JP7025880B2 - 中空成形機 - Google Patents

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Description

本発明は、パリソンを垂下させるダイヘッド内部の合成樹脂が未溶融の状態にて押出機を運転すると、過剰な樹脂圧力の発生原因となることを防止した中空成形機に関する。
中空成形機における熱可塑性樹脂の押出機は、加熱シリンダと、該加熱シリンダ内に回転駆動自在に設けた送り用スクリュとからなっている。加熱シリンダの先端部には、押し出される溶融樹脂に形状を付与するダイヘッドが取付けられている。
かかる中空成形機において、成形立ち上げに際しては、押出機やダイヘッドの外周に取り付けたヒータによって、ダイヘッド内部に残留している樹脂を流動可能な温度に温めた後に、押出機を始動させて樹脂の押出を開始する。
しかし、実際には、これらの温度の制御に用いる熱電対の温度と樹脂流路内部の樹脂の温度が異なるため、操作者が操作表示盤の温度表示を見ても、ダイヘッド内部の樹脂が本当に流動可能な状態にあるか否かが分からない。
従来、昇温開始後、十分な時間経過した後に、熟練した操作者が経験に基づいてダイヘッド内部の樹脂の状態を判断し、押出機の始動タイミングを決定していた。また、成形機メーカも昇温完了直後の熱電対と樹脂流路内部の樹脂の温度差を考慮し、昇温完了後に一定時間が経過するまで押出機が始動できないようにする機能を成形機自体の制御回路に取り入れてきた。
しかし、成形機自体の機械仕様や実際に成形に用いる原料がさまざまであるため、上述の対応は確実なものではない。扱い慣れない原料を用いた場合や操作者が機械操作に慣れていない場合には、ダイヘッド内部の樹脂が十分に温められない状態で押出機を始動させてしまう恐れがあった。
このとき、ダイヘッド内の樹脂流路は未溶融の樹脂により閉塞しているため、内部圧力が上昇し、ダイヘッド構成部材を締結しているボルトが伸びるなどして、ダイヘッドの破損と樹脂漏れが発生する恐れがあった。
また従来、押出機およびダイヘッド自体の制御に言及した中空成形機には、例えば特許文献1のように、多層中空成形機において、各押出機の回転数に対する原料の押出量を計測して、回転数に対する押出量をy=f(x)のデータとして記憶し、設定押出量が設定された場合、これら押出機はy=f(x)に従って設定押出量に対する回転数を設定するものがあった。
さらに、例えば特許文献2のように、連続した押出式中空成形機のダイス(ダイヘッドの別呼称)の溶融樹脂流入側に設けた樹脂圧力検出器により、1サイクルの樹脂圧力の変化をサンプリングし、良好な製品を得たサイクルの樹脂圧力パターンをメモリに記憶し、この記憶した樹脂圧力パターンを主設定として樹脂圧力をフィードバックし、その出力信号により押出機の回転を制御して樹脂圧力を制御するものがあった。
特開2001-150519号公報 特開平9-94870号公報
しかし、特許文献1および特許文献2に開示の中空成形機においては、成形運転後の押出機制御について言及しているが、押出機始動時の上述の課題を解消するものではなかった。
本発明は、押出機の昇温が完了した後、最初に押出機を起動させたときに、通常押出モードに先立って、過剰な樹脂圧力発生原因を未然に防止する初回押出モードを自動的に実行する制御手段を具備した中空成形機を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記目的を達成するため、合成樹脂を溶融して送り用スクリュによりダイヘッドに送る押出機を具備した中空成形機において、前記押出機の昇温が完了した後の前記押出機の起動時に、通常押出モードでの押出に先立って、初回押出モードでの押出を実行する制御手段を具備し、前記初回押出モードでは、前記押出機による合成樹脂の押出開始後の所定時間内の前記送り用スクリュの回転数を少なくとも前記通常押出モードよりも低い回転数に制限すると共に、前記押出機の先端部内の樹脂圧力を算出された所定の樹脂圧力上限値未満となるよう制限し、前記樹脂圧力上限値は、次の数式(2)により算出され、前記押出開始後の所定時間は、次の数式(4)を満足することを特徴とする。
Pu=Pmax-P’×td‥‥(2)
ただし、Puは前記初回押出モードを実行する時の前記押出機の先端部内の前記樹脂圧力上限値、Pmaxは前記ダイヘッドの最大耐圧、P’は前記ダイヘッド中の樹脂が未溶融の状態で前記送り用スクリュを回転させ、前記押出機から樹脂を押し出す実験の結果定まる、前記押出機の始動時の値から前記樹脂圧力上限値までの前記樹脂圧力の増加速度、tdは次の数式(3)により算出される前記送り用スクリュの減速時間である。
td=Nr/Nd’‥‥(3)
ただし、Nrは前記初回押出モードを実行する時の前記送り用スクリュの回転数、Nd’は前記押出機の先端部内の樹脂圧力が前記樹脂圧力上限値に達した直後に前記送り用スクリュが減速を始めてから停止するまでの単位時間当たりの当該送り用スクリュの回転数の減少量である。
tl>ts‥‥(4)
ただし、tlは前記初回押出モードを実行する時の所定時間、tsは前記ダイヘッド内の樹脂が流動可能ではなかった場合に前記押出機の先端部内の前記樹脂圧力上限値に到達するまでの時間であって、次の数式(5)により算出される時間である。
ts=Pu/P’‥‥(5)
ただし、Puは前記初回押出モードを実行する時の前記押出機の先端部内の前記樹脂圧力上限値、P’は前記ダイヘッド中の樹脂が未溶融の状態で前記送り用スクリュを回転させ、前記押出機から樹脂を押し出す実験の結果定まる、前記押出機の始動時の値から前記樹脂圧力上限値までの前記樹脂圧力の増加速度である。
より具体的には、請求項2に記載のように、前記押出機の先端部内の樹脂圧力を検出する検出手段を具備する共に、前記検出手段による樹脂圧力検出値が前記樹脂圧力上限値に達した場合に、前記送り用スクリュの回転を停止するようになっていることが望ましい。
より望ましい態様としては、請求項3に記載のように、前記初回押出モードでの前記送り用スクリュの回転数は、次の数式(1)により算出されるものとする。
Nr=Nmin+α‥‥(1)
ただし、Nrは前記初回押出モードを実行する時の前記送り用スクリュの回転数、Nminは該当する中空成形機固有の前記送り用スクリュの最低回転数、αは成形に使用する合成樹脂材料に基づいて決まる回転数であって、前記通常押出モードよりも低い回転数を決定する回転数である。
したがって、本発明では、ダイヘッド内の合成樹脂の流動状態が十分でない押出機の初回起動時において、送り用スクリュの回転数を少なくとも通常押出モードよりも低い回転数に制限することで、押出機の先端部内の樹脂圧力の急激な上昇を防止できる。
請求項2に記載の発明では、押出機の先端部内の樹脂圧力が樹脂圧力上限値を超えた際の送り用スクリュの減速時間を短くし、送り用スクリュの迅速な緊急停止を可能にする。また、合成樹脂の流動状態が十分でなかった際の樹脂圧力の急激な上昇を早い段階で検知することで、ダイヘッド内の最大耐圧に対して余裕のある時点で、送り用スクリュの緊急停止動作を開始することができる。さらに、所定時間経過後には、通常押出モードでの設定回転数や樹脂圧力上限値へと自動移行することにより、操作者が手動にて押出条件を設定し直す手間を省くことができる。
請求項3に記載の発明では、それぞれの中空成形機固有の仕様や、成形に用いる合成樹脂材料の種別等に合わせて、送り用スクリュの回転数をより適切に算出することができる。
また、請求項に記載の発明では、事前に定まった樹脂圧力の増加速度を用いることで、送り用スクリュが減速を始めてから停止するまでに、押出機の先端部内の樹脂圧力が樹脂圧力上限値を超えて増加する値を予測でき、より確実にダイヘッドの破損を防ぐことができる。
さらに、請求項に記載の発明では、事前に定まった樹脂圧力の増加速度を用いることで、初回押出モードに最低限必要とされる所定時間をより確実に予測でき、通常運転への迅速な移行を可能とする。
上述したように本発明は、押出機の初回起動時に送り用スクリュを過度に高速回転させることや、樹脂圧力が過度に高くなるのを未然に防ぐとともに、これらの設定値を初回起動時の所定時間内のみ自動的に所定の値に制限することで、操作者の手間を減らすことができる。この結果、操作者の習熟度にかかわらず、また、成形機の利便性を損なうことなく、ダイヘッドの破損を防止することに貢献できる。
また、請求項2に記載の発明によれば、押出機の先端部内の樹脂圧力が樹脂圧力上限値に達した際の送り用スクリュの減速時間を短くし、送り用スクリュの迅速な緊急停止を可能にする。さらに、合成樹脂の流動状態が十分でなかった際の樹脂圧力の急激な上昇を早い段階で検出することで、ダイヘッドの最大耐圧に対して余裕のある時点で送り用スクリュの緊急停止動作を開始することができる。
本発明に係る中空成形機の実施形態を示す正面図。 図1に示した中空成形機の一部省略した側面図。 図1に示した中空成形機の押出機の制御回路を示すブロック図。 図3に示した制御回路による処理フローの一部を示すフローチャート。 樹脂未溶融状態にて押出機から押し出した場合の縦軸を樹脂圧力および回転数、横軸を時間としたグラフ。
以下、本発明に係る中空成形機の実施形態を図1~5に基づいて説明する。
本発明の実施形態である中空成形機は、図1および図2に示すように、成形するための作動部として、合成樹脂を溶融して押し出す押出機1、押出機1先端にあってパリソンを垂下させるダイヘッド2、その下方の図示を省略したパリソン切断装置、成形金型3、吹込装置4、型締装置5、金型移動装置6および成形品取出装置7を具備している。
押出機1は、例えばペレット状の合成樹脂材料を投入するためのホッパ8と、押出機内部に合成樹脂の移送・混練・溶融・吐出を行うための送り用スクリュ(図示略)を備えている。ダイヘッド2は2頭用のクロスダイヘッドというもので、スクリュによって押し出された溶融樹脂流を分岐するヘッド部2a、ヘッド部2aから分岐した溶融樹脂流を下流させるダイ部2b、ダイ部2b下端のダイとコアとからなるリップ部2cを具備している。
図示を省略した前記パリソン切断装置は、ダイヘッド2のリップ部2cから垂下する筒状のパリソンの上端部を切断するものであり、電熱カッタを有するカッタホルダを備えている。
成形金型3は、図2に示すように、一対の割型3a,3bからなり、これら割型が筒状パリソンを挿入させて中空成形品Pを成形するため、各割型は図示を省略した2個並べた対応するキャビティを形成している。
成形金型3は、付帯する電動機6aを備えた金型移動装置6によって、型締装置5と一体的に、2頭用ダイヘッド2の直下位置および吹込装置4の左右の吹込ノズル9,9の直下位置の間にて、水平方向に交互に往復動できるようになっている。
吹込装置4は、成形金型3の2個のキャビティそれぞれの上方にて、パリソン内に挿入して圧縮エアを吹き込む左右の吹込ノズル9およびこれらノズルを上昇・下降させる吹込ノズル駆動装置10を備えている。吹込ノズル駆動装置10は、図示を省略した制御部に接続された可変速タイプの吹込装置駆動用の電動機を具備している。
型締装置5は、開閉および型締の動作に際して割型3a,3bを駆動するものであり、これら割型をそれぞれ取付けて移動可能に所定間隔あけた前方プラテン11および後方プラテン12を、成形金型3のパーティングラインに接近・離反方向に同調して移動させるようになっている。図1,2中、符号13は、前方プラテン11を取付けた前方プラテン支持プレートである。
成形品取出装置7の取出スライドユニット7aは、型開き中に中空成形品Pを把持し、中空成形機外に搬送するものである。
成形条件設定装置20は、各種中空成形条件を入力するためのものであり、安全扉30に取付けられている。成形条件設定装置20は、成形条件入力用の操作用表示画面21を備えている。
かかる中空成形機における制御装置50は、図3に示すように、図1,2に示した押出機1のほか、ダイヘッド2、吹込装置4,型締装置5,金型移動装置6、成形品取出装置7等の駆動部の駆動制御を司るプログラマブル・ロジック・コントローラ(以下、このプログラマブル・ロジック・コントローラを「PLC」と略称する。)40をメインに備えている。このPLC40には、成形条件設定装置20の操作用表示画面21が電気的接続されている。PLC40はまた、インバータ42に電気的接続され、インバータ42に電気的接続された押出機1の駆動用モータ43を駆動するようになっている。さらに、PLC40は、図示を省略した温調計が接続されていて、押出機1やダイヘッド2の温度コントロールをできるようになっている。
ここで、図1,2に示した押出機1は、通常運転時の押出モード(通常押出モード)とは別に、押出機1の昇温が完了した後、最初に押出機1を起動させたときに、過剰な樹脂圧力発生原因を未然に防止するための初回押出モードを自動的に実行する機能を有する。この押出機1の初回押出モードについても、通常運転時の押出モードと同様に、PLC40を主要素とする制御装置50からの指令に基づいて行われる。したがって、PLC40を主要素とする制御装置50は、上記通常押出モードを実行するための制御手段として機能するだけでなく、上記初回押出モードを実行するための制御手段としても機能する。なお、上記初回押出モードの詳細は後述する。
PLC40には、押出機1の先端部に設けた樹脂圧力検出手段としての樹脂圧力計44が電気的接続されている。これにより、押出機1の先端部内の樹脂圧力を樹脂圧力計44が検出すると、その検出値がPLC40に伝達される。PLC40は樹脂圧力計44が検出した押出機1の先端部内の樹脂圧力を監視している。そして、上記初回押出モード時には、樹脂圧力計44が検出した樹脂圧力測定値(樹脂圧力検出値)と予め設定されている樹脂圧力上限値を比較し、樹脂圧力測定値が樹脂圧力上限値に達した場合は、PLC40からインバータ42に押出機1の停止信号が伝達される。すると、インバータ42は、事前に設定されている送り用スクリュの回転数の減少量に応じて、押出機1の駆動用モータ43および送り用スクリュの回転数を徐々に減少させて、最終的に停止させる。
このように構成された中空成形機では、通常運転時には、押出機1およびダイヘッド2を経た溶融樹脂は、ダイヘッド2から筒状パリソンとして押し出されて垂下する。垂下した筒状パリソンは開放した成形金型3内に収容され、型締装置5によって型締された状態のまま、金型移動装置6によって圧縮エアの吹込装置4の直下に移送される。吹込装置4は、吹込ノズル9を下降させて成形金型3に打ち込み、成形金型3内のパリソンに吹込ノズル9から圧縮エアを吹込み、膨張したパリソンを成形金型3に形成した図示を省略したキャビティに圧接させて成形品を成形する。そして成形金型3が開放した状態にて原位置であるダイヘッド2の直下に移動する一方、吹込ノズル9が成形品を吊り下げ、成形品取出装置7が吹込ノズル9から成形品Pを取出し、外部へ搬出する。なお、上記通常運転時の押出モード(通常押出モード)での樹脂圧力上限値および送り用スクリュの回転数は、当然のことながら、初回押出モードのものとは別に、制御装置50の記憶部に予め設定されている。
かかる通常運転を行う前に、押出機1にて上述の初回押出モードが自動的に実行されるようになっている。
上述の初回押出モードの実行のための制御装置50での処理手順は図4に示すフローチャートの通りである。すなわち、処理開始に際して、図示を省略した押出機運転ボタンを操作者が押すと(ステップS1)、図3に示した制御装置50では、押出機1のヒータの昇温完了後、送り用スクリュの設定回転数をNrに設定する(ステップS2)。次いで、押出機1を始動する(ステップS3)。なお、初回押出モードでの送り用スクリュの設定回転数Nrは制御装置50の記憶部に予め設定されているものであり、その詳細は後述する。
先にも述べたように、押出機1の先端部内の樹脂圧力が樹脂圧力計44で検出されて、図3に示した制御装置50に取り込まれている。そこで、図3に示した制御装置50は、押出機1の先端部の樹脂圧力測定値が樹脂圧力上限値Pu未満か否かを判定する(ステップS4)。なお、樹脂圧力上限値Puは制御装置50の記憶部に予め設定されているものであり、その詳細は後述する。ステップS4にて「No」ならば、すなわち樹脂圧力測定値が樹脂圧力上限値Pu未満でなければ、樹脂圧力測定値が樹脂圧力上限値Pu以上であることにほかならず、成形条件設定装置20の操作用表示画面21に「警告」メッセージを表示して、押出機1のスクリュ回転を停止する(ステップS5)。
このように、樹脂圧力測定値が樹脂圧力上限値Pu未満でない場合には、先に述べたように、ダイヘッド2内の樹脂流路が未溶融の樹脂により閉塞している可能性が高く、そのまま運転を続けると内部圧力が上昇し、例えばダイヘッド2の構成部材を締結しているボルトが伸びるなどして、ダイヘッド2の破損と樹脂漏れが発生する恐れがある。そのために、樹脂圧力測定値が樹脂圧力上限値Pu未満でない場合には、押出機1のスクリュ回転を停止するようにしているのである。
その一方、ステップS4での判定結果が「Yes」ならば、押出機1の始動から所定時間tl秒が経過するまで、ステップS4での判定を繰り返し行う(ステップS6)。なお、所定時間tl秒の詳細は後述する。
ステップS6での処理が完了すると、成形条件設定装置20の操作用表示画面21に「完了」メッセージおよび初回押出モードの「解除」ボタンを表示する(ステップS7)。
次いで、上記初回押出モードの「解除」ボタンを操作者が押圧操作すると、通常運転時の条件、すなわち押出機1の送り用スクリュの設定回転数および押出機1の先端部の樹脂圧力上限値を通常運転時の押出モード(通常押出モード)での設定値に自動移行させる(ステップS8)。なお、これらの通常運転時の設定値についても、制御装置50の記憶部に予め設定されているものであることは言うまでもない。
ステップS2での初回押出モードの送り用スクリュの設定回転数Nrは、次の数式(1)により算出されて制御装置50に予め記憶される。
Nr=Nmin+α‥‥(1)
ただし、数式(1)において、Nrは初回押出モードを実行する時の送り用スクリュの設定回転数を表わし、Nminは該当する中空成形機固有の送り用スクリュの最低回転数を表わす。また、αは成形に使用する合成樹脂材料の種別等に基づいて決まる回転数を表わす。この初回押出モードの送り用スクリュの設定回転数Nrは、通常モードでの送り用スクリュの設定回転数よりも小さい値である。
同様に、初回押出モードでの押出機1の先端部での樹脂圧力上限値Puは、次の数式(2)により算出されされて制御装置50に予め記憶される。
Pu=Pmax-P’×td‥‥(2)
ただし、数式(2)において、Puは初回押出モードを実行する時の押出機1の先端部での樹脂圧力上限値を表わし、Pmaxはダイヘッド2の最大耐圧を表わす。また、P’は事前に定まった樹脂圧力の増加速度を表わし、tdは次の数式(3)により算出される送り用スクリュの減速時間を表わす。
td=Nr/Nd’‥‥(3)
ただし、数式(3)において、Nrは先に述べたように初回押出モードを実行する時の送り用スクリュの設定回転数を表わし、Nd’は押出機1の先端部での樹脂圧力が樹脂圧力上限値に達した直後に送り用スクリュが減速を始めてから停止するまでの単位時間当たりの送り用スクリュの回転数の減少量を表わす。このNd’の値は予め実験等により求める。
ステップS6での押出開始後の所定時間t1は、次の数式(4)を満足するものであって、制御装置50に予め記憶されている。
t1>ts‥‥(4)
ただし、数式(4)において、tlは初回押出モードを実行する時の押出機始動後の所定時間を表わし、tsは押出機1の先端部での樹脂圧力が樹脂圧力上限値Puに到達するまでの時間であって、次の数式(5)により算出される時間を表わす。
ts=Pu/P’‥‥(5)
ただし、数式(5)において、Puは先に述べた樹脂圧力上限値を表わし、P’は同様に先に述べたように事前に定まった樹脂圧力の増加速度を表わす。
図5に示したグラフは、樹脂未溶融状態にて押出機1から樹脂を押し出す実験を行った場合の結果を示し、縦軸を樹脂圧力および回転数とし、横軸を時間としたものを表わす。測定は、スクリュ径55mm、ダイヘッドは図2の2頭用ダイヘッド2と同様のものを用いた。押出機1及びダイヘッド2内には合成樹脂としてHDPE(高密度ポリエチレン、MI=0.35g/10min、融点133℃)を予め充満させ、押出機1は180℃、ダイヘッド2は123℃に昇温し、回転数は35rpm、樹脂圧力上限値は35MPaとした。
図5では、実線が樹脂圧力測定値の推移を、点線がスクリュ回転数の推移を、破線が樹脂圧力上限値(35MPa)をそれぞれ表している。
まず、押出機1の始動とともに、スクリュ回転数が所定の設定回転数に至るまで所定の加速度で増加していく(図中N1→N2)。なお、図5では、N1,N2‥等の符号の数字部分のみを○囲み符号で表示していて、このことは以降のP1,P2‥等の符号についても同様である。
送り用スクリュによって、合成樹脂がダイヘッド2の内部に送り込まれることにより、少し遅れて樹脂圧力測定値が増加していく(P1→P2)。
ダイヘッド2の内部の合成樹脂は未溶融状態であるため、ダイヘッド2の内部の樹脂流路で未溶融樹脂による閉塞が起こり、樹脂圧力測定値は上昇を続け、樹脂圧力上限値に到達する(P2)。
この際、図4のステップS5で示される通り、送り用スクリュの停止処理が開示され、スクリュ回転数は所定の減速度に従って減速していく(N2→N3)が、この間にも送り用スクリュは回転しているために、樹脂圧力測定値は樹脂圧力上限値を超過して増加を続ける(P2→P3)。
最終的にスクリュ回転が完全に停止(N3)した後、樹脂圧力は押出機1側への樹脂の逆流などによって徐々に減少していく(P3→P4)。
図5のグラフから明らかなように、ダイヘッド2の内部の樹脂が未溶融である際の、測定条件下における樹脂圧力測定値の推移を読み取ることができ、初回押出モードにおける送り用スクリュの設定回転数Nr、樹脂圧力上限値Pu、時間t1の決定に役立てることができる。
特に樹脂圧力測定値の増加速度P’を得ることで、先の数式(2)~(5)によって、各値をより適切に決定することができる。
このように本実施の形態の中空成形機によれば、押出機1の昇温が完了した後、最初に押出機1を起動させたときに、通常運転時の押出モード(通常押出モード)に先行して、初回押出モードを自動的に実行することで、過剰な樹脂圧力発生原因を排除することができるようになる。
1…押出機
2…ダイヘッド
20…成形条件設定装置
21…操作用表示画面
40…プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)
43…押出機モータ
44…樹脂圧力計(樹脂圧力検出手段)
50…制御装置(制御手段)

Claims (3)

  1. 合成樹脂を溶融して送り用スクリュによりダイヘッドに送る押出機を具備した中空成形機において、
    前記押出機の昇温が完了した後の前記押出機の起動時に、通常押出モードでの押出に先立って、初回押出モードでの押出を実行する制御手段を具備し、
    前記初回押出モードでは、
    前記押出機による合成樹脂の押出開始後の所定時間内の前記送り用スクリュの回転数を少なくとも前記通常押出モードよりも低い回転数に制限すると共に、
    前記押出機の先端部内の樹脂圧力を算出された所定の樹脂圧力上限値未満になるよう制限し、
    前記樹脂圧力上限値は、次の数式(2)により算出され、前記押出開始後の所定時間は、次の数式(4)を満足することを特徴とする中空成形機。
    Pu=Pmax-P’×td‥‥(2)
    ただし、Puは前記初回押出モードを実行する時の前記押出機の先端部内の前記樹脂圧力上限値、Pmaxは前記ダイヘッドの最大耐圧、P’は前記ダイヘッド中の樹脂が未溶融の状態で前記送り用スクリュを回転させ、前記押出機から樹脂を押し出す実験の結果定まる、前記押出機の始動時の値から前記樹脂圧力上限値までの前記樹脂圧力の増加速度、tdは次の数式(3)により算出される前記送り用スクリュの減速時間である。
    td=Nr/Nd’‥‥(3)
    ただし、Nrは前記初回押出モードを実行する時の前記送り用スクリュの回転数、Nd’は前記押出機の先端部内の樹脂圧力が前記樹脂圧力上限値に達した直後に前記送り用スクリュが減速を始めてから停止するまでの単位時間当たりの当該送り用スクリュの回転数の減少量である。
    tl>ts‥‥(4)
    ただし、tlは前記初回押出モードを実行する時の所定時間、tsは前記ダイヘッド内の樹脂が流動可能ではなかった場合に前記押出機の先端部内の前記樹脂圧力上限値に到達するまでの時間であって、次の数式(5)により算出される時間である。
    ts=Pu/P’‥‥(5)
    ただし、Puは前記初回押出モードを実行する時の前記押出機の先端部内の前記樹脂圧力上限値、P’は前記ダイヘッド中の樹脂が未溶融の状態で前記送り用スクリュを回転させ、前記押出機から樹脂を押し出す実験の結果定まる、前記押出機の始動時の値から前記樹脂圧力上限値までの前記樹脂圧力の増加速度である。
  2. 前記押出機の先端部内の樹脂圧力を検出する検出手段を具備する共に
    記検出手段による樹脂圧力検出値が前記樹脂圧力上限値に達した場合に、前記送り用スクリュの回転を停止するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の中空成形機。
  3. 前記初回押出モードでの前記送り用スクリュの回転数は、次の数式(1)により算出されることを特徴とする請求項1又は2に記載の中空成形機。
    Nr=Nmin+α‥‥(1)
    ただし、Nrは前記初回押出モードを実行する時の前記送り用スクリュの回転数、Nminは該当する中空成形機固有の前記送り用スクリュの最低回転数、αは成形に使用する合成樹脂材料に基づいて決まる回転数であって、前記通常押出モードよりも低い回転数を決定する回転数である。
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