JP7024542B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体基板が素子分離構造によって区画された領域内に横型の半導体素子が形成された半導体装置の構造、製造方法に関する。
パワー半導体素子であるダイオードやLDMOS等が共通の半導体基板上に複数形成された集積回路として形成される場合がある。こうした場合には、各素子を独立して良好に動作させるために、隣接する素子間に素子分離のための構造(素子分離構造)が形成される。素子分離構造としては、例えば素子間の境界に表面から素子の動作に関わる深さよりも深く形成されたp型層又はn型層を用い、pn接合によって素子間を分離することができる。あるいは、このp型層やn型層に代わり深い溝を形成してこの溝中を絶縁層(酸化膜)等で埋め込んだディープトレンチ構造を素子分離構造とすることもできる。
こうした場合においては、断面視における2つのディープトレンチ構造の間の領域が一つの素子領域となる。ここで、特許文献1等に記載のように、例えば半導体基板上にエピタキシャル成長で形成された半導体層においてこの素子領域でLDMOSが形成され、LDMOSの高性能化のために、半導体層と半導体基板との間に高不純物濃度の半導体層(n型埋め込み層(埋め込み半導体層))が形成される場合が多い。この場合、ディープトレンチ構造は、n型埋め込み層よりも深く半導体基板に達する深さとされる。LDMOS以外の場合においても同様である。この場合には、p型の半導体基板(p型基板)が用いられ、p型基板の表面にn型埋め込み層を形成した後に、低不純物濃度のn型層がエピタキシャル成長で形成され、このn型層が例えばLDMOS(MOSFET)のドリフト層とされる。また、n型埋め込み層を用いずにSOI(Silicon On Insulator)構造を用いて、ディープトレンチ構造による素子分離と素子の高性能化を図ることが特許文献2に記載されている。
一方、こうした構造においては各素子における主電極(ダイオードにおいてはアノード電極、カソード電極、LDMOS(MOSFET)においてはソース電極、ドレイン電極)はいずれもn型層の表面側に設けられる。これらの素子がオフ時においては、半導体基板中に形成された空乏層中の電界強度が高くなり、この最大電界強度が半導体の降伏電界強度を超えると、本来はオフであるべき主電極間に電流が流れる。このため、この最大電界強度が大きくならないような設計とすることによって、素子の耐圧を向上させることができる。
特開2011-71304号公報 特開2015-156507号公報
上記のように主電極はいずれも半導体基板の表面側に設けられるため、一般的にはこの場合の最大電界は半導体基板の面内方向(水平方向)に沿ったものとなる。しかしながら、上記のようにn型埋め込み層とその上側にn型層が形成される場合、p型基板の電位は一定とされる場合が多い。この場合には、オフ時においては、n型層において上下方向(厚さ方向)における電界強度が大きくなり、水平方向ではなく、上下方向の電界によって耐圧が制限される場合が多かった。
このような厚さ方向における電界強度を緩和するためには、n型層を厚くすることが有効である。しかしながら、n型層をエピタキシャル成長によって厚く形成することは困難であった、あるいは、n型層を厚く形成することによって製造コストが大幅に上昇した。また、仮にn型層を厚く形成した場合においては、上記のような素子分離のための構造を形成することが困難となった。あるいは、上記のような素子分離構造を深く形成するためには、平面視における素子分離構造に要する面積が大きくなるため、チップ面積が増大し、やはり製造コストが上昇した。
また、上記の特許文献2に記載のように、SOI基板を用いることによって、こうした問題点を解消することも可能である。しかしながら、この場合に必要となるSOI基板は非常に高価であるために、やはり製造コストが上昇した。
このため、素子分離構造の間のn型埋め込み層(埋め込み半導体層)を厚くせずに、高い耐圧を得ることができる構造が望まれた。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明の半導体装置は、第1の導電型をもつ半導体基板と、前記第1の導電型と逆の第2の導電型をもち前記半導体基板の上に形成された埋め込み半導体層と、前記第2の導電型をもち前記埋め込み半導体層の上に形成された第1の半導体層と、前記第1の導電型をもち前記第1の半導体層の表面において局所的に形成された第2の半導体層と、前記第2の導電型をもち前記第2の半導体層から離間して前記第1の半導体層の表面において局所的に形成された第3の半導体層と、を具備し、オン時において前記第1の半導体層中を水平方向に電流が流れ、オフ時において前記第2の半導体層から前記第3の半導体層の間における前記第1の半導体層中で空乏層が広がるように動作する半導体素子が、鉛直方向における断面視において前記半導体基板に形成された2つの素子分離構造の間に挟まれた領域に設けられた半導体装置であって、前記第1の導電型をもち前記埋め込み半導体層よりも低キャリア濃度とされ、前記埋め込み半導体層と前記第1の半導体層の間において前記埋め込み半導体層と接して形成された第2埋め込み半導体層と、前記第1の導電型をもち前記第2の半導体層よりも低キャリア濃度とされ前記第2の半導体層と前記第2埋め込み半導体層との間を接続するように前記第1の半導体層の中に形成された第4の半導体層と、を具備し、前記断面視において、前記第2の半導体層は前記第1の半導体層における前記素子分離構造に近い側に、かつ前記第3の半導体層は前記素子分離構造から遠い側にそれぞれ設けられ、前記電流は前記第2の半導体層と前記第3の半導体層が設けられた側との間を流れるように構成され、前記第2の半導体層及び前記第4の半導体層は、2つの前記素子分離構造に近い側にそれぞれ形成され、前記埋め込み半導体層の上側において、前記第2埋め込み半導体層が前記埋め込み半導体層を覆わない領域が局所的に設けられたことを特徴とする。
本発明の半導体装置において、前記素子分離構造は、前記第1の半導体層の表面から前記半導体基板に達する溝が絶縁層で埋め込まれた構造を具備することを特徴とする。
本発明の半導体装置は、前記第2埋め込み半導体層におけるキャリア濃度の厚さ方向の積分値を前記第2埋め込み半導体層を構成する材料の誘電率で割った値で定まる電界強度が、当該材料の降伏電界強度よりも小さくされたことを特徴とする。
本発明の半導体装置において、前記半導体素子はpn接合ダイオードであることを特徴とする。
本発明の半導体装置において、前記半導体素子は横型MOSFETであることを特徴とする。
本発明の半導体装置において、前記半導体素子は横型バイポーラトランジスタであることを特徴とする。
本発明の半導体装置の製造方法は、前記半導体装置の製造方法であって、前記半導体基板の上に前記第1の半導体層をエピタキシャル成長によって形成するエピタキシャル成長工程を具備し、前記エピタキシャル成長工程の前に、前記半導体基板の表面に前記第1の導電型に対応する第1の不純物と、前記第2の導電型に対応する第2の不純物と、を導入する埋め込み層形成工程を具備することを特徴とする。
本発明の半導体装置の製造方法は、前記埋め込み層形成工程において、前記半導体基板の表面における前記第1の不純物又は前記第2の不純物が導入される領域を、マスクを用いて制限することを特徴とする。
本発明は以上のように構成されているので、素子分離構造の間の埋め込み半導体層を厚くせずに、高い耐圧を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る半導体装置の構造を示す断面図である。 従来の半導体装置の構造を示す断面図である。 従来の半導体装置における電界分布を示す図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置における半導体基板中の電位分布を示す図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の第1の変形例の構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の第2の変形例の構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の第3の変形例の構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の第4の変形例の構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の第5の変形例の構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の第6の変形例の構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の第7の変形例の構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の第8の変形例の構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の第9の変形例の構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の第10の変形例の構造を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態となる半導体装置について説明する。この半導体装置においては、オフ時において半導体基板上の薄い半導体層(第1の半導体層)中で空乏層が形成される状況が、従来の半導体装置とは異なる。これにより、この半導体層の膜厚が同等でも、空乏層内部に形成される電界強度を小さくすることができ、これによって耐圧を高めることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る半導体装置1の構造を示す断面図である。この半導体装置1はpn接合ダイオードであり、本発明が適用されない従来の半導体装置90の構造を比較のために図2に示す。どちらにおいても、pn接合ダイオードは、p型基板(半導体基板)11上において高濃度で薄く形成されたn型埋め込み層(埋め込み半導体層)12上のn型エピタキシャル層(第1の半導体層)13中に形成されている。また、pn接合ダイオードが形成された素子領域は表面からp型基板11中まで達するトレンチ酸化膜(素子分離構造)21で仕切られており、図1、2では2つのトレンチ酸化膜21で挟まれた領域が示されている。トレンチ酸化膜21は、n型エピタキシャル層13の表面からp型基板11に達する溝が絶縁層(SiO)で埋め込まれた攻勢を具備する。n型埋め込み層12の両側はトレンチ酸化膜21で仕切られており、n型埋め込み層12には電極が接続されず、かつn型埋め込み層12の上限にはpn接合が形成されるため、少なくとも非動作時にはn型埋め込み層12の電位は浮遊状態となる。カソード(pn接合のn側の電極)は素子領域の中央に、アノード(pn接合のp側の電極)は素子領域の両側に設けられている。このため、カソード電極が接続されるn層(第3の半導体層)14は表面の中央に、アノード電極が接続されるp層(第2の半導体層)15はその両側に形成されている。また、表面においてn層14、p層15がコンタクトのために露出した部分を除き、表面側での耐圧確保のために、厚い酸化膜で構成されたフィールド酸化膜22が表面に形成されている。ここでは、アノード側が接地電位とされ、カソード側の電位が負側でオン、正側でオフとされる。この際、p型基板11も裏面側(図中下側)でアノード側と同電位(接地電位)とされるものとする。不純物(キャリア)濃度は、p型基板11で1015cm-3台、n型エピタキシャル層13で最も低く1015cm-3台、n型埋め込み層12で1019cm-3台、n層14、p+層15で1019cm-3台以上とされる。
図2の半導体装置90において、カソード電圧が0Vの場合には、空乏層はp層15とn型エピタキシャル層13の界面のpn接合に形成され、カソード電圧が上昇するに従って、空乏層はここから中央のn層14側、かつ下向きに広がる。
図2の半導体装置90において、カソード側(n層14)が+60Vとされて半導体基板中の全体に空乏層が形成された際の等電位線の状況を模式的に図3に示す。ここで、破線中の数字が電位を示している。この場合には、等電位線は両側のp層15から0V、10Vとなるようにn+層14側に向けて徐々に広がり、この際に下側(n型埋め込み層12側に向けても広がる。n型エピタキシャル層13が薄い場合には、60Vの等電位線はn型埋め込み層12に達する。高濃度のn型埋め込み層12全体は一様な電位となるため、ここではn型埋め込み層12全体が60Vとなる。一方、p型基板11の裏面側は0Vであるため、p型基板11中の等電位線は等間隔となり、結局、0V~60Vまでの等電位線は、図3に示されたように、n型埋め込み層12の上側では、両側のp層15から広がって60Vでn型埋め込み層12の形態と重なる形態となる。一方、n型埋め込み層12の下側では、0V~60Vまでの等電位線は、下側から等間隔となり、60Vでn型埋め込み層12の形態と重なる形態となる。この場合、n型エピタキシャル層13の厚さ方向における最大の電位差はカソード電位となる60Vとなり、これを膜厚で割った値が最大電界強度となる。
ここで、p型基板11の厚さ(n型埋め込み層12よりも下側の厚さ)は、n型埋め込み層12製造条件等によって適宜設定することができ、これを厚く設定することによって、等電位線の間隔を広くし、p型基板11中の最大電界強度を小さくすることができる。一方、エピタキシャル成長によるn型エピタキシャル層13の厚さ(n型埋め込み層12よりも上側の厚さ)は、p型基板11のように厚く設定することが困難である。このため、図3に示されたように等電位線が形成される場合には、電界強度が高くなる箇所がn型エピタキシャル層13中で形成され、これによって耐圧(オフ時に半導体中での絶縁破壊が発生するカソード電圧)が定まる場合が多い。
一方、図1の半導体装置1においてはn型埋め込み層12の上側にp型埋め込み層(第2埋め込み半導体層)16が形成され、かつ各p層15とこのp型埋め込み層16を連結するように、p型のpウェル(第4の半導体層)17が形成されている。また、n層14の周囲(n層14とp型埋め込み層16)の間には、n型のnウェル(第5の半導体層)18が形成されている。p型埋め込み層16の不純物濃度はn型埋め込み層12よりも低く1018cm-3台程度とされる。pウェル17の不純物濃度はp型埋め込み層16よりも低く1017cm-3台、nウェル18の不純物濃度は1016cm-3台程度とされる。
この場合において、カソード電圧が0Vの場合においては、空乏層はp型埋め込み層16とnウェル18の界面、pウェル17とその周囲のn型エピタキシャル層13の界面に形成される。nウェル18の不純物濃度はp型埋め込み層16よりも低いため、カソード電圧が上昇するに従って空乏層はp型埋め込み層16とnウェル18の界面からnウェル18中をn層14側に向かって広がる。この際、p型埋め込み層16中にも下向きに空乏層が広がり、薄いp型埋め込み層16は厚さ方向で全体が空乏化する。ただし、その下のn型埋め込み層12の不純物濃度は高いため、n型埋め込み層12までは空乏化せず、浮遊状態のn型埋め込み層12の電位は全面で均一となる。更にカソード電圧が高まると、今度は低濃度のpウェル17中を上側(p層15側)に向けて空乏層が広がる。
カソード電圧が100Vとされこのように空乏化が進んだ後の等電位線の分布を図3に対応させて図4に示す。この場合においては、p型埋め込み層16の上側において、中央側(n層14の直下側)と両端側(p+層15の直下側)とで、形成される電界の向きが逆転する。すなわち、図3においてn型エピタキシャル層13中での電界の向きは一定であり、この電界がカソード電圧に対応したのに対し、図4においてn型エピタキシャル層13(nウェル18、pウェル17)中では中央側と両端側で異なる向きに電界が形成され、カソード電圧は、これらの電界による電圧が直列接続した電圧に対応する。このため、カソード電圧が同等であれば、図4の場合における最大電界強度は、図3の場合における最大電界強度よりも小さくなる。
すなわち、図4の場合にはn型エピタキシャル層13中の最大電界強度を低下させることができる。あるいは、耐圧を確保した上でn型エピタキシャル層13を薄くすることができる。
上記の動作を行わせるためには、nウェル18とp型埋め込み層16の界面の空乏層がカソード電圧の上昇によって広がる際に、ここでの最大電界強度が降伏電界強度を超えないことが必要である。この際、nウェル18とp型埋め込み層16の界面の空乏層が広がりp型埋め込み層16とn型埋め込み層12の界面の空乏層と連結した場合にはp型埋め込み層16全体が空乏化される。このため、この場合に考慮すべき最大電界強度は、このようにp型埋め込み層16全体が空乏化した場合のp型埋め込み層16における最大電界強度とすることができる。この電界強度Eは、以下の式のように、p型埋め込み層16の不純物濃度ρの厚さ方向(x)の積分値を半導体(Si)の誘電率εで割った値となる。
Figure 0007024542000001
すなわち、このEが半導体の降伏電界強度(臨海電界強度:Siの場合には室温で3×10V/m程度))を超えないように、ρを設定することが好ましい。ρは後述する製造方法によって設定される。
図1の構造を製造するに際しては、n型エピタキシャル層13は、p型基板11上にエピタキシャル成長することによって得ることができる(エピタキシャル成長工程)。n型埋め込み層12、p型埋め込み層16は、このエピタキシャル成長工程の前に形成しておくことができる。ここで、n型埋め込み層12を形成するためには、n型のドーパント(第1の不純物)となる砒素(As)、アンチモン(Sb)をp型基板11の表面に添加して用いることができ、p型埋め込み層16を形成するためには、p型のドーパント(第2の不純物)となるホウ素(B)をp型基板11の表面に添加して用いることができる(埋め込み層形成工程)。
ただし、実際にはこれらのドーパントが添加された後に熱処理が施される、あるいはエピタキシャル成長工程時の加熱によって、上記のように電気的に機能するn型埋め込み層12、p型埋め込み層16が得られる。この際、半導体(Si)中のBの拡散速度は、As、Sbの拡散速度よりも大きいため、実際には、Bと、As又はSbとを同時に添加すれば、上側でn型エピタキシャル層13中にBが拡散することによって、図1に示されたように、n型埋め込み層12の上側にp型埋め込み層16を形成することができる。この際、Bはp型基板11側にも拡散するが、こちらは元からp型の層であるため、特性に大きな影響はない。すなわち、上記のようなn型埋め込み層12、p型埋め込み層16は、特に容易に形成することができる。
上記の半導体装置1の第1の変形例として、半導体素子をnチャンネルのLDMOSとした半導体装置2の断面図を図5に示す。ここでは、図1の半導体装置1と同様にn型埋め込み層12、p型埋め込み層16が設けられ、その上のn型エピタキシャル層13中にpウェル(第4の半導体層)17、n層(第3の半導体層)14、nウェル(第5の半導体層)18が設けられる。更にMOSFETのボディ領域となるp型のベース層31がpウェル17中に形成され、ベース層31中にn層32、p層(第2の半導体層)33が形成され、n層32、p層33がソース電極と接続される。また。n層14はドレイン電極と接続され、nウェル18はドリフト層となる。また、ベース層21からnウェル18に至る領域の表面には薄いゲート酸化膜34が形成され、ゲート酸化膜34上にはゲート電極35が形成される。
この半導体装置2においても、オン時にはn型エピタキシャル層13(pウェル17、nウェル18)中を横方向に電流が流れ、オフ時にはこれらの層が空乏化される。このため、pウェル17やp型埋め込み層16が上記の半導体装置1と同様に機能する。
上記の半導体装置1の第2、第3の変形例として、半導体素子をpnp型、npn型のバイポーラトランジスタとした半導体装置3、4の断面図をそれぞれ図6、7に示す。図6においては、pウェル(第4の半導体層)17はp型のドリフト層となり、nウェル(第5の半導体層)18はn型のベース層となる。このため、pウェル17中のp+層(第2の半導体層)41にはコレクタ電極が接続され、nウェル18中にはベース電極と接続されるn層(第3の半導体層)42、エミッタ電極と接続されるp層43が形成される。一方、図7においては、nウェル18はn型のドリフト層となり、nウェル18中にはコレクタ電極と接続されるn層(第3の半導体層)45が形成される。一方、pウェル17中にはp型のベース層46が形成され、その中にエミッタ電極と接続されるn層47、ベース電極と接続されるp+層(第2の半導体層)48が形成される。半導体装置3、4においても、オン時にはn型エピタキシャル層13(pウェル17、nウェル18)中を横方向に電流が流れ、オフ時にはこれらの層が空乏化される。このため、pウェル17やp型埋め込み層16が上記の半導体装置1と同様に機能する。
また、上記の半導体装置1の第4の変形例として、半導体素子をpチャンネル型のLDMOSとした半導体装置5の断面図を図8に示す。図8においては、pウェル(第4の半導体層)17はp型のドリフト層となり、nウェル(第5の半導体層)18はn型のベース層となる。このため、pウェル17中のp+層(第2の半導体層)51にはドレイン電極が接続され、nウェル18中にはソース電極と接続されるn層(第3の半導体層)52、p層53が形成される。また、p層53からpウェル17に至る領域の表面には薄いゲート酸化膜34が形成され、ゲート酸化膜34上にはゲート電極35が形成される。この半導体装置5においても、オン時にはn型エピタキシャル層13(pウェル17、nウェル18)中を横方向に電流が流れ、オフ時にはこれらの層が空乏化される。このため、pウェル17やp型埋め込み層16が上記の半導体装置1と同様に機能する。
上記の例においては、2つのトレンチ酸化膜(素子分離構造)21の間の領域全面にわたりn型埋め込み層12、p型埋め込み層16が一様に形成されていた。これに対して、以下に説明する変形例は、これらが一様とされておらず、これによってn型埋め込み層12よりも上側における電位や電位分布を調整することができる。
まず、第5の変形例となる半導体装置6の断面図を図9に示す。この半導体装置6においては、半導体装置1と同様にpn接合ダイオードが形成されており、p型埋め込み層16が左右で分断された点が半導体装置1と異なる。この場合には、p型埋め込み層16が分断された中央部のnウェル18直下で低濃度のn型エピタキシャル層13が露出するため、カソード側の空乏層がn型埋め込み層12に達しやすくなり、この状態でp型埋め込み層16はピンチオフの状態となるため、p型埋め込み層16の電位が定まる。このため、この状態におけるn型埋め込み層12側の電位を前記の半導体装置1と比べて低下させることができる。このため、カソード側で空乏層がn型埋め込み層12に達するまでの最大電界強度が降伏電界強度を超えるおそれがある場合には、この構成が有効である。
第6の変形例となる半導体装置7の断面図を図10に示す。この半導体装置7においては、前記の半導体装置6とは逆に、p型埋め込み層16が形成されない領域が左右のpウェル17直下に設けられている。左右で分断された点が半導体装置1と異なる。この場合には、pウェル17直下で低濃度のn型エピタキシャル層13が露出するため、アノード側の空乏層がn型埋め込み層12に達しやすくなる。この状態におけるn型埋め込み層12側の電位を前記の半導体装置1と比べて低下させることができる。このため、アノード側で空乏層がn型埋め込み層12に達するまでの最大電界強度が降伏電界強度を超えるおそれがある場合には、この構成が有効である。
上記の半導体装置6、7においては、p型埋め込み層16が形成されない領域を設け、この部分で空乏層が埋め込みn型層12に達しやすくすることによって、図4に示された電位分布が調整される。これにより、特定の箇所で最大電界強度が降伏電界強度を超えるおそれがある場合において、これを回避させることができる。
上記の半導体装置6、7においては、特定の箇所で空乏層が埋め込みn型層12に達しやすくされた。この構造は、前記の埋め込み層形成工程において、上記のようにp型埋め込み層16が形成されない領域にマスクを形成した上でp型のドーパントを拡散(イオン注入)することによって、形成することができる。逆に、特定の箇所で空乏層が埋め込みn型層12に達しにくくすることによって、同様に電位分布を調整することもできる。
また、第7、8の変形例となる半導体装置8、9の断面図を図11、12にそれぞれ示す。半導体装置8においては、中央部のnウェル18直下でn型埋め込み層12が局所的に薄くされる。これにより、この部分で実質的にp型埋め込み層16が厚くなり、この部分で空乏層がn型埋め込み層12に達しにくくなる。これにより、前記の半導体装置6とは逆にn型埋め込み層12側の電位を高くすることができ、その分アノード側における電界強度を低下させることができる。半導体装置9においては、両側のpウェル17直下でn型埋め込み層12が局所的に薄くされことにより、この部分で空乏層がn型埋め込み層12に達しにくくなる。これにより、半導体装置8とは逆にカソード側における電界強度を低下させることができる。
図11、12の構造は、前記の埋め込み層形成工程において、p型埋め込み層16が厚くなる領域にマスクを形成した上でn型のドーパントを拡散(イオン注入)し、かつp型のドーパントは一様とすることによって、形成することができる。この場合には、マスクされた領域ではn型ドーパントの量が低濃度となるために、図11、図12のような形態のn型埋め込み層12を形成することができる。一方、p型のドーパントの拡散速度が大きければ、p型埋め込み層16の上面側の深さは図11、12のように一様となる。
すなわち、図9~12の構造は、埋め込み層形成工程において、マスクを用いてドーパントの注入を制限することによって、容易に製造することができる。これによって、半導体装置内部において特に電界強度が高まる箇所を調整し、これによって耐圧を高めることができる。
また、上記の例では、素子分離構造としてトレンチ酸化膜21が用いられ、n型埋め込み層12は、トレンチ酸化膜21の間に形成されることにより、電気的に浮遊状態とされるため、上記のようにp型埋め込み層16を機能させることができた。しかしながら、n型埋め込み層12を浮遊状態としつつ素子分離を行うために、他の素子分離構造を用いることもできる。図13は、pn接合を用いて素子分離を行う場合に本願発明を適用した半導体装置61(第9の変形例)の構造を示す図である。ここでは、n型エピタキシャル層13において、pウェル17やp型埋め込み層16の外側に、高濃度のn型層で構成されn型埋め込み層12と接続されたn型プラグ54が形成され、更にその外側に高濃度のp型層で構成されp型基板11と接続されたトレンチp型層55が形成されている。また、図14に示される半導体装置62(第10の変形例)のように、トレンチp型層55の内側にn型プラグ54を設けずに、この部分をn型エピタキシャル層13のままとしてもよい。トレンチp型層55とpウェル17との間の間隔は、隣接する素子の影響を考慮して適宜設定される。
なお、上記の例では、半導体基板としてp型(第1の導電型)のp型基板11が用いられ、その上にn型(第2の導電型)の埋め込み半導体層(n型埋め込み層12)、n型の第1の半導体層(n型エピタキシャル層13)が形成され、第1の半導体層の表面に局所的に第2の半導体層(p層15等)、第3の半導体層(n層14等)が形成され、第2の半導体層と第3の半導体層の間において、第1の半導体層中をオン時に電流が流れる、あるいはオフ時に第1の半導体層中が空乏化されるものとした。しかしながら、これらの導電型を逆転させても、これに応じて、上記の第2埋め込み半導体層や第4、第5の半導体層等の導電型を逆転させても、同様の効果を奏することは明らかである。
1~9、61、62、90 半導体装置
11 p型基板(半導体基板)
12 n型埋め込み層(埋め込み半導体層)
13 n型エピタキシャル層(第1の半導体層)
14、42、45、52 n層(第3の半導体層)
15、33、41、48、51 p層(第2の半導体層)
16 p型埋め込み層(第2埋め込み半導体層)
17 pウェル(第4の半導体層)
18 nウェル(第5の半導体層)
21 トレンチ酸化膜
22 フィールド酸化膜
31、46 ベース層
32、47 n
34 ゲート酸化膜
35 ゲート電極
43、53 p
54 n型プラグ
55 トレンチp型層

Claims (8)

  1. 第1の導電型をもつ半導体基板と、前記第1の導電型と逆の第2の導電型をもち前記半導体基板の上に形成された埋め込み半導体層と、前記第2の導電型をもち前記埋め込み半導体層の上に形成された第1の半導体層と、前記第1の導電型をもち前記第1の半導体層の表面において局所的に形成された第2の半導体層と、前記第2の導電型をもち前記第2の半導体層から離間して前記第1の半導体層の表面において局所的に形成された第3の半導体層と、を具備し、オン時において前記第1の半導体層中を水平方向に電流が流れ、オフ時において前記第2の半導体層から前記第3の半導体層の間における前記第1の半導体層中で空乏層が広がるように動作する半導体素子が、鉛直方向における断面視において前記半導体基板に形成された2つの素子分離構造の間に挟まれた領域に設けられた半導体装置であって、
    前記第1の導電型をもち前記埋め込み半導体層よりも低キャリア濃度とされ、前記埋め込み半導体層と前記第1の半導体層の間において前記埋め込み半導体層と接して形成された第2埋め込み半導体層と、
    前記第1の導電型をもち前記第2の半導体層よりも低キャリア濃度とされ前記第2の半導体層と前記第2埋め込み半導体層との間を接続するように前記第1の半導体層の中に形成された第4の半導体層と、
    を具備し、
    前記断面視において、
    前記第2の半導体層は前記第1の半導体層における前記素子分離構造に近い側に、かつ前記第3の半導体層は前記素子分離構造から遠い側にそれぞれ設けられ、前記電流は前記第2の半導体層と前記第3の半導体層が設けられた側との間を流れるように構成され、
    前記第2の半導体層及び前記第4の半導体層は、2つの前記素子分離構造に近い側にそれぞれ形成され、
    前記埋め込み半導体層の上側において、前記第2埋め込み半導体層が前記埋め込み半導体層を覆わない領域が局所的に設けられたことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記素子分離構造は、前記第1の半導体層の表面から前記半導体基板に達する溝が絶縁層で埋め込まれた構造を具備することを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
  3. 前記第2埋め込み半導体層におけるキャリア濃度の厚さ方向の積分値を前記第2埋め込み半導体層を構成する材料の誘電率で割った値で定まる電界強度が、当該材料の降伏電界強度よりも小さくされたことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
  4. 前記半導体素子はpn接合ダイオードであることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の半導体装置。
  5. 前記半導体素子は横型MOSFETであることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の半導体装置。
  6. 前記半導体素子は横型バイポーラトランジスタであることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の半導体装置。
  7. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記半導体基板の上に前記第1の半導体層をエピタキシャル成長によって形成するエピタキシャル成長工程を具備し、
    前記エピタキシャル成長工程の前に、
    前記半導体基板の表面に前記第1の導電型に対応する第1の不純物と、前記第2の導電型に対応する第2の不純物と、を導入する埋め込み層形成工程を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 前記埋め込み層形成工程において、
    前記半導体基板の表面における前記第1の不純物又は前記第2の不純物が導入される領域を、マスクを用いて制限することを特徴とする請求項に記載の半導体装置の製造方法。
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