JP7024341B2 - 自動車 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車に関し、詳しくは、モータとインバータと蓄電装置とを備える自動車に関する。
従来、この種の自動車としては、走行用のモータと、モータを駆動するインバータと、バッテリと、バッテリ側の第1電力ラインの電力を昇圧してインバータ側の第2電力ラインに供給する昇圧コンバータとを備え、インバータをパルス幅変調制御モードおよび矩形波制御モードのうちの何れかの制御モードで制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この自動車では、モータから要求トルクを出力させるために、第2電力ラインの目標電圧とインバータの制御モードと電圧の目標変調率とを設定し、第2電力ラインの目標電圧を用いて昇圧コンバータを制御すると共にインバータの制御モードおよび電圧の目標変調率を用いてインバータを制御する。そして、モータの界磁巻線に施された絶縁被膜の耐圧が低くなるほど電圧閾値および/または変調率閾値を低く設定し、目標電圧が電圧閾値よりも高く且つ目標変調率が変調率閾値よりも高いときには、目標電圧を電圧閾値以下に変更する、および/または、目標変調率を変調率閾値以下に変更する。こうした制御により、界磁巻線の耐圧が低下したときでも、界磁巻線からの放電を抑制している。なお、モータの絶縁被膜の耐圧は、界磁巻線の周辺の気圧が低いほど低下する。
特開2015-211479号公報
こうした自動車において、上述の制御を行なうには、昇圧コンバータを備える必要がある。また、モータでの絶縁破壊の発生を抑制するために、第2電力ラインの電圧を低下させたり電圧の変調率を低下させたりすると、モータのトルクの低下につながり、走行性能の低下につながる懸念がある。
本発明の自動車は、モータでの絶縁破壊の発生および走行性能の低下を抑制することを主目的とする。
本発明の自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の自動車は、
走行用のモータと、
複数のスイッチング素子のスイッチングにより前記モータを駆動するインバータと、
前記インバータを介して前記モータと電力をやりとりする蓄電装置と、
前記インバータをパルス幅変調制御モードおよび矩形波制御モードのうちの何れかの制御モードで制御する制御装置と、
を備える自動車であって、
前記制御装置は、前記インバータを前記パルス幅変調制御モードで制御しているときおいて、気圧が所定気圧未満のときには、前記制御モードが前記パルス幅変調制御モードから前記矩形波制御モードに切り替わるように電流実効値指令および電流進角値指令を設定し、前記電流実効値指令および前記電流進角値指令を用いて前記インバータを制御する、
ことを要旨とする。
この本発明の自動車では、インバータをパルス幅変調制御モードで制御しているときおいて、気圧が所定気圧未満のときには、制御モードがパルス幅変調制御モードから矩形波制御モードに切り替わるように電流実効値指令および電流進角値指令を設定し、電流実効値指令および電流進角値指令を用いてインバータを制御する。上述したように、気圧が低いほどモータの三相コイル(界磁巻線)の耐圧が低下する。また、インバータをパルス幅変調制御モードで制御しているときおいて、電圧の変調率が高いほど、モータの各相の電圧指令(変調波)のピーク周辺で幅の細い細パルスが現われやすい。そして、各相の電圧指令のピーク周辺で細パルスが現われると、複数のスイッチング素子のスイッチングに伴って生じるサージ電圧が大きくなりやすい。このため、気圧が低いときに各相の電圧指令のピーク周辺で細パルスが現われると、サージ電圧がモータの三相コイルの耐圧を超えやすい。これに対して、上述の制御を行なうことにより、気圧が所定気圧未満のときに、インバータの制御モードが矩形波制御モードに切り替わり、細パルスが現われなくなるから、サージ電圧がモータの三相コイルの耐圧を超えるのを抑制することができ、モータでの絶縁破壊の発生を抑制することができる。しかも、電圧の変調率を大きくするから、モータのトルクの低下を抑制することができ、走行性能の低下を抑制することができる。即ち、気圧が所定気圧未満のときでも、モータでの絶縁破壊の発生および走行性能の低下を抑制することができるのである。
こうした本発明の自動車において、前記制御装置は、前記インバータを前記パルス幅変調制御モードで制御しているときおいて、前記気圧が前記所定気圧以上のときでも、前記モータの温度が所定温度よりも高いときには、前記制御モードが前記パルス幅変調制御モードから前記矩形波制御モードに切り替わるように前記電流実効値指令および前記電流進角値指令を設定するものとしてもよい。こうすれば、モータ温度が高いときでも、モータでの絶縁破壊の発生および走行性能の低下を抑制することができる。
また、本発明の自動車において、前記制御装置は、前記インバータを前記パルス幅変調制御モードで制御しているときおいて、電圧の変調率が所定変調率よりも大きく且つ前記気圧が前記所定気圧未満のときには、前記制御モードが前記パルス幅変調制御モードから前記矩形波制御モードに切り替わるように前記電流実効値指令および前記電流進角値指令を設定するものとしてもよい。こうすれば、各相の電圧指令のピーク周辺で細パルスが現われやすいときに、モータでの絶縁破壊の発生および走行性能の低下を抑制することができる。
本発明の一実施例としての電気自動車20の構成の概略を示す構成図である。 電子制御ユニット50により実行される電流指令設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての電気自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例の電気自動車20は、図示するように、モータ32と、インバータ34と、蓄電装置としてのバッテリ36と、電子制御ユニット50と、を備える。
モータ32は、同期発電電動機として構成されており、永久磁石が埋め込まれた回転子と、三相コイル(界磁巻線)が巻回された固定子と、を備える。このモータ32は、回転子が駆動輪22a,22bにデファレンシャルギヤ24を介して連結された駆動軸26に接続されている。
インバータ34は、モータ32の駆動に用いられ、電力ライン38を介してバッテリ36に接続されている。このインバータ34は、6つのスイッチング素子としてのトランジスタT11~T16と、6つのトランジスタT11~T16のそれぞれに並列に接続された6つのダイオードD11~D16と、を有する。トランジスタT11~T16は、それぞれ、電力ライン38の正極側ラインと負極側ラインとに対してソース側とシンク側になるように2個ずつペアで配置されている。また、トランジスタT11~T16の対となるトランジスタ同士の接続点の各々には、モータ32の三相コイル(U相,V相,W相のコイル)の各々が接続されている。したがって、インバータ34に電圧が作用しているときに、電子制御ユニット50によって、対となるトランジスタT11~T16のオン時間の割合が調節されることにより、三相コイルに回転磁界が形成され、モータ32が回転駆動される。
バッテリ36は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されており、上述したように、電力ライン38を介してインバータ34に接続されている。電力ライン38の正極側ラインと負極側ラインとには、コンデンサ39が取り付けられている。
電子制御ユニット50は、CPU52を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU52の他に、処理プログラムを記憶するROM54や、データを一時的に記憶するRAM56、入出力ポートを備える。電子制御ユニット50には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。電子制御ユニット50に入力される信号としては、例えば、モータ32の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ(例えばレゾルバ)32aからの回転位置θmや、モータ32の各相の相電流を検出する電流センサ32u,32vからの相電流Iu,Ivを挙げることができる。また、バッテリ36の端子間に取り付けられた図示しない電圧センサからのバッテリ36の電圧Vbや、バッテリ36の出力端子に取り付けられた図示しない電流センサからのバッテリ36の電流Ib、コンデンサ39の端子間に取り付けられた電圧センサ39aからのコンデンサ39(電力ライン38)の電圧VHも挙げることができる。モータ32の三相コイル周辺に取り付けられた気圧センサ32bからの気圧Paや、モータ32に取り付けられた温度センサ32cからのモータ32の温度tmも挙げることができる。加えて、グニッションスイッチ60からのイグニッション信号や、シフトレバー61の操作位置を検出するシフトポジションセンサ62からのシフトポジションSPも挙げることができる。加えて、アクセルペダル63の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ64からのアクセル開度Accや、ブレーキペダル65の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ66からのブレーキペダルポジションBP、車速センサ68からの車速Vも挙げることができる。電子制御ユニット50からは、インバータ34のトランジスタT11~T16へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。電子制御ユニット50は、回転位置検出センサ32aからのモータ32の回転子の回転位置θmに基づいてモータ32の電気角θeや回転数Nmを演算している。
こうして構成された実施例の電気自動車20では、電子制御ユニット50は、図示しない走行制御ルーチンにより、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸26の要求トルクTd*を設定し、設定した要求トルクTd*をモータ32のトルク指令Tm*に設定する。そして、モータ32がトルク指令Tm*に基づいて駆動されるようにインバータ34のトランジスタT11~T16のスイッチング制御を行なう。
ここで、インバータ34の制御について説明する。実施例では、インバータ34を、正弦波PWM(パルス幅変調)制御モード、過変調PWM制御モード、矩形波制御モードのうちの何れかの制御モードで制御するものとした。正弦波PWM制御モードは、擬似的な三相交流電圧がモータ32に印加(供給)されるようにインバータ34を制御する制御モードであり、過変調PWM制御モードは、過変調電圧がモータ32に印加されるようにインバータ34を制御する制御モードであり、矩形波制御モードは、矩形波電圧がモータ32に印加されるようにインバータ34を制御する制御モードである。正弦波PWM制御モードでは、変調率Rmは値0以上で且つ値Rm1(略0.61)以下となり、過変調制御モードでは、変調率Rmは値Rm1よりも大きく且つRm2(略0.78)未満となり、矩形波制御モードでは、変調率Rmは値Rm2となる。ここで、変調率Rmは、インバータ34の入力電圧(電力ライン38の電圧VH)に対する出力電圧(モータ32の印加電圧)の実効値の割合である。実施例では、変調率Rmに基づいて、正弦波PWM制御モード、過変調PWM制御モード、矩形波制御モードのうちの何れかの制御モードでインバータ34を制御するものとした。
PWM制御モード(正弦波PWM制御モードまたは過変調PWM制御モード)では、電子制御ユニット50は、まず、モータ32の各相(U相,V相,W相)の相電流Iu,Iv,Iwの総和が値0であるとして、モータ32の電気角θeを用いてU相,V相の相電流Iu,Ivをd軸,q軸の電流Id,Iqに座標変換(3相-2相変換)する。
続いて、モータ32のトルク指令Tm*に基づいてd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を設定する。そして、d軸,q軸の電流指令Id*,Iq*および電流Id,Iqを用いてd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を設定し、d軸の電圧指令Vd*の二乗とq軸の電圧指令Vq*の二乗との和の平方根として計算される電圧実効値指令Vdq*を電力ライン38の電圧VHで除して、電圧の変調率Rmを計算する。そして、モータ32の電気角θeを用いてd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を各相の電圧指令(変調波)Vu*,Vv*,Vw*に座標変換(2相-3相変換)し、各相の電圧指令(変調波)Vu*,Vv*,Vw*と搬送波(三角波)との比較によりトランジスタT11~T16のPWM信号を生成する。そして、PWM信号をインバータ34に出力することにより、トランジスタT11~T16のスイッチングを行なう。
矩形波制御モードでは、電子制御ユニット50は、まず、上述したのと同様に、モータ32の電気角θeを用いてU相,V相の相電流Iu,Ivをd軸,q軸の電流Id,Iqに座標変換(3相-2相変換)する。続いて、d軸,q軸の電流Id,Iqに基づいて、モータ32から出力されていると推定される出力トルクTmestを設定する。そして、モータ32の出力トルクTmとトルク指令Tm*との差分が打ち消されるように電圧位相指令θp*を設定し、設定した電圧位相指令θp*に基づく矩形波電圧がモータ32に印加されるようにトランジスタT11~T16の矩形波信号を生成する。そして、矩形波信号をインバータ34に出力することにより、インバータ34のトランジスタT11~T16のスイッチング制御を行なう。
次に、インバータ34の制御モードがPWM制御モード(正弦波PWM制御モードおよび過変調PWM制御モード)のときにd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を設定する際の処理について説明する。図2は、電子制御ユニット50により実行される電流指令設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、インバータ34の制御モードがPWM制御モードのときに繰り返し実行される。
電流指令設定ルーチンが実行されると、電子制御ユニット50は、最初に、モータ32の三相コイル周辺の気圧Paやモータ32の温度tm、電圧の変調率Rm、モータ32のトルク指令Tm*などのデータを入力する(ステップS100)。ここで、モータ32の三相コイル周辺の気圧Paは、気圧センサ32bにより検出された値を入力するものとした。モータ32の温度tmは、温度センサ32cにより検出された値を入力するものとした。電圧の変調率Rmは、上述したのと同様に演算された値を入力するものとした。モータ32のトルク指令Tm*は、上述の走行制御ルーチンにより設定された値を入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、変調率Rmを閾値Rmrefと比較する(ステップS110)。ここで、閾値Rmrefは、モータの各相の電圧指令(変調波)Vu*,Vv*,Vw*のピーク周辺で幅の細い細パルスが現われやすいか否かを判定するのに用いられる閾値であり、例えば、上述の値Rm1付近の値などを用いることができる。このステップS110の処理は、各相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*のピーク周辺で細パルスが現われると、インバータ34のトランジスタT11~T16のスイッチングに伴って生じるサージ電圧が大きくなりやすいことを考慮したものである。
ステップS110で変調率Rmが閾値Rmref以下のときには、モータの各相の電圧指令(変調波)のピーク周辺で幅の細い細パルスは現われにくいと判断し、電流実効値指令Irに値Ir1を設定すると共に電流進角値指令θiに値θi1を設定し(ステップS140)、設定した電流実行指令Irおよび電流進角値指令θiに基づいてd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を設定して(ステップS160)、本ルーチンを終了する。
ここで、電流実効値指令Irおよび電流進角値指令θiは、モータ32に供給する電流の実効値の指令値およびq軸に対する角度(進角値)の指令値である。電流進角値指令Irは、d軸の電流指令Id*の二乗とq軸の電流指令Iq*の二乗との和の平方根、即ち、d-q座標系におけるd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*に基づく電流指令ベクトルの長さに相当する。電流進角値指令θiは、d-q座標系における電流指令ベクトルのq軸に対する角度(進角値)に相当する。
値Ir1および値θi1は、モータ32をトルク指令Tm*に基づいて駆動する際に、電流実効値指令Irが最小となる、或いは、モータ32の損失やインバータ34の損失を含む車両全体の損失が最小となる電流実効値指令Irおよび電流進角値指令θiの組み合わせである。この値Ir1および値θi1は、実施例では、モータ32のトルク指令Tm*と値Ir1および値θi1との関係を実験や解析により予め定めて第1マップとして図示しないROMに記憶しておき、モータ32のトルク指令Tm*が与えられると、この第1マップから対応する値Ir1および値θi1を導出して用いるものとした。
ステップS110で変調率Rmrefよりも大きいときには、モータの各相の電圧指令(変調波)のピーク周辺で幅の細い細パルスが現われやすいと判断し、モータ32の三相コイル周辺の気圧Paを閾値Parefと比較すると共に(ステップS120)、モータ32の温度tmを閾値tmrefと比較する(ステップS130)。モータ32の三相コイルの耐圧は、モータ32の三相コイル周辺の気圧Paが低いほどが低くなり、モータ32の温度tmが高いほど低くなる。閾値Parefおよび閾値tmrefは、モータ32の三相コイルの耐圧が比較的低くなっているか否かを判定するのに用いられる閾値である。閾値Parefとしては、例えば、89kPa,90kPa,91kPaなど(標高が1000m程度のときの気圧など)を用いることができる。閾値tmrefとしては、95℃や100℃、105℃などを用いることができる。このステップS120,S130の処理は、モータ32の三相コイルの耐圧が低いときに各相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*のピーク周辺で細パルスが現われると、サージ電圧がモータ32の三相コイルの耐圧を超えやすいことを考慮したものである。
ステップS120,S130で、モータ32の三相コイル周辺の気圧Paが閾値Paref以上で且つモータ32の温度tmが閾値tmref以下のときには、モータ32の三相コイルの耐圧はそれほど低くなっていないと判断し、電流実効値指令Irに値Ir1を設定すると共に電流進角値指令θiに値θi1を設定して(ステップS140)、本ルーチンを終了する。
ステップS120でモータ32の三相コイル周辺の気圧Paが閾値Paref未満のときや、ステップS130でモータ32の温度tmが閾値tmrefよりも高いときには、モータ32の三相コイルの耐圧が比較的低くなっていると判断し、電流実効値指令Irに値Ir2を設定すると共に電流進角値指令θiに値θi2を設定して(ステップS150)、本ルーチンを終了する。
ここで、値Ir2および値θi2は、モータ32をトルク指令Tm*に基づいて駆動する際に、変調率Rmが値Rm2に至ってインバータ34の制御モードがPWM制御モードから矩形波制御モードに切り替わる電流実効値指令Irおよび電流進角値指令θiの組み合わせである。変調率Rmを値Rm2に至らせるためには、値Ir2および値θi2のベクトルを値Ir1および値θi1のベクトルよりも強め界磁側にする必要があることから、値θi2は値θi1よりも小さくなる。この値Ir2および値θi2は、実施例では、モータ32のトルク指令Tm*と値Ir2および値θi2との関係を実験や解析により予め定めて第2マップとして図示しないROMに記憶しておき、モータ32のトルク指令Tm*が与えられると、この第2マップから対応する値Ir2および値θi2を導出して用いるものとした。
こうした処理により、モータ32の三相コイル周辺の気圧Paが閾値Paref未満のときやモータ32の温度tmが閾値tmrefよりも高いときに、インバータ34の制御モードがPWM制御モードから矩形波制御モードに切り替わるようにすることができる。インバータ34の制御モードが矩形波制御モードになると、細パルスが現われなくなるから、インバータ34のトランジスタT11~T16のスイッチングに伴って生じるサージ電圧がモータ32の三相コイルの耐圧を超えるのを抑制することができ、モータ32での絶縁破壊の発生を抑制することができる。しかも、変調率Rmを大きくするから、モータ32のトルクの低下を抑制することができ、走行性能の低下を抑制することができる。
以上説明した実施例の電気自動車20では、インバータ34をPWM制御モードで制御していて変調率Rmが閾値Rmrefよりも大きいときにおいて、モータ32の三相コイル周辺の気圧Paが閾値Paref未満のときには、電流実効値指令Irおよび電流進角値指令θiに、インバータ34の制御モードがPWM制御モードから矩形波制御モードに切り替わる値Ir2および値θi2を設定し、この電流実効値指令Irおよび電流進角値指令θiを用いてインバータ34を制御する。これにより、気圧Paが閾値Paref未満のとき(モータ32の三相コイルの耐圧が比較的低いとき)でも、モータ32での絶縁破壊の発生および走行性能の低下を抑制することができる。
実施例の電気自動車20では、インバータ34をPWM制御モードで制御していて変調率Rmが閾値Rmrefよりも大きいときにおいて、モータ32の三相コイル周辺の気圧Paが閾値Paref未満のときや、モータ32の温度tmが閾値tmref以上のときには、インバータ34の制御モードがPWM制御モードから矩形波制御モードに切り替わるように電流実効値指令Irおよび電流進角値指令θiを設定するものとした。しかし、モータ32の温度tmを考慮せずに、モータ32の三相コイル周辺の気圧Paが閾値Paref未満のときに、インバータ34の制御モードがPWM制御モードから矩形波制御モードに切り替わるように電流実効値指令Irおよび電流進角値指令θiを設定するものとしてもよい。
実施例の電気自動車20では、インバータ34をPWM制御モードで制御しているときにおいて、電圧の変調率Rmが閾値Rmrefよりも大きく且つモータ32の三相コイル周辺の気圧Paが閾値Paref未満のときには、インバータ34の制御モードがPWM制御モードから矩形波制御モードに切り替わるように電流実効値指令Irおよび電流進角値指令θiを設定するものとした。しかし、変調率Rmを考慮せずに、モータ32の三相コイル周辺の気圧Paが閾値Paref未満のときに、インバータ34の制御モードがPWM制御モードから矩形波制御モードに切り替わるように電流実効値指令Irおよび電流進角値指令θiを設定するものとしてもよい。
実施例の電気自動車20では、蓄電装置として、バッテリ36を用いるものとしたが、バッテリ36に代えて、キャパシタを用いるものとしてもよい。
実施例では、モータ32を備える電気自動車20の形態とした。しかし、モータ32に加えてエンジンも備えるハイブリッド自動車の形態としてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、モータ32が「モータ」に相当し、インバータ34が「インバータ」に相当し、バッテリ36が「蓄電装置」に相当し、電子制御ユニット50が「制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、自動車の製造産業などに利用可能である。
20 電気自動車、22a,22b 駆動輪、24 デファレンシャルギヤ、26 駆動軸、32 モータ、32a 回転位置検出センサ、32b 気圧センサ、32c 温度センサ、32u,32v 電流センサ、34 インバータ、36 バッテリ、38 電力ライン、39 コンデンサ、39a 電圧センサ、50 電子制御ユニット、52 CPU、54 ROM、56 RAM、60 イグニッションスイッチ、61 シフトレバー、62 シフトポジションセンサ、63 アクセルペダル、64 アクセルペダルポジションセンサ、65 ブレーキペダル、66 ブレーキペダルポジションセンサ、68 車速センサ、D11~D16 ダイオード、T11~T16 トランジスタ。

Claims (1)

  1. 走行用のモータと、
    複数のスイッチング素子のスイッチングにより前記モータを駆動するインバータと、
    前記インバータを介して前記モータと電力をやりとりする蓄電装置と、
    前記インバータをパルス幅変調制御モードおよび矩形波制御モードのうちの何れかの制御モードで制御する制御装置と、
    を備える自動車であって、
    前記制御装置は、前記インバータを前記パルス幅変調制御モードで制御しているときにおいて電圧の変調率が所定変調率よりも大きく且つ気圧が所定気圧未満のときには、前記制御モードが前記パルス幅変調制御モードから前記矩形波制御モードに切り替わるように電流実効値指令および電流進角値指令を設定し、前記電流実効値指令および前記電流進角値指令を用いて前記インバータを制御する、
    自動車。
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