JP7028120B2 - 化学機械研磨用水系分散体及びその製造方法、並びに化学機械研磨方法 - Google Patents

化学機械研磨用水系分散体及びその製造方法、並びに化学機械研磨方法 Download PDF

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本発明は、化学機械研磨用水系分散体及びその製造方法、並びに化学機械研磨方法に関する。
CMP(Chemical Mechanical Polishing)は、半導体装置の製造における平坦化技術などで急速な普及を見せてきた。このCMPは、被研磨体を研磨パッドに圧着し、研磨パッド上に化学機械研磨用水系分散体を供給しながら被研磨体と研磨パッドとを相互に摺動させて、被研磨体を化学的かつ機械的に研磨する技術である。
近年、半導体装置の高精細化に伴い、半導体装置内に形成される配線及びプラグ等からなる配線層の微細化が進んでいる。これに伴い、配線層をCMPにより平坦化する手法が用いられている。半導体装置における基板には、絶縁膜材料、配線材料、該配線材料の無機材料膜への拡散を防止するためのバリアメタル材料等が含まれている。ここで、絶縁膜材料としては例えば二酸化ケイ素が、配線材料としては例えば銅やタングステンが、バリアメタル材料としては例えば窒化タンタルや窒化チタンが主に使用されている。
このような絶縁膜材料、配線材料、及びバリアメタル材料等を高速で研磨するために、例えば特許文献1では、永久正電荷が6mV以上のシリカ砥粒、アミン化合物、および硝酸鉄等を含む化学的機械的研磨組成物が開示されている。
特表2017-514295号公報
特許文献1に記載された化学機械研磨組成物は、砥粒表面を安定的なプラス電荷とすることで、砥粒の分散安定性を向上させるとともにタングステン基板の研磨特性を向上させている。これはゼータ電位の値が高い砥粒を用いることで、静電的な反発力で凝集を抑制するとともに、タングステン基板との密着効果が顕著に発現したためと推測される。しかしながら、半導体装置内に用いられる配線基板には、タングステン等の配線材料以外にも絶縁膜材料である二酸化ケイ素等やバリアメタル材料である窒化チタン等が含有されている。そして、このような絶縁膜材料等を研磨する際は、特許文献1に記載の化学機械研磨用組成物では高速に研磨をすることが困難であるという課題があった。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、配線材料等の腐食を抑制しながら、配線材料、絶縁膜材料、及びバリアメタル材料等の複数の材料を含む基板を高速で研磨することができる化学機械研磨用水系分散体及びその製造方法を提供する。また、本発明に係る幾つかの態様は、砥粒の分散安定性が良好となる化学機械研磨用水系分散体及びその製造方法を提供する。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下のいずれかの態様として実現することができる。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体の製造方法の一態様は、
コロイダルシリカ砥粒と、アミン化合物と、金属硝酸塩及び金属硫酸塩よりなる群から選択される少なくとも1種とを含有する化学機械研磨用水系分散体の製造方法であって、
第三級アミン化合物が存在する水系媒体中において、シリコンアルコキシドを加水分解・縮合させる工程(I)と、
前記工程(I)後に、さらに前記水系媒体にシリコンアルコキシドを滴下して、ゼータ電位が+1mV以上+5mV以下のコロイダルシリカ砥粒を成長させる工程(IV)と、
前記工程(IV)後に、前記水系媒体に、アミン化合物と、金属硝酸塩及び金属硫酸塩よりなる群から選択される少なくとも1種と、を添加する工程(V)と、
を含む。
前記化学機械研磨用水系分散体の製造方法の一態様において、
さらに、前記工程(I)後かつ前記工程(IV)前に、前記水系媒体を濃縮してアルコール成分を除去する工程(II)を含むことができる。
前記化学機械研磨用水系分散体の製造方法のいずれかの態様において、
さらに、前記工程(I)後かつ前記工程(IV)前に、前記水系媒体に第三級アミンを添加する工程(III)を含むことができる。
前記化学機械研磨用水系分散体の製造方法のいずれかの態様において、
さらに、前記工程(V)後に、過酸化水素を添加する工程(VI)を含むことができる。
前記化学機械研磨用水系分散体の製造方法のいずれかの態様において、
前記化学機械研磨用水系分散体が、タングステン、二酸化ケイ素、及び窒化チタンよりなる群から選択される1種以上を含む基板研磨用であることができる。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体の一態様は、
(A)+1mV以上+5mV以下の永久正電荷を有するコロイダルシリカ砥粒と、
(B)金属硝酸塩及び金属硫酸塩よりなる群から選択される少なくとも1種と、
(C)アミン化合物及びその塩よりなる群から選択される少なくとも1種と、
(D)前記(C)成分以外のキレート剤と、
を含有し、pHが1以上3以下である。
前記化学機械研磨用水系分散体の一態様において、
第三級アミン化合物が前記コロイダルシリカ砥粒に含まれていることができる。
前記化学機械研磨用水系分散体のいずれかの態様において、
前記第三級アミン化合物が前記コロイダルシリカ砥粒に内包されていることができる。
前記化学機械研磨用水系分散体のいずれかの態様において、
タングステン、二酸化ケイ素、及び窒化チタンよりなる群から選択される1種以上を含む基板研磨用であることができる。
本発明に係る化学機械研磨方法の一態様は、
前記いずれかの態様の化学機械研磨用水系分散体を用いて、タングステン、二酸化ケイ素、及び窒化チタンよりなる群から選択される1種以上を含む基板を研磨する工程を含む。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体によれば、配線材料等の腐食を抑制しながら、配線材料、絶縁膜材料、及びバリアメタル材料等の複数の材料を含む基板を高速で研磨することができる。また、本発明に係る化学機械研磨用水系分散体によれば、砥粒の分散安定性が良好となる。
化学機械研磨装置を模式的に示した斜視図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
本明細書において、「~」を用いて記載された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味である。
「配線材料」とは、アルミニウム、銅、コバルト、チタン、ルテニウム、タングステン等の導電体金属材料のことをいう。「絶縁膜材料」とは、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、アモルファスシリコン等の材料のことをいう。「バリアメタル材料」とは、窒化タンタル、窒化チタン等の配線の信頼性を向上させる目的で配線材料と積層させて用いられる材料のことをいう。
1.化学機械研磨用水系分散体の製造方法
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体の製造方法は、コロイダルシリカ砥粒と、アミン化合物と、金属硝酸塩及び金属硫酸塩よりなる群から選択される少なくとも1種とを含有する化学機械研磨用水系分散体を製造するための方法である。本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体の製造方法は、第三級アミン化合物が存在する水系媒体中において、シリコンアルコキシドを加水分解・縮合させる工程(I)と、前記工程(I)後に、さらに前記水系媒体にシリコンアルコキシドを滴下して、ゼータ電位が+1mV以上+5mV以下のコロイダルシリカ砥粒を成長させる工程(IV)と、前記工程(IV)後に、前記水系媒体に、アミン化合物と、金属硝酸塩及び金属硫酸塩よりなる群から選択される少なくとも1種と、を添加する工程(V)と、を含む。以下、本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体の製造方法に含まれる各工程について詳細に説明する。
1.1.工程(I)
工程(I)では、第三級アミン化合物が存在する水系媒体中において、シリコンアルコキシドを加水分解・縮合させる。具体的には、水系媒体を100質量部としたときに、第三級アミン化合物を0.03質量部以上2質量部以下添加し、十分な撹拌を行った後に、シリコンアルコキシドを1.4質量部以上50質量部以下添加して、25℃以上100℃以下の温度条件下で加水分解及び縮合させる。このようにして、コロイダルシリカ砥粒を含む水系分散体を得ることができる。
第三級アミン化合物としては、例えば、トリエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-ブチルジエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジメチルグリシン及びテトラメチルエチレンジアミンが挙げられる。これらの中でも、トリエタノールアミン及びN,N-ジメチルエタノールアミンが好ましく、トリエタノールアミンがより好ましい。
第三級アミン化合物の添加量の下限値は、第三級アミン化合物添加前の水系媒体を10
0質量部としたときに、0.03質量部であることが好ましく、0.1質量部であることがより好ましく、0.3質量部であることが特に好ましい。一方、第三級アミン化合物の添加量の上限値は、2質量部であることが好ましく、1質量部であることがより好ましく、0.6質量部であることが特に好ましい。第三級アミン化合物の添加量が前記範囲内であれば、得られるシリカ砥粒のゼータ電位を+1mV以上+5mV以下に調整しやすくなる。
シリコンアルコキシドを水系媒体に添加する操作では、シリコンアルコキシドとアルコールの混合液を調製し、該混合液を水系媒体へ徐々に滴下することが好ましい。このようにすることで、水系媒体中で粒径の揃ったコロイダルシリカ砥粒を含む水系分散体が得られる。シリコンアルコキシドの添加後は、好ましくは25℃以上100℃以下、より好ましくは50℃以上95℃以下の温度条件下で、加水分解及び縮合させるとよい。前記温度範囲内で加水分解及び縮合させることにより、分散性に優れるコロイダルシリカ砥粒が生成しやすくなる。
シリコンアルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、1,2-ビス(トリメトキシシリル)エタン、シクロペンチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン及びシクロヘキシル(ジメトキシ)メチルシランが挙げられる。これらの中でも、テトラメトキシシラン及びテトラエトキシシランが好ましく、テトラメトキシシランが特に好ましい。このようなシリコンアルコキシドであれば、得られるコロイダルシリカ砥粒は適度な硬度を有し、タングステン等の配線材料の研磨特性に優れる。
シリコンアルコキシドの添加量の下限値は、第三級アミン化合物添加前の水系媒体を100質量部としたときに、1.4質量部であることが好ましく、5質量部であることがより好ましく、10質量部であることが特に好ましい。一方、シリコンアルコキシドの添加量の上限値は、50質量部であることが好ましく、40質量部であることがより好ましく、20質量部であることが特に好ましい。シリコンアルコキシドの添加量が前記範囲内であれば、第三級アミン化合物との相互作用により、得られるコロイダルシリカ砥粒のゼータ電位を+1mV以上+5mV以下に調整しやすくなる。
1.2.工程(II)
次いで、前記工程(I)後かつ後記工程(IV)前に、前記工程(I)で得られたコロイダルシリカ砥粒を含む水系分散体を濃縮して、アルコール成分を除去する工程(II)を行うことが好ましい。工程(II)は、前記工程(I)後かつ後記工程(III)前に行うことがより好ましい。
工程(II)は、例えばエバポレーターを用いて、水を添加しながらアルコール成分を除去する操作を行う。これにより、アルコール成分が除去された、コロイダルシリカ砥粒を含む水系分散体が得られる。工程(II)を経ることにより、得られるコロイダルシリカ砥粒のゼータ電位を+1mV以上+5mV以下に調整しやすくなる。
1.3.工程(III)
次いで、前記工程(I)後かつ後記工程(IV)前に、前記水系分散体に第三級アミン化合物をさらに添加する工程(III)を含むことが好ましい。工程(III)は、前記工程(II)後かつ後記工程(IV)前に行うことがより好ましい。
前記水系分散体中に第三級アミン化合物をさらに添加することにより、第三級アミン化合物とシリコンアルコキシドとが相互作用しやすくなるため、得られるコロイダルシリカ砥粒のゼータ電位を+1mV以上+5mV以下に調整しやすくなるとともに、研磨特性に
優れるコロイダルシリカ砥粒が製造されやすくなる。
工程(III)で添加する第三級アミン化合物としては、前記工程(I)で添加した第三級アミン化合物と同種であることが好ましいが、異種であってもよい。工程(III)で添加する第三級アミン化合物の添加量の下限値は、工程(I)で得られた水系分散体を100質量部としたときに、0.03質量部であることが好ましく、0.3質量部であることがより好ましい。一方、工程(III)で添加する第三級アミン化合物の添加量の上限値は、1質量部であることが好ましく、0.8質量部であることがより好ましい。
1.4.工程(IV)
次いで、工程(IV)では、前記工程(I)後に、さらに前記水系分散体にシリコンアルコキシドを滴下して、ゼータ電位が+1mV以上+5mV以下のコロイダルシリカ砥粒を成長させる。工程(IV)を経ることにより、工程(I)で得られたコロイダルシリカ砥粒を成長させることができ、研磨特性に優れるコロイダルシリカ砥粒を含む水系分散体を製造することができる。
工程(IV)で添加するシリコンアルコキシドとしては、前記工程(I)と同種のシリコンアルコキシドを添加することが好ましいが、異種であってもよい。工程(IV)で添加するシリコンアルコキシドの添加量の下限値は、工程(I)で得られた水系分散体を100質量部としたときに、5質量部であることが好ましく、10質量部であることがより好ましい。一方、工程(IV)で添加するシリコンアルコキシドの添加量の上限値は、40質量部であることが好ましく、25質量部であることがより好ましい。
なお、本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体の製造方法は、工程(I)、工程(II)、工程(III)、及び工程(IV)がこの順で行われることが好ましい。さらに、工程(II)から工程(IV)が複数回行われると、第三級アミン化合物とシリコンアルコキシドとが相互作用しやすくなるため、得られるコロイダルシリカ砥粒のゼータ電位を+1mV以上+5mV以下に調整しやすくなるとともに、研磨特性に優れるコロイダルシリカ砥粒が製造されやすくなる場合がある。
1.5.工程(V)
次いで、工程(V)では、工程(IV)後に、前記コロイダルシリカ砥粒を含む水系分散体に、アミン化合物と、金属硝酸塩及び金属硫酸塩よりなる群から選択される少なくとも1種とを添加する。工程(V)を経ることにより、本願発明の化学機械研磨用水系分散体が得られる。本願発明の化学機械研磨用水系分散体は、配線材料の腐食を抑制しながら、配線材料、絶縁膜材料、及びバリアメタル材料等の複数の材料を含む基板を高速で研磨することができる。また、本願発明の化学機械研磨用水系分散体は、コロイダルシリカ砥粒の分散安定性を向上させることができる。
工程(V)で添加するアミン化合物としては、例えば、2-アミノエチルピペラジン、1,4-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジン、トリエチレンテトラミン等の多窒素含有化合物;ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、N-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等の両性界面活性剤;ポリエチレンイミン等のカチオン性ポリマーが挙げられる。これらの中でも、両性界面活性剤及びカチオン性ポリマーが好ましく、炭素鎖12以上のカルボキシル基含有ベタイン型両性界面活性剤(但し、アミノカルボン酸を除く)が特に好ましい。このようなアミン化合物を含有する化学機械研磨用水系分散体であると、配線材料の腐食を抑制しながら、水系分散体中におけるコロイダルシリカ砥粒の分散安定性を向上させることができる。
アミン化合物の添加量の下限値は、工程(IV)後の水系媒体を100質量部としたと
きに、0.001質量部であることが好ましく、0.01質量部であることがより好ましい。一方、アミン化合物の添加量の上限値は、1質量部であることが好ましく、0.5質量部であることがより好ましい。
工程(V)で添加する金属硝酸塩としては、例えば、硝酸銅、硝酸コバルト、硝酸亜鉛、硝酸マンガン、硝酸鉄、硝酸モリブデン、硝酸ビスマス、硝酸セリウム等が挙げられる。工程(V)で添加する金属硫酸塩としては、例えば、硫酸銅、硫酸コバルト、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸銀等が挙げられる。これらの中でも、硝酸銅、硝酸鉄、硫酸銅及び硫酸鉄よりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、硝酸鉄及び硫酸鉄よりなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。これらの化合物は、金属硝酸塩及び金属硫酸塩の中でも特に高い酸化力を有するため、配線材料やバリアメタル材料の表面を不動態化して酸化物層を作り出すことができる。そして、コロイダルシリカ砥粒の機械的な研磨作用を利用することによって、該酸化物層を高速で除去できるようになる。
金属硝酸塩及び金属硫酸塩よりなる群から選択される少なくとも1種の添加量の下限値は、工程(IV)後の水系媒体を100質量部としたときに、0.001質量部であることが好ましく、0.01質量部であることがより好ましい。一方、金属硝酸塩及び金属硫酸塩よりなる群から選択される少なくとも1種の添加量の上限値は、1質量部であることが好ましく、0.5質量部であることがより好ましい。
1.6.工程(VI)
次いで、工程(V)後に、工程(V)で得られた化学機械研磨用水系分散体に過酸化水素を添加する工程(VI)を含んでもよい。工程(V)で添加した金属硫酸塩及び/又は金属硝酸塩と過酸化水素とを併用することで、強い酸化反応(フェントン反応)を起こし、配線材料やバリアメタル材料を高速研磨できる場合がある。過酸化水素は不安定で酸素を放出しやすく、非常に強力な酸化力を持つヒドロキシラジカルを生成しやすいので、工程(VI)はCMPを実施する直前に行うことが好ましい。
過酸化水素の添加量の下限値は、工程(V)で得られた化学機械研磨用水系分散体を100質量部としたときに、0.001質量部が好ましく、0.005質量部がより好ましく、0.01質量部が特に好ましい。一方、過酸化水素の添加量の上限値は、工程(V)で得られた化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、5質量部が好ましく、3質量部がより好ましく、1.5質量部が特に好ましい。
2.化学機械研磨用水系分散体
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、上述の製造方法によって製造することができるが、上述の製造方法によって製造されたものに限定されない。本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(A)+1mV以上+5mV以下の永久正電荷を有するコロイダルシリカ砥粒(「(A)成分」ともいう。)と、(B)金属硝酸塩及び金属硫酸塩よりなる群から選択される少なくとも1種(「(B)成分」ともいう。)と、(C)アミン化合物及びその塩よりなる群から選択される少なくとも1種(「(C)成分」ともいう。)と、(D)前記(C)成分以外のキレート剤(「(D)成分」ともいう。)と、を含有し、pHが1以上3以下である。以下、本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体に含まれる各成分について詳細に説明する。
2.1.(A)コロイダルシリカ砥粒
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(A)+1mV以上+5mV以下の永久正電荷を有するコロイダルシリカ砥粒を含有する。(A)成分の機能の一つとしては、配線材料、絶縁膜材料、及びバリアメタル材料等の複数の材料を含む基板を機械的に研磨
して研磨速度を向上させることが挙げられる。特に、配線材料としてタングステン、絶縁膜材料として二酸化ケイ素、バリアメタル材料として窒化チタンを含む基板の研磨速度を向上させることができる。
ここで「永久正電荷を有するコロイダルシリカ砥粒」とは、コロイダルシリカ砥粒が1質量%となるようにイオン交換水(水を栗田工業社製、型式「デミエースDZ-50C」にて、イオン交換処理を行ったもの)を加えて、pHを2.4に調整したコロイダルシリカ砥粒水系分散体を、インテグリス社製の孔径が0.3μmのポリプロピレン濾過フィルター(型番Planargard PCL0301E6)に3回通過させた際の濾過前後におけるゼータ電位の絶対値の変化が4mV以下のものをいう。また、このような3回通過させた後のコロイダルシリカ砥粒のゼータ電位の絶対値としては、好ましくは3mV以下であり、より好ましくは1mV以下である。すなわち、「(A)+1mV以上+5mV以下の永久正電荷を有するコロイダルシリカ砥粒」とは、前記3回の濾過前後でそれぞれゼータ電位が+1mV以上+5mV以下であり、かつ、濾過前後のゼータ電位の絶対値の変化が4mV以下のものをいう。
前記範囲内の永久正電荷を有するコロイダルシリカ砥粒であれば、配線材料、絶縁膜材料、及びバリアメタル材料等の複数の材料を含む基板の研磨速度を向上させることができ、特に配線材料としてタングステン、絶縁膜材料として二酸化ケイ素、バリアメタル材料として窒化チタンが含まれる材料の研磨速度を向上させることができる。また、前記範囲内の永久正電荷を有するコロイダルシリカ砥粒であれば、分散安定性も良好となりやすい。
また、(A)成分としては、第三級アミン化合物が含まれているコロイダルシリカ砥粒であることが好ましく、第三級アミン化合物が内包されているコロイダルシリカ砥粒であることがより好ましい。第三級アミン化合物がコロイダルシリカ砥粒に含まれていることにより、(A)成分は+1mV以上+5mV以下の永久正電荷を有しやすくなるため、配線材料、絶縁膜材料、及びバリアメタル材料等の複数の材料を含む基板の研磨速度を向上させやすい。
第三級アミン化合物としては、例えば、トリエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-ブチルジエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジメチルグリシン及びテトラメチルエチレンジアミンが挙げられる。これらの中でも、トリエタノールアミン及びN,N-ジメチルエタノールアミンが好ましく、トリエタノールアミンがより好ましい。
(A)成分の製造方法としては、特に制限されないが、前記工程(I)から前記工程(IV)を含むコロイダルシリカ砥粒の製造方法により好適に製造することができる。
(A)成分の平均粒子径は、5nm以上300nm以下であることが好ましい。(A)成分の平均粒子径が前記範囲内であると、被研磨面の研磨傷の発生を抑制しつつ、配線材料、絶縁膜材料、及びバリアメタル材料等の複数の材料の研磨速度を向上できる場合がある。ここで、前記範囲の中でも、平均粒子径が10nm以上150nm以下の範囲にある(A)成分は、特に研磨速度を向上させることができる場合がある。また、前記範囲の中でも、平均粒子径が10nm以上100nm以下の範囲にある(A)成分は、特に被研磨面に生ずる研磨傷の発生を抑制することができる場合がある。ここで、(A)成分の平均粒子径は、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置で測定することにより求めることができる。動的光散乱法による粒径測定装置としては、堀場製作所社製の動的光散乱式粒径分布測定装置「LB-550」、ベックマン・コールター社製のナノ砥粒アナライ
ザー「DelsaNanoS」、Malvern社製の「Zetasizernanozs」等が挙げられる。なお、動的光散乱法を用いて測定した平均粒子径は、一次粒子が複数個凝集して形成された二次粒子の平均粒子径を表している。
(A)成分の含有量の下限値は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、0.05質量%が好ましく、0.1質量%がより好ましく、0.3質量%が特に好ましい。(A)成分の含有量が前記下限値以上であると、複数の材料を含む基板の研磨速度を向上できる場合がある。一方、(A)成分の含有量の上限値は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、10質量%が好ましく、5質量%がより好ましく、3質量%が特に好ましい。(A)成分の含有量が前記上限値以下であると、分散安定性が良好となりやすく、化学機械研磨工程において被研磨面の平坦性や研磨傷の低減を実現できる場合がある。
2.2.金属硝酸塩、金属硫酸塩
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(B)金属硝酸塩及び金属硫酸塩よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する。(B)成分の機能の一つとしては、配線材料、絶縁膜材料、及びバリアメタル材料等の複数の材料を含む基板の表面に酸化物層を作り出し、研磨速度を向上させることが挙げられる。これらの材料の中でも、特に配線材料としてタングステンを含む基板に対する研磨速度を向上させることができる。
金属硝酸塩としては、例えば、硝酸銅、硝酸コバルト、硝酸亜鉛、硝酸マンガン、硝酸鉄、硝酸モリブデン、硝酸ビスマス、硝酸セリウム等が挙げられる。金属硫酸塩としては、例えば、硫酸銅、硫酸コバルト、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸銀等が挙げられる。これらの中でも、硝酸銅、硝酸鉄、硫酸銅及び硫酸鉄よりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、硝酸鉄及び硫酸鉄よりなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。これらの化合物は、金属硝酸塩及び金属硫酸塩の中でも特に高い酸化力を有するため、配線材料やバリアメタル材料の表面を不動態化して酸化物層を作り出すことができる。そして、コロイダルシリカ砥粒の機械的な研磨作用を利用することによって、該酸化物層を高速で除去できるようになる。
(B)成分の含有量の下限値は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、0.001質量%であることが好ましく、0.01質量%であることがより好ましい。一方、(B)成分の含有量の上限値は、1質量%であることが好ましく、0.5質量%であることがより好ましい。(B)成分の含有量が前記範囲であると、配線材料、絶縁膜材料、及びバリアメタル材料等の複数の材料を含む基板に対する研磨速度が向上する。特に、配線材料としてタングステンを含む基板に対する研磨速度が向上する。
2.3.(C)アミン化合物及びその塩
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(C)アミン化合物及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する。(C)成分の機能の一つとしては、配線材料等の腐食を抑制することが挙げられる。特に、配線材料としてタングステンを含む基板の腐食を抑制することができる。また、(C)成分の他の機能としては、化学機械研磨用水系分散体中における(A)成分の分散安定性を向上させることが挙げられる。
(C)成分としては、アミンを含む化合物であれば特に制限されないが、例えば、2-アミノエチルピペラジン、1,4-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジン、トリエチレンテトラミン等の多窒素含有化合物;ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、N-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等の両性界面活性剤(但し、アミノカルボン酸を除く);ポリエチレンイミン等のカチオン性ポリマーが挙げられる。これらの中でも、両性界面活性剤及びカチオン性ポリマーが好ましく、炭素鎖12以上のカルボキシル基含有ベタイン型両性界面活性剤が特に好ま
しい。このようなアミン化合物を含有する化学機械研磨用水系分散体であると、配線材料の腐食を抑制しながら、水系分散体中におけるコロイダルシリカ砥粒の分散安定性を向上させることができる。(C)成分は、1種単独で用いてもよいし、任意の割合で2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アミン化合物の塩の具体例としては、上記例示したアミン化合物の塩であってもよく、化学機械研磨用水系分散体中で別途添加した添加物と反応してアミン化合物の塩を形成するものであってもよい。
(C)成分の含有量の下限値は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、0.001質量%であることが好ましく、0.01質量%であることがより好ましい。一方、(C)成分の含有量の上限値は、1質量%であることが好ましく、0.5質量%であることがより好ましい。(C)成分の含有量が前記範囲にあると、配線材料等の腐食をより効果的に抑制することができる。
2.4.(D)キレート剤
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(D)前記(C)成分以外のキレート剤を含有する。(D)成分の機能の一つとしては、配線材料、絶縁膜材料、及びバリアメタル材料等の複数の材料を含む基板に対する研磨速度を向上させることが挙げられる。特に、配線材料としてタングステンを含む基板に対する研磨速度を向上させることができる。
(D)成分としては、キレート作用を有する化合物であれば特に制限されないが、有機酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
このような有機酸としては、例えば、ホスホン酸類、乳酸、酒石酸、フマル酸、グリコール酸、フタル酸、マレイン酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、グルタル酸、コハク酸、安息香酸、p-ヒドロキシ安息香酸、キノリン酸、キナルジン酸、アミド硫酸;グリシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、トリプトファン、アルギニン、ヒスチジン、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン5酢酸等のアミノカルボン酸が挙げられる。これらの中でも、ホスホン酸類、マレイン酸、コハク酸、乳酸、マロン酸、アミノカルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、マロン酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、及びジエチレントリアミン5酢酸よりなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましく、マロン酸が特に好ましい。このような有機酸は、1種単独で用いてもよいし、任意の割合で2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機酸の塩の具体例としては、上記有機酸の塩であってもよく、化学機械研磨用水系分散体中で別途添加した塩基と反応して上記有機酸の塩を形成するものであってもよい。このような塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属の水酸化物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等の有機アルカリ化合物、及びアンモニア等が挙げられる。
(D)成分の含有量の下限値は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、0.001質量部であることが好ましく、0.01質量部であることがより好ましい。一方、(D)成分の含有量の上限値は、1質量部であることが好ましく、0.5質量部であることがより好ましい。(D)成分の含有量が前記範囲にあると、配線材料、絶縁膜材料、及びバリアメタル材料等の複数の材料を含む基板に対する研磨速度が向上する。
2.5.その他の成分
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、主要な液状媒体である水の他に、必要に応じて、水溶性高分子、酸化剤、界面活性剤、含窒素複素環化合物、pH調整剤等を含有してもよい。
<水>
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、主要な液状媒体として水を含有する。水としては、特に制限されるものではないが、純水が好ましい。水は、上述した化学機械研磨用水系分散体の構成材料の残部として配合されていればよく、水の含有量については特に制限はない。
<水溶性高分子>
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、水溶性高分子を含有してもよい。水溶性高分子を含有することにより、配線材料等の被研磨面に吸着して研磨摩擦を低減できる場合がある。水溶性高分子としては、ポリカルボン酸であることが好ましく、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、及びこれらの共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
水溶性高分子の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000以上1,000,000以下であり、より好ましくは3,000以上800,000以下である。水溶性高分子の重量平均分子量が前記範囲にあると、配線材料等の被研磨面に吸着しやすくなり、研磨摩擦をより低減できる場合がある。その結果、被研磨面における研磨傷の発生をより効果的に低減することができる場合がある。なお、本明細書中における「重量平均分子量(Mw)」とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定されたポリエチレングリコール換算の重量平均分子量のことを指す。
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体が水溶性高分子を含有する場合、水溶性高分子の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、0.01~1質量%が好ましく、0.03~0.5質量%がより好ましい。
なお、水溶性高分子の含有量は、水溶性高分子の重量平均分子量(Mw)にも依存するが、化学機械研磨用水系分散体の粘度が10mPa・s未満となるように調整することが好ましい。化学機械研磨用水系分散体の粘度が10mPa・s未満であると、配線材料等を高速で研磨しやすく、粘度が適正であるため研磨布上に安定して化学機械研磨用水系分散体を供給することができる。
<酸化剤>
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(B)成分とは異なる酸化剤を含有してもよい。(B)成分とは異なる酸化剤を含有することにより、配線材料等を酸化して研磨液成分との錯化反応を促すことにより、被研磨面に脆弱な改質層を作り出すことができるため、研磨しやすくなる場合がある。
酸化剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、次亜塩素酸カリウム、オゾン、過ヨウ素酸カリウム、過酢酸等が挙げられる。これらの酸化剤のうち、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸カリウム及び過酸化水素から選択される少なくとも1種が好ましく、過酸化水素がより好ましい。これらの酸化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体が酸化剤を含有する場合、酸化剤の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは0.001~5質量%であり、より好ましくは0.005~3質量%であり、特に好ましくは0.01~1.5質量
%である。なお、酸化剤として過酸化水素を添加する場合、過酸化水素は不安定で酸素を放出しやすく、非常に強力な酸化力を持つヒドロキシラジカルを生成しやすいので、CMPを実施する直前に添加することが好ましい。
<界面活性剤>
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、上記で例示した界面活性剤以外の界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤を含有することにより、化学機械研磨用水系分散体に適度な粘性を付与できる場合がある。
界面活性剤としては、特に制限されず、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石鹸、アルキルエーテルカルボン酸塩等のカルボン酸塩;アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等の硫酸塩;パーフルオロアルキル化合物等の含フッ素系界面活性剤等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪族アミン塩及び脂肪族アンモニウム塩などが挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール、アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物、アセチレンアルコール等の三重結合を有する非イオン性界面活性剤;ポリエチレングリコール型界面活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは0.001~5質量%であり、より好ましくは0.001~3質量%であり、特に好ましくは0.01~1質量%である。
<含窒素複素環化合物>
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、含窒素複素環化合物を含有してもよい。含窒素複素環化合物を含有することにより、配線材料の過剰なエッチングを抑制し、かつ、研磨後の表面荒れを防ぐことができる場合がある。
本明細書において「含窒素複素環化合物」とは、少なくとも1個の窒素原子を有する複素五員環及び複素六員環から選択される少なくとも1種の複素環を含む有機化合物のことをいう。前記複素環としては、ピロール構造、イミダゾール構造、トリアゾール構造等の複素五員環;ピリジン構造、ピリミジン構造、ピリダジン構造、ピラジン構造等の複素六員環が挙げられる。これらの複素環は縮合環を形成していてもよい。具体的には、インドール構造、イソインドール構造、ベンゾイミダゾール構造、ベンゾトリアゾール構造、キノリン構造、イソキノリン構造、キナゾリン構造、シンノリン構造、フタラジン構造、キノキサリン構造、アクリジン構造等が挙げられる。このような構造を有する複素環化合物のうち、ピリジン構造、キノリン構造、ベンゾイミダゾール構造またはベンゾトリアゾール構造を有する複素環化合物が好ましい。
含窒素複素環化合物の具体例としては、アジリジン、ピリジン、ピリミジン、ピロリジン、ピペリジン、ピラジン、トリアジン、ピロール、イミダゾール、インドール、キノリン、イソキノリン、ベンゾイソキノリン、プリン、プテリジン、トリアゾール、トリアゾリジン、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール等が挙げられ、さらに、これらの骨格を有する誘導体が挙げられる。これらの中でも、ベンゾトリアゾール、トリアゾール、イミダゾール及びカルボキシベンゾトリアゾールが好ましい。これらの含窒素複素環化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体が含窒素複素環化合物を含有する場合、含窒素複素環化合物の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは0.05~2質量%であり、より好ましくは0.1~1質量%であり、特に好ましくは0.2~0.6質量%である。
<pH調整剤>
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、pHを1以上3以下に調整するために、pH調整剤を含有してもよい。pH調整剤を含有することにより、本発明の所望の効果が得られるように、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の添加量を適宜調整しながら、pHを1以上3以下にすることが容易になる場合がある。pH調整剤としては、リン酸、硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸、及びこれらの塩が挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。
2.6.pH
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体のpHの値は、1以上3以下であり、1以上2.5以下であることがより好ましい。pHが前記範囲であると、(A)成分のゼータ電位を+1mV以上+5mV以下に維持しやすくすることができる。その結果、化学機械研磨用水系分散体中における(A)成分の分散安定性が向上する。また、pHが前記範囲であると、配線材料、絶縁膜材料、及びバリアメタル材料等の複数の材料を含む基板に対する研磨速度が向上する。
なお、本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体のpHは、例えば、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及びpH調整剤等の添加量を適宜増減することにより調整することができる。
本発明において、pHは、水素イオン指数のことを指し、その値は、25℃、1気圧の条件下で市販のpHメーター(例えば、株式会社堀場製作所製、卓上型pHメーター)を用いて測定することができる。
2.7.用途
本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、配線材料、絶縁膜材料、及びバリアメタル材料等の複数の材料を含む基板を高速で研磨するのに適した組成であり、CMP工程において配線材料やバリアメタル材料の腐食を抑制することもできる。これらの材料の中でも、本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、配線材料としてタングステン、絶縁膜材料として二酸化ケイ素等のケイ素が含まれる材料、バリアメタル材料として窒化チタンを含む基板を特に高速で研磨することができ、タングステンや窒化チタンの腐食を特に抑制することができる。したがって、本実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、タングステン、二酸化ケイ素、及び窒化チタンよりなる群から選択される1種以上を含む基板を研磨するのに特に適している。
3.化学機械研磨方法
本実施形態に係る化学機械研磨方法は、上記の化学機械研磨用水系分散体を用いて、タングステン、二酸化ケイ素、及び窒化チタンよりなる群から選択される1種以上を含む基板を(化学機械)研磨する工程を含む。本実施形態に係る化学機械研磨方法によれば、上記の化学機械研磨用水系分散体を用いることで、タングステン、二酸化ケイ素、及び窒化チタンを高速で研磨することができ、タングステンや窒化チタンの腐食を抑制することもできる。
上述の化学機械研磨には、例えば図1に示すような研磨装置100を用いることができ
る。図1は、研磨装置100を模式的に示した斜視図である。上述の化学機械研磨では、スラリー供給ノズル42からスラリー(化学機械研磨用水系分散体)44を供給し、かつ研磨布46が貼付されたターンテーブル48を回転させながら、基板50を保持したキャリアーヘッド52を当接させることにより行う。なお、図1には、水供給ノズル54及びドレッサー56も併せて示してある。
キャリアーヘッド52の研磨荷重は、0.7~70psiの範囲内で選択することができ、好ましくは1.5~35psiである。また、ターンテーブル48及びキャリアーヘッド52の回転数は10~400rpmの範囲内で適宜選択することができ、好ましくは30~150rpmである。スラリー供給ノズル42から供給されるスラリー(化学機械研磨用水系分散体)44の流量は、10~1,000mL/分の範囲内で選択することができ、好ましくは50~400mL/分である。
市販の研磨装置としては、例えば、荏原製作所社製、型式「EPO-112」、「EPO-222」;ラップマスターSFT社製、型式「LGP-510」、「LGP-552」;アプライドマテリアル社製、型式「Mirra」、「Reflexion」;G&P
TECHNOLOGY社製、型式「POLI-400L」;AMAT社製、型式「Reflexion LK」;FILTEC社製、型式「FLTec-15」;東京精密社製、型式「ChaMP」等が挙げられる。
4.実施例
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、本実施例における「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
4.1.コロイダルシリカ砥粒を含む水分散体の調製
(1)コロイダルシリカA1を含む水分散体の調製
容量2000cmのフラスコに28%アンモニア水100g、イオン交換水160g、メタノール1250gを投入し、180rpmで攪拌しながら35℃に昇温した。この溶液に、テトラメトキシシラン160gとメタノール40gの混合液を徐々に滴下することにより、コロイダルシリカ/アルコール分散体を得た。次いで、エバポレーターにより、80℃でこの分散体にイオン交換水を添加しながらアルコール分を除去する操作を数回繰り返して分散体中のアルコールを除き、固形分濃度15%のコロイダルシリカA1を含む水分散体を調製した。
(2)コロイダルシリカA2を含む水分散体の調製
上記で調製されたコロイダルシリカA1を含む水分散体1000gを撹拌しながら60℃に昇温し、更にメルカプト基含有シランカップリング剤(信越化学工業株式会社製、商品名「KBE803」)1gを投入し、さらに2時間撹拌を継続した。その後、35%過酸化水素水を8g投入し、8時間撹拌しながら60℃に保持した。その後、室温まで冷却して、スルホ基で修飾されたコロイダルシリカA2の水分散体を得た。
この水分散体の一部を取り出しイオン交換水で希釈したサンプルについて、動的光散乱式粒子径測定装置(株式会社堀場製作所製、型式「LB550」)を用い、算術平均径を平均粒子径として測定したところ、68nmであった。また、ゼータ電位測定装置(Dispersion Technology Inc.製、型式「DT300」)を用い、この水分散体をコロイダルシリカA2が1質量%となるようにイオン交換水で希釈して、pH2.4に調整したときのコロイダルシリカA2のゼータ電位は-34mVであった。なお、インテグリス社製の孔径が0.3μmのポリプロピレン濾過フィルター(型番Planargard PCL0301E6)に3回通過させた濾過後のコロイダルシリカA2のゼータ電位は-31mVであった。
(3)コロイダルシリカA3を含む水分散体の調製
上記で調製されたコロイダルシリカA1を含む水分散体1000gに28%アンモニア水を加えてpH10.2に調整した。この溶液に、メタノール19gと3-アミノプロピルトリメトキシシラン1gの混合液を、液温を30℃に保ちつつ10分かけて滴下した後、常圧下2時間還流を行うことにより、アミノ基で修飾されたコロイダルシリカA3を含む水分散体を得た。
この水分散体の一部を取り出しイオン交換水で希釈したサンプルについて、動的光散乱式粒子径測定装置(株式会社堀場製作所製、型式「LB550」)を用い、算術平均径を平均粒子径として測定したところ、68nmであった。また、ゼータ電位測定装置(Dispersion Technology Inc.製、型式「DT300」)を用い、この水分散体をコロイダルシリカA3が1質量%となるようにイオン交換水で希釈して、pH2.4に調整したときのコロイダルシリカA3のゼータ電位は+29mVであった。なお、インテグリス社製の孔径が0.3μmのポリプロピレン濾過フィルター(型番Planargard PCL0301E6)に3回通過させた濾過後のコロイダルシリカA3のゼータ電位は+25mVであった。
(4)コロイダルシリカA4を含む水分散体の調製
容量2000cmのフラスコに、28%アンモニア水60g、イオン交換水1500gを入れ、180rpmで攪拌しながら80℃に昇温した。この溶液に、テトラメトキシシラン280gとメタノール75gの混合液を徐々に滴下することにより、コロイダルシリカ/アルコール分散体を得た。次いで、エバポレーターにより、60℃でこの分散体にイオン交換水を添加しながらアルコール分を除去する操作を数回繰り返して分散体中のアルコールを除き、固形分濃度15%のコロイダルシリカA4を含む水分散体を調製した。
この水分散体の一部を取り出しイオン交換水で希釈したサンプルについて、動的光散乱式粒子径測定装置(株式会社堀場製作所製、型式「LB550」)を用い、算術平均径を平均粒子径として測定したところ、27nmであった。また、ゼータ電位測定装置(Dispersion Technology Inc.製、型式「DT300」)を用い、この水分散体をコロイダルシリカA4が1質量%となるようにイオン交換水で希釈して、pH2.4に調整したときのコロイダルシリカA4のゼータ電位は-0.3mVであった。なお、インテグリス社製の孔径が0.3μmのポリプロピレン濾過フィルター(型番Planargard PCL0301E6)に3回通過させた濾過後のコロイダルシリカA4のゼータ電位は-1mVであった。
(5)コロイダルシリカA5を含む水分散体の調製
容量2000cmのフラスコに、トリエタノールアミン6g、イオン交換水1500gを入れ、180rpmで攪拌しながら70℃に昇温した。この溶液に、テトラメトキシシラン280gを徐々に滴下することにより、コロイダルシリカ/メタノール分散体を得た。次いで、エバポレーターにより、60℃でこの分散体にイオン交換水を添加しながらメタノール分を除去する操作を行い、分散体中のメタノールを除き、固形分濃度15%のコロイダルシリカA5を含む水分散体を調製した。
この水分散体の一部を取り出しイオン交換水で希釈したサンプルについて、動的光散乱式粒子径測定装置(株式会社堀場製作所製、型式「LB550」)を用い、算術平均径を平均粒子径として測定したところ、15nmであった。
また、ゼータ電位測定装置(Dispersion Technology Inc.製、型式「DT300」)を用い、この水分散体をコロイダルシリカA5が1質量%となるようにイオン交換水で希釈して、pH2.4に調整したときのコロイダルシリカA5のゼータ電位は-0.3mVであった。なお、インテグリス社製の孔径が0.3μmのポリプロピレン濾過フィルター(型番Planargard PCL0301E6)に3回通過させた濾過後のコロイダルシリカA5のゼータ電位は-1mVであった。
(6)コロイダルシリカA6を含む水分散体の調製
容量2000cmのフラスコに、上記で調製されたコロイダルシリカA5を含む水分散体120g、イオン交換水1300g、トリエタノールアミン10gを入れ、180rpmで攪拌しながら70℃に昇温した。この溶液に、テトラメトキシシラン280gを徐々に滴下することにより、コロイダルシリカ/メタノール分散体を得た。次いで、エバポレーターにより、60℃でこの分散体にイオン交換水を添加しながらメタノール分を除去する操作を行い、分散体中のメタノールを除去し、固形分濃度15%のコロイダルシリカA6を含む水分散体を調製した。
この水分散体の一部を取り出しイオン交換水で希釈したサンプルについて、動的光散乱式粒子径測定装置(株式会社堀場製作所製、型式「LB550」)を用い、算術平均径を平均粒子径として測定したところ、38nmであった。また、ゼータ電位測定装置(Dispersion Technology Inc.製、型式「DT300」)を用い、この水分散体をコロイダルシリカA6が1質量%となるようにイオン交換水で希釈して、pH2.4に調整したときのコロイダルシリカA6のゼータ電位は+2.6mVであった。なお、インテグリス社製の孔径が0.3μmのポリプロピレン濾過フィルター(型番Planargard PCL0301E6)に3回通過させた濾過後のコロイダルシリカA6のゼータ電位は+3.5mVであった。
(7)コロイダルシリカA7を含む水分散体の調製
容量2000cmのフラスコに、上記で調製されたコロイダルシリカA5を含む水分散体120g、イオン交換水1300g、トリエタノールアミン10gを入れ、180rpmで攪拌しながら70℃に昇温した。この溶液に、テトラメトキシシラン200gを徐々に滴下することにより、コロイダルシリカ/メタノール分散体を得た。次いで、エバポレーターにより、60℃でこの分散体にイオン交換水を添加しながらメタノール分を除去する操作を行い、分散体中のメタノールを除き、固形分濃度15%のコロイダルシリカA7を含む水分散体を調製した。
この水分散体の一部を取り出しイオン交換水で希釈したサンプルについて、動的光散乱式粒子径測定装置(株式会社堀場製作所製、型式「LB550」)を用い、算術平均径を平均粒子径として測定したところ、33nmであった。また、ゼータ電位測定装置(Dispersion Technology Inc.製、型式「DT300」)を用い、この水分散体をコロイダルシリカA7が1質量%となるようにイオン交換水で希釈して、pH2.4に調整したときのコロイダルシリカA7のゼータ電位は+1.8mVであった。なお、インテグリス社製の孔径が0.3μmのポリプロピレン濾過フィルター(型番Planargard PCL0301E6)に3回通過させた濾過後のコロイダルシリカA7のゼータ電位は+3mVであった。
(8)コロイダルシリカA8を含む水分散体の調製
容量2000cmのフラスコに、上記で調製されたコロイダルシリカA5を含む水分散体120g、イオン交換水1300g、トリエタノールアミン10gを入れ、180rpmで攪拌しながら70℃に昇温した。この溶液に、テトラメトキシシラン570gを徐々に滴下することにより、コロイダルシリカ/メタノール分散体を得た。次いで、エバポレーターにより、60℃でこの分散体にイオン交換水を添加しながらメタノールを除去する操作を行い、分散体中のメタノールを除き、固形分濃度15%のコロイダルシリカA8を含む水分散体を調製した。
この水分散体の一部を取り出しイオン交換水で希釈したサンプルについて、動的光散乱式粒子径測定装置(株式会社堀場製作所製、型式「LB550」)を用い、算術平均径を平均粒子径として測定したところ、57nmであった。また、ゼータ電位測定装置(Dispersion Technology Inc.製、型式「DT300」)を用い、この水分散体をコロイダルシリカA8が1質量%となるようにイオン交換水で希釈して、
pH2.4に調製したときのゼータ電位は+4.6mVであった。なお、インテグリス社製の孔径が0.3μmのポリプロピレン濾過フィルター(型番Planargard PCL0301E6)を3回通過させた濾過後のコロイダルシリカA8のゼータ電位は+3.5mVであった。
(9)コロイダルシリカA9を含む水分散体の調製
容量2000cmのフラスコに、上記で調製されたコロイダルシリカA1を含む水分散体1000gに28%アンモニア水を加えてpH10.2に調整した。この溶液に、メタノール19gと3-アミノプロピルトリメトキシシラン0.5gの混合液を、液温を30℃に保ちつつ10分かけて滴下した後、常圧下2時間還流を行うことにより、アミノ基修飾コロイダルシリカA9を含む水分散体を得た。
この水分散体の一部を取り出しイオン交換水で希釈したサンプルについて、動的光散乱式粒子径測定装置(株式会社堀場製作所製、型式「LB550」)を用い、算術平均径を平均粒子径として測定したところ、65nmであった。また、ゼータ電位測定装置(Dispersion Technology Inc.製、型式「DT300」)を用い、この水分散体をコロイダルシリカA9が1質量%となるようにイオン交換水で希釈して、pH2.4に調製したときのゼータ電位は+20mVであった。なお、インテグリス社製の孔径が0.3μmのポリプロピレン濾過フィルター(型番Planargard PCL0301E6)を3回通過させた濾過後のコロイダルシリカA9のゼータ電位は10mVであった。
4.2.化学機械研磨用水系分散体の調製
上記で調製したコロイダルシリカを含む水分散体の何れかの所定量を容量5リットルのポリエチレン製の瓶に投入し、これに表1又は表2に記載のアミン化合物、金属硝酸塩又は金属硫酸塩、及びキレート剤を各々の含有量となるように添加し、十分に攪拌した。その後、pH調整剤として硝酸を添加し、pHを表1又は表2に示す値となるように調整した。その後、孔径0.3μmのフィルターで濾過し、実施例1~5及び比較例1~9の化学機械研磨用水系分散体を得た。なお、後述の各種評価試験行う直前に、35質量%過酸化水素水を過酸化水素に換算して2質量%となるように、上記で調製した化学機械研磨用水系分散体にそれぞれ添加した。
4.3.評価方法
4.3.1.研磨速度の評価
上記で調製した化学機械研磨用水系分散体を用いて、タングステンウエハ、二酸化ケイ素ウエハ、及び窒化チタンウエハを被研磨体として、下記の研磨条件で1分間の化学機械研磨試験を行い、研磨速度を評価した。評価基準は下記の通りである。その結果を表1及び表2に併せて示す。
<研磨条件>
・研磨装置:東京精密社製、型式「ChaMP」
・研磨パッド:ニッタ・ハース製、「IC1000」
・化学機械研磨用水系分散体供給速度:200mL/分
・定盤回転数:80rpm
・ヘッド回転数:70rpm
・ヘッド押し付け圧:4psi
研磨速度(nm/分)=(研磨前の各膜の厚さ-研磨後の各膜の厚さ)/研磨時間
なお、二酸化ケイ素膜の厚さは、n&k Technology社製、型式「Analyzer1512」により測定し、タングステン膜及び窒化チタン膜の厚さは、抵抗率測定機(CDE社製、型式「ResMap」)により直流4探針法で抵抗を測定し、このシ
ート抵抗値とタングステン膜又は窒化チタン膜の体積抵抗率とから下記式によって算出した。
膜の厚さ(nm)=[タングステン膜又は窒化チタン膜の体積抵抗率(Ω・m)÷シート抵抗値(Ω))]×10
<タングステン膜の評価基準>
・タングステン膜の研磨速度が400nm/分以上である場合、研磨速度が十分に大きいため実際のデバイスウエハ研磨において高速処理が可能であり、実用的であるため特に良好と判断し、表1及び表2中に「◎」と表記した。
・タングステン膜の研磨速度が300nm/分以上400nm/分未満である場合、研磨速度が大きいため実際のデバイスウエハ研磨において高速処理が可能であり、実用的であるため良好と判断し、表1及び表2中に「○」と表記した。
・研磨速度が300nm/分未満である場合、研磨速度が小さいため、実用困難であり不良と判断し、表1及び表2中に「×」と表記した。
<二酸化ケイ素膜の評価基準>
・二酸化ケイ素膜の研磨速度が40nm/分以上である場合、研磨速度が十分に大きいため実際のデバイスウエハ研磨において高速処理が可能であり、実用的であるため特に良好と判断し、表1及び表2中に「◎」と表記した。
・二酸化ケイ素膜の研磨速度が20nm/分以上40nm/分未満である場合、研磨速度が大きいため実際のデバイスウエハ研磨において高速処理が可能であり、実用的であるため良好と判断し、表1及び表2中に「○」と表記した。
・二酸化ケイ素膜の研磨速度が20nm/分未満である場合、研磨速度が小さいため、実用困難であり不良と判断し、表1及び表2中に「×」と表記した。
<窒化チタン膜の評価基準>
・窒化チタン膜の研磨速度が300nm/分以上である場合、研磨速度が十分に大きいため実際のデバイスウエハ研磨において高速処理が可能であり、実用的であるため特に良好と判断し、表1及び表2中に「◎」と表記した。
・窒化チタン膜の研磨速度が200nm/分以上300nm/分未満である場合、研磨速度が大きいため実際のデバイスウエハ研磨において高速処理が可能であり、実用的であるため良好と判断し、表1及び表2中に「○」と表記した。
・窒化チタン膜の研磨速度が200nm/分未満である場合、研磨速度が小さいため、実用困難であり不良と判断し、表1及び表2中に「×」と表記した。
4.3.2.エッチング速度の評価
上記研磨速度の評価で使用したタングステンウエハと同じものを3cm×3cmに切断した試験片を被処理体として、液温60℃で、化学機械研磨用水系分散体中に5分間浸漬して、タングステン膜のエッチング速度を測定した。その評価基準は下記の通りである。その結果を表1及び表2に併せて示す。なお、エッチング速度は、上記研磨速度評価と同様にして測定した。
・エッチング速度(nm/分)=((エッチング前のタングステンウエハ重量-エッチング後のタングステンウエハ重量)/(タングステン密度×タングステン基板面積))/エッチング時間
<評価基準>
・エッチング速度が0nm/分以上5nm/分未満である場合、エッチング速度が特に小さいため実際のデバイスウエハ研磨において研磨速度とのバランスが容易に確保でき、実用的であるため特に良好と判断し、表1及び表2中で「◎」と表記した。
・エッチング速度が5nm/分以上10nm/分未満である場合、エッチング速度がやや
大きいため、実際のプリント基板研磨において研磨速度とのバランスを確保する必要があるが、実用可能であるため良好と判断し、表1及び表2中で「○」と表記した。
・エッチング速度が10nm/分以上である場合、エッチング速度が大きすぎるため、実用困難であり不良と判断し、表1及び表2中で「×」と表記した。
4.3.3.分散安定性の評価
各実施例及び各比較例の化学機械研磨用水系分散体を調製した後、60℃、常圧で静置し、5日間静置後の各化学機械研磨用水系分散体を目視にて観察することによって分散安定性を評価した。分散安定性の評価の指標としては、動的光散乱式粒子径測定装置(株式会社堀場製作所製、型式「LB550」)を用い、算術平均径を平均粒子径として、調製直後の平均粒子径と5日間静置後における平均粒子径との変化が5nm未満の場合を「◎」とし、5nm以上10nm未満の場合を「○」とし、10nm以上もしくはコロイダルシリカ砥粒の凝集沈降が生じている場合を「×」とし、その結果を表1及び表2に表記した。
4.4.評価結果
各実施例及び各比較例で使用した化学機械研磨用水系分散体の組成、物性、及び各評価結果を下表1及び下表2に示す。
Figure 0007028120000001
Figure 0007028120000002
上表1及び上表2において、各成分の数値は質量部を表す。また、各実施例及び各比較
例において、各成分の合計量は100質量部となり、残部はイオン交換水である。
上表1及び上表2中の各成分は、それぞれ下記の商品又は試薬を用いた。
<砥粒>
・A1~A9:上記で調製したコロイダルシリカA1~A9
<金属硝酸塩、金属硫酸塩>
・硝酸鉄:多摩化学工業社製、商品名「FN-376」
・硫酸鉄:富士フイルム和光純薬社製、商品名「硫酸鉄(II)七水和物」
<アミン化合物>
・ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム:竹本油脂製、商品名「パイオニンC-158D」
・N-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム:三洋化成工業株式会社製、商品名「レボン101-H」
<キレート剤>
・マロン酸:扶桑化学工業社製、商品名「マロン酸」
<酸化剤>
・過酸化水素:富士フイルム和光純薬株式会社製、商品名「過酸化水素水(30%)」
<pH調整剤>
・硝酸: 関東化学株式会社製、商品名「硝酸1.38」
実施例1~5の化学機械研磨用水系分散体によれば、タングステン膜、二酸化ケイ素膜、窒化チタン膜のいずれの材料も高速で研磨することができ、かつ、タングステン膜のエッチングを効果的に抑制できることがわかった。以上の結果より、実施例1~5の化学機械研磨用水系分散体は、配線材料、絶縁膜材料、及びバリアメタル材料の少なくとも1種以上の材料を有する基板に対して、良好な化学機械研磨を実現できると推測される。
一方、比較例1~9の化学機械研磨用水系分散体を用いた場合は、タングステン膜の研磨速度、タングステン膜の腐食抑制能のいずれかの項目が、実施例1~5の本発明に係る化学機械研磨用水系分散体と比べて劣る結果となった。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
42…スラリー供給ノズル、44…スラリー(化学機械研磨用水系分散体)、46…研磨布、48…ターンテーブル、50…基板、52…キャリアーヘッド、54…水供給ノズル、56…ドレッサー、100…研磨装置

Claims (10)

  1. コロイダルシリカ砥粒と、アミン化合物と、金属硝酸塩及び金属硫酸塩よりなる群から選択される少なくとも1種とを含有する化学機械研磨用水系分散体の製造方法であって、
    第三級アミン化合物が存在する水系媒体中において、シリコンアルコキシドを加水分解・縮合させる工程(I)と、
    前記工程(I)後に、さらに前記水系媒体にシリコンアルコキシドを滴下して、ゼータ電位が+1mV以上+5mV以下のコロイダルシリカ砥粒を成長させる工程(IV)と、
    前記工程(IV)後に、前記水系媒体に、アミン化合物と、金属硝酸塩及び金属硫酸塩よりなる群から選択される少なくとも1種と、を添加する工程(V)と、
    を含む、化学機械研磨用水系分散体の製造方法。
  2. さらに、前記工程(I)後かつ前記工程(IV)前に、前記水系媒体を濃縮してアルコール成分を除去する工程(II)を含む、請求項1に記載の化学機械研磨用水系分散体の製造方法。
  3. さらに、前記工程(I)後かつ前記工程(IV)前に、前記水系媒体に第三級アミンを添加する工程(III)を含む、請求項1または請求項2に記載の化学機械研磨用水系分散体の製造方法。
  4. さらに、前記工程(V)後に、過酸化水素を添加する工程(VI)を含む、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の化学機械研磨用水系分散体の製造方法。
  5. 前記化学機械研磨用水系分散体が、タングステン、二酸化ケイ素、及び窒化チタンよりなる群から選択される1種以上を含む基板研磨用である、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の化学機械研磨用水系分散体の製造方法。
  6. (A)+1mV以上+5mV以下の永久正電荷を有するコロイダルシリカ砥粒と、
    (B)金属硝酸塩及び金属硫酸塩よりなる群から選択される少なくとも1種と、
    (C)アミン化合物及びその塩よりなる群から選択される少なくとも1種と、
    (D)前記(C)成分以外のキレート剤と、
    を含有し、pHが1以上3以下である、化学機械研磨用水系分散体。
  7. 第三級アミン化合物が前記コロイダルシリカ砥粒に含まれている、請求項6に記載の化学機械研磨用水系分散体。
  8. 前記第三級アミン化合物が前記コロイダルシリカ砥粒に内包されている、請求項7に記載の化学機械研磨用水系分散体。
  9. タングステン、二酸化ケイ素、及び窒化チタンよりなる群から選択される1種以上を含む基板研磨用である、請求項6ないし請求項8のいずれか一項に記載の化学機械研磨用水系分散体。
  10. 請求項6ないし請求項9のいずれか一項に記載の化学機械研磨用水系分散体を用いて、タングステン、二酸化ケイ素、及び窒化チタンよりなる群から選択される1種以上を含む基板を研磨する工程を含む、化学機械研磨方法。
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