JP2017003682A - 現像装置、プロセスユニットおよび画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明では、規制部材と現像剤担持体の表面の間での現像剤の詰まりを防止することのできる現像装置を提供することを課題としている。
【解決手段】トナーをその表面に担持して、感光体ドラム10に当接してトナーを供給する現像ローラ13と、現像ローラ13に当接し、その層厚を一定以下に規制する規制ブレード36とを有する現像装置12において、現像ローラ13の回転方向において、感光体ドラム10との当接位置よりも下流側であって規制ブレード36との当接位置よりも上流側で現像ローラ13に当接し、現像ローラ13の表面のトナーの凝集体を掻き取る掻き取り部材38を有することを特徴とする。
【選択図】図3
【解決手段】トナーをその表面に担持して、感光体ドラム10に当接してトナーを供給する現像ローラ13と、現像ローラ13に当接し、その層厚を一定以下に規制する規制ブレード36とを有する現像装置12において、現像ローラ13の回転方向において、感光体ドラム10との当接位置よりも下流側であって規制ブレード36との当接位置よりも上流側で現像ローラ13に当接し、現像ローラ13の表面のトナーの凝集体を掻き取る掻き取り部材38を有することを特徴とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、現像装置、現像装置を備えたプロセスユニット、および現像装置を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはそれらの複合機における画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはそれらの複合機における画像形成装置においては、潜像担持体に現像剤を供給する現像装置が設けられる。現像装置には、潜像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体が設けられ、現像剤担持体の表面の現像剤層の厚みを一定以下に規制する規制部材等、現像剤担持体に当接して設けられる部材が存在する。
例えば、特許文献1(特開平6−95484号公報)では、現像ローラに当接して現像ローラ表面の現像剤の層厚を一定以下に規制し、現像剤層の摩擦帯電を行う、第1および第2の金属ブレードが設けられた構成が開示されている。複数の金属ブレードを現像ローラに当接させる事により、現像ローラ表面上の現像剤層と金属ブレードの接触時間を増やし、確実に摩擦帯電させる事ができる。
また、特許文献2(特開2015−87735号公報)では、現像ローラの表面に当接して、現像ケース内部からのトナー漏れを防止するためのシール部材が設けられる。シール部材は、現像ローラとの接触面でのトナーの固着を防止し、かつ、良好なシール性を発揮するために、硬度や現像ローラ表面との接触角度、表面粗さ等が適当な値に設定される。
ところで、上記の様な現像装置においては、その長期間の使用により、規制部材と現像剤担持体の表面の間に現像剤が詰まり、当該詰まりにより、現像剤担持体表面の現像剤層の形成が阻害され、白スジ等の異常画像の形成につながるという問題がある。
また、近年では、画像の高画質化、環境負荷の低減等のために、小径化が可能で、形状制御がしやすく、低温定着が可能な重合トナーが現像剤として採用される事が増えており、トナーが球形化、小径化されている。しかし、球形でかつ小径であるトナーは、隙間なく高密度に敷き詰められた結果、凝集しやすく、特に、前述のトナー詰まりの問題が発生しやすい。
この様な事情から、本発明では、規制部材と現像剤担持体の間での現像剤の詰まりを防止することのできる現像装置を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明は、現像剤をその表面に担持し、潜像担持体に当接して当該現像剤を潜像担持体に供給する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に当接し、その層厚を一定以下に規制する規制部材とを有する現像装置において、前記現像剤担持体の回転方向において、前記潜像担持体との当接位置よりも下流側であって前記規制部材との当接位置よりも上流側で前記現像剤担持体に当接し、前記現像剤担持体の表面の現像剤の凝集体を掻き取る掻き取り部材を有する現像装置を特徴とする。
本発明の現像装置によれば、潜像剤担持体に現像剤を供給後の現像剤担持体の表面に残留する現像剤を、掻き取り部材によって取り除く事ができる。このため、現像剤に前述の様な球形で小径のトナーを用いた場合でも、現像剤(トナーの凝集体)を取り除く事ができ、現像剤担持体と規制部材の間の現像剤の詰まりを緩和する事ができる。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
図1に示すカラー画像形成装置1の中央には、4つのプロセスユニット9Y,9M,9C,9Bkが着脱可能に設けられた画像形成部2が配置されている。各プロセスユニット9Y,9M,9C,9Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。
具体的な各プロセスユニット9としては、表面上に現像剤としてのトナーを担持可能なドラム状の回転体である潜像担持体としての感光体ドラム10と、感光体ドラム10の表面を一様に帯電させる帯電ローラ11と、感光体ドラム10の表面にトナーを供給する現像ローラ13を有する現像装置12、感光体ドラム10の表面をクリーニングする感光体クリーニングブレード26等を備えている。感光体ドラム10は、図の矢印B1の方向に回転する。
プロセスユニット9の上方には、露光部3が配置されている。露光部3は、画像データに基づいて、レーザ光を発するように構成されている。
画像形成部2の直下には転写部4が配置されている。転写部4は、駆動ローラ14及び従動ローラ15に周回走行可能に張架されている無端状の中間転写ベルト16、各プロセスユニット9の感光体ドラム10に対して中間転写ベルト16を挟んだ対向位置に配置されている一次転写ローラ17等で構成されている。各一次転写ローラ17はそれぞれの位置で中間転写ベルト16の内周面を押圧しており、中間転写ベルト16の押圧された部分と各感光体ドラム10とが接触する箇所に一次転写ニップが形成されている。
また、中間転写ベルト16の駆動ローラ14と、中間転写ベルト16を挟んで駆動ローラ14に対向した位置には二次転写ローラ18が配設されている。二次転写ローラ18は中間転写ベルト16の外周面を押圧しており、二次転写ローラ18と中間転写ベルト16とが接触する箇所に二次転写ニップが形成されている。
給紙部5は、画像形成装置1の下部に位置しており、記録媒体としての用紙Pを収容した給紙カセット19や、給紙カセット19から用紙Pを搬出する給紙ローラ20等からなっている。
搬送路6は、給紙部5から搬出された用紙Pを搬送する搬送経路であり、一対のレジストローラ21の他、後述する排紙部8に至るまで、搬送ローラ対が搬送路6の途中に適宜配置されている。
定着部7は、加熱源によって加熱される定着ローラ22、その定着ローラ22を加圧可能な加圧ローラ23等を有している。
排紙部8は、画像形成装置1の搬送路6の最下流に設けられる。この排紙部8には、用紙Pを外部へ排出するための一対の排紙ローラ24と、排出された用紙Pをストックするための排紙トレイ25とが配設されている。
画像形成部2、露光部3、転写部4等は、用紙Pに画像を形成するための画像形成手段である。
以下、図1を参照して上記画像形成装置1の基本的動作について説明する。
画像形成装置1において、画像形成動作が開始されると、各プロセスユニット9Y,9C,9M,9Bkの感光体ドラム10の表面に静電潜像が形成される。各感光体ドラム10に露光部3によって露光される画像情報は、所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。各感光体ドラム10上には静電潜像が形成され、各現像装置12に蓄えられたトナーが、ドラム状の現像ローラ13によって感光体ドラム10に供給されることにより、静電潜像は顕像であるトナー画像(現像剤像)として可視像化される。
転写部4では、駆動ローラ14の回転駆動により中間転写ベルト16が図の矢印Aの方向に走行駆動される。また、各一次転写ローラ17には、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加される。これにより、一次転写ニップにおいて転写電界が形成され、各感光体ドラム10に形成されたトナー画像は一次転写ニップにて中間転写ベルト16上に順次重ね合わせて転写される。
一方、画像形成動作が開始されると、画像形成装置1の下部では、給紙部5の給紙ローラ20が回転駆動することによって、給紙カセット19に収容された用紙Pが搬送路6に送り出される。搬送路6に送り出された用紙Pは、レジストローラ21によってタイミングを計られて、二次転写ローラ18と駆動ローラ14との間の二次転写ニップに送られる。このとき、中間転写ベルト16上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、二次転写ニップに転写電界が形成されている。二次転写ニップに形成された転写電界によって、中間転写ベルト16上のトナー画像が用紙P上に一括して転写される。転写後の残トナーは、感光体クリーニングブレード26によって除去され、トナー搬送管を介して廃トナー容器に収容される。
トナー画像が転写された用紙Pは、定着部7へと搬送され、定着ローラ22と加圧ローラ23とによって用紙Pが加熱及び加圧されてトナー画像が用紙Pに定着される。そして、トナー画像が定着された用紙Pは、定着ローラ22から分離され、搬送ローラ対によって搬送され、排紙部8において排紙ローラ24によって排紙トレイ25へと排出される。
以上の説明は、用紙P上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット9Y,9C,9M,9Bkのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つのプロセスユニット9を使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
次に、図2に基づき、本発明の実施形態に係る現像装置の構成について説明する。図2に示すように、現像装置12は、トナーを収容するトナー収容室29と、トナー収容室29に隣接するトナー供給室30と、現像装置12の筐体としての現像ケース27と、現像ケース27に取り付けられ、感光体ドラム10に当接する現像剤担持体としての現像ローラ13と、現像ローラ13に当接し、トナー供給室30から供給されたトナーを現像ローラ13に搬送する供給ローラ28と、現像ケース27の入口部分で、現像ローラ13上に残留するトナーがトナー供給室30の内部に戻される部分に配置され、現像ローラ13と摺接することで、前記入口からのトナー漏れを防止する入口シール37とを備える。
トナー収容室29には回転可能なアジテータ31が配設されている。アジテータ31は、回転によりトナーを撹拌し、トナーの凝集を防止又は抑制する。
トナー収容室29とトナー供給室30との間には、仕切壁32が設けられる。仕切壁32には、トナー収容室29からトナー供給室30へのトナーの供給量を調整するためのトナー供給口33が設けられている。トナー供給口33は、常に開いた状態であってもよいし、開閉可能なシャッターなどの部材を設けてもよい。
トナー供給室30には、トナー供給口33に対向して撹拌部材34が設けられる。撹拌部材34は、トナー供給口33から進入してきたトナー収容室29のトナーを撹拌し、供給ローラ28の側へ送り出す。
また、トナー供給室30には、トナーの撹拌を補助する撹拌補助部材35が配設されている。撹拌補助部材35は、後述する規制ブレード36に押当てされることで、規制ブレード36を現像ローラ13の側へ加圧する。
現像ローラ13には、現像ローラ13の表面のトナー層厚を一定以下に規制する規制部材としての規制ブレード36が当接する。規制ブレード36は、現像ローラ13の回転方向(矢印B2の方向)に対して、カウンター方向に当接する。
現像ローラ13は、規制ブレード36との当接位置よりも回転方向下流側で、感光体ドラム10に当接し、感光体ドラム10との当接位置よりもさらに下流側で、現像ローラ13と現像ケース27とのトナーの漏れを防止する、シール部材としての入口シール37に当接する。
供給ローラ28は、その表層部を発泡体など表面に開孔部を有する構造をなす材料で形成される。これにより、供給ローラ28は、矢印B3の方向へ回転しながら、トナー供給室30内に搬送されてきたトナーを効率よく付着させて取り込むと共に、表面に付着させたトナーを現像ローラ13の表面に供給可能としている。なお、供給ローラ28の表層部の電気抵抗値は、例えば10の3乗〜14乗Ωに設定される。
供給ローラ28には、現像ローラ13の電位に対してトナーの帯電極性と同極性にオフセットした電圧が供給バイアスとして印加される。この供給バイアスは、現像ローラ13との当接部で予備帯電されたトナーを現像ローラ13に押し付ける向きに作用する。もちろん、供給ローラ28に印加される電圧の極性は上記種類に限ったものではなく、トナーの種類によっては、現像ローラ13と同電位もしくは反対の極性とすることも可能である。
現像ローラ13は、所定の弾性を有する表層部131を外周に被覆してなるもので、表層部131の表面には、トナーと逆の極性に帯電し易い材料からなる皮膜が形成されている。ここで、表層部131は、感光体ドラム10との接触状態を極力均一に保つために、例えば、JIS−A硬度規格で50度以下を示す材料(例えばゴム)で形成され、かつ、現像バイアスを作用させるために、10の3乗から10乗Ωの電気抵抗値に設定される。
現像ローラ13の表面(すなわち、現像ローラ13の表層部131の外周面)粗さは、例えばRaで0.2μm以上かつ2.0μm以下に設定され、必要とされる量のトナーを当該表面に保持可能としている。
規制ブレード36は、例えばSUS304CSPやSUS301USP、あるいはリン青銅などの金属板バネ用材料で形成され、その自由端側を現像ローラ13の表面に当接させている。規制ブレード36は、現像ローラ13に当接させることで、現像ローラ13の表面に付着したトナー層を所定の厚みにすると共に、摩擦帯電によりトナーに電荷を付与可能としている。この際、規制ブレード36の現像ローラ13への押圧力は、例えば撹拌補助部材35による加圧力を加味して、10N/m以上かつ100N/m以下の範囲に調整される。
また、規制ブレード36には、摩擦帯電を補助するために、現像ローラ13に印加した電位に対してトナーの帯電極性と同極性にオフセットさせた電圧が規制バイアスとして印加されるようになっている。
また、規制ブレード36には、摩擦帯電を補助するために、現像ローラ13に印加した電位に対してトナーの帯電極性と同極性にオフセットさせた電圧が規制バイアスとして印加されるようになっている。
トナー収容室29に収容されるトナーとしては、例えば粉砕法もしくは重合法により製造されたものが使用される。また、上述の方法で製造されたトナーには、外添剤として、シリコンオイルを含浸させたシリカ微粒子を付着させたものを使用することも可能である。上記シリカ微粒子を付着させたトナーを用いることで、クリーニング性や転写効率の向上、ひいては現像装置12およびそれを備えたプロセスユニット9の長寿命化に寄与する。
続けて、図2を参照しつつ、本実施形態に係る現像装置12の現像動作について説明する。供給ローラ28を矢印B3の方向に回転させることで、その表面に付着させたトナーを現像ローラ13との当接部に搬送し、現像ローラ13の表面に供給する。現像ローラ13は、矢印B2の方向に回転し、その表面に保持したトナーは規制ブレード36とのニップ部を通過して、感光体ドラム10との対向位置まで搬送される。また、感光体ドラム10は矢印B1の方向へ回転する。以上により、所定の厚みに薄層化されたトナーが、現像ローラ13に印加された現像バイアスと感光体ドラム10上の静電潜像によって形成される潜像電界とに応じて、感光体ドラム10の表面へ供給され、現像される。
次に、図3を用いて、入口シール37周辺の構成について説明する。
現像ローラ13の回転方向において、現像ローラ13と規制ブレード36の当接位置よりも下流側で、現像ローラ13と入口シール37の当接位置よりも上流側に、掻き取り部材38が設けられる。
掻き取り部材38は、その一端381が現像ケース27に固定され、他端382が自由端となっている。入口シール37は、その一端が現像ケース27に固定されるシール面を有し、他端が自由端の構成であるため、掻き取り部材38を上記の構成とする事により、入口シール37の一部を流用して掻き取り部材38とすることができるので、装置全体のコストダウンにつながる。
掻き取り部材38は、その途中に屈折部383を有し、屈折部383から他端382にかけての部分が、現像ローラ13(現像ローラ13表面)の周方向にわたって設けられる。掻き取り部材38は、現像ローラ13の円中心D0を通る仮想垂線D2との交点が、現像ローラ13の回転方向上流側における現像ローラ13との当接開始位置384であり、掻き取り部材38の仮想垂線D2よりも供給ローラ27の側へ飛び出した当接部38aの部分で、現像ローラ13の表面に当接する。ただし、必ずしも当接部38aの全面で現像ローラ13に当接するわけではない。
現像装置12においては、現像ローラ13と規制ブレード36の間にトナーの凝集体が詰まる事で、現像ローラ13表面のトナー薄層の形成が阻害され、白スジ等の異常画像につながるという問題がある。特に、小径かつ球形の重合トナーを現像剤として採用する場合には、トナーが凝集しやすく、前述の白スジが発生しやすい。
本実施形態では、掻き取り部材38を現像ローラ13に当接して設ける事により、感光体ドラム10への現像後の現像ローラ13表面のトナー(特にトナーの凝集体)を掻き取ることができ、前述の白スジの発生を防止できる。
掻き取り部材38は、現像ローラ13の円中心D0を通る仮想水平線D1よりも重力方向下側に設けられる。これにより、掻き取り部材38が掻き取ったトナーが、自重で落下した場合に、現像ローラ13に付着しない。なお、図3の配置は、現像装置12が装着された画像形成装置1の水平面載置状態における位置関係を示している。
当接部38aによって掻き取られたトナーは、トナー受けシート39によって現像装置12の外部への排出を防止され、トナー受けシート39と現像ケース27によって区画された空間に溜められる。
次に、前述の掻き取り部材38によるトナー凝集体の掻き取り効果および白スジ発生の防止効果について、9つの異なる実施例を比較した結果を用いて説明する。
図4の左側に、実施例1〜9のそれぞれの設定を示す。実施例1は、比較例として、掻き取り部材38を設けない場合である。実施例2〜9は、掻き取り部材38を設け、それぞれ、掻き取り部材38の突出し量、掻き取り部材38の当接部38aの当接面の表面粗さ(Ra)、当接部38aの鉛筆硬度、現像ローラ13の逆転動作の有無を変化させている。掻き取り部材38の突出し量とは、図3に示す、現像ローラ13の円中心D0を通る仮想垂線D2との交点(現像ローラ13との当接開始位置384)からの、現像ローラ13の回転方向下流側への当接部38aの飛び出し長さである。現像ローラ13の逆転動作は、現像ローラ13の一定の周回距離毎に、現像ローラ13を画像形成動作時とは逆方向へ回転させる事により、現像ローラ13と規制ブレード36の間のトナー詰まりを解消する動作である。また、図中の上矢印は、各項目が、一つ上の実施例と同一の条件であることを指している。
実施例1〜9に共通する実験の条件は以下の通りである。
現像剤は、重合トナーを用いた非磁性1成分現像剤であり、重合トナーには、粒径6μmで円形度0.98のトナーと、粒径8μmで円形度0.98のトナーが含まれる。トナーには、オイル含有シリカを外添剤として添加しており、シリカは小径〜大径まで様々なシリカが使用される。
現像剤は、重合トナーを用いた非磁性1成分現像剤であり、重合トナーには、粒径6μmで円形度0.98のトナーと、粒径8μmで円形度0.98のトナーが含まれる。トナーには、オイル含有シリカを外添剤として添加しており、シリカは小径〜大径まで様々なシリカが使用される。
供給ローラ28は、現像ローラ13とのニップ部において、現像ローラ13に1mm食い込んだ状態で設けられる。現像装置12の内部にはトナーを循環させるための二つのスクリュが設けられる。現像装置12には、トナーを4g消費する毎に新たなトナーが4g充填される。
規制ブレード36の材質にはウレタンゴムが用いられる。規制ブレード36は、現像ローラ13の回転方向(矢印B2の方向)に対して、カウンター方向に当接する。
感光体ドラム10の電荷輸送層(CT層)の膜厚は25μmに設定される。
入口シール37には、厚み100μmのウレタンゴムが使用される。
実験時の画像形成装置1は、室温23℃、湿度50%の環境に置かれる。
実験1では、実施例1〜9のそれぞれについて、現像装置12および感光体ドラム10(プロセスユニット9)を10分間空転させた後、現像装置12内のトナーのトナー凝集体の数を数える。具体的には、現像装置12内のトナー1gを採取して、25μmのふるいにかけた後、光学顕微鏡によってトナー凝集体の数を数える。結果1では、トナー凝集体の数が10個以下であれば◎、30個以下であれば○、30個以上であれば×と判定している。
実験2では、印字率2%の画像を、一枚毎の間欠運動で3000枚、あるいは10000枚印刷した後、2×2画像(2ドット×2ドット単位の画像と2ドットの空白部分とを水平方向及び垂直方向に繰り返し印刷して得られる画像)と全ベタ画像のそれぞれを用紙に印刷し、白スジの発生の有無を確認する。結果2では、印刷された用紙に白スジが発生していなければ○、発生していれば×としている。
実施例1では、結果1と結果2が共に×であった。掻き取り部材38を設けない場合には、トナーの凝集体を現像ローラ13の表面上から取り除く事ができず、トナー凝集体が多く採取されている。また、現像ローラ13と規制ブレード36の間にトナー詰まり(特にトナー凝集体の詰まり)が発生したために、白スジが発生したと考えられる。
以下、実施例2〜9の結果1および結果2を比較し、掻き取り部材38を設ける事によるトナー凝集体の掻き取り効果および白スジ発生の防止効果について説明する。
実験1では、実施例2と5以外で、採取されるトナー凝集体数が減少しており、実施例3,4,6,7では○、実施例9では◎となった。実施例2では、掻き取り部材38の突出し量を8mmに設定しており、突出し量が大きくなり過ぎると、現像ローラ13との当接部分が大きくなり過ぎて、掻き取り部材38と現像ローラ13の間でトナーが詰まる事により、トナー凝集体が形成され、上記の結果となったものと考えられる。また、実施例5では、掻き取り部材38の表面粗さ(Ra)を20μmに設定しており、掻き取り部材38の表面が粗くなり過ぎると、トナー凝集体をその表面に担持して、現像ローラ13の表面から掻き取る能力が低下すると考えられる。
実施例9では、トナー凝集体の数が10個以下となり、全ての実施例の中で、最もトナー凝集体の掻き取られる結果となった。現像ローラ13の逆転動作を行うことにより、現像ローラ13と規制ブレード36のニップ部のトナー詰まりを解消する事ができるようになった結果、当該ニップ部でトナーが凝集しにくくなったと考えられる。
実施例9では、トナー凝集体の数が10個以下となり、全ての実施例の中で、最もトナー凝集体の掻き取られる結果となった。現像ローラ13の逆転動作を行うことにより、現像ローラ13と規制ブレード36のニップ部のトナー詰まりを解消する事ができるようになった結果、当該ニップ部でトナーが凝集しにくくなったと考えられる。
実験2では、3000枚印刷の場合で、実施例3,4,6,8,9で画像上に白スジが発生しなかった。また、実施例2と5では白スジの発生が確認され、実験1と同様に、好ましくない結果となった。実施例2と5では、実験1で見られたトナー凝集体の数の多さにより、実験2での白スジ発生につながっていると考えられる。実施例7は、実験1ではトナー凝縮体数が減少し、好ましい結果となったが、実験2では、3000枚でも白スジの発生が確認された。これは、掻き取り部材38の鉛筆硬度を1H以下にしたために、掻き取り部材38の耐久度が低下し、3000枚印刷するまでにその掻き取り能力が低下したためであると考えられる。また、実施例9だけが10000枚印刷時でも画像上に白スジが発生しておらず、最も良い結果となった。
以上の実験結果により、実施例3,4,6,8で実験1および2ともに良い結果が得られ、実施例9で最も良い結果が得られた。実施例1と比較して、上記の実施例で設定された掻き取り部材38を用いる事により、トナー凝集体の掻き取り効果が得られることがわかる。
実験結果より、掻き取り部材38の突出し量は5mmあるいは3mmで良い結果が得られ、5mm以下とする事が望ましい。
また、当接部38aの表面粗さ(Ra)は、10μmと5μmで良い結果が得られ、表面粗さは10μm以下であることが望ましい。
当接部38aの鉛筆硬度については、実施例3と7および8の比較により、2H,3Hで共に良い結果が得られることがわかる。このため、鉛筆硬度は2H以上である事が望ましい。当接部38aの鉛筆硬度をこの様に設定し、耐摩耗性を一定以上持たせる事により、現像ローラ13と掻き取り部材38の間に、掻き取り部材38の摩耗による隙間が出来にくく、安定してトナー凝集体の掻き取り効果が得られる。
さらに、実施例3と実施例8の比較により、現像ローラ13の逆転動作が、トナー凝集体の発生や白スジの発生の防止に効果的であることがわかる。現像ローラ13に逆転動作をさせることにより、長期的に画像形成動作を行った場合(例えば、実験2の10000枚印刷した場合)でも、現像ローラ13と規制ブレード36の間のトナー詰まりを定期的に解消する事ができるので、掻き取り部材38によるトナー凝集体の掻き取り効果と合わせる事により、より長期的に白スジの発生を防止する事ができる。
また本実験では、粒径6μmで円形度0.98のトナーと、粒径8μmで円形度0.98のトナーが用いられており、本実施形態の掻き取り部材38を有する構成であれば、粒径8μm以下、円形度0.97以上のトナーを用いても、前述のトナー凝集体の詰まりによる白スジを発生することなく、画像形成が可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
本発明に係る画像形成装置は、図1に示すカラー画像形成装置に限らず、モノクロ画像形成装置や、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等であってもよい。
本発明に係る画像形成装置は、図1に示すカラー画像形成装置に限らず、モノクロ画像形成装置や、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等であってもよい。
実験例では、非磁性1成分現像剤を用いたが、これに限らず、磁性の現像剤を用いた接触現像方式の現像装置であっても、現像装置12に掻き取り部材38を設ける事により、同様にトナーの掻き取り効果を得る事ができる。
1 画像形成装置
9 プロセスユニット
10 感光体ドラム(潜像担持体)
12 現像装置
13 現像ローラ(現像剤担持体)
27 現像ケース(現像装置の筐体)
36 規制ブレード(規制部材)
37 入口シール(シール部材)
38 掻き取り部材
38a 当接部
9 プロセスユニット
10 感光体ドラム(潜像担持体)
12 現像装置
13 現像ローラ(現像剤担持体)
27 現像ケース(現像装置の筐体)
36 規制ブレード(規制部材)
37 入口シール(シール部材)
38 掻き取り部材
38a 当接部
Claims (10)
- 現像剤をその表面に担持し、潜像担持体に当接して当該現像剤を潜像担持体に供給する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に当接し、その層厚を一定以下に規制する規制部材とを有する現像装置において、
前記現像剤担持体の回転方向において、前記潜像担持体との当接位置よりも下流側であって前記規制部材との当接位置よりも上流側で前記現像剤担持体に当接し、前記現像剤担持体の表面の現像剤の凝集体を掻き取る掻き取り部材を有することを特徴とする現像装置。 - 前記現像剤担持体に当接し、装置内部からの現像剤漏れを防止するためのシール部材を有し、
前記現像剤担持体の回転方向において、前記掻き取り部材は、前記シール部材との当接位置よりも上流側に設けられ、かつ、現像装置が装着された画像形成装置の水平面載置状態において、前記現像剤担持体の円中心を通る仮想水平線よりも下側に設けられ、
前記現像剤が、粒径8μm以下で、円形度0.97以上のトナーを用いた非磁性1成分現像剤である請求項1記載の現像装置。 - 前記掻き取り部材は、その一端が現像装置の筐体に固定され、他端が自由端である請求項1または2いずれか記載の現像装置。
- 前記掻き取り部材は、前記現像剤担持体の周方向に沿って設けられ、前記現像剤担持体の表面に当接する当接部を有し、
前記当接部の、前記現像剤担持体の回転方向上流側における前記現像剤担持体との当接開始位置から、回転方向下流側への飛び出し長さが5mm以下である請求項1から3いずれか1項に記載の現像装置。 - 前記掻き取り部材は、前記現像剤担持体の周方向に沿って設けられ、前記現像剤担持体の表面に当接する当接部を有し、
前記当接部の表面粗さが10μm以下である請求項1から4いずれか1項に記載の現像装置。 - 前記掻き取り部材は、前記現像剤担持体の周方向に沿って設けられ、前記現像剤担持体の表面に当接する当接部を有し、
前記当接部の鉛筆硬度が2H以上である請求項1から5いずれか1項に記載の現像装置。 - 前記現像剤担持体は、所定の周回距離ごとに、画像形成時と逆方向への回転動作である逆転動作をする請求項1から6いずれか1項に記載の現像装置。
- 前記現像剤は、外添剤としてオイル含有シリカを有するトナーである請求項1から7いずれか1項に記載の現像装置。
- 請求項1から8いずれか1項に記載の現像装置を有するプロセスユニット。
- 記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、請求項1から8いずれか1項に記載の現像装置を有する画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015115580A JP2017003682A (ja) | 2015-06-08 | 2015-06-08 | 現像装置、プロセスユニットおよび画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015115580A JP2017003682A (ja) | 2015-06-08 | 2015-06-08 | 現像装置、プロセスユニットおよび画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017003682A true JP2017003682A (ja) | 2017-01-05 |
Family
ID=57754655
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015115580A Pending JP2017003682A (ja) | 2015-06-08 | 2015-06-08 | 現像装置、プロセスユニットおよび画像形成装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2017003682A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117930605A (zh) * | 2024-03-22 | 2024-04-26 | 珠海市颂洋科技有限公司 | 显影组件及成像设备 |
-
2015
- 2015-06-08 JP JP2015115580A patent/JP2017003682A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN117930605A (zh) * | 2024-03-22 | 2024-04-26 | 珠海市颂洋科技有限公司 | 显影组件及成像设备 |
CN117930605B (zh) * | 2024-03-22 | 2024-05-24 | 珠海市颂洋科技有限公司 | 显影组件及成像设备 |
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