JP7029656B2 - ラベルおよびインモールドラベル容器 - Google Patents

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Description

本発明は、ラベルおよびインモールドラベル容器に関する。
インモールドラベル容器は、射出成形時に金型にあらかじめヒートシール層をもつラベルをセットしておき、ラベルの厚み方向内側に射出樹脂を射出するとともに、射出樹脂のもつ熱でラベルのヒートシール層を射出樹脂表面に融着させることにより得られる。このようなインモールドラベル容器に使用されるラベルは、一般に、ラベル材を所定の形状に打ち抜くことにより形成され、この際、ラベルには、射出樹脂を射出するためのゲート穴が形成される(例えば特許文献1)。
特開2003-200919号公報
しかしながら、インモールドラベル容器の成形の際、ラベルの形状によっては、ゲート穴からラベルの厚み方向内側に射出された射出樹脂が、ラベルの厚み方向外側に流れ出る場合がある。射出樹脂がラベルの厚み方向外側に流れ出た場合、射出樹脂がラベルを覆うため、製品の外観や形状等に不良が発生し、成形不良となる。このため、射出樹脂のラベルの厚み方向外側への流出を容易に検知できることが望まれている。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、インモールドラベル容器の成形不良を容易に検知することができる、ラベルおよびインモールドラベル容器を提供することを目的とする。
本発明は、インモールドラベル容器に用いられるラベルにおいて、少なくとも胴部ラベルと底部ラベルとを備え、前記胴部ラベルは、互いに隙間を介して分離された複数の部分を有し、少なくとも1つの前記部分の周縁のうち射出樹脂が前記隙間から前記胴部ラベルへ流入する部位に、前記射出樹脂の回り込みを検知するラベル周縁検知マークが設けられていることを特徴とするラベルである。
本発明は、前記ラベル周縁検知マークは、前記ラベルの周縁の全周にわたって形成されていることを特徴とするラベルである。
本発明は、前記底部ラベルには、前記射出樹脂が射出されるゲート穴が形成され、前記ゲート穴の周縁に、前記射出樹脂の回り込みを検知するゲート穴周縁検知マークが設けられていることを特徴とするラベルである。
本発明は、前記ゲート穴周縁検知マークは、前記ゲート穴の周縁の全周にわたって形成されていることを特徴とするラベルである。
本発明は、インモールドラベル容器に用いられるラベルにおいて、少なくとも胴部ラベルを備え、前記胴部ラベルには、開口部が形成され、前記開口部の周縁のうち、前記ラベルに射出される射出樹脂が前記開口部から前記胴部ラベルに流入する部位に、前記射出樹脂の回り込みを検知する開口部周縁検知マークが設けられていることを特徴とするラベルである。
本発明は、インモールドラベル容器において、少なくとも胴部ラベルと底部ラベルとを有するラベルと、前記ラベル上に形成された射出樹脂とを備え、前記胴部ラベルは、互いに隙間を介して分離された複数の部分を含み、少なくとも1つの前記部分の周縁のうち前記射出樹脂が前記隙間から前記胴部ラベルへ流入する部位に、前記射出樹脂の回り込みを検知するラベル周縁検知マークが設けられていることを特徴とするインモールドラベル容器である。
本発明は、前記ラベル周縁検知マークは、前記ラベルの周縁の全周にわたって形成されていることを特徴とするインモールドラベル容器である。
本発明は、前記底部ラベルには、前記射出樹脂が射出されるゲート穴が形成され、前記ゲート穴の周縁に、前記射出樹脂の回り込みを検知するゲート穴周縁検知マークが設けられていることを特徴とするインモールドラベル容器である。
本発明は、前記ゲート穴周縁検知マークは、前記ゲート穴の周縁の全周にわたって形成されていることを特徴とするインモールドラベル容器である。
本発明は、インモールドラベル容器において、少なくとも胴部ラベルを有するラベルと、前記ラベル上に形成された射出樹脂とを備え、前記胴部ラベルには、開口部が形成され、前記開口部の周縁のうち、前記ラベルに射出される前記射出樹脂が前記開口部から前記胴部ラベルに流入する部位には、前記射出樹脂の回り込みを検知する開口部周縁検知マークが設けられていることを特徴とするインモールドラベル容器である。
本発明は、前記射出樹脂は、着色されていることを特徴とするインモールドラベル容器である。
本発明は、前記射出樹脂は、着色されており、前記ラベル周縁検知マークは、前記射出樹脂とは異なる色に着色されていることを特徴とするインモールドラベル容器である。
本発明は、前記射出樹脂は、着色されており、前記ラベル周縁検知マークおよび前記ゲート穴周縁検知マークのうち少なくとも一方は、前記射出樹脂とは異なる色に着色されていることを特徴とするインモールドラベル容器である。
本発明は、前記射出樹脂は、着色されており、前記開口部周縁検知マークは、前記射出樹脂とは異なる色に着色されていることを特徴とするインモールドラベル容器である。
以上のように本発明によれば、インモールドラベル容器の成形不良を容易に検知することができる。
図1Aは本発明の第1の実施の形態によるインモールドラベル容器を示す側断面図。 図1Bは本発明の第1の実施の形態によるインモールドラベル容器を示す平面図。 図2は本発明の第1の実施の形態による、胴部ラベルと底部ラベルとを有するラベルを示す展開図。 図3Aは本発明の第1の実施の形態による、胴部ラベルと底部ラベルとを有するラベルを示す組立図。 図3Bは本発明の第1の実施の形態による、胴部ラベルと底部ラベルとを有するラベルを示す組立図。 図4はシート成形体の積層構造を示す側断面図。 図5は本発明の第1の実施の形態によるラベルの積層構造を示す側断面図。 図6は本発明の第1の実施の形態によるラベルが吸着される金型を示す側断面図。 図7Aは本発明の第1の実施の形態によるインモールドラベル容器の製造方法を示す図。 図7Bは本発明の第1の実施の形態によるインモールドラベル容器の製造方法を示す図。 図8Aは本発明の第1の実施の形態によるインモールドラベル容器の製造方法を示す図。 図8Bは本発明の第1の実施の形態によるインモールドラベル容器の製造方法を示す図。 図8Cは本発明の第1の実施の形態によるインモールドラベル容器の製造方法を示す図。 図9は本発明の第1の実施の形態によるラベルの変形例を示す組立図。 図10は本発明の第1の実施の形態によるラベルの他の変形例を示す組立図。 図11は本発明の第2の実施の形態によるインモールドラベル容器を示す側断面図。 図12は本発明の第2の実施の形態によるラベルを示す展開図。 図13は本発明の第2の実施の形態によるラベルが吸着される金型を示す側断面図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張してある。
図1A乃至図8Cは、本発明の実施の形態を示す図である。
図1Aおよび図1Bに示すように、インモールドラベル容器10はフランジ部14を有する略角筒状の胴部11と、胴部11の下方に連結された底部12とを備えている。
また、インモールドラベル容器10は、シート成形体3と、少なくとも胴部ラベル5と底部ラベル7とを有するラベル4と、ラベル4上に形成され、シート成形体3とラベル4との間に介在された射出樹脂8とを有している。
このうちシート成形体3は射出樹脂8の厚み方向内側に位置し、胴部11に対応する胴部シート3aと、底部12に対応する底部シート3bと、フランジ部14に対応するフランジ部シート3cとを含む容器形状をもつ。このようなシート成形体3は、全体としてガスバリア性を有していてもよい。またシート成形体3の底部シート3bの中央部には、後述するゲート受部33が形成されている。
また、ラベル4は射出樹脂8の厚み方向外側に位置し、胴部11に対応する胴部ラベル5と、底部12に対応する底部ラベル7とを有している。このようなラベル4は、全体としてガスバリア性を有していてもよい。また底部ラベル7の中央には、射出樹脂8を射出するためのゲート穴7aが形成されている。なお、ここでいうガスバリア性とは、少なくとも酸素バリア性を意味しているが、酸素バリア性に加え、水蒸気バリア性であっても良い。
また、図2乃至図3Bに示すように、ラベル4を構成する胴部ラベル5および底部ラベル7は一体に形成されている。そして胴部ラベル5は、互いに隙間Gを介して分離された複数の部分5a、5b、5c、5dを有しており、胴部ラベル5の各部分5a、5b、5c、5dは、底部ラベル7の周縁から平面方向外方へ延びている。また、胴部ラベル5の各部分5a、5b、5c、5d間には胴部ラベル5が存在しないように構成されている。この場合、図3A及び図3Bに示すように、インモールドラベル容器10において、各部分5a、5b、5c、5d同士が重なり合うことはなく、胴部ラベル5の部分5a、5b、5c、5d間に隙間Gが形成される。このようなラベル4は、後述する積層体24を、レーザー等により打ち抜くことによって作製することができる。
このようなラベル4において、部分5a、5b、5c、5dの周縁5eのうち射出樹脂8が隙間Gから胴部ラベル5へ流入する部位に、射出樹脂8の回り込みを検知するラベル周縁検知マークM1が設けられている。この場合、例えば、図2に示すように、ラベル周縁検知マークM1は、ゲート穴7aの中心Oから延びる直線L1、L2、L3のうち、隙間Gを通過した後に当該周縁5eと交わる直線L3が、当該周縁5eと交わる部分に設けることができる。これにより、射出樹脂8のラベル4の厚み方向外側への流出を検知することができる。
すなわち、図3Bの矢印Aに示すように、ゲート穴7aから射出された射出樹脂8は、シート成形体3とラベル4との間において放射状に拡がっていく。この際、射出される射出樹脂8の射出量や圧力にもよるが、図2に示す直線L1に対応する流路F1を通過する射出樹脂8は、略一定の方向に進むため、図3Bに示すように、シート成形体3とラベル4との間から流出した後は、シート成形体3とラベル4との間に流入することなく、フランジ部14を形成するように流れる。このため、流路F1を流れる射出樹脂8がラベル4の厚み方向外側へ流出することはないと考えられる。また、図2に示す直線L2に対応する流路F2を通過する射出樹脂8は、図3Bに示すように、射出される射出樹脂8の射出量や圧力にもよるが、シート成形体3とラベル4との間から隙間G(すなわち、シート成形体3と金型20のキャビティ付金型22との間)へ流出した後は、シート成形体3とラベル4との間に流入することなく、底部12および胴部11を形成するように隙間Gを流れ、その後、フランジ部14を形成するように流れる。このため、流路F1を流れる射出樹脂8がラベル4の厚み方向外側へ流出することはないと考えられる。
一方、図2に示す直線L3に対応する流路F3を通過する射出樹脂8は、図3Bに示すように、シート成形体3とラベル4との間から隙間Gへ流出した後に、底部12および胴部11を形成するように隙間Gを流れ、その後、隙間Gからシート成形体3とラベル4の胴部ラベル5との間に流入する。この際、射出樹脂8がシート成形体3とラベル4の胴部ラベル5との間に流入することなく、胴部ラベル5の厚み方向外側に流出する場合がある。すなわち、射出樹脂8が胴部ラベル5の外面を覆うことが考えられる。この場合、製品の外観や形状等に不良が発生する不具合が生じるおそれがある。これに対して、直線L3が周縁5eと交わる部分Pにラベル周縁検知マークM1を設けることにより、射出樹脂8がラベル周縁検知マークM1を覆うことにより、射出樹脂8がラベル4の厚み方向外側に流出した不具合を目視で検知することができ、成形不良が生じたおそれのある製品を容易に検知することができる。
このようなラベル周縁検知マークM1は、射出樹脂8とは異なる色に着色されていることが好ましい。これにより、射出樹脂8のラベル4の厚み方向外側への流出を、例えば目視にて容易に検知することができる。
ところで、図1Aおよび図1Bに示すように、インモールドラベル容器10の胴部11はフランジ部14を有している。そしてこのフランジ部14はシート成形体3の胴部シート3a上端に設けられたフランジ部シート3cと、このフランジ部シート3c上に射出された射出樹脂8とを有する。
このような構成からなるインモールドラベル容器10内に内容物が充てんされる。次にインモールドラベル容器10のフランジ部14にアルミ層30aと、ヒートシール層30bとからなる蓋材30が接着されて、インモールドラベル容器10が密閉される。
次に、図1A及び図2により、シート成形体3について更に説明する。
図1A及び図2に示すように、シート成形体3には、ラベル4側の面に、後述する金型20の後述するゲート22aを受入れ(図6参照)、かつゲート22aからの射出樹脂8を受けるゲート受部33が設けられている。このゲート受部33は後述する金型20のコア21側へ引込むようなテーパ形状をもった凹状に形成されている。また、金型20のコア21には、ゲート受部33に対応する形状の凹部21aが形成されている。これにより、コア21の凹部21a内にシート成形体3のゲート受部33を嵌込むことができ、コア21にシート成形体3を確実に装着することができるようになっている(図6参照)。
ところで、シート成形体3は、上述のようにフランジ部シート3cを有する胴部シート3aと、底部シート3bとを含み、容器形状をもっている。この場合、シート成形体3は、図4に示すような層構成をもつシート状の積層体23から構成されている。
すなわち、図4に示すように、シート成形体3を構成する積層体23は、外側から順次配置された合成樹脂層としてのポリプロピレン層(PP)23aと、ガスバリア性を有するガスバリア層としてのエチレンビニルアルコール共重合体層(EVOH)23bと、接着層としてのポリプロピレン層(PP)23cとを含む。
そして、このように構成されたシート状の積層体23に対して真空成形を施すことにより、容器形状をもつシート成形体3を得ることができる。
次に、胴部ラベル5および底部ラベル7を有するラベル4、並びに射出樹脂8について、以下説明する。
まず、ラベル4について説明する。胴部ラベル5および底部ラベル7を有するラベル4は、図5に示すような層構成をもつ積層体24からなる。
すなわち、図5に示すように、胴部ラベル5および底部ラベル7を有するラベル4は、(i)射出樹脂8との接着層24aと、(ii)合成樹脂層24bと、(iii)ガスバリア層24cと、(iv)印刷基材層24dとから成る(ここで(i)の層と(ii)の層は兼用可能)。これら各層24a、24b、24c、24dは、それぞれ独立して製膜し接着剤を介して貼合(ドライラミネーション)するか、または、その一部もしくは全層を溶融押出(EC、共押出)することで形成することもできる。また、用途・目的に応じて印刷基材層を省略することもできる。
接着層24aとしては、射出樹脂8と接着するものであれば特に限定されないが、通常、射出樹脂8と同材質のプラスチックや、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)を含有するポリエチレン等の接着性を有する樹脂、又はそれら樹脂が共押し出し加工、あるいは、コーティング加工されたプラスチックフィルム等が好適に使用できる。
また、合成樹脂層24bとしては、ポリプロピレン(PP)を用いることができる。
ガスバリア層24cとしては、例えば、(a)アルミ箔(7~25μm)、(b)金属又は金属酸化物を蒸着等でプラスチックフィルム等に積層したもの、例えば、酸化珪素蒸着プラスチックフィルム、酸化アルミ蒸着プラスチックフィルム、アルミ蒸着プラスチックフィルム、(c)その他、ポリアクリロニトリル系樹脂、EVOH(エチレンビニルアルコール共重合体)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)フィルム、PVDCコート二軸延伸プラスチックフィルム等が挙げられ、所望の性能に応じて適宜選択され得る。なお、シート成形体3が十分なガスバリア性を有する場合、ラベル4は必ずしもガスバリア層24cをもつ必要はない。
印刷基材層24dとしてのフィルムは、一般に印刷可能なものであれば特に限定されず、例えば、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ナイロンフィルム等が適宜使用できる。
なお、上記各層は常法に従い、ドライラミネーション法、押出ラミネーション法、押出コーティング法その他のコーティング法によって形成される。
具体的には、胴部ラベル5および底部ラベル7を有するラベル4として、例えば以下の層構成のラベルを用いることができる。
(1)ヒートシール延伸ポリプロピレン層(HSOPP)30μm/アルミ箔7μm/延伸ポリプロピレン層(OPP)30μm
(2)ヒートシール延伸ポリプロピレン層(HSOPP)30μm/VM-PET12μm/延伸ポリプロピレン層(OPP)30μm
(3)ヒートシール剤コーティング/延伸ポリプロピレン層(OPP)30μm/アルミ箔7μm/延伸ポリプロピレン層(OPP)30μm
また、本発明のインモールドラベル容器10に用いられる射出樹脂8としては、射出成形可能な熱可塑性樹脂、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等が使用され得る。また、このような射出樹脂8は、着色されていることが好ましい。これにより、射出樹脂8がラベル4の厚み方向外側に流出した際に、射出樹脂8の流出を容易に検知することができる。
次に、インモールド成形を行う金型20について、説明する。
図6に示すように、金型20は、シート成形体3を吸着するコア21と、ラベル4を吸着するキャビティ付金型22とを有している。このうち、コア21には、上述したシート成形体3のゲート受部33に対応するテーパ形状をもった凹部21aが形成されている(図6参照)。これにより、コア21の凹部21a内にシート成形体3のゲート受部33を嵌込み、コア21にシート成形体3を確実に装着することができるようになっている。
キャビティ付金型22には、ラベル4が装着された際に、ラベル4のゲート穴7aを貫通する突起22bが形成されている。この突起22bには、射出樹脂8を射出する注出口22aが形成されており、注出口22aから射出樹脂8を射出することにより、ラベル4上に射出樹脂が形成される。
次に、図7A乃至図8Cにより、インモールドラベル容器の製造方法について述べる。
まず、シート状の積層体23に対して真空成形を施すことにより、容器形状をもつシート成形体3を得る。
また、シート成形体3を作製することと並行して、胴部ラベル5と底部ラベル7とを有するラベル4を準備する。この際、まず、積層体24を準備する。次いで、積層体24を、レーザー等により打ち抜くことによって、ラベル4を得る。
次に、図7Aに示すようにコア21と、キャビティ付金型22とを有する金型20を準備する。
次いで、図7Bに示すように、金型20内に、シート成形体3を装着する。この場合、金型20のコア21にシート成形体3を吸着させる。
次に、図8Aに示すように、金型20内に、射出樹脂8が通過するゲート穴7aが形成されたラベル4を装着する。この場合、金型20のキャビティ付金型22にラベル4を吸着させる。
次いで、金型20に装着されたラベル4に、射出樹脂8を射出する。この際、まず、キャビティ付金型22に対してコア21を接近させ、キャビティ付金型22内にコア21を挿着し、キャビティ付金型22とコア21とを型締めする。次に、この状態で、キャビティ付金型22とコア21との間の空間に、キャビティ付金型22に設けられた射出樹脂8のゲート(注入口)22aから射出樹脂8を射出する(図8B)。この場合、注出口22aは、キャビティ付金型22に形成された突起22bに形成されており、底部ラベル7のゲート穴7aを貫通して金型20内に突出している。このような注出口22aから射出された射出樹脂8は、ラベル4に設けられたゲート穴7aからシート成形体3とラベル4との間に侵入し、この射出樹脂8によりシート成形体3とラベル4とが接着され、インモールドラベル容器10が成形される。
ゲート穴7aからシート成形体3とラベル4との間に侵入した射出樹脂8は、シート成形体3の底部シート3bと、ラベル4の底部ラベル7との間において放射状に拡がっていく。この際、シート成形体3に射出樹脂8を受けるテーパ形状をもったゲート受部33が設けられているので、注出口22aから射出された射出樹脂8をこのゲート受部33により受けた後、テーパ形状をもったゲート受部33により、射出樹脂8をシート成形体3とラベル4との間に水平方向にスムーズに導くことができる。
ところで、ゲート穴7aからシート成形体3とラベル4との間に侵入した射出樹脂8は、様々な流路を通過する。例えば、射出樹脂8が、シート成形体3とラベル4との間から隙間G(すなわちシート成形体3と金型20のキャビティ付金型22との間)へ流出した後に、隙間Gからシート成形体3とラベル4の胴部ラベル5との間に流入する場合がある(図3Bの流路F3参照)。この場合、射出樹脂8がシート成形体3とラベル4の胴部ラベル5との間に流入せずに、胴部ラベル5の厚み方向外側に流出する可能性がある。このように、胴部ラベル5の厚み方向外側に射出樹脂8が流出すると、製品の外観や形状等に不良が発生する不具合が生じるおそれがある。これに対して、本実施の形態においては、部分5a、5b、5c、5dの周縁5eのうち射出樹脂8が隙間Gから胴部ラベル5へ流入する部位にラベル周縁検知マークM1を設けることにより、射出樹脂8がラベル4の厚み方向外側に流出した不具合を検知することができ、成形不良が生じた製品を容易に検知することができる。すなわち、射出樹脂8がラベル4の厚み方向外側に流出した場合、射出樹脂8がラベル周縁検知マークM1の外面を覆う。この場合、ラベル周縁検知マークM1の一部または全部が射出樹脂8によって隠され、ラベル周縁検知マークM1の形状が当初の形状から変化する。これを目視または検査装置によって検出することにより、このような射出樹脂8の流出を容易に検知することができる。
そして、図8Cに示すように、得られたインモールドラベル容器10が、金型20から外方へ取出される。
以上のように本実施の形態によれば、部分5a、5b、5c、5dの周縁5eのうち射出樹脂8が隙間Gから胴部ラベル5へ流入する部位に、射出樹脂8の回り込みを検知するラベル周縁検知マークM1が設けられている。これにより、射出樹脂8のラベル4の厚み方向外側への流出を検知することができる。このため、成形不良が生じた製品を容易に検知することができる。
また、本実施の形態によれば、射出樹脂8が着色されている。これにより、射出樹脂8がラベル4の厚み方向外側に流出した際に、射出樹脂8の流出を容易に検知することができる。
さらに、本実施の形態によれば、ラベル周縁検知マークM1が射出樹脂8とは異なる色に着色されている。これにより、射出樹脂8のラベル4の厚み方向外側への流出を、例えば目視にて容易に検知することができる。
なお、上記実施の形態において、インモールドラベル容器10がシート成形体3を備える例を示したが、これに限らず、インモールドラベル容器10がシート成形体3を備えることなく、ラベル4と、射出樹脂8とによって構成されていてもよい。
また、上記実施の形態において、ラベル周縁検知マークM1が部分5a、5b、5c、5dの周縁5eの一部に設けられている例を示したが、これに限られず、図9に示すように、ラベル周縁検知マークM1がラベル4の周縁4aの全周にわたって形成されていてもよい。この場合、射出樹脂8のラベル4の厚み方向外側への流出の検知精度を向上させることができる。
さらに、上記実施の形態において、部分5a、5b、5c、5dの周縁5eにラベル周縁検知マークM1が設けられている例を示したが、これに限られず、図10に示すように、ゲート穴7aの周縁7Aに、ゲート穴周縁検知マークM2が設けられていても良い。この場合、ゲート穴7aの周縁7Aにおける、射出樹脂8のラベル4の厚み方向外側への流出を検知することができ、ゲート穴7aの周縁7Aにおける、成形不良の発生を容易に検知することができる。また、この場合、ゲート穴周縁検知マークM2は、ゲート穴7aの周縁7Aの一部に形成されていても良く、全周にわたって形成されていてもよい。ゲート穴周縁検知マークM2がゲート穴7aの周縁7Aの全周にわたって形成されている場合、射出樹脂8のラベル4の厚み方向外側への流出の検知精度を向上させることができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について図11乃至図13により説明する。図11は本発明の第2の実施の形態によるインモールドラベル容器を示す側断面図であり、図12は本発明の第2の実施の形態によるラベルを示す展開図である。また、図13は本発明の第2の実施の形態によるラベルが吸着される金型を示す側断面図である。
図11乃至図13に示す第2の実施の形態は、ラベル4の胴部ラベル5に開口部5fが形成され、開口部5fの周縁5gのうち、ラベル4に射出される射出樹脂8が開口部5fから胴部ラベル5に流入する部位に、射出樹脂8の回り込みを検知する開口部周縁検知マークM3が設けられている点が異なるものであり、他の構成は、図1乃至図10に示す第1の実施の形態と略同一である。図11乃至図13に示す第2の実施の形態において、図1乃至図10に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図11に示すように、インモールドラベル容器10はフランジ部14を有する略円筒状の胴部11と、胴部11の下方に連結された底部12とを備えている。
また、図12に示すように、ラベル4は、胴部ラベル5を有している。第2の実施の形態による胴部ラベル5は、扇形状を有しており、胴部ラベル5には開口部5fが形成されている。この開口部5fは、例えば、インモールドラベル容器10の向きを触覚的に識別するためのものである。すなわち、開口部5fを設けることにより、ラベル4の表面の手触りと射出樹脂8の表面の手触りとの違いによって、インモールドラベル容器10の向きを判別できるようになっている。また、開口部5fを設けることにより、ラベル4のデザインを特徴的なものとすることができ、ラベル4およびインモールドラベル容器10の意匠性を向上させることもできる。
本実施の形態においては、開口部周縁検知マークM3は、開口部5fの周縁5gのうち、ラベル4に射出される射出樹脂8が開口部5fから胴部ラベル5に流入する部位に設けられている。この場合、図12に示すように、開口部周縁検知マークM3は、例えば開口部5fの上端に設けることができる。これにより、射出樹脂8のラベル4の厚み方向外側への流出を検知することができる。
すなわち、図13の矢印に示すように、注出口22aから射出された射出樹脂8のうち、インモールドラベル容器10の胴部11を形成する射出樹脂8は、ラベル4の厚み方向内側を上方および下方に向かって拡がっていく。この際、ラベル4の厚み方向内側を上方に向かって流れる射出樹脂8は、シート成形体3とラベル4との間から開口部5fへ流出した後に、胴部11を形成するように開口部5fを流れ、その後に開口部5fから金型20のキャビティ付金型22とラベル4の胴部ラベル5との間に流入する。この際、射出樹脂8がキャビティ付金型22と胴部ラベル5との間に流入することなく、胴部ラベル5の厚み方向外側に流出する可能性がある。この場合、胴部ラベル5の厚み方向外側に射出樹脂8が流出すると、製品の外観や形状等に不良が発生する不具合が生じるおそれがある。これに対して、本実施の形態においても開口部周縁検知マークM3を設けることにより、射出樹脂8がラベル4の厚み方向外側に流出した不具合を検知することができ、成形不良が生じたおそれのある製品を容易に検知することができる。
次に、上述した本実施の形態の具体的実施例について説明する。
(実施例)
射出樹脂8としてポリプロピレンを使用し、ラベル4として以下の層構成の積層体24を使用した。そして、ラベル4は、積層体24をレーザーカットによって打ち抜くことにより作製した。この際、ラベル4には、部分5a、5b、5c、5dの周縁5eのうち射出樹脂8が隙間Gから胴部ラベル5へ流入する部位に、検知するラベル周縁検知マークM1が設けられているラベル4を作製した。
OPP/印刷層/接着層/PET/接着層/HSOPP
ここで、「OPP」と、延伸ポリプロピレンフィルムを意味する。「PET」は、ポリエチレンテレフタレートフィルムを意味する。「HSOPP」は、ヒートシール性を有する延伸ポリプロピレンフィルムを意味する。
これらの射出樹脂8およびラベル4を用いて、図7A乃至図8Cに示す方法により、本実施の形態によるインモールドラベル容器10を作製した。インモールドラベル容器10の作製は、連続して1時間行った。その後、画像センサ(株式会社キーエンス製CVシリーズ)を使用して、ラベル4の厚み方向外側に射出樹脂8が流出しているか否かを検査した。そして、ラベル4の厚み方向外側に射出樹脂8が流出している製品に対して、射出樹脂8の流出を目視にて検知できるか否かを検査した。この結果を表1に示す。なお、表1において、評価基準「○」は「優(excellent)」を示し、ラベル4の厚み方向外側に流出した射出樹脂8を検知できたことを示す。また、評価基準「×」は「不可(poor)」を示し、ラベル4の厚み方向外側に流出した射出樹脂8を検知できなかったことを示す。
(比較例)
ラベルにラベル周縁検知マークが設けられていないこと、以外は、実施例1と同様にして、外観検査機を使用して、ラベル4の厚み方向外側に射出樹脂8が流出しているか否かを検査した。そして、ラベル4の厚み方向外側に射出樹脂8が流出している製品に対して、射出樹脂8の流出を目視にて検知できるか否かを検査した。この結果を表1に示す。
Figure 0007029656000001
この結果、ラベル周縁検知マークM1が設けられていないラベルを用いた比較例においては、ラベル4の厚み方向外側に流出した射出樹脂8を目視にて検知できなかった。これに対してラベル周縁検知マークM1が設けられていないラベルを用いた実施例においては、ラベル4の厚み方向外側に流出した射出樹脂8を目視にて検知できた。
このように、本実施の形態によれば、射出樹脂8のラベル4の厚み方向外側への流出を検知することができる。このため、成形不良が生じた製品を容易に検知することができる。
上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
4 ラベル
5 胴部ラベル
5a、5b、5c、5d 部分
5e 周縁
7 底部ラベル
7a ゲート穴
7A 周縁
8 射出樹脂
10 インモールドラベル容器
11 胴部
12 底部
G 隙間
M1 ラベル周縁検知マーク
M2 ゲート穴周縁検知マーク
M3 開口部周縁検知マーク

Claims (16)

  1. インモールドラベル容器に用いられるラベルにおいて、
    少なくとも胴部ラベルと底部ラベルとを備え、
    前記胴部ラベルは、互いに隙間を介して分離された複数の部分を有し、
    少なくとも1つの前記部分の周縁のうち射出樹脂が前記隙間から前記胴部ラベルへ流入する部位に、前記射出樹脂の回り込みを検知するラベル周縁検知マークが設けられており、
    前記ラベル周縁検知マークは、前記ラベルの周縁の全周にわたって形成されていることを特徴とするラベル。
  2. インモールドラベル容器に用いられるラベルにおいて、
    少なくとも胴部ラベルと底部ラベルとを備え、
    前記胴部ラベルは、互いに隙間を介して分離された複数の部分を有し、
    少なくとも1つの前記部分の周縁のうち射出樹脂が前記隙間から前記胴部ラベルへ流入する部位に、前記射出樹脂の回り込みを検知するラベル周縁検知マークが設けられており、
    前記底部ラベルには、前記射出樹脂が射出されるゲート穴が形成され、
    前記ゲート穴の周縁に、前記射出樹脂の回り込みを検知するゲート穴周縁検知マークが設けられていることを特徴とするラベル。
  3. 前記底部ラベルには、前記射出樹脂が射出されるゲート穴が形成され、
    前記ゲート穴の周縁に、前記射出樹脂の回り込みを検知するゲート穴周縁検知マークが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のラベル。
  4. 前記ゲート穴周縁検知マークは、前記ゲート穴の周縁の全周にわたって形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載のラベル。
  5. インモールドラベル容器に用いられるラベルにおいて、
    少なくとも胴部ラベルを備え、
    前記胴部ラベルには、開口部が形成され、
    前記開口部の周縁のうち、前記ラベルに射出される射出樹脂が前記開口部から前記胴部ラベルに流入する部位に、前記射出樹脂の回り込みを検知する開口部周縁検知マークが設けられていることを特徴とするラベル。
  6. インモールドラベル容器において、
    少なくとも胴部ラベルと底部ラベルとを有するラベルと、
    前記ラベル上に形成された射出樹脂とを備え、
    前記胴部ラベルは、互いに隙間を介して分離された複数の部分を含み、
    少なくとも1つの前記部分の周縁のうち前記射出樹脂が前記隙間から前記胴部ラベルへ流入する部位に、前記射出樹脂の回り込みを検知するラベル周縁検知マークが設けられており、
    前記ラベル周縁検知マークは、前記ラベルの周縁の全周にわたって形成されていることを特徴とするインモールドラベル容器。
  7. インモールドラベル容器において、
    少なくとも胴部ラベルと底部ラベルとを有するラベルと、
    前記ラベル上に形成された射出樹脂とを備え、
    前記胴部ラベルは、互いに隙間を介して分離された複数の部分を含み、
    少なくとも1つの前記部分の周縁のうち前記射出樹脂が前記隙間から前記胴部ラベルへ流入する部位に、前記射出樹脂の回り込みを検知するラベル周縁検知マークが設けられており、
    前記底部ラベルには、前記射出樹脂が射出されるゲート穴が形成され、
    前記ゲート穴の周縁に、前記射出樹脂の回り込みを検知するゲート穴周縁検知マークが設けられていることを特徴とするインモールドラベル容器。
  8. 前記底部ラベルには、前記射出樹脂が射出されるゲート穴が形成され、
    前記ゲート穴の周縁に、前記射出樹脂の回り込みを検知するゲート穴周縁検知マークが設けられていることを特徴とする請求項6に記載のインモールドラベル容器。
  9. 前記ゲート穴周縁検知マークは、前記ゲート穴の周縁の全周にわたって形成されていることを特徴とする請求項7または8に記載のインモールドラベル容器。
  10. インモールドラベル容器において、
    少なくとも胴部ラベルと底部ラベルとを有するラベルと、
    前記ラベル上に形成された射出樹脂とを備え、
    前記胴部ラベルは、互いに隙間を介して分離された複数の部分を含み、
    少なくとも1つの前記部分の周縁のうち前記射出樹脂が前記隙間から前記胴部ラベルへ流入する部位に、前記射出樹脂の回り込みを検知するラベル周縁検知マークが設けられており、
    前記射出樹脂は、着色されていることを特徴とするンモールドラベル容器。
  11. インモールドラベル容器において、
    少なくとも胴部ラベルと底部ラベルとを有するラベルと、
    前記ラベル上に形成された射出樹脂とを備え、
    前記胴部ラベルは、互いに隙間を介して分離された複数の部分を含み、
    少なくとも1つの前記部分の周縁のうち前記射出樹脂が前記隙間から前記胴部ラベルへ流入する部位に、前記射出樹脂の回り込みを検知するラベル周縁検知マークが設けられており、
    前記射出樹脂は、着色されており、前記ラベル周縁検知マークは、前記射出樹脂とは異なる色に着色されているインモールドラベル容器。
  12. インモールドラベル容器において、
    少なくとも胴部ラベルを有するラベルと、
    前記ラベル上に形成された射出樹脂とを備え、
    前記胴部ラベルには、開口部が形成され、
    前記開口部の周縁のうち、前記ラベルに射出される前記射出樹脂が前記開口部から前記胴部ラベルに流入する部位には、前記射出樹脂の回り込みを検知する開口部周縁検知マークが設けられていることを特徴とするインモールドラベル容器。
  13. 前記射出樹脂は、着色されていることを特徴とする請求項6乃至9および12のいずれか一項に記載のインモールドラベル容器。
  14. 前記射出樹脂は、着色されており、前記ラベル周縁検知マークは、前記射出樹脂とは異なる色に着色されていることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載のインモールドラベル容器。
  15. 前記射出樹脂は、着色されており、前記ラベル周縁検知マークおよび前記ゲート穴周縁検知マークのうち少なくとも一方は、前記射出樹脂とは異なる色に着色されていることを特徴とする請求項7乃至のいずれか一項に記載のインモールドラベル容器。
  16. 前記射出樹脂は、着色されており、前記開口部周縁検知マークは、前記射出樹脂とは異なる色に着色されていることを特徴とする請求項12に記載のインモールドラベル容器。
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