JP7025710B2 - 密閉型電池 - Google Patents

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Description

本発明は、密閉型電池に関する。具体的には、密閉された電池ケース内に電極体と非水電解液とが収容された密閉型電池に関する。
リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池などの二次電池は、車両搭載用電源あるいはパソコンや携帯端末等の電源として重要性が高まっている。かかる二次電池は、例えば、密閉された電池ケース内に非水電解液と電極体とが収容された、いわゆる密閉型電池として構築される。
この密閉型電池では、電極体の内部(すなわち、正極と負極との間)に非水電解液が保持されている。この電極体内に保持された非水電解液(以下「保持電解液」ともいう)を介して、正極と負極との間で電荷担体が移動することによって充放電が行われる。
かかる構成の密閉型電池では、物理的強度が大きいという観点から、アルミニウムなどの金属材料が電池ケースの素材として用いられることがある。そして、このような金属製の電池ケースを用いる場合には、電池ケースと電極体との導通を防止するために、電池ケースと電極体とを隔離する箱状の絶縁ホルダの内部に電極体が収容される。特許文献1には、かかる絶縁ホルダを備えた密閉型電池の一例が開示されている。
特許第4362789号
ところで、上述した構成の密閉型電池では、充放電を繰り返すに従って電極体内の保持電解液が減少することがある。そして、電極体内の保持電解液の液量が必要量を下回って液枯れが生じると、正極と負極との間の電荷担体の移動が困難になるため、電池抵抗の上昇などの電池性能の低下が生じる原因となり得る。
このため、一般的な密閉型電池では、電極体の外部(電極体と電池ケースとの間)にも非水電解液が注液されている。このように電極体と電池ケースとの間に非水電解液(以下「余剰電解液」とも言う)を注液すると、上述した保持電解液の減少に応じて電極体内へ余剰電解液が供給されるため液枯れの発生を抑制できる。
しかしながら、上述した技術を用いた場合に、保持電解液が減少しているにも関わらず、充分な量の余剰電解液が電極体内に供給されないことがあったため、依然として液枯れによる電池性能の低下が生じる可能性があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、電池ケース内に存在する余剰電解液を電極体内に好適に供給することができ、液枯れによる充放電性能の低下をより好適に抑制することができる密閉型電池を提供することを目的とする。
上記目的を実現するべく、本発明によって以下の構成の密閉型電池が提供される。
ここで開示される密閉型電池は、シート状の正極と負極とを有する電極体と、非水電解液と、電極体と非水電解液とが収容される金属製の電池ケースと、電極体が収容される箱状の絶縁部材であり、電極体と電池ケースとを隔離する絶縁ホルダとを備えている。また、この密閉型電池では、非水電解液が、電極体の内部に保持された保持電解液と、電極体と電池ケースとの間に存在する余剰電解液とを含んでいる。
そして、ここで開示される密閉型電池では、絶縁ホルダを貫通し、当該絶縁ホルダの外側に存在する余剰電解液を絶縁ホルダの内側に流入させる流入口が絶縁ホルダの底部近傍の領域に形成されている。
本発明者は、上述した課題を解決するために、保持電解液が減少しているにも関わらず、余剰電解液が電極体内へ適切に供給されなくなる原因について検討を行い、以下の知見に思い至った。
上述したように、金属製の電池ケースを備えた密閉型電池では、電池ケースと電極体とを絶縁するために、電極体を収容する箱状の絶縁ホルダが用いられている。この場合、電極体と電池ケースとの間に存在する余剰電解液のうち、絶縁ホルダの外側に存在する余剰電解液は、絶縁ホルダに遮られるため、電極体内に供給することが困難になる。
ここで開示される密閉型電池は、上述の知見に基づいてなされたものであり、箱状の絶縁ホルダの底部近傍の領域に、当該絶縁ホルダを貫通する流入口が形成されている。これによって、絶縁ホルダの外側に存在する余剰電解液を、流入口を介して絶縁ホルダの内側に流入させることができるため、絶縁ホルダを用いているにも関わらず、充分な量の余剰電解液を電極体内に供給することができる。
したがって、ここで開示される密閉型電池によれば、電池ケース内に存在する余剰電解液を電極体内に好適に供給することができるため、液枯れによる充放電性能の低下を好適に抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る密閉型電池の外形を模式的に示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る密閉型電池の内部構造を模式的に示す側面図である。 図2中のIII-III線に沿う断面構造を模式的に示す縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る密閉型電池の絶縁ホルダの展開図である。 本発明の他の実施形態に係る密閉型電池の絶縁ホルダの展開図である。 本発明の他の実施形態に係る密閉型電池の絶縁ホルダの展開図である。 本発明の他の実施形態に係る密閉型電池の絶縁ホルダの展開図である。 本発明の他の実施形態に係る密閉型電池の絶縁ホルダの展開図である。 本発明の他の実施形態に係る密閉型電池の断面構造を模式的に示す縦断面図である。 試験例における抵抗上昇率の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態を、適宜図面を参照しながら説明する。なお、本発明において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事項は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位に同じ符号を付して説明し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は必ずしも実際の寸法関係を反映するものではない。
以下、扁平な角型のリチウムイオン二次電池を例にして本発明の密閉型電池の構造について詳細に説明するが、本発明をかかる実施形態に記載されたものに限定することを意図したものではない。なお、本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正極と負極との間でリチウムイオンを移動させることによって充放電を行う二次電池をいう。
1.本実施形態に係る密閉型電池
図1は本実施形態に係る密閉型電池を模式的に示す斜視図である。また、図2は本実施形態に係る密閉型電池の内部構造を模式的に示す側面図であり、図3は図2中のIII-III線に沿う断面構造を模式的に示す縦断面図である。なお、本明細書の各図における符号Xは密閉型電池の幅方向を示し、符号Yは厚み方向を示し、符号Zは高さ方向を示している。
(1)電池ケース
図1に示すように、本実施形態に係る密閉型電池100は、扁平な角型の電池ケース50を備えており、当該電池ケース50の内部に電極体と非水電解液とが収容されている。本実施形態における電池ケース50は、充分な物理的強度を確保するために、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルめっき鋼などの金属製材料によって構成されている。
また、この電池ケース50は、ケース本体52と、蓋体54とを備えている。ケース本体52は、上面が開口した扁平な箱型の容器であり、蓋体54は、当該ケース本体52の上面の開口を塞ぐ板状の部材である。また、電池ケース50の上面をなす蓋体54には、正極端子70と負極端子72とが設けられている。この正極端子70と負極端子72は、車両のモーターや他の電池などの外部機器と接続される。
(2)電極体
図2に示すように、本実施形態に係る密閉型電池100では、電池ケース50の内部に電極体10が収容されている。詳しい図示は省略するが、電極体10は、シート状の正極と、シート状の負極とを備えている。具体的には、図2に示される電極体10は、正極と負極とをセパレータ(シート状の絶縁部材)を介して積層させ、当該積層体を長手方向に捲回することによって形成された捲回電極体である。また、この電極体10は、扁平形状になるように押し潰されており、高さ方向Zにおける上端部と下端部に、表面が曲面となるR部12(図3参照)が形成され、厚み方向Yにおける前面と背面に、表面が平面となる平坦部14が形成されている。
なお、電極体の構造は、特に限定されず、上述した捲回電極体以外の構造を採用することもできる。かかる電極体の他の例として、セパレータを介して複数枚の正極と負極とを積層させることによって形成される積層電極体などが挙げられる。
また、電極体を構成するシート状の正極は、箔状の正極集電体の表面に正極合材層を付与することによって形成される。かかる正極合材層には、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出し得る金属酸化物である正極活物質が含まれている。また、シート状の正極の幅方向の一方の側縁部には、正極合材層が付与されていない正極集電体露出部が形成されている。図2に示される電極体10では、この正極集電体露出部のみが捲回された正極接続部10Aが、幅方向Xにおける電極体10の一方の端部に形成されており、当該正極接続部10Aに正極端子70が電気的に接続される。
一方、負極についても、上述の正極と同様に、箔状の負極集電体の表面に負極合材層を付与することによって形成される。また、負極合材層に含まれる負極活物質には、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出し得る炭素材料が用いられる。そして、負極の幅方向の一方の側縁部には、負極合材層が付与されていない負極集電体露出部が形成されている。そして、かかる負極集電体露出部のみが捲回された負極接続部10Bが、幅方向Xにおける電極体10の他方の端部に形成されており、当該負極接続部10Bに負極端子72が電気的に接続される。
なお、上述した正極、負極、セパレータを構成する各材料については、一般的なリチウムイオン二次電池に用いられるものと同様のものを制限なく使用可能であり、本発明を特徴づけるものではないため詳細な説明を省略する。
(3)非水電解液
本実施形態に係る密閉型電池100では、電池ケース50の内部に非水電解液が収容されている。かかる非水電解液の組成は、特に限定されないが、例えば、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との混合溶媒(例えば体積比3:4:3)に、支持塩を所定の濃度(例えば1mol/L程度)で含有させたものを用いることができる。なお、支持塩としては、フッ素を含んだリチウム化合物、例えば、LiPF、LiBF、LiCFSO等が用いられる。
そして、本実施形態では、上述の非水電解液の一部が保持電解液(図示省略)として、電極体10の内部(換言すると、正極と負極との間)に保持されている。本実施形態に係る密閉型電池100では、この保持電解液を介して、正極と負極との間で電荷担体が移動することによって充放電が行われる。
また、本実施形態では、上述した保持電解液と同様の組成を有する余剰電解液20が、電極体10と電池ケース50との間(電極体10の外側)に存在している。このように、電極体10の外側に余剰電解液20を注液することによって、電極体10内の保持電解液が減少した際に、電極体10内に新たな非水電解液を供給することができるため、液枯れによる電池性能の低下を抑制できる。
(4)絶縁ホルダ
本実施形態に係る密閉型電池100では、上述した金属製の電池ケース50と電極体10とが導通することを防止するために、箱状の絶縁ホルダ30が用いられている。図4は本実施形態に係る密閉型電池100の絶縁ホルダ30の展開図である。
図4に示すように、本実施形態における絶縁ホルダ30は、絶縁樹脂製のフィルムを点線部分(折り曲げ部)Lで折り曲げることによって成形される。かかる箱状の絶縁ホルダ30は、図2に示すように、上面が開口しており、当該上面の開口部から電極体10を挿入することによって内部に電極体10を収納することができる。この状態の電極体10を電池ケース50内に収容することによって、発電要素である電極体10と金属製の電池ケース50とを隔離し、これらの部材の導通を防止することができる。なお、絶縁ホルダ30は、絶縁部材として機能し得る材料で構成されていればよく、特に限定されないが、材料コストや成形の容易さなどを考慮すると、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などの樹脂材料で構成されていると好ましい。
しかし、このような絶縁ホルダを備えた密閉型電池では、液枯れによる電池性能の低下が生じる可能性がある。具体的には、絶縁ホルダを備えた密閉型電池では、電極体と絶縁ホルダとの間(絶縁ホルダの内側)に存在する余剰電解液を電極体内に供給することはできるが、絶縁ホルダと電池ケースとの間(絶縁ホルダの外側)に存在する余剰電解液を電極体内に供給することが困難である。このため、充分な量の余剰電解液を電極体の内部に供給することができずに液枯れが発生する可能性がある。
これに対し、本実施形態に係る密閉型電池100では、図3および図4に示すように、絶縁ホルダ30の底面30aに、当該絶縁ホルダ30を貫通するスリット状の流入口32が形成されている。これによって、絶縁ホルダ30の外側に存在する余剰電解液20を、流入口32を介して絶縁ホルダ30の内側に流入させることができるため、電池ケース50内に注液された余剰電解液20の大部分を電極体10の内部に供給することができる。従って、本実施形態によれば、充放電の進行に伴って電極体10内の保持電解液が減少したとしても、充分な量の余剰電解液20を電極体10内に供給することができるため、液枯れによる電池性能の低下を好適に抑制できる。
なお、図4に示すように、本実施形態に係る密閉型電池では、絶縁ホルダ30の底面30aに、電池の幅方向Xに沿って延びるスリット状の流入口32が形成されている。かかるスリット状の流入口32の長さDは、10mm~30mmであると好ましい。この流入口32の長さDが短すぎると、絶縁ホルダ30の外側に存在する余剰電解液20を絶縁ホルダ30の内部に流入させることが難しくなる。一方で、流入口32の長さDが長すぎると、電極体10と電池ケース50とが直接接触する恐れが生じる。
2.本発明の他の実施形態
以上、本発明の一実施形態に係る密閉型電池について説明したが、ここで開示される密閉型電池は、上述の実施形態に限定されず、必要に応じて適宜変更することができる。
例えば、上述の実施形態では、図4に示すように、幅方向Wに沿って延びるスリット状の流入口32が絶縁ホルダ30の底面30aに形成されている。しかし、絶縁ホルダの流入口は、絶縁ホルダの外側の余剰電解液を内側に適切に流入させることができるように形成されていればよく、その形状や形成位置は上述の実施形態に限定されない。
例えば、上述の実施形態では、絶縁ホルダ30の底面30aの中央付近に、スリット状の流入口32が1個だけ形成されているが、かかる流入口の数は2個以上であってもよい。例えば、図5に示す絶縁ホルダ30では、底面30aに3個の流入口32が形成されている。具体的には、かかる絶縁ホルダ30では、幅方向Xにおける両端部と中央部に流入口32が形成されている。これによって、絶縁ホルダの外側に存在する余剰電解液を、絶縁ホルダの内側へ好適に流入させることができる。
また、図4や図5では、幅方向Wに沿って延びるスリット状の流入口32が形成されているが、かかる流入口の形状についても、特に限定されない。例えば、図6に示すように、流入口32は、幅方向Wに対して所定の角度で傾斜するように形成されていてもよい。
さらに、流入口32の形状は、図4~図6に示されるようなスリット状でなくてもよい。例えば、図7や図8に示すように、平面視において円形の流入口32を形成した場合でも、絶縁ホルダの外側の余剰電解液を絶縁ホルダの内側へ流入させることができる。
さらに、上述した図4~図8に示す絶縁ホルダ30では、何れにおいても、絶縁ホルダ30の底面30aに流入口32が形成されている。しかし、流入口32を形成する位置は、絶縁ホルダの底部近傍の領域であればよく、絶縁ホルダの底面に限定されない。
例えば、図9に示される密閉型電池100では、絶縁ホルダ30の側壁30bの底面30a近傍の領域に流入口32が形成されている。このような位置に流入口32を形成した場合であっても、流入口32を介して絶縁ホルダ30内に余剰電解液20を好適に流入させることができるため、液枯れによる電池性能の低下を好適に抑制できる。
なお、図9に示すような形態において、絶縁ホルダ30の流入口32は、電極体10の平坦部14よりも低い位置(高さ方向Zにおける下方)に形成されていると好ましい。このように、電極体10の平坦部14よりも低い位置に流入口32を形成することによって、電極体10のR部12と絶縁ホルダ30との隙間に好適に余剰電解液20を流入させることができるため、液枯れの発生をより好適に抑制できる。
また、図1に示すような扁平な角型の密閉型電池100は、複数の電池同士を電気的に接続した組電池の状態で使用されることがあり、このような組電池を構築する際には、電池ケース50の扁平面(幅広面)に所定の圧力が掛かるように各々の密閉型電池100が拘束される。このような場合、拘束圧が掛かる領域に流入口32を形成すると、絶縁ホルダ30内に余剰電解液20を流入させ難くなる。このため、組電池の構築に用いられる密閉型電池の場合には、拘束圧が掛かる領域よりも低い位置(高さ方向Zにおける下方)に流入口32を形成すると好ましい。
[試験例]
以下、本発明に関する試験例を説明するが、以下の試験例は本発明を限定することを意図したものではない。
1.各試験例
本試験例では、流入口が形成されている絶縁ホルダと、当該流入口が形成されていない絶縁ホルダとを用いて、2種類の密閉型電池を構築した。
(1)試験例1
試験例1では、正極活物質(リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物:LiNi1/3Co1/3Mn1/3)と、導電材(アセチレンブラック:AB)と、バインダ(ポリフッ化ビニリデン:PVdF)とを98:1:1の割合で混合し、分散媒(水)に分散させて正極ペーストを調製した。そして、調製した正極ペーストを、正極集電体(アルミニウム箔)の両面に塗布した後に乾燥させることによってシート状の正極を作製した。
次に、本試験例では、負極活物質(黒鉛)と、バインダ(スチレンブタジエンゴム:SBR)と、増粘剤(カルボキシメチルセルロース:CMC)とを98:1:1の割合で混合し、分散媒(N-メチルピロリドン:NMP)に分散させて負極用ペーストを調製した。そして、負極用ペーストを負極集電体(銅箔)の両面に塗布した後に、乾燥、圧延することによってシート状の負極を作製した。
次に、上述の正極と負極を、シート状のセパレータを介して積層させた後に、当該積層体を捲回し、押し潰すことによって扁平形状の捲回電極体を作製した。そして、作製した捲回電極体を、正極端子と負極端子に接続した後、箱状の絶縁ホルダ内に収容し、当該絶縁ホルダと共に電池ケース内部に収容した。なお、本試験例で使用した絶縁ホルダは、ポリプロピレン(PP)製の絶縁フィルム(厚み:0.5mm)を箱状に折り曲げて成形したものである。
次に、エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)とを3:4:3の体積比で含む混合溶媒に支持塩(LiPF)を約1mol/Lの濃度で含有させた非水電解液を電池ケース内に含浸させることによって、試験例1の密閉型電池(リチウムイオン二次電池)を作製した。
(2)試験例2
試験例2では、図4に示すような幅方向Xに沿って延びるスリット状の流入口32が底面30aに形成されている絶縁ホルダ30を用いた点を除いて、試験例1と同じ条件でリチウムイオン二次電池を作製した。
2.評価試験
本試験例では、上述した試験例1、2のリチウムイオン二次電池に急速充電試験を繰り返し実施し、各試験例の電池に液枯れによる電池性能の低下が生じているか否かを調べた。具体的には、各試験例の電池を放電状態から初期容量の80%まで125Aで急速充電を行った後に、10Aで放電する充放電サイクル試験を2500回繰り返した。そして、かかる充放電サイクルを繰り返している間、100サイクル毎にIV抵抗を測定し、試験開始前のIV抵抗を1.00とした場合の抵抗上昇率を算出した。測定結果を図10に示す。
図10に示すように、試験例1と試験例2の抵抗上昇率を比較すると、試験例2の方がIV抵抗の上昇が抑制されていることが分かった。このことから、電極体内の液枯れが生じやすい急速充電を繰り返し行った場合でも、試験例2のように、流入口が形成された絶縁ホルダを使用すると、充分な量の余剰電解液を電極体内に供給できるようになるため、液枯れによる電池性能の低下が生じ難くなることが分かった。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
10 電極体
10A 正極接続部
10B 負極接続部
12 R部
14 平坦部
20 余剰電解液
30 絶縁ホルダ
30a 絶縁ホルダの底面
30b 絶縁ホルダの側壁
32 流入口
50 電池ケース
52 ケース本体
54 蓋体
70 正極端子
72 負極端子
100 密閉型電池
D 流入口の長さ
L 点線部分(折り曲げ部分)
X (密閉型電池の)幅方向
Y (密閉型電池の)厚み方向
Z (密閉型電池の)高さ方向

Claims (1)

  1. シート状の正極と負極とを有する電極体と、
    非水電解液と、
    前記電極体と前記非水電解液とが収容される金属製の電池ケースと、
    前記電極体が収容される箱状の絶縁部材であり、前記電極体と前記電池ケースとを隔離する絶縁ホルダと
    を備える密閉型電池であって、
    前記非水電解液が、前記電極体の内部に保持された保持電解液と、前記電極体と前記電池ケースとの間に存在する余剰電解液とを含んでおり、
    前記絶縁ホルダを貫通し、当該絶縁ホルダの外側に存在する前記余剰電解液を前記絶縁ホルダの内側に流入させる流入口が、前記絶縁ホルダの底部近傍の領域に形成されており、
    前記流入口は、所定の方向に延びるスリット状の流入口であり、前記流入口の長さは、10mm~30mmである、密閉型電池。
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