JP7027100B2 - 現像装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents

現像装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、記録材に画像を形成する電子写真プリンタ、電子写真複写機などの画像形成装置に用いられる現像装置及びプロセスカートリンジまたは画像形成装置に関する。
一般的には、現像装置は現像ローラと現像ローラ上のトナーを規制する現像ブレードを備え、現像ブレードは、現像ローラ上のトナー層を均一に形成しながら、摩擦帯電によってトナーを帯電させる構成である。
例えば、特許文献1では、現像ブレードの一端(固定端)が容器枠体に支持され、他端(自由端)が現像ローラの外周面と接触するように配置されている。現像ブレードの自由端は固定端よりも現像ローラの回転方向の上流側に配置されている。
また、特許文献1では、現像ブレードの自由端(先端)を外側に折り曲げることにより、現像ローラの回転方向において接触部よりも上流側には、現像ブレードと現像ローラによって区画される対向空間(隙間)が形成される。このような対向空間の存在によって、接触部へのトナーの取り入れ量が増加し、帯電効率の向上も期待される。
特開平03-48876号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、接触部の上流側に対向空間が形成されることにより、接触部における当接圧が低下しやすい場合がある。即ち、接触部より上流側の対向空間にトナー粉末が流入することによって、現像ブレードが現像ローラの外周面から離れる方向に押し上げられる力が発生する場合がある。この結果、現像ローラに対する現像ブレードの当接圧(または当接幅)が減少し、規制力や帯電性の低下などに起因する画像不良が発生する場合がある。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、接触部へのトナーの取り入れる量を向上させつつ、現像ブレードの当接圧の減少を抑制できる現像装置、プロセスカートリッジまたは画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の現像装置は、
現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に担持される現像剤を収容すると共に前記現像剤担持体を回転可能なように支持する現像枠体と、前記現像枠体に固定される固定端と前記固定端から前記現像剤担持体の回転方向の上流側へ延びる自由端とを備える支持部と、前記支持部の前記自由端に設けられ前記現像剤担持体と当接することにより前記現像剤担持体に担持される現像剤の厚みを規制する規制部と、を有する現像装置であって、
前記規制部は、
前記現像剤担持体に当接する第1の当接部と、
前記現像剤担持体の回転方向に関し前記第1の当接部よりも下流側において、前記現像剤担持体に当接する第2の当接部と、
前記現像剤担持体の回転方向に関し前記第1の当接部よりも上流側において、前記現像剤担持体から離れて該現像剤担持体と対向する第1の対向面部と、
前記現像剤担持体の回転方向に関し前記第1の当接部よりは下流側かつ前記第2の当接部よりは上流側において、前記現像剤担持体から離れて該現像剤担持体と対向する第2の対向面部と、を有し、
前記現像剤担持体の回転軸方向と直交する平面において前記支持部の前記固定端と前記自由端を仮想直線で連結したとき、前記現像剤担持体の外周における前記仮想直線と平行する接線が通過する接点の位置よりも、前記第1の当接部が前記現像剤担持体に当接する当接位置は、前記現像剤担持体の回転方向に関して下流側にあり、
前記第1の対向面部は、前記仮想直線に対して傾斜する傾斜面を有する、ことを特徴とする。
また、他の本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に形成される静電潜像を現像する前記現像装置と、を有し、画像形成装置の装置本体に着脱可能である、ことを特徴とする。
また、他の本発明の画像形成装置は、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に形成される静電潜像を現像する前記現像装置と、定着部と、を有する、ことを特徴とする。
また、他の本発明の画像形成装置は、前記プロセスカートリッジと、定着部と、を有する、ことを特徴とする。
本発明の現像装置、プロセスカートリッジまたは画像形成装置によれば、当接部へのトナーの取り入れる量を向上させつつ、現像剤担持体に対する規制部材の当接圧の減少を抑制できる。
(a)本発明の第1実施例に係る画像形成装置の現像ブレードの断面概念図;(b)第1実施例の現像ブレードにおける力的作用を示す概念図 本発明の第1実施例に係る画像形成装置の断面概念図 本発明の第1実施例に係る画像形成装置の制御を示す制御ブロック図 本発明の第1実施例に係る画像形成装置の現像ユニットの断面概念図 (a)本発明の第1実施例の第1比較例に係る現像ブレードの断面図;(b)第1比較例の現像ブレードにおける力的作用を示す概念図 (a)本発明の第1実施例の第2比較例に係る現像ブレードの断面図;(b)第2比較例の現像ブレードにおける力的作用を示す概念図 (a)本発明の第2実施例に係る画像形成装置の現像ブレードの断面概念図;(b)第2実施例の現像ブレードにおける力的作用を示す概念図 (a)本発明の第3実施例に係る画像形成装置の現像ブレードの断面概念図;(b)第3実施例の現像ブレードにおける力的作用を示す概念図 本発明の第3実施例に係る画像形成装置の現像ブレードにおける力的作用を示す概念図
本発明は、現像装置、プロセスカートリッジまたは画像形成装置のいずれかの形態としても実施可能である。
以下、本発明に関わるプロセスカートリッジが使用される電子写真画像形成装置100(以下、単に「画像形成装置100」と称する場合がある)を図面に則して説明する。なお、以下に説明する実施例は、例示的に本発明を説明するものであって、以下に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置関係などは、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれに限定するものではない。
ここで、電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成方式を用いて記録媒体(記録材)に画像を形成するものである。そして、電子写真画像形成装置の例としては、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えば、レーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。
また、プロセスカートリッジとは、帯電手段、現像手段またはクリーニング手段と感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に対して着脱可能とするものである。また、帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも1つと感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して電子写真画像形成装置本体に着脱可能とするものである。更に、少なくとも現像手段と感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して電子写真画像形成装置本体に着脱可能とするものをいう。
また、現像装置とは、感光体ドラム上の静電潜像を現像するための現像手段とそれを支持する現像枠体、及び前記現像手段に関わる部品とを一体化し、画像形成装置本体に着脱可能にしたものである。
また、現像容器とは、電子写真画像形成プロセスに用いられる現像剤を収納するためのユニットであり、現像剤を収納するための現像枠体や、収納された現像剤を送り出すための撹拌手段等で構成されている。
(第1実施例)
<電子写真画像形成装置>
本実施例に係る電子写真画像形成装置100(画像形成装置)の全体構成について、図2を用いて説明する。なお、図2は、第1実施例に係る画像形成装置の断面概念図である。
図2に示すように、本実施例の画像形成装置100は、インライン方式、中間転写方式を採用したフルカラーレーザープリンタである。
具体的には、画像形成装置100は、画像情報にしたがって、記録材P(例えば、記録紙、プラスチックシート)にフルカラー画像を形成することができる。画像情報は、画像読み取り装置、或いは、画像形成装置100に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器から、画像形成装置100に入力される。
また、画像形成装置100は、複数の画像形成部として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための第1、第2、第3、第4のプロセスカートリッジSa~Sdを有する。本実施例では、第1~第4のプロセスカートリッジSa~Sdは、鉛直方向と交差する方向に一列に配置されている。なお、本実施例では、第1~第4のプロセスカートリッジSa~Sdの構成及び動作は、形成する画像の色が異なることを除いて実質的に同じである。
以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを表すために符号に与えた添え字(a~d)は省略して、総括的に説明する。
本実施例では、画像形成装置100は、複数の像担持体として、鉛直方向と交差する方向に並設された4個のドラム型の電子写真感光体、すなわち、感光体ドラム1(1a~1d)を有する。感光体ドラム1は、図示しない駆動手段(駆動源)により回転駆動される。感光体ドラム1の周囲には、帯電ローラ2(2a~2d)、スキャナユニット(露光装置)3(3a~3d)、現像ユニット(現像装置)4(4a~4d)、感光体ドラムクリーニング装置5(5a、~5d)、が配置されている。
帯電ローラ2は、感光体ドラム1の表面を均一に帯電する帯電手段である。またスキャナユニット3は、パーソナルコンピュータ等のホスト機器から入力された画像情報からCPU(不図示)で演算された出力に基づき、レーザーを照射して感光体ドラム1上に静電像(静電潜像)を形成する露光手段である。現像ユニット4は、静電像を現像剤(以下、トナー)像として現像する現像手段である。
感光体ドラムクリーニング装置5は、転写後の感光体ドラム1の表面に残留したトナー(転写残トナー)を除去するクリーニング手段である。そして、感光体ドラム1と、感光体ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電ローラ2、現像ユニット4及び感光体ドラムクリーニング装置5は一体化され、プロセスカートリッジSを形成している。プロセスカートリッジSは、画像形成装置100に設けられた装着ガイド、位置決め部材などの装着手段を介して、画像形成装置100に着脱可能となっている。
また、4個の感光体ドラム1に対向して、感光体ドラム1上のトナー像を記録材Pに転写するための中間転写体としての中間転写ベルト10が配置されている。無端状のベルトで形成された中間転写ベルト10は、すべての感光体ドラム1に当接し、図示矢印R3方向(時計方向)に循環移動(回転)する。中間転写ベルト10は、複数の支持部材として、二次転写対向ローラ13、駆動ローラ11、テンションローラ12に掛け渡されている。
中間転写ベルト10の内周面側には、各感光体ドラム1に対向するように、一次転写手段としての、4個の一次転写ローラ14(14a~14d)が並設されている。一次転写ローラ14は、中間転写ベルト10を感光体ドラム1に向けて押圧し、中間転写ベルト10と感光体ドラム1とが当接する一次転写部を形成する。
また、中間転写ベルト10の外周面側において二次転写対向ローラ13に対向する位置には、二次転写手段としての二次転写ローラ20が配置されている。二次転写ローラ20は、中間転写ベルト10を介して二次転写対向ローラ13に圧接し、中間転写ベルト10と二次転写ローラ20とが当接する二次転写部を形成する。
トナー像が転写された記録材Pは、定着手段としての定着装置30に搬送される。定着装置30において記録材Pに熱及び圧力を加えられることで、記録材Pにトナー像が定着される。
なお、画像形成装置100は、所望の一つの画像形成部のみを用いて、又は、幾つか(全てではない)の画像形成部のみを用いて、単色又は、マルチカラーの画像を形成することもできるようになっている。
本実施例において画像形成装置100は、プロセススピードが100mm/secであり、A4サイズの記録紙に対応するプリンタである。
次に、本実施例の画像形成装置全体の制御を行うコントローラ200の構成について図3を参照して説明する。なお、図3は、本発明の第1実施例に係る画像形成装置の制御を示す制御ブロック図である。
図3に示すように、コントローラ200は、CPU回路部150、ROM151およびRAM152を内蔵する。CPU回路部150はROM151に格納されている制御プログラムに応じて、一次転写制御部201、二次転写制御部202、現像制御部203、露光制御部204、帯電制御部205を統括的に制御する。環境情報や紙厚さなどに対応するテーブルはROM151に格納されており、CPUが呼び出して反映される。RAM152は、制御データを一時的に保持し、また制御に伴う演算処理の作業領域として用いられる。
一次転写制御部201、二次転写制御部202は、それぞれ一次転写電源15と二次転写電源21を制御し、不図示の電流検出回路が検出する電流値に基づいて一次転写電源15と二次転写電源21から出力する電圧を制御している。コントローラ200は、ホストコンピュータ(不図示)から画像情報と印字命令を受信すると、各制御部(一次転写制御部、二次転写制御部、現像制御部、露光制御部、帯電制御部)を制御して印字動作に必要な画像形成動作を実行する。
<電子写真画像形成プロセス>
以下、本実施例の画像形成装置100を構成する各機能部における機能および画像形成プロセスについて説明する。
図2に示すように、画像形成時には、まず感光体ドラム1の表面が帯電ローラ2によって一様に帯電される。次に、ホスト機器から入力された画像情報からCPUで演算された出力に基づいてスキャナユニット3から発せられたレーザー光で帯電した感光体ドラム1の表面を走査露光し、感光体ドラム1上に画像情報に従った静電像が形成される。次に、感光体ドラム1上に形成された静電像は、現像ユニット4によってトナー像として現像される。
そして、一次転写ローラ14に、一次転写電圧印加手段としての一次転写電源15(高圧電源)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の電圧が印加される。これによって、感光体ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト10上に一次転写される。フルカラー画像の形成時には、上述のプロセスが、第1~第4のプロセスカートリッジSa~Sdにおいて順次に行われ、中間転写ベルト10上に各色のトナー像が次に重ね合わせて一次転写される。
その後、中間転写ベルト10の移動と同期が取られて記録材Pが二次転写部へと搬送される。そして、二次転写ローラ20に、二次転写電圧印加手段としての二次転写電源21(高圧電源)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の電圧が印加される。これによって、中間転写ベルト10上の4色トナー像は、記録材Pを介して中間転写ベルト10に当接している二次転写ローラ20の作用によって、給送手段によって搬送された記録材P上に一括して二次転写される。
トナー像が転写された記録材Pは、定着手段としての定着装置30に搬送される。定着装置30において、記録材Pは、熱及び圧力を加えられることで、転写されたトナー像が定着され、画像形成装置100から排出される。
なお、一次転写工程後に感光体ドラム1上に残留した一次転写残トナーは、感光体ドラムクリーニング装置5によって除去、回収される。
また、現像ユニット4は、現像剤担持体としての現像ローラ22(後述)を感光体ドラム1に対して接触させて反転現像を行うものとした。すなわち、感光体ドラム1の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーを、感光体ドラム1上の露光により電荷が減衰した部分(画像部、露光部)に付着させることで静電像を現像する現像ユニット4を用いた。
<プロセスカートリッジの構成>
次に、本実施例の画像形成装置100に装着されるプロセスカートリッジSの全体構成について説明する。各色用のプロセスカートリッジSは、図示しない識別部等を除き、同一形状を有する。
また、各色用のプロセスカートリッジSの現像ユニット4には、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーが収容されている。なお、本実施例では、現像ユニット4は、現像剤として非磁性一成分トナーを用いた。
プロセスカートリッジSは、感光体ドラム1、回転可能な帯電ローラ2と感光体ドラムクリーニング装置5を備えた感光体ユニットと、回転可能な現像ローラ22(現像剤担持体)等を備えた現像ユニット(現像装置)4と、を一体化して構成される。感光体ドラムクリーニング装置5は、感光体ドラム1の周面上に接触するように配置された感光体ドラムクリーニングブレード6を有している。
感光体ドラム1は、図示しない軸受を介して感光体ドラムクリーニングブレード6に対して回転可能に支持されている。感光体ドラム1は、図示しない駆動手段(駆動源)の駆動力が感光体ユニットに伝達されることで、画像形成動作に応じて図示矢印R1方向(反時計方向)に回転駆動される構成としている。
感光体ドラムクリーニング装置5は、感光体ドラムクリーニングブレード6で感光体ドラム1の表面から除去された転写残トナーがクリーニング枠体内に落下、収容される。帯電ローラ2は、導電性ゴムのローラ部が感光体ドラム1に加圧接触し、従動回転する構成とされている。
一方、現像ユニット4は、図4に示すように、主にトナーT(現像剤)を担持する現像ローラ22(現像剤担持体)と、現像ブレード23(規制部材)と、これらを固定する現像枠体24と、を備えている。なお、図4は、本実施例に係る画像形成装置の現像ユニットの断面概念図である。
図4に示すように、現像枠体24は、現像ローラ22が配置された現像室24aと、現像室24aから外界へつながる現像開口部(開口部)を封止する吹き出し防止シート24bと、を備えている。現像ブレード23の一端は現像枠体24に固定された固定部材25に固定され、現像ブレード23の他端が現像ローラ22に当接させられ、現像ローラ22上のトナーコート量規制と電荷付与が可能な構成とされている。
現像ローラ22は現像開口部に配置され、感光体ドラム1に当接可能とされている。なお、現像ローラ22は、例えば金属芯金22aにシリコンからなる基層22b、ウレタンからなる表層22cが順次積層された構成を有するローラであり、方向R4へ回転可能なように配置されている。
本実施例では、現像ローラ22と感光体ドラム1は、対向部において各々の表面が同方向(本実施例では重力方向の上方から下方に向かう方向)に移動するようにそれぞれ回転する。そして、現像ローラ22には所定の直流電圧が印加され、摩擦帯電によりマイナスに帯電されたトナーによって、感光体ドラム1の静電潜像が現像されて、トナー像が形成される。なお、本実施例では、現像ローラ22は、感光体ドラム1に接触して配置されているが、現像ローラ22は、感光体ドラム1に対して所定間隔を開けて近接配置される構成であってもよい。
<現像ブレード(規制部材)>
次に、本発明の最大の特徴である現像ブレード23について、図1または図4を用いて詳細に説明する。なお、図1(a)は、第1実施例に係る画像形成装置の現像ブレードの断面概念図であり、(b)は、第1実施例の現像ブレードにおける力的作用を示す概念図である。
図1に示すように、現像ブレード23は、主に弾性(ばね性)を有する材料で形成された支持部材23a(支持部)と、支持部材の先端(自由端23a1)に設けられ可撓性を有する当接部材23b(規制部)とを備える。現像ブレードの当接部材23bによって、現像ローラ22に担持されるトナーの厚みが規制され、トナーが摩擦帯電される。なお、支持部材23aの自由端とは反対側にある固定端23a2が固定部材25を介して現像枠体24(図4を参照する)に固定される。
具体的には、現像ブレード23は、現像ローラ22の長手方向に沿って配置され、現像ローラ22に当接し弾性変形可能な当接部材23bと、当接部材を支持する共に現像枠体24(現像容器)に支持される支持部材23aとを備えている。なお、現像枠体24は、現像ローラ22に担持されるトナーを収容し、現像ローラ22を回転可能に支持している。支持部材23aの自由端が、現像枠体24に固定されている固定端から、現像ローラ22の回転方向R4の上流側へ延びるように配置されている。
さらに、図1に示すように、当接部材23bは、現像ローラ22に当接する第1の当接部23b2と、現像ローラ22の回転方向R4に関し第1の当接部よりも下流側において、現像ローラに当接する第2の当接部23b3を備えている。
また、現像ローラ22の回転方向R4に関し、当接部材23bは、第1の当接部23b2よりも上流側において、現像ローラ22から離れて現像ローラと対向する第1の対向面部23b1を備えている。さらに、回転方向R4に関し、当接部材23bは、第1の当接部23b2よりは下流側かつ第2の当接部23b3よりは上流側において、現像ローラ22から離れて現像ローラと対向する第2の対向面部23b4を備えている。即ち、本実施例では、当接部材23bは、回転方向R4に関し、現像ローラ22との接触面が連続しない二つの当接部(23b2、23b3)を備えている。
図1(b)に示すように、現像ローラ22の回転軸方向と直交する平面において、支持部材23aの固定端(固定部材25側)と自由端(先端側)を仮想直線L0で連結したとき、現像ローラ22の外周における仮想直線L0と平行する接線L1が得られる。第1の当接部23b2が現像ローラ22に当接する当接位置(N1)は、接線L1が通過する接点Vの位置よりも、現像ローラの回転方向R4に関して下流側にある。なお、第2の当接部23b3の当接位置(N2)は、第1の当接部23b2の当接位置(N1)よりも、さらに回転方向R4に関して下流側にある。
後述するが、支持部材23aの弾性によって、支持部材23aの自由端に設けられた当接部材23bは、現像ローラ22側に向かう力(圧力)F1が発生する。一方、現像ローラ22がR4方向に沿って回転する際、トナーの流れによって当接部材23bが現像ローラ22から離れる方向の力(圧力/粉圧)F2も発生する。
また、第1の当接部23b2および第2の当接部23b3と現像ローラ22の当接位置(N1、N2)において、それぞれ力(摩擦力)F3、F4が発生する。この結果、当接位置(N1、N2)における実際の当接圧F10は、力F1~F4の合力により規定される。
本実施例では、現像ローラ22に対して、第2の当接部23b3における当接幅W2を、第1の当接部23b2における当接幅W1よりも大きくすることができる。即ち、図1(b)に示すように、回転方向の下流側に向かって接点Vから離れるにつれて、図面下方(現像ローラ22側)へ向かう力の成分(分力)が大きくなる(F4a>F3a)。よって、第1の当接部23b2よりも第2の当接部23b3の当接幅W2を大きくすることにより、より効果的に当接圧F10を発生させることができる。
本実施例では、現像ブレード23として、厚さ50~120μmの板バネ状のSUS板の支持部材23aを用い、支持部材23aのバネ弾性を利用して、当接部材23bの表面を現像ローラ22に当接させている。
なお、現像ブレード23は上記の構成に限らず、支持部材23aとしてSUS板の他に、例えばリン青銅やアルミニウム等の金属薄板(金属部材)を用いても良い。
一方、当接部材23bは、導電性ゴムで構成してもよい。例えば、当接部材23bは、支持部材23aの表面にポリアミドエラストマーやウレタンゴムやウレタン樹脂等からなる導電性樹脂からなる薄膜を被覆して形成したものを用いることができる。
第1の当接部23b2、第2の当接部23b3においては、現像ローラ22と当接する当接ニップ部N1、N2がそれぞれ形成されている。また、当接ニップ部N1、N2は、支持部材23aに対する現像ローラ22の最も近い位置(接点V)よりも現像ローラ22回転方向の下流に形成されている。
当接ニップ部N1、N2において、現像ローラ22が回転することにより、現像ローラ22および現像ブレード23との摺擦によりトナーが摩擦帯電され、電荷が付与される。同時に、当接部材23bによって、現像ローラ22上のトナーTの層厚が規制され、均一となるように層厚が規制される。なお、本実施例では、当接部材23bを現像ローラ22に対して当接圧F1=50 gf/cmの力で当接させた時に、第1、第2の当接部(23b2、23b3)と現像ローラ22の間の当接幅(ニップ幅)W1、W2は共に300~600 μmとなる。
本実施例では、第1の対向面部23b1は、短手方向において支持部材23aと略平行になるように構成されている。
<力的作用>
次に、本実施例の力的作用の原理について、詳細に説明する。
図1(b)に示すように、現像ローラ22が回転することにより、現像ローラ22と第1の対向面部23b1の間の(対向する)空間にトナーが供給される。その結果、第1の対向面部23b1の法線方向にトナーからの圧力F2が加わる。このため、現像ブレード23は現像ローラ22から離れる方向に押し上げられて、当接圧F10が減少する方向に力F2が働く。
一方、現像ブレード23は現像ローラ22と接触する第1の当接部23b2、第2の当接部23b3の複数か所で接触しているため、ニップ部N1、N2では現像ブレード23にそれぞれ摩擦力F3、F4が生じる。摩擦力F3、F4は、接点Vよりも現像ローラ22回転方向の下流で働くため、第1の対向面部23b1の法線方向に対しても摩擦力F3、F4の法線成分F3a、F4aが発生する。
この際、法線成分F3a、F4aは当接圧F1を減少させる方向の力F2とは逆方向に働くため、結果的に現像ブレード23が現像ローラ22から離れる方向に押し上げられる方向の力を減少(相殺)させることができる。その結果、現像ブレード23と現像ローラ22間に適正な当接圧F10が加わり、所定の当接幅W1、W2を得ることができる。
以上の力的作用により、現像ブレード23と現像ローラ22の当接圧や当接幅の減少を有効に抑制することができる。その結果、現像ブレード23によるトナー層の規制不良を抑制し、非画像形成部にトナーが付着する「カブリ」の発生に起因する画像不良を抑制することができる。
なお、現像ローラ22の半径をX(mm)とし、第1の当接部23b2と第2の当接部23b3の間の距離(ニップ部N1、N2間の距離)をWとしたとき、W=(0.30 ± 0.15)×X(mm)とすることできる。
これにより、現像ローラ22の接点Vよりも現像ローラ22の回転方向の下流に配置した第1の当接部23b2、第2の当接部23b3において摩擦力F3、F4が発生する。摩擦力F3、F4は、第1の対向面部23b1に働くトナーの圧力F2に抗する摩擦力F3、F4の第1の対向面部23b1の法線成分であるF3a、F4aが効果的に働き、現像ブレード23の当接圧F10を安定させることができる。
また、本実施例では、支持部材23aの自由端側における当接部材23bの先端面231から、第1の当接部23b2(先端面から最も近い位置)までの距離をLとしたとき、0.85mm ≦ L ≦ 2.00mmであることが好ましい。
距離Lが0.85mm以下の場合、第1の当接部23b2の上流側に位置する第1の対向面部23b1の幅が小さく、当接部へトナーの巻き込む力が低下しやすく、結果的にトナーに対する帯電性も低下しやすい。一方、距離Lが2.00mm以上の場合、第1の当接部23b2の上流側に位置する第1の対向面部23b1の幅が大きく、対向面部と現像ローラの間に入り込むトナー量が多くなるに連れ、現像ブレード23を押し上げる力も発生しやすい。この場合でも、当接部における当接圧が低下しやすく、結果的に規制不良や帯電不良を引き起こす可能性が高くなる。
また、第1の対向面部23b1に対して第1の当接部23b2の高さ(最大高さ)をHとしたとき、0.1mm ≦ H ≦ 0.3mmであることが好ましい。
高さHが0.1mm以下の場合、第1の当接部23b2によるトナーの巻き込む力が低下しやすく、結果的にトナーに対する帯電性が低下しやすい。一方、高さHが0.3mm以上の場合、対向面部と現像ローラの間に入り込むトナー量が多くなるに連れ、現像ブレード23を押し上げる力も発生しやすい。この場合でも、当接部における当接圧が低下しやすく、結果的に規制不良や帯電不良を引き起こす可能性が高くなる。
特に、従来では、トナーTは各トナー粒子の帯電量が不均一の場合があった。これは、トナーTは大きく分けて、3種類のトナー粒子を含むためと考えられる。
即ち、1つ目は、現像ローラ22と接触して電荷の授受を行ったトナー粒子T1である。2つ目は、逆に現像ローラ22と接触せず、電荷を授受しないトナー粒子T2である。そして、3つ目は、現像ローラ22と直接に接触しなかったものの、前記の現像ローラ22と接触し電荷を授受したトナー粒子T1と接触し、このトナー粒子T1より間接的に電荷を授受したトナー粒子T3である。
このようにトナーTは、現像ローラ22から授受した電荷量が異なるトナー粒子T1、T2、T3を有する。このため、感光体ドラム1上の静電潜像を現像する際に、画像形成部のトナー濃度が薄くなったり、非画像形成部にトナーが付着するカブリが発生したりして、画像不良を生じさせることがあった。
本実施例では、前述した通り、「距離L」と「高さH」をそれぞれ規定することにより、現像ローラ22と第1の対向面部23b1との間でより良くトナー粒子T1、T2、T3を互いに接触させることができる。これにより、トナーTの各トナー粒子が有する帯電量(電荷量)を平均化することができ、カブリ等の画像不良の発生を抑制することができる。
さらに、本実施例では当接ニップ部N1、N2の複数か所で現像ローラ22と現像ブレード23が接触しているため、トナーTは当接ニップ部N1、N2のそれぞれで摩擦帯電する機会を得ることができる。その結果、トナーTの各トナー粒子が有する帯電量(電荷量)の平均値を上昇させることができ、より良好な画像を提供することもできる。
なお、本実施例では、摩擦力Fを発生させるために当接部を2つとしたが、支持部材23aに対して現像ローラ22との最も近い位置(接点V)よりも下流に、3つ以上の当接部を設けて、3つ以上のニップ部Nを形成してもよい。
<実験結果>
本実施例による効果を以下の方法で確認することができる。
画像形成装置100を用いて、記録材P(記録紙)に記録動作を行う通紙実験を行った。なお、通紙実験は、低温低湿環境(15℃/10%)、常温常湿環境(23℃/50%)、高温高湿環境(30℃/80%)、においてそれぞれ2枚間欠で、2000枚で行った。
第1実施例の構成と、第1、第2比較例の構成において、規制不良などの画像不良の発生有無やカブリ発生有無などについて、上記の通紙実験を通じて検証を行った。
(第1比較例)
図5(a)は、第1実施例の第1比較例に係る現像ブレードの断面図であり、(b)は、第1比較例の現像ブレードにおける力的作用を示す概念図である。
図5(a)に示すように、第1比較例の当接部材23bは、現像ローラ22の回転方向の下流側から順に、第1の当接部23b2と第1の対向面部23b1とを備えている。第1の当接部23b2は、現像ローラ22に向かって突出し現像ローラ22と接触するように配置されている。一方、第1の対向面部は、一端が第1の当接部23b2につながり、他端が自由端となると共に、現像ローラ22と対向するように配置されている。
この第1の当接部23b2においては、現像ローラ22と接触する当接ニップ部N1が形成されている。当接ニップ部N1は、支持部材23aに対して現像ローラ22との最も近い位置(接点V)よりも現像ローラ22回転方向の下流に形成している。
当接ニップ部N1では、現像ローラ22が回転することにより、現像ローラ22との摺擦により摩擦帯電され、電荷が付与されると同時に、現像ローラ22上のトナーTの層厚が規制され、均一となるようにされている。
第1比較例では、当接部材23bを現像ローラ22に当接圧F1=50 gf/cmの力で当接させた時に、当接部材23bと現像ローラ22の間の当接幅(ニップ幅)W1は300~600 μmとなる構成とした。
(第2比較例)
図6(a)は、第1実施例の第2比較例に係る現像ブレードの断面図であり、(b)は、第2比較例の現像ブレードにおける力的作用を示す概念図である。
図6(a)に示すように、第2比較例の当接部材23bは、現像ローラ22の回転方向の下流側から順に、現像ローラ22に向かって突出し接触する第2の当接部23b3、第1の当接部23b2と、第1の対向面部23b1とを備えている。なお、第1の対向面部23b1は、一端が第1の当接部23b2につながり、他端が自由端となると共に、現像ローラ22と対向するように配置されている。
この第1の当接部23b2、第2の当接部23b3においては、現像ローラ22と接触する当接ニップ部N1、N2が形成されている。当接ニップ部N1、N2は、支持部材23aに対して現像ローラ22との最も近い位置(接点V)よりも現像ローラ22回転方向の上流に形成している。
なお、当接部材23bを現像ローラ22に当接する当接圧や、第1の当接部23b2、第2の当接部23b3と現像ローラ22との間の当接幅(ニップ幅)W1、W2などの条件は、実施例1の条件と同一である。
表1は、第1実施例、第1比較例および第2比較例の通紙実験による画像不良やカブリの発生有無の実験結果を示す。
Figure 0007027100000001
表1中の「○」は、規制不良(画像不良)やカブリ(トナーの非正常現像)の発生が無いことを意味する。一方、「×」は、当接圧の低下によってトナー層を規制できず、所望量以上のトナーが記録紙上に転写され、規制不良やカブリの発生が確認されたことを意味する。
表1に示すように、第1実施例の構成では、第1の対向面部23b1にかかるトナー粉圧F2に対して、現像ローラ22と現像ブレード23の当接を安定させる方向に、効果的に摩擦力F3およびF4を発揮させることができた。このため、各環境で画像不良が発生することがなかった。さらに、当接箇所(当接部)を複数設けたことによってトナーの摩擦帯電が向上し、トナー帯電性が低い傾向にある高温高湿環境においても精細な画像が維持された。
一方、第1比較例の構成では、第1の対向面部23b1におけるトナー粉圧F2に対して現像ローラ22と現像ブレード23の当接を安定させる方向に働く力が摩擦力F3のみである。このため、低温低湿環境において、当接圧の減少による規制不良が発生した。また、第1比較例では、当接箇所が1か所のため、摩擦帯電の機会が少なく、トナー帯電性が低い傾向にある高温高湿環境においてカブリが多く発生した。
第2比較例の構成では、当接箇所を複数設けたことによってトナーの摩擦帯電が向上したため、いずれの環境においてもカブリが少なかった。しかし、第1の対向面部23b1におけるトナー粉圧F2に対して現像ローラ22と現像ブレード23の間の摩擦力F3、F4は、当接方向から離れる方向に働く。このため、第1実施例や第1比較例に比べて、当接が弱くなり、低温低湿環境だけでなく常温常湿の環境でも規制不良が発生した。
このように、現像ブレード23と現像ローラ22との間の(楔形の)空間にトナーが進入し、現像ブレード23が現像ローラ22の外周面から離れる方向に変形させようとするトナー粉圧F2が加わる場合がある。本実施例の構成によれば、このような場合であっても、現像ブレード23と現像ローラ22との間にトナー粉圧に抗する複数の摩擦力によって当接状態を安定させることができるため、トナー層の規制不良を抑制し、画像不良の発生を軽減することができる。
(その他)
本実施例では、支持部材23aの先端(自由端)とは反対側にある一端(固定端)が固定部材25を介して現像枠体24(図4を参照する)に固定されているが、支持部材23aの固定端を直接に現像枠体24に固定してもよい。
また、本実施例では、当接部材23bが第1の当接部23b2と第2の当接部23b3の二つの当接部を有する形態を示したが、現像ローラ22に当接する当接部の数が3つ以上であってもよい。この場合、現像ローラ22の回転方向R4に関し、第1の当接部23b2は、全ての当接部のうち最も上流側に存在するように構成することが好ましい。なお、現像ブレードを押し上げる力F2を相殺できるように構成できれば、複数の当接部の一部を接点Vよりも回転方向R4の上流側に配置してもよい。
本発明の現像装置を、画像を形成する画像形成装置の装置本体に着脱可能なように構成してもよい。
また、本発明のプロセスカートリッジを、静電潜像が形成される像担持体と、像担持体に形成される静電潜像を現像する前述した現像ユニット(現像装置)と、を有するように構成し、画像形成装置の装置本体に着脱可能とすることができる。
また、本発明の画像形成装置を、前述した像担持体に形成される静電潜像を現像する現像ユニット(現像装置)と、定着器(定着部)と、を有するように構成してもよい。さらに、本発明の画像形成装置を、前述した現像ユニット(現像装置)を備えるプロセスカートリッジと、定着器(定着部)と、を有するように構成してもよい。
(第2実施例)
本発明の第2実施例は、第1実施例と基本的に同様な構成であり、以下に主に異なる点について図7を用いて説明する。
図7(a)は、本発明の第2実施例に係る画像形成装置の現像ブレードの断面概念図であり、(b)は、第2実施例の現像ブレードにおける力的作用を示す概念図である。
第1実施例では、当接部材23bの第1の対向面部23b1が仮想直線L0と略平行になるような構成に対し、第2実施例では、図7(a)に示すように、第1の対向面部23b1は仮想直線L0に対して傾斜するように形成されている。
具体的には、当接部材23bは、現像ローラ22と所定空間を介して対向し、仮想直線L0に対して傾斜した傾斜面23b10を持った第1の対向面部23b1を備えている。
なお、本実施例でも、当接部材23bは、現像ローラ22の回転方向の下流側から順に、現像ローラ22に向かって突出し接触する第2の当接部23b3、第1の当接部23b2と、第1の対向面部23b1の順に配置されている。また、第1の当接部23b2、第2の当接部23b3と現像ローラ22との間に、当接ニップ部N1、N2が形成されている。当接ニップ部N1、N2は、支持部材23aに対する現像ローラ22の最も近い位置(接点V)よりも現像ローラ22回転方向の下流に形成している。
また、本実施例では、図7(a)に示したとおり、傾斜面23b10が、第1の当接部23b2と第1の対向面部23b1の成す角度θが鈍角(>90°)となるように配置されている。
このように、本実施例では、第1の対向面部は、仮想直線L0に対して傾斜する傾斜面23b10を有することができる。また、傾斜面23b10は、現像ローラの回転方向R4に関して、上流側から下流側へ向けて、仮想直線L0から離れるように傾斜するように構成してもよい。
<力的作用>
次に、本実施例の力的作用の原理について説明する。
図7(b)に示すように、現像ローラ22が回転することにより、現像ローラ22と第1の対向面部23b1の間にトナーが供給され、第1の対向面部23b1の法線方向にトナーからの圧力F2が発生する。なお、本実施例では、第1の対向面部23b1に傾斜面23b10を設けることにより、トナーからの圧力F2の一部を支持部材23aの平行方向へと逃がすことができる。
これにより、現像ブレード23の当接方向の力F1と対向する力F2の、支持部材23aの法線成分F2a(F2a<F2)を減少させることができ、現像ブレードが押し上げられるのを一層抑制できる。その結果、摩擦力F3およびF4の作用も合わさり現像ブレード23と現像ローラ22との間に適正な当接圧F10が加わり、所定の当接幅W1、W2を形成することができる。
以上の力の作用により、現像ブレード23と現像ローラ22の当接圧や当接幅が減少を抑制することができる。その結果、現像ブレード23によるトナー層の規制不良、カブリ発生などの画像不良の発生を抑制することができる。
また、現像ブレード23に不図示のブレード電源から所定電圧を印加した場合、現像ローラ22と現像ブレード23の第1の当接部23b2、第2の当接部23b3との間の静電吸着力によって摩擦力F3、F4が強まる。その結果、前述した力的作用がより効果的に働き、現像ブレード23の当接圧F10を安定させることができる。
(第3実施例)
本発明の第2実施例は、第1実施例と基本的に同様な構成であり、以下に主に異なる点について図8、9を用いて説明する。
図8(a)は、本発明の第3実施例に係る画像形成装置の現像ブレードの断面概念図であり、(b)第3実施例の現像ブレードにおける力的作用を示す概念図である。また、図9は、本発明の第3実施例に係る画像形成装置の現像ブレードにおける力的作用を示す概念図である。
本実施例では、図8(a)に示すように、当接部材23bの第1対向面部23b1は、仮想直線L0に対して傾斜した傾斜面23b11を備えている。また、傾斜面23b11の傾斜角度、すなわち第1の対向面部23b1と第1の当接部23b2の成す角度θを鋭角(<90°)にすることで、後述する新たな力的作用をさらに有することができる。
なお、本実施例でも、当接部材23bは、現像ローラ22の回転方向の下流側から順に、第2の当接部23b3、第1の当接部23b2と、第1の対向面部23b1と、備えている。また、第1の当接部23b2、第2の当接部23b3と現像ローラ22との間に、当接ニップ部N1、N2が形成されている。当接ニップ部N1、N2は、支持部材23aに対する現像ローラ22の最も近い位置(接点V)よりも現像ローラ22回転方向の下流に形成している。
このように、本実施例では、傾斜面23b11は、現像ローラ22の回転方向R4に関して、上流側から下流側へ向けて、仮想直線L0に近づくように傾斜するように構成してもよい。特に、現像ローラ22の回転方向R4に沿ってみたとき、傾斜面23b11と、第1の当接部23b2との間に形成された角θが鋭角であることが好ましい。
<力的作用>
次に、本実施例の力的作用の原理について説明する。
図8(b)または図9に示すように、実施例3の構成でも、第1の当接部23b2、第2の当接部23b3と現像ローラ22に働く摩擦力F3、F4に関する効果、およびトナー圧力F2の一部を支持部材23aの平行方向へ逃がす効果は実施例2と同様である。
図9を用いて、実施例3の特有の力的作用について説明する。
図9に示すように、現像ブレード23を現像ローラ22に強く当接させた場合、支持部材23a(23a’)は撓むように変形する場合がある。このとき、当接圧F1には、実施例1、2では存在しない水平成分F1bも含まれる(発生される)。
この際、第1の対向面部23b1と第1の当接部23b2の成す角度を鋭角(<90°)にすることで、当接圧F1の水平成分F1bに対して同方向のトナー圧力F2の分力F2bを加えることができる。
その結果、支持部材23aの水平成分の分力が強められ、現像ブレード23を現像ローラ22へ安定して当接させることができる。このように、現像ブレード23を現像ローラ22へより安定して当接させることができ、現像ブレード23と現像ローラ22との間に適正な当接圧F10が加わり、所定の当接幅W1、W2を形成することができる。
100 画像形成装置
4 現像装置
22 現像ローラ(現像剤担持体)
23 現像ブレード
23a 支持部材(支持部)
23a1 自由端
23a2 固定端
23b 当接部材(規制部)
23b1 第1の対向面部
23b2 第1の当接部
23b3 第2の当接部
23b4 第2の対向面部
24 現像枠体
V 接点(接点位置)
L0 仮想直線
L1 接線
N1,N2 当接ニップ部(当接位置)
R4 現像ローラの回転方向

Claims (15)

  1. 現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に担持される現像剤を収容すると共に前記現像剤担持体を回転可能なように支持する現像枠体と、前記現像枠体に固定される固定端と前記固定端から前記現像剤担持体の回転方向の上流側へ延びる自由端とを備える支持部と、前記支持部の前記自由端に設けられ前記現像剤担持体と当接することにより前記現像剤担持体に担持される現像剤の厚みを規制する規制部と、を有する現像装置であって、
    前記規制部は、
    前記現像剤担持体に当接する第1の当接部と、
    前記現像剤担持体の回転方向に関し前記第1の当接部よりも下流側において、前記現像剤担持体に当接する第2の当接部と、
    前記現像剤担持体の回転方向に関し前記第1の当接部よりも上流側において、前記現像剤担持体から離れて該現像剤担持体と対向する第1の対向面部と、
    前記現像剤担持体の回転方向に関し前記第1の当接部よりは下流側かつ前記第2の当接部よりは上流側において、前記現像剤担持体から離れて該現像剤担持体と対向する第2の対向面部と、を有し、
    前記現像剤担持体の回転軸方向と直交する平面において前記支持部の前記固定端と前記自由端を仮想直線で連結したとき、前記現像剤担持体の外周における前記仮想直線と平行する接線が通過する接点の位置よりも、前記第1の当接部が前記現像剤担持体に当接する当接位置は、前記現像剤担持体の回転方向に関して下流側にあり、
    前記第1の対向面部は、前記仮想直線に対して傾斜する傾斜面を有する、ことを特徴とする現像装置。
  2. 前記規制部は、前記第1の当接部および前記第2の当接部を含み、前記現像剤担持体に当接する当接部が3つ以上を有し、
    前記現像剤担持体の回転方向に関し、前記第1の当接部は、前記3つ以上の当接部のうち最も上流側に存在する、ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記傾斜面は、前記現像剤担持体の回転方向に関して、上流側から下流側へ向けて、前記仮想直線から離れるように傾斜している、ことを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
  4. 前記傾斜面は、前記現像剤担持体の回転方向に関して、上流側から下流側へ向けて、前記仮想直線に近づくように傾斜している、ことを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
  5. 前記現像剤担持体の回転軸方向に沿ってみたとき、前記傾斜面と、前記第1の当接部との間に形成された角が鋭角である、ことを特徴とする請求項に記載の現像装置。
  6. 前記現像剤担持体に対して、前記第2の当接部における当接幅は、前記第1の当接部における当接幅よりも大きい、ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の現像装置。
  7. 前記現像剤担持体の半径をXとし、
    前記第1の当接部と前記第2の当接部の間の距離をWとしたとき、
    W=(0.30±0.15)X
    である、ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の現像装置。
  8. 前記規制部の、前記支持部の自由端側における先端面から、前記第1の当接部までの距離をLとしたとき、
    0.85mm ≦ L ≦ 2.00mm
    である、ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の現像装置。
  9. 前記第1の対向面部に対して前記第1の当接部の高さをHとしたとき、
    0.1mm ≦ H ≦ 0.3mm
    である、ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の現像装置。
  10. 前記支持部は、金属部材で構成されている、ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の現像装置。
  11. 前記規制部は、導電性ゴムで構成されている、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の現像装置。
  12. 前記現像装置は、画像を形成する画像形成装置の装置本体に着脱可能なように構成されている、ことを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の現像装置。
  13. 静電潜像が形成される像担持体と、
    前記像担持体に形成される静電潜像を現像する請求項1~12のいずれか1項に記載の現像装置と、を有し、画像形成装置の装置本体に着脱可能である、ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  14. 静電潜像が形成される像担持体と、
    前記像担持体に形成される静電潜像を現像する請求項1~12のいずれか1項に記載の現像装置と、
    定着部と、を有する、ことを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項13に記載のプロセスカートリッジと、
    定着部と、を有する、ことを特徴とする画像形成装置。
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