JP6244165B2 - 成形条件診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、射出成形機やダイカストマシンなどの成形機に備えられる成形条件診断装置に係り、特に、連続自動運転中に検出される測定値や成形機のスペックに照らして、予め設定された成形条件の適否を診断する装置に関する。
射出成形機やダイカストマシンなどの成形機には、成形条件の設定を行う成形条件設定手段が付設されており、成形機の稼働に先立っては、この成形条件設定手段を操作して、成形品に応じた所要の成形条件を入力する必要がある。しかしながら、成形機の成形条件は多岐に亘るので、成形条件の設定には熟練を必要とし、非熟練者にとっては必要とする全ての設定項目について効率良く設定作業を行うことが困難である。このような成形条件設定作業の困難性を緩和するため、従来、成形条件を設定する際の操作を簡素化するための工夫や、設定値の変更のし忘れを防止するための工夫を加えた種々の成形条件設定手段が提案されている(例えば、特許文献1,2,3参照。)。
特開平5−42571号公報 特開2008−114403号公報 特許第4094194号公報
しかしながら、従来の成形機には、成形条件設定手段を操作することによって入力された成形条件(各項目ごとの設定値)が適正であるか否かを連続自動運転の開始後に診断する装置が備えられておらず、不良品が発見されるまでは不適正な成形条件のもとで連続自動運転が行われることを防止できないので、高品質の成形品を高能率に生産する上で更なる改良の余地がある。
即ち、成形条件の基本項目は各メーカ間で大差ないものであるが、名称やレイアウトを含めた機能性に若干の違いがあるため、特許文献1〜3に記載の成形条件設定手段を備えた成形機であっても、誤って不適正な成形条件を設定したり、いくつかの成形条件を設定し忘れることが実際上あり得る。また、成形条件の設定は、オペレータが自己の経験に基づいて行うものであるので、場合によってはメーカが推奨する条件とは異なる成形条件を意図的に入力することもある。このような理由により成形条件設定手段に不適正な成形条件が設定された場合にも成形機の機械動作は妨げられず、成形機は、オペレータの指示に応じて連続自動運転を開始し、オペレータから停止の指示があるまで連続自動運転を続行する。このため、成形条件設定手段に設定された成形条件によっては、連続自動運転中における成形機の動作が不適正なものとなり、目標の品質に達していない成形品が成形されたり、目標とするショットサイクルが得られないなどの不都合が生じる場合がある。
なお、近年の成形機には、各部に備えられたセンサ群の測定値をグラフ表示や一覧表示などの適宜の形式で表示する表示装置が備えられている。したがって、連続自動運転中における成形機各部の動作状態は、オペレータが表示装置に表示されたデータを見ることにより確認でき、成形機の動作安定性についても、複数ショット(成形サイクル)分のデータの変化を見ることにより確認できる。しかしながら、オペレータは、通常、複数台の成形機の操作を一人で担当するので、各成形機の表示装置に表示されたデータを確認し続けること、及び、複数ショット分のデータの変化が不適正なものであるか否かを迅速に判定することは実際上困難である。
本発明は、かかる従来技術の不備を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、連続自動運転中に検出される測定値や成形機の動作安定性に照らして、予め設定された成形条件の適否を診断し、オペレータに報知する成形条件診断装置を提供することにある。
本発明は、上述の課題を解決するため、第1に、金型の開閉装置と、型閉された金型のキャビティ内に成形材料を射出する射出装置とを備え、複数の工程からなる所定の成形サイクルを繰り返して所定の成形品を成形する成形機本体と、オペレータが前記成形機本体に対する成形条件の設定を行う成形条件設定手段と、前記成形機本体のスペックによって定まる成形条件基準値及び前記成形条件設定手段に設定された成形条件設定値に基づいて前記成形機本体の駆動を制御する制御手段と、前記成形機本体の所定の部位に備えられ、備えられた部位の所定の物理量を測定して出力する測定手段とを有する成形機に備えられ、前記成形条件設定値の適否を判定してオペレータに報知する成形条件診断装置であって、前記測定手段から出力される測定値及び前記成形条件設定手段に設定された前記成形条件設定値の入力部と、該入力部に入力された前記測定値と前記成形条件設定値の比較部と、前記成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準が記憶された記憶部と、前記比較部の比較結果が前記記憶部に記憶された判定基準を満たしているか否かを判定する判定部と、該判定部が前記比較部の比較結果は前記記憶部に記憶された判定基準を満たしていると判定したときの前記測定値と前記成形条件設定値とに応じた特有の判定メッセージ及び説明文を表示する表示部とを有し、前記表示部は、オペレータにより選択された各種の表示画像データが各種の表示モードで表示可能に構成されており、オペレータにより前記判定メッセージ及び前記説明文の表示が選択されたとき、前記表示部の表示画面に前記判定メッセージ及び前記説明文を表示することを特徴とする。
上述したように、成形機の稼働に際しては、成形品に応じた所要の成形条件設定値を成形機に付設された成形条件設定手段に設定することが求められるが、何らかの理由により成形条件設定手段に当該成形品の成形上不適正な成形条件設定値が設定されたとしても、成形機は直ちには停止されず、連続自動運転が続行されるので、成形品の品質及び生産効率に種々の不都合が生じ得る。
一方、成形条件設定手段に設定された成形条件設定値が不適正であるか否かは、成形機本体の各部に備えられた測定手段から出力される測定値が、成形条件設定手段に設定された成形条件に対して特定の関係になっているか否かで判定することができ、その特定の関係は、実験やシミュレーションによって求めることができる。また、成形機の動作安定性は、連続自動運転中に検出された複数ショット分の測定値の偏差が、予め記憶部に記憶された判定基準を満たしているか否かで判定できる。
したがって、所要の入力部、比較部、記憶部及び判定部を有する成形条件診断装置を成形機本体に付設し、判定部が比較部の比較結果は記憶部に記憶された判定基準を満たしていると判定したときに、比較した測定値と成形条件設定値とに応じた特有の判定メッセージを表示部に出力すると、オペレータは成形条件設定値が不適正であることを知ることができるので、表示部の表示内容に応じた対応策を適宜とることができ、高品質の成形品を高能率に成形することが可能になる。なお、成形品の種類によっては、オペレータが通常の成形品を成形する際の成形条件設定値とは異なる成形条件設定値を意図的に設定する場合があるので、この場合には、特別な対応策をとる必要はない。
また、オペレータにより選択された各種の表示画像データが各種の表示モードで表示可能であるように表示部を構成し、オペレータにより判定メッセージの表示が選択されたときに表示部の表示画面に判定メッセージを表示するようにすると、オペレータは必要に応じて表示部の表示画面に種々の画像データを表示できるので、成形機の操作を便利なものにすることができる。
本発明は、上述の課題を解決するため、第2に、金型の開閉装置と、型閉された金型のキャビティ内に成形材料を射出する射出装置とを備え、複数の工程からなる所定の成形サイクルを繰り返して所定の成形品を成形する成形機本体と、オペレータが前記成形機本体に対する成形条件の設定を行う成形条件設定手段と、前記成形機本体のスペックによって定まる成形条件基準値及び前記成形条件設定手段に設定された成形条件設定値に基づいて前記成形機本体の駆動を制御する制御手段と、前記成形機本体の所定の部位に備えられ、備えられた部位の所定の物理量を測定して出力する測定手段とを有する成形機に備えられ、前記成形条件設定値の適否を判定してオペレータに報知する成形条件診断装置であって、前記測定手段から出力される測定値及び前記制御手段に記憶された前記成形条件基準値の入力部と、該入力部に入力された前記測定値と前記成形条件基準値の比較部と、前記成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準が記憶された記憶部と、前記比較部の比較結果が前記記憶部に記憶された判定基準を満たしているか否かを判定する判定部と、該判定部が前記比較部の比較結果は前記記憶部に記憶された判定基準を満たしていると判定したときの前記測定値と前記成形条件基準値とに応じた特有の判定メッセージ及び説明文を表示する表示部とを有し、前記表示部は、オペレータにより選択された各種の表示画像データが各種の表示モードで表示可能に構成されており、オペレータにより前記判定メッセージ及び前記説明文の表示が選択されたとき、前記表示部の表示画面に前記判定メッセージ及び前記説明文を表示することを特徴とする。
この第2の成形条件診断装置は、第1の成形条件診断装置が、比較部にて測定手段から出力される測定値と成形条件設定手段に設定された成形条件設定値とを比較する構成であるのに対して、比較部にて測定手段から出力される測定値と成形機本体のスペックから定まる既知の成形条件基準値とを比較する構成としたものである。成形条件設定手段に設定された成形条件設定値が不適正である場合、測定値が成形条件基準値と合致しないものになるので、測定値と成形条件基準値とを比較することにより、成形条件設定値が適正であるのか、不適正であるのかを判定することができる。したがって、判定部が比較部の比較結果は記憶部に記憶された判定基準を満たしていると判定したときに、比較した測定値と成形条件基準値とに応じた特有の判定メッセージを表示部に出力することにより、第1の成形条件診断装置と同様の効果を発揮することができる。
また本発明は、前記第1の構成の成形条件診断装置において、前記判定部が行う成形条件設定値の診断項目として、少なくとも、射出工程における1次圧力、射出段数、保圧速度、保圧段数、射出実行トルク及びクッション量と、可塑化工程における可塑化段数、可塑化時間、計量密度安定化、計量開始位置、計量時間及び計量実行トルクと、型開閉工程における型閉段数、型開段数、低圧型締力、中間タイマ時間、ゲートカット開始位置及び型開閉用モータの負荷トルクと、エジェクト工程におけるエジェクト段数及びエジェクト用モータの負荷トルクと、エア払い工程における強制停止時間と、型締工程における型締力と、前記表示部に表示する表示項目及び判定項目と、前記成形条件設定手段に設定する連続不良品設定及び成形条件記憶と、から選択されるいずれか1つの診断項目が前記制御手段に予め設定され、前記制御手段は、これらの各診断項目について、前記判定部による判定を自動的に実行することを特徴とする。
前掲の各診断項目は、成形条件設定手段に設定される成形条件設定値と測定手段から出力される測定値とを比較することにより、成形条件設定値の適否を判定できる。
また本発明は、前記第2の構成の成形条件診断装置において、前記判定部が行う成形条件設定値の診断項目として、少なくとも射出工程における保圧時間、射出負荷トルク及び充填率と、計量工程におけるサックバック量及び計量負荷トルクと、加熱シリンダの温度調整中及び成形運転中における加熱筒ヒータへの通電率が前記制御手段に予め設定され、前記制御手段は、これらの各診断項目について、前記判定部による判定を自動的に実行することを特徴とする。
前掲の各診断項目は、成形機本体のスペックから定まる成形条件基準値と測定手段から出力される測定値とを比較することにより、成形条件設定値の適否を判定できる。
また本発明は、前記第1及び第2の構成の成形条件診断装置において、前記制御手段は、連続自動運転中にオペレータから成形条件の診断が指示されたとき、予め設定されたショット数について前記測定値のサンプリングを行い、このサンプリングされた前記測定値に基づいて、予め設定された全ての診断項目についての前記判定部による判定を自動的に実行することを特徴とする。
かかる構成によると、連続自動運転中に随時成形条件設定値が適正であるか否かの診断を行うことができるので、不適正な成形条件設定値のもとで長時間連続自動運転が継続されることがなく、高品質の成形品を高能率に製造することができる。また、成形条件の診断を連続自動運転中に行うので、成形条件の診断のみを行う時間を必要とせず、成形条件の診断を行わない従来の成形機と同等の生産性を維持することができる。さらに、予め設定された複数ショット分の測定値について判定するので、測定値の揺らぎ等を排除した正確な判定を行うことができる。
また本発明は、前記構成の成形条件診断装置において、前記判定部は、前記予め設定されたショット数についてサンプリングされた測定値の偏差が、前記記憶部に記憶された偏差の基準値以上であるか否かを判定し、前記判定部が、前記予め設定されたショット数分の前記測定値の偏差は、前記記憶部に記憶された偏差の基準値以上であると判定したとき、前記制御手段が、前記測定値の種別に応じた特有の判定表示を前記表示部に出力することを特徴とする。
かかる構成によると、連続自動運転中の成形機の動作安定性を判定できるので、成形品の均質化を保証することができる。
また本発明は、前記構成の成形条件診断装置において、前記診断項目として、射出工程における射出時間及び射出圧力と、可塑化工程における可塑化時間と、成形運転中におけるノズル温度と、型開閉工程における型開時間、型閉時間及び製品取出し時間とが前記制御手段に予め設定され、前記制御手段は、これらの各診断項目について、前記判定部による判定を自動的に実行することを特徴とする。
前掲の各診断項目は、成形条件設定手段に設定される成形条件設定値が不適であると、特に変動が大きくなるので、複数ショット分の測定値の偏差を判定値と比較することにより、成形条件設定値の適否を判定できる。
本発明の成形条件診断装置は、成形条件設定手段に設定された成形条件設定値の適否を診断するので、不適正な成形条件設定値のもとで連続自動運転が継続されることを防止でき、高品質かつ均質な成形品を高能率に製造することが可能になる。
実施形態に係る成形条件診断装置の構成と、これが備えられる成形機の構成を示すブロック図である。 成形条件診断装置に関連する制御手段の構成図である。 表示部に表示されるメニュー画面の説明図である。 表示部に表示されるモータ負荷トルク画面の説明図である。 表示部に表示される成形条件診断画面の説明図である。 成形条件診断装置の動作フローを示す図である。 射出工程で行われる成形条件診断の項目と判定基準と判定メッセージと説明文を示す表図である。 1次圧力の制御診断の説明図である。 射出段数の制御診断の説明図である。 保圧速度の制御診断の説明図である。 保圧速度の設定値診断の説明図である。 保圧速度の測定値診断の説明図である。 1次射出タイマの測定値診断の説明図である。 保圧時間の測定値診断の説明図である。 射出実行トルクの制御診断の説明図である。 射出負荷トルクの制御診断の説明図である。 クッション量の測定値診断の説明図である。 1次圧力の測定値診断の説明図である。 射出時間の安定性診断の説明図である。 可塑化工程で行われる成形条件診断の項目と判定基準と判定メッセージと説明文を示す表図である。 可塑化工程時間の測定値診断の説明図である。 計量開始位置の測定値診断の説明図である。 計量時間の設定値診断の説明図である。 サックバックの測定値診断の説明図である。 計量実行トルクの制御診断の説明図である。 通電率の測定値診断の説明図である。 ノズル温度の安定性診断の説明図である。 型開閉工程で行われる成形条件診断の項目と判定基準と判定メッセージと説明文を示す表図である。 低圧型締の設定値診断の説明図である。 ゲートカットの制御診断の説明図である。 低圧型締の測定値診断の説明図である。 その他の工程で行われる成形条件診断の項目と判定基準と判定メッセージと説明文を示す表図である。 型締力の測定値診断の説明図である。 型締力の制御診断の説明図である。 モニタ項目の設定値診断の説明図である。 モニタ判定の設定値診断の説明図である。 連続不良品設定の設定値診断の説明図である。 成形条件記憶の設定値診断の説明図である。 可塑化時間の安定性診断の説明図である。
以下、本発明に係る成形条件診断装置の実施形態を、図を参照しながら説明する。図1に示すように、実施形態に係る成形条件診断装置1は、成形機本体10と制御手段20と成形条件設定手段30とから構成される成形機に付設され、センサ群の測定値や成形機のスペックに照らして、成形条件設定手段30に設定された成形条件設定値が適正であるか否かを診断する。
成形機本体10は、金型の開閉装置と、型閉された金型内に成形材料を射出する射出装置とを備え、計量工程、型閉工程、射出工程、型開工程及び製品取り出し工程等からなる所定の成形サイクルを繰り返して所定の成形品を成形するものであり、プラスチック製品を成形する射出成形機又は軽金属製品を成形するダイカストマシンのいずれでも良い。開閉装置及び射出装置の所定の部位には、所定の測定値を検出して出力する測定手段(センサ群)11が備えられており、センサ群11の測定値は、成形条件診断装置1及び制御手段20に入力される。なお、成形機本体10の構成に関しては、公知に属する事項であり、かつ本発明の要旨でもないので、これ以上の説明を省略する。
制御手段20は、成形機診断装置1、成形機本体10及び成形条件設定手段30を含む成形機の駆動全体を司るもので、成形条件設定手段30に設定された成形条件設定値と、成形機本体10のスペックによって定まる成形条件基準値と、センサ群11の測定値とに基づいて金型開閉装置及び射出装置の駆動を制御し、上述した所定の成形サイクルを実行する。該制御手段20には、図1に示すように、成形機の起動/停止を切り替えるスイッチ装置21が付設される。なお、制御手段20のうち、成形条件診断装置1に関連する構成については、後に図2を用いて説明する。
成形条件設定手段30は、成形機本体10の稼働開始前に、オペレータが、成形しようとする成形品の特性に合致した適宜の成形条件設定値を入力するもので、例えば特許文献1,2,3に記載されたものなど、公知に属する任意の成形条件設定手段を用いることができる。成形条件設定手段30に設定すべき成形条件は多岐に亘っており、例えば、射出工程における1次圧力、射出段数、保圧速度、保圧段数、射出実行トルク、クッション量保圧時間、射出負荷トルク及び充填率と、可塑化工程(計量工程)における可塑化段数、可塑化時間、計量密度安定化、計量開始位置、計量時間、計量実行トルク、サックバック量及び計量負荷トルクと、型開閉工程における型閉段数、型開段数、低圧型締力、中間タイマ時間、ゲートカット開始位置及び型開閉用モータの負荷トルクと、エジェクト工程におけるエジェクト段数及びエジェクト用モータの負荷トルクと、エア払い工程における強制停止時間と、型締工程における型締力と、前記表示部に表示する表示項目及び判定項目と、前記成形条件設定手段に設定する連続不良品設定及び成形条件記憶と、加熱シリンダの温度調整中及び成形運転中における加熱筒ヒータへの通電率などがある。
図1に示すように、本実施形態に係る成形条件診断装置1は、センサ群11の測定値、制御手段20に記憶された成形条件基準値及び成形条件設定手段30に設定された成形条件設定値等のデータを取り込む入力部2と、測定値と成形条件基準値又は測定値と成形条件設定値を比較する比較部3と、成形条件診断装置1の動作プログラム、診断項目及び成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準等が記憶された記憶部4と、比較部3の比較結果が記憶部4に記憶された判定基準を満たしているか否かを判定する判定部5と、所要の画像データを表示する表示部6と、所要の画像データを表示部6に出力する表示処理部7と、成形条件診断装置1の起動/停止及び表示部6に表示する画像データの選択を行う画像選択手段8とを有している。なお、成形条件診断装置1は、上述の制御手段20及び成形条件設定手段30と一体に構成することもできる。
図2に示すように、制御手段20には、成形条件診断装置1に備えられる表示処理部7に関連して、判定メッセージを格納したメッセージ格納部201、連続自動運転中におけるセンサ群の測定値が所定のショット数に亘って取り込まれる測定値格納部202、測定値格納部202に格納された多数ショットのデータを統計演算処理し、その処理結果を保持するモニタ演算処理部203、射出成形の各工程の運転条件を書き換え可能に記憶した運転条件設定格納部204、定期点検来歴やアラーム来歴などの各種来歴データを格納する各種来歴格納部205、表示部6に表示する画像中に必要なテキスト、図形、罫線等のデータを格納した表示用固定データ格納部206が設けられている。また、制御手段20は、監視タイマ207を内蔵している。
画像選択手段8には、各種モードの画像を呼び出すためのモード種別毎の画像呼び出しキーが設けられており、オペレータが所望の画像呼び出しキーを操作すると、表示処理部7は指定された画像を生成して、これを表示部6の表示画面上に表示させる。即ち、オペレータによる画像呼び出しキーのプッシュ操作に応じて、表示処理部7は、上記のメッセージ格納部201、測定値格納部202、モニタ演算処理部203、運転条件設定格納部204、各種来歴格納部205及び表示用固定データ格納部206などから必要なデータを適宜に読み込み、予め作成された画像生成プログラムにしたがって、各種モードの画像を生成し、これを表示部6に表示させる。
図3〜図5に、画像選択手段8のプッシュ操作に応じて表示部6に選択表示される画面の一例を示す。図3は成形機本体10の起動時に現れるメニュー画面であり、表示部6には、「射出・可塑化」、「型開閉・EJ(エジェクト)」、「温度設定」、「生産管理」、「グラフ」、「モニタ」、「段取り」、「点検」、「オプション動作」、「システム設定」の各項目が設けられている。そして、「射出・可塑化」の右側に「射出・可塑化」、「可塑化補助」、「条件一覧」及び「画面選択」の各画像呼び出しキーが表示されているように、各項目ごとに所要の画像呼び出しキーが押しボタン形式で選択表示されている。オペレータは、表示部6に表示された適宜の画像呼び出しキーを選択することにより、表示部6のうに所望の画像を表示でき、これによって、所要のデータ入力及び/又はデータ確認を行うことができる。
図3の表示画面に表示された画像呼び出しキーから「射出グラフ」を選択すると、表示部6には図4に例示する「モータ負荷トルク」のデータがグラフ表示される。また、図3の表示画面に表示された画像呼び出しキーから「成形条件診断」を選択した場合であって、不適切な成形条件が設定されていると診断された場合には、図5に例示するように、不適切な成形条件が設定されていると診断された診断項目についての「診断区分」と「工程名」と「診断項目」と「判定メッセージ」とがテキスト表示される。このように、メニュー画面に表示された画像呼び出しキーを選択することによって、所要の画像を所要のモードで表示することができる。
図6に、成形条件診断装置1の動作フローを示す。この図に示すように、成形条件設定手段30に所要の成形条件設定値を設定(手順S1)した後、オペレータがスイッチ装置21を操作(手順S2)すると、制御手段20が起動され、成形機本体10の連続自動運転が開始される(手順S3)。オペレータが成形診断装置1を起動していない状態においては、連続自動運転中の各種測定値やモニタ演算処理部203にて統計演算処理されたデータが表示部6に表示される。オペレータは、連続自動運転を開始した後、画像選択手段8を操作することによって、随時成形診断装置1を起動させることができる。オペレータが、画像選択手段8を操作(手順S4)して成形診断装置1を起動(手順S5)すると、記憶部4に記憶された動作プログラムにしたがって、記憶部4に予め設定されたショット数につき、測定値のサンプリングが行われる(手順S6)。次いで、サンプリングされた測定値に基づいて、予め設定された全ての診断項目についての成形条件診断が判定部5によって自動的に実行(手順S7)され、成形条件設定手段30に設定された成形条件が不適であると判定された場合には、表示部6に所要の判定メッセージが表示される(手順S8)。オペレータは、この判定メッセージを確認し、必要に応じて成形条件設定値の変更を行う(手順S9)ことができる。一方、オペレータが判定メッセージの内容に関わりなく、成形条件設定値の変更は不要であると判断する場合には、そのまま連続自動運転を続行することもできる。上述したように、本実施形態においては、成形診断装置1が起動されたとき、サンプリングされた複数ショット分の測定値に基づいて成形条件診断を実行するので、1ショット分の測定値に基づいて成形条件診断を実行する場合に比べて、信頼性の高い成形条件診断を行うことができる。
以下、判定部5によって行われる成形条件診断の意義及び方法を、各診断項目ごとに説明する。
まず、射出工程で行われる成形条件診断を、診断項目ごとに説明する。図7に示すように、本実施形態においては、射出工程中の診断項目として、1次圧力の制御診断、射出段数の制御診断、保圧速度の制御診断、保圧段数の制御診断、保圧速度の設定値及び測定値診断、1次射出タイマの設定値診断、保圧時間の測定値診断、射出実行トルクの制御診断、射出負荷トルクの制御診断、クッション量の測定値診断、1次圧力の測定値診断、射出時間の安定性診断が挙げられている。
〈1次圧力の制御診断〉
射出成形機の1次圧設定は、監視圧力を設定する意味合いを持ち、速度制御中の圧力値(最大射出圧)を設定値以上に上昇させない目的で設定される。1次圧設定が適正である場合には、最大射出圧の制御が速度優先制御となり、図8(a)に示すように、最大射出圧の測定値は常に設定値より低い値となって、充填速度は設定値通りに動く。これに対して、1次圧設定が低すぎる場合には、測定値が設定値を越えようとしたときに最大射出圧の制御が圧力優先制御となり、最大射出圧が設定値を超えないように制御される。このため、図8(b)に示すように充填速度が設定値よりも遅くなって、樹脂詰まりの原因となる。したがって、オペレータは、樹脂詰まりを防止するため、1次圧を実際の最大射出圧よりも10〜20MPa程度高い値に設定するのが普通であるが、このような設定を行わなかった場合には、測定値が設定値を越えようとしたときに最大射出圧の制御が圧力優先制御となり得る。このように、1次圧の設定が制御モードに照らして不適正である場合には、トラブルの発生を未然に防止するため、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、図7の第1欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「最大射出圧の測定値が設定値以上(最大射出圧>設定値)」を記憶部4に記憶しておき、測定値が設定値を超えたとき、同欄に示すように、表示部6に判定メッセージ「射出中圧力制御となっています」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「1次圧設定値が低い可能性があります」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて成形条件を修正する場合には、1次圧設定値を上げる、射出速度を落とす、樹脂温度を上げる等の処置を行うことができる。オペレータの判断により、意図的に圧力制御を行っている場合には、判定メッセージに応じて成形条件を修正する必要はない。
〈射出段数の制御診断〉
成形条件設定手段30には、1次射出工程における射出速度や圧力の制御段数を設定できるようになっている。射出モータの回転速度は、各段の設定値に沿って制御される。しかし、成形条件設定手段30に設定された制御段数が不適切である場合には、図9に模式的に示すように、各段の設定値に沿って射出モータの回転速度が制御されない場合を生じる。射出モータの回転速度が制御されない制御段数は無駄であるばかりでなく、思わぬ不正な制御が実行される恐れもあるので、そのような制御段数がある場合には、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、図7の第2欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「射出モータの回転速度を制御不能な制御段数がある」を記憶部4に記憶しておき、射出モータの回転速度を制御しない制御段が生じたとき、同欄に示すように、表示部6に判定メッセージ「1次射出設定に制御不能な段数があります」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「1次射出の各段の位置、速度設定を確認してください」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて成形条件を修正する場合には、無効となっている段数部分を削除する、無効となっている段数部分の1次圧設定値を変更する等の処置を行うことができる。オペレータは、自己の判断により、判定メッセージを無視することもできる。
〈保圧速度の制御診断〉
保圧速度設定は、圧力制御工程である保圧中に過度の速度が発生して成形品にバリ等の不良が出ることを防止するため、保圧中の最大速度を規制する目的で設定される。即ち、図10に示すように、保圧中の速度を規制することによって圧力を抑制することができ、保圧速度設定が適正である場合には良品を成形できるが、保圧速度設定が高すぎる場合には成形品にバリなどの外観不良が発生する。このように、保圧速度の設定が制御モードに照らして不適正である場合には、不良品の発生を未然に防止するため、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、図7の第3欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「保圧最大速度の測定値が設定値以上であること(保圧最大速度>設定値)」を記憶部4に記憶しておき、同欄に示すように、測定値が設定値に達したとき、表示部6に判定メッセージ「保圧中速度制御となっています」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「保圧速度設定値が低い可能性があります」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて成形条件を修正する場合には、設定保圧を低くする、保圧速度設定を上げる、VP切替位置を変更するなどの処置を行うことができる。保圧速度設定はオペレータにより意図的に速度制御で使用される場合も多いので、変更が必要な場合は、低すぎて目標圧力に到達していない場合や、高すぎて過度の速度が発生しそうな場合に限られるものと推察される。
〈保圧段数の制御診断〉
成形条件設定手段30には、保圧の制御段数を設定できるようになっている。保圧力は、設定された各段の保圧力設定値に沿って制御される。しかし、成形条件設定手段30に設定された保圧の制御段数が不適切である場合には、設定された各段の保圧力設定値に沿って保圧力が制御されない場合を生じる(図9参照)。射出モータの回転速度が制御されない制御段数は無駄であるばかりでなく、思わぬ不正な制御が実行される恐れもあるので、そのような制御段数がある場合には、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、図7の第4欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「保圧力を制御しない制御段数がある」を記憶部4に記憶しておき、保圧力を制御しない制御段数が生じたとき、同欄に示すように、表示部6に判定メッセージ「保圧設定に制御不能な段数があります」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「保圧の各段の圧力、タイマ設定を確認してください」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて成形条件を修正する場合には、無効となっている段数部分を削除する、無効となっている段数部分の1次圧設定値を変更する等の処置を行うことができる。オペレータは、自己の判断により、判定メッセージを無視することもできる。
〈保圧速度の設定値診断(保圧速度設定忘れ)〉
上述したように、保圧速度設定は、圧力制御工程である保圧中に過度の速度が発生しないように、保圧中の最大速度を規制する目的で設定されるものであるので、成形条件設定手段30に高すぎる保圧速度を設定した場合には、バリ等の製品不良が生じる。その反面、低すぎる保圧速度を設定した場合や、図11に示すように保圧速度を設定しなかった場合(保圧速度=0.0mm/s)には、適正な保圧速度が得られず、成形品に保圧を掛けられない等の不都合を生じる。このため、保圧力に大きな影響を与えず、かつバリ等の製品不良を生じない範囲で適度の保圧速度を設定することが望まれるが、保圧工程は主として圧力制御がなされるため、速度の設定が忘れられがちである。したがって、このような場合には、オペレータに報知して、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、図7の第5欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「保圧速度=0」を記憶部4に記憶しておき、成形条件設定手段30に保圧速度が設定されていないとき、同欄に示すように、表示部6に判定メッセージ「保圧速度設定が0になっています」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「入力忘れの確認です」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて、成形条件を修正する場合には、成形条件設定手段30の保圧速度設定欄に適度な保圧速度を設定することができる。オペレータは、自己の判断により、判定メッセージを無視することもできる。
〈保圧速度の測定値診断(保圧速度の確認)〉
保圧は、キャビティ内に射出された成形材料の収縮状態に応じて圧力充填を行う工程であり、通常は成形材料がキャビティ内に満充填された状態で圧力をかけるため、射出速度が上昇しない場合が多い。しかしながら、1次射出工程での充填量が適切でない場合は、図12に示すように保圧工程において射出工程よりも高い速度が発生し、バリ等の不具合の原因となる。したがって、保圧速度が適正でない場合、不良品の発生を未然に防止するため、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、図7の第6欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として、「保圧速度が射出速度より高い(保圧速度>射出速度)」を記憶部4に記憶しておき、保圧速度が射出速度を超えたとき、同欄に示すように、表示部6に判定メッセージ「保圧速度が射出速度を超えています」の判定メッセージを出力する。また、これに加えて、表示部6に「保圧速度の確認です」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて、成形条件を修正する場合には、成形条件設定手段30の保圧速度設定欄に適度な保圧速度を設定する、1次射出充填量を調整する等の処置を行うことができる。
〈1次射出タイマの設定値診断〉
1次射出タイマは、1次射出時間のバックアップタイマとしての意味合いを持ち、成形中の1次射出時間が1次射出タイマ設定時間を超えた場合に、1次射出異常として成形機本体10を制御手段20により自動的に停止させる目的で設定される。したがって、1次射出タイマ設定が1次射出時間に対して不適正に長い場合には、1次射出異常を生じた場合にも成形機本体10が自動的に停止されず、ノズル詰まりなどの不具合が発生する。例えば、図13に示すように、1次射出時間の測定値が1.94secであるにも拘わらず、1次射出タイマ設定時間として15.00secが設定されていた場合には、このような不都合を生じやすい。したがって、1次射出タイマに過大な時間が設定されている場合には、トラブルの発生を未然に防止するため、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、図7の第7欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「1次射出タイマの設定値が測定値よりも基準値以上大きい(設定値>測定値+基準値)」を記憶部4に記憶しておき、同欄に示すように、設定値がこの値を超えるものである場合には、表示部6に判定メッセージ「射出タイマ設定が大きめです」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「1次射出タイマ設定値を確認してください」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて成形条件を修正する場合には、1次射出タイマを測定値に対して0.5sec〜1.0sec程度大きい値に修正する。VP切替方式にタイマ切替方式を設定している場合には、判定メッセージに応じて成形条件を修正する必要はない。
〈保圧時間の測定値診断〉
保圧時間は、ゲート部が固化してスプル・ランナの取り出しが可能になる時間(ゲートシール時間)を設定するための項目である。ゲートシール時間は、金型を含む成形機本体10のスペックによって定まる。本明細書においては、この成形機本体10のスペックによって定まる値を、成形条件基準値又は単に基準値という。図14に示すように、保圧工程の終了段階において、スクリュが前進を続けている間はゲートが未だ固化していない可能性があり、保圧時間がこのスクリュが前進を続けている間に設定されていると、成形品の取り出しを良好に行うことができない。このように、保圧時間として不適正な時間が設定されている場合には、トラブルの発生を未然に防止するため、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、図7の第8欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として、「保圧完了時にスクリュが基準値以上の速度で前進している(スクリュ前進速度>基準値)」を記憶部4に記憶しておき、同欄に示すように、保圧完了時にスクリュが基準値以上の速度で前進しているとき、表示部6に判定メッセージ「保圧完了時にスクリュが前進しています」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「保圧時間が短い可能性があります」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて成形条件を修正する場合には、保圧設定時間を長くすることができる。
〈射出実行トルクの制御診断〉
射出実行トルクは、射出モータ負荷が次サイクルに持ち越されたときに、射出モータに蓄積されるトルクである。成形条件が適正である場合には、1サイクルにおける射出モータの駆動時間が短いため、射出モータの回復時間には余裕があり、射出モータに射出実行トルクが蓄積されない。しかし、射出及び保圧時間に対して極端に冷却時間が短いなどの場合には、1サイクル毎に射出モータが回復せず、図15に示すように、射出モータに射出実行トルクが蓄積され、遂にはオーバーロードが発生することになる。なお、この射出実行トルクも成形機本体10のスペックによって定まる基準値である。このように、射出モータに射出実行トルクが蓄積された場合には、成形機の停止を回避するため、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、図7の第9欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として、「射出実行トルクの測定値が0%以上(射出実行トルク>基準値)」を記憶部4に記憶しておき、同欄に示すように、射出実行トルクの測定値が基準値を超えているとき、表示部6に判定メッセージ「射出モータに蓄積負荷が発生しています」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「温度・射出設定・サイクル時間を確認してください」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて成形条件を修正する場合には、冷却時間を延ばす、射出圧力を下げるなどの方法をとることができる。
〈射出負荷トルクの制御診断〉
射出負荷トルクは、射出工程中における射出モータの負荷であり、これが最大となった場合、一定時間が経過したときに「射出モータ過負荷エラー」となり、成形機本体10が停止してしまう。また、射出モータの負荷トルクが最大になると、図16に示すように制御的に不安定な状況となることも想定される。したがって、射出負荷トルクが高くなった場合には、成形機の停止を防止するため、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、図7の第10欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として、「射出負荷トルクの測定値が基準値以上である(射出負荷トルク>基準値)」を記憶部4に記憶しておき、同欄に示すように、射出負荷トルクの測定値が基準値を超えているとき、表示部6に判定メッセージ「射出モータの負荷が高くなっています」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「射出モータに最大負荷が発生しています」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて成形条件を修正する場合には、射出モータの負荷を下げる方向で、成形条件を設定し直すことができる。
〈クッション量の測定値診断〉
射出成形におけるクッション量とは、充填完了時にスクリュの前方部に残る樹脂量を指し、図17に示すように、スクリュの前進限に対する残存ストロークをもって、表示部6に表示される。クッション量は、射出工程及び保圧工程における速度並びに圧力の伝達を担っており、これが多すぎる場合には、圧力伝達が悪くなったり、次工程においてクッション部に残留した多くの樹脂がキャビティ内に充填されて、成形品の均質性が悪くなるなどの不都合を生じる。一方、クッション量が「0」となった場合には、保圧工程において圧力が掛からなくなるという不都合を生じる。このように、クッション量が不適切であると、良品の成形に大きな影響があるので、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、図7の第11欄及び第12欄に示すように、クッション量が不適切である場合の判定基準として、「クッション量>基準値」と「クッション量<基準値」とを記憶部4に記憶しておく。そして、クッション量が過大である場合には、図7の第11欄に示すように、表示部6に判定メッセージ「最少クッション量が多すぎます」を出力すると共に、「クッション量の確認です」という説明文を表示する。一方、クッション量が過小である場合には、図7の第12欄に示すように、表示部6に判定メッセージ「最少クッション量が不足しています」を出力すると共に、「クッション量の確認です」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて成形条件を修正する場合には、射出位置及び計量位置の全般を修正する必要がある。
〈1次圧力の測定値診断〉
上述したように、射出成形機の1次圧設定は、監視圧力を設定する意味合いを持ち、速度制御中の圧力値(最大射出圧)を設定値以上に上昇させない目的で設定される。このため、図18に示すように、射出工程において最大射出圧の制御が圧力優先制御とならないように、実際の最大射出圧よりも10〜20MPaだけ高い値を1次圧として設定することが一般的に行われている。しかしながら、1次圧の設定値があまりにも高すぎる場合には、一次圧の監視機能が低下することになるため、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、図7の第13欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「1次圧の設定値が最大射出圧の測定値に基準値を加えた値よりも高い(設定値>測定値+基準値)」を記憶部4に記憶しておき、1次圧の設定値がこの条件を満たしているとき、同欄に示すように、表示部6に判定メッセージ「射出圧力設定が大きめです」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「1次射出圧力の設定値を確認してください」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて成形条件を修正する場合には、1次圧設定値を下げることができる。オペレータの判断により、大きめの1次圧力を設定している場合には、成形条件を修正する必要はない。
〈1次射出時間の安定性診断〉
1次射出時間は、成形条件設定手段30に設定される成形条件の適否に左右されず、成形機本体10に備えられる各種サーボモータに異常がある場合や、周辺機器が動作する工程に時間的なばらつきを発生している場合にばらつきを生じる。したがって、1次射出時間のばらつきを演算することにより、各種サーボモータや周辺機器の異常発生を推定することができる。このように、1次射出時間のばらつきから各種サーボモータや周辺機器の異常発生が推定される場合には、適時のメンテナンスを可能にするため、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、図19に示すように、所定のショット数(例えば50ショット或いは100ショット)に亘って1次射出時間データを制御手段20に連続的に取り込み、取り込まれた1次射出時間データの最大値と最小値の偏差を、モニタ演算処理部203にて求める。そして、図7の第14欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「1次射出時間のばらつき>基準値」を記憶部4に記憶しておき、求められた偏差が基準値以上であった場合には、同欄に示すように、表示部6に判定メッセージ「1次射出時間にばらつきがあります」を表示する。また、これに加えて、表示部6に「成形機及び周辺機の状態を確認してください」という説明文を表示する。これにより、オペレータは、1次射出時間に基準値以上のばらつきがあることを容易に認識できるので、適切な対処方法を迅速にとることが可能になる。したがって、トータルとして成形機本体10の動作を安定化できるので、目標とする品質の成形品を目標とするショットサイクルで製造できる。
次に、可塑化工程及び温調工程で行われる成形条件診断を、診断項目ごとに説明する。図20に示すように、本実施形態においては、可塑化工程中の診断項目として、可塑化段数の制御診断、可塑化工程時間の測定値診断、計量開始位置の測定値診断、計量時間の設定値診断、サックバックの測定値診断、計量実行トルクの制御診断、計量負荷トルクの制御診断が挙げられている。また、温度調整中や成形運転中の診断項目として、通電率の測定値診断及びノズル温度の安定性診断が挙げられている。
〈可塑化段数の制御診断〉
成形条件設定手段30には、可塑化工程におけるスクリュ回転速度や背圧の制御段数を設定できるようになっている。計量モータの回転速度は、各段の設定値に沿って制御される。しかし、成形条件設定手段30に設定された制御段数が不適切である場合には、各段の設定値に沿って計量モータの回転速度が制御されない場合を生じる(図9参照)。計量モータの回転速度が制御されない制御段数は無駄であるばかりでなく、思わぬ不正な制御が実行される恐れもあるので、そのような制御段数がある場合には、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、図20の第1欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「計量モータの回転速度を制御しない設定値がある」を記憶部4に記憶しておき、計量モータの回転速度を制御しない制御段が生じたとき、同欄に示すように、表示部6に判定メッセージ「可塑化設定に制御不能な段数があります」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「可塑化の各段の背圧、回転数、位置を確認してください」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて成形条件を修正する場合には、無効となっている段数部分を削除する、無効となっている段数部分の回転速度設定値を変更する等の処置を行うことができる。オペレータは、自己の判断により、判定メッセージを無視することもできる。
〈可塑化工程時間の測定値診断〉
可塑化工程時間は、計量遅延時間、計量時間及びサックバック時間の合計時間である。一般的な成形工程においては、冷却設定時間内に計量工程を終了させることが前提となっているが、計量時間は原料樹脂の種類等の様々な要因によって変動するので、図21に示すように、可塑化工程時間の測定値が冷却設定時間を超える場合を生じる。このように、可塑化工程時間の測定値が冷却設定時間を超えると、サイクル時間のばらつき要因となるので、可塑化工程時間の測定値が冷却設定時間を超えた場合には、オペレータにその旨を通知することが望まれる。そこで、本実施形態においては、図20の第2欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「可塑化工程時間>冷却時間」を記憶部4に記憶しておき、可塑化工程時間の測定値が冷却設定時間を超えたときには、同欄に示すように、表示部6に判定メッセージ「可塑化工程時間が冷却時間を超過しています」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「可塑化の設定及び冷却タイマ設定を確認してください」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて成形条件を修正する場合には、計量条件を変更して計量時間を短くする等の処置を行うことができる。オペレータは、自己の判断により、判定メッセージを無視することもできる。
〈計量開始位置の測定値診断〉
保圧工程から計量工程に移行する際の圧力制御では、図22に示すように、保圧から背圧までの減圧を行うためにスクリュは後退する。このとき、計量ストロークが短い成形については、減圧工程中に計量が完了してしまい、正常な計量を行えないという現象を生じる場合がある。このような現象が生じた場合には、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、図20の第3欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として、「計量開始時の減圧量>基準値」を記憶部4に記憶しておき、計量開始時の減圧量が基準値よりも大きいときには、同欄に示すように、表示部6に判定メッセージ「計量開始位置が大きくなっています」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「計量前圧力が高すぎる可能性があります」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて成形条件を修正する場合には、計量開始時の減圧量が少なくなるように各部の設定値の見直しを行う。
〈計量時間の設定値診断〉
計量工程には、計量動作の完了後に樹脂圧力を減圧して、型開時におけるノズル先端からの溶融樹脂のドルーリングを防止するためのサックバック工程が設けられている。サックバックは、スクリュを無回転で後退させる動作であり、冷却時間に対して計量時間が早すぎる場合には、十分なドルーリング効果が得られない。図23の例では、冷却時間が20.00secであるのに対して、可塑化工程時間(計量時間)は4.04secとなっており、所定のサックバック効果が得られない可能性がある。したがって、このような場合には、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、図20の第4欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「計量時間>基準値」を記憶部4に記憶しておき、計量時間(サックバック工程の完了から型開までの時間)が基準値よりも大きい場合には、同欄に示すように、表示部6に判定メッセージ「計量時間が早くなっています」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「計量待ち、可塑化設定を確認してください」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて成形条件を修正する場合には、計量待ち時間やスクリュの回転数調整等を行う。
〈サックバックの測定値診断〉
サックバック設定は、背圧を受けた計量樹脂のノズル先端からのドルーリングを防止することを目的として行われるもので、基本的にはスクリュの後退量と後退速度を設定することで行われるが、電動式の成形機においては、スクリュの後端部にロードセルが備えられるため、図24に示すように、サックバック完了時の計量樹脂の圧力(サックバック残圧)を目安として設定することができる。サックバック残圧は、必ずしも0Paである必要はなく、ノズル先端から成形材料が垂れ出さない範囲で、経験則により設定される。ノズル先端から成形材料が垂れ出さないサックバック残圧は、成形機本体10のスペックにより定まる。サックバック残圧が過大である場合には、ドルーリングを発生する可能性が高いので、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、図20の第5欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「サックバック残圧>基準値」を記憶部4に記憶しておき、測定されたサックバック残圧が基準値よりも大きい場合には、同欄に示すように、表示部6に判定メッセージ「サックバック残圧が大きめです」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「サックバック量が少ない可能性があります」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて成形条件を修正する場合には、スクリュの後退量と後退速度を調整する。
〈計量実行トルクの制御診断〉
計量実行トルクは、計量モータ負荷が次サイクルに持ち越されたときに、計量モータに蓄積されるトルクである。成形条件が適正である場合には、1サイクルにおける計量モータの駆動時間が短いため、計量モータの回復時間には余裕があり、計量モータに計量実行トルクが蓄積されない。しかし、計量時のトルクが高く、回復時間が短い場合には、1サイクル毎に計量実行トルクが蓄積され、遂にはオーバーロードが発生することになる。図25の例では、42%の計量実行トルクが蓄積されている。この計量実行トルクも、成形機本体10のスペックによって定まる基準値である。図25の例にあるように、計量モータに計量実行トルクが蓄積されると、成形機が停止状態となる恐れがあるので、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、図20の第6欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として、「計量実行トルク>基準値」を記憶部4に記憶しておき、同欄に示すように、計量実行トルクの測定値が基準値を超えているとき、表示部6に判定メッセージ「計量モータに蓄積負荷が発生しています」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「温度・計量設定・サイクル時間を確認してください」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて成形条件を修正する場合には、サイクル時間を延ばす等の調整を行うことができる。
〈計量負荷トルクの制御診断〉
計量負荷トルクは、計量工程中における計量モータの負荷であり、これが最大となった場合、一定時間が経過したときに「計量モータ過負荷エラー」となり、成形機本体10が停止してしまう。また、計量モータの負荷トルクが最大になると、図16に示すように制御的に不安定な状況となることも想定されるため、オペレータに注意を促す必要がある。そこで、本実施形態においては、図20の第7欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として、「計量負荷トルク>基準値」を記憶部4に記憶しておき、同欄に示すように、計量負荷トルクの測定値が基準値を超えているとき、表示部6に判定メッセージ「計量モータの負荷が高くなっています」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「計量モータに最大負荷が発生しています」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて成形条件を修正する場合には、計量モータの負荷を下げる方向で、成形条件を設定し直すことができる。
〈通電率の測定値診断〉
通電率は、ON/OFF制御を行っている複数の加熱筒ヒータの通電割合を表示するもので、図26に例示するように、各加熱筒ヒータに対応した数値が表示される。なお、この図において、「ホッパー2.8」はホッパー下の冷却に関する通水率を示している。各加熱筒ヒータの設定温度が適正でない場合、成形材料が適正に可塑化されず、良品を安定に成形することが困難になる。したがって、加熱筒ヒータの設定温度が適正でない場合には、オペレータに注意を促して、設定を適正化する必要がある。ところで、加熱筒ヒータの設定温度が適正でない場合、通電率は極端な値を示し、0%や100%などの成形機本体10のスペックから定まる基準値が測定された場合には、異常であると判定することができる。そこで、本例の場合には、図20の第8欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「通電率の測定値が0%又は100%(基準値)であること」が記憶部4に記憶部され、同欄に示すように、通電率の測定値が基準値となったとき、表示部6に判定メッセージ「通電状態が異常です」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「温度・計量設定を確認してください」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージに応じて成形条件を修正する場合には、温度設定の見直しや、計量条件の変更を行うことができる。
〈ノズル温度の安定性診断〉
射出装置に備えられる射出ノズルは、連続自動運転中に直接金型に接触するので、最も温度のばらつきを生じやすい。そして、ノズル温度が変動すると、金型のキャビティ内に射出される成形材料の粘度が変動するため、成形品の品質に悪影響を及ぼす虞がある。射出ノズルの温度制御には通常PID制御が用いられ、初期状態においては初期チューニングが施されているが、金型に応じて射出ノズルの種類を変更したり、スクリュのメンテナンスによって射出ノズル内の状態が変化した場合などには、PID制御のチューニングがずれることもある。そこで、本実施形態においては、各ショットごとの温度測定値の変化(最大値−最小値)を算出し、算出された温度変化が規定値を超えている場合には、オペレータに注意を促す。図27の例では、「ヒータ1」の温度設定値が225.0℃であるにもかかわらず、その実測最大値が229.9度となっており、大きな温度変化を伴っていることがわかる。そこで、本例の場合には、図20の第9欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「ノズル温度のばらつき>基準値」を記憶部4に記憶しておき、同欄に示すように、ノズル温度のばらつきが基準値以上となったとき、表示部6に「ノズル温度のばらつきがあります」の判定メッセージを出力する。また、これに加えて、表示部6に「オートチューニング(ノズル)の必要性があります」という説明文を表示する。これにより、オペレータは、ノズル温度に基準値以上のばらつきがあることを容易に認識できると共に、適切な対処方法を迅速にとることが可能になり、トータルとして成形機本体10の動作を安定化できるので、目標とする品質の成形品を目標とするショットサイクルで製造できる。オペレータは、この判定メッセージに応じて成形条件を修正する場合には、温度設定の見直し、計量条件の変更またはオートチューニングの再設定等を行うことができる。
次に、型開閉工程で行われる成形条件診断を、診断項目ごとに説明する。本実施形態においては、型開閉工程中の診断項目として、型閉段数の制御診断、型開段数の制御診断、低圧型締の設定値診断、低圧型締の測定値診断、中間タイマの制御診断、ゲートカットの制御診断、型開閉負荷トルクの制御診断、型開時間の安定性診断、型閉時間の安定性診断及び取出し時間の安定性診断が挙げられている。
〈型閉段数の制御診断〉
成形条件設定手段30には、型閉工程における型閉位置や速度の制御段数を設定できるようになっている。型開閉モータの回転速度は、各段の設定値に沿って制御される。しかし、成形条件設定手段30に設定された制御段数が不適切である場合には、各段の設定値に沿って型開閉モータの回転速度が制御されない場合を生じる(図9参照)。型開閉モータの回転速度が制御されない制御段数は無駄であるばかりでなく、思わぬ不正な制御が実行される恐れもあるので、そのような制御段数がある場合には、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、図28の第1欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「制御されない段数がある」を記憶部4に記憶しておき、型開閉モータの回転速度を制御しない制御段が生じたとき、同欄に示すように、表示部6に判定メッセージ「型閉設定に制御不能な段数があります」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「型閉の各段の位置、速度設定を確認してください」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて成形条件を修正する場合には、無効となっている段数部分を削除する、無効となっている段数部分の型閉位置設定値・速度設定値を変更する等の処置を行うことができる。オペレータは、自己の判断により、判定メッセージを無視することもできる。
〈型開段数の制御診断〉
成形条件設定手段30には、型開工程における型開位置や速度の制御段数を設定できるようになっている。型開閉モータの回転速度は、各段の設定値に沿って制御される。しかし、成形条件設定手段30に設定された制御段数が不適切である場合には、各段の設定値に沿って型開閉モータの回転速度が制御されない場合を生じる(図9参照)。この場合にも、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、図28の第2欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「制御されない段数がある」を記憶部4に記憶しておき、型開閉モータの回転速度を制御しない制御段が生じたとき、同欄に示すように、表示部6に判定メッセージ「型開設定に制御不能な段数があります」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「型開の各段の位置、速度設定を確認してください」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて成形条件を修正する場合には、無効となっている段数部分を削除する、無効となっている段数部分の型開位置設定値・速度設定値を変更する等の処置を行うことができる。オペレータは、自己の判断により、判定メッセージを無視することもできる。
〈低圧型締の設定値診断〉
低圧型締は、型閉工程において金型間に製品や異物が挟み込まれた場合に生じる型開閉モータ負荷トルクの異常な上昇を検知した場合に、型閉動作を自動的に停止して、金型の破損を防止するために設定される。成形機には、様々な安全確保のための機能や破損防止のための機能が備えられており、低圧型締についても、図29に示すように、成形条件設定手段30を操作することによってオペレータがON/OFFの設定を行うようになっている。しかし、低圧型締の設定は、成形状態が安定してから再設定されることが多く、初期段階において適正な設定がされずにそのままになることもあり得る。したがって、連続自動運転時に監視設定の低圧型締トルクが適正でない場合には、オペレータに注意を促して、再設定のし忘れを防止することが望まれる。そこで、本例の場合には、図28の第3欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「低圧型締監視装置がOFF」を記憶部4に記憶しておき、同欄に示すように、低圧型締監視装置がOFFであるときには、表示部6に判定メッセージ「低圧型締監視装置がOFFになっています」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「低圧監視設定を確認してください」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージに応じて成形条件を修正する場合には、低圧型締監視装置をONにすることができる。
〈低圧型締の測定値診断〉
低圧型締工程における型開閉モータ負荷トルクの異常な上昇を監視するためには、監視動作を行うための低圧動作領域を適正に設定する必要がある。低圧動作領域の設定は、その始点及び終点の位置、型開閉機構の動作速度及び監視トルクを成形条件診断手段30に設定することにより行われる。この場合において、成形条件診断手段30に設定された位置、動作速度及び監視トルクの設定値が不適切なものである場合には、監視トルクを正常に検出できない場合を生じるので、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本例の場合には、図28の第4欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「低圧型締領域の精度<基準値」を記憶部4に記憶しておき、同欄に示すように、監視トルクを監視できないとき、表示部6に「低圧型締領域の精度が下がっています」という判定メッセージを出力する。また、これに加えて、表示部6に「低圧動作領域の位置・速度を調整してください」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージに応じて成形条件を修正する場合には、低圧動作領域の始点及び終点の位置、型開閉機構の動作速度及び監視トルクを再設定することができる。
〈中間タイマの制御診断〉
中間タイマは、連続成形中のエジェクト前進から次サイクル開始までのインターバル時間として設定されるものである。中間タイマの設定時間が短すぎると、製品取出し時間のばらつきによっては、中間タイマが完了したにも拘らず次サイクルが開始されないという不都合が生じるので、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本例の場合には、図28の第5欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「中間タイマが有効になっている」を記憶部4に記憶しておき、同欄に示すように、中間タイマが完了したにも拘らず次サイクルが開始されないとき、表示部6に「中間タイマが有効になっています」という判定メッセージを出力する。また、これに加えて、表示部6に「中間タイマが必要かどうかの確認です」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージに応じて成形条件を修正する場合には、中間タイマの設定時間を延ばす等の処置を行うことができる。
〈ゲートカットの制御診断(位置・速度制御)〉
ゲートカット制御は、エジェクト機構を射出中に利用して、成形品のゲートをカットしたり、圧縮したりするためのもので、その設定は、図30に示すように、エジェクト機構の位置、速度、トルク及び作動時間を設定することにより行われる。ゲートカット制御は、原則的には位置制御又は速度制御であるが、その特性上、トルク制御及び時間制御を監視的に併用しており、トルク及び作動時間の設定値が不適正な場合には、位置制御又は速度制御の弊害となる場合がある。図30の例では、トルク設定が5%と低すぎるために、ゲートカット位置として10mmを設定しているにも拘らず、実際にはエジェクト機構が2mmしか動作しておらず、エジェクト機構が制御不能の状態になっている。このような場合に、オペレータに注意を促すことができれば、エジェクト機構を正常に制御する上で有益である。そこで、本例の場合には、図28の第6欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「位置、速度、トルク設定値<基準値」を記憶部4に記憶しておき、同欄に示すように、エジェクト機構が位置制御又は速度制御されていないとき、表示部6に「ゲートカット動作が圧力制御になっています」という判定メッセージを出力する。また、これに加えて、表示部6に「ゲートカットの圧力設定が低い可能性があります」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージに応じて成形条件を修正する場合には、ゲートカット位置、ゲートカット速度又はゲートカット時間の設定を変更する等の処置を行うことができる。
〈ゲートカットの制御診断(時間制御)〉
上述したように、ゲートカットの設定は、エジェクト機構の位置、速度、トルク及び作動時間を設定することにより行われる(図30参照)。この場合において、ゲートカットを時間優先で制御すると、ゲートカット機構が所定の位置に到達しているか否かに関わらず、設定時間に達した段階で次工程に移行する。したがって、ゲートカットを時間優先で制御する場合において、ゲートカット機構が所定の位置に到達していない場合には、オペレータに注意を促す必要がある。そこで、本例の場合には、図28の第7欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「ゲートカット時間の設定値<基準値」を記憶部4に記憶しておき、同欄に示すように、エジェクト機構が所定の位置まで到達できないとき、表示部6に「ゲートカット位置に到達していません」という判定メッセージを出力する。また、これに加えて、表示部6に「ゲートカットの圧力・速度設定値が低い可能性があります」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージに応じて成形条件を修正する場合には、ゲートカット位置、ゲートカット速度又はゲートカット時間の設定を変更する等の処置を行うことができる。
〈低圧型締の測定値診断〉
低圧型締機構の設定は、図31に示すように、監視時間と監視トルクを成形条件診断手段30に設定することにより行われる。図31の例では、実際の監視トルクが6%であるのに対して、監視トルクの設定値は20%となっている。このように、実際の監視トルクに比べて監視トルクの設定値が大きすぎる場合には、トルク上昇の検知が遅れ、金型の破損被害が拡大する。したがって、連続自動運転時に監視トルクの設定値が適正でない場合には、オペレータに注意を促して、監視トルクの設定値を適正化する必要がある。そこで、本例の場合には、図28の第8欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「設定値>測定値+基準値」を記憶部4に記憶しておき、同欄に示すように、低圧型締トルクの設定値が過大であるとき、表示部6に「低圧型締トルク設定が大きすぎます」という判定メッセージを出力する。また、これに加えて、表示部6に「低圧型締設定が大きい可能性があります」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージに応じて成形条件を修正する場合には、低圧型締トルクの設定値として、測定値の5〜10%程度高い値を再設定することができる。
〈型開閉負荷トルクの制御診断〉
型開閉負荷トルクは、型開閉工程中における型開閉モータの負荷であり、これが最大となった場合、一定時間が経過したときに「型開閉モータ過負荷エラー」となり、成形機本体10が停止してしまう。また、型開閉モータの負荷トルクが最大になると、図16に示すように制御的に不安定な状況となることも想定されるため、オペレータに注意を促す必要がある。そこで、本実施形態においては、図28の第9欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として、「測定値>基準値」を記憶部4に記憶しておき、同欄に示すように、測定値が基準値を超えているとき、表示部6に判定メッセージ「型開閉モータの負荷が高くなっています」の判定メッセージを出力する。また、これに加えて、表示部6に「型開閉モータに最大負荷が発生しています」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて成形条件を修正する場合には、型開閉モータの負荷を下げる方向で、成形条件を設定し直すことができる。
〈型開時間の安定性診断〉
型開時間も1次射出時間と同様に、成形条件設定手段30に設定される成形条件の適否に左右されず、成形機本体10に備えられる各種サーボモータに異常がある場合や、周辺機器が動作する工程に時間的なばらつきを発生している場合にばらつきを生じる。したがって、型開時間のばらつきを演算することにより、各種サーボモータや周辺機器の異常発生を推定することができる。よって、型開時間のばらつきが大きい場合には、適宜のタイミングでメンテナンスを行えるようにするため、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、所定ショット数(例えば50ショット或いは100ショット)に亘って型開時間データを記憶部4に連続的に取り込み、取り込まれた型開時間データの最大値と最小値の偏差を演算部3にて求める。求められた偏差が型開時間の偏差の基準値以上、例えば0.1sec以上であった場合には、図28の第10欄に示すように、表示部6に「型開時間にばらつきがあります」という判定メッセージを表示する。また、これに加えて、表示部6に「成形機及び周辺機の状態を確認してください」という説明文を表示する。また、これに加えて、表示部6に「成形機及び周辺機の状態を確認してください」という説明文を表示する。これにより、オペレータは、型開時間に基準値以上のばらつきがあることを容易に認識できると共に、適切な対処方法を迅速にとることが可能になる。したがって、トータルとして成形機本体10の動作を安定化できるので、目標とする品質の成形品を目標とするショットサイクルで製造できる。なお、型開時間の測定データは、図17に示すように、ショット毎に表示部6に数値をもって一覧表示される。図17は正常時における型開時間の測定データを示しており、この図から明らかなように、正常時において型開時間は非常に安定している。
〈型閉時間の安定性制御〉
型閉時間も1次射出時間と同様に、成形条件設定手段30に設定される成形条件の適否に左右されず、成形機本体10に備えられる各種サーボモータに異常がある場合や、周辺機器が動作する工程に時間的なばらつきを発生している場合にばらつきを生じる。したがって、型閉時間のばらつきを演算することにより、各種サーボモータや周辺機器の異常発生を推定することができる。この場合にも、適宜のタイミングでメンテナンスを行えるようにするため、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、所定ショット数(例えば50ショット或いは100ショット)に亘って型閉時間データを記憶部4に連続的に取り込み、取り込まれた型閉時間データの最大値と最小値の偏差を演算部3にて求める。そして、求められた偏差が型閉時間の偏差の基準値以上、例えば0.1sec以上であった場合には、図28の第11欄に示すように、表示部6に「型閉時間にばらつきがあります」という判定メッセージを表示する。また、これに加えて、表示部6に「成形機及び周辺機の状態を確認してください」という説明文を表示する。これにより、オペレータは、型閉時間に基準値以上のばらつきがあることを容易に認識できると共に、適切な対処方法を迅速にとることが可能になる。したがって、トータルとして成形機本体10の動作を安定化できるので、目標とする品質の成形品を目標とするショットサイクルで製造できる。
〈成形品取り出し時間の安定性制御〉
成形品取り出し時間も1次射出時間と同様に、成形条件設定手段30に設定される成形条件の適否に左右されず、成形機本体10に備えられる各種サーボモータに異常がある場合や、周辺機器が動作する工程に時間的なばらつきを発生している場合にばらつきを生じる。したがって、成形品取り出し時間のばらつきを演算することにより、各種サーボモータや周辺機器の異常発生を推定することができる。この場合にも、適宜のタイミングでメンテナンスを行えるようにするため、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、所定ショット数(例えば50ショット或いは100ショット)に亘って成形品取り出し時間データを記憶部4に連続的に取り込み、取り込まれた成形品取り出し時間データの最大値と最小値の偏差を演算部3にて求める。そして、求められた偏差が成形品取り出し時間の偏差の基準値、例えば0.1sec以上であった場合には、図28の第12欄に示すように、表示部6に「取出し時間にばらつきがあります」という判定メッセージを表示する。また、これに加えて、表示部6に「成形機及び周辺機の状態を確認してください」という説明文を表示する。これにより、オペレータは、型閉時間に基準値以上のばらつきがあることを容易に認識できると共に、適切な対処方法を迅速にとることが可能になる。したがって、トータルとして成形機本体10の動作を安定化できるので、目標とする品質の成形品を目標とするショットサイクルで製造できる。
次に、その他の工程で行われる成形条件診断を、診断項目ごとに説明する。本実施形態においては、その他の工程の診断項目として、EJ段数の設定値診断、EJ負荷トルクの制御診断、エア払いの制御診断、型締力の設定値診断、型締力の制御診断、モニタ項目の設定値診断、モニタ判定の設定値診断、連続不良品設定の設定値診断、条件記憶の設定値診断、射出圧力の安定性診断及び可塑化時間の安定性診断が挙げられている。
〈EJ段数の制御診断〉
成形条件設定手段30には、成形品取出し工程におけるEJ位置や速度の制御段数を設定できるようになっている。EJモータの回転速度は、各段の設定値に沿って制御される。しかし、成形条件設定手段30に設定された制御段数が不適切である場合には、各段の設定値に沿ってEJモータの回転速度が制御されない場合を生じる(図9参照)。EJモータの回転速度が制御されない制御段数は無駄であるばかりでなく、思わぬ不正な制御が実行される恐れもあるので、そのような制御段数がある場合には、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、図32の第1欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として、「制御不能な段数がある」を記憶部4に記憶しておき、EJモータの回転速度を制御しない制御段が生じたとき、同欄に示すように、表示部6に「EJ設定に制御不能な段数があります」の判定メッセージを出力する。また、これに加えて、表示部6に「EJの各段の位置、速度設定を確認してください」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて成形条件を修正する場合には、無効となっている段数部分を削除する、無効となっている段数部分のEJ位置設定値・速度設定値を変更する等の処置を行うことができる。オペレータは、自己の判断により、判定メッセージを無視することもできる。
〈EJ負荷トルクの制御診断〉
EJ負荷トルクは、EJ工程中におけるEJモータの負荷であり、これが最大となった場合、一定時間が経過したときに「EJモータ過負荷エラー」となり、成形機本体10が停止してしまう。また、EJモータの負荷トルクが最大になると、図16に示すように制御的に不安定な状況となることも想定されるため、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、図32の第2欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として、「EJ負荷トルク>基準値」を記憶部4に記憶しておき、同欄に示すように、EJ負荷トルクの測定値が基準値を超えているとき、表示部6に判定メッセージ「EJモータの負荷が高くなっています」の判定メッセージを出力する。また、これに加えて、表示部6に「EJモータに最大負荷が発生しています」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて成形条件を修正する場合には、EJモータの負荷を下げる方向で、成形条件を設定し直すことができる。
〈エア払いの制御診断〉
エア払い機能は、型開時の離型補助として使用され、開始位置及びエア払い時間を設定することにより設定されるが、エア払いの設定時間が長すぎる場合には射出工程に影響を及ぼすため、任意の工程において強制終了可能なものとしている。このように、エア払い機能は、強制終了位置を設定することによって強制終了可能であるので、射出工程に及ぼす影響は小さいが、強制終了動作とはそもそも非情の停止機能であり、恒常的に利用されることは好ましくない。したがって、エア払い機能が強制終了された場合には、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、図32の第3欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「エア払いの強制停止がON」を記憶部4に記憶しておき、同欄に示すように、エア払い機能が強制終了されたとき、表示部6に判定メッセージ「エア払いの強制終了が有効になっています」という判定メッセージを出力する。また、これに加えて、表示部6に「エア払い時間設定の確認です」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて成形条件を修正する場合には、エア払いの時間設定を変更することができる。
〈型締力の設定値診断〉
トグル式成形機においては、図33に示すように、成形条件設定手段30に型締力を設定し、自動増締調整によって型締力を発生させる。図33の例では、型締力として80tonが設定されている。この場合には、トグル式の型締装置が80tonで増締され、適正な成形品が連続的に製造される。これに対して、成形条件設定手段30への型締力の設定を失念し、型締力が0に設定されると、型締力の制御が不能となり、金型の破損などの重大な不都合を生じかねない。したがって、型締力の設定値が0である場合には、オペレータに注意を促すことが望まれる。そこで、本実施形態においては、図32の第4欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「型締力の設定値=0」を記憶部4に記憶しておき、同欄に示すように、型締力の設定値が0であるとき、表示部6に判定メッセージ「型締力の設定値が0になっています」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「入力忘れの確認です」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて、成形条件設定手段30に適正な型締力を設定する。
〈型締力の制御診断〉
トグル式成形機においては、成形条件設定手段30に設定された型締力を発生するように型締機構を自動調整する場合、金型タッチ位置の検出を同時に行い、図38に示すように表示部6に表示する。図34の例では、金型タッチ位置が適正値である1.51mmになっている。しかし、型締力の設定値が小さすぎる場合には、それに応じて金型タッチ位置も小さい値となるため、金型タッチ位置を監視し、その値が小さすぎる場合には、型締力の設定値が小さすぎる可能性があるとしてオペレータに注意を促すことが望まれる。なお、型締力の設定単位には、「Ton」や「kN」など数種類があるので、型締力の設定値は誤入力を生じやすい。そこで、本実施形態においては、図32の第5欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「高圧切替位置<基準値」を記憶部4に記憶しておき、同欄に示すように、金型タッチ位置(高圧切替位置)が基準値よりも小さいとき、表示部6に判定メッセージ「高圧切替位置の値が小さくなっています」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「型締力の確認です」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて、成形条件設定手段30に設定した型締力を確認する。
〈モニタ項目の設定値診断〉
センサ群11により検出される成形機各部の測定値は、表示部6のモニタ画面に表示されるが、どの測定値をどの項目名で表示部6に表示させるかは、オペレータが任意に選択できるようになっている。表示部6には、図35に例示するように、予め多数の項目名が用意されているが、成形条件によっては使用されない項目名もその中には含まれている。このように、使用されていない項目名が表示部6のモニタ画面に表示されていると、モニタ画面の視認性が低下し、結果的に成形機の操作性が悪くなる。したがって、使用されていない項目名が表示部6のモニタ画面に表示されている場合に、オペレータに注意を促すことができれば、モニタ画面の視認性を改善する上で便利である。そこで、本実施形態においては、図32の第6欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「モニタ項目に無効な項目がある」を記憶部4に記憶しておき、同欄に示すように、使用されていない項目名が表示部のモニタ画面に表示されているとき、表示部6に判定メッセージ「モニタ項目に無効な項目があります」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「使われていないモニタ項目がセットされています」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて、表示部6のモニタ画面に表示される項目名を取捨することができる。
〈モニタ判定の設定値診断〉
成形機には、センサ群11により検出される成形機各部の測定値から不良品発生の有無を判定する機能が設けられている。例えば、図36に示すように、表示部6のモニタ画面に表示された「モニタ判定あり」をONに切り替えると共に、不良品判定の上限値と下限値の入力欄に所定の数値を入力することにより、不良品判定を自動的に行うことが可能になる。「モニタ判定あり」をOFFに切り替えた場合には、不良品判定は行われない。したがって、「モニタ判定あり」がOFFに切り替えられている場合に、オペレータに注意を促すことができれば、不良品の発生を防止又は低減する上で便利である。そこで、本実施形態においては、図32の第7欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「モニタ判定がOFF」を記憶部4に記憶しておき、同欄に示すように、成形機のモニタ判定が有効になっていないとき、表示部6に判定メッセージ「モニタ判定が有効になっていません」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「モニタ判定設定を確認してください」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて、成形機のモニタ判定機能を有効に活用できるので、不良品の発生を低減することができる。
〈連続不良品設定の設定値診断〉
成形機には、不良品発生の有無を判定する機能に加えて、連続自動運転中にいくつの不良品が連続的に成形されたのかをカウントする機能が設けられている。例えば、図37に示すように、表示部6のモニタ画面に表示された「連続不良品」をONに切り替えることにより、モニタ画面に連続して成形された不良品の数を表示することが可能になる。「連続不良品」をOFFに切り替えた場合には、不良品の数のカウントは行われない。したがって、「連続不良品」がOFFに切り替えられている場合に、オペレータに注意を促すことができれば、不良品の連続成形を防止又は低減する上で便利である。そこで、本実施形態においては、図32の第8欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「連続不良品設定がOFF」が記憶部4に記憶部され、同欄に示すように、成形機の連続不良品設定が有効になっていないとき、表示部6に判定メッセージ「連続不良品監視がOFFになっています」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「連続不良品設定を確認してください」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて、連続不良品設定を有効にできるので、成形機の連続不良品設定機能を有効に活用できるので、不良品の連続成形を低減することができる。
〈条件記憶の設定値診断〉
成形条件設定手段30に設定した成形条件は、画像選択手段8を操作することにより、制御手段20に備えられた運転条件設定格納部204(図2参照)に記憶される。また、運転条件設定格納部204に記憶された成形条件は、画像選択手段8を操作することにより、随時表示部6に読み出される。さらに、表示部6に読み出された成形条件に変更を加えた場合においては、変更後の成形条件を運転条件設定格納部204に記憶することもできる。この変更後の成形条件についても、後に使用する可能性を考慮して、運転条件設定格納部204に記憶しておくことが望まれる。図38の例では、同一製品名「130131」に関するファイルが、ファイル作成日ごとに、異なる名称(区分)を付けて運転条件設定格納部204に記憶されている。図38の例とは異なり、変更後の成形条件を運転条件設定格納部204に記憶しておかないと、当該変更後の成形条件で成形品の成形を行おうとする場合に、再度成形条件設定手段30による成形条件の設定作業が必要となるため、作業性が悪くなる。したがって、変更後の成形条件が運転条件設定格納部204に記憶されていない場合に、オペレータに注意を促すことができれば、成形機の運転を効率的なものにすることができる。そこで、本実施形態においては、図32の第9欄に示すように、成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準として「未記憶の成形条件がある」を記憶部4に記憶しておき、成形条件が記憶されていないとき、同欄に示すように、表示部6に判定メッセージ「成形条件が記憶されていません」を出力する。また、これに加えて、表示部6に「成形条件記憶データが変更されています」という説明文を表示する。オペレータは、この判定メッセージ及び説明文に応じて、変更後の成形条件を運転条件設定格納部204に記憶できるので、成形条件の設定作業ひいては成形機の稼働効率を高めることができる。
〈射出圧力の安定性制御〉
連続自動運転の開始直後においては、金型温度や成形材料温度が安定していないために射出圧力の測定値にある程度のばらつきが生じるが、その後はショット数の増加に伴って充填圧力の測定値が安定してくる。したがって、射出圧力については、測定値にばらつきが生じたとしても、直ちに対応策をとることは適切ではない。しかしながら、測定値のばらつきが連続自動運転の開始直後における金型温度や成形材料温度の不安定さに基づくものかどうかを確認してオペレータに注意を促すことができれば、良品の生産効率を高めることができる。そこで、本実施形態においては、所定ショット数(例えば50ショット或いは100ショット)に亘って、射出開始から射出終了までの測定時間毎の射出圧力データを、制御手段20の測定値格納部202(図2参照)に連続的に取り込む。測定値格納部202に取り込まれた射出圧力データは、表示部6に画像表示した場合、図39に示すような波形となる。また、制御手段20のモニタ演算処理部203(図2参照)は、測定値格納部202に取り込まれた射出圧力データに基づいて、射出開始から射出終了までの測定時間毎の充填圧力データの最大値と最小値の偏差eを求める。そして、求められた偏差が充填圧力の偏差の基準値以上であった場合には、図32の第10欄に示すように、表示部6に判定メッセージ「射出圧力状態が変動中です」を表示する。また、これに加えて、表示部6に「圧力値が変動中です 再度診断の必要性があります」という説明文を表示する。これにより、オペレータは、充填圧力に基準値以上のばらつきがあることを容易に認識できると共に、再度の診断によってそのばらつきが連続自動運転の開始直後における金型温度や成形材料温度の不安定さに基づくものかどうかを確認できるので、無用な確認作業やメンテナンスを回避することができて、トータルとしての成形機本体10の生産性を高めることができる。
〈可塑化時間の安定性制御〉
可塑化工程時間の測定値制御の欄(段落0051参照)で説明したように、計量工程時間の測定値は、原料樹脂の種類等の様々な要因によって変動し、この変動量が過大である場合には、サイクル時間のばらつきが大きくなって生産性が悪くなる。したがって、可塑化工程時間の測定値の変動が大きい場合にオペレータに注意を促すことができれば、生産性の劣化を抑制することができる。そこで、本実施形態においては、所定ショット数(例えば50ショット或いは100ショット)に亘って可塑化工程時間の測定値を制御手段20の測定値格納部202(図2参照)に連続的に取り込み、制御手段20のモニタ演算処理部203(図2参照)にて、最大値と最小値の偏差eを求める。そして、求められた偏差が可塑化工程時間の偏差の基準値以上であった場合には、図32の第11欄に示すように、表示部6に判定メッセージ「可塑化時間が変動中です」を表示する。また、これに加えて、表示部6に「可塑化時間が変動中です 再度診断の必要性があります」という説明文を表示する。これにより、オペレータは、充填圧力に基準値以上のばらつきがあることを容易に認識できると共に、再度の診断によってそのばらつきが連続自動運転の開始直後における金型温度や成形材料温度の不安定さに基づくものかどうかを確認できるので、無用な確認作業やメンテナンスを回避することができて、トータルとしての成形機本体10の生産性を高めることができる。
なお、本発明は、連続自動運転中に検出される測定値や成形機の動作安定性より、予め設定された成形条件の適否を診断して、成形条件が不適切である場合にはオペレータに報知することを目的とするものであり、診断項目については、実施形態に記載の項目に限定されるものではなく、他の項目について診断することももちろん可能である。また、実施形態に列挙した項目の全てについて診断する必要はなく、機種や成形品の種類によって、適宜増減することができる。
1 成形診断装置
2 入力部
3 比較部
4 記憶部
5 判定部
6 表示部
7 表示処理部
8 画像選択手段
10 成形機本体
11 測定手段(センサ群)
20 制御手段
21 スイッチ装置
30 成形条件設定手段

Claims (7)

  1. 金型の開閉装置と、型閉された金型のキャビティ内に成形材料を射出する射出装置とを備え、複数の工程からなる所定の成形サイクルを繰り返して所定の成形品を成形する成形機本体と、
    オペレータが前記成形機本体に対する成形条件の設定を行う成形条件設定手段と、
    前記成形機本体のスペックによって定まる成形条件基準値及び前記成形条件設定手段に設定された成形条件設定値に基づいて前記成形機本体の駆動を制御する制御手段と、
    前記成形機本体の所定の部位に備えられ、備えられた部位の所定の物理量を測定して出力する測定手段と
    を有する成形機に備えられ、前記成形条件設定値の適否を判定してオペレータに報知する成形条件診断装置であって、
    前記測定手段から出力される測定値及び前記成形条件設定手段に設定された前記成形条件設定値の入力部と、該入力部に入力された前記測定値と前記成形条件設定値の比較部と、前記成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準が記憶された記憶部と、前記比較部の比較結果が前記記憶部に記憶された判定基準を満たしているか否かを判定する判定部と、該判定部が前記比較部の比較結果は前記記憶部に記憶された判定基準を満たしていると判定したときの前記測定値と前記成形条件設定値とに応じた特有の判定メッセージ及び説明文を表示する表示部とを有し、
    前記表示部は、オペレータにより選択された各種の表示画像データが各種の表示モードで表示可能に構成されており、オペレータにより前記判定メッセージ及び前記説明文の表示が選択されたとき、前記表示部の表示画面に前記判定メッセージ及び前記説明文を表示することを特徴とする成形条件診断装置。
  2. 金型の開閉装置と、型閉された金型のキャビティ内に成形材料を射出する射出装置とを備え、複数の工程からなる所定の成形サイクルを繰り返して所定の成形品を成形する成形機本体と、
    オペレータが前記成形機本体に対する成形条件の設定を行う成形条件設定手段と、
    前記成形機本体のスペックによって定まる成形条件基準値及び前記成形条件設定手段に設定された成形条件設定値に基づいて前記成形機本体の駆動を制御する制御手段と、
    前記成形機本体の所定の部位に備えられ、備えられた部位の所定の物理量を測定して出力する測定手段と
    を有する成形機に備えられ、前記成形条件設定値の適否を判定してオペレータに報知する成形条件診断装置であって、
    前記測定手段から出力される測定値及び前記制御手段に記憶された前記成形条件基準値の入力部と、該入力部に入力された前記測定値と前記成形条件基準値の比較部と、前記成形条件設定値が不適切であると判定するための判定基準が記憶された記憶部と、前記比較部の比較結果が前記記憶部に記憶された判定基準を満たしているか否かを判定する判定部と、該判定部が前記比較部の比較結果は前記記憶部に記憶された判定基準を満たしていると判定したときの前記測定値と前記成形条件基準値とに応じた特有の判定メッセージ及び説明文を表示する表示部とを有し、
    前記表示部は、オペレータにより選択された各種の表示画像データが各種の表示モードで表示可能に構成されており、オペレータにより前記判定メッセージ及び前記説明文の表示が選択されたとき、前記表示部の表示画面に前記判定メッセージ及び前記説明文を表示することを特徴とする成形条件診断装置。
  3. 前記判定部が行う成形条件設定値の診断項目として、少なくとも、
    射出工程における1次圧力、射出段数、保圧速度、保圧段数、射出実行トルク及びクッション量と、
    可塑化工程における可塑化段数、可塑化時間、計量密度安定化、計量開始位置、計量時間及び計量実行トルクと、
    型開閉工程における型閉段数、型開段数、低圧型締力、中間タイマ時間、ゲートカット開始位置及び型開閉用モータの負荷トルクと、
    エジェクト工程におけるエジェクト段数及びエジェクト用モータの負荷トルクと、
    エア払い工程における強制停止時間と、
    型締工程における型締力と、
    前記表示部に表示する表示項目及び判定項目と、
    前記成形条件設定手段に設定する連続不良品設定及び成形条件記憶と、
    から選択されるいずれか1つの診断項目が前記制御手段に予め設定され、前記制御手段は、これらの各診断項目について、前記判定部による判定を自動的に実行することを特徴とする請求項1に記載の成形条件診断装置。
  4. 前記判定部が行う成形条件設定値の診断項目として、少なくとも射出工程における保圧時間、射出負荷トルク及び充填率と、計量工程におけるサックバック量及び計量負荷トルクと、加熱シリンダの温度調整中及び成形運転中における加熱筒ヒータへの通電率が前記制御手段に予め設定され、前記制御手段は、これらの各診断項目について、前記判定部による判定を自動的に実行することを特徴とする請求項2に記載の成形条件診断装置。
  5. 前記制御手段は、連続自動運転中にオペレータから成形条件の診断が指示されたとき、予め設定されたショット数について前記測定値のサンプリングを行い、このサンプリングされた前記測定値に基づいて、予め設定された全ての診断項目についての前記判定部による判定を自動的に実行することを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の成形条件診断装置。
  6. 前記判定部は、前記予め設定されたショット数についてサンプリングされた測定値の偏差が、前記記憶部に記憶された偏差の基準値以上であるか否かを判定し、前記判定部が、前記予め設定されたショット数分の前記測定値の偏差は、前記記憶部に記憶された偏差の基準値以上であると判定したとき、前記制御手段が、前記測定値の種別に応じた特有の判定表示を前記表示部に出力することを特徴とする請求項5に記載の成形条件診断装置。
  7. 前記診断項目として、射出工程における射出時間及び射出圧力と、可塑化工程における可塑化時間と、成形運転中におけるノズル温度と、型開閉工程における型開時間、型閉時間及び製品取出し時間とが前記制御手段に予め設定され、前記制御手段は、これらの各診断項目について、前記判定部による判定を自動的に実行することを特徴とする請求項6に記載の成形条件診断装置。
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