JP7023464B2 - 磁性有目地壁 - Google Patents
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Description
一つは、表装材に積層したシート状磁石を壁下地に接着剤で貼着した壁面に対して、表示材、装飾材、壁表面材等を積層したシート状軟質磁性体、例えば、鉄板、または鉄粉をエラストマーに練り込んだシートを磁気吸着力によって貼着するものである。
もう一つは、上記タイプとは反対に、表装材を積層したシート状軟質磁性体を壁下地に接着剤で貼着した壁面に対して、表示材、装飾材、壁面材等を積層したシート状磁石を磁気吸着力によって貼着するものである(特許文献1)。
また、防火型磁性壁も提案されている(特許文献2)。
そこで例えばキッチンのタイル壁に特許文献2に記載の防火磁性壁を適用することも可能であるが、その場合、既存のタイル壁をいったん取り壊し、専門の施工業者に依頼し、新たな防火型磁性壁に一から施工しなおすという大掛かりな工事が必要となる。
なお、このような状況は、タイル壁だけに限らず、レンガ壁などにもあてはまる。
磁性体片(40)が永久磁石の性質のものであれば、その磁性面(42)に、例えば、表面に装飾印刷の施されたスチールシート、およびスチール箔などの被磁着体(50)を磁着することができる。磁性体片(40)が軟磁性体の性質のものであれば、その磁性面(42)に、例えば、マグネットホルダーやマグネットフックなどの磁石物品、表面に装飾印刷の施された磁石シートなどの被磁着体を磁着することができる。
なお、磁性体片(40)としてネオジウム磁石等の小型で強力な磁石を使った場合は、磁性面(42)が目地溝(31)内に埋没した状態でも磁着可能となる。
これにより、磁着可能密度を増大できる。
このため、複数の表示用吸着板(60)を水平方向に沿って、直線状に整列することができる。
なお、この原理を垂直方向の目地溝(31)に適用してもよい。
なお、以下の各実施形態は、本発明の一例であって、本発明、その他の適用物、あるいはその用途の範囲を制限するものではない。
図1は本発明に係る第1実施形態のタイル壁1の構成概略を示す斜視図、図2はタイル壁1の側断面図、図3は磁性体片40の断面斜視図、図4はタイル壁1の磁性壁化の方法を示す斜視図である。
基板10は、建物の下地をなす躯体(図示せず)に取りつけられる板材またはシート材である。
その表側面は、タイル群20を貼りつけるための面を形成し、裏側面は、直接または間接的に建物の躯体表面に取りつけるための面を形成している。
なお、基板10の素材としては、合板、合成樹脂パネル、コート紙、厚紙、不折布、ゴム板、磁石シート、シート状或いは板状の軟質磁性体、アルミニウムやステンレス等の金属板などがあげられる。
タイル21の材質として、陶磁器やセラミックスなどがあげられるが、陶磁器タイルの持つ質感、素材感を現出させた合成樹脂性の疑似タイルとしてもよい。
目地材30の素材として、モルタルをあげることができるが、その他、ポリウレタンなどの合成樹脂としてもよい。
なお、本発明で言う目地溝31は、隣り合うタイル21の側面と目地材30の頂面とにより形成される有底溝を言う。
磁性体片40は、図3に示すように、矩形の断面形状を有し、着磁は、長手方向に沿って磁気極性の境界面41が連続的に形成されるような形態とされている。
すなわち、境界面41を境にN極とS極がそれぞれ長手方向に連続している。
先ず、可撓性を有するオレフィン系ゴムと、熱可塑性合成樹脂であるエチレン系樹脂と、硬磁性材料の磁性粉であるフェライト粉末とを混合機により混合する(混合工程)。
次に、この混合物を、図示しない押出成形機により押出し成形して、断面が矩形状の紐状体を形成する(成形工程)。
そして、この紐状体を、着磁機に通して着磁する(着磁工程)。
このような紐状磁石は、カットや加工が容易であるとともに、後述する曲線を含むブロック体の目地溝31への適用も可能となる。
なお、表側面22と磁性面42とが面一であってもよい。
また、磁性体片40として強力な磁着力が得られるものを使う場合は、磁性面42が目地溝31内に埋没した状態であってもよい。
磁性体片40のうち長尺磁石片40aの長さは、タイル21の幅と目地溝31の幅との合計値の整数倍とされ、短尺磁石片40bの長さは、タイル21の幅とされる。
ここでは、N極とS極のどちらの極性を表側向きにするかについては特定しない。
なお、目地溝31の深さが比較的浅いものについては、磁性体片40が抜け落ちやすいため、磁性体片40の底面または側面に接着剤を塗布し目地溝31に接着させることが好ましい。
言い換えれば、タイル群20における目地溝31の上方に、タイル21の表側面22を超える高さの、目地溝31と同形に配列された枠形の永久磁石が存在する形になる。
この永久磁石の磁性面42に、例えば、マグネットホルダーやマグネットフックなどの磁石物品、表面に装飾印刷の施された磁性シート、スチールシート、およびスチール箔などの被磁着体50を磁気吸着させることができる。
なお、シート状物は、タイル21の表側面22そのものに磁着されているわけではなく、各タイル21を跨ぐ形で磁性体片40に磁着されるが、磁性体片40が密に存在しているため、壁面一帯に磁石材料を有した磁性壁に近い機能を発揮する。
また、磁性体片40の色を元の目地材30の色と同色かそれに近い色に着色することにより、違和感のない表面質感が得られる。
また、タイル壁1には、意匠の施された磁性壁紙を着脱自在に貼ることができるので、例えば壁紙張替のリフォームの際に、大掛かりな工事を行う必要がない。
図5は、タイル壁1におけるタイル群20の変形例を示す図である。
上述の実施形態において、タイル21の形状は正方形としたが、長方形でもよい(図5(a),(b))。また、曲線を有した形状としてもよい(図5(d))。
さらに、タイル群20の配置は格子状としたが、千鳥状としてもよい(図5(b),(c),(d))。
また、タイル群20を備えたタイル壁を示したが、レンガ、スライスレンガ、自然石材、加工石、装飾木材ブロックなどの壁であってもよい。
図6は、タイル壁1における磁性体片40の断面形状と着磁形態の変形例を示す図である。
上述の実施形態において、磁性体片40の断面形状は矩形としたが、円形(図6(a),(b))、楕円形(図6(c),(d))、多角形(図6(e))、鋸歯状(ギザギザ)周面型(図6(f))、凹型(図6(g),(h))などとしてもよい。
多角形、円形、楕円形の場合、目地溝31の側面への挿入時の接触面積が相対的に小さいため装着が容易である。
また、多角形とギザギザ周面型では滑り抜け防止の効果も期待できる。
このように、磁性体片40の断面形状は、紐状磁石の製造時に使う押出成形機の射出口形状を変えることにより、様々なものとすることができる。
上述の実施形態における着磁は、長手方向に沿って磁気極性の境界面41が連続的に形成される形態としたが、N極とS極が長手方向に断続的に交互に形成されるようにしてもよい。
なお、磁性体片40の断面形状を円形とした場合、磁気極性の境界面41を、半径を含む面(図6(a))としても、周方向に交互にN,S極が形成される多極磁極(図6(b))としてもよい。
また、磁性体片40の断面形状を楕円形とした場合、磁気極性の境界面41を、長径を含む面(図6(c))としても、短径を含む面(図6(d))としてもよい。
図7は、タイル壁1における磁性体片40の平面視形状の変形例を示す図である。
上述の実施形態において、磁性体片40は、長短2種類の長さの長尺磁石片40aと短尺磁石片40bとしたが、磁性体片40の一部を平面視十字型の十字体片40cとしてもよい(図7(a))。
十字体片40cは、目地溝31の各十字交差部分に容易に挿設することができる。
そして、隣り合う十字体片40cの間に形成された残りの縦横それぞれの目地溝31には、平面視I字型のI字体片40dを挿設することで、磁着面を形成することができる。
この例は、図1および図5(a)に示すように、各タイル21が格子状に配置されたタイル壁への適用に有効である。
この形態は、図5(b)および図5(c)に示すように、タイル21が千鳥状に配置されたタイル壁への適用に有効である。
もちろん、タイル21が格子状に配置されたタイル壁にも適用できる。
なお、枠形磁性片40gは、タイル群20における各タイル21の位置に対応し、各タイル21が嵌まり込むサイズの複数の貫通穴40Hを備える。
枠形磁性片40gの場合、所定領域の目地溝31に一括して挿設できるため、取付の時間や手間が少なくて済む。
枠形磁性片40gは、例えば磁石シートにトムソン型を使用して打ち抜き加工を施すことで製作される。
このように、煩雑な作業がほとんどなく、一般のユーザーでもDIY(Do it yourself)のレベルで施工できることから、磁性体片40をホームセンターなどで販売することも可能である。
その場合、磁性体片40は、タイルメーカーのタイル規格(目地幅等も含む)に適合する断面サイズや長さとすることが好ましい。
また、図3(b)のように、目地溝31への磁性体片40の装着面の一部または全部に剥離シート44で被覆された粘着層43を設けてもよい。
この場合、ユーザーは、目地溝31への装着時に、剥離シート44を剥がして装着できるので、接着剤塗布の手間がかからない。
上述の実施形態において、磁性体片40の元となる材料は、粘結剤となる合成樹脂と硬磁性物質からなる磁性粉との混合体を押し出し成型して得られた紐状体を、着磁機に通して着磁するもので、磁石として性質を有するものとしたが、硬磁性物質からなる磁性粉の代わりに、鉄やセンダストなどの軟磁性物質からなる磁性粉を用い、磁石としての性質を有さないものとすることもできる。
この場合は、被貼着体は、マグネットシートなどの面状磁石や、マグネットホルダーやマグネットフックなどの永久磁石体に限定される。
図9は、本発明に係る第2実施形態のタイル壁2の使用例を説明する図であり、図9(a)はタイル壁2の主要部を示す平面図である。
また、図9(b)は貼着対象となる表示用吸着板60を示す平面図である。
第1実施形態では、横方向に延びる目地溝31に取り付けられる磁石体片40について、極性についての取付態様、すなわちN極とS極のどちらの極性を表側向きにするかなどについては特定しなかったが、第2実施形態では、図9に示すように、横方向に延びる目地溝31に取り付けられる長尺磁石片40aは、上下に隣り合う平行なもの同士で、表側面極性が相反するように挿設されている。
このため、複数の表示用吸着板60を水平方向に沿って、直線状に整列することができる。
なお、この原理を垂直方向の目地溝31に適用してもよい。
21 タイル(ブロック体)
31 目地溝
40 磁性体片
42 磁性面
43 粘着層
44 剥離シート
Claims (6)
- 互いに隣接するブロック体間に目地溝が形成されるように複数のブロック体を配置した磁性有目地壁であって、目地溝の全てまたは一部に複数で構成された磁性体片を、互いに縦方向または横方向に隣り合うもの同士の表側面極性が相反するように挿設したことを特徴とする磁性有目地壁。
- 互いに隣接するブロック体間に目地溝が形成されるように複数のブロック体を配置した磁性有目地壁であって、目地溝の全てまたは一部に可撓性を有する紐状磁石を材料とし複数で構成された磁性体片を、互いに縦方向または横方向に隣り合うもの同士の表側面極性が相反するように挿設したことを特徴とする磁性有目地壁。
- 磁性体片の磁性面が、ブロック体の表面と面一またはそれよりも突出する位置となるように磁性体片を挿設したことを特徴とする請求項1または2に記載の磁性有目地壁。
- 磁性体片を目地溝に沿って連続的に挿設したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の磁性有目地壁。
- 磁性体片は、互いに隣接するブロック体間に目地溝が形成されるように複数のブロック体を配置した有目地壁における当該目地溝の全てまたは一部に挿設するように用いられ、該有目地壁の目地溝に挿設可能である形状に成型されたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の磁性有目地壁。
- 磁性体片の裏面には、剥離シートで被覆された粘着層を設けたことを特徴とする請求項5に記載の磁性有目地壁。
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