剥離の試験体) 反発回数と反発時間の関係(疑似剥離の試験体) 反発回数と反発時間の関係(実建物のタイル壁) 反発回数と反発時間の関係(疑似剥離の試験体と実建物のタイル壁)
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
本発明の打診装置1は、ハンマー部20が有する力学的エネルギーを対象とする。力学的エネルギーは、ハンマー部20の速度から発生する運動エネルギーとハンマー部20の重力による位置エネルギーからなる。
(第1実施形態)
第1実施形態は、ハンマー部20が有する力学的エネルギーが位置エネルギーのみの場合である。第1実施形態の重力の位置エネルギーのみの原理10を、図1に振り子で示す。タイル壁70は、壁71にタイル73をモルタル等で貼り付けて構成される。タイル73の表面に鋼球11を打撃させる。鋼球11の図1の(イ)は、打撃前の初期段階を示す。鋼球11は、支点12から糸13によって吊り下げられている。吊り下げられた状態にて、鋼球11は、支持板17により基準線15から高さY1で支持されている。鋼球11の質量をM、重力加速度をgとすると鋼球11は、M・g・Y1の位置エネルギーを有している。支点12において、糸13と鉛直基準線Yとのなす角度はα1である。ここで、支持板17を外すと、鋼球11は、タイル73を位置エネルギーM・g・Y1にて打撃する。鋼球11のタイル壁70への打撃により位置エネルギーの一部が吸収される。よって、打撃の反発による速度がゼロとなる鋼球11の最大高さY2は、Y1より小さくなる。図1の(ロ)は、打撃後跳ね返った鋼球11の基準線15からの最大高さY2での位置を示す。ここで、鋼球11は、位置エネルギーM・g・Y2を有している。糸13と鉛直基準線Yとのなす角度はα2である。
以上より、打撃後の位置エネルギー(ロの状態)と打撃前の位置エネルギー(イの状態)の差比は、以下の式(1)になる。
エネルギー差:M・g・Y1―M・g・Y2=M・g(Y1―Y2) (1)
また、打撃後の位置エネルギー(ロの状態)と打撃前の位置エネルギー(イの状態)の比は、以下の式(2)になる。
エネルギー比:M・g・Y2/M・g・Y1=Y2/Y1 (2)
この鋼球11のタイル壁70への打撃は、後述するハンマー部20による打撃と同じである。
図1の位置エネルギーを、図2の実験装置を用いて計測した。図2(a)に実験装置である計測用のタイル壁70を正面から見た図である。計測対象のタイル73の上方に支点12を設け、糸の一方の端部を支点12に取り付ける。糸13の他方の端部に鋼球11を取り付ける。鋼球11はステンレス製で、質量Mは19.4グラムである。図2(b)に、図2(a)のA視方向を示す。糸13と鉛直基準線Yとのなす角度αの計測方法を示す。角度αは分度器18で計測する。
計測用のタイル壁70の仕様を表1に示す。300mm角のコンクリート平板にタイルを張付けて作製した。健全試験体と剥離試験体の2種類作製し、剥離試験体には、コンクリートと下地モルタルの界面に厚さ2mmのスチレンボードを設置した。
Figure 0007029799000001
実験は、タイル壁70の壁面に対して、角度α=60°の位置から鋼球11を落とし、壁面に反発した跳ね返り角度αと、それが0になるまでの反発回数を計測する。反発した跳ね返り角度αおよび反発回数は、図2(a)のA視方向からビデオ撮影し、撮影した映像をコマ送りしながら計測した。健全試験体と疑似浮き試験体をそれぞれ3回ずつ計測した。
図3(a)に計測結果を示す。横軸は反発回数(回)、縦軸は跳ね返り角度α°である。初期(0回目)は、跳ね返り角度α=60°で同一である。剥離試験体(剥離有)の場合(×印で示す)、跳ね返り角度α=60°は、1回目の反発から急速に減少し、4回目の反発で跳ね返り角度α=0°になる。一方、健全試験体(剥離無し)の場合(〇印で示す)、反発回数は大きく増加して40~50回となった。
次に、跳ね返り角度αから位置エネルギー(J)を計算した。糸13の長さは、30cmである。鋼球11は、質量19.4g、直径17.5mmである。分度器の目盛り無しの部分は、幅7.5mmである。タイル壁70面と糸13との距離は5mm、0°の線と糸13とのずれは、2.5mmである。高さYは、Y=30(1-cosα)であるので、位置エネルギーは、式(3)となる(図2(b)参照)。
位置エネルギー(J)=(19.4/1000)×9.8×(Y/100) (3)
図3(b)に、位置エネルギー(J)と反発回数(回)の関係を示す。初期(0回目)は、位置エネルギー=0.0285(J)で同一である。×印で示す剥離試験体(剥離有)の場合、4回目の反発で位置エネルギーは、ほぼ0Jになる。一方、〇印で示す健全試験体(剥離無し)の場合、4回目の反発で位置エネルギー=0.0052Jとなった。
ここで、1回目の反発による位置エネルギーの減衰は大きい。剥離試験体(剥離有)の場合、位置エネルギー=0.0019J(-93%)、健全試験体(剥離無し)の場合、位置エネルギー=0.0172J(―40%)となった。よって、タイル壁70のタイル73の剥離の有無の判定は、剥離無と剥離有との位置エネルギーの差が大きい、1~4回の反発回数で行うと良い。
また、図3(b)の{ }内に、エネルギー比を示す。エネルギー比は、位置エネルギーと同じ傾向を示す。エネルギー比は式(4)で示す。
エネルギー比=(位置エネルギー)/(初期位置エネルギー) (4)
(第2実施形態)
第2実施形態は、ハンマー部20が有する力学的エネルギーが位置エネルギーと運動エネルギーからなる場合である。重力の位置エネルギーと運動エネルギーを有する第2実施形態の原理10を、図4に振り子で示す。タイル壁70は、壁71にタイル73をモルタル等で貼り付けて構成される。タイル73の表面をハンマー10で打撃させる。図4の(ハ)は、打撃前後の2つの状態を示す。すなわち、鋼球11は、初期の(イ)の状態から(ハ)になり、打撃後に(ハ)から(ロ)になる。打撃により運動エネルギーは減衰する。よって、打撃前の(ハ)は初期の(イ)と同じ力学的エネルギーを有し、打撃後の(ハ)は(ロ)と同じ力学的エネルギーを有する。
図4の(ハ)は、鋼球11が打撃前後ともに同じ位置(高さY3)にあるので、位置エネルギーは同じである。また、打撃前は速度V1(左向き)、打撃後は速度V2(右向き)を有する。速度の大きさは、V1>V2となる。打撃前の鋼球11は、図4の(イ)の支持板17により基準線15から高さY1で支持され、M・g・Y1の位置エネルギーを有している。図4の(ハ)における打撃前の鋼球11の基準線15からの高さY3、速度V1(左向き)とすると、鋼球11は、位置エネルギーM・g・Y3、運動エネルギーはM・V1/2を有する。ここで、力学的エネルギーは、位置エネルギーと運動エネルギーからなる。打撃前の鋼球11の力学的エネルギーには、式(5)の関係がある。
M・V1/2+M・g・Y3=M・Y1 (5)
鋼球11のタイル壁70への打撃により力学的エネルギーの一部が吸収される。図4の(ハ)における打撃後の鋼球11の基準線15からの高さY3、速度V2(右向き)とすると、鋼球11は、位置エネルギーM・g・Y3、運動エネルギーはM・V2/2を有する。打撃後の鋼球11の力学的エネルギーには、の関係がある。
M・V2/2+M・g・Y3=M・Y2 (6)
以上より、打撃後の力学的エネルギーと打撃前の力学的エネルギーの差は、式(7)となる。
(M・V1/2+M・g・Y3)―(M・V2/2+M・g・Y3)-=
=M・(V1―V2)/2 (7)
位置エネルギーは等しいので、運動エネルギーの差のみになる。
打撃後の力学的エネルギーと打撃前の力学的エネルギーの比は、式(8)となる。
(M・V2/2+M・g・Y3)/(M・V1/2+M・g・Y3)-=
(V2/2+g・Y3)/(V1/2+Y3) (8)
ここで、Y3がY1およびY2と比べて十分(1/10以下)小さいとすれば、位置エネルギーM・g・Y3を無視しても大過ない。
第2実施形態の力学的エネルギー(運動エネルギー+位置エネルギー)は、第1実施形態の位置エネルギーと同じである。よって、計測結果は、図3(b)と同じとなる。
位置(Y1,Y2、Y3)、速度(V1、V2)の計測方法として、高速カメラ、赤外線速度センサーなど光学的センサーや機器を用いることができる。タイル壁70に打撃時の力学的エネルギーの計測方法として、鋼球11に圧電素子、加速度センサー、衝撃センサーを取り付けて計測してもよい。
第1実施形態および第2実施形態より、反発ごとの打撃前、および打撃後の鋼球11またはハンマー部20の力学的エネルギーの計測は、以下のようになる。鋼球11またはハンマー部20でタイル壁70のタイル73を打撃すると、鋼球11またはハンマー部20がタイル73との接触で反発する。この反発の前を打撃前、反発の後を打撃後として、打撃前、打撃後それぞれにおける鋼球11またはハンマー部20の力学的エネルギーを計測する。反発が複数回生じたときは、打診装置1の精度を高めるために、反発ごとの打撃前、打撃後それぞれにおける鋼球11またはハンマー部20の力学的エネルギーを計測する。この際、これらのデータを比較してタイル73の剥離の有無の判定に活用することができる。
また、力学的エネルギーは、運動エネルギーまたは位置エネルギー、またはこれらの和である。打撃後の力学的エネルギーと打撃前の力学的エネルギーの比は、運動エネルギー、位置エネルギーまたはこれらの和である。また、鋼球11またはハンマー部20の質量や重力加速度、付勢手段による加速度などが略一定のとき、これらを省略して、ハンマーの高さや位置、速度、振り子の角度など変化する要素のみの比でも良い。なお、位置エネルギーには重力による位置エネルギーの他、弾性力による位置エネルギーでも良い。
(実施例1)
実施例1は、打診装置1を用いてタイル壁70を打診して、ハンマー部20の応答波形を計測した。図5に、付勢部30としてソレノイドを用いた打診装置1の構成を示す。打診装置1は、付勢部30の中にハンマー21と基準部23を一体化したハンマー部20を再反発付与部37にて取り付ける。更に、破線で示す位置でハンマー部20の基準部23を計測する計測部40、制御解析部50、および電源部60を有する。制御解析部50へ計測信号線41を通じて計測部40の計測データ、および電源線61を通じて電源部60から電源が入力される。制御解析部50からの出力として、電源線61を通じて付勢部30のソレノイド31へ電源、および解析信号線51を通じて解析データが出力される。
ソレノイド31へ電源が供給されると、電磁力によりハンマー部20が上部へ引き上げられる。再反発付与部37はゴムなどの弾性体であり、同時に引張される。ここでソレノイド31へ電源の供給が停止される。よって、ハンマー部20は、再反発付与部37の引張された付勢力によりタイル壁70を打撃する。破線で示すハンマー部20は、図4の(ハ)の状態である。よって、基準部23の実践部と破線部との距離がY3となり、打撃前の速度がV1、打撃後がV2となる。
位置(ハ)において、Y3が同一なので位置エネルギーは同じになる。運動エネルギーは、第1回目の打撃の前に計測された運動エネルギーが初期エネルギーになる。また、第1回目の打撃後に計測される運動エネルギーと第2回目の打撃前に計測される運動エネルギーは、互いに反対方向でるが、大きさはほぼ等しくなる。この関係は、第3回目、第4回目、・・の打撃前後の運動エネルギーの関係にも成立する。打撃しないので打撃によるエネルギー損失がなく、ハンマー部20は、再反発付与部37により弾性的に付勢されるからである。
ハンマー部20のハンマー21は、図1および図4の鋼球11に相当し、ステンレス、鉄、電磁力を生ずるプラスティック製のものを主に用いる。計測部40は、基準部23の位置、速度、加速度を検知する。検知には、カメラ、赤外線センサー等(図示せず)を用いる。制御解析部50は、ハンマー部20の打撃前後のハンマー部20の位置、速度、加速度から、打撃前後のハンマー部20の力学的エネルギー(位置エネルギー+運動エネルギー)およびその比を計算する。また、タイル剥離判定のための判定基準データに関連付けして、計測されたデータについてタイル剥離の有無を判定する。また、ソレノイド31の1回の付勢によるハンマー部20の反発の回数や反発が生じている時間も計測し、タイル剥離判定のための判定基準データに関連付けして、計測されたデータについてタイル剥離の有無を追加で判定する。電源部50は、制御解析部50に電源を供給する。
図6に、ハンマー部20および付勢部30の構成を示す。図6(b)は付勢部30にハンマー部20を再反発付与部37にて取り付けた正面図、その断面A-Aを、図6(a)に示す。再反発付与部37はゴムバンドを用い、図6(b)においてハンマー21の中央部に平行にφ5.5mmの2本の孔を設け、これを通して上下対称に配置する。よって、ハンマー21は、ソレノイド31の中に4つのほぼ均等な半径方向に再反発付与部37にて支持される。尚、ソレノイド31の内径20mmに対して、ハンマー21は鉄製の球形で、重さ19.4g、直径17.5mmである。よって、ハンマー21の全周に最低隙間1mmは確保される。
図6(b)に示すように、タイル壁70に密着する状態でソレノイド31に電流を流すと、タイル壁70と反対方向にハンマーに20に吸引力が働き、再反発付与部37(ゴムバンド)が引張される。電流が止まると、吸引力がなくなり再反発付与部37(ゴムバンド)の元の長さに戻る弾性力によってハンマー部20がタイル壁70を打撃する。ソレノイド31に電流は1パルス流すだけである。この1パルスの電流により、再反発付与部37が引張されて最大に伸びたときに発生する弾性力による発生する力学的エネルギーが、図1に示す位置エネルギーの最大値M・g・Y1に相当する初期エネルギーである。
第1目の打撃の後、ハンマー部70がタイル壁70から反発力を受けてソレノイド内部(タイル壁70と反対方向)に向かって反発し、再反発付与部37を引張し、元に戻る弾性力で反発力が逆転することで、ハンマー部70は、第2回目の打撃をする。これを繰り返すことで、付勢力を減衰させながら打撃を続ける。よって、ソレノイド31に電流を流し鋼球が吸引力を受けるのは最初の1回(1パルス)である。尚、ハンマー21とソレノイド31の隙間は、平均1mm以上は確保されるので、ハンマー21とソレノイド31が干渉することはない。
(実施例2)
図7に、ハンマー部20およびソレノイド式の付勢部30を用いてタイル壁70を打診し、計測部40として騒音計43を用いた打診音の計測の様子を示す。騒音計43は、JIS C 1509-1 2005:クラス1の騒音計を用いた。騒音計43は打撃音の大きさを電圧で示す。タイル壁70にソレノイド式の付勢部30を密着させ打撃し、騒音計43を打撃位置から垂直に35cm離して設置し、打撃音を録音する。
ハンマー部20がタイル壁70を打撃した際、打撃前にハンマー部20が有している力学的エネルギーは、打撃後にハンマー部20が有している力学的エネルギーとタイル壁70に吸収される力学的エネルギーに分かれる。更に、タイル壁70に吸収される力学的エネルギーは、打撃音やタイル壁70振動などに分かれる。ここで、打撃音は、打撃後にハンマー部20が有している力学的エネルギーに比例する。よって、打撃音の変化は、打撃後にハンマー部20が有している力学的エネルギーの変化と見なすことができる。なお、ハンマー部20に圧力センサーを埋め込み、圧力を計測してもよい。
図8に、剥離のないタイル壁70の打撃音による波形を示す。波形は、タイル壁70を打撃したときの騒音計43が検出した電圧(打撃音の大きさ)と時間の関係である。
本実施例では、波形の反発回数と反発時間を以下のようにした。即ち、反発回数は、打診装置1のハンマー部20でタイル壁70を打撃したときの最初の電圧(打撃音の大きさ)が10%の大きさに減衰するまでの打撃音の数とした。反発時間は、打診装置1のハンマー部20でタイル壁70を打撃したときに検出される電圧が0.1Vに減衰するまでの時間とした。
(実施例3)
実施例2は、ハンマー部20およびソレノイド式の付勢部30を用いて実建物のタイル壁70(実際に使われている建築物のタイル壁)について打音を計測した。この実建物のタイル壁70は45二丁モザイクタイルが一面に施工されている。
タイル壁70において、剥離を有する部位(剥離部)と剥離の無い部位(健全部)についての計測結果を図9に示す。図9(a)は健全部、図9(b)は剥離部と推定され、縦軸、横軸のスケールは同じである。即ち、タイル壁70を打音した場合、剥離の無い健全部と剥離部では音圧レベルが異なる。図9(a)の剥離を生じていない(健全部)の場合、反発回数と反発時間が多い。一方、図9(b)の剥離を生じている場合、反発回数と反発時間が少ない。これは、剥離があると打撃時、ハンマー部20の力学的エネルギーの吸収が大きく、反発後の力学的エネルギーが小さくなることによる。
(第3実施形態)
第3実施形態は、力学的エネルギーに基づく判定基準データの収集及び設定方法と、計測したデータの剥離有無の判定方法について記載する。判定基準データは、計測対象とするタイル壁70と力学的エネルギー吸収特性が同一のタイル壁70または類似であるタイル壁75から得る必要がある。判定基準データは、剥離無データと剥離有データの2種類ある。
(判定基準データの収集及び設定方法)
力学的エネルギー吸収特性が同一の場合は、例えば対象タイル壁70のタイルから複数個所のタイル73を打撃し、力学的エネルギーのデータを収集し、あきらかに反発特性の異なる箇所を含めて実際に剥離の有無を確認して剥離無データと剥離有データを作成する。あきらかに反発特性の異なる箇所は、実際に解体して剥離の有無を確認し、剥離があった力学的エネルギーのデータを剥離有データとする。あきらかに反発特性の異なる箇所以外の力学的エネルギーのデータを剥離無しデータとする。更に、別に判定基準データ取得用の試験壁を、対象とするタイル壁70と同一の仕様(タイル、壁面の厚さ、壁面の下地構造、使用モルタル、壁構造等)のタイル壁75を制作する。剥離が無い箇所から剥離無データする、一方、剥離の有を疑似浮きなどで模擬して剥離有データとする。以上、対象タイル壁70および試験壁から取得した、剥離有データおよび剥離無しデータより判定基準データとする。
力学的エネルギー吸収特性が類似のタイル壁75についてのデータを判定基準データとしても良い。類似のタイル壁75は、対象とするタイル壁70と仕様(タイルの種類、タイルの材質、壁面の厚さ、壁面の下地構造など)が同一でなくても、そこから収集したデータを判定基準データとするものである。これは、打撃前後の力学的エネルギーの減衰量は、剥離有データが剥離無データより明確に大きいこと、すなわち力学的エネルギーの吸収量は、剥離有のタイル壁70のほうが剥離無のタイル壁70より大きいことを利用する。
図10に、判定基準データの例を示す。図10(a)はエネルギー差、図10(b)エネルギー比の判定基準データである。図10(a)の健全試験体のデータ(〇印、下の線)を剥離無データ、剥離試験体のデータ(×印、上の線)を剥離有データとしてもよい。図10(b)の健全試験体のデータ(〇印、上の線)を剥離無データ、剥離試験体のデータ(×印、下の線)を剥離有データとしてもよい。なお、図10(b)は、図3(b)のの{ }内と同じである。
ここで、ある計測対象のタイル壁70の打診に、図10の判定基準データを用いる場合、予め計測対象のタイル壁70の剥離有と剥離無のデータを計測しておくと良い。
(計測したデータの剥離有無の判定方法)
図10(a)は、力学的エネルギー差を判定基準データとしたものである。初期ノ力学的エネルギーは、0回時の「0.0285(J)」である。第1回目の打撃による1回目の反発による力学的エネルギーは、剥離試験体(剥離有)の場合、「0.0019J(-93%)」、健全試験体(剥離無し)の場合、「0.0172J(―40%)」である。
打撃装置1で計測された力学的エネルギーがいずれに近いかで判定を行う。この際、打撃装置1の初期の力学的エネルギーは、判定基準データの初期ノ力学的エネルギーと近似する値とする必要がある。すなわち、打撃装置1のハンマー部20の仕様(質量など)、付勢部30(ソレノイドなど)の仕様をほほ同じとする。また、打撃装置1の初期の力学的エネルギーと判定基準データの初期の力学的エネルギーにがある場合、式(9)の力学的エネルギー差で判定しても良い。
力学的エネルギー差=(初期の力学的エネルギー)-(打撃後の力学的エネルギー)
(9)
次に、計測された力学的エネルギー差が、判定基準データの剥離無データまたは剥離有データのどちらに属するかの判定方法について記載する。反発回数ごとの打撃前、および打撃後(反発回数:1~5回程度)の力学的エネルギー差を計測する。反発回数ごとに
力学的エネルギー差計測値が、剥離無データまたは剥離有データのどちらに近いかで判定する。
(エネルギー比を用いた判定方法)
ここで、打撃装置1の対象のタイル壁70を打撃して得られる反発後の力学的エネルギー(J)は、打撃するエネルギーに比例して変化する。よって、初期の力学的エネルギーが図10(a)の初期の力学的エネルギーと大きく異なる場合は、図10(a)を使用することは困難である。
そこで、式(10)で示す力学的エネルギー比を使用する。
力学的エネルギー比=(打撃後の力学的エネルギー/(初期の力学的エネルギー) (10)
ここで、初期の力学的エネルギーは、打診装置1がハンマー部20に最初に付勢する力学的エネルギーである。
次に、計測された力学的エネルギー比が、判定基準データの剥離無データまたは剥離有データのどちらに属するかの判定方法について記載する。打撃前、および打撃後(反発回数:1~5回程度)の力学的エネルギーを計測し、式(10)によりエネルギー比を計算する。
反発回数ごとに計測されたエネルギー比が、判定基準データの剥離有データまたは剥離無データに近いかで判定する。具体的には、計測されたエネルギー比が、図10(b)に示す剥離有データまたは剥離無データに近いかで剥離無または剥離有と判定する。
打診装置1で計測された初期の力学的エネルギーが、判定基準データの初期の力学的エネルギーと近似する場合は、力学的エネルギー比も行い、力学的エネルギー差の結果と比較検証を行い、一致している場合に力学的エネルギー差を用いるようにし、一致しない場合には力学的エネルギー比を用いるほうが良い。
以上、タイル剥離判定のための判定基準データに関連付けして、計測された力学的エネルギーについてタイル壁70のタイル73の剥離の有無を判定するのは、制御解析部50でなされる。
(第4実施形態)
第4実施形態は、打撃によって発生する音に基づく判定基準データの収集及び設定方法と、計測したデータの剥離有無の判定方法について記載する。音の計測データである図9(a)の健全部、図9(b)の剥離部の傾向は、力学的エネルギーの図3(a)健全部、剥離部の傾向と良く似ている。また、騒音計の出力は、図9に示すように電圧であるので、電圧値の比または電圧値の差で判定することができる。
音の判定基準データは、同一または類似のタイル壁において、剥離していないタイルと、剥離しているタイルを打撃して作成する(反発回数:1~5回程度)。
計測された第1打撃の反発で発生する音の計測値が、判定基準データの第1打撃の反発で発生する音の計測値と同じか近似する場合は、音のエネルギー差を用いることができる。
音のエネルギー差は、式(11)とすることができる。
音のエネルギー差=(第1打撃の反発で発生する音の計測値)-(第2回目以降の各反発で計測される音の計測値) (11)
計測された第1打撃の反発で発生する音の計測値が、判定基準データの第1打撃の反発で発生する音の計測値と異なる場合は、音のエネルギー比を用いる。力学的エネルギーを打撃した音で行う場合、音のエネルギー比は、式(12)とすることができる。
音のエネルギー比=(第2回目以降の各反発で計測される音の計測値)/(第1打撃の反発で発生する音の計測値) (12)
打診装置1で計測された第1打撃の反発音のエネルギーが、判定基準データの第1打撃の反発で発生する音の計測値と近似する場合は、音のエネルギー比も行い、音のエネルギー差の結果と比較検証を行い、一致している場合に音のエネルギー差を用いるようにし、一致しない場合には音のエネルギー比を用いるほうが良い。
計測後、図9(b)の剥離と推定される部分2点について、それぞれのタイル2枚分の目地にカッターで切り込みを入れ、タイルを採取した。実建物のタイル張り外壁の断面と実験後の切り込み位置を図11に、採取後のタイルを図12(a)に、採取したタイルの裏面を図12(b)に示す。採取したタイルは目地に切り込みを入れることで壁面から容易に取り外すことができたため、剥離していたことを確認した。 採取したタイルから、実建物のタイル壁70は、コンクリート躯体、軽量骨材入りモルタル、張付けモルタルの順に張られていた。また、剥離と推定される部分2点はコンクリート躯体と軽量骨材入りモルタルの界面で剥離していたことが確認できた。
(実施例4)
実施例4は、実施例2で確認した実際の剥離状態を参考として、疑似剥離を有するタイル壁70を製作して打音波形を確認した。疑似剥離を有するタイル壁70に用いた材料の仕様を表2、構成を表3に示す。疑似剥離を有するタイル壁70は、2000×2000×120mmのJISA5372準拠のプレキャストコンクリート製逆T形擁壁を躯体として45二丁モザイクタイルをモルタル張りし、タイル73の裏面側にPE発泡シートを埋設することで疑似の剥離を作っている。
なお、表2、表3に示す、鉄筋コンクリート、下地材料、タイル、モルタルなどの仕様は、非特許文献1(p22、p46)の記載を考慮した。
Figure 0007029799000002

Figure 0007029799000003
疑似剥離を有するタイル壁70の疑似剥離の位置と打撃位置を図13に示す。疑似剥離の面積は試験体ごと500mm角(A)、300mm角(B)、250mm角(C)、200mm角(D)の4種類であり、黒色部分A、B、C、D、Eの中心部を打撃する。
反発回数と疑似剥離の大きさの関係を図14に、反発時間と疑似剥離の大きさの関係を図15に、反発回数と反発時間の関係を図16に示す。図16の横軸0~0.19(S:反発時間)、縦軸0~14(回:反発回数)の範囲にプロットされたデータは、剥離部を打撃した結果である。各試験体における反発回数と反発時間について表4にまとめる。疑似剥離の深さは、下地材料である普通モルタル又は軽量モルタルの厚さと張付けモルタルの厚さにタイル厚さを加えた値である。
Figure 0007029799000004
試験体1から4の健全部は反発回数が19回以上となり、疑似剥離部は疑似剥離の大きさに関わらず14回以下となった。反発時間は健全部で0.29秒以上、疑似剥離部で0.19秒以下となった。
下地材料の厚さで反発回数と反発時間に影響が生じた。下地厚さ10mmの試験体1と試験体2は、反発回数は健全部で23回、疑似剥離部で6回以下となった。下地材料の厚さ30mmの試験体3は健全部、疑似剥離部ともに反発回数、反発時間が増加し、反発回数は健全部で34回、疑似剥離部で14回以下となった。また、下地材料が軽量モルタル、下地材料の厚さが30mmの試験体4は健全部と疑似剥離部の反発回数の差が最も少なくなり、反発回数は健全部で19回、疑似剥離部で9回以下となった。
以上より、下地材料とその厚さで違いが生じると分かった。しかし、いずれの条件においても、健全部は反発回数が19回以上、反発時間が0.29秒以上となり、剥離部は反発回数が14回以下、反発時間が0.19秒以下となった。疑似剥離の試験体では、この条件を満たす結果が得られたタイル壁は、剥離していると判断できる。なお、疑似剥離の大きさは反発回数と反発時間にほぼ影響しないため、反発回数と反発時間を用いれば、剥離の大きさによらず、タイル剥離を検出できる。また、図16より反発回数と反発時間はほぼ比例関係であるため、反発回数、反発時間のどちらか一方で判断できる
(実施例5)
実施例5は、実建物のタイル壁70を対象に打音波形を確認した。
実建物のタイル壁70の実験結果を図17、表5に示す。健全部は反発回数が17回、反発時間は0.25秒、剥離部1と剥離部2はともに反発回数が4回、反発時間は0.05秒であった。今回の実験に使用した実建物のタイル壁はモルタル層が薄いため、健全部と剥離部ともに疑似剥離試験体のものより反発回数が少なく、反発時間が短いという結果となっている。
Figure 0007029799000005
図18に疑似剥離試験体と実建物のタイル壁70の反発時間と反発回数の関係を示す。ほぼ比例関係にあることが分かり回帰直線に対して高い相関が確認できた。疑似剥離の試験体と実建物のタイル壁70のソレノイド式の付勢部30を用いた打診装置1による打撃で健全部では反発回数は17回以上、反発時間が0.25秒以上となり、剥離部では、反発回数は14回以下、反発時間は0.19秒以下となった。
以上より、疑似剥離の試験体と実建物のタイル壁70において、反発回数と反発時間は健全部と剥離部で差があることが確認できたため、反発回数と反発時間による剥離判断方法は有効であると考える。これにより、騒音など音の環境の影響や検査者の経験値に依存しないタイル壁70の剥離検査が可能になると考える。なお、計測結果は下地材料とその厚さに影響を受けるが、反発回数と反発時間は健全と剥離で差が大きいため、閾値を適切に設定することで下地厚さと下地材料によらず、剥離を判断できると考える。これは、第3実施形態の記載した判定基準データを、力学的エネルギー吸収特性が類似であるタイル壁75から得ても、大過なくタイル73の剥離の有無を判定できることも示唆している。
本発明によれば、検査者の個人差、周囲環境等に依存せずタイル壁のタイルの剥離を検出するタイル壁70の打診装置1を提供することができる。
1 打診装置 10 原理
11 鋼球 12 支点
13 糸 15 基準線(位置エネルギー)
17 支持板 18 分度器
20 ハンマー部 21 ハンマー
23 基準部 30 付勢部(ソレノイド)
31 ソレノイド 33 ケース
35 ブラケット 37 再反発付与部
40 計測部 41 検知信号線
43 騒音計 50 制御解析部
51 解析信号線 60 電源部
61 電源線 70 タイル壁
71 壁 73 タイル
75 類似のタイル壁 80 剥離(空隙)

Claims (12)

  1. タイルを打撃するハンマー部と、前記ハンマー部を付勢する付勢部と、前記タイルの前記ハンマー部の打撃による反発ごとの打撃前、および打撃後の前記ハンマー部の力学的エネルギーを計測する計測部と、タイル剥離判定のための判定基準データに関連付けして、前記計測された力学的エネルギーについてタイル壁の前記タイルの剥離の有無を判定する制御解析部と、を有するタイル壁の打診装置であって、前記付勢部は弾性体よりなる再反発付与部を備えており、前記再反発付与部の弾性力によって前記ハンマー部による打撃を繰り返すことを特徴とするタイル壁の打診装置
  2. 前記判定基準データは、第1打撃前の力学的エネルギーと第1打撃以降の打撃後の力学的エネルギーとのエネルギー比もしくは差、または第1打撃前の力学的エネルギーと第2打撃以降の打撃前の力学的エネルギーとのエネルギー比もしくは差であること特徴とする請求項1に記載する打診装置。
  3. 第1打撃以降の打撃後の力学的エネルギーの量、または第2打撃以降の打撃前の力学的エネルギーの量は、少なくとも2以上であることを特徴とする請求項1または2に記載する打診装置。
  4. 前記判定基準データは、剥離無データと剥離有データからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載する打診装置。
  5. 反発ごとの前記打撃前、および打撃後の前記ハンマー部の力学的エネルギーは、前記ハンマー部の位置エネルギーから計測する前記計測部を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載する打診装置。
  6. 反発ごとの前記打撃前、および打撃後の前記ハンマー部の力学的エネルギーは、前記ハンマー部の運動エネルギーから計測する前記計測部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載する打診装置。
  7. タイルを打撃するハンマー部と、前記ハンマー部を付勢する付勢部と、前記タイルの前記ハンマー部の打撃による力学的エネルギーを計測する計測部と、タイル剥離判定のための判定基準データに関連付けして、前記計測された力学的エネルギーについてタイル壁の前記タイルの剥離の有無を判定する制御解析部と、を有するタイル壁の打診装置であって、前記付勢部は弾性体よりなる再反発付与部を備えており、前記再反発付与部の弾性力によって前記ハンマー部による打撃を繰り返し、前記力学的エネルギーは反発回数および/または反発時間で計測し、前記計測部は、前記計測された反発回数および/または反発時間を、前記判定基準データの反発回数および/または反発時間と比較することを特徴とする打診装置
  8. タイルを打撃するハンマー部と、前記ハンマー部を付勢する付勢部と、前記タイルの前記ハンマー部の打撃による反発ごとの音を計測する計測部と、タイル剥離判定のための音の判定基準データに関連付けして、計測された音についてタイル壁の前記タイルの剥離の有無を判定する制御解析部と、を有するタイル壁の打診装置であって、前記付勢部は弾性体よりなる再反発付与部を備えており、前記再反発付与部の弾性力によって前記ハンマー部による打撃を繰り返すことを特徴とするタイル壁の打診装置
  9. 前記音は反発回数および/または反発時間で計測し、前記計測された反発回数および/または反発時間を、前記音の判定基準データの反発回数および/または反発時間と比較する前記計測部を有することを特徴とする請求項8に記載する打診装置。
  10. 前記音の判定基準データは、第1打撃の反発で発生する音と、第2打撃以降の各反発で計測される音との音の比もしくは差であることを特徴とする請求項9に記載する打診装置。
  11. 前記第2打撃以降の各反発で計測される音は、少なくとも2つ以上であることを特徴とする請求項10に記載する打診装置。
  12. 前記音の判定基準データは、剥離無データと剥離有データからなることを特徴とする請求項乃至11のいずれか1つに記載する打診装置
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