JP7028070B2 - トナー、現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
光輝性トナーに色味を持たせるために、特許文献1のように光輝性トナーとイエロートナーを併用する技術や、耐光性を向上させる目的で特許文献2のように光輝性顔料とイエロー顔料を併用する技術が知られている。
しかしながら、光輝性顔料は電気を通しやすいため帯電性が低くなってしまうという問題がある。また、光輝性顔料と他の顔料をあわせて用いることで帯電低下が更に顕著になるという問題がある。帯電性が低くなると地汚れなどを引き起こしてしまう。
光輝性顔料と着色顔料を含むトナーであって、すべての前記光輝性顔料は、その長手方向の中心部が前記トナーの内部に配置されており、前記着色顔料はイエロー顔料及びマゼンタ顔料を含み、前記イエロー顔料がイソインドリン顔料であり、前記イソインドリン顔料がC.I.ピグメントイエロー185であり、前記マゼンタ顔料は、C.I.ピグメントレッド122及びC.I.ピグメントレッド269から選ばれる1種以上であることを特徴とする。
本発明は、光輝性顔料と着色顔料を含むトナーであって、前記光輝性顔料は前記トナー内部に存在し、前記着色顔料はイエロー顔料を含み、前記イエロー顔料がイソインドリン顔料であることを特徴とする。
本発明に用いられる光輝性顔料としては、例えば、アルミニウム、黄銅、青銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛、銅、銀、金、白金などの金属粉末、金属蒸着された薄片状ガラス粉などが挙げられる。
なお、光輝性顔料が例えば鱗片状や扁平状であり平面性を有している場合、トナー内部で平行して並び、スタックした構造をとりやすくなるため好ましい。
図4にトナー断面の走査型電子顕微鏡(SEM)の画像の一例を示す。図4(A)は光輝性顔料51がトナー50内部に存在する例であり、図4(B)及び図4(C)は光輝性顔料51がトナー50内部に存在しない例である。
図3(A)及び図4(A)に示される例では、すべての光輝性顔料の長手方向中心部がトナー内部に配置されており、光輝性顔料がトナー内部に配置されている。
本発明のトナーに用いられる着色顔料はイエロー顔料を含み、前記イエロー顔料はイソインドリン顔料である。イソインドリン顔料は、下記構造式(1)に示されるイソインドリンを含む顔料である。
マゼンタ顔料としては、適宜変更することが可能であるが、例えば、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド269等が挙げられる。
本発明のトナーは、粉砕法や重合法など、公知の方法で作製することができる。
本発明のトナーは、例えば母体粒子と外添剤とからなり、例えば母体粒子は、溶解懸濁法によって調製することができる。
低温定着性の観点からポリエステル樹脂を使用することが好ましい。
前記ポリエステル樹脂としては、以下のポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物が挙げられ、いかなるものでも使用することができ、また数種のポリエステル樹脂を混合して使用しても良い。
ポリオール(1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、3,3’-ジフルオロ-4,4’-ジヒドロキシビフェニル等の4,4’-ジヒドロキシビフェニル類);ビス(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)メタン、1-フェニル-1,1-ビス(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テトラフルオロビスフェノールA)、2,2-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類;ビス(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)エーテル等のビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル類;上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。
ポリカルボン酸(2)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、3-フルオロイソフタル酸、2-フルオロイソフタル酸、2-フルオロテレフタル酸、2,4,5,6-テトラフルオロイソフタル酸、2,3,5,6-テトラフルオロテレフタル酸、5-トリフルオロメチルイソフタル酸、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ビフェニルジカルボン酸、3,3’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ビフェニルジカルボン酸、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-3,3’-ビフェニルジカルボン酸、ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物など)などが挙げられる。
なお、上記ポリカルボン酸は1種類単独又は2種以上の併用が可能で、上記に限定されるものではない。
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1~1/1、好ましくは1.5/1~1/1、更に好ましくは1.3/1~1.02/1である。
本発明のトナーは結着樹脂を含んでいてもよく、本発明に使用される結着樹脂は、粘弾性調整のために、ウレタン又は/及びウレア基を有する変性されたポリエステル樹脂(以下「変性ポリエステル樹脂」という)を含有していてもよい。
前記イソシアネート基を有するプレポリマーとしては、前記ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルを更にポリイソシアネート(3)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6-ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;及びこれら2種以上の併用が挙げられる。
ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1~1/1、好ましくは4/1~1.2/1、更に好ましくは2.5/1~1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化することがある。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐オフセット性が悪化することがある。
イソシアネート基を有するプレポリマー中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5~3個、更に好ましくは、平均1.8~2.5個である。1分子当たり1個未満では、鎖伸長及び/又は架橋後の変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐オフセット性が悪化することがある。
本発明のトナーは結晶性樹脂を含んでいてもよく、該結晶性樹脂は、ジオール成分とジカルボン酸成分によって合成されるポリエステル樹脂、ラクトン開環重合物、ポリヒドロキシカルボン酸重合物が好ましい例として挙げられる。また、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有する、例えば、ウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレア変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂等が挙げられる。中でも、ウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレア変性ポリエステル樹脂が、樹脂としての結晶性を保持しつつ、高い硬度を示す点で好ましい。
前記ウレタン変性ポリエステル樹脂は、例えば、ポリエステル樹脂と少なくとも2価以上のイソシアネート化合物との反応や、末端にイソシアネート基を有するポリエステル樹脂とポリオール成分との反応により得ることができる。
前記ポリエステル樹脂としては、例えば、ジオール成分とジカルボン酸成分との重縮合により合成される重縮合ポリエステル樹脂、ラクトン開環重合物、ポリヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、ジオールとジカルボン酸との重縮合ポリエステル樹脂が結晶性発現の観点から好ましい。
前記ジオール成分としては、脂肪族ジオールが好ましく、鎖炭素数が2~36の範囲であることが好ましい。脂肪族ジオールとしては、直鎖型と分岐型が挙げられるが、直鎖型脂肪族ジオールが好ましく、炭素数4~6の直鎖型脂肪族ジオールがより好ましい。ジオール成分としては複数のものを使用してもよいが、ジオール成分全体量に対して、直鎖型脂肪族ジオールの含有量は80mol%以上であることが好ましく、より好ましくは90mol%以上である。80mol%以上の場合は、樹脂の結晶性が向上し、低温定着性と耐熱保存性の両立性が良く、樹脂硬度が向上する傾向にあるので好ましい。
前記カルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸が好ましく、脂肪族ジカルボン酸としては、直鎖型と分岐型が挙げられるが、直鎖型ジカルボン酸がより好ましい。更に、直鎖型ジカルボン酸の中でも、炭素数6~12の飽和脂肪族ジカルボン酸が特に好ましい。
前記ポリエステル樹脂としてのラクトン開環重合物は、例えば、β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトンなどの炭素数3~12のモノラクトン(環中のエステル基数1個)等のラクトン類を金属酸化物、有機金属化合物などの触媒を用いて、開環重合させることにより得ることができる。これらのうち、好ましいラクトンは、結晶性の観点からε-カプロラクトンである。
前記ポリエステル樹脂としてのポリヒドロキシカルボン酸は、グリコール酸、乳酸(L体、D体、ラセミ体)などのヒドロキシカルボン酸を直接脱水縮合することで得られるが、グリコリド、ラクチド(L体、D体、メソ体)などのヒドロキシカルボン酸の2分子間もしくは3分子間脱水縮合物に相当する炭素数4~12の環状エステル(環中のエステル基数2~3個)を金属酸化物、有機金属化合物などの触媒を用いて、開環重合する方が分子量の調整の観点から好ましい。これらのうち、好ましい環状エステルは、結晶性の観点からL-ラクチド、及びD-ラクチドである。また、これらのポリヒドロキシカルボン酸は末端がヒドロキシル基やカルボキシル基となるように変性したものであってもよい。
前記イソシアネート成分としては、芳香族イソシアネート類、脂肪族イソシアネート類、脂環式イソシアネート類、芳香脂肪族イソシアネート類が挙げられ、中でも、NCO基中の炭素を除く炭素数が、6~20の芳香族ジイソシアネート、2~18の脂肪族ジイソシアネート、4~15の脂環式ジイソシアネート、8~15の芳香脂肪族ジイソシアネート及びこれらのジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。また、必要により、3価以上のイソシアネートを併用してもよい。
前記ウレア変性ポリエステル樹脂は、例えば、末端にイソシアネート基を有するポリエ
ステル樹脂とアミン化合物との反応により得ることができる。
前記アミン成分としては、脂肪族アミン類、芳香族アミン類が挙げられ、中でも炭素数2~18の脂肪族ジアミン類、炭素数6~20の芳香族ジアミン類が挙げられる。また、必要により、3価以上のアミン類を使用してもよい。
前記ポリウレタン樹脂としては、ジオール成分とジイソシアネート成分とから合成されるポリウレタン樹脂等が挙げられるが、必要に応じて3価以上のアルコール成分やイソシアネート成分を用いてもよい。
該ジオール成分とジイソシアネート成分、3価以上のアルコール成分やイソシアネート
成分の具体例については、前述のものと同様である。
前記ポリウレア樹脂としては、ジアミン成分とジイソシアネート成分とから合成されるポリウレア樹脂等が挙げられるが、必要に応じて3価以上のアミン成分やイソシアネート成分を用いてもよい。
該ジアミン成分とジイソシアネート成分、3価以上のアミン成分やイソシアネート成分の具体例については、前述のものと同様である。
前記結晶性樹脂の融解熱の最大ピーク温度は、低温定着性と耐熱保存性の両立の観点から、45~70℃の範囲であることが好ましく、53~65℃がより好ましく、58~62℃が更に好ましい。45℃より低い場合は、低温定着性は良くなるが耐熱保存性が悪化したり、現像器内での撹拌ストレスによりトナー及びキャリアの凝集体を発生し易くなったりすることがあるため、好ましくない。一方、70℃より高い場合は、逆に耐熱保存性は良くなるが低温定着性が悪化することがあるため、好ましくない。
本発明のトナーはワックスを含んでいてもよく、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトンなどが挙げられる。
前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどが挙げられる。
前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミドなどが挙げられる。
前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミドなどが挙げられる。
前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトンなどが挙げられる。
これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
ポリオレフィンワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
前記長鎖炭化水素系ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、サゾールワックスなどが挙げられる。
前記外添剤としては、例えば無機微粒子が挙げられる。前記無機微粒子の一次粒子径は、5nm~2μmであることが好ましく、特に5nm~500nmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20~500m2/gであることが好ましい。前記無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01~5重量%であることが好ましく、特に0.01~2.0重量%であることが好ましい。
本発明の現像剤は、少なくとも前記トナーを含み、必要に応じてキャリア等の適宜選択されるその他の成分を含む。
キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する保護層とを有するものが好ましい。
前記芯材としては、磁性を有する粒子であれば特に限定されるものではなく、例えば、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル等が好適に挙げられる。また、近年著しく進む環境面への適応性を配慮した場合には、フェライトであれば、従来の銅-亜鉛系フェライトではなく、例えば、マンガンフェライト、マンガン-マグネシウムフェライト、マンガン-ストロンチウムフェライト、マンガン-マグネシウム-ストロンチウムフェライト、リチウム系フェライト等を用いることが好適である。
保護層は、少なくとも結着樹脂を含有しており、必要に応じて無機微粒子等の他の成分を含有していても良い。
キャリアの保護層を形成するための結着樹脂としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択できる。例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)やその変性品、スチレン、アクリル樹脂、アクリロニトリル、ビニルアセテート、ビニルアルコール、塩化ビニル、ビニルカルバゾール、ビニルエーテル等を含む架橋性共重合物;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂又はその変性品(例えば、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリイミド等による変性品);ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;ユリア樹脂;メラミン樹脂;ベンゾグアナミン樹脂;エポキシ樹脂;アイオノマー樹脂;ポリイミド樹脂、及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂が特に好ましい。
前記保護層には、必要に応じて微粒子を含有させてもよく、該微粒子としては、特に制限はなく、従来公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属粉、酸化錫、酸化亜鉛、シリカ、酸化チタン、アルミナ、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、ホウ酸アルミニウム等の無機微粒子や、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリ(パラ-フェニレンスルフィド)、ポリピロール、パリレン等の導電性高分子、カーボンブラック等の有機微粒子等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
前記保護層の厚さとしては、0.1μm~5μmであることが好ましく、0.3μm~2μmであることがより好ましい。
キャリアへの保護層の形成法としては、特に制限はなく、従来公知の保護層形成方法が使用でき、結着樹脂又は結着樹脂前駆体を始めとする上述の保護層用の原料を溶解した保護層溶液を、芯材の表面に噴霧法又は浸漬法等を用いて塗布する方法が挙げられる。芯材表面に保護層溶液を塗布し、塗布層が形成されたキャリアを加熱することにより、結着樹脂又は結着樹脂前駆体の重合反応を促進させることが好ましい。該加熱処理は、保護層形成後、引き続きコート装置内で行ってもよく、あるいは、保護層形成後、通常の電気炉や焼成キルン等、別の加熱手段によって行ってもよい。
前記キャリアの体積平均粒径は、10~100μmの範囲であることが好ましく、20~65μmの範囲であることがより好ましい。前記キャリアの体積平均粒径が、10μm未満では前記芯材粒子の均一性が低下することに起因するキャリア付着が発生することがあり、100μmを超える場合には画像細部の再現性が悪く精細な画像が得られないことがある。
画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
画像形成装置は、感光体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
前記静電潜像形成工程は、感光体(静電潜像担持体などとも称される)上に静電潜像を形成する工程である。
前記感光体としては、その材質、形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、形状としてはドラム状が好適に挙げられる。材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)等が挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記感光体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記感光体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記感光体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、感光体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって感光体表面を帯電するものが好ましい。
また、前記帯電器が、感光体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって感光体表面を帯電するものが好ましい。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系等の各種露光器が挙げられる。
なお、前記感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、前記現像剤を収容し、前記静電潜像に該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適であり、前記現像剤入り容器を備えた現像器等がより好ましい。
前記現像器に収容させる現像剤は、前記現像剤である。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器等が挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着させる工程であり、各色の現像剤に対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色の現像剤に対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。定着工程は定着装置を用いて行うことができる。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ等が挙げられる。
なお、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例え
ば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記感光体上に残留する前記トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができる。例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
以下、本発明の画像形成装置の一実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、タンデム型の画像形成装置の概略図を説明したものである。
像担持体である感光体ドラム01の周囲には、当該ドラム表面を帯電するための帯電装置02、一様帯電処理面に潜像を形成するためのレーザー光線でなる露光03、ドラム表面の潜像に帯電トナーを付着することでトナー像を形成する現像装置05、形成されたドラム上のトナー像を被転写体へ転写するための転写装置07、ドラム上の残留トナーを除去するためのクリーニング装置012が順に配置されている。
クリーニングブレードにより除去されたトナーはコイル018などで搬送され廃トナー収納部に収納される。
本発明のプロセスカートリッジは、感光体と、該感光体上の静電潜像を現像剤で現像する現像手段とを有し、画像形成装置本体に着脱可能である。
図2にプロセスカートリッジの一実施形態の概略図を示す。本実施形態はトナー補給容器が連結したプロセスカートリッジの一例である。本実施形態のプロセスカートリッジには、トナー補給容器031が連結し、トナー補給容器内はトナーの流動性を保つために攪拌パドル030などで常に攪拌しておくことが好ましい。
<水相の調製>
撹拌棒及び温度計を備えた反応容器に、水683部、メタクリル酸のエチレンオキサイド付加物の硫酸エステルのナトリウム塩エレミノールRS-30(三洋化成工業社製)16部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸n-ブチル110部及び過硫酸アンモニウム1部を入れた後、400rpmで15分間撹拌した。次に、75℃まで昇温した後、5時間反応させた。更に、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加えた後、75℃で5時間熟成して、[ビニル系樹脂分散液]を得た。レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA-920(堀場製作所社製)を用いて、[ビニル系樹脂分散液]の体積平均粒径を測定したところ、14nmであった。また、ビニル系樹脂は、酸価が45mgKOH/g、重量平均分子量が300000、ガラス転移点が60℃であった。
次いで、水455部、[ビニル系樹脂分散液]7部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%の水溶液エレミノールMON-7(三洋化成工業社製)17部及び酢酸エチル41部を混合撹拌し、[水相]を得た。(合計520部)
攪拌棒及び温度計を備えた反応槽中に、キシレン480部、パラフィンワックスHNP-9(日本精鑞社製)100部を入れて溶解するまで加熱した後、窒素置換し、170℃まで昇温した。次に、スチレン740部、アクリロニトリル100部、アクリル酸ブチル60部、ジ-t-ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート36部及びキシレン100部の混合液を3時間で滴下した後、170℃で30分間保持した。更に、脱溶剤し、[ワックス分散剤1]を得た。
撹拌棒及び温度計を備えた容器中に、パラフィンワックスHNP-9(日本精鑞社製)150部、[ワックス分散剤1]15部及び酢酸エチル335部を入れた後、撹拌下、80℃まで昇温し、80℃で5時間保持した。次に、1時間で30℃まで冷却した後、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、送液速度を1kg/h、ディスクの周速度を6m/s、直径が0.5mmのジルコニアビーズを80体積%充填して、3パスの条件で、分散させ、[ワックス分散液W1]を得た。得られたワックス分散液の粒子径はLA-920(堀場製作所製)で測定したところ350nmであった。(ワックスの固形分濃度22.6%)
冷却管、撹拌機及び窒素挿入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2mol付加物222部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2mol付加物129部、イソフタル酸166部及びテトラブトキシチタネート0.5部を入れた後、窒素気流下、生成する水を留去しながら、230℃で8時間反応させた。次に、5~20mmHgの減圧下で反応させ、酸価が2mgKOH/gになった時点で180℃(常圧)まで冷却した後、無水トリメリット酸35部を加えて3時間反応させ、[非結晶性ポリエステル樹脂R2]を得た。[非結晶性ポリエステル樹脂R2]は、重量平均分子量が8000、ガラス転移点が62℃であった。
温度計及び撹拌機を備えた容器中に、
・[非結晶性ポリエステル樹脂R2] 100部
・酢酸エチル 105部
を入れ攪拌して溶解させた。
・[ワックス分散液W1] 22部
・光輝性顔料:小粒径アルミニウムペースト顔料 20部(固形分)
(東洋アルミ社製2173YC(酢酸プロピル分散体、固形分50%))
・イエロー顔料:C.I.ピグメントイエロー139 1.6部
を加えた後、TK式ホモミキサー(特殊機化社製)を用いて、氷浴で内温を20℃にキープしながら、5000rpmで1時間混合した後、酢酸エチルを加えて固形分濃度が50質量%になるようにし、[油相1]を得た。(固形分48.2%)
[母体粒子]100部及び疎水化処理シリカHDK-2000(ワッカー・ケミー社製)1部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて、周速を30m/sとして30秒間混合した後、1分間休止する操作を5回繰り返した。次に、目開きが35μmのメッシュを用いて篩い、実施例1の[トナー]を得た。
イエロー顔料の種類と、光輝性顔料100重量部に対するイエロー顔料の添加部数を表1に示すものに変える以外は、実施例1と同様に作製し、実施例2~9、比較例1~2のトナーを得た。
なお、「P.Y.」とあるのは「C.I.ピグメントイエロー」を表し、「P.R.」とあるのは、「C.I.ピグメントレッド」を表す。
イエロー顔料の種類と、光輝性顔料100重量部に対するイエロー顔料の添加部数を表1に示すものに変え、またマゼンタ顔料についても表1に示す種類・量を加えた以外は、実施例1と同様に作製し、実施例10のトナーを得た。
イエロー顔料を添加せずに、実施例1と同様に作製し、比較例3のトナーを得た。
光輝性顔料として、アルミニウム粉末をボールミルで粉砕したものを使用した以外は実施例1と同様に作製し、比較例4のトナーを得た。
<光輝性顔料の配置>
上記得られたトナーについて、トナー粒子の断面をSEMで観察しながらEDSで元素分析をすることにより、光輝性顔料がトナー内部に配置されているか確認した。その結果、実施例及び比較例1~3で得られたトナーは光輝性顔料がトナー内部に配置されており、比較例4で得られたトナーは表面に配置されていた。
リコー製カラー電子写真装置(RICOH MP C6003)を用いて、白ベタ画像1万枚出力後、白ベタ画像印字中の感光体上の付着トナーをスコッチテープで剥ぎ取ったものを白紙に貼り付けた。分光濃度計を用いて、テープをそのまま同じ白紙に貼り付けたものとのΔE(色差)をX-Rite社製:X-Rite938を用いて測定し、4段階で評価した。
◎:ΔEが3未満
○:ΔEが3以上5未満
△:ΔEが5以上7未満
×:ΔEが7以上
Imagio Neo C600 Pro(リコー社製)を用いて、コート紙(PODグロスコート紙 王子製紙社製)上に、トナーの付着量が0.50±0.10mg/cm2、サイズが3cm×8cmのベタ画像を形成し出力画像を評価した。測定にはX-Rite社製:X-Rite938で色相角を用いた。色相は色相角で判断し、以下の基準で行った。「△」以上を合格レベルとした。
◎:80°以上95°未満
○:75°以上80°未満、又は、95°以上105°未満
△:65°以上75°未満、又は、105°以上115°未満
×:65°未満、又は、115°以上
◎:きれいな金色
○:黄色・赤色がやや気になる
△:黄色・赤色が気になる
×:金色とはいえない
02 帯電装置
02’ 帯電ローラ
03 露光
04 トナー補給容器
05 現像装置
07 転写装置
08 2次転写ローラー
09 定着装置
010 廃トナー受け
011 感光体用クリーニングブレード
012 クリーニング装置
013 中間転写ベルト
014 中間転写ベルト用クリーニングブレード
015 センサ
016 中間転写ベルト用クリーニングユニット
017 クリーニング対向ローラ
018 コイル
030 攪拌パドル
031 トナー補給容器
032 搬送手段
033 現像装置
034 アジテータ
035 現像ローラ
036 供給ローラ
037 トナー輸送部材
038 トナー室
039 感光体用クリーニングブレード
040 廃トナー搬送スクリュー
041 規制ブレード
042 感光体ドラム
50 トナー
51 光輝性顔料
Claims (6)
- 光輝性顔料と着色顔料を含むトナーであって、
すべての前記光輝性顔料は、その長手方向の中心部が前記トナーの内部に配置されており、
前記着色顔料はイエロー顔料及びマゼンタ顔料を含み、
前記イエロー顔料がイソインドリン顔料であり、
前記イソインドリン顔料がC.I.ピグメントイエロー185であり、
前記マゼンタ顔料は、C.I.ピグメントレッド122及びC.I.ピグメントレッド269から選ばれる1種以上であることを特徴とするトナー。 - 前記着色顔料は前記光輝性顔料100重量部に対して10~35重量部含まれることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 請求項1又は2に記載のトナーを用いたことを特徴とする現像剤。
- 感光体と、該感光体上の静電潜像を現像剤で現像する現像手段とを有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
前記現像剤は、請求項3に記載の現像剤であることを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 感光体と、
該感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像を、現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写された可視像を定着させる定着手段とを含み、
前記現像剤は、請求項3に記載の現像剤であることを特徴とする画像形成装置。 - 感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像を、現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、
前記記録媒体に転写された可視像を定着させる定着工程とを含み、
前記現像剤は、請求項3に記載の現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
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